JP2015159662A - 電力供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓄電装置4の蓄電量と目標周波数との間の関係式において、目標周波数が、交流線1での電力の周波数品質の観点から設定される下限目標周波数以上であり且つ上限目標周波数以下の範囲内に制限され、蓄電装置4の蓄電量と目標周波数との間の関係式において、蓄電装置4の蓄電量の変化に対する目標周波数の変化率の絶対値が相対的に大きく設定されている基準変化率領域が設定され、当該基準変化率領域に対応する蓄電装置4の蓄電量の範囲よりも小蓄電量側及び大蓄電量側に、蓄電装置4の蓄電量の変化に対する目標周波数の変化率の絶対値が、基準変化率領域での目標周波数の変化率の絶対値と比べて相対的に小さい第1の小変化率領域及び第2の小変化率領域が設定されている。
【選択図】図1
Description
複数個の前記自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの前記自己システムが有する前記蓄電装置と他の一つの前記自己システムが有する前記交流線との間を相互接続線を用いて接続する連繋インバータ装置を前記自己システム同士の間に備える電力供給システムであって、
前記自立インバータ装置に対して電力品質制御を行わせ、前記連繋インバータ装置に対して電力融通制御を行わせる制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記電力品質制御として、一つの前記自己システムが有する前記自立インバータ装置に対して、当該一つの自己システムにおいて、前記交流線での電力の電圧が目標電圧となるように及び前記交流線での電力の周波数が前記蓄電装置の蓄電量に応じて決定される目標周波数となるように前記交流線への電力供給を行わせ、並びに、
前記電力融通制御として、一つの前記自己システムに向けて他の前記自己システムから前記相互接続線を用いて電力を融通するとき、当該相互接続線を構成する第1相互接続線と第2相互接続線との間に設けられる前記連繋インバータ装置に対して、当該一つの自己システム及び当該他の自己システムのそれぞれにおける前記交流線での前記目標周波数に基づいて、前記蓄電装置の蓄電量が相対的に大きい自己システムから、前記蓄電装置の蓄電量が相対的に小さい自己システムへと電力を融通させ、
複数個の前記自己システムの夫々において、
前記自立インバータ装置は、前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の関係式に従って前記蓄電装置の前記蓄電量に応じた前記目標周波数を決定し、
前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の前記関係式において、
前記目標周波数が、前記交流線での電力の周波数品質の観点から設定される下限目標周波数以上であり且つ上限目標周波数以下の範囲内に制限され、
前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の前記関係式において、前記蓄電装置の前記蓄電量の変化に対する前記目標周波数の変化率の絶対値が相対的に大きく設定されている基準変化率領域が設定され、当該基準変化率領域に対応する前記蓄電装置の前記蓄電量の範囲よりも小蓄電量側及び大蓄電量側に、前記蓄電装置の前記蓄電量の変化に対する前記目標周波数の変化率の絶対値が、前記基準変化率領域での前記目標周波数の変化率の絶対値と比べて相対的に小さい第1の小変化率領域及び第2の小変化率領域が設定されている点にある。
前記蓄電装置の前記蓄電量に関する前記目標下限蓄電量と前記目標上限蓄電量との間の領域が前記基準変化率領域に対応する点にある。
そこで、本特徴構成では、蓄電装置の寿命を考慮して決定される蓄電装置の蓄電量に関する目標運用領域が、目標下限蓄電量と、当該目標下限蓄電量よりも大きい目標上限蓄電量との間の領域に規定され、蓄電装置の蓄電量に関する目標下限蓄電量と目標上限蓄電量との間の領域が基準変化率領域に対応するようにしている。その結果、上述したように、蓄電装置の蓄電量が相対的に中間にある上記基準変化率領域(目標運用領域)へと戻るようになり、或いは、蓄電装置の蓄電量が目標運用領域から外れることが抑制されるようになる。つまり、蓄電装置が、その蓄電装置の寿命が長くなるような蓄電量の範囲内(目標運用領域内)で使用されるようになる。
図1は、電力供給システムの構成を示す図である。この電力供給システムは、複数の電力需要者Dが接続されている交流線1と、蓄電装置4と、蓄電装置4と交流線1との間を自己接続線2を用いて接続する自立インバータ装置5とを有する自己システム10を複数個備え、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように、一つの自己システム10が有する蓄電装置4と他の一つの自己システム10が有する交流線1との間を相互接続線3を用いて接続する連繋インバータ装置9を自己システム10同士の間に備える。自己接続線2は、自立インバータ装置5と蓄電装置4とを接続するための第1自己接続線2a(2)と、自立インバータ装置5と交流線1とを接続するための第2自己接続線2b(2)とで構成される。相互接続線3は、連繋インバータ装置9と蓄電装置4とを接続するための第1相互接続線3a(3)と、連繋インバータ装置9と交流線1とを接続するための第2相互接続線3b(3)とで構成される。また、電力供給システムは、自立インバータ装置5に対して電力品質制御を行わせ、連繋インバータ装置9に対して電力融通制御を行わせる制御装置Cを備える。図1では、自己システム10A(10)と自己システム10B(10)という二つの自己システム10が連繋インバータ装置9を介して接続されている状態を例示しているが、電力供給システムが備える自己システム10の数に制限は無い。
本実施形態では、自立インバータ装置5は、交流線1での電力の周波数が蓄電装置4の蓄電量が大きくなるにつれて高くなる関係で決定される目標周波数となるように制御する。この関係式の例としては、蓄電装置4の蓄電量の関数で決定する周波数変動値(例えば蓄電量が大きいほど周波数変動値が大きくなる関係など)を交流線1の基準周波数(例えば60Hz)に対して加算して得られる値を目標周波数とするようなものがある。この場合、目標周波数:fと、基準周波数:f0と、周波数変動値:Δfとの関係は以下の(数式1)で表すことができる。
例えば、交流線1の電力を消費して動作する電力消費装置6は、本来、商用電力系統から供給される電力によって動作することを前提としているため、供給される電力の周波数が変化すると、厳密にはその電力消費装置の動作状態も変化してしまう。ところが、本実施形態のように、自立インバータ装置5が変化させる交流線1の電力の周波数範囲を下限目標周波数以上であり且つ上限目標周波数以下の範囲内に制限しておくことで、交流線1に接続される電力消費装置6が正常に動作することが担保される。
また、交流線1に電力を供給する発電装置7が、交流線1での電力の周波数が正常ではないと判定するとその発電装置7自身を交流線1から解列させる又は交流線1への電力供給を停止させる保護制御を行うように構成されている場合がある。つまり、発電装置7が正常に交流線1への電力供給を行わなくなる場合がある。そのような場合であっても、自立インバータ装置5が変化させる交流線1の電力の周波数範囲を、発電装置7が交流線1での電力の周波数を正常であると判定する範囲(即ち、上述した下限目標周波数以上であり且つ上限目標周波数以下の範囲)に制限しておくことで、上述した発電装置7の保護制御が実行されることがないようにできる。
先ず、電力融通制御が行われるとき、連繋インバータ装置9は、二つの自己システム10のそれぞれにおける交流線1での目標周波数(実際の交流線1での電力の周波数もそれぞれの目標周波数と同じと見なしてよい)に基づいて、蓄電装置4の蓄電量が相対的に大きい自己システム10から、蓄電装置4の蓄電量が相対的に小さい自己システム10へと電力を融通させる。つまり、双方の自己システム10での交流線1での電力の周波数が対比された上で、電力を供給する側の自己システム10になるのか、或いは、電力を受け取る側の自己システム10になるのかが決定される。
但し、本実施形態では、上述したように、蓄電装置4の蓄電量と目標周波数との間の関係式において、第1の小変化率領域及び基準変化率領域及び第2の小変化率領域が、蓄電装置4の蓄電量が増加するに伴って順に設定されている。つまり、蓄電量が相対的に中間にある上記基準変化率領域では、蓄電装置4の蓄電量の大小変化があるとその変化に伴って目標周波数も大きく変化する。このように、目標周波数が大きく変化するということは、目標周波数の比較結果に基づく電力融通制御において、電力の融通を受ける側になるのか或いは電力を供給する側になるのかが代わり易くなるということである。即ち、電力の融通を受ける側になるのか或いは電力を供給する側になるのかが入れ替わり易くなり、隣接する自己システム10間で各蓄電装置4の蓄電量の均衡が図られるようになる。
同様に、蓄電量が相対的に大きい側の小変化率領域では、電力融通制御において他の自己システム10への電力の供給を行って自身の蓄電装置4の蓄電量が減少しても、目標周波数が大きく変化しない。その結果、電力融通制御において他の自己システム10へ電力の供給を行い続けることになり、その後、蓄電装置4の蓄電量が相対的に中間にある上記基準変化率領域へと戻る。
上記実施形態では、図2に示したような蓄電装置4の蓄電量と目標周波数(周波数変動値)との間の関係式を例示したが、図2は単に例示目的で示した関係式であり、適宜変更可能である。
例えば、図2に示した関係式は、蓄電装置4の蓄電量が大きくなるにつれて目標周波数が単調に高くなる関係であったが、これとは逆に、蓄電装置4の蓄電量が大きくなるにつれて目標周波数が単調に低くなる関係であってもよい。このような関係の場合、図2に示した関係式は、目標周波数が、大蓄電量側で蓄電装置4の蓄電量の増加に従って下限目標周波数に収束し、小蓄電量側で蓄電装置4の蓄電量の減少に従って上限目標周波数に収束する関係式となる。
また、図2では、蓄電装置4の蓄電量と目標周波数(周波数変動値)との間の関係式を、基準変化率領域を中心とした点対称の曲線で規定したが、非対称な曲線で蓄電装置4の蓄電量と目標周波数(周波数変動値)との間の関係式を規定してもよい。更に、図2に示した関係式において、蓄電装置4の蓄電量変化に対する目標周波数(周波数変動値)の変化率の大きさも、適宜変更可能である。
2 :自己接続線
2a :第1自己接続線
2b :第2自己接続線
3 :相互接続線
4 :蓄電装置
5 :自立インバータ装置
6 :電力消費装置
7 :発電装置
9 :連繋インバータ装置
10 :自己システム
10A :自己システム
10B :自己システム
C :制御装置
D :電力需要者
fA :周波数
fB :周波数
Claims (5)
- 複数の電力需要者が接続されている交流線と、蓄電装置と、前記蓄電装置と前記交流線との間を自己接続線を用いて接続する自立インバータ装置とを有する自己システムを複数個備え、
複数個の前記自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの前記自己システムが有する前記蓄電装置と他の一つの前記自己システムが有する前記交流線との間を相互接続線を用いて接続する連繋インバータ装置を前記自己システム同士の間に備える電力供給システムであって、
前記自立インバータ装置に対して電力品質制御を行わせ、前記連繋インバータ装置に対して電力融通制御を行わせる制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記電力品質制御として、一つの前記自己システムが有する前記自立インバータ装置に対して、当該一つの自己システムにおいて、前記交流線での電力の電圧が目標電圧となるように及び前記交流線での電力の周波数が前記蓄電装置の蓄電量に応じて決定される目標周波数となるように前記交流線への電力供給を行わせ、並びに、
前記電力融通制御として、一つの前記自己システムに向けて他の前記自己システムから前記相互接続線を用いて電力を融通するとき、当該相互接続線を構成する第1相互接続線と第2相互接続線との間に設けられる前記連繋インバータ装置に対して、当該一つの自己システム及び当該他の自己システムのそれぞれにおける前記交流線での前記目標周波数に基づいて、前記蓄電装置の蓄電量が相対的に大きい自己システムから、前記蓄電装置の蓄電量が相対的に小さい自己システムへと電力を融通させ、
複数個の前記自己システムの夫々において、
前記自立インバータ装置は、前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の関係式に従って前記蓄電装置の前記蓄電量に応じた前記目標周波数を決定し、
前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の前記関係式において、前記目標周波数が、前記交流線での電力の周波数品質の観点から設定される下限目標周波数以上であり且つ上限目標周波数以下の範囲内に制限され、
前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の前記関係式において、前記蓄電装置の前記蓄電量の変化に対する前記目標周波数の変化率の絶対値が相対的に大きく設定されている基準変化率領域が設定され、当該基準変化率領域に対応する前記蓄電装置の前記蓄電量の範囲よりも小蓄電量側及び大蓄電量側に、前記蓄電装置の前記蓄電量の変化に対する前記目標周波数の変化率の絶対値が、前記基準変化率領域での前記目標周波数の変化率の絶対値と比べて相対的に小さい第1の小変化率領域及び第2の小変化率領域が設定されている電力供給システム。 - 前記関係式は、前記目標周波数が、大蓄電量側で前記蓄電装置の前記蓄電量の増加に従って前記上限目標周波数又は前記下限目標周波数に収束し、小蓄電量側で前記蓄電装置の前記蓄電量の減少に従って前記下限目標周波数又は前記上限目標周波数に収束する関係式である請求項1に記載の電力供給システム。
- 前記蓄電装置の寿命を考慮して決定される前記蓄電装置の前記蓄電量に関する目標運用領域が、目標下限蓄電量と、当該目標下限蓄電量よりも大きい目標上限蓄電量との間の領域に規定され、
前記蓄電装置の前記蓄電量に関する前記目標下限蓄電量と前記目標上限蓄電量との間の領域が前記基準変化率領域に対応する請求項1又は2に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電装置の前記蓄電量と前記目標周波数との間の前記関係式において、前記目標周波数は、前記蓄電装置の前記蓄電量の関数で決定する周波数変動値を前記交流線の基準周波数に対して加算して導出される請求項1〜3の何れか一項に記載の電力供給システム。
- 前記交流線での電力の周波数品質の観点から設定される前記上限目標周波数及び前記下限目標周波数の間の範囲は、前記交流線に接続されている装置を正常に動作させるために設定されている範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載の電力供給システム。
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