JP2015159780A - 食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コク味が増強された食品及び利便性が高いコク味が増強された食品の製造方法を提供する。
【解決手段】醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物由来の蛋白質を、0.006〜0.19%(w/w)となるように食品に添加する。
【効果】調味料等の食品を製造する際に、食品に添加することで簡便にコク味を増強できる、利便性が高い調味料の製造方法を提供することができ、また、該製造方法によりコク味が増強した調味料等の食品を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、醤油を火入れした際に副生する醤油火入れオリから得られる水不溶性凝集物によりコク味を増強した食品及びその製造方法に関する。
食品を食した際の味覚としては、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味からなる5種の基本の味が知られているが、さらに、近年、6番目の味覚としてコク味が知られてきている。コク味とは、上記の基本の味の周辺に広がる厚み、持続性、まとまり等で表現される後味に代表される風味や香りを増強した味といわれている(非特許文献1)。
一般的に、各種食品に、畜肉エキス、鰹だしのような魚介類エキス、野菜エキス等を添加することで、食品にコク味が付与され、食品に複雑な味と幅を与えるとともに、後味が増強されることはよく知られている。コク味を増強する食品として上記のような各種の天然エキス類が広く用いられているが、これらの天然エキスは比較的高価であり、天然物由来の調味料に特有の原料の生産状況によっては入手困難となる問題がある。そこで、安価でコク味増強効果が高いエキス類として、グルタチオン等含有する酵母エキスは広く利用されている。また、最近、醤油の製造における副産物である醤油火入れオリを、醤油含有調味料に添加した後、さらに、90〜110℃で加熱することで、コク味を付与する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、醤油火入れオリをそのままコク味を増強するために用いると、醤油火入れオリに多量に含まれる醤油のため、醤油を用いた和風の食品に添加することはできるが、コンソメスープ等の醤油を用いない食品に添加することはできないという問題がある。また、醤油火入れオリは、醤油火入れオリに含まれる水に不溶性の凝集物が沈殿しやすく、食品に添加する場合には、醤油火入れオリを攪拌しながら添加することが必要になり、食品を製造する際の利便性に欠けるという問題がある。また、特許文献1では、醤油火入れオリを添加した後、90℃以上に加熱することでコク味を増強しているが、香味野菜、香辛料やだし類を含む食品の場合、高温で加熱することで風味が劣化するという問題がある。
以上のことから、醤油を含む食品ばかりでなく、醤油を含まない様々な食品のコク味の増強に使用できることから汎用性が高く、また、醤油火入れオリのように使用時に攪拌等の操作を必要としないことから利便性が高く、且つ、香味野菜や香辛料の風味等が劣化する高温の加熱をしなくても、食品に添加するだけでコク味が増強できる食品の製造方法が求められている。
特許第4033602号公報
日本醸造協会誌,102巻第7号,頁520〜526,2007年
本発明は、調味料等の食品に添加するだけで、簡便にコク味を増強することができる、調味料等の食品の利便性が高い製造方法と、該製造方法を用いることでコク味が増強した調味料等の食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、醤油火入れオリ由来の水不溶性凝集物を、食品に添加することで、食品のコク味を簡便に増強できるという知見を得、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物を含有する食品、
(2)(1)に記載の食品において、醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物由来の蛋白質を、0.006〜0.19%(w/w)含有する食品、
(3)(1)に記載の食品において、醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物を、食品に添加することを特徴とする、食品の製造方法、
(4)(3)に記載の食品の製造方法において、醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物由来の蛋白質を、0.006〜0.19%(w/w)となるように食品に添加することを特徴とする、食品の製造方法、
に関する。
本発明の醤油火入れオリ由来の水不溶性凝集物を、食品に添加することで、食品が持つコク味を増強することができ、食品を食した際に、味の濃厚感、その持続性及び旨味の広がりとで示される後味、すなわち、コク味を増強することができる。また、該凝集物は、醤油を含む食品ばかりでなく、醤油を含まないスープ等の食品にも使用することができ、汎用性が高い。また、醤油火入れオリのように、水不溶性凝集物が沈殿することがなく、該凝集物は、食品の製造時に、そのままで、あるいは、水や醤油等に懸濁して添加すればよく、使用時の利便性が非常に高い。また、コク味を出すために90℃以上の高温での加熱を必要としないため、香味野菜等の風味を損なうことがない。
本発明は、醤油火入れオリ由来の水不溶性凝集物を添加することで、コク味を増強した食品及びその製造方法を提供するものである。
本発明における醤油火入れオリとは、醤油諸味を圧搾した後、火入れ殺菌した醤油を、数日〜約1週間静置後、火入れタンクの底部より分離される、水に不溶性の凝集沈澱物と醤油とが混合した混濁液を意味する。具体的には、醤油諸味を圧搾して得られた生醤油は、透明であるが、80〜110℃付近で行われる火入れ殺菌工程を経ると、主として醤油原料あるいは麹菌酵素等に由来する蛋白質や大豆由来の多糖類からなる水不溶性凝集物が生じ、やがて火入れタンクの底部に、醤油を多量に含む混濁液として沈澱してくる。この醤油と水不溶性凝集物からなる混濁液が、醤油火入れオリであるが、醤油火入れオリは、醤油を多量に含むため旨味は有するものの、色調が暗黒色で苦味を有し、塩味が強く、且つ、醸造臭が強いため、醤油の製造工程に戻すか、あるいは、廃棄されることが通常である。本発明における水不溶性凝集物とは、上記に記載したように醤油を火入れすることにより凝集沈殿してくる、水に不溶性の蛋白質及び多糖類からなる水に不溶性の凝集物のことである。
本発明において、上記の醤油火入れオリから得られた水不溶性凝集物を、食品に添加することで、食品のコク味を増強することができる。この水不溶性凝集物を醤油火入れオリから得るためには、醤油火入れオリ、あるいは、これをMF膜等により濃縮した後、遠心分離等の方法により、水溶性の夾雑物を含む沈殿物を得る。ついで、この沈殿物から、水溶性の夾雑物を除去するために、水洗浄と遠心分離等による分離操作を繰り返すことで、水不溶性凝集物を得ることができる。この水不溶性凝集物を、あるいは、これを水等に懸濁した水不溶性凝集物を、一般的なホモジナイザー等で均質化処理することにより、ペースト状の水不溶性凝集物とすることができる。また、この水不溶性凝集物を、凍結乾燥装置等で脱水処理して乾燥固形物を得て、粉砕することにより粉末や顆粒状の水不溶性凝集物を得ることができ、その形態に特に限定はない。なお、上記醤油火入れオリから凝集して沈殿してくるオリを構成する成分としては、水に不溶性の蛋白質が主成分であることが知られている(「醤油の科学と技術」,栃倉辰六郎編著,1988年3月,p.253〜255)。
上記の醤油火入れオリとしては、濃口醤油、薄口醤油、溜醤油及び再仕込醤油等の製造工程において、生醤油を火入れした際に副生する醤油火入れオリを使用できる。
水不溶性凝集物の使用方法としては、特に制限されず、醤油やスープ等の食品に単独で、あるいは、その他の旨味調味料等の各種添加物等を含有する調味料等の食品に添加して用いることができる。また、この水不溶性凝集物は、これらの食品に添加した後、90℃以上の加熱処理を行わなくても、後味が強く、コク味増強効果を示す。したがって、たまねぎやにんにくのような香味野菜、胡椒等の香辛料やだし類を添加した調味料等の食品のコク味を増強したい場合、90℃未満で殺菌処理等を行うことができることから、香味野菜、香辛料やだし類の好ましい風味を保持したままで、コク味が強い焼肉のタレ等のような食品を製造することができる。
水不溶性凝集物を食品に配合する量は、コク味の増強に有効な量で、且つ、水不溶性凝集物は苦みを有するため、この凝集物由来の苦みを示さない量であればよく、用途に応じて適宜調節されるが、水不溶性凝集物に含まれる蛋白質の配合量として、食品に対して、喫食時に0.006〜0.19%(w/w)となるように添加することが好ましく、0.01〜0.1%(w/w)であることがより好ましい。食品に対する蛋白質の配合量が、喫食時に0.006%(w/w)未満の場合、コク味増強効果が得られず、同じく喫食時に0.19%(w/w)を超えると苦み等の水不溶性凝集物由来の異味が生じるため好ましくない。
水不溶性凝集物は、醤油火入れオリから製造されることから、醤油火入れオリをそのままで、あるいは均質化処理してから食品に加えて、食品のコク味を増強するために用いることも考えられる。しかしながら、醤油火入れオリに含まれる水不溶性凝集物は、非常に沈殿しやすく、実製造においては、待ちタンク等に保存することが多く、醤油火入れオリを保存した場合、使用する前に水不溶性凝集物が沈殿し不均一となる問題がある。このため、醤油火入れオリを、食品の製造に用いる場合は、食品に添加する直前に攪拌混合等の処理により、均質化してから、食品に添加する必要があり、非常に利便性に欠ける。また、醤油火入れオリは、醤油を含むことから、醤油を含まない食品には利用できず汎用性に欠けるという問題がある。
一方、醤油火入れオリに対して、水不溶性凝集物を食品に添加する際には、上記のようなペースト状、あるいは、粉末や顆粒状で使用できることから、醤油火入れオリのように水不溶性凝集物が沈殿して不均一になる等の問題がなく、非常に利便性が高い。なお、水不溶性凝集物を食品に添加する際は、上記ペースト状の水不溶性凝集物、あるいは、粉末や顆粒状の水不溶性凝集物を、調味料等の食品に直接添加することができ、また、水や溶媒等を用いて希釈して、懸濁液として添加することもでき、さらに、酵母エキス、畜肉や魚介のエキスやグルテン等のタンパク加水分解物等と混合して食品へ添加することもできる。
本発明において水不溶性凝集物を添加する食品に関しては、特に限定はなく、具体的には、チキンスープやコーンスープ等のスープ類、ホワイトシチュー等の醤油を含まない食品、めんつゆや焼肉のたれ等の醤油を含む食品及び醤油等の様々な食品の後味を強め、コク味を増強することができ、非常に汎用性が高い。
以下に本発明を比較例及び試験例をあげて説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明の食品に添加するペースト状水不溶性凝集物を製造し、該凝集物を保存した時の水不溶性凝集物の分離安定性と該凝集物を醤油に添加した際のコク味に及ぼす影響を検討した。
(水不溶性凝集物の製造)
水不溶性凝集物は、濃口醤油を火入れして副生した醤油火入れオリ(キッコーマン食品社製)を原料として製造した。上記火入れオリを、MF膜を用いてろ過後、膜の不透過側に残留する濃縮液5kgに水20kgを混合し、10,000rpm(18,780×g)、20℃で30分間遠心分離した後、透明な上澄み液を除去し、1,260gの残渣物を得た。この残渣物に、さらに水5,040gを加え、ホモジナイザー(ポリトロン(登録商標)ホモジナイザーPT3100、キネマチカアーゲー社製)にて均質化処理(8000rpm、2分)をした後、再度上記と同様に遠心分離処理してから、透明な上澄み液を除去し、水不溶性凝集物901.4gを得た。次に、該凝集物901.4gに水100gを加え、上記と同様の条件で均質化処理をした後、80メッシュのフィルターを通し、1001.4gのペースト状水不溶性凝集物を得た。
(水不溶性凝集物に含有する蛋白質量の算出)
水不溶性凝集物を食品に添加した際に、食品中の水不溶性凝集物由来の蛋白質濃度を算出するために、水不溶性凝集物の蛋白質量を算出した。水不溶性凝集物に含まれる蛋白質量は、改良ケルダール法によって窒素量を求めた後、五訂増補日本食品標準成分表(2009)の一般成分の分析法に記載されている蛋白質の算出法に基づいて、窒素量に調味料(醤油類)の窒素−蛋白質換算係数5.71を乗じることで求めた。表1に、上記で得られたペースト状水不溶性凝集物に含まれる水分含量及び蛋白質量を示した。また、比較として、上記の醤油火入れオリを3日間放置した後の上澄み液を、ろ紙(No.2、東洋濾紙社製)及びメンブレンフィルター(C045A、東洋濾紙社製)を用いてろ過して得られた、水不溶性凝集物を除去した醤油火入れオリのろ過液及び醤油火入れオリに関して、両者の窒素量を改良ケルダール法で測定し、両者の窒素量から算出された蛋白質量の差から醤油火入れオリに含有する水不溶性蛋白質の含量を算出し、結果を表1に示した。
Figure 2015159780
上記製造法で得られたペースト状水不溶性凝集物に含まれる水分含量及び蛋白質量は、窒素量が0.77%(w/w)と測定されたことから、蛋白質の含有量は、4.39%(w/w)と算出され、また、該凝集物の乾燥固形分中の蛋白質含有率は75%(w/w)であった。また、醤油火入れオリに含まれる水不溶性蛋白質の含有量は、0.08%(w/w)と算出されたことから、水不溶性凝集物に含まれる水不溶性蛋白質は、本実施例で用いた醤油火入れオリと比較して約54倍に濃縮されていることがわかった。
(ペースト状水不溶性凝集物の分離安定性)
上記と同様の条件でホモジナイザーを用いて均質化処理した醤油火入れオリとペースト状水不溶性凝集物について、100mlのメスシリンダーにそれぞれ100mlを量りとり、35℃で12〜24時間放置した。ペースト状水不溶性凝集物からの不溶性凝集物の分離に関する安定性の評価は、メスシリンダーの背面に500ルクスの蛍光灯の光を照射し、メスシリンダー内の溶液において、水不溶性凝集物が沈殿してくることで生じる上部が淡く下部が濃くなる現象を目視で観察し、この上部から下部にかけて溶液の濃淡が観察される場合を×、濃淡が観察されない場合を○として評価した。結果を表2に示した。
Figure 2015159780
表2に示すように、上記で製造したペースト状水不溶性凝集物は、醤油火入れオリと比較して、水不溶性凝集物が沈殿してくることがないことから分離安定性が高く、食品に添加する前の攪拌混合操作等をする必要がないため、食品を製造する際に、非常に利便性が高いことがわかった。
(水不溶性凝集物の醤油に対するコク味増強効果)
2Lのステンレス製カップに、上記で製造したペースト状水不溶性凝集物68.3gを市販の濃口醤油(比重1.17)(キッコーマン食品社製)800mlに添加してから、ホモジナイザーで均質化処理(8,000rpm、2分)をした後、濃口醤油を加え全量を1Lに調整して、水不溶性凝集物由来の蛋白質を0.3%(w/v)含有する醤油(比重1.17)を製造した。ついで、この醤油をさらに濃口醤油で希釈して、蛋白質を醤油中に0.005〜0.3%(w/v)含む試験例1〜6の醤油を作成した。なお、水不溶性凝集物を添加しない市販の濃口醤油を比較例1とした。
本発明においてコク味に関する官能評価は、下記のようにして実施した。コク味の評価項目として、食した後の後味である、口中の濃厚感、持続性及び旨味の広がりに関して評価し、比較例1と比べて強い場合を○、やや強い場合を△、差がない場合を×として官能評価を行い、それぞれの評価項目について、すべて○の場合をコクが強いとして○を、ひとつでも△がある場合コクがやや強いとして△を、ひとつでも×がある場合コクに差がないと判断して×とした。
また、水不溶性凝集物は苦みを有することから、醤油等の調味料に添加した際の苦みの強さについて評価した。苦みの評価は、比較例1と比べて、苦みに差がない場合を○、やや強い場合を△、苦みが強い場合を×として官能評価を行った。総合評価は、コク味の強さと苦みの強さについて、どちらも○の場合を○、ひとつでも△の場合を△、ひとつでも×がある場合を×とした。また、総合評価が○において、特に好ましいコク味を有し、苦みが比較例1と差がない場合を◎とし、結果を表3に示した。
Figure 2015159780
表3に示すように、水不溶性凝集物由来の蛋白質を、醤油に対して0.006〜0.19%(w/w)となるように添加することで、醤油のコク味が増強されることがわかった。しかし、該蛋白質の含有量を、醤油に対して0.19%(w/w)を超えて配合すると、水不溶性凝集物由来の苦みを感じるようになり、好ましくないことがわかった。
(水不溶性凝集物による焼肉のたれのコク味増強効果)
表4に記載した原料を配合して混和し、水で全量を1000gとした焼肉のたれを、80℃に達温加熱した後、室温まで冷却して、比較例2の焼肉のたれを製造した。また、醤油に水不溶性凝集物を添加してから、ホモジナイザーを用いて均質化し、さらに、砂糖、味醂、にんにく、しょうが、黒胡椒パウダー、唐辛子パウダーを表4の配合で混和し、水で全量を1000gとした混合液を、80℃に達温加熱した後、室温まで冷却し、本発明の試験例7の焼肉のたれを製造した。また、試験例7の加熱温度を100℃とした焼肉のたれを試験例8とした。なお、試験例7と試験例8の焼肉のたれに含まれる水不溶性凝集物由来の蛋白質量が、0.02%(w/w)となるように水不溶性凝集物を配合した。
ついで、比較例及び試験例の焼肉のたれのコク味について官能評価を行ったが、焼肉のたれにおいては、香味野菜を配合していることから、香味野菜の香りの強さについても官能評価を行い、比較例と同等の場合を○、比較例より悪い場合を×とした。コク味の増強効果及び苦みの評価は、実施例1に記載した方法に基づいて実施した。総合評価は各評価項目のすべてが○の時○、ひとつでも×がある時×とした。結果を表4に示した。
Figure 2015159780
表4に示すように、水不溶性凝集物由来の蛋白質を、焼肉のたれに対して、0.02%(w/w)となるように配合すると、焼肉のたれのコク味が増強されることがわかった。しかし、加熱温度を100℃とした場合、香味野菜の香りが、弱くなることがわかった。
(水不溶性凝集物によるめんつゆのコク味増強効果)
表5に記載した原料配合量で、めんつゆを製造し、上記で製造した水不溶性凝集物を添加して、めんつゆにおけるコク味増強効果を検討した。めんつゆは、濃口醤油、砂糖、味醂、かつおエキス、昆布エキスを混合し、水で全量を1000gとした混合液を、80℃に加熱した後、室温まで冷却し、比較例3のめんつゆを製造した。また、濃口醤油に水不溶性凝集物を添加してホモジナイザーで均質化した後、砂糖、味醂、かつおエキス、昆布エキスを混合した。ついで、この混合物を水で全量を1000gとした混合液を80℃に加熱した後、室温まで冷却し、試験例9のめんつゆを製造した。さらに、試験例9の加熱温度を100℃としためんつゆを試験例10とした。なお、試験例9及び10の水不溶性凝集物由来の蛋白質の含有量が、0.04%(w/w)となるように水不溶性凝集物を配合した。
ついで、比較例及び試験例のめんつゆのコク味について官能評価を行ったが、めんつゆにおいては、かつおエキス、昆布エキス等のだしを配合していることから、だしの香りの強さについても官能評価を行い、比較例と同等の場合を○、比較例より悪い場合を×とした。コク味の増強効果及び苦みの評価は、実施例1に記載した方法に基づいて実施した。総合評価は各評価項目のすべてが○の時○、ひとつでも×がある時×とした。結果を表5に示した。
Figure 2015159780
表5に示すように、水不溶性凝集物由来の蛋白質を、めんつゆに対して0.04%(w/w)となるように配合することで、めんつゆのコク味が増強されることがわかった。しかし、加熱温度を100℃とした場合、だしの香りが、弱くなることがわかった。
(水不溶性凝集物によるコンソメスープのコク味増強効果)
市販の固形のコンソメを80℃の300gのお湯で溶解したコンソメスープを比較例4とした。また、コンソメを80℃、100gの湯に溶解した後、上記の製造方法で製造したペースト状水不溶性凝集物を添加してから、さらに80℃の湯で、全量を300gに調整したコンソメスープを試験例11とした。コク味の増強効果の評価は、実施例1に記載した方法に基づいて実施した。結果を表6に示す。
Figure 2015159780
表6に示すように、水不溶性凝集物由来の蛋白質を、コンソメスープ全体に対して0.022%(w/w)となるように配合することで、コンソメスープのコク味が増強されることがわかった。

Claims (4)

  1. 醤油の火入れオリから得られた水不溶性凝集物を含有する食品。
  2. 請求項1に記載の食品において、醤油の火入れオリから得られた水不溶性凝集物由来の蛋白質を、0.006〜0.19%(w/w)含有する食品。
  3. 請求項1に記載の食品において、醤油の火入れオリから得られた水不溶性凝集物を、食品に添加することを特徴とする、食品の製造方法。
  4. 請求項3に記載の食品の製造方法において、醤油の火入れオリから得られた水不溶性凝集物由来の蛋白質を、0.009〜0.19%(w/w)となるように食品に添加することを特徴とする、食品の製造方法。
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