JP2015160668A - 二重容器用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】サックバック機能を備えるとともに内容液を乱れなく安定して注出することができる二重容器用キャップを提案する。
【解決手段】本発明の二重容器用キャップ1は、注出筒14を有するキャップ本体10と、注出筒14と内層体3との間に位置する隔壁21を有し、隔壁21に、内容液を通す連通口23と筒状壁22とを備える中栓20と、内層体3内の圧力上昇によって連通口23を開放する弁体43と、筒状壁22内に移動可能に設けられる移動弁体30とを備え、中栓20は、隔壁21の中央部に筒状壁22を配置するとともに、筒状壁22より外周側に連通口23を複数配置してなるものであり、筒状壁22における内層体側開口の総開口面積に対し、連通口23の総開口面積を大きくしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、減容変形可能な内層体とこの内層体を内側に配置した外層体とを備える二重容器に対し、外層体の口部に装着されて内層体に収容した内容液を注出させる二重容器用キャップに関する。
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンス或いは液体石鹸、また食品調味料などを収用する容器としては、このような液体を収容するとともに減容変形可能に設けられる内層体と、この内層体を内側に収めるとともに容器の外殻を形成する外層体とを備える二重容器(デラミ容器、積層剥離容器とも言う)が知られている。このような二重容器においては、外層体の口部に、内容液を注出する注出筒を備えるとともに内層体への外気の侵入を防止する弁体を設けた二重容器用キャップ(以下、単に「キャップ」と称する場合もある)が装着される。そして、外層体を押圧することで、外層体と内層体との間の空気を介して内層体内を加圧し、これによって弁体を開放させて内容液を注出する。また外層体には、内層体との間に外気を取り込む貫通孔を設けていて、注出後、外層体が元の形状に復元する際は、この貫通孔から外気が取り込まれ、内層体は減容変形したままで外層体のみが復元する。
ところでこのような二重容器(以下、単に「容器」と称する場合もある)においては、外層体への押圧を停止すると弁体が直ちに閉鎖状態に戻るため、注出筒内に内容液が残留することになる。このため、容器の姿勢によっては注出筒から内容液が溢れる(液だれ)ことがある。また、保管時に注出筒を覆い隠すための蓋体には、注出筒に入り込んでその内周壁に当接することで注出筒内に外気が入り込まないようにするシール部が設けられているため、蓋体を閉める際にも液だれが生じることがある。
このような液だれを防止するキャップとしては、例えば特許文献1のようなサックバック機能(バックサクション機能ともいう)を有するものが知られている。特許文献1のキャップでは、内層体の上部に設けられる隔壁に、両端が開口する筒状壁を設けて貫通経路を形成し、貫通経路に、容器の姿勢変更に応じて貫通経路内を移動する球状弁体を設けている。このようなキャップによれば、内容液を注出した後、傾倒姿勢の容器を起立姿勢に戻すことによって球状弁体は内層体側へ移動し、これによって注出筒内に残留した内容液を貫通経路に向けて引き戻すことができるため、液だれを防止することができる。
特開2013−151316号公報
ところで、このようなキャップにおいては、隔壁の中央部に内容液の通る連通口(特許文献1ではゲート)が設けられていて、貫通経路を形成する筒状壁は、隔壁に対して偏心(容器の中心軸に対して偏心)して設けられている。このため、内容液が連通口を通り抜ける際の流れが不規則になり、容器の傾きや外層体への押圧加減によっては、注出した内容液に液の乱れが起きることがあった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、サックバック機能を備えるとともに内容液を乱れなく安定して注出することができる、新たな二重容器用キャップを提案するところにある。
本発明は、減容変形可能な内層体からの内容液を注出する注出筒を有し、該内層体を内側に配置した外層体の口部に装着されるキャップ本体と、
該注出筒と該内層体との間に位置する隔壁を有し、該隔壁に、内容液を通す連通口と、一端が該注出筒側に開口するとともに他端が該内層体側に開口する筒状壁とを備える中栓と、
該連通口を閉鎖する一方、該内層体内の圧力上昇によって該連通口を開放して内容液を流す弁体と、
該筒状壁内に移動可能に設けられ、該注出筒側から該内層体側への移動によって該注出筒内に残存する内容液を該筒状壁に向けて引き戻す移動弁体とを備える二重容器用キャップにおいて、
前記中栓は、前記隔壁の中央部に前記筒状壁を配置するとともに、該筒状壁より外周側に前記連通口を複数配置してなるものであり、
該筒状壁における内層体側開口の総開口面積に対し、該連通口の総開口面積を大きくしてなる二重容器用キャップである。
前記弁体は、注出筒側へ移動した前記移動弁体によって閉鎖される一方、該移動弁体の内層体側への移動に伴い開放する液引き戻し孔を有することが好ましい。
前記弁体は、前記連通口及び前記筒状壁の注出筒側開口に対してともに覆い被さるものであり、
前記筒状壁内に収容された前記移動弁体と該弁体との隙間を、該移動弁体における該筒状壁に沿う長さよりも小さくしてなることが好ましい。
本発明の二重容器用キャップは、注出筒と内層体との間に位置する隔壁に、内容液を通す連通口、及び一端が注出筒側に開口するとともに他端が内層体側に開口する筒状壁を設けた中栓と、筒状壁内に移動可能に設けられ、注出筒側から内層体側への移動によって注出筒内に残存する内容液を該筒状壁に向けて引き戻す移動弁体とを備えるものである。そしてこの中栓を、隔壁の中央部に筒状壁を配置するとともに、筒状壁より外周側に連通口を複数配置してなるものとし、筒状壁における内層体側開口の総開口面積に対し、連通口の総開口面積を大きくしている。すなわち、筒状壁が隔壁の中央部に設けられているので、筒状壁の周囲における内容液の流れが均等化され、内容液が注出される際の液の乱れを抑制することができる。また、連通口を複数配置しているので、内容液を注出する際の弁体の傾きが生じにくくなり、流れの乱れがより起きにくくなる。更に、筒状壁における内層体側開口の総開口面積に対し、連通口の総開口面積を大きくしているので、内容液が連通口を流れる際の抵抗がより軽減され、注出がスムーズに行われる。
弁体に、注出筒側へ移動した移動弁体によって閉鎖される一方、この移動弁体の内層体側への移動に伴い開放する液引き戻し孔を設ける場合は、内容液を注出させる際に容器を傾けることでこの液引き戻し孔が閉鎖され、注出筒は連通口とのみ連通することになるので、内容液の流れの安定性をより確実なものにすることができる。
弁体を、連通口及び筒状壁の注出筒側開口に対してともに覆い被さるものとし、筒状壁内に収容された移動弁体と弁体との隙間を、移動弁体における筒状壁に沿う長さよりも小さくする場合は、キャップを組み立てる際に誤って移動弁体を2つ取り付けることがあると、弁体が持ち上げられて連通口が開放することになる。連通口が開放しているか否かは、例えばリーク試験等によって簡単に、しかも確実に確認することができるため、このような組み立て不良の発見が容易になる。
本発明に従う二重容器用キャップの一実施形態につき、外層体の口部に装着した状態を示す断面図である。 図1に示す二重容器用キャップの部分拡大断面図である。 図2に示す矢印Aに沿う矢視図である。 図2に示す矢印Bに沿う矢視図である。 本発明に従う二重容器用キャップの他の実施形態を示す、部分拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である二重容器用キャップ1(以下、「キャップ1」という)が、これに適合する二重容器2(以下、「容器2」という)に装着された状態を示す。キャップ1は、キャップ本体10、中栓20、移動弁体30、逆止弁40A、及び蓋体50で構成されている。また、容器2は、内層体3、及び外層体4で構成されている。
まず、容器2について説明する。容器2を構成する内層体3及び外層体4は、本実施形態ではともに合成樹脂製であって、相互に相溶性が低い樹脂を用いている。また容器2は、内層体3の合成樹脂素材と外層体4の合成樹脂素材とを積層して形成されるパリソンに対し、ブロー成形を行うことによって形作っている。また、図示は省略するが、内層体3と外層体4との間に、縦方向に延在して内層体3と外層体4とを部分的に接合する、1本或いは複数本の接着帯を設けてもよい。
内層体3は、減容変形可能に形成されるものであって、本実施形態では、積層状態で形成された容器2に対し、外層体4から剥離させることで得られるものである。内層体3は、その内側に内容液を収容する収容空間Sと、この収容空間Sにつながる上部開口3aを備えている。
外層体4は、円筒状の口部周壁4aに、図示を省略する復元自在な可撓性を有する胴部、及び胴部の下端を閉鎖する底部を連結したものである。口部周壁4aの外周面には雄ねじ部4bを設けている。また、口部周壁4aには、内層体3との相互間に空気を取り込むための貫通孔4cを設けていて、更に、貫通孔4cを設けた外周面には、上下方向に雄ねじ部4bを切り欠く溝部4dを設けている。
次に、キャップ1に関し、キャップ本体10について説明する。キャップ本体10は、口部周壁4aを取り囲む外周壁11を備えていて、外周壁11の内周面には、口部周壁4aの雄ねじ部4bに対応する雌ねじ部12が形成されている。また、外周壁11の上部には、頂壁13が一体に連結している。頂壁13には、内容液を注出する注出筒14が設けられている。また、頂壁13の下面には、同心二重配置となる一対の上部嵌合壁15が設けられている。更に、上部嵌合壁15より径方向外側には、頂壁13を貫通する外気導入孔16を設けている。本実施形態では、頂壁13の中央部分と外周部分との間に段差を設け(中央部分に対し外周部分は高さが低くなっている)、この段差に径方向外側に向けて開口するようにして外気導入孔16を設けている。このように構成することで、頂壁13上に溢れた内容物が、外気導入孔16に入り難くなる。なお、外周壁11の下端は口部周壁4aと気密に当接していて、口部周壁4aと外周壁11との間には、貫通孔4cに通じる通気路Tが設けられている。
キャップ本体10の内側には、中栓20が設けられる。中栓20は、注出筒14と内層体3との間に位置するとともに、内層体3の上部開口3aを覆う隔壁21を備えている。
隔壁21には、一端が注出筒14側に開口するとともに他端が内層体3の収容空間S側に開口する筒状壁22が設けられている。本実施形態の筒状壁22は、図2に示すように、隔壁21の中央部(容器2の中心軸M上)に貫通孔22aを設け、この貫通孔22aの縁部から収容空間Sに向けて円筒部22bを延在させ、傾斜部22cを介して、外周面に少なくとも1つの貫通孔22d(本実施形態では、図1、図3に示すようにスリット状に4つ設けている)を有する有底円筒状の底部22eを一体に連結させたものである。また隔壁21には、筒状壁22より外周側にこの隔壁21を貫通する孔(連通口)23が設けられている。本実施形態では、図3に示すように、筒状壁22を取り囲んで均等配置で4つ設けている。ここで、筒状壁22における収容空間S側の開口(本実施形態では貫通孔22d)の総開口面積と、連通口23の総開口面積との関係は、連通口23の総開口面積の方が大きくなるようにしている。ここで、連通口23の総開口面積とは、それぞれの連通口23における開口面積に対し、これらを合計した面積をいう。なお、これについては貫通孔22dも同様である。
また隔壁21は、連通口23より径方向外側において収容空間S側に屈曲する段部24を備えていて、段部24より径方向外側には、段部24との間で上向き開放の溝を形成する嵌合壁25が設けられている。そして隔壁21の下面には、外層体4との間で内層体3を挟み込む環状のシール壁26を設けている。なお、図2に示すように隔壁21の外縁には、少なくとも1つの溝27が設けられている。
筒状壁22内には、本実施形態では球状となる移動弁体30が設けられている。筒状壁22と移動弁体30との間には、容器2の姿勢変更に応じて移動弁体30が移動可能、且つ内容液はほとんど通過させない(実質的に通過させない)程度の隙間が設けられている。なお、筒状壁22の注出筒14側は、後述する液引き戻し孔44によって開口し、収容空間S側は、貫通孔22dによって開口しているので、筒状壁22内に入り込んだ内容液が移動弁体30の移動を妨げることはない。また移動弁体30は、容器2を起立姿勢(容器2の底部を水平な台の上に載置した状態の姿勢)にすることで、筒状壁22の傾斜部22cに着座する。これによって収容空間Sをシールすることができる。
キャップ本体10と中栓20との間には、逆止弁40Aが設けられている。図4に示すように逆止弁40Aは、本実施形態では円筒状になる環状壁41の径方向内側に、3つのアーム42を介して連結する板状の弁体43を備えていて、所謂3点弁の形態をなしている。また、弁体43の中央部には貫通孔(液引き戻し孔)44が設けられていて、弁体43の下面には突起45が設けられている。また逆止弁40Aは、図2に示すようにキャップ本体10、中栓20に対して取り付けた際、環状壁41の下部が段部24と嵌合壁25との間で嵌合保持され、環状壁41の上部が一対の上部嵌合壁15で嵌合保持されるようになっている。これにより、図2に示すように、環状壁41の径方向内側には、連通口23と注出筒14とを連通させて内容液の流路を形成する内側空間K1が区画形成され、環状壁41の径方向外側には、外気導入孔16と溝27とを連通させて空気の流路を形成する外側空間K2が区画形成される。また、弁体43は、貫通孔22a及び連通口23を全て覆い隠す大きさになっていて、通常時は隔壁21に着座して連通口23を閉鎖する。また、液引き戻し孔44は、貫通孔22aに対応する位置に設けられている。
蓋体50は、図1に示すように、ヒンジ51を介してキャップ本体10の外周壁11に連結していて、ヒンジ51で折り曲げることで、注出筒14及び外気導入孔16を覆い隠すことができる。より詳細には、蓋体50は、平板状の上壁52と、上壁52の縁部に連結するとともに外周壁11に連なる形状となる蓋体周壁53とを備えていて、上壁52には、蓋体50を閉めた際に注出筒14の内側に入り込んで注出筒14をシールする筒状のシール部54が設けられている。なお、蓋体50は、ヒンジ51を設けずにキャップ本体10とは別体のものとし、ねじやアンダーカットでキャップ本体10に装着するように構成してもよい。
上記のように構成されるキャップ1から内容液を吐出するに当たっては、図1に仮想線で示すように蓋体50を開き、容器2を起立姿勢から傾倒姿勢に姿勢変更して、外層体4の胴部を押圧する。これにより、筒状壁22内の移動弁体30は注出筒14側に移動し、また、内層体3と外層体4との間の空気を介して収容空間Sが加圧される。なお、外層体4の貫通孔4cとキャップ本体10の外気導入孔16との間は、通気路T、溝27、及び外側空間K2でつながっており、常時開放された状態であるものの、溝27は狭くなっていて空気が流れる際に抵抗が生じるため、外層体4を押圧しても、内層体3と外層体4との間の空気はそれ程多く漏れ出すことはなく、収容空間Sへの加圧が阻害されることはない。そして、加圧された内容液が、弁体43を持ち上げて連通口23から流出し、内側空間K1を経由して注出筒14から外界に注出される。ここで、筒状壁22は隔壁21の中央部に設けられているので、筒状壁22の周囲における内容液の流れは均等化され、内容液が注出される際の液の乱れが抑制される。また、連通口23が1つのみの場合には、弁体43は、連通口23を設けた部位が優先して持ち上がって傾いてしまうものの、ここでは複数配置しているので、弁体43の傾きが生じにくくなり、流れの乱れがより起きにくくなる。筒状壁22における内層体3側の開口(貫通孔22d)の総開口面積に対し、連通口23の総開口面積を大きくしているので、内容液が流れる際、連通口23での抵抗がより軽減されてスムーズに注出させることができる。
所要量の内容液を注出した後は、外層体4の胴部への押圧を解除する。これによって収容空間S内の圧力が下がり、弁体43が連通口23を閉鎖するので、収容空間S内への外気の入り込みが防止できる。また、外層体4は、それ自身の復元力により元の形状に戻ろうとするため、内層体3と外層体4との相互間は負圧状態となり、これによって、外気導入孔16から外側空間K2、溝27、通気路Tを経て、貫通孔4cより空気が導入され、内層体3を減容変形させたまま外層体4が復元する。
弁体43が連通口23を閉鎖すると、注出筒14及び内側空間K1内には内容液が残留したままになっているものの、容器2を元の起立姿勢に戻すと、移動弁体30は、それ自身の自重や収容空間S内の圧力低下によって内層体3の収容空間S側に移動する。これにより、筒状壁22における注出筒14側には、スペースが生じることになるため、注出筒14及び内側空間K1内に残留した内容液を、液引き戻し孔44を通してこのスペースに移動させることができ(サックバック機能)、液だれを有効に防止することができる。
ところで、図2に示すように、筒状壁22内に収容された移動弁体30と弁体43との隙間(本実施形態では弁体43に設けた突起45までの長さ)L1は、移動弁体30における筒状壁22に沿う長さ(本実施形態では移動弁体30の球の直径)L2よりも短いことが好ましい。これにより、キャップ1を組み立てる際に誤って移動弁体30を2つ取り付けることがあっても、弁体43が持ち上げられて連通口23が開放することになる。連通口23が開放しているか否かは、例えばリーク試験等によって簡単に、しかも確実に確認することができるため、組み立て不良の発見が容易になる。
次に、本発明に従う他の実施形態の二重容器用キャップについて、図5を参照しつつ説明する。なお、上述した実施形態と同一の機能を有する部位は、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示す逆止弁40Bにおいて、弁体46は、その中央部に円形の貫通孔(液引き戻し孔)47を備えている。また弁体46は、液引き戻し孔47を取り囲むとともに注出筒14に向けて膨出する膨出部48を備えていて、膨出部48には少なくとも1つのスリット49が設けられている。
このような逆止弁40Bを用いる場合は、容器2を傾倒姿勢にすることで、移動弁体30が注出筒14側へ移動して、液引き戻し孔47を閉鎖する。これにより、注出筒14は連通口23とのみ連通して内容液の流路が一意に定まるため、内容液の流れをより安定させることができる。
なお、逆止弁40Bにおいても、筒状壁22内に収容された移動弁体30と弁体46との隙間L1は、移動弁体30における筒状壁22に沿う長さL2よりも短くなっているので、誤って移動弁体30を2つ取り付けることがあっても、容易に発見することができる。
本発明に従う二重容器用キャップは、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば逆止弁としては、3点弁に限られず、1点弁等、従前の他の形態の逆止弁を用いることができる。また、移動弁体の断面形状は、筒状壁の断面形状に合わせて円や多角形等、適宜変更することができる。また、その立体的な形状は、球状を問わず、柱状(円柱や四角柱等)や錐体状(円錐や三角錐等)のように、種々のものを適用することができる。また、外層体及び内層体は、積層構造のパリソンをブロー成形することによって形成されるものに限られず、外層体及び内層体を個別に形成し、その後、内層体を外層体内に装着するようにしたものでもよい。
本発明によれば、サックバック機能を備えるとともに内容液を乱れなく安定して注出することができ、また、組み立ての際に移動弁体を複数取り付けてしまう不具合を簡単に発見することができる、新規の二重容器用キャップを提供することが可能となる。
1 二重容器用キャップ(キャップ)
2 二重容器(容器)
3 内層体
3a 上部開口
4 外層体
4a 口部周壁
4b 雄ねじ部
4c 貫通孔
4d 溝部
10 キャップ本体
11 外周壁
12 雌ねじ部
13 頂壁
14 注出筒
15 上部嵌合壁
16 外気導入孔
20 中栓
21 隔壁
22 筒状壁
22a 貫通孔
22b 円筒部
22c 傾斜部
22d 貫通孔
22e 底部
23 連通口
24 段部
25 嵌合壁
26 シール壁
27 溝
30 移動弁体
40A、40B 逆止弁
41 環状壁
42 アーム
43 弁体
44、47 液引き戻し孔
45 突起
46 弁体
48 膨出部
49 スリット
50 蓋体
51 ヒンジ
52 上壁
53 蓋体周壁
54 シール部
K1 内側空間
K2 外側空間
L1 筒状壁内に収容された移動弁体と弁体との隙間
L2 移動弁体における筒状壁に沿う長さ
M 二重容器の中心軸
S 収容空間
T 通気路

Claims (3)

  1. 減容変形可能な内層体からの内容液を注出する注出筒を有し、該内層体を内側に配置した外層体の口部に装着されるキャップ本体と、
    該注出筒と該内層体との間に位置する隔壁を有し、該隔壁に、内容液を通す連通口と、一端が該注出筒側に開口するとともに他端が該内層体側に開口する筒状壁とを備える中栓と、
    該連通口を閉鎖する一方、該内層体内の圧力上昇によって該連通口を開放して内容液を流す弁体と、
    該筒状壁内に移動可能に設けられ、該注出筒側から該内層体側への移動によって該注出筒内に残存する内容液を該筒状壁に向けて引き戻す移動弁体とを備える二重容器用キャップにおいて、
    前記中栓は、前記隔壁の中央部に前記筒状壁を配置するとともに、該筒状壁より外周側に前記連通口を複数配置してなるものであり、
    該筒状壁における内層体側開口の総開口面積に対し、該連通口の総開口面積を大きくしてなる二重容器用キャップ。
  2. 前記弁体は、注出筒側へ移動した前記移動弁体によって閉鎖される一方、該移動弁体の内層体側への移動に伴い開放する液引き戻し孔を有する請求項1に記載の二重容器用キャップ。
  3. 前記弁体は、前記連通口及び前記筒状壁の注出筒側開口に対してともに覆い被さるものであり、
    前記筒状壁内に収容された前記移動弁体と該弁体との隙間を、該移動弁体における該筒状壁に沿う長さよりも小さくしてなる請求項1又は2に記載の二重容器用キャップ。
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