JP2015160040A - 脱細胞組織の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織に対するダメージが少ない脱細胞化組織を製造する方法を提供すること。
【解決手段】界面活性剤より動物由来組織を脱細胞した場合には、組織へのダメージが大きいが、媒体中で静水圧を印加してから、界面活性剤を含有する洗浄液により洗浄することにより、ダメージの少ない脱細胞組織が製造できるようになる。本発明により、ダメージの少ない脱細胞組織が製造でき、特に、従来製造が困難だった心臓、肝臓、腎臓、肺等の大型臓器のダメージの少ない脱細胞組織が得られるようになる。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生医療に好適に使用できる脱細胞組織の製造方法に関する。
他人の生体組織由来の移植片を移植する場合、被移植者側組織による移植片の拒絶反応が問題となる。このような問題の解決方法として、人工組織の開発が期待されている。素材として種々の高分子が試されているが、これら素材と生体組織との適合性が低いため、移植片と生体組織との接合部位における脱落や感染症が発生する場合がある。そこで、生体組織との適合性を向上すべく、生体組織から細胞を除却して残存する支持組織である脱細胞化生体組織を移植片として使用する技術が開発されてきた。特別な装置を使用することなく、効率的に生体組織から細胞を除去できることから、界面活性剤による脱細胞方法(例えば、特許文献1〜3を参照)が広く行われている。しかしながら、界面活性剤による脱細胞方法では、組織に対するダメージが大きく、脱細胞化された組織の力学的な強度が大きく低下し、特に肝臓、腎臓、肺等では、移植時に臓器の損傷が起きるおそれがあった。一方、超高静水圧処理による脱細胞方法(例えば、特許文献4〜6を参照)が知られているが、処理後の細胞片や核酸の洗浄に長時間を要したり、大型の臓器の場合には洗浄が十分に行えなかったりという問題があった。
特開昭60−501540号公報 特表2003−518981号公報 特表2009−505752号公報 特開2004−094552号公報 国際公開第2008/111530号パンフレット 特表2013−502275号公報
本発明が解決しようとする課題は、組織に対するダメージが少ない脱細胞化組織を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、動物由来の生体組織の、界面活性剤による処理の前に、超高静水圧を印加することにより、界面活性剤によるダメージが軽減されることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、動物由来組織に、媒体中で300〜1500MPaの静水圧を印加する工程、当該動物由来組織を、界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄する工程を有する脱細胞組織の製造方法である。
本発明により、組織に対するダメージが少ない脱細胞化組織を製造する方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔動物由来組織〕
本発明の脱細胞化組織の製造方法に使用する動物由来組織(生体組織ともいう。)は、脊椎動物由来の細胞を有する生体組織であれば、特に限定されないが、拒絶反応が少ないことから、哺乳類又は鳥類由来の生体組織が好ましく、入手が容易であることから、哺乳類の家畜、鳥類の家畜又はヒト由来の生体組織が更に好ましい。哺乳類の家畜としては、ウシ、ウマ、ラクダ、リャマ、ロバ、ヤク、ヒツジ、ブタ、ヤギ、シカ、アルパカ、イヌ、タヌキ、イタチ、キツネ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、ラット、マウス、リス、アライグマ等が挙げられる。また、鳥類の家畜としては、インコ、オウム、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ガチョウ、ホロホロ鳥、キジ、ダチョウ、ウズラ等が挙げられる。これらの中でも、入手の安定性から、ブタ、ウサギ、ヒトの生体組織が好ましい。
生体組織の部位としては、細胞外にマトリックス構造を持った部位が使用でき、このような部位としては、例えば、肝臓、腎臓、尿管、膀胱、尿道、舌、扁桃、食道、胃、小腸、大腸、肛門、膵臓、心臓、血管、脾臓、肺、脳、骨、脊髄、軟骨、精巣、子宮、卵管、卵巣、胎盤、角膜、骨格筋、腱、神経、皮膚等が挙げられる。生体組織の部位として、組織再生の効果が高いことから軟骨、骨、肝臓、腎臓、心臓、肺、脳、及び脊髄が好ましい。生体組織は採取後、腐敗や機能の低下を防ぐための処理を行うことが好ましい。このような処理としては、薬剤による殺菌処理、冷凍による凍結処理等が挙げられ、組織へダメージが少ないことから凍結処理が好ましい。
〔印加工程〕
本発明の製造方法では、動物由来組織に媒体中で100〜1500MPaの静水圧を印加する。印加する静水圧が100MPaよりも低い場合には、界面活性剤を含有する洗浄液する工程での組織へのダメージが大きくなり、1500MPaを超える場合は印加に耐えられる圧力容器が必要であり、多大なエネルギーを要するとともに、印加に用いる媒体が水性媒体の場合には氷が生成しやすくなる。印加する静水圧は300〜1300MPaが好ましく、500〜1200MPaが更に好ましく、700〜1100MPaが最も好ましい。本発明によれば、従来よりも低い値の静水圧による印加であっても効果的に脱細胞化を行うことができる。したがって、より低い圧力で印加工程を行うという観点から、印加する静水圧は100〜800MPa、好ましくは、200〜700MPa、更に好ましくは500〜700MPaであってもよい。
静水圧の印加に使用する媒体としては、水、生理食塩水、プロピレングリコール又はその水溶液、グリセリン又はその水溶液、糖類水溶液等が挙げられる。緩衝液としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液等が挙げられる。糖類水溶液の糖類としては、エリトロース、キシロース、アラビノース、アロース、タロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、デキストラン、アルギン酸、ヒアルロン酸等が挙げられる。
高静水圧処理の温度は、氷が生成せず、熱による組織へのダメージがない温度であれば、特に限定されないが、脱細胞処理が円滑に行われ組織への影響も少ないことから0〜45℃が好ましく、4〜37℃が更に好ましく、15〜35℃が最も好ましい。高静水圧処理の時間は、短すぎると細胞の破壊が十分行われず、長い場合にはエネルギーの浪費につながることから、5〜60分が好ましく、7〜30分が更に好ましい。
〔界面活性剤を含有する洗浄液による洗浄工程〕
高静水圧が印加された生体組織は、組織中の破壊された細胞を、界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄液により除去される。界面活性剤は、イオン性からアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤に分類される。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩(ドデシルスルホン酸ナトリウム等)、脂肪酸石鹸、アルコシキカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルコシキカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アルキルサルコシン塩、コール酸及びその誘導体の塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミン、アルキルジエタノールアミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアミドプロピルスルホベタイン、アルキルイミダゾニウムベタイン、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホナート塩、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル 、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、アルキル(ポリ)グリコシド等が挙げられる。
本発明の脱細胞組織の製造方法において、これらの界面活性剤はいずれも使用可能であるが、洗浄効果が高いことから、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。アルキルスルホン酸塩としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
洗浄液中の界面活性剤の含量は、洗浄する生体組織や、界面活性剤の種類により異なるが、洗浄液全体に対して0.01〜3.00質量%が好ましく、0.03〜2.00質量%が更に好ましく、0.05〜1.00質量%が最も好ましい。洗浄液中の界面活性剤の含量は、公知の方法、例えば液体クロマトグラフィー等によって特定する。
洗浄の温度は、熱による組織へのダメージがない温度であれば、特に限定されないが、洗浄性が良好で組織への影響も少ないことから10〜45℃が好ましく、15〜40℃が更に好ましく、20〜35℃が最も好ましい。洗浄する場合には、必要に応じて、洗浄液を振盪又は撹拌してもよい。
本発明に使用する洗浄液は、界面活性剤に加えて、核酸分解酵素(DNase、RNase等)、有機溶媒又はキレート剤を含有することが好ましいが、含有しなくともよい。核酸分解酵素は、静水圧が印加された生体組織からの核酸成分、有機溶媒は脂質、それぞれの除去効率を向上させることができ、キレート剤は、脱細胞化組織中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンを不活性化することにより、本発明の粒子化脱細胞組織を疾患部に適用した場合の石灰化を防ぐことができる。有機溶剤としては、脂質の除去効果が高いことから、水溶性の有機溶剤が好ましく、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジメチルスルホキシドが好ましい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(CMGA)、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸(HIDA)、ジカルボキシメチルアスパラギン酸(ASDA)等のイミノカルボン酸系キレート剤又はその塩;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸系キレート剤又はその塩が挙げられ、これらのキレート剤の塩としては、ナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。
高静水圧処理された組織を洗浄する場合には、洗浄液に組織を浸漬、又は組織に洗浄液を灌流する。洗浄液に組織を浸漬する場合には、必要に応じて、洗浄液を振盪又は撹拌してもよい。洗浄時間は、生体組織の部位や大きさ、媒体中の界面活性剤の種類や含量に応じて選択すればよく、特に限定されないが、例えば12〜144時間、好ましくは12〜72時間、更に好ましくは12〜48時間でよい。本発明によれば、従来の技術よりも短時間で脱細胞化を行い得る。
〔核酸分解酵素を含有する洗浄液による洗浄工程〕
界面活性剤の種類によっては、核酸分解酵素が変性し失活してしまうことがあることから、界面活性剤を含有する洗浄液に核酸分解酵素を添加して洗浄するのではなく、界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄した後に、界面活性剤を含有せず、核酸分解酵素を含有する洗浄液で洗浄する、若しくは、動物由来組織に静水圧を印加した後に、界面活性剤を含有せず、核酸分解酵素を含有する洗浄液で洗浄し、この後に界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄することが好ましい。つまり、本発明の製造方法は、印加工程と、界面活性剤を含有する洗浄液による洗浄工程との間に、核酸分解酵素を含有する洗浄液による洗浄工程を有し得る。
洗浄液中の核酸分解酵素の含量は、洗浄する生体組織や、核酸分解酵素の種類により異なるが、洗浄液全体に対して0.1〜50ppmが好ましく、1.0〜30ppmが更に好ましく、5.0〜30ppmが最も好ましい。洗浄液中の核酸分解酵素の含量は、タンパク質の測定方法として公知の方法、例えば、液体クロマトグラフィー、電気泳動等によって特定する。
核酸分解酵素による洗浄工程の洗浄条件は、界面活性剤による洗浄工程と同様の条件を使用できる。
〔本発明における脱細胞組織〕
界面活性剤を含有する処理液で脱細胞した脱細胞組織では、通常、物理的強度が大きく低下するのに対し、本発明の脱細胞化組織の製造方法では、界面活性剤を含有する洗浄液による洗浄工程があるにもかかわらず、物理的強度の低下が小さい。この原因についてはわかっていないが、静水圧の印加によりタンパク質が変質し、界面活性剤によるダメージを受けにくくなったためと考えられる。
本発明の製造方法により、組織に対するダメージが少ない脱細胞組織が、比較的短時間で製造できるようになり、特に高静水圧による方法では困難だった大型の臓器、例えば、心臓、肝臓、腎臓、膵臓等の脱細胞が容易に行える。
本発明の製造方法により製造された脱細胞組織は、生体への移植、疾患部位や損傷部位の修復に好適に適用できる。本発明の脱細胞組織を生体に適用する場合には、単独で適用してもよいし、疾患部位の再生・治癒効果のある他の成分とともに適用してもよい。このような他の成分としては、成長因子、プロテオグリカン又はグリコサミノグリカン、細胞、β−1,3−グルカン、メバロン酸等が挙げられる。また、本発明の脱細胞化組織は、そのまま生体に適用してもよいし、細胞を播種し培養し定着させてから適用してもよい。
成長因子としては、インシュリン類似成長因子(IGF)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞成長因子(aFGF)、形質転換成長因子−α(TGF−α)、形質転換成長因子(TGF−β)、骨形成タンパク質(BMP)、血小板由来成長因子(PDGF)、角質細胞成長因子(KGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、造血促進因子(EPO)、顆粒大食細胞成長因子(GM−CSF)、顆粒細胞成長因子(G−CSF)、神経細胞成長因子(NGF)、ヘパリン結合(EGF)等が挙げられる。プロテオグリカン又はグリコサミノグリカンとしては、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン等が挙げられる。
本発明の脱細胞組織は、生体への適用以外にも、細胞の培養、例えば、幹細胞(ES細胞、iPS細胞等)の培養の培地の基材に適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に限定のない限り、実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。
〔サンプルの調製〕
ラットから腎臓を摘出し、腎臓につながる動脈と静脈にカニューレを挿入し瞬間接着剤で固定した。この腎臓を生理食塩水に浸漬し、動脈側から生理食塩水を注入し12時間灌流させたものをサンプルとして用いた。
〔印加工程〕
ポリエチレン製チャック付き袋に、サンプルと、高静水圧処理の媒体として生理食塩水を入れ、研究開発用高圧処理装置(神戸製鋼製、商品名:Dr.CHEF)を用いて、500MPa又は1000MPaの静水圧を15分間印加した。
〔洗浄工程〕
サンプルを洗浄液に浸漬し、動脈側から洗浄液を注入し24〜48時間灌流させた。なお、洗浄液としては、リン酸緩衝生理食塩水(表1中、「PBS」)、ドデシルスルホン酸ナトリウム(表1中、「SDS」)又はDNaseを表1に示す濃度で含有するリン酸緩衝生理食塩水を用いた。なお、表1中の( )内の数字は灌流を行った時間を表わし、矢印「→」は洗浄を行った順番を表わす。「→」の前に記載された工程が、先に行った工程である。
Figure 2015160040
<脱細胞性の評価例>
脱細胞処理したサンプルを目視し、以下の基準で脱細胞性を評価した。結果を表2に示す。
○:赤みが見られず、透明〜きれいな白色であり脱細胞性が良好である
△:やや赤みが見られ、脱細胞性がやや不良である
×:明らかに赤みが残り、脱細胞性が不良である
<形状保持性評価>
強度試験の評価例
脱細胞処理したサンプルを腰高シャーレに入れてサンプルの高さを測定し、この腰高シャーレを25℃恒温槽に24時間保存した後、サンプルの高さを再度測定した。高さの減少率から、下記の基準にて形状保持性を判断した。結果を表2に示す。なお、形状保持性が高いほど脱細胞組織のダメージが少ないことを示す。
○:高さの減少率が0〜20%であり形状保持性が高い
△:高さの減少率が20〜50%であり形状保持性がやや低い
×:高さの減少率が50%以上であり形状保持性が低い
Figure 2015160040
表2の結果から明らかなように、本発明の製造方法で得られた脱細胞組織は、比較的短時間で脱細胞化されており、組織へのダメージも少ないことがわかる。

Claims (4)

  1. 動物由来組織に、媒体中で100〜1500MPaの静水圧を印加する印加工程と、
    前記静水圧を印加した動物由来組織を、界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄する洗浄工程と、を有する脱細胞組織の製造方法。
  2. 前記印加工程と、前記界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄する洗浄工程との間、又は、前記界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄する洗浄工程の後に、前記動物由来組織を、核酸分解酵素を含有する洗浄液で洗浄する洗浄工程を有する請求項1記載の脱細胞組織の製造方法。
  3. 前記界面活性剤が、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びアルキル(ポリ)グリコシドから選択される1種以上の界面活性剤である請求項1又は2に記載の脱細胞組織の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱細胞組織の製造方法により得られる脱細胞組織。
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