JP2015160834A - 汚物処理剤、可搬汚物処理剤、汚物処理方法、排尿具及び汚物処理シート - Google Patents
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Abstract
【課題】汚物を凝固させ、かつ、抗菌効果及び消臭効果を有する汚物処理剤を提供すること。合わせて、該汚物処理剤の活用方法を提供すること。
【解決手段】重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含み、粉末状であることを特徴とする、汚物処理剤を提供する。該汚物処理剤を防水性の袋体に収容して可搬とし、それを使用する汚物処理方法を示す。また、該汚物処理剤を活用する汚物処理用シートを提供する。
【選択図】図1
【解決手段】重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含み、粉末状であることを特徴とする、汚物処理剤を提供する。該汚物処理剤を防水性の袋体に収容して可搬とし、それを使用する汚物処理方法を示す。また、該汚物処理剤を活用する汚物処理用シートを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、糞尿、嘔吐物等の汚物を処理する汚物処理剤(特に、強アルカリ性に基づく抗菌性を有する汚物処理剤)、該汚物処理剤を可搬にしたもの、該汚物処理剤を用いる汚物処理方法、並びに該汚物処理剤を活用した排尿具及び汚物処理シートに関する。
人又は動物の糞尿、嘔吐物、その他の排泄物、並びに、汚泥、廃油等の汚物を、公道、床面等から除去して廃棄することは必ずしも容易でない。(1)固形分と水分が混合しており収集が容易でないこと、(2)菌類が生息していたり臭気が発生したりして収集後の廃棄が制約されること、が主な理由である。
上記(1)の問題に対応するものとして、特許文献1には、清掃処理用凝固剤が開示されている。しかし、(2)の問題については、臭気を緩和するのみで完全に消臭するものではなく、また、菌類の問題に対応するものではない。菌類の問題に対応するためには、少なくとも11以上のpHとなる強アルカリ性とすることが好ましいが、特許文献1にはそのような技術の開示はなされていない。
除菌消臭剤としては、次亜塩素酸を用いることが行われていた。しかし、次亜塩素酸は使用者にとって危険であり、また、布の床面の変色が発生していた。
本発明は、汚物を凝固させ、かつ、抗菌効果及び消臭効果を有する汚物処理剤を提供することを課題とする。合わせて、該汚物処理剤の活用方法を提供する。
本発明の汚物処理剤は、
重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含み、
粉末状であることを特徴とする。
重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含み、
粉末状であることを特徴とする。
凝固剤であるアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、抗菌消臭剤である水酸化カルシウムとを、それらの効果が得られる比率で含有した粉末状の汚物処理剤である。
本発明の可搬汚物処理剤は、
前記汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする。
前記汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする。
水分と反応する汚物処理剤を防水性の袋体に収容し、汚物処理の現場に運搬して振掛けて用いることを可能にする。
本発明の可搬汚物処理剤は、
30g〜100gの前記汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする。
30g〜100gの前記汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする。
1回分の使用量に合わせて収容する。通常の嘔吐物であれば50g程度が好ましい。用途に依存して収容量を設計することができる。
本発明の汚物処理方法は、
保護マスク及び保護手袋を着用し、可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記保護マスク、前記保護手袋及び前記ヘラを汚物袋に追加収容する追加収容行程と、
前記汚物袋を廃棄する廃棄行程とを含ことを特徴とする。
保護マスク及び保護手袋を着用し、可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記保護マスク、前記保護手袋及び前記ヘラを汚物袋に追加収容する追加収容行程と、
前記汚物袋を廃棄する廃棄行程とを含ことを特徴とする。
凝固させた汚物及び汚物処理に使用した器物を汚物袋に収容し、一括して廃棄することができる。なお、廃棄される汚物袋は、菌類非生存であり、臭気もなく、一般の可焼却ごみ等としての廃棄が可能である。
本発明の汚物処理方法は、
保護マスク及び保護手袋を着用し、可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記汚物袋の内容物を下水道に排水させる排水行程とを含ことを特徴とする。
保護マスク及び保護手袋を着用し、可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記汚物袋の内容物を下水道に排水させる排水行程とを含ことを特徴とする。
汚物袋の内容物は、菌類非生存であり、臭気もないので、下水道に排水することもできる。例えば、水洗式便所から排水させればよい。
本発明の汚物処理方法は、
前記振掛行程と前記収容行程との間に、汚物に水を振掛ける加水行程を含むことを特徴とする。
前記振掛行程と前記収容行程との間に、汚物に水を振掛ける加水行程を含むことを特徴とする。
汚物中の水分が少なく凝固が遅い場合には、水を振掛けて凝固を促進する。なお、「水」は水分を含むものであればよく、例えば消臭剤の溶液であってもよい。
本発明の汚物処理方法は、
前記収容行程の後に、前記汚物のあった場所に水酸化カルシウム飽和溶液を噴霧する清浄行程を含むことを特徴とする。
前記収容行程の後に、前記汚物のあった場所に水酸化カルシウム飽和溶液を噴霧する清浄行程を含むことを特徴とする。
汚物中の菌類、臭源等が廃棄後にも公道、床面等に残存する場合に、それに対応する。
本発明の排尿具は、
汚物処理剤を封入した通水性の袋体を内部に備えることを特徴とする。
汚物処理剤を封入した通水性の袋体を内部に備えることを特徴とする。
外出時においてトイレの使用が困難な場合に用いる排尿具が提供される。尿は、汚物処理剤によって除菌、消臭され、凝固する。
本発明の汚物処理用シートは、
一面の防水性シートと他面の通水性シートとの間に、汚物処理剤を把持させたことを特徴とする。
一面の防水性シートと他面の通水性シートとの間に、汚物処理剤を把持させたことを特徴とする。
汚物の発生を予想し得る箇所に汚物処理用シートを備えることができる。通水性シートの側に発生した汚物が汚物処理剤によって処理される。防水性シートを越えて流出してしまうことがない。
本発明の汚物処理剤によれば、汚物を凝固させ、かつ、抗菌効果及び消臭効果を有する汚物処理剤が提供される。
本発明の可搬汚物処理剤、汚物処理方法、排尿具及び汚物処理シートによれば、該汚物処理剤の活用方法が提供される。
以下、本発明の汚物処理方法を示す実施例1、汚物処理剤の効果を示す実施例2、排尿具を示す実施例3、汚物処理用シートを示す実施例4を説明する。
図1は、汚物処理方法の手順を示す図である。この手順においては多様な汚物処理剤を用いることができるが、本実施例の汚物処理剤は、重量比70%のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%の水酸化カルシウムと、重量比10%の他成分(水分等)を含む粉末状のものとする。汚物処理剤は、汚物処理に用いる1回分の使用量が防水性の袋に収容されている。
汚物処理に当たり、まず、保護マスク、保護手袋を着用し(ステップS1)、袋を開封して汚物処理剤を汚物に振掛ける(ステップS2)。
汚物中の水分にアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物が反応し、汚物が凝固する。凝固が遅い場合には、汚物に水を振掛けて(ステップS3)凝固を促進することができる。
水酸化カルシウムが溶解して、汚物は、pH=12.5程度の強アルカリ性となる。これによって、汚物中の菌類が非生存継続環境にさらされて生存できない。菌によって発生する臭気が除去される。また、汚物中の酸性成分に起因する臭気も消される。
このように、強アルカリ性とすることで除菌消臭効果を得ることができる。強アルカリ性物質の中で、水酸化カルシウムは、使用者にとって危険でなく、かつ、床面の変色を発生しないものである。
15秒ほどで汚物が凝固する。(下記実験結果参照)
凝固した汚物は、ヘラ(スコップ等でもよい)を用いて、容易に汚物袋に収容する(ステップS4)ことができる。
以下、汚物のあった場所の清掃と、収容した汚物の廃棄を行う。清掃、廃棄のそれぞれについて説明する。
汚物のあった場所の清掃は、水酸化カルシウムの飽和溶液を振掛けて行う(ステップS5)。pH=12.5程度の強アルカリ性の液が振掛けられ、除菌、消臭される。水酸化カルシウムの飽和溶液は、ボトルやスプレー缶に入れて持参することができる。
振掛けられた飽和溶液及び汚物処理剤中の水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムが発生する。この炭酸カルシウムを清掃する(ステップS6)。水を掛けて洗い流す等のことを行えばよい。なお、炭酸カルシウムが残存しても問題ない場合には、清掃を行わなくてもよい。
水酸化カルシウムを用いるので、従来行われていたような次亜塩素酸ナトリウム等を用いる場合に比して、床、絨毯等の脱色の発生が極めて少ない。
清掃後に、保護マスク、保護手袋を脱用する(ステップS7)。
廃棄については、各種の方法が考えられるが、そのうち2つを説明する。
汚物袋内の汚物に、水酸化カルシウムの飽和水溶液を噴霧する(ステップS5a)。除菌、消臭のためである。なお、汚物処理剤による除菌、消臭が行われているので、ステップS5aは必須ではない。汚物処理剤による除菌、消臭で十分であることが多い。
凝固した汚物は、可焼却ゴミとして廃棄する(ステップS9)ことができる。汚物処理剤に含有されたアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物及び水酸化カルシウムは、一般ごみとしての処分に適しているためである。
また、保護マスク、保護手袋、ヘラが可燃性(紙製、布製等)であれば、凝固した汚物と共に汚物袋に入れて(ステップS8)、可焼却ゴミとして廃棄することができる。
凝固した汚物は、その内容物を、水洗便所等から下水に排水することもできる。汚物処理剤に含有されたアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物及び水酸化カルシウムは、下水への排水に適しているためである。
アクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物及び水酸化カルシウムの配合比率の最適値を求めるため、成分比率を変化させて実験を行った。
実験は、離乳食の肉じゃが(市販のもの)80g、水200g及びpH=2に調整したクエン酸溶液10gを混合した疑似嘔吐物を処理するものである。疑似嘔吐物のpH値は4.5前後である。
疑似嘔吐物に汚物処理剤50gを振り掛け、水200gを注水し、注水してから凝固するまでの時間(固形化時間)及び凝固物のpH値(固形化後pH値)を測定した。表1に実験結果を示す。なお、表1において、「A」はアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物を、「C」は水酸化カルシウムを示す。また、評価欄の「◎」は良好、「○」は良好に準じる、「△」は使用可、「×」は使用不適を示す。
固形化時間は短いほど好ましいが、20秒未満であれば良好と、20秒以上1分未満を使用可と、1分以上を使用不適と判断した。使用者に不要の待ち時間を与えないことを重視したものである。
食中毒細菌の増殖pHは、多くの細菌は9程度までであるが、細菌によっては11に及ぶ。このため、固形化後pH値は11以上であることが必須である。11未満を使用不適と、11以上12未満を使用可と、12以上13未満を良好に準じると、13以上であれば良好と判断した。
実験番号3の成分比率のものが、固形化時間、固形化後pH値共に良好であった。これに対し、実験番号4の成分比率のものは、固形化時間に問題があった。しかし、使用者が固形化時間を待つことができる場合には、固形化後pH値(防臭効果)においては実験番号3の成分比率のものとほぼ同等である。また、実験番号2の成分比率のものは、固形化後pH値(防臭効果)において実験番号3の成分比率のものに対して劣っていた。実験番号1の成分比率のものは、固形化後pH値が7.3と低く防臭効果が期待できない。
以上の実験結果より、実験番号3及び4に相当するもの、すなわち、重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含むものが本発明の課題解決に適していると判断できた。
図2は、排尿具を示す図である。(A)に示すように、排尿具1は、防水袋2の中に通水性の袋体3が収容され、通水性の袋体3には汚物処理剤4が充填されている。防水袋2の開口端付近に紐5が付されている。
防水袋2の中に排尿すると、尿中の水分と汚物処理剤4とが反応して、尿が凝固し、除菌され、消臭される。
使用後は、(B)に示すように紐5によって防水袋2の内容物が防水袋2から排出されないようにし、可焼却ゴミとして廃棄することができる。なお、防水袋2は可焼却素材によるものとする。
図3は、汚物処理用シートを示す図である。汚物処理シート6は、防水シート7と通水シート8との間に汚物処理剤9を把持させたものである。
汚物処理シート6の通水シート8側に汚物が発生すると、汚物中の水分と汚物処理剤9とが反応して、汚物が凝固し、除菌され、消臭される。また、凝固した汚物が防水シート7を越えて拡散してしまうことがない。衛生的な環境が実現される。
汚物処理シートは、生理時の血液を凝固・吸収する女性用の生理用品として、また、犬猫等の小動物の糞尿を凝固・吸収する小動物用糞尿処理マットとして、その他のものとして活用することができる。
汚物を凝固させ、かつ、抗菌効果及び消臭効果を有する汚物処理剤、及び該汚物処理剤の活用方法であり、多くの清掃業者や個人による利用が期待される。
1 排尿具
2 防水袋
3 通水性の袋体
4 汚物処理剤
5 紐
6 汚物処理用シート
7 防水性シート
8 通水性シート
9 汚物処理剤
2 防水袋
3 通水性の袋体
4 汚物処理剤
5 紐
6 汚物処理用シート
7 防水性シート
8 通水性シート
9 汚物処理剤
Claims (9)
- 重量比60%以上のアクリル酸重合体ナトリウム塩架橋物と、重量比20%以上の水酸化カルシウムとを含み、
粉末状であることを特徴とする、汚物処理剤。 - 請求項1に記載の汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする、可搬汚物処理剤。
- 30g〜100gの前記汚物処理剤を、防水性の袋体に収容したことを特徴とする、請求項2に記載の可搬汚物処理剤。
- 保護マスク及び保護手袋を着用し、請求項2又は3に記載の可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記保護マスク、前記保護手袋及び前記ヘラを汚物袋に追加収容する追加収容行程と、
前記汚物袋を廃棄する廃棄行程とを含ことを特徴とする、汚物処理方法。 - 保護マスク及び保護手袋を着用し、請求項2又は3に記載の可搬汚物処理剤を汚物に振掛ける振掛行程と、
前記汚物の凝固後に前記汚物をヘラで集めて汚物袋に収容する収容行程と、
前記汚物袋の内容物を下水道に排水させる排水行程とを含ことを特徴とする、汚物処理方法。 - 前記振掛行程と前記収容行程との間に、汚物に水を振掛ける加水行程を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の汚物処理方法。
- 前記収容行程の後に、前記汚物のあった場所に水酸化カルシウム飽和溶液を噴霧する清浄行程を含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の汚物処理方法。
- 請求項1に記載の汚物処理剤を封入した通水性の袋体を内部に備えることを特徴とする、排尿具。
- 一面の防水性シートと他面の通水性シートとの間に、請求項1に記載の汚物処理剤を把持させたことを特徴とする、汚物処理用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014037715A JP2015160834A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 汚物処理剤、可搬汚物処理剤、汚物処理方法、排尿具及び汚物処理シート |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014037715A JP2015160834A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 汚物処理剤、可搬汚物処理剤、汚物処理方法、排尿具及び汚物処理シート |
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JP2015160834A true JP2015160834A (ja) | 2015-09-07 |
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JP6937059B1 (ja) * | 2020-11-13 | 2021-09-22 | 有限会社フレスト | 災害用し尿処理キット |
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2014
- 2014-02-28 JP JP2014037715A patent/JP2015160834A/ja active Pending
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JP6937059B1 (ja) * | 2020-11-13 | 2021-09-22 | 有限会社フレスト | 災害用し尿処理キット |
JP2022078792A (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-25 | 有限会社フレスト | 災害用し尿処理キット |
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