JP2014054072A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力需要ピークカット用途に用いることができ、柔軟な容量の変更を容易かつ安価に実現できる蓄電装置の提供。
【解決手段】直流母線に並列接続されるn個(但し、nは2以上の整数)の蓄電池と、直流母線および交流母線に接続される双方向インバータと、双方向インバータの出力を制御する制御装置とを備えた蓄電装置であって、n個の蓄電池の電圧特性がいずれも実質的に同一であること、n個の蓄電池が、いずれも双方向DC−DCコンバータを介さずに直流母線に接続されることを特徴とする蓄電装置。前記n個の蓄電池には、他の蓄電池と同仕様の旧品が含まれる場合がある。
【選択図】図10

Description

本発明は、複数の蓄電池が双方向DC−DCコンバータを介さずに直流母線に並列接続される蓄電装置に関する。
東日本大震災以降、蓄電池から一定時間電力を供給することができる蓄電装置の活用が期待されている。高圧・特別高圧連系用の蓄電装置として、図1に示すように、蓄電池、双方向インバータおよびそれらの制御装置から構成されるものが知られている。ここでは蓄電池は、双方向インバータを介して交流低圧三相母線に接続されている。制御装置は、専用に設置された電力センサで計測された需要電力量に基づき、電力需要ピークカットなどの目的に応じた充放電電力(kW)目標値を計算し、双方向インバータ出力を制御する。また、電池の充電状態(State of Charge、以下SOCという)に応じて充放電電力を制限するとともに、蓄電装置設置箇所が需要家である場合は、電流センサで電力系統への送電を監視して蓄電装置から電力系統に送電しないよう双方向インバータの出力を調整する。
蓄電装置容量に関しては、装置新設時に決定した装置容量(kW,kWh)に応じた蓄電池、双方向インバータを専用仕様で製作することから、使用途中で容量変更をするためには特別な仕組みが必要である。現状では蓄電装置を増設する場合に、図2のごとく別個の装置(蓄電池、双方向インバータ)を交流母線で並列接続すること、或いは図3のごとく双方向DC−DCコンバータを使って直流母線で接続することが行われている。
容量が小さい蓄電装置を備える自立電源系統において、再生可能エネルギー由来の発電機等を設けると、電源品質の維持が難しいという課題がある。そこで、特許文献1では、二次電池と電力変換機からなる蓄電設備に、電力調整装置を設けて、この電力調整装置により、有効電力と無効電力を制御することにより、簡便で、応答速度の速い制御を実現して、電源系統の電圧と周波数を所定の値に調整することにより、自立電源系統の安定性と品質の維持を図る自立電源系統調整装置が提案されている。
今後、再生可能エネルギー由来の発電電力量は増加し、平準化対策を発電側で分担し、相対取引をすることが考えられる。そこで、出願人は、特許文献2において、再生可能エネルギー発電装置と、再生可能エネルギー由来の電力を蓄電する蓄電装置と、再生可能エネルギー発電装置からの出力電力を所定電圧に変換する発電装置用DC−DCコンバータと、蓄電装置および発電装置用DC−DCコンバータが接続される直流母線と、蓄電装置からの直流電力を電力系統と連系可能な交流電力に逆変換し負荷および電力系統に供給するインバータを有する系統連系装置と、発電量の予想データを受信可能な制御装置と、を備え、前記制御装置が、発電量の予想データおよび消費電力予想に基づき充電残量の目標値を設定し、充電残量の目標値と実績値に基づき系統連系装置の出力を一定時間単位で変化させる制御を行う再生可能エネルギーの蓄電システムを提案した。
特開2012−130146号公報 特開2012−75224号公報
蓄電装置としては、既にNAS電池が販売されているが、非常に大容量(例えば、2000kW,12000kWh)かつ大規模で、蓄電装置容量の変更も難しい。ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池を使った中小規模の蓄電装置も実用化されているが、これらの蓄電装置も、設置後の容量変更は原則としてできない。このような現状から、電力需要の形態に応じた適切な容量(kW,kWh)の設定や柔軟な容量の変更を容易かつ安価に実現できる蓄電装置が望まれていた。蓄電装置のkWh容量を調整するためには、蓄電池を母線と直接並列接続できれば非常に便利であるが、後述する《1》ないし《4》の課題が存在する。
図2のように、別個の装置(双方向インバータ、蓄電池)を交流母線に並列接続することが考えられる。しかし、この場合、一方の蓄電池が先に空になり本来のkW容量を確保できなくなることを避けるために、それぞれの蓄電装置のkW容量/kWh容量比を同じにする必要がある。また、同様の理由により、運転中の出力(kW)も、原則としてkWh容量比と同じにする必要がある。出力パターンを予想できない電力需要ピークカット用途では、基本的にkWh容量比で運転しなくてはならなかった。
このことは、蓄電池を増設する際に、増設する蓄電池は最初に入れた蓄電池のkW容量およびkWh容量の比と同じにする必要があることを意味する。この原則で決まる蓄電装置容量は必ずしも要求量にマッチングせず、要求を満たすためにはkW,kWh容量のどちらかが過剰になる場合がある。例えば、kWh容量だけを増やしたい時はkW容量が超過になり、さらに蓄電装置の出力(kW)をkWh容量比にすると、常にインバータが低負荷運転となり変換効率が低くなることがある。このように、電力需要に応じて蓄電装置容量を変更する際に、蓄電池の部分取替では無駄が多くなり、さりとて一式変更も多大なコストが生じるため、蓄電装置容量の変更を容易かつ安価に行うことは難しかった。
図3のように、双方向DC−DCコンバータを使って蓄電池を直流母線に接続する手法がスマートハウスの実験等で行われており、この手法を使えば蓄電池特性が異なっていても問題なく並列接続が行え、蓄電装置のkW、kWh容量の制約はなくなり容量を自由に選べるようになる。しかし、本来直流母線の電圧安定に寄与している蓄電池を双方向DC−DCコンバータで切り離してしまうため、直流母線の電圧が不安定になり電圧制御が極めて困難になるという課題、また双方向DC−DCコンバータの費用がかさむという課題がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決し、柔軟な容量の変更を容易かつ安価に実現できる蓄電装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、直流母線に並列接続されるn個(但し、nは2以上の整数)の蓄電池と、直流母線および交流母線に接続される双方向インバータと、双方向インバータの出力を制御する制御装置とを備えた蓄電装置であって、n個の蓄電池の電圧特性がいずれも実質的に同一であること、n個の蓄電池が、いずれも双方向DC−DCコンバータを介さずに直流母線に接続されることを特徴とする蓄電装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記n個の蓄電池に、他の蓄電池と同仕様の旧品が含まれることを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、さらに、並列に接続された2個のスイッチを有し、充電時は充電方向のみの電流を通過させ、放電時は放電方向のみの電流を通過させる横流防止装置を備え、前記n個の蓄電池が、それぞれ横流防止装置を介して直流母線に接続されることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記n個の蓄電池の内部抵抗値がいずれも実質的に同一であることを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明において、前記n個の蓄電池に内部抵抗値が実質的に同一でない蓄電池が含まれ、下記式1により算出される前記n個の蓄電池のそれぞれの最大充放電電流レートが、当該電池の許容充放電レートを下回ることを特徴とする。
[式1]
蓄電池iの最大充放電電流レート(1/h)=蓄電装置最大充放電電流レート×蓄電装置kWh容量×(G(i)×kWh(i)/全ての蓄電池のG(i)×kWh(i)の合計)/kWh(i)
ただし、
蓄電装置を構成する並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)
蓄電装置kWh容量=蓄電池Ah容量×蓄電池平均電圧(kV)
蓄電装置最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
蓄電池iの容量(公称ではなく実力値) kWh(i) (kWh)
蓄電池iの単位容量あたり内部抵抗値の逆数(コンダクタンス) G(i)(S/kWh)
第6の発明は、第5の発明において、前記n個の蓄電池の有効容量が、下記式2により算出されることを特徴とする。
[式2]
蓄電池iの有効容量(kWh)=kWh(i)×(100−蓄電装置最大充放電電流レート×(1/G(i)−1/Gmax)/(Eb×Rv))/100
ただし、
蓄電装置を構成する並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)
蓄電装置最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
組み合わせる蓄電池で単位容量あたりコンダクタンスの最大値 Gmax (S/kWh)
蓄電池iの容量(公称ではなく実力値) kWh(i)
蓄電池iの単位容量あたりコンダクタンス G(i) (S/kWh)
蓄電池の電圧特性のSOCに対する電圧変化率 Rv (V/SOC%)
蓄電池平均電圧 Eb (kV)
なお、各蓄電池の電圧特性は同じであるので、各蓄電池のRv(i)、Eb(i)の値は同一のRv、Evである。
第7の発明は、第5または6の発明において、前記制御装置が、他の蓄電池に先立ち充電が完了した蓄電池を横流防止装置のスイッチにより順次切り離すことを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、さらに、双方向DC−DCコンバータを介して直流母線に並列接続される発電機を備えることを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記発電機が、燃料電池または再生可能エネルギー由来の発電機であることを特徴とする。
本発明によれば、電力需要ピークカット用途に用いることができ、柔軟な容量の変更を容易かつ安価に実現できる蓄電装置を提供することが可能となる。
また、発電機を直流で並列接続することを特徴とする本発明では、蓄電装置に直流で発電装置を並列接続することが可能となる。
従来の蓄電装置の構成図である。 従来の交流母線に蓄電池を並列接続する場合の構成例である。 従来の直流母線に蓄電池を並列接続する場合の構成例である。 シミュレーションに用いる回路構成と前提条件を示すグラフである。 蓄電池1および蓄電池2の蓄電池電圧特性を示すグラフである。 2個の蓄電池を並列接続した際の充電電流の挙動を示すグラフである。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。 2個の蓄電池を並列接続した際の放電電流の挙動を示すグラフである。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。 2個の蓄電池を並列接続した際の充電を途中で中止した際の挙動を示すグラフである。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。 蓄電池1において、三角状に徐々に放電が大きくなり徐々に放電が小さくなる場合の挙動のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施形態例に係る蓄電装置の構成図である。 本発明の横流防止装置の構成図である。 条件を満たさない蓄電池をDC−DCコンバーを使って並列接続した蓄電装置の構成図である。 新品蓄電池と旧品蓄電池を並列接続する場合において、充放電電流アンバランスによる旧品の許容される内部抵抗値倍数最大値を示すグラフである。 内部抵抗値の大きさによる有効容量減少率を示すグラフである。 実施例3に係る蓄電装置の構成図である。 実施例3に係る蓄電装置に発電機を付加した改良例の構成図である。 従来の発電機が付加された蓄電装置の構成図である。
蓄電装置の構築にあたっては、蓄電池の価格が高く、蓄電装置コストのかなりの部分を蓄電池が占めるのが実情である。そのため、大きな蓄電池容量を必要とする電力量(kWh)調整は当面経済的に見合わず、比較的小さい蓄電池容量で対応できる電力(kW)調整が実用的であると考えられる。
電力需要ピークカットは、各電力需要家、特に高圧・特別高圧受電対象の中大規模需要家にとって、電気基本料金の面で重要である。コントロールされない自然体での電力消費は、大きなピーク需要の発生による契約電力の増加を招き、ひいては電気基本料金が不必要に高額とするからである。このため、従来、独自に電力計測装置を設置して、契約電力を超えそうな場合に工場の稼働率を下げるなどの電力消費抑制をすることにより、電力需要ピークカット対策を行うことが少なくなかった。しかし、電力需要ピークカットのための電力消費抑制は生産性低下などのデメリットがある。電力消費抑制に取って代わる蓄電装置による電力需要ピークカットで、蓄電装置費用も含むトータルの電気代を低減させることが求められていた。
電気事業者にとっても電力需要ピークカットは有益である。各電力需要家で電力需要ピークカットが実施されれば、その合計である全体の電力需要もピークカットされ、運転が必要な発電・輸送設備の減少につながるからである。また、深夜等電力需要が低い時間帯に蓄電装置の充電が行われる場合には、その時間帯の電力需要が増える結果となり、発電・輸送設備の利用率が向上する。このため、電力需要家だけではなく、電気事業者にも需要ピークカットができる蓄電装置が求められていた。
蓄電装置を使って電力需要家の電力需要ピークカットためには、いずれの用途においても、各設置箇所の利用形態に応じた適切な蓄電装置の容量を設定できることが必要である。また、設置箇所の蓄電装置利用形態の変更にあわせて、蓄電装置容量を柔軟に変更できることが望ましい。
蓄電装置のkWh容量を柔軟に調整するために、複数の蓄電池を母線に直接並列接続することが考えられる。しかしながら、複数の蓄電池を母線に直接並列接続することは、全ての蓄電池が新品同仕様品である場合以外は、困難であるとされている。すなわち、複数の蓄電池を母線に直接並列接続することには、次の課題が存在する。
《1》蓄電池電圧特性差による蓄電池間電流および充放電電流アンバランスの発生
蓄電池電圧特性(SOC−開放電圧特性)が一致していないと、蓄電池開放電圧が一致するまで蓄電池間電流(横流)や充放電電流のアンバランスが生じ、場合によっては非常に大きな電流が流れ、蓄電池の過熱・爆発炎上の可能性がある。また、蓄電池の充電量が安定せず、有効利用できる容量が限られる。
《2》内部抵抗値の違いによる充放電電流アンバランスの発生
単位容量あたりの内部抵抗値が異なる蓄電池を並列接続すると、内部抵抗値が同じであれば容量比で分担する電流に、単位容量あたり内部抵抗値の逆数(コンダクタンス)比をかけた電流を分担する。この電流の偏りは、偏った電流が流れることで生じる充電量差による蓄電池開放電圧の差により、徐々に本来の容量比で分担する電流に収束する。しかし、内部抵抗値の小さい蓄電池に過大な電流が流れ、場合によっては蓄電池の過熱・爆発炎上の可能性がある。
《3》内部抵抗値の違いによる充電量差の発生
充放電電流がアンバランスになることで、単位容量あたりの内部抵抗値が大きい蓄電池の充放電が遅くなり、他の蓄電池と協調して利用できる容量が少なくなる。すなわち、単位容量あたり内部抵抗値が小さい蓄電池ほど先に充放電することから、単位容量あたり内部抵抗値の大きい蓄電池は、並列接続時に同時に充放電できるkWh容量(有効容量)が小さくなる。
《4》充放電電流の変化に伴う蓄電池電圧差による蓄電池間電流の発生
充放電電流が変化した際に内部抵抗によって生じる電圧が変化して平衡が崩れ、蓄電池間に電圧差が生じ、新たな電流値で平衡に達するまで蓄電池間電流(横流)が生じ、蓄電池の過熱等の恐れがある。
上記の課題の状況を図4〜図9を参照しながら具体的に説明する。
図4に、シミュレーションに用いる回路構成と前提条件を示す。但し、以下では2個の蓄電池でシミュレーションを行う。特定の蓄電池挙動に注目する場合は、他の蓄電池を1つの蓄電池に集約できるので2個並列接続で検討すれば十分であるからである。また、容量の異なる蓄電池の接続でも充放電電流を充放電レートに換算すれば容量に関係なく評価できる。
図5に、蓄電池1および蓄電池2の蓄電池電圧特性(リチウムイオン電池実測特性に準じる)を示す。
図6に、2個の蓄電池(蓄電池電圧特性は同じで、一方の単位容量あたり内部抵抗値が他方の4倍)を並列接続した際の充電電流の挙動を示す。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。
図7に、2個の蓄電池(蓄電池電圧特性は同じで、一方の単位容量あたり内部抵抗値が他方の4倍)を並列接続した際の放電電流の挙動を示す。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。
図8に、2個の蓄電池(蓄電池電圧特性は同じで、一方の単位容量あたり内部抵抗値が他方の4倍)を並列接続した際の充電を途中で中止した際の挙動を示す。(a)は、図5の蓄電池1であり、(b)は、図5の蓄電池2である。
図9に、蓄電池1において、三角状に徐々に放電が大きくなり徐々に放電が小さくなる場合の挙動のシミュレーション結果を示す。
これらのシミュレーション結果から、次のことが分かる。
図6から、充電開始時は、内部抵抗値の逆数に比例した充電電流分担となり、内部抵抗値が小さい方が先に充電されるため、徐々に本来の容量比で分担する電流に収束することが確認できる。SOCは最初に差を生じるが差は一定値に収束する。蓄電池電圧特性のSOCに対する電圧変化率が小さい場合は、電流やSOC差が収束するのに時間がかかり、またSOC差が大きくなっている。なお、蓄電池の充電は通常「定電流−定電圧方式」が使用され、内部抵抗値の大きな電池でも同じ電圧まで充電されるため、充電時間は長くなるものの充電に支障は生じない。
図7から、放電開始時は、充電時と同様、内部抵抗値の逆数に比例した放電電流分担となり、内部抵抗値が小さい方が先に放電され蓄電池電圧が低下するため、徐々に本来の容量比で分担する電流に収束することが確認できる。SOC差は最初は大きくなるが一定値に収束し、内部抵抗値の小さい蓄電池が放電終了しても、内部抵抗値の大きな蓄電池はこのSOCの差分が残っており、同時に使える容量が減っていることになる。すなわち、内部抵抗値の大きな蓄電池は実質使える容量がこのSOC差分小さくなっているといえる。充電時と同様、蓄電池電圧特性のSOCに対する電圧変化率が小さい場合は、電流やSOC差が収束するのに時間がかかり、またSOC差が大きくなっている。
図8から、蓄電量の差から生じる蓄電池電圧差により内部抵抗値の小さい蓄電池から内部抵抗値の大きい蓄電池に比較的大きな電池間電流(横流)が発生することが確認できる。SOC差は解消するものの長時間負荷とは関係ない電流が流れてその分損失を生じる。同様に、蓄電池電圧特性のSOCに対する電圧変化率が小さい場合は、電流やSOC差が収束するのに時間がかかっている。横流による損失増加は図8(a)で約5%、図8(b)で約8%(いずれも相対値)であり、無視できない大きさである。
図9から、蓄電量の差は徐々に大きくなるが放電電流が小さくなると差は小さくなることが確認できる。ただし、放電電流がなくなっても横流は残っている。このように放電電流が徐々に変化する場合は一気に変化する場合に比べて蓄電量の差や横流の大きさは小さくなることから、蓄電量の差や横流の大きさは、最大充放電電流継続および遮断の際の値が最大となる。
上記の課題を解決することができる本発明の蓄電装置を、好ましい実施形態例により説明する。
(1)蓄電装置の構成
本発明の一実施形態に係る蓄電装置の構成を図10に示す。本実施形態の蓄電装置1は、蓄電池2、双方向インバータ3、制御装置4および横流防止装置5を主要な構成要素とする。以下では、需要家が、政府方針で整備されるいわゆるスマートメータを備えていることを前提とする。
蓄電池2および双方向インバータ3は、それぞれ直流母線10を介して直接並列接続され、双方向インバータ3の交流側は低圧三相交流母線20に接続される。
蓄電池2は、例えば、数十〜数百kWhオーダーの容量の蓄電池である。これは、現状として個別の蓄電池容量は数十kWh〜数百kWh程度であるからであるが、本発明は特に蓄電池容量に制約を受けるのもではない。蓄電池2は、導入当初から複数台としてもよいし、導入当初は1台とし後日複数台に増設してもよい。複数台とするときは、蓄電池電圧特性を実質同一にすることが必要である。
双方向インバータ3は、台数制御を行い、低出力運転時の変換効率向上を図る。また、電池の充電状況に応じて充放電電力を制限するとともに、需要家であれば電流センサ6で電力系統への送電を監視して蓄電装置から電力系統に送電しないよう双方向インバータ出力を調整する。
制御装置4は、計測された電力量に基づき、電力需要ピークカットや太陽光など再生可能エネルギー発電量調整などの目的に応じた充放電電力(kW)目標値を計算し、双方向インバータ3の出力を制御する。消費有効電力および無効電力の計測に関しては、スマートメータの計測データを利用できることから、別途計測器を設置する必要はない。また、スマートメータで測定された30分デマンド値や力率値が電気基本料金に直接反映されることから、同一計量器で計測された電力データを蓄電装置の制御に使用することで電力センサ器差による制御ずれを防止できる。また、制御装置4は、蓄電池2の充電状態(SOC)を監視し、過放電を防止するため、SOCが規定値より低くなれば双方向インバータの直流→交流方向出力値を制限する。
横流防止装置5は、図11に示すように、2個のスイッチ51a,51bおよび2個のダイオード52a,52bから構成され、充電時は充電方向のみの電流を通過させ、放電時は放電方向のみの電流を通過させる。横流防止装置5を構成するスイッチとして、IGBT等半導体スイッチを使用することもでき、この場合にはダイオードは省略できる。
横流防止装置5は、制御装置4によりスイッチ51を開放することで、蓄電池に異常が発生した際の切り離しにも使用できる。また、内部抵抗値の異なる蓄電池間では充放電終了タイミングがずれるところ、制御装置4で充放電が終了した蓄電池を横流防止装置のスイッチ51を開放して切り離すようにしてもよい。
横流防止装置5は必須の構成ではなく、省略することもできる。横流発生時は流れる各蓄電池の内部抵抗が直列になり、《2》の充放電電流アンバランスに起因する電流値より小さくなることから、充放電アンバランスによる電流値が制限値を超えなければ横流が制限値を超えることはないからである。したがって、蓄電池の単位容量あたり内部抵抗値の差が小さい場合は横流防止装置を省略してもよい。
以上に説明した本実施形態の蓄電装置1は、蓄電池2および双方向インバータ3を、双方向DC−DCコンバータを介さずに直流母線を介して直接並列接続することで、蓄電池2や双方向インバータ3の単機容量を数種類組み合わせてkWおよびkWhの必要容量を実現することが可能である。また、他の用途で使って取り外した蓄電池や双方向インバータをプールしての使い回しが可能となり、機材の有効活用や機材費の削減が図れると共に、後日の必要に応じた容量変更の自由度が飛躍的に高まる。さらに、蓄電池、双方向インバータの単機容量を限定することにより量産化によるコスト削減も可能となる。
(2)蓄電池並列接続の課題と解決手段
先に述べた蓄電池並列接続における4点の課題への対策は、下記のとおりである。
《1》蓄電池電圧特性差による蓄電池間電流および充放電電流アンバランスへの対策
蓄電池電圧特性(SOC−開放電圧特性)が実質同一であっても、単位容量あたりの内部抵抗が異なると蓄電池間電流や充放電アンバランスを生じる。しかし、蓄電池電圧特性(SOC−開放電圧特性)が一致していないと、蓄電池開放電圧が一致するまで蓄電池間電流や充放電電流のアンバランスが生じ蓄電池の安定した充放電が行えないことから、使用する蓄電池の電圧特性の実質同一性は確実に守る。各蓄電池の電圧特性を実質同一とするためには、同仕様品の蓄電池を用いればよい。蓄電池電圧特性は電極材料の電気化学特性に依存し、電池の経年で変化しないため、同仕様蓄電池の新品と旧品はこの条件を満たす。
《2》内部抵抗値の違いによる充放電電流アンバランスへの対策
蓄電池内部抵抗値の差による充放電電流のアンバランスは、多く流れる蓄電池の電流がその蓄電池の許容値内に収まれば、抵抗損はやや増えるものの実用上問題ない。したがって、並列接続する蓄電池の内部抵抗値が、その蓄電池の許容値内に収まるような蓄電池の組合せを選択する。すなわち、並列接続する蓄電池の最大充放電電流レート値(電流A/蓄電池容量Ah)が、その蓄電池の充放電電流レート値の許容値(通常は2〜3程度)以下に収まるような蓄電池の組合せを選択する。なお、蓄電池充放電電流の合計値は、蓄電装置kW容量(双方向インバータ容量)以上にはならないため、蓄電装置kW容量を想定すれば十分である。
また、各電池の充放電電流アンバランスが最大になるのは、蓄電池開放電圧に差がない時(SOCが同じ時)であり、充放電電流アンバランスにより蓄電池間のSOCに差が生じ、やがて充放電電流はバランスする。
蓄電装置を構成する並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)の最大充放電電流レートは、下記の式Aで求められる。全ての蓄電池の最大充放電電流レートが、各蓄電池の充放電電流レート許容値以下になる蓄電池を組み合わせる。
[式A]
蓄電池iの最大充放電電流レート(1/h)=蓄電装置最大充放電電流レート×蓄電装置kWh容量×(G(i)×kWh(i)/全ての蓄電池のG(i)×kWh(i)の合計)/kWh(i)
ただし、
蓄電装置(蓄電池)kWh容量=蓄電池Ah容量×蓄電池平均電圧 (kV)
蓄電装置の最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
各蓄電池(蓄電池i)の容量(公称ではなく実力値) kWh(i)
各蓄電池(蓄電池i)の単位容量あたり内部抵抗値の逆数(コンダクタンス) G(i)(S/kWh)
現実的な対応として、並列蓄電池間の内部抵抗値差が大きい場合は、必要な蓄電装置kWh容量から決まる蓄電池並列数より多い数の蓄電池を並列接続すると、内部抵抗値の低い蓄電池の分担電流を小さくできる。これは式Aでは、当該蓄電池コンダクタンスの全蓄電池コンダクタンス合計に対する比が小さくなり、当該電池の充放電電流レートが小さくなることで説明できる。
《3》内部抵抗値の違いによる充電量差の発生への対策
単位容量あたり内部抵抗値の大きい蓄電池は、並列接続時に同時に充放電できるkWh容量(有効容量)が小さくなるため、予め容量減を見込んで必要kWh容量を満たすよう大きめの容量の蓄電池を用意するようにする。並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)の有効容量は下記の式Bで求められ、蓄電装置kWh容量は有効容量の総和とする。なお、各蓄電池の電圧特性は、《1》により実質同一とするので、各蓄電池のRv、Ebは同一であるとしてよい。
[式B]
蓄電池iの有効容量(kWh)=kWh(i)×(100−蓄電装置最大充放電電流レート×(1/G(i)−1/Gmax)/(Eb×Rv))/100
ただし、
蓄電装置最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
組み合わせる蓄電池で単位容量あたりコンダクタンスの最大値 Gmax (S/kWh)
各蓄電池(蓄電池i)の容量(公称ではなく実力値) kWh(i)
各蓄電池(蓄電池i)の単位容量あたりコンダクタンス G(i) (S/kWh)
蓄電池の電圧特性のSOCに対する電圧変化率 Rv (V/SOC%)
蓄電池平均電圧 Eb (kV)
《4》充放電電流の変化に伴う蓄電池電圧差による蓄電池間電流への対策
蓄電池間電流(横流)は、横流防止装置5を設けることで完全に防止できる。横流防止装置5は、スイッチの開閉およびダイオードにより、充電時は充電方向のみ、放電時は放電方向のみの電流しか通過させないところ、充放電電流と逆方向の電流の発生である横流は生じないからである。
なお、横流防止装置5を使用すれば《1》蓄電池電圧特性差による横流も防止できることから電圧特性差のある蓄電池を並列接続できると思われるかもしれないが、横流を防止しても蓄電池電圧差による充放電電流のアンバランスは解消しないため、電圧特性差のある蓄電池の並列はできない。横流防止装置5で充放電電流と逆方向電流は防止できるが、同方向電流のアンバランスは防止できないからである。
(3)双方向インバータ並列接続の課題と解決手段
双方向インバータ3は、電力系統に接続された交流母線に接続されることから、インバータは出力電流制御となりインバータ同士の相互干渉はなくそれぞれ安定的に運転可能である。ただし、瞬時電圧低下など電力系統側に異常があった場合、双方向インバータ3の特性が異なると特定のインバータのみ停止することにつながるため、それぞれのインバータの制御特性は同一にすることが望ましい。
また、制御装置4でインバータ出力を出力指令値に直接フィードバックするとそれぞれのインバータの応答速度が異なる場合、インバータ出力がハンチングする恐れがある。したがって、制御装置4からのインバータに対する出力制御は単純な出力指令値渡しとし、出力のフィードバックは連系点電力測定値(需要家の場合はスマートメータ測定値)とすることが望ましい。
(4)並列条件を満たせない蓄電池の並列接続方法
運用上は上記並列接続条件を満たすことができない蓄電池を並列接続する必要もでてくる。その際の並列接続の方法は、図12のごとく1台以上の蓄電池(2a,2b)を直流母線に直接接続しつつ、条件を満たさない蓄電池(2c)は双方向DC−DCコンバータ7を介し直流母線に接続する。直流母線に蓄電池を直接接続することで直流母線電圧が安定し、双方向インバータ3や双方向DC−DCコンバータ7の運転が安定し制御性が非常に向上する。また、双方向DC−DCコンバータ7の台数を減らすために、直流母線に直接並列接続する蓄電池を増やせるよう蓄電池の組合せを工夫することが好ましい。双方向DC−DCコンバータ7を介して直流母線に接続する蓄電池の有効容量は、実容量から双方向DC−DCコンバータの変換損失を差し引いたものとし、双方向DC−DCコンバータ7の出力は、全体の出力に当該蓄電池の有効容量の全蓄電池有効量合計に対する割合をかけあわせたものとすれば良い。
以下では、本発明の詳細を実施例により検討するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
実施例1では、図10の蓄電装置を新品と旧品の蓄電池を組み合わせて構築できるかを検討する。上述のとおり、蓄電池の電圧特性は全て同じとすることが必要であることから、同仕様の新品と旧品の蓄電池を組み合わせて蓄電装置を構築し、実運用を満足する単位容量あたり内部抵抗値の条件を探求する。
実施例1では、現実の運用を想定し、旧品蓄電池は寿命に達したものを用いた。ここで、一般に、蓄電池容量が新品時から20%減少した時点が寿命とされる。実測結果から、蓄電池の新品と旧品の単位容量あたり内部抵抗値の比は2〜3であること、内部抵抗値の増加は充放電サイクル数にほぼ比例することが分かった。
蓄電池の種類としては、内部抵抗値が小さくSOCに対する電圧変化率がほぼ一定でかつSOCに対する電圧変化率が比較的大きなものが並列接続に有利であり、リチウムイオン電池が好ましい例としてあげられる。なお、SOCに対する電圧変化率が非常に小さいニッケル水素電池は並列接続に適さないと考えられる。
実施例1に用いた新品のリチウムイオン蓄電池の仕様を表1に示す。
[表1]
図13に、新品蓄電池と旧品蓄電池を並列接続する場合において、充放電電流アンバランスによる旧品の許容される内部抵抗値倍数最大値を示す。図14に、内部抵抗値の大きさによる有効容量減少率を示す。ここでは、旧品蓄電池は、経年変化により容量が新品蓄電池と同じとなり、かつ、内部抵抗値が大きくなったものを用いている。
図13および図14から、充放電電流アンバランスによる内部抵抗値倍数最大値は、充放電電流レートが極端に大きい場合を除きそれほど気にする必要はなく、他方で有効容量の減少の考慮が必要であることがわかる。蓄電装置をピークカット用途に用いる場合、放電電流レートは0.5〜1程度、充電電流レートは0.2〜0.5程度であるところ、充放電電流アンバランスは殆ど気にする必要はないといえる。また、先に述べたとおり新品と寿命に達した蓄電池の内部抵抗値の比は2〜3程度であることから、有効容量の減少率は10〜20%程度である。よって、有効容量の減少さえ考慮すれば、新品蓄電池に旧品蓄電池を混ぜて並列接続して問題なく運用できることがわかる。
以上から、並列接続条件を満たす蓄電池の選定および長期の運用は十分可能であることが確認できた。
実施例2は、無効電力の調整機能を有する蓄電装置に関する。
実施例2の蓄電装置の構成は、図10と同様であるが、双方向インバータ3が三相インバータにより構成されている。この双方向インバータ3は、ベクトル制御により有効電力出力と無効電力出力を独立に制御可能であり、無効電力の調整も行うことができる。
高圧・特別高圧需要家においては、力率改善用にコンデンサを設置するのが標準であるが、需要家が進相運転を行うと系統電圧が上昇するため、進相運転は禁止されている。このため、コンデンサは夜間等需要が低い場合は切り離すとともに、進相運転にならないように小さめのコンデンサ容量を選んでおり、ピーク需要時はコンデンサ容量が不足する。そこで、実施例2では、需要の大きい時間帯に送電運転する蓄電装置の双方向インバータで無効電力を供給することで、ピーク需要時の無効電力不足を補うことを可能とした。
制御装置4は、スマートメータからの無効電力量瞬時値測定値がゼロ近く(進相にはしないこと)になるよう無効電力を供給するよう双方向インバータの無効電力出力を制御する。また、電気事業者が運用する場合は、無効電力調整による電力系統の電圧制御に利用できる。ただし、系統連系条件でインバータの力率は0.8以上に制限されていることから、この範囲での運転となる。
以上に説明した実施例2の蓄電装置によれば、ピーク需要時の無効電力不足を補うことが可能である。
実施例3は、停電対策機能を有する蓄電装置に関する。
実施例3の蓄電装置は、図15に示すように、負荷と電力系統間に、停電検出時に高速で開放する遮断器8を備える。
この蓄電装置では、双方向インバータ3は系統から切り離されると、それまでの電流制御から出力電圧制御に切り替えを行う。双方向インバータ3は電圧制御となることで、交流電圧を安定させ負荷に応じた出力を負担することになる。双方向インバータ3が複数台ある場合は、複数台が同時に電圧制御を行うと相互干渉が起こり制御が不安定になりやすいため、1台をマスター機として電圧制御を行わせ、他はマスター機からの制御信号により電流制御で出力を制御するスレイブ機とする制御方式を採用することが必要である。
もっとも、通常の蓄電装置では停電発生時の充電残量および負荷の大きさにもよるが、せいぜい10分程度の供給が限度であると考えられる。さらに長期の停電に備えるために蓄電池容量を大きくすることも考えられるが、以下では、他の発電機を母線に並列接続する構成例を開示する。
図16は、直流母線に太陽光発電、風力発電、燃料電池などの発電機21をDC−DCコンバータを介してつなぎ込む構成例である。
ところで、一般には、太陽光発電、風力発電、燃料電池などの発電機21a,21bは、図17のごとくインバータを介して交流母線に接続される。しかし、これらのインバータは電流制御方式で発電出力に応じた電流を交流母線に出力するため、交流母線側に電圧が確立していることが必要である。蓄電装置が運転している間は太陽光発電や燃料電池なども運転可能であるが、蓄電池の充電がなくなり蓄電装置が停止してしまうと交流母線電圧が確立しなくなり、太陽光発電や燃料電池などは運転継続ができなくなる。この点、太陽光発電、風力発電、燃料電池などの発電機をDC−DCコンバータを介して直流母線につなげば、蓄電池充電量の制限はあるものの、太陽光発電や燃料電池などで蓄電池を充電することで蓄電装置の連続運転が可能となる。
以上に説明した実施例3の蓄電装置によれば、蓄電装置を電力需要家の停電対策に利用することができる。
本発明の蓄電装置は、各電力需要家の電力需要ピークカット用途の利用に好適である。また、太陽光等の再生可能エネルギー発電の電力調整(平準化)や蓄電した余剰電力を電力需要の高い時間帯に利用することにも好適である。
本発明の蓄電装置は、家庭用途等小型の蓄電装置にも適用可能であるが、特に大口需要家や電気事業者向けの高圧あるいは特別高圧受電での連系に好適である。これは、設置される蓄電装置の容量が大きく、蓄電装置設置による経済効果や電力需給調整効果が確実に見込めるからである。なお、家庭などの低圧連系は蓄電装置の容量が小さく、相対的に蓄電装置価格が高価となること、また多くの家庭の需要ピークが夕刻であり、全体の電力需要形態とずれがあり電力需給調整効果がほとんど見込めないことから、本発明の蓄電装置の意義は相対的に小さなものになると考えられる。
1 蓄電装置
2 蓄電池
3 双方向インバータ
4 制御装置
5 横流防止装置
6 電流センサ
7 DC−DCコンバータ
8 遮断器
21 発電機
51 スイッチ
52 ダイオード

Claims (9)

  1. 直流母線に並列接続されるn個(但し、nは2以上の整数)の蓄電池と、
    直流母線および交流母線に接続される双方向インバータと、
    双方向インバータの出力を制御する制御装置とを備えた蓄電装置であって、
    n個の蓄電池の電圧特性がいずれも実質的に同一であること、
    n個の蓄電池が、いずれも双方向DC−DCコンバータを介さずに直流母線に接続されることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記n個の蓄電池に、他の蓄電池と同仕様の旧品が含まれることを特徴とする請求項1の蓄電装置。
  3. さらに、並列に接続された2個のスイッチを有し、充電時は充電方向のみの電流を通過させ、放電時は放電方向のみの電流を通過させる横流防止装置を備え、
    前記n個の蓄電池が、それぞれ横流防止装置を介して直流母線に接続されることを特徴とする請求項1または2の蓄電装置。
  4. 前記n個の蓄電池の内部抵抗値がいずれも実質的に同一であることを特徴とする請求項3の蓄電装置。
  5. 前記n個の蓄電池に内部抵抗値が実質的に同一でない蓄電池が含まれ、
    下記式1により算出される前記n個の蓄電池のそれぞれの最大充放電電流レートが、当該電池の許容充放電レートを下回ることを特徴とする請求項3の蓄電装置。
    [式1]
    蓄電池iの最大充放電電流レート(1/h)=蓄電装置最大充放電電流レート×蓄電装置kWh容量×(G(i)×kWh(i)/全ての蓄電池のG(i)×kWh(i)の合計)/kWh(i)
    ただし、
    蓄電装置を構成する並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)
    蓄電装置kWh容量=蓄電池Ah容量×蓄電池平均電圧(kV)
    蓄電装置最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
    蓄電池iの容量(公称ではなく実力値) kWh(i) (kWh)
    蓄電池iの単位容量あたり内部抵抗値の逆数(コンダクタンス) G(i)(S/kWh)
  6. 前記n個の蓄電池の有効容量が、下記式2により算出されることを特徴とする請求項5の蓄電装置。
    [式2]
    蓄電池iの有効容量(kWh)=kWh(i)×(100−蓄電装置最大充放電電流レート×(1/G(i)−1/Gmax)/(Eb×Rv))/100
    ただし、
    蓄電装置を構成する並列接続された蓄電池の数をnとして、その中のある蓄電池i(1≦i≦n)
    蓄電装置最大充放電電流レート=蓄電装置kW容量/蓄電装置kWh容量 (1/h)
    組み合わせる蓄電池で単位容量あたりコンダクタンスの最大値 Gmax (S/kWh)
    蓄電池iの容量(公称ではなく実力値) kWh(i)
    蓄電池iの単位容量あたりコンダクタンス G(i) (S/kWh)
    蓄電池の電圧特性のSOCに対する電圧変化率 Rv (V/SOC%)
    蓄電池平均電圧 Eb (kV)
    なお、各蓄電池の電圧特性は同じであるので、各蓄電池のRv(i)、Eb(i)の値は同一のRv、Evである。
  7. 前記制御装置が、他の蓄電池に先立ち充電が完了した蓄電池を横流防止装置のスイッチにより順次切り離すことを特徴とする請求項5または6の蓄電装置。
  8. さらに、双方向DC−DCコンバータを介して直流母線に並列接続される発電機を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの蓄電装置。
  9. 前記発電機が、燃料電池または再生可能エネルギー由来の発電機であることを特徴とする請求項8の蓄電装置。
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