JP2015160390A - 熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体 - Google Patents

熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体 Download PDF

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JP2015160390A JP2014037517A JP2014037517A JP2015160390A JP 2015160390 A JP2015160390 A JP 2015160390A JP 2014037517 A JP2014037517 A JP 2014037517A JP 2014037517 A JP2014037517 A JP 2014037517A JP 2015160390 A JP2015160390 A JP 2015160390A
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健二 福田
Kenji Fukuda
健二 福田
三信 見良津
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Abstract

【課題】優れた可視光線透過性を維持すると同時に優れた熱線遮蔽性を発揮する一方、熱線遮蔽層の劣化を抑制しつつも優れた断熱性を発揮する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子2aを分散させた熱線遮蔽層2と、熱伝導を阻害する機能を備える断熱層3と、熱線遮蔽層2および断熱層3のうち熱線遮蔽層2の側の最表面層として設けられ、かつ、外部の部材に対する接合機能を備える接合用層4と、を有する熱線遮蔽積層体10を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体に属する。一例として挙げると、本発明は、建築物または車両の窓などの開口部に利用され、可視光線透過性が良好で且つ熱線遮蔽性に優れた熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体に関するものである。
従来から、各種建築物や車両の窓等のいわゆる開口部は、太陽光線を取り入れる為に透明なガラス板や樹脂板で構成されている。しかし、太陽光線には可視光線の他に紫外線や赤外線が含まれている。特に、赤外線のうち波長800〜2500nmの近赤外線は熱線と呼ばれ、開口部分から進入することにより室内の温度を上昇させる原因となる。
そこで、近年では、各種建築物や車両の窓材などとして、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽して、明るさを維持しつつ同時に室内の温度上昇を抑制する熱線遮蔽材が検討され、それを作製する為の各種手段が提案されている。
例えば、図1(a)に示すように、特許文献1においては遮熱断熱フィルム100のベース部となる透明合成樹脂層101の片面側に赤外線遮蔽層(熱線遮蔽層102)が形成され、また、透明合成樹脂層101の他面側にナノ中空シリカ粒子分散樹脂層(断熱層103)が形成されている。さらに、この断熱層103の上に透明粘着層104が形成されている。
つまり、特許文献1においては、例えば窓ガラス105に透明粘着層104を貼り付けるとすると、室外側から見た場合の配置として、
(室外の大気)→窓ガラス105→「透明粘着層104→断熱層103→透明合成樹脂層(ベース部)101→熱線遮蔽層102」→(室内の大気)
となっている。カギカッコの中身が特許文献1における遮熱断熱フィルム100である。
特許文献1に記載の遮熱断熱フィルム100における熱線遮蔽層102は、赤外線を反射または吸収することによって赤外線を遮蔽することができるものであればよいとされている(段落0010)。特許文献1における熱線遮蔽層102を構成する物質(すなわち熱線遮蔽粒子を含有する物質)の具体例としては、ITO微粒子分散樹脂、ATO微粒子分散樹脂等が挙げられている。
特開2012−56138号公報
本発明者らが調べたところ、後述の比較例4で示すように、特許文献1に記載の遮熱断熱フィルム100では、熱線など室内の温度を上昇させる要因となるものの透過率を示す日射透過率が57%以上もある。特許文献1の場合、熱線遮蔽性能をさらに高めるためには、ATO及びITO等の熱線遮蔽粒子を透明な樹脂へ多量に添加する必要がある。
しかしながら、特許文献1において熱線遮蔽粒子の添加量を増大させると、熱線遮蔽層102の可視光線透過性が低下してしまう。そのため、「熱線遮蔽性能をさらに高める」「可視光線透過性を良好な状態に維持する」という2つの課題の解決を両立することは著しく困難である。
ところで、本発明者らは、熱線遮蔽材料として六方晶の複合タングステン酸化物を開発してきた(例えば、特許4626284号や特許4998781号等)。六方晶の複合タングステン酸化物は、可視光をほとんど遮断することなく近赤外線を大幅に遮断することができ、優れた熱線遮蔽性を示す。
そこで、本発明者らは、特許文献1に記載の技術において、ITO微粒子分散樹脂またはATO微粒子分散樹脂の代わりに、複合タングステン酸化物微粒子を分散させたものを使用することを試みた。
上記試みの結果、本発明者らは以下の知見を得た。
確かに、六方晶の複合タングステン酸化物は、前述のとおり可視光をほとんど遮断することなく近赤外線を大幅に遮断することができ、優れた熱線遮蔽性を示す。しかしながら、特許文献1に記載のように、熱線遮蔽層102が室内の大気と直接接触する構成をとる場合、新たな課題が生じる。すなわち、大気中の酸素や水が熱線遮蔽層102中に侵入することにより熱線遮蔽特性が劣化してしまうという課題が生じる。
しかも、上記課題に加え、本発明者らは新たな課題を見出した。すなわち、複合タングステン酸化物含有物を熱線遮蔽層102として用いた場合、複合タングステン酸化物が近赤外線を吸収した後に放出する熱によって室内に与える影響が想像以上のものであるという知見を得た。この様子を示したのが図1(b)である。図中の矢印の向きは熱の放出方向を示す。詳細な内容については後述の比較例3にて説明するが、特許文献1に記載の構成、すなわち、
(室外の大気)→窓ガラス105→「透明粘着層104→断熱層103→透明合成樹脂層101→熱線遮蔽層102」→(室内の大気)
という構成の遮熱断熱フィルム100において、複合タングステン酸化物微粒子を分散させたものを熱線遮蔽層102として使用した場合、日射透過率は低減できたものの室内は著しく高温となった。
つまり、特許文献1に記載の構成において、本発明者らが開発した複合タングステン酸化物を単に用いるだけでは、上記複数の課題を解決できないという知見を得た。
本発明は、優れた可視光線透過性を維持すると同時に優れた熱線遮蔽性を発揮する一方、熱線遮蔽層の劣化を抑制しつつも優れた断熱性を発揮する熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意研究を重ねた。
特許文献1に記載の構成において、本発明者らが開発した複合タングステン酸化物を単に用いるだけだと、本来ならば熱線を遮蔽するはずの熱線遮蔽層がいわば熱源となってしまう。つまり、このままだと熱線遮蔽層が、特許文献1で想定していた機能とは結果的に真逆の機能を奏してしまう。
そこで本発明者らは、上記複数の課題を一挙に解決する手法を想到した。具体的に言うと、熱線遮蔽層と断熱層とを有する熱線遮蔽積層体を外部の部材(例えば窓ガラス)に対して使用する段階では、熱源となってしまう熱線遮蔽層を、外部の部材と断熱層との間に挟み込めるような構成を採用するという手法を想到した。それにより、熱線遮蔽積層体の構成外である外部の部材を利用して、熱線遮蔽層の熱を外部の部材へと発散させ、しかも断熱層によって熱線遮蔽層の劣化を抑制する、さらには熱源となってしまう熱線遮蔽層と室内の大気との間に断熱層が存在することになって熱線遮蔽層から熱が室内へと放出されるのを遮るという、一挙に上記課題を解決できる画期的な手法を想到した。
以上の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を分散させた熱線遮蔽層と、
熱伝導を阻害する機能を備える断熱層と、
前記熱線遮蔽層および前記断熱層のうち前記熱線遮蔽層の側の最表面層として設けられ、かつ、外部の部材に対する接合機能を備える接合用層と、
を有する、熱線遮蔽積層体である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記断熱層の熱伝導率が2.5W/mK以下である。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
前記断熱層が、シリカ殻からなるナノ中空粒子がバインダー中に分散されたナノ中空粒子分散層である。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下である。
本発明の第5の態様は、第1ないし第4のいずれかの態様に記載の発明において、
前記熱線遮蔽層のバインダーが、無機バインダー、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のうちの1種類以上である。
本発明の第6の態様は、第1ないし第5のいずれかの態様に記載の発明において、
前記熱線遮蔽層の一方の面上に前記断熱層が設けられ、かつ、前記熱線遮蔽層の他方の面上に前記接合用層が設けられている。
本発明の第7の態様は、第1ないし第6のいずれかの態様に記載の発明において、
ヘイズ値が5.0%以下、可視光線透過率が40%以上であり、かつ、日射透過率が可視光線透過率の75%以下である。
本発明の第8の態様は、第1ないし第7のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体を、前記接合用層を用いてガラスまたは樹脂の基材に対して接合させた、熱線遮蔽構造体である。
本発明の第9の態様は、
一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を分散させた熱線遮蔽層と、
熱伝導を阻害する機能を備える断熱層と、
を有する熱線遮蔽積層体が、前記熱線遮蔽層と基材とが対向するように前記基材の上に設けられた、熱線遮蔽構造体である。
本発明の第10の態様は、第8または第9の態様に記載の発明において、
前記基材は窓用基材であり、前記基材における太陽光の入射面とは反対の面に対して前記熱線遮蔽積層体を設けている。
本発明によれば、優れた可視光線透過性を維持すると同時に優れた熱線遮蔽性を発揮する一方、熱線遮蔽層の劣化を抑制しつつも優れた断熱性を発揮する熱線遮蔽積層体および熱線遮蔽構造体を提供することを可能とする。
(a)は従来技術(特許文献1)に記載の遮熱断熱フィルム100の構造を示す概略断面図であり、(b)は(a)に対して放熱の様子を追記した図である。 (a)は本実施形態における熱線遮蔽積層体の構造を示す概略断面図であり、(b)は(a)に対して放熱の様子を追記した図である。 (a)は本実施形態における、ベース部と接合用層とを設ける場合の熱線遮蔽構造体の構造を示す概略断面図であり、(b)はベース部と接合用層とを設けない場合の熱線遮蔽構造体の構造を示す概略断面図である。 本実施例における人工太陽光照射装置の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.熱線遮蔽積層体
1−A)熱線遮蔽層
1−A−a)複合タングステン酸化物
1−A−b)バインダー
1−B)断熱層
1−C)接合用層
1−D)その他(ベース部)
2.熱線遮蔽構造体
3.熱線遮蔽積層体の製造方法
3−A)複合タングステン酸化物微粒子の製造工程
1−B)熱線遮蔽層の製造工程
1−C)断熱層の製造工程
1−D)その他
4.実施の形態による効果
5.変形例
なお、以下の内容において特記の無い事項に対しては、公知の技術(例えば、特許4626284号や特許4998781号等)を適宜用いても構わない。
<1.熱線遮蔽積層体>
以下、本実施形態における熱線遮蔽積層体について説明する。
図2(a)は本実施形態における熱線遮蔽積層体10の構造を示す概略断面図であり、図2(b)は(a)に対して放熱の様子を追記した図である。
また、図3(a)は本実施形態における、ベース部と接合用層とを設ける場合の熱線遮蔽構造体の構造を示す概略断面図であり、図3(b)はベース部と接合用層とを設けない場合の熱線遮蔽構造体の構造を示す概略断面図である。
なお、以降において、熱線遮蔽積層体10のベースとなるガラス板や樹脂フィルム等からなるものを「ベース部1」と称する。一方、熱線遮蔽積層体10を接合させる対象となるものを「基材5」と称し、説明をわかりやすくするために、基材5のことを、基材5の一例である「窓ガラス5」と称する。つまり、以降においては、ベース部1を有する熱線遮蔽積層体10を窓ガラス5に貼り付けて熱線遮蔽構造体20を作製する例についても述べる。
1−A)熱線遮蔽層2
本実施形態における熱線遮蔽層2は、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子2aを、いわゆるバインダーとなる化合物に分散させることにより形成される。
1−A−a)複合タングステン酸化物
一般に、自由電子を含む材料は、プラズマ振動によって波長200nmから2600nmの太陽光線の領域周辺にある電磁波に反射吸収応答を示すことが知られている。このような物質の粉末を光の波長より小さい微粒子とすると、可視光領域(波長380nmから780nm)の幾何学散乱が低減されて可視光領域の透明性が得られる。
また、一般に、三酸化タングステンにNa等の陽性元素を添加したいわゆるタングステンブロンズは、導電性材料であり、自由電子を持つ材料である。そのため、近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現し、波長1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となる。さらに、これら材料の単結晶等を分析した結果からも、赤外線領域の光に対する自由電子の応答が示唆されている。
本発明者らは、当該タングステンと酸素との組成範囲が特定範囲にあるとき、熱線吸収材料として特に有効なものとなることを見出した。
上記知見に基づき、本実施形態における複合タングステン酸化物としては、一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示されるものを採用する。
なお、添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。典型的な例としてはCs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Tl0.33WOなどを挙げることができるが、Y、Zが上述の範囲に収まるものであれば、有用な熱線吸収特性を得ることができる。
また、本実施形態の複合タングステン酸化物微粒子2aの粒子径は、800nm以下にすることが好ましい。粒子径が800nmよりも小さい粒子は、光を完全に遮蔽することがないため、可視光線領域の視認性を保持し、同時に効率良く透明性を保持することが可能となるからである。なお、本実施形態で使用する粒子径とは、動的光散乱法に基づいた粒度分布計によって測定したものである。また、上記の数値は厳格なものではなく概ねの値であり、測定方法等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。また、臨界値、境界値として当該値が得られたものではなく、その数値は大凡の値として捉えているものである。
さらに、可視光領域の透明性を重視する場合は、粒子による光の散乱も考慮する必要がある。透明性を重視したとき、粒子径は200nm以下が好ましく、100nm以下であるとより好ましい。理由は、粒子の粒子径が大きいと幾何学散乱もしくはミー散乱によって、400〜780nmの可視光線領域の光が散乱され、熱線遮蔽材の外観が曇りガラスのようになり、鮮明な透明性が得られにくくなるからである。粒子径が200nm以下になると、上記の散乱が低減し、レイリー散乱領域になる。レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に比例するため、粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。さらに、100nm以下になると散乱光は非常に少なくなり好ましい。また、粒子径が1nm以上の複合タングステン酸化物微粒子2aは工業的な製造が容易である。
1−A−b)バインダー
バインダーとしては特に限定されず、無機バインダー、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂等を用いることができる。特に、ベース部1への密着性や膜強度に優れているものを用いることが好ましい。特に熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
1−B)断熱層3
本実施形態の断熱層3は、熱線遮蔽層2中の複合タングステン微粒子から放出される熱を遮断するものであれば特に限定されない。ただし、ここで言う断熱層3がもたらす機能は、熱線遮蔽層2により輻射光を遮断することにより熱の発生を断つという機能とは異なる。本実施形態における断熱層3は、あくまで、一般的に使用される意味での断熱層3であり、熱伝導を阻害する機能を備えたものである。なお、熱伝導率が2.5W/mK以下となるものであれば十分な断熱効果が得られるため、好ましい。さらに言うと、後述の実施例を見ると、熱伝導率が2.4W/mK未満であると、日射透過率をより効果的に下げられるという点で、さらに好ましい。例えば、市販されているシリカ殻からなるナノ中空粒子をバインダー中に分散した構成のものは透明であり、高断熱性と高透明性を両立することができ好ましい。なお、当該バインダーは、熱線遮蔽層2のバインダーとして例示したものを用いても構わない。また、熱線遮蔽層2のバインダーとして用いたものと同じ化合物を断熱層3のバインダーとして用いても構わない。もちろん、両者のバインダーが相違しても構わない。
また、断熱層3の可視光線透過率は70%以上であることが好ましい。この範囲内にあると、高い透明性を確保でき、熱線遮蔽層2と合わせた場合にも、遮光性が強くて視界が暗くなりすぎることを防止できる。
1−C)接合用層4
本実施形態の接合用層4は、外部の部材に対する接合機能を備える。そして、熱線遮蔽層2および断熱層3のうち熱線遮蔽層2の側の最表面層として設けられる。別の言い方をすると、断熱層3の側の最表面層としては、接合用層4は設けられない。
なお、本実施形態の接合用層4としては公知のものを用いても構わない。例えば加圧により圧着可能な層や透明な粘着層を、接合用層4として採用しても構わない。この場合、本実施形態の熱線遮蔽積層体10を出荷する際に、粘着層に対して粘着力を失わないための保護シールを貼る場合がある。その場合、粘着層および保護シールを合わせたものを「接合用層4」とする。そのため、保護シールが貼られたとしても、熱線遮蔽層2の側の最表面層が接合用層4であることに変わりはない。
上記構成を採用することにより、熱線遮蔽層2、断熱層3および接合用層4のうちの各層の間にいかなる追加的な層が形成されようとも、熱線遮蔽層2の主表面を大気に露出させることがなくなる。しかも、接合用層4が外部の部材に対する接合機能を有することを考えると、室外側から見た場合の配置として、必然的に、
(室外の大気)→窓ガラス5→「接合用層4→熱線遮蔽層2→断熱層3」→(室内の大気)
となる。カギカッコの中身が本実施形態における熱線遮蔽積層体10である。もちろん上記配置は、各層の間または断熱層3側の最表面層となる部分に追加的な層や部材(例えばベース部1)を設けていない場合の一例であり、当該追加的な層や部材を設けてももちろん構わない。なお、ベース部1としては特に限定が無いが、熱線遮蔽構造体20における基材5と同様、樹脂やガラスが挙げられる。詳しくは後述する。また、ベース部1の配置としては、接合用層4と熱線遮蔽層2との間でも構わない。また、熱線遮蔽層2と断熱層3との間でも構わない。また、断熱層3側の最表面層となる部分であるところの、断熱層3における熱線遮蔽層2と接する面に対向する主表面に、ベース部1を配置しても構わない。この場合、上記の室外側から見た場合の配置を守りつつ、断熱層3をベース部1により保護することができ、熱線遮蔽層2をベース部1と断熱層3とで外気から保護することができる。
先程も述べたように、本発明者らの鋭意検討により、本来ならば熱線を遮蔽するはずの熱線遮蔽層2がいわば熱源となってしまうという知見が得られている。そこで上記構成を採用することにより、熱線遮蔽積層体10の構成外である外部の部材を利用して、熱線遮蔽層2の熱を外部の部材へと発散させ、しかも断熱層3によって熱線遮蔽層2の劣化を抑制する、さらには熱源となってしまう熱線遮蔽層2と室内の大気との間に断熱層3が存在することになって熱線遮蔽層2から熱が室内へと放出されるのを遮ることができる。この構成は、見方を変えると、熱源となるもの(太陽や熱線遮蔽層2)を、断熱層3からみて全て室外側に配置するような構成とも言える。
1−D)その他(ベース部1)
本実施形態においては、熱線遮蔽層2の一方の面上に断熱層3が直接設けられ、かつ、熱線遮蔽層2の他方の面上に接合用層4が直接設けられる例について説明した。その一方、各層の間に、熱線遮蔽積層体10に必要な公知の層や部材(樹脂やガラスからなるベース部1)を適宜設けても構わない。ただ、上記のような室外側から見た場合の配置の順番を守るため、熱線遮蔽層2および断熱層3のうち熱線遮蔽層2の側の最表面層として接合用層4を設け、断熱層3の側の最表面層としては接合用層4を設けない。
<2.熱線遮蔽構造体20>
上記熱線遮蔽積層体10を、接合用層4を用いて、外部の部材であるところのガラスまたは樹脂の基材5に対して接合させることにより、本実施形態における熱線遮蔽構造体20を作製する。この様子を図3(a)に示す。
本実施形態の熱線遮蔽積層体10を接合させる対象として用いる基材5としては、特に限定は無いものの、樹脂やガラスが挙げられる。但し、これらの材料を基材5として用いる場合は、それぞれの使用状況に応じた機械的強度を有することが求められる。樹脂であれば、一般的に、透過性があり散乱の少ない、無色透明の樹脂が適しており、用途に適した樹脂を選択すればよい。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂が好適である。
なお、基材5としては好ましくは窓用基材であり、基材5における太陽光の入射面とは反対の面に対して熱線遮蔽積層体10を接合させる。
また、熱線遮蔽層2のヘイズ値は5.0%以下、可視光線透過率は40%以上であり、かつ、日射透過率は可視光線透過率の75%以下であると好ましい。さらに言うと、後述の実施例を見ると、50%以下であるとさらに好ましい。この範囲内にあると、高い透明性を確保し、遮光性が強くて視界が暗くなりすぎることを防止でき、また十分な熱線遮蔽効果が得られる。このため、上記の光学特性を有することは、熱線遮蔽効果として優れている。
なお、本実施形態においては上記の内容は熱線遮蔽構造体20として挙げている。その一方、上記の内容は熱線遮蔽積層体10においても当てはまる。
<3.熱線遮蔽積層体10の製造方法>
3−A)複合タングステン酸化物微粒子2aの製造工程
一般式MWO表記される複合タングステン酸化物微粒子2aは、タングステン化合物出発原料を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
まず、タングステン化合物出発原料について説明する。
タングステン化合物出発原料は、三酸化タングステン粉末、ニ酸化タングステン粉末、酸化タングステンの水和物粉末、六塩化タングステン粉末、タングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステン粉末をアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、タングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか1種類以上であって、さらに元素Mを、元素単体または化合物の形態で含有するタングステン化合物を出発原料とすることが好ましい。
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには、各原料を溶液の形で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
次に、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中における熱処理について説明する。まず、不活性ガス雰囲気中における熱処理条件としては、400℃以上が好ましい。400℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し熱線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N等の不活性ガスを用いることがよい。
また、還元性雰囲気中における熱処理条件としては、出発原料を、まず還元性ガス雰囲気中にて100℃以上400℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中にて400℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないが、Hが好ましい。そして、還元性ガスとしてHを用いる場合は、還元性雰囲気の組成として、例えば、Ar、N等の不活性ガスにHを体積比で0.1%以上を混合することが好ましく、さらに好ましくは0.2%混合したものである。Hが体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
3−B)熱線遮蔽層2の製造工程
本実施形態における熱線遮蔽層2の製造方法について説明する。熱線遮蔽層2の製造方法は、(i)塗布操作によるものと(ii)練り込み操作によるものの2種がある。また、上述の通り、熱線遮蔽層2はベース部1における太陽光の入射面と反対側に形成される。
熱線遮蔽層2を製造するためには、まずは複合タングステン酸化物微粒子2aを分散媒体中に分散させた分散液を作製することが必要である。分散媒は特に限定されるものではなく、配合する樹脂に合わせて選択することが可能である。例えば、水、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、芳香族化合物など、一般的な溶媒の使用が可能である。また、必要に応じて、酸やアルカリを添加してpHを調整してもよい。さらに、微粒子の分散安定性を向上させるために、各種の分散剤、界面活性剤、カップリング剤などを添加することも可能である。
(i)塗布操作による場合
上記の分散液を、適宜なベース部1の上に塗布して熱線遮蔽層2を形成する。熱線遮蔽層2の形成方法は、例えばスピンコート法、バーコート法、スプレーコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、流し塗りなど、分散液を平坦かつ薄く均一に塗布できる方法であればいずれの方法でもよい。
また、上記の分散液が、無機バインダーとして、珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウム等の元素を金属アルコキシドおよびその加水分解重合物として含む分散液である場合、当該分散液の塗布後のベース部1の加熱温度は100℃以上とすることが好ましい。ベース部1の温度を100℃以上とすることで、塗膜中に含まれるアルコキシドまたはその加水分解重合物の重合反応を完結させることができ、また水や有機溶媒が膜中に残留して、加熱後の膜における可視光線透過率の低減の原因となるのを回避することができるからである。さらに、同様の理由により、当該溶媒の沸点が100℃以上の場合は、当該溶媒の沸点以上で加熱を行うことが望ましい。
また、上記の分散液が、樹脂バインダーを含む分散液である場合、当該分散液をベース部1に塗布後、それぞれの樹脂の硬化方法に従って硬化させればよい。例えば、当該樹脂バインダーが紫外線硬化樹脂であれば紫外線を適宜照射すればよく、また常温硬化樹脂であれば塗布後そのまま放置しておけばよい。このため、常温硬化樹脂を用いた場合は、当該構成を有する分散液は、既存の窓ガラス5等への現場における塗布が可能である。
(ii)練り込み操作による場合
上記の分散液を樹脂に練り込むときは、当該樹脂の融点付近の温度(200〜300℃前後)で、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を用いて加熱混合する。得られた混合物は、ベント式一軸若しくは二軸の押出機で混練され、溶融押出されたストランドをカットすることにより、ペレット状に加工される。当該樹脂に対するタングステン酸化物の微粒子の添加量は、ベース部1の厚さや必要とされる光学特性、機械特性に応じて適宜選択することが可能であるが、一般的に、当該樹脂に対して50重量%以下とすることが好ましい。
上記の分散液を練り込む樹脂は、特に限定されるものではなく用途に応じて選択可能であるが、例えばポリエチレンテレフタラート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポロプロピレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。
上記のペレットは、押し出し成形法、インフレーション成形法、溶液流延法、キャスティング法などにより、フィルムやボード状に加工される。この時のフィルムやボ−ドの厚さは、使用目的に応じて適宜選定すればよい。得られたフィルムやボ−ドは、接着剤(接合用層とは別の接着層)などによりベース部1に貼り付けることで、熱線遮蔽層2となる。
なお、熱線遮蔽層2の厚さは、熱線遮蔽層2の組成などにより適宜選択されるが、1〜20μm程度が好ましい。また、断熱層3の厚さについても断熱層3の組成などにより適宜選択されるが、1〜20μm程度が好ましい。
3−C)断熱層3の製造工程
断熱層3の製造方法は特に限定されないが、熱線遮蔽層2と同様に断熱材がバインダーに分散した状態のものが、同一工程で断熱層3を形成できるため好ましい。断熱材としては、透明性と断熱性を考慮すると、中空シリカ粒子を用いるのが好ましい。例えば日鉄鉱業株式会社製シリナックス(登録商標)等を用いることができる。中空シリカ粒子をバインダーと混合して塗布することにより、断熱層3は形成される。中空シリカ粒子の含有量は、断熱層3中に固形分比率で5重量%〜25重量%の範囲内であると好ましい。これにより、視認性を阻害することなく効率的な熱伝導の抑制が可能となる。
3−D)その他
その他、熱線遮蔽積層体10および熱線遮蔽構造体20を作製するのに必要な工程を適宜行っても構わない。例えば、上記の場合、すなわち熱線遮蔽積層体10の一部としてベース部1(例えばガラス板)を用いる場合、以下の工程を行う。まず、ガラス板の上に、複合タングステン酸化物微粒子2a分散液を塗布することにより熱線遮蔽層2を形成する。そして、当該熱線遮蔽層2の上に断熱層3を形成する。そして、ガラス板の反対の主表面に接合用層4を形成し、こうして熱線遮蔽積層体10を作製する。そして、当該熱線遮蔽積層体10を窓ガラス5に対して接合用層4を用いて貼り付けることにより、図3(a)に示すような熱線遮蔽構造体20を作製しても構わない。
以上の工程を経て、本実施形態における熱線遮蔽積層体10および熱線遮蔽構造体20は作製される。なお、本実施形態における熱線遮蔽積層体10および熱線遮蔽構造体20の用途としては特に限定は無いが、一例を挙げると、建築物または車両の窓などの開口部として利用されるものである。具体的な用途の一例を挙げると、建築物または車両の窓が、窓用基材に対して、本実施形態における熱線遮蔽積層体10(接合用層4)が貼り付けられることにより形成されるのが好適例である。
<4.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
まず、本発明者らが開発を重ねてきた六方晶の複合タングステン酸化物を熱線遮蔽層2の構成物として用いることにより、可視光をほとんど遮断することなく近赤外線を大幅に遮断することができ、優れた熱線遮蔽性が得られる。
それに加え、本発明者らが得た知見、すなわち複合タングステン酸化物が近赤外線を吸収した後にいわば熱源となってしまい、熱源となってしまう熱線遮蔽層2が放出する熱によって室内に与える影響を、本実施形態の構成により解消することができる。つまり、室外側から見た場合の配置として、
(室外の大気)→窓ガラス5→「接合用層4→熱線遮蔽層2→断熱層3」→(室内の大気)
という配置に必然的になるような熱線遮蔽積層体10ひいては熱線遮蔽構造体20を採用する。
上記の構成を採用することにより、熱源となってしまう熱線遮蔽層2を、外部の部材と断熱層3との間に挟み込める。それにより、熱線遮蔽積層体10の構成外である外部の部材を利用して、熱線遮蔽層2の熱を外部の部材へと発散させ、しかも断熱層3によって熱線遮蔽層2の劣化を抑制する、さらには熱源となってしまう熱線遮蔽層2と室内の大気との間に断熱層3が存在することになって熱線遮蔽層2から熱が室内へと放出されるのを遮る。
以上の通り、本実施形態によれば、優れた可視光線透過性を維持すると同時に優れた熱線遮蔽性を発揮する一方、熱線遮蔽層2の劣化を抑制しつつも優れた断熱性を発揮する熱線遮蔽積層体10および熱線遮蔽構造体20を提供することができる。
<5.変形例>
本実施形態においては、熱線遮蔽層2の側の最表面層として接合用層4を設けた場合について述べた。その一方、図3(b)に示すように、基材5と熱線遮蔽積層体10とが既に一体となった熱線遮蔽構造体20を想定する場合、上記の接合用層4を設けなくとも構わない。例えば、後述の実施例1等に示すように、例えば、基材5(例えば窓ガラス5)に対して複合タングステン酸化物微粒子2a分散液を直接塗布することにより熱線遮蔽層2を形成する場合、接合用層4を設けずに済む。ただ、最終的に熱線遮蔽構造体20を作製した際に、熱線遮蔽積層体10が、熱線遮蔽層2と基材5とが対向するように基材5の上に設けられている状況となる必要がある。こうすることにより、室外側から見た場合の配置として、カギカッコの中身が本実施形態における熱線遮蔽構造体20とすると、
(室外の大気)→「窓ガラス5→熱線遮蔽層2→断熱層3」→(室内の大気)
となり、先程述べた各効果を奏することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3においては、室外側から見た場合の配置として、カギカッコの中身が本実施形態における熱線遮蔽構造体20とすると、図3(b)に示すように、
(室外の大気)→「窓ガラス5(本実施例および比較例では単なるガラス板。)→熱線遮蔽層2→断熱層3」→(室内の大気)
という配置を採用した。
なお、上記の記載ではカギカッコの中身を熱線遮蔽構造体20として表現しているが、ガラス板をベース部1と見た場合、ベース部1において熱線遮蔽層2が積層された側の反対の主表面に対して接合用層4を別途設けたものを熱線遮蔽積層体10としても構わない。そして、別に用意した窓用基材に対して当該熱線遮蔽積層体10を貼り付けて熱線遮蔽構造体20を作製しても構わない。
その一方、比較例1〜3においては上記の配置を採用しなかった。
具体的に言うと、比較例1においては、特許文献1に記載の構成を採用した。つまり、カギカッコの中身が熱線遮蔽構造体とすると、
(室外の大気)→「断熱層103→ガラス板→熱線遮蔽層102」→(室内の大気)
という配置を採用した。
比較例2においては、カギカッコの中身が熱線遮蔽構造体とすると、
(室外の大気)→「ガラス板→断熱層103→熱線遮蔽層102」→(室内の大気)
という配置を採用した。
比較例3においては、比較例2の構成において断熱層103を設けなかった。具体的に言うと、カギカッコの中身が熱線遮蔽構造体とすると、
(室外の大気)→「ガラス板→熱線遮蔽層102」→(室内の大気)
という配置を採用した。
なお、比較例4においては、実施例1と同様の配置を採用した。その一方、複合タングステン酸化物微粒子2aの分散液ではなく特許文献1に記載のようなATO分散液を使用した。
以下、各実施例および各比較例について詳述する。
[実施例1]
複合タングステン酸化物微粒子2aであるCs0.33WO(以下、微粒子aと記載する。)を20質量%、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃。以下、分散剤aと記載する。)10質量%、メチルイソブチルケトン70質量%の割合になるように秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、微粒子aの分散液(以下、微粒子分散液Aと記載する。)を得た。
ここで、微粒子分散液A内におけるタングステン酸化物微粒子の分散平均粒子径を、日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ21nmであった。
微粒子分散液Aを65質量%、アクリル系紫外線硬化樹脂を35質量%の割合になるように混合し、微粒子aを含む塗布液とした。
また、中空シリカ粒子(日鉄鉱業株式会社製シリナックス(登録商標))を10質量%、アクリル系紫外線硬化樹脂90質量%の割合になるように秤量した。これらを混合し、中空シリカを含む塗布液とした。
3mm厚のガラス板に、微粒子aを含む塗布液を、バーコータ(No.18)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層2を作製した。続いて、中空シリカを含む塗布液を、バーコータ(No.6)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層2上に断熱層3を形成した。こうして、熱線遮蔽積層体10を有する熱線遮蔽構造体20を得た。
[実施例2]
3mm厚のガラス板に、微粒子aを含む塗布液を、バーコータ(No.12)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層2を作製した以外は実施例1と同様にして熱線遮蔽構造体20を得た。
[実施例3]
3mm厚のガラス板に、微粒子aを含む塗布液を、バーコータ(No.8)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層2を作製した以外は実施例1と同様にして熱線遮蔽構造体20を得た。
[比較例1]
3mm厚のガラス板の片面側に、微粒子aを含む塗布液を、バーコータ(No.8)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層102を作製した。また、熱線遮蔽層102とは反対面側のガラス板に断熱層103を形成し熱線遮蔽構造体を得た。それ以外については実施例1と同様とした。
[比較例2]
3mm厚のガラス板に、中空シリカを含む塗布液をバーコータ(No.6)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、断熱層103を作製した。続いて、微粒子aを含む塗布液をバーコータ(No.8)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、断熱層103上に熱線遮蔽層102を形成し熱線遮蔽構造体を得た。それ以外については実施例1と同様とした。
[比較例3]
3mm厚のガラス板に、微粒子aを含む塗布液をバーコータ(No.8)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層102を作製し熱線遮蔽構造体を得た。また、断熱層は形成せず、それ以外については実施例1と同様とした。
[比較例4]
アンチモンドープスズ酸化物(以下、微粒子bと記載する。)を25質量%、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系分散剤(アミン価27mgKOH/g。以下、分散剤bと記載する。)7.5質量%、トルエン67.5質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、微粒子bの分散液(以下、微粒子分散液Bと記載する。)を得た。
ここで、微粒子分散液B内におけるアンチモンドープスズ酸化物微粒子の分散平均粒子径を、日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ22nmであった。
微粒子分散液Bを85質量%、アクリル系紫外線硬化樹脂を15質量%混合し、微粒子bを含む塗布液とした。
3mm厚のガラス板に、微粒子bを含む塗布液を、バーコータ(No.12)を用いて塗布し、70℃で1分乾燥させた後、UV照射を行い、熱線遮蔽層102を作製した。それ以外については実施例1と同様とした。
[各種測定]
得られた熱線遮蔽構造体20中の熱線遮蔽層2及び断熱層3の組成及び膜厚を表1にまとめた。なお、得られた熱線遮蔽積層体10の各層の厚さは、走査型電子顕微鏡を用いた断面観察により測定した。
Figure 2015160390
熱線遮蔽構造体20の可視光線透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)製HR−200を用いて測定した。
なお、断熱層3の熱伝導率は、断熱層3をSUS304ステンレス基板上に形成し、高温側熱流量Qhと低温側熱流量Qcとを測定し、熱流計法(JIS A1412、ASTEM−C518、ISO8301準拠)に基づいて算出した。
また、図4に示すような試験装置を用いて、熱線遮蔽構造体の温度上昇抑制効果について調べた。
具体的には、室温25℃において図4に示すように、上面に開口部(200×200)を有する発泡スチロール製ボックス30(内寸W200×L200×H100)の外側上部に開口部を覆うように熱線遮蔽構造体20を設置し、ボックス上方80cm位置から人工太陽光を30分間照射した後、ボックス底部中央に設置した温度センサ31によりボックス内部の温度を測定した。なお、人工太陽が存在する方を室外側、ボックス内部を室内側と仮定して、熱線遮蔽構造体20を設置した。つまり、ボックス内部の雰囲気に対して断熱層3の主表面が露出するように熱線遮蔽構造体20を設置した。
さらに、作製した熱線遮蔽構造体20を定温乾燥機(EYELA製VOS−601SD)中で120℃において14日間保持する前後で、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて波長1000nmにおける透過率を測定した。そして、保持後の透過率(%)から保持前の透過率(%)を引き算することにより、波長1000nmにおける透過率の変化量を算出した。当該変化量が大きいほど、熱線遮蔽特性が劣化していることを示す。
以上、熱線遮蔽構造体20の特性及び熱線遮蔽構造体20中の断熱層3の熱伝導率を表2にまとめた。
Figure 2015160390
[評価]
表2に示されるように、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は、断熱層3の熱伝導率がそれぞれ2.38、2.35、2.41W/mKであり、全て2.5W/mK以下となっている。これにより、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20の断熱層3は、優れた断熱性を有することが確認された。
実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は、ヘイズ値がそれぞれ1.3、1.2及び1.1%であり、全て5.0%以下である。また、可視光線透過率はそれぞれ45.31、61.49及び71.75%であり、全て40%以上である。これらより、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は透明性が高く、良好な視認性を確保できることが確認された。
また、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は、日射透過率/可視光線透過率がそれぞれ38.0、47.4及び57.1%であり、全て75%以下となっている。これより、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は、良好な視認性を確保すると同時に効果的に熱線を遮蔽することができ、熱線遮蔽体として優れた特性を示すことが確認された。
実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20は、人工太陽光を30分間照射した後のボックス内温度がそれぞれ37.2、40.1及び42.9℃であり、比較例1から4と比べて低く、熱線遮蔽体として優れた特性を示している。これは、比較例1から3の場合と比較して、実施例1から3では熱線遮蔽層2より室内側に断熱層3が形成されているため、熱線遮蔽層2中の複合タングステン酸化物微粒子2aが赤外線を吸収した後に放出する熱の室内への流入が抑制されたことによる。また比較例4の場合と比較して、実施例1から3に係る熱線遮蔽構造体20の日射透過率/可視光線透過率が75%以下であり、比較例4と比べてより優れた熱線遮蔽性を有することによる。
さらに、熱線遮蔽特性の劣化度合いを示す値であって、120℃において14日間保持した場合の波長1000nmにおける透過率の変化量についても検討を行った。試験前の可視光透過率が同等である実施例3と比較例1〜3とを比べると、実施例3に係る熱線遮蔽構造体20だと当該変化量が0.51であり、比較例1から3の場合と比べて透過率の変化量が小さい。このことから、実施例3に係る熱線遮蔽構造体20は、複合タングステン酸化物微粒子2aであるCs0.33WOの熱線遮蔽特性の劣化を抑制することが分かる。これは、熱線遮蔽層2がベース部1と断熱層3に挟まれた構造であることで、劣化の原因となる大気中の酸素および水の熱線遮蔽層2中への侵入が抑制されることによる。
以上のように、本実施例では、優れた可視光線透過性を維持すると同時に優れた熱線遮蔽性を発揮する一方、熱線遮蔽層2の劣化を抑制しつつも優れた断熱性を発揮することができた。さらに好ましく言うと、可視光線透過率40%以上の範囲において幅広い可視光線透過率の中から用途に適した可視光透過率を選択することができ、さらに日射透過率/可視光線透過率が75%以下、かつ、断熱層3の熱伝導率が2.5W/mK以下であることにより、優れた熱線遮蔽性を示す熱線遮蔽構造体20を得ることができた。
10……熱線遮蔽積層体
1………ベース部
2………熱線遮蔽層
2a……複合タングステン酸化物微粒子
3………断熱層
4………接合用層
20……熱線遮蔽構造体
5………窓ガラス(基材)
30……発泡スチロール製ボックス
31……温度センサ
100…遮熱断熱フィルム
101…透明合成樹脂層(ベース部)
102…熱線遮蔽層
103…断熱層
104…透明粘着層
105…窓ガラス

Claims (10)

  1. 一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を分散させた熱線遮蔽層と、
    熱伝導を阻害する機能を備える断熱層と、
    前記熱線遮蔽層および前記断熱層のうち前記熱線遮蔽層の側の最表面層として設けられ、かつ、外部の部材に対する接合機能を備える接合用層と、
    を有する、熱線遮蔽積層体。
  2. 前記断熱層の熱伝導率が2.5W/mK以下である、請求項1に記載の熱線遮蔽積層体。
  3. 前記断熱層が、シリカ殻からなるナノ中空粒子がバインダー中に分散されたナノ中空粒子分散層である、請求項1または2に記載の熱線遮蔽積層体。
  4. 前記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  5. 前記熱線遮蔽層のバインダーが、無機バインダー、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のうちの1種類以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  6. 前記熱線遮蔽層の一方の面上に前記断熱層が設けられ、かつ、前記熱線遮蔽層の他方の面上に前記接合用層が設けられた、請求項1〜5のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  7. ヘイズ値が5.0%以下、可視光線透過率が40%以上であり、かつ、日射透過率が可視光線透過率の75%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体を、前記接合用層を用いてガラスまたは樹脂の基材に対して接合させた、熱線遮蔽構造体。
  9. 一般式MWO(但し、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちから選択される1種類以上の元素)で示され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を分散させた熱線遮蔽層と、
    熱伝導を阻害する機能を備える断熱層と、
    を有する熱線遮蔽積層体が、前記熱線遮蔽層と基材とが対向するように前記基材の上に設けられた、熱線遮蔽構造体。
  10. 前記基材は窓用基材であり、前記基材における太陽光の入射面とは反対の面に対して前記熱線遮蔽積層体を設けた、請求項8または9に記載の熱線遮蔽構造体。
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CN107780608A (zh) * 2017-10-13 2018-03-09 高海燕 一种建筑外墙用多功能一体式装置

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