JP2015019451A - 電力供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の自己システムを備える電力供給システムにおいて、システムの良好な拡張性及び低価格化を実現する。
【解決手段】電力供給システムが、主発電設備12と蓄電装置13とを有する自己システム10を複数個備え、主発電設備12は交流線11での電力の電圧が目標電圧となるように及び周波数が蓄電装置13の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように交流線11への供給電力を制御し、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように一つの自己システム10が有する蓄電装置13と他の一つの自己システム10が有する交流線11とを接続する連繋インバータ装置20を自己システム10同士の間に備え、一つの連繋インバータ装置20は蓄電装置13の蓄電残量が相対的に大きい自己システム10から蓄電装置13の蓄電残量が相対的に小さい自己システム10へと電力を融通する。
【選択図】図1
【解決手段】電力供給システムが、主発電設備12と蓄電装置13とを有する自己システム10を複数個備え、主発電設備12は交流線11での電力の電圧が目標電圧となるように及び周波数が蓄電装置13の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように交流線11への供給電力を制御し、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように一つの自己システム10が有する蓄電装置13と他の一つの自己システム10が有する交流線11とを接続する連繋インバータ装置20を自己システム10同士の間に備え、一つの連繋インバータ装置20は蓄電装置13の蓄電残量が相対的に大きい自己システム10から蓄電装置13の蓄電残量が相対的に小さい自己システム10へと電力を融通する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電力需要者に対して電力を供給できる電力供給システムに関する。
従来から、複数の電力需要者が接続されている交流線と、蓄電装置とを有する自己システムを複数個備えるような電力供給システムが提案されている。例えば、特許文献1に記載の電力供給システムは、複数個の自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの自己システムが有する蓄電装置と他の一つの自己システムが有する交流線とを接続する連繋インバータ装置を自己システム同士の間に備えている。各自己システムでは、蓄電装置が自己インバータ装置を介して交流線に接続され、それら蓄電装置及び自己インバータ装置が、交流線での電力の電圧及び周波数を所定の値に調節している。
また、特許文献1に記載の電力供給システムでは、各自己システムにおいて、交流線での電力の周波数が蓄電装置の蓄電残量を反映した値となるように、自己インバータ装置は交流線への供給電力を調節している。つまり、各自己システムの交流線での電力の周波数を見れば、各自己システムでの蓄電装置の蓄電残量に関する情報を得ることができるようになっている。そして、一つの連繋インバータ装置を介して電気的に接続されている二つの自己システムに関して、交流線での電力の周波数の高い方(例えば、蓄電装置の蓄電残量の多い方)の自己システムから、周波数の低い方(例えば、蓄電装置の蓄電残量の少ない方)の自己システムへ電力を供給するようにその連繋インバータ装置が動作する。このように、連繋インバータ装置は、電気的に接続されている二つの自己システムに関して、各交流線の周波数を検出するだけで、何れの自己システムの蓄電装置の蓄電残量が多いのかを知ることができ、上述のように連繋インバータ装置を用いて交流線の周波数の値の大小に応じて各自己システム間で電力の融通を行うことで、各自己システムの蓄電装置の蓄電残量の均等化を図ることができる。
このような自己システムを備える電力供給システムは、従来から存在する商用電力系統とは別の独立した系統として運用可能である。また、連繋インバータ装置及び自己システムを追加することで、電力供給システムの規模を拡大することができる。
特許文献1に記載の電力供給システムにおいて、蓄電装置は、交流線での電力の電圧を維持する機能を担っている。従って、蓄電装置は、比較的大きな容量を有するものにせざるを得ず、その結果として高価になる。
尚、上述のような自己システムにおいて、蓄電装置に代えて、燃料を消費して動作するエンジンによって駆動される発電機などを設置し、交流線での電力の電圧を維持する機能をその発電機に担わせるような構成も考えられる。このようなエンジン及び発電機であれば、比較的大きな発電出力を有するものであっても、蓄電装置に比べて価格を低く抑えることができる。
但し、上述したような発電機を複数台並列運転する場合には、通常、横流補償制御が必要になる。つまり、横流補償制御を実現するためには電力線に加え、制御線を設ける必要があり、発電機が一箇所に集中して設置されている場合は問題とならないが、発電機を分散設置する場合には拡張性の面で利便性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の自己システムを備える電力供給システムにおいて、システムの良好な拡張性及び低価格化を実現する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る電力供給システムの特徴構成は、交流線に対して第1接続箇所で接続される主発電設備と、前記交流線に対して第2接続箇所で接続され、前記交流線からの電力の充電及び前記交流線への電力の放電を行う蓄電装置とを有し、前記第1接続箇所から見て前記第2接続箇所よりも遠い下流側の前記交流線に複数の電力需要者が接続されている自己システムを複数個備え、
前記主発電設備は、前記交流線での電力の電圧が目標電圧となるように及び前記交流線での電力の周波数が前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように前記交流線への供給電力を制御し、
複数個の前記自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの前記自己システムが有する前記蓄電装置と他の一つの前記自己システムが有する前記交流線とを接続する連繋インバータ装置を前記自己システム同士の間に備え、
一つの前記連繋インバータ装置を介して電気的に直接接続されている二つの前記自己システムに関して、前記一つの連繋インバータ装置は、それぞれの前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定されている前記目標周波数に基づいて、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に大きい自己システムから、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に小さい自己システムへと電力を融通する点にある。
前記主発電設備は、前記交流線での電力の電圧が目標電圧となるように及び前記交流線での電力の周波数が前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように前記交流線への供給電力を制御し、
複数個の前記自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの前記自己システムが有する前記蓄電装置と他の一つの前記自己システムが有する前記交流線とを接続する連繋インバータ装置を前記自己システム同士の間に備え、
一つの前記連繋インバータ装置を介して電気的に直接接続されている二つの前記自己システムに関して、前記一つの連繋インバータ装置は、それぞれの前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定されている前記目標周波数に基づいて、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に大きい自己システムから、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に小さい自己システムへと電力を融通する点にある。
上記特徴構成によれば、各自己システムにおいて、交流線の電圧を維持する役割を主発電設備に担わせることで、交流線に接続されている電力需要者に対して電力を安定して供給することができる。更に、従来のように高価な蓄電装置が交流線での電力の電圧を維持する機能を担っている場合に比べて、電力供給システムの低価格化を実現できる。
加えて、各自己システムにおいて、主発電設備は、交流線の電力の周波数を蓄電装置の蓄電残量に応じて決定される目標周波数にする役割を担う。つまり、交流線の電力の周波数に対して、蓄電装置の蓄電残量に関する情報を持たせることができる。その結果、蓄電装置の蓄電残量に関する情報を他の装置に伝達するための制御線を設けなくても、交流線での電力の周波数の値を得るだけでその蓄電装置の蓄電残量を知ることができる。そして、連繋インバータ装置は、各交流線の周波数の値を得ることができれば、蓄電装置の蓄電残量が相対的に大きい自己システム(交流線の電力の周波数が例えば高い自己システム)から、蓄電装置の蓄電残量が相対的に小さい自己システム(交流線の電力の周波数が例えば低い自己システム)へ電力を融通して、各自己システムの間での蓄電装置の蓄電残量の均等化を図ることができる。
更に、連繋インバータ装置を介して自己システムを逐次増設することができるので、結果として拡張性の高い電力供給システムを提供できる。
従って、複数の自己システムを備える電力供給システムにおいて、システムの良好な拡張性及び低価格化を実現することができる。
加えて、各自己システムにおいて、主発電設備は、交流線の電力の周波数を蓄電装置の蓄電残量に応じて決定される目標周波数にする役割を担う。つまり、交流線の電力の周波数に対して、蓄電装置の蓄電残量に関する情報を持たせることができる。その結果、蓄電装置の蓄電残量に関する情報を他の装置に伝達するための制御線を設けなくても、交流線での電力の周波数の値を得るだけでその蓄電装置の蓄電残量を知ることができる。そして、連繋インバータ装置は、各交流線の周波数の値を得ることができれば、蓄電装置の蓄電残量が相対的に大きい自己システム(交流線の電力の周波数が例えば高い自己システム)から、蓄電装置の蓄電残量が相対的に小さい自己システム(交流線の電力の周波数が例えば低い自己システム)へ電力を融通して、各自己システムの間での蓄電装置の蓄電残量の均等化を図ることができる。
更に、連繋インバータ装置を介して自己システムを逐次増設することができるので、結果として拡張性の高い電力供給システムを提供できる。
従って、複数の自己システムを備える電力供給システムにおいて、システムの良好な拡張性及び低価格化を実現することができる。
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、前記蓄電装置は、それぞれ前記主発電設備から前記交流線に出力される電力が設定下限電力未満のときに充電作動し、前記主発電設備から前記交流線に出力される電力が前記設定下限電力より大きい設定上限電力を超えるときに放電作動する点にある。
上記特徴構成によれば、主発電設備から交流線に出力される電力が設定下限電力未満であるとき、即ち、交流線での電力負荷が相対的に小さいために主発電設備が低い負荷状態で運転されているとき、蓄電装置が充電作動することにより交流線での電力負荷が増大し、その結果、主発電設備が低い負荷状態で運転される続けることが回避され、主発電設備の稼働率を向上させることができる。また、主発電設備から交流線に出力される電力が設定上限電力を超えるとき、即ち、交流線での電力負荷が相対的に大きいために主発電設備が高い負荷状態で運転されているとき、蓄電装置が放電作動することにより交流線での電力負荷が減少し、その結果、主発電設備が大きい負荷状態で運転され続けることが回避される。このように、自己システムにおいて、蓄電装置が主発電設備を補完するように動作することで、主発電設備の負荷を所望の範囲(即ち、設定下限電力以上且つ設定上限電力以下の範囲)へと誘導することができる。
本発明に係る電力供給システムの更に別の特徴構成は、複数個の前記自己システムの夫々において、前記主発電設備は、前記蓄電装置の蓄電残量の関数で決定する周波数変動分を前記交流線の基準周波数に対して加算して前記目標周波数を導出する点にある。
上記特徴構成によれば、目標周波数が、蓄電装置の蓄電残量の関数で決定する周波数変動分を基準周波数に加算して導出される。つまり、交流線での電力の周波数が基準周波数に近い値であることを確保しつつ、その電力の周波数に蓄電装置の蓄電残量に関する情報を持たせることができる。
本発明に係る電力供給システムの更に別の特徴構成は、前記目標周波数を導出するための、前記蓄電残量と前記周波数変動分との間の関係式は複数個の前記自己システムの夫々で各別に設定されている点にある。
上記特徴構成によれば、蓄電残量と周波数変動分との間の関係式は複数個の自己システムの夫々で各別に設定されるので、複数の自己システムでの各蓄電装置の蓄電残量が同じでも、ある一つの自己システムの交流線での電力の周波数と、他の自己システムの交流線での電力の周波数とが異なるようにすることもできる。
以下に図面を参照して本発明に係る電力供給システムについて説明する。図1は、電力供給システムの構成を説明する図である。
図1に示すように、電力供給システムは、交流線11に対して第1接続箇所P1で接続される主発電設備12と、交流線11に対して第2接続箇所P2で接続され、交流線11からの電力の充電及び交流線11への電力の放電を行う蓄電装置13とを有し、第1接続箇所P1から見て第2接続箇所P2よりも遠い下流側の交流線11に複数の電力需要者Dが接続されている自己システム10を複数個備える。加えて、電力供給システムは、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように、一つの自己システム10が有する蓄電装置13と他の一つの自己システム10が有する交流線11とを接続する連繋インバータ装置20を自己システム10同士の間に備える。図1に示した例では、連繋インバータ装置20Aが、自己システム10Aに関しては蓄電装置13の蓄電部13aに接続され、自己システム10Bに関してはその交流線11において第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間に設定される第3接続箇所P3で接続された状態を示している。
尚、図1では、電力供給システムが、自己システム10A、10Bと連繋インバータ装置20A、20Bとを備える例を示しているが、更に多数の自己システム10及び連繋インバータ装置20を備えるシステムに拡張することもできる。
図1に示すように、電力供給システムは、交流線11に対して第1接続箇所P1で接続される主発電設備12と、交流線11に対して第2接続箇所P2で接続され、交流線11からの電力の充電及び交流線11への電力の放電を行う蓄電装置13とを有し、第1接続箇所P1から見て第2接続箇所P2よりも遠い下流側の交流線11に複数の電力需要者Dが接続されている自己システム10を複数個備える。加えて、電力供給システムは、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように、一つの自己システム10が有する蓄電装置13と他の一つの自己システム10が有する交流線11とを接続する連繋インバータ装置20を自己システム10同士の間に備える。図1に示した例では、連繋インバータ装置20Aが、自己システム10Aに関しては蓄電装置13の蓄電部13aに接続され、自己システム10Bに関してはその交流線11において第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間に設定される第3接続箇所P3で接続された状態を示している。
尚、図1では、電力供給システムが、自己システム10A、10Bと連繋インバータ装置20A、20Bとを備える例を示しているが、更に多数の自己システム10及び連繋インバータ装置20を備えるシステムに拡張することもできる。
電力需要者Dは、交流線11から供給される電力を消費する電力消費装置14を有する。或いは、電力需要者Dは、電力消費装置14に加えて、発電装置15を有してもよい。発電装置15としては、太陽光や風力などの自然エネルギを利用して発電する太陽光発電装置や風力発電装置や、燃料を利用して発電する燃料電池などの様々な装置を利用できる。尚、図1に示すように、電力需要者Dが発電装置15を備えるのではなく、発電装置15が単体で交流線11に接続されていてもよい。また、電力需要者Dが備える電力消費装置14や発電装置15の数や組み合わせは図示した例に限定されない。
各自己システム10が有する主発電設備12は、交流線11での電力の電圧が目標電圧となるように及び交流線11での電力の周波数が蓄電装置13の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように交流線11への供給電力を制御する。例えば、主発電設備12は、燃料を消費して動作するエンジン等によって駆動される発電機(図示せず)と、インバータなどの電力変換器(図示せず)とを備える。上記発電機としては、様々な種類の発電機を用いることができる。例えば、上記発電機として、ガスエンジンによって駆動されるガスエンジン発電機や、ディーゼルエンジンによって駆動されるディーゼルエンジン発電機などを用いることができる。他にも、上記発電機として、タービン発電機や燃料電池などを用いることができる。また、それら発電機や電力変換器などの動作を制御する制御手段(図示せず)を備えている。そして、電力変換器の機能によって交流線11の電圧が目標電圧になるように及び周波数が目標周波数になるように主発電設備12から交流線11への供給電力が調節される。或いは、主発電設備12を構成する発電機の回転速度を変更することで、交流線11の電圧が目標電圧になるように及び周波数が目標周波数になるように交流線11への供給電力を調節できる場合もある。この主発電設備12には蓄電装置13からその蓄電残量(State Of Charge):〔SOC〕に関する情報が入力されるように構成されている。
本実施形態では、主発電設備12は、蓄電装置13の蓄電残量の関数で決定する周波数変動分を交流線11の基準周波数に対して加算して目標周波数を導出する。例えば、目標周波数:fと、基準周波数:f0と、周波数変動分:Δfとの関係は以下の数式1で表すことができる。また、周波数変動分:Δfは、蓄電残量:〔SOC〕と定数A、Bを用いて以下の数式2で表すことができる。
f=f0+Δf (数式1)
Δf=A×〔SOC〕+B (数式2)
Δf=A×〔SOC〕+B (数式2)
主発電設備12は、上記関係式を予め内部メモリなどに記憶しておき、蓄電装置13から蓄電残量に関する情報の伝達を受けると、その関係式に従って目標周波数を導出する。また、主発電設備12は、交流線11での目標電圧に関する情報を内部メモリなどに記憶している。そして、主発電設備12は、交流線11の電圧が目標電圧になるように及び周波数が目標周波数になるように交流線11への供給電力を調節する。このように、交流線11の実際の周波数(即ち、目標周波数)は、その交流線11に接続されている蓄電装置13の蓄電残量が反映された値になる。
尚、数式2で例示した蓄電装置13の蓄電残量と周波数変動分:Δfとの間の関係式は複数個の自己システム10の夫々で各別に設定してもよい。例えば、数式2の定数A、Bの値を複数個の自己システム10の夫々で各別に設定してもよい。その場合、複数の自己システム10での各蓄電装置13の蓄電残量が同じでも、ある一つの自己システム10の交流線11での電力の周波数と他の自己システム10の交流線11での電力の周波数とが異なるようにすること、各蓄電装置13の蓄電残量が異なっているように見せることもできる。
尚、数式2で例示した蓄電装置13の蓄電残量と周波数変動分:Δfとの間の関係式は複数個の自己システム10の夫々で各別に設定してもよい。例えば、数式2の定数A、Bの値を複数個の自己システム10の夫々で各別に設定してもよい。その場合、複数の自己システム10での各蓄電装置13の蓄電残量が同じでも、ある一つの自己システム10の交流線11での電力の周波数と他の自己システム10の交流線11での電力の周波数とが異なるようにすること、各蓄電装置13の蓄電残量が異なっているように見せることもできる。
蓄電装置13は、蓄電部13aとインバータ部13bとを有する。また、蓄電装置13はインバータ部13bの動作を制御する制御手段(図示せず)も有している。蓄電部13aは、インバータ部13bを介して交流線11に接続されている。そして、インバータ部13bが交流線11から蓄電部13aへの充電電力の制御及び蓄電部13aから交流線11への放電電力の制御を行う。尚、図1では、インバータ部13bが蓄電装置13の内部に設けられているように描いているが、インバータ部13bが蓄電装置13の外部に設けられていてもよい。
蓄電部13aとしては蓄電池(例えば、化学電池)や電気二重層キャパシタなどの様々な装置を利用できる。
蓄電部13aとしては蓄電池(例えば、化学電池)や電気二重層キャパシタなどの様々な装置を利用できる。
図2に示すように、蓄電装置13は、主発電設備12から交流線11に出力される電力が設定下限電力未満のときに充電作動し、主発電設備12から交流線11に出力される電力が設定下限電力より大きい設定上限電力を超えるときに放電作動するように動作する。例えば、図1に示した電力供給システムでは、蓄電装置13は、交流線11の途中の電力監視部位Xにおいて、主発電設備12から交流線11に出力される電力を監視する。例えば、蓄電装置13において、交流線11における電力の電流値を検出するために用いられるカレントトランス、交流線11における電力の電圧値を検出するために用いられるポテンシャルトランスなどを用いて、電力監視部位Xでの電力を導出することができる。図1に示した例では、自己システム10Aにおいて、電力監視部位Xは第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間に設定され、第1接続箇所P1から第2接続箇所P2へ向かう電力が検出される。また、自己システム10Bにおいて、電力監視部位Xは第1接続箇所P1と第3接続箇所P3の間に設定され、第1接続箇所P1から第3接続箇所P3へ向かう電力が検出される。
図2は、主発電設備12から交流線11に出力される電力と、蓄電装置13の動作状態との関係を示す図である。図2において、縦軸は、交流線11の電力監視部位Xで監視した主発電設備12から交流線11に出力される電力を示す。図示するように、蓄電装置13は、主発電設備12から交流線11への供給電力が設定下限電力未満のとき(即ち、主発電設備12にとって低い負荷状態のとき)、充電作動する。その結果、交流線11での合計の電力負荷が大きくなり、主発電設備12は交流線11での電力の電圧を目標電圧に維持するために、交流線11への供給電力を上昇させる。これに対して、蓄電装置13は、主発電設備12から交流線11への供給電力が設定上限電力(>設定下限電力)を超えるとき(即ち、主発電設備12にとって高い負荷状態のとき)、放電作動する。その結果、交流線11での合計の電力負荷が小さくなり、主発電設備12は交流線11での電力の電圧を維持するために、交流線11への供給電力を低下させる。
図2に示した例において、設定下限電力の値及び設定上限電力の値は各自己システム10で適宜設定可能であり、自己システム10毎に異なる値に設定してもよいし同じ値に設定してもよい。また、蓄電装置13を放電作動させるときの放電電力の大きさ、及び、蓄電装置13を充電作動させるときの充電電力の大きさは適宜設定可能である。
以上のように、主発電設備12から交流線11に出力される電力が設定下限電力未満であるとき、即ち、交流線11での電力負荷が相対的に小さいために主発電設備12が低負荷状態で運転されているとき、蓄電装置13が充電作動することにより交流線11での電力負荷が増大し、その結果、主発電設備12が低負荷状態で運転される続けることが回避され、主発電設備12の稼働率を向上させることができる。また、主発電設備12から交流線11に出力される電力が設定上限電力を超えるとき、即ち、交流線11での電力負荷が相対的に大きいために主発電設備12が大きい負荷状態で運転されているとき、蓄電装置13が放電作動することにより交流線11での電力負荷が減少し、その結果、主発電設備12が大きい負荷状態で運転され続けることが回避される。このように、自己システム10において、蓄電装置13が主発電設備12を補完するように動作することで、主発電設備12の負荷を所望の範囲(即ち、設定下限電力以上且つ設定上限電力以下の範囲)へと誘導することができる。
電力供給システムは、連繋インバータ装置20を自己システム10同士の間に備える。具体的には、連繋インバータ装置20は、複数個の自己システム10が電気的に直列接続されるように、一つの自己システム10Aが有する蓄電装置13と他の一つの自己システム10Bが有する交流線11とを接続する。連繋インバータ装置20はその動作を制御する制御手段(図示せず)を有している。各連繋インバータ装置20は、それぞれの自己システム10において蓄電装置13の蓄電残量に応じて決定されている目標周波数に基づいて、蓄電装置13の蓄電残量が相対的に大きい自己システム10から、蓄電装置13の蓄電残量が相対的に小さい自己システム10へと電力を融通する電力融通制御を行う。
例えば、上記数式1及び数式2で規定される蓄電装置13の蓄電残量(SOC)と目標周波数との間の関係が、蓄電装置13の蓄電残量が大きくなるにつれて目標周波数を高くするようなものである場合、2つの自己システム10での交流線11において、電力の周波数が高いほどその自己システム10の蓄電装置13の蓄電残量が大きいことを表している。この場合、連繋インバータ装置20は、自己システム10Aの交流線11での電力の周波数(図1中で「fA」と記す)と自己システム10Bの交流線11での電力の周波数(図1中で「fB」と記す)とを検出して比較し、周波数の高い方(即ち、蓄電装置13の蓄電残量の大きい方)の自己システム10から周波数の低い方(即ち、蓄電装置13の蓄電残量の小さい方)の自己システム10へ電力を供給する。このとき、各自己システム10A,10Bの交流線11での電力の実際の周波数fA,fBは、各自己システム10A,10Bで決定される上記目標周波数と同じである。従って、連繋インバータ装置20は、各自己システム10A,10Bの交流線11での電力の周波数を実際に検出してもよいし、或いは、各自己システム10A,10Bの主発電設備12から目標周波数についての情報を取得してもよい。
以上のように、各自己システム10において、交流線11の電圧を維持する役割を主発電設備12に担わせることで、交流線11に接続されている電力需要者Dに対して電力を安定して供給することができる。更に、上述した発電機などを備える主発電設備12は、従来の電力供給システムにおいて提案されている大容量の蓄電装置などと比べて低価格であるので、電力供給システムの低価格化を実現できる。加えて、各自己システム10において、主発電設備12は、交流線11の電力の周波数を蓄電装置13の蓄電残量に応じて決定される目標周波数にする役割を担う。つまり、交流線11の電力の周波数に対して、蓄電装置13の蓄電残量に関する情報を持たせることができる。その結果、蓄電装置13の蓄電残量に関する情報を他の装置に伝達するための制御線を設けなくても、交流線11での電力の周波数の値を得るだけでその蓄電装置13の蓄電残量を知ることができる。そして、連繋インバータ装置20は、各交流線11の周波数の値を得ることができれば、蓄電装置13の蓄電残量が相対的に大きい自己システム10から、蓄電装置13の蓄電残量が相対的に小さい自己システム10へ電力を融通して、各自己システム10の間での蓄電装置13の蓄電残量の均等化を図ることができる。更に、連繋インバータ装置20を介して自己システム10を逐次増設することができるので、結果として拡張性の高い電力供給システムを提供できる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、電力供給システムに設けられる主発電設備12及び連繋インバータ装置20及び蓄電装置13のインバータ部13bなどの動作の制御を行う制御装置を設けてもよい。この場合、制御装置は、情報の入出力機能及び記憶機能及び演算処理機能などを有する装置である。例えば、制御装置は、主発電設備12や連繋インバータ装置20や蓄電装置13のインバータ部13bの夫々が有する制御手段(図示せず)とは別に設けられ、それらの制御手段と情報通信可能に構成される装置によって実現することができる。或いは、制御装置の機能は、主発電設備12や連繋インバータ装置20や蓄電装置13のインバータ部13bの夫々が有する制御手段(図示せず)の何れか一つによって実現することもできる。
<1>
上記実施形態において、電力供給システムに設けられる主発電設備12及び連繋インバータ装置20及び蓄電装置13のインバータ部13bなどの動作の制御を行う制御装置を設けてもよい。この場合、制御装置は、情報の入出力機能及び記憶機能及び演算処理機能などを有する装置である。例えば、制御装置は、主発電設備12や連繋インバータ装置20や蓄電装置13のインバータ部13bの夫々が有する制御手段(図示せず)とは別に設けられ、それらの制御手段と情報通信可能に構成される装置によって実現することができる。或いは、制御装置の機能は、主発電設備12や連繋インバータ装置20や蓄電装置13のインバータ部13bの夫々が有する制御手段(図示せず)の何れか一つによって実現することもできる。
<2>
周波数変動分:Δfを導出するための関係式は、数式2に示したものに限定されない。数式2では、周波数変動分:Δfが〔SOC〕の一次関数である場合を例示したが、例えば、周波数変動分:Δfが〔SOC〕の二次関数などで決定されてもよい。
周波数変動分:Δfを導出するための関係式は、数式2に示したものに限定されない。数式2では、周波数変動分:Δfが〔SOC〕の一次関数である場合を例示したが、例えば、周波数変動分:Δfが〔SOC〕の二次関数などで決定されてもよい。
本発明は、システムの良好な拡張性及び低価格化を実現可能な電力供給システムに利用できる。
10 自己システム
11 交流線
12 主発電設備
13 蓄電装置
14 電力消費装置
15 発電装置
20 連繋インバータ装置
D 電力需要者
P1 第1接続箇所
P2 第2接続箇所
P3 第3接続箇所
X 電力監視部位
11 交流線
12 主発電設備
13 蓄電装置
14 電力消費装置
15 発電装置
20 連繋インバータ装置
D 電力需要者
P1 第1接続箇所
P2 第2接続箇所
P3 第3接続箇所
X 電力監視部位
Claims (4)
- 交流線に対して第1接続箇所で接続される主発電設備と、前記交流線に対して第2接続箇所で接続され、前記交流線からの電力の充電及び前記交流線への電力の放電を行う蓄電装置とを有し、前記第1接続箇所から見て前記第2接続箇所よりも遠い下流側の前記交流線に複数の電力需要者が接続されている自己システムを複数個備え、
前記主発電設備は、前記交流線での電力の電圧が目標電圧となるように及び前記交流線での電力の周波数が前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定される目標周波数となるように前記交流線への供給電力を制御し、
複数個の前記自己システムが電気的に直列接続されるように、一つの前記自己システムが有する前記蓄電装置と他の一つの前記自己システムが有する前記交流線とを接続する連繋インバータ装置を前記自己システム同士の間に備え、
一つの前記連繋インバータ装置を介して電気的に直接接続されている二つの前記自己システムに関して、前記一つの連繋インバータ装置は、それぞれの前記蓄電装置の蓄電残量に応じて決定されている前記目標周波数に基づいて、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に大きい自己システムから、前記蓄電装置の蓄電残量が相対的に小さい自己システムへと電力を融通する電力供給システム。 - 前記蓄電装置は、それぞれ前記主発電設備から前記交流線に出力される電力が設定下限電力未満のときに充電作動し、前記主発電設備から前記交流線に出力される電力が前記設定下限電力より大きい設定上限電力を超えるときに放電作動する請求項1に記載の電力供給システム。
- 複数個の前記自己システムの夫々において、前記主発電設備は、前記蓄電装置の蓄電残量の関数で決定する周波数変動分を前記交流線の基準周波数に対して加算して前記目標周波数を導出する請求項1又は2に記載の電力供給システム。
- 前記目標周波数を導出するための、前記蓄電残量と前記周波数変動分との間の関係式は複数個の前記自己システムの夫々で各別に設定されている請求項3に記載の電力供給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143641A JP2015019451A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | 電力供給システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013143641A JP2015019451A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | 電力供給システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015019451A true JP2015019451A (ja) | 2015-01-29 |
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ID=52439964
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JP2013143641A Pending JP2015019451A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | 電力供給システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015019451A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017118632A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社東芝 | 発電設備 |
-
2013
- 2013-07-09 JP JP2013143641A patent/JP2015019451A/ja active Pending
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JP2017118632A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社東芝 | 発電設備 |
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