JP2015159626A - インバータおよびインバータの制御方法 - Google Patents

インバータおよびインバータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】交流電圧制御を行う際に、交流電圧の品質を向上することができるインバータ、およびインバータの制御方法を提供する。【解決手段】直流入力電圧を交流出力電圧に変換するインバータ1は、直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子(31,32,33,34)と、これらのスイッチングを制御することにより前記交流出力電圧を制御する制御部10と、を備え、制御部10は、交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正、および、交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行って、交流出力電圧を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータおよびインバータの制御方法に関するものである。より詳細には、本発明は、交流電圧変換を行うスイッチングインバータ、および、このようなインバータの制御方法に関するものである。
従来、入力される直流電力の電圧を交流電力の電圧に変換して出力するインバータが、よく知られている。特に、スイッチング素子のスイッチングによりチョッパ制御を行うインバータは、エネルギーの損失が少ないため、各種の技術分野において広く採用されている。
インバータが行う制御には、電流制御と電圧制御との2つの制御がある。インバータが電力系統に連系している時は、電圧は系統によって決められるため、インバータは電流制御によって電力を調節する。一方、インバータが系統に連系していない自立運転の時は、電圧をインバータが決めることになり、電圧制御になる。また、インバータから出力される電流は、接続される負荷の抵抗に応じて決まる。インバータは、自立運転を行う際、出力電圧を例えば200Vまたは100Vのように一定にする制御を行う。
このように、スイッチングインバータは、自立運転で電圧制御を行う際、変調率を、電圧の出力と入力との比(出力電圧/入力電圧)として、この変調率を変更しながら交流電圧を生成する。ここで、この変調率は、−1から+1までの値となる。PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御の周期に対するオン時間の割合は、(変調率+1)÷2となる。
インバータから出力される交流電圧には、種々の要因によって歪みが生じ得る。このような出力電圧の歪みを低減するために、歪みの性質に応じて対策を講じる技術が各種提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−244188号公報
スイッチングインバータにおいては、短絡防止のため、直列に接続された2つのスイッチング素子が同時に両方ともオフになる時間(デッドタイム)が設けられる。このようなデッドタイムの影響で、上述した変調率が(出力電圧/入力電圧)となるような理想的な関係は成立しなくなる。このため、高調波の電圧の歪率は増大してしまう。また、このようなインバータにおいて、変調率を同一にして電圧制御を行う場合、負荷の消費電力が高くなるにつれて、出力される交流の電圧は低下する。このため、半波整流負荷のように電圧が特定の方向の時にのみ電力を消費するような場合、平均電圧が偏在することにより、電圧に直流分が生じて負荷にダメージを与えるおそれがある。したがって、これらのような、デッドタイムの影響による電圧の歪み、および負荷の変化による電圧の変動は、可能な限り低減することが望ましい。
特許文献1に記載の交流電圧制御装置では、極めて低い電圧をPWMスイッチング制御することにより、スイッチングノイズの発生を低く抑えている。しかしながら、PWMスイッチング制御の電圧が極めて低くはない場合のスイッチングノイズの発生については、考慮されていない。
本発明の目的は、交流電圧制御を行う際に、交流電圧の品質を向上することができるインバータ、およびインバータの制御方法を提供することにある。
上記目的を達成する第1の観点に係る発明は、
直流入力電圧を交流出力電圧に変換するインバータであって、
前記直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記交流出力電圧を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正、および、前記交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行って、前記交流出力電圧を制御するものである。
また、前記制御部は、前記第1の補正において、前記交流出力電圧のフィードバックに基づいて、当該交流出力電圧の実効値と目標電圧の実効値との差を低減するように前記交流出力電圧の振幅を調整してもよい。
また、前記制御部は、前記第2の補正において、前記交流出力電圧のフィードバックに基づいて、当該交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとに出力電圧と目標電圧との差の平均値を低減するように、当該各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減してもよい。
上記目的を達成する第2の観点に係る発明は、
直流入力電圧をスイッチング素子によりスイッチングして交流出力電圧に変換するインバータの制御方法であって、
前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記交流出力電圧を制御するステップと、
前記交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正を行うステップと、
前記交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行うステップと、
を含むものである。
本発明によれば、交流電圧制御を行う際に、交流電圧の品質を向上することができるインバータ、およびインバータの制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るインバータの構成例を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るインバータの他の構成例を概略的に示す機能ブロック図である。 交流出力電圧の波形の乱れの例を示す図である。 交流出力電圧の波形の乱れの他の例を示す図である。 交流出力電圧の波形の乱れのさらに他の例を示す図である。 交流出力電圧の波形の乱れのさらに他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る振幅補正値算出処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係るオフセットの概念を説明する図である。 本発明の実施形態に係るオフセットの概念を説明する図である。 本発明の実施形態に係るオフセットによる補正の例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオフセット値算出処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係るオフセットの加減の概念を説明する図である。 本発明の実施形態に係るオフセットによる補正の他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る補正処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインバータの構成例を概略的に示す機能ブロック図である。
図1の左側に示すように、本実施形態に係るインバータ1は、DC/DCコンバータに接続される。このDC/DCコンバータは、例えば太陽電池モジュール、燃料電池モジュール、および蓄電池など、各種の直流電力を出力する分散電源に接続可能に構成される。そして、このDC/DCコンバータは、分散電源が出力する直流電力の電圧を昇圧して、インバータ1に供給する。また、インバータ1は、図1の右側に示すように、各種AC負荷に接続される。このAC負荷は、例えば家電製品のような各種電気機器など、任意の直流電力を消費する負荷とすることができる。このような構成により、本実施形態に係るインバータ1は、DC/DCコンバータから入力される直流電圧を交流電圧に変換して、AC負荷に出力する。
インバータ1は、図1に示すように、制御部10、コンデンサ24、スイッチング素子31,32,33,34、ダイオード41,42,43,44、インダクタ52,54、および電圧センサ62,64を含んで構成される。以下の説明において、従来よく知られている要素および機能部については、適宜、説明を簡略化または省略する。
図1に示すように、インバータ1は、4つのスイッチング素子31,32,33,34を備えている。スイッチング素子31,32,33,34は、例えばMOSFETまたはIGBTなどのトランジスタで構成することができる。スイッチング素子31,32,33,34は、それぞれがアームを構成する。4つのスイッチング素子31,32,33,34のうち、スイッチング素子31,32は直列接続され、スイッチング素子33,34も直列接続される。すなわち、スイッチング素子31,32は1つのレグを構成し、スイッチング素子33,34は1つのレグを構成する。また、これら直接接続されたスイッチング素子31,32およびスイッチング素子33,34のそれぞれのレグは、並列接続される。このように、図1に示すインバータ1は、4アーム(2レグ)で構成される、単相フルブリッジ回路を含んでいる。このように、本実施形態に係るインバータ1は、直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子(31,32,33,34)を備えている。
スイッチング素子31,32,33,34には、対応するダイオード41,42,43,44がそれぞれ並列接続される。これらのダイオード41,42,43,44は、還流ダイオードとして各種のダイオードを用いることができる。
また、スイッチング素子31,32によるレグ、およびスイッチング素子33,34によるレグには、さらにコンデンサ22および電圧センサ62が並列接続される。これらの並列接続の接続端は、DC/DCコンバータに接続されることにより、直流の電力が供給される。電圧センサ62は、インバータ1によって交流に変換される前の直流の電圧を測定する。電圧センサ62によって測定された電圧は、制御部10に通知される。また、コンデンサ22は、インバータ1によって交流に変換される前の直流の電力を平滑化する。
スイッチング素子31,32によるレグを構成する2つのアームが直列接続された接点には、インダクタ52の一端が接続され、当該インダクタ52の他端はAC負荷に接続される。また、スイッチング素子33,34によるレグを構成する2つのアームが直列接続された接点には、インダクタ54の一端が接続され、当該インダクタ54の他端はAC負荷に接続される。これらインダクタ52,54のそれぞれの他端には、さらにコンデンサ24および電圧センサ64が並列接続される。電圧センサ64は、インバータ1によって交流に変換された後の電圧を測定する。電圧センサ64によって測定された電圧は、制御部10に通知される。また、コンデンサ24は、インダクタ52,54とともに、インバータ1によって交流に変換された交流の電力を平滑化する。
制御部10は、インバータ1の各機能部をはじめとしてインバータ1の全体を制御および管理する。制御部10は、例えばマイコンまたはプロセッサなどで構成することができる。特に、本実施形態において、制御部10は、スイッチング素子31,32,33,34のスイッチング制御を行う。このように、本実施形態において、制御部10は、スイッチング素子(31,32,33,34)のスイッチングを制御することにより交流出力電圧を制御する。本実施形態においては、制御部10は、PWM制御により、スイッチング素子31,32,33,34のスイッチングを行うものとして説明する。
図1においては、本実施形態に係るインバータ1として、2線接続のインバータの構成を例示した。しかしながら、本発明に係るインバータは、2線接続の構成のみに限定されるものではなく、例えば図2に示すような3線接続の構成とすることもできる。
図2は、本発明の実施形態に係るインバータの他の構成例を概略的に示す機能ブロック図である。図2においては、図1で説明したのと同じ要素または対応する要素は、同じ参照符号を付してある。
図2に示すように、インバータ2は、図1に示したインバータ1において、さらにスイッチング素子35,36によるレグを追加したものである。このレグは、図2に示すように、他のレグに並列接続される。このレグを構成するスイッチング素子35,36には、対応するダイオード45,46が、それぞれ並列接続される。このように、図2に示すインバータ2は、6アーム(3レグ)で構成されるフルブリッジ回路を含んでいる。
スイッチング素子35,36によるレグを構成する2つのアームが直列接続された接点には、インダクタ56の一端が接続され、当該インダクタ56の他端はAC負荷に接続される。インダクタ54,56のAC負荷に接続される側の出力端には、さらにコンデンサ26および電圧センサ66が並列接続される。電圧センサ66は、インバータ2によって交流に変換された後の電圧を測定する。電圧センサ66によって測定された電圧は、制御部10に通知される。また、コンデンサ26は、インダクタ54,56とともに、インバータ2によって交流に変換された交流の電力を平滑化する。
以下においては、インバータ1を用いた制御について説明する。
本実施形態に係るインバータ1は、例えば自立運転時の電圧制御によって、目標とする電圧になるように、PI(Proportional Integral)制御により、PWM変調率を設定する。特に、上述したデッドタイムの影響による電圧の歪みのような、短時間に発生する電圧の乱れは、PWMによっては制御できないこともある。これは、PI制御の応答速度をあまりにも速くすると、誤学習してしまうことにより、不都合な結果が生じることになりかねないためである。したがって、このような場合、短時間に発生する電圧の乱れは残ることになる。このような電圧の乱れを解消するため、本実施形態に係るインバータ1による制御を、以下説明する。
まず、交流出力電圧の波形の乱れについて説明する。図3〜6は、種々の交流出力電圧の波形の乱れの例を示す図である。
図3は、目標とする交流電圧の波形に対して時間的な遅延による波形の乱れを示す図である。図3の上側において、目標とする交流電圧(制御部10が生成する信号による理想的な波形による電圧:目標電圧)の波形は破線で示し、実際に測定される電圧(実電圧)は実線で示してある。図3の下側においては、目標電圧と実電圧との差(以下、適宜「電圧誤差」または単に「誤差」と記す)を示してある。
図3のように、波形に乱れが生じていたとしても、このような時間的な遅延による誤差は、電圧の歪みにはあまり影響しないため、大きな問題にはならない。
図4は、デッドタイムによる波形の乱れを示す図である。図4においても、図3と同様に、上側において、目標電圧の波形は破線で示し、実電圧は実線で示してある。また、図4の下側において、電圧誤差の波形を示してある。このように、図3および図4に示すような誤差は、目標電圧がゼロの付近で大きく発生する傾向にあることが、それぞれ図の下側に示す電圧誤差の波形によって示されている。
図5は、負荷が増大すると電圧が低下することを示す図である。図5において、負荷が0Wの時の電圧の波形は破線で示し、負荷が1kWの時の電圧の波形は実線で示してある。図5に示すように、同じ変調率で制御した場合、負荷が0Wの時に比べて、負荷が1kWの時の方が電圧の波形が弱くなっていることがわかる。このように、波形の振れ幅が小さくなることにより、実効値は小さくなる。このように、同じ変調率で制御した場合、負荷の消費電力が大きくなると、電圧が下がる傾向にある。
図6は、半波整流の場合に電圧の波形の振幅の中心が偏在することを示す図である。半波整流は、交流において消費電力を簡単に半分にできるので、ヒーターやドライヤーなどでよく使用されている。半波整流の時は、ダイオードの作用により、一方向には電流が流れて電力が消費されるが、逆方向に電圧がかかっても電流は流れず電力は消費されない。電力が消費されれば電圧が低下するが、電力の消費がなければ電圧は低下しない。図6において、負荷が0Wの時の電圧の波形は破線で示し、負荷が半波整流の時の電圧の波形は実線で示してある。図6においては、負荷が0Wの時に比べて、半波整流の負荷の時は、波形の山がやや低くなることを示している。このように、半波整流の負荷の場合、交流の電圧の振幅の中心は、マイナス側に下がることになる。すると、直流の成分が発生することになり、負荷によっては、ダメージを受けるおそれがある。半波整流の負荷の場合、電圧の中心が偏ることにより、直流成分の電圧が生じる。
次に、本実施形態に係るインバータ1によって、自立運転時の電圧制御において、図4〜6に示したような波形の乱れを低減する処理について説明する。
本実施形態に係るインバータ1においては、例えば自立運転で直流入力電圧を交流出力電圧に変換する際に、第1の補正および第2の補正の2つの補正を行って、交流出力電圧を制御する。以下、これら2つの補正について説明する。
まず、本実施形態に係るインバータ1による第1の補正について説明する。
第1の補正においては、交流出力電圧の振幅を調整する。すなわち、電圧実効値の誤差がゼロになるように、PI制御でパラメータを制御することにより、交流出力電圧の振幅を調整する。例えば、図5で示したような実線の波形を、破線の波形に近づけるように、制御部10がスイッチング素子31〜34のスイッチングを制御して、交流出力電圧を制御する。そのために、制御部10は、電圧センサ64の電圧をモニタすることにより、この電圧のフィードバックに基づいて、スイッチング素子31〜34のスイッチングを制御する。このように、本実施形態において、制御部10は、交流出力電圧のフィードバックに基づいて、交流出力電圧の実効値と目標電圧の実効値との差を低減するように交流出力電圧の振幅を調整する。
このように、第1の補正による振幅の調整は、電圧の実効値を目標電圧に近づけるように制御を行う。実効値は、2乗和ベースの演算となるため、電圧が高い部分の方が低い部分よりも重視される。そのため、電圧がゼロになる付近の誤差は軽視され、電圧がピークとなる付近の誤差は重視される。
図7は、本実施形態に係るインバータ1による第1の補正のための振幅補正値を求める処理を説明するフローチャートである。後述するように、図7に示す第1の補正のための振幅補正値を求める処理は、電圧の波形の位相が元に戻る1周期ごとに行うのが好適である。
図7に示すように、本実施形態に係る第1の補正のための振幅補正値を求める処理が開始すると、制御部10は、電圧の実効値の誤差を算出する(ステップS11)。ステップS11においては、具体的には、制御部10が生成するPWM制御に係る信号から目標電圧の実効値を求め、さらに電圧センサ64が検出する実際の電圧の実効値を求め、これらから電圧の実効値の誤差を求める。
ステップS11において電圧の実効値の誤差が算出されたら、制御部10は、算出した誤差に基づいて振幅の補正値を算出する(ステップS12)。例えばPI制御を用いる場合、第1の補正のための振幅補正値は、以下のように計算することができる。
(1)まず、[目標電圧の実効値]から[実際の電圧の実効値]を減じることで、差分値dを求める。
(2)次に、機器構成などに依存する所定の係数をKI(積分ゲイン)として、差分値dに係数KIを乗じたものを積分値Iに加算していくことで、積分値Iを求めることができる。
(3)そして、差分値dに係数KP(比例ゲイン)を乗じたものを積分値Iに加算することで、振幅補正値を求めることができる。
このようにして求めた振幅の補正値を加味した上でPWM制御を行うことにより、本実施形態に係るインバータ1は、負荷の変化による電圧の変動を低減することができる。すなわち、本実施形態に係るインバータ1は、電圧の波形の振幅を、目標電圧の波形の振幅に近づけることができる。
次に、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正について説明する。
第2の補正においては、交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する。すなわち、制御部10は、電圧の波形を所定の位相で区分することにより、それぞれ区分された区間において、実電圧の波形が目標電圧の波形に近づくように、オフセットを加減するように制御を行う。
以下、位相を0°〜180°と、180°〜360°との2つに区分して、それぞれの区間において個別にオフセットを付加する場合について説明する。制御部10は、区分された位相の各区間において、電圧誤差の平均値がゼロになるように、PI制御を行う。
図8は、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正の例を示す図である。図8は、図6で説明したような半端整流の負荷の場合を示している。図8(A)に示すように、目標電圧に対して実電圧が低い場合、例えば第1の補正により振幅を増大させた上で、図8(B)に示すように、位相0°〜180°の区間および位相180°〜360°の区間において、それぞれオフセットを加算する。このようにして、実電圧の波形をもともとの目標電圧の波形に近づけることができる。
図9は、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正の他の例を示す図である。図9は、図4で説明したようなデッドタイムの影響を受ける場合を示している。図9(A)に示すように、目標電圧に対して実電圧の波形がデッドタイムの影響で歪んでいる場合、例えば図9(B)に示すように、位相0°〜180°の区間においてオフセットを加算し、位相180°〜360°の区間においてオフセットを減算する。このようにして、実電圧の波形をもともとの目標電圧の波形に近づけることができる。
図10は、図8および図9に示したような、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正を行ったシミュレーションの結果を示す図である。
図10(A)の上段は、上述した第1の補正によって、交流出力電圧の振幅を調整し、実電圧の振幅を目標電圧の振幅に近づけた様子を示している。しかしながら、依然として波形には歪みが含まれるため、図10(A)の下段に示すように、電圧誤差はかなり大きく、全高調波歪率(Total Harmonic Distortion:THD)は、3.136%と算出された。
一方、図10(B)は、第1の補正を行った図10(A)の状態に対して、さらに第2の補正により、オフセットを加減した状態を示している。図10(B)の下段に示すように、第1の補正および第2の補正を行った後でも、依然として電圧誤差は存在するが、図10(B)におけるTHDは1.362%と算出され、誤差は相当程度抑制されることが確かめられた。
図8および図9に示した例においては、位相を0°〜180°と、180°〜360°との2つに区分して、それぞれの区間において個別にオフセットを付加する場合について説明した。しかしながら、このような区分を2つよりもさらに細かくすることにより、誤差をさらに抑制することができる。このように、位相をいくつかの区間に区分して、それぞれ区分された区間におけるオフセット値を算出する処理について説明する。
図11は、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正のためのオフセット値を求める処理を説明するフローチャートである。後述するように、図11に示す第2の補正のためのオフセット値を求める処理は、例えばPWMキャリア周波数等の間隔ごとに行うのが好適である。
本実施形態において、制御部10は、図11に示す処理を開始するにあたり、電圧の波形の位相(0°〜360°(0〜2π))をいくつの区間に区分するか予め設定する。以下の説明においては、例として、電圧波形の位相を区間0〜区間5の6等分に区分する場合について説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る第2の補正のためのオフセット値を求める処理が開始すると、制御部10は、現在の電圧の波形の位相が、現在オフセット値を求める対象とする区間(当該区間と記す)を超えたか否かを判定する(ステップS21)。例えば図12(A)に示すように、位相区間0〜5の6つの区間において、それぞれ最大となる位相を規定することにより、制御部10は、現在の位相が当該区間を超えたか、または当該区間内に存在するかを判定することができる。すなわち、現在の位相がπ/3を超えていれば、位相区間0を超えていると判定でき、現在の位相がπ/3を超えていなければ、位相区間0を超えていないと判定できる。
ステップS21において位相が当該区間を超えていないと判定される場合、制御部10は、当該区間の誤差の積算値を算出する(ステップS22)。ステップS22において誤差の積算値を算出したら、制御部10は、当該区間の誤差の積算回数を加算する(ステップS23)。このステップS22およびステップS23の処理は、例えば現在の位相が区間0内に存在する場合、位相が区間0を超えない限り、繰り返し行われる。すなわち、現在の位相が区間0内に存在する場合、位相が区間0を超えない限り、順次誤差が積算され、積算した回数が加算される。
一方、ステップS21において位相が当該区間を超えたと判定される場合、制御部10は、当該区間の電圧の平均誤差を算出する(ステップS24)。ステップS24においては、位相がすでに次の区間に進んでいるため、それまでの区間の誤差の積算値および積算回数(ステップS22およびステップS23)から、それまでの区間の電圧の平均誤差を算出することができる。
ステップS24において当該区間の電圧の平均誤差が算出されたら、制御部10は、算出された平均誤差に基づいて、当該区間において加減すべきオフセット値を算出する(ステップS25)。ここで、算出するオフセット値は、位相の各区間ごとに、出力電圧と目標電圧との差の平均値を低減するように設定される。オフセット値は、各区間においてフィードバック制御で求められる。そのために、制御部10は、電圧センサ64の電圧をモニタすることにより、この電圧のフィードバックに基づいて、スイッチング素子31〜34のスイッチングを制御する。ステップS25において算出する具体的なオフセット値は、インバータ1のハードウェア構成等、種々の条件に依存する。このように、本実施形態において、制御部10は、交流出力電圧のフィードバックに基づいて、交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとに出力電圧と目標電圧との差の平均値を低減するように、当該各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する。
図12(A)は、ステップS25において算出されるオフセット項の例を示す図である。ステップS25においては、図12(A)の右側に示すように、位相の区間ごとにオフセット値が算出される。このようにして算出したオフセット値は、後述するように、変調率に付加することにより、変調率を加減する。図12(B)は、このようにして区間ごとに算出したオフセット値を、それぞれ変調率に付加した様子を示す図である。図12(B)においては、オフセット付加前の変調率を破線で示し、オフセット付加後の変調率を実線で示してある。
ステップS25においてオフセット値が算出されたら、制御部10は、位相の次の区間を設定してから(ステップS26)、図11の制御を繰り返す。このような制御により、インバータ1は、位相が各区間を超えるたびに、当該区間のオフセット値を算出することができる。
図13は、図11にて説明した制御により、位相区間を16等分に区分した場合において、本実施形態に係るインバータ1による第2の補正を行ったシミュレーションの結果を示す図である。
図13(A)の上段は、上述した第1の補正によって、交流出力電圧の振幅を調整し、実電圧の振幅を目標電圧の振幅に近づけた様子を示している。しかしながら、依然として波形には歪みが含まれており、図13(A)の下段に示すように電圧誤差が存在し、THDは、6.146%と算出された。
一方、図13(B)は、第1の補正を行った図13(A)の状態に対して、さらに第2の補正により、オフセットを加減した状態を示している。図13(B)の下段に示すように、第1の補正および第2の補正を行った後は、電圧誤差はかなり低減し、THDは1.908%と算出された。
図14は、本実施形態に係るインバータ1の処理を説明するフローチャートである。
図14に示すインバータ1の処理は、定期割り込み処理ごとに行うのが好適である。ここで、定期割り込み処理は、PWMキャリア周期等の間隔で実行するのが好適である。
図14に示す処理が開始すると、制御部10は、前回の定期割り込み処理からの位相差を加算する(ステップS31)。すなわち、ステップS31においては、制御部10は、PWMキャリア周期ごとの位相差を加算する。
ステップS31において位相差を加算したら、制御部10は、加算した位相差を合計した位相が2πを超えたか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32において位相が2πを超えていない場合、制御部10は、オフセット補正に係るオフセット値を算出し(ステップS35)、補正した変調率でPWM制御を行う(ステップS36)。ステップS35におけるオフセット補正に係るオフセット値の算出は、図11において説明したように行う。
一方、ステップS32において位相が2πを超えた場合、制御部10は、位相から2πを減算し(ステップS33)、振幅補正に係る振幅補正値を算出する(ステップS34)。ステップS34における振幅補正に係る振幅補正値の算出は、図7において説明したように行う。ステップ34において振幅補正値が算出されたら、制御部10は、オフセット値を算出し(ステップS35)、補正した変調率でスイッチング素子31〜34のPWM制御を行う(ステップS36)。
ステップS36における補正した変調率は、第1の補正に係る振幅補正値をAとして、第2の補正に係る位相に依存するオフセット値をBとして、以下の式(1)により算出することができる。式(1)において、リンク電圧は、電圧センサ62により測定することができる。
Figure 2015159626
このように、本実施形態に係るインバータ1において、制御部10は、交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正、および、交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行って、交流出力電圧を制御する。
以上説明したように、本実施形態に係るインバータ1によれば、電圧制御時の誤差を低減し、電圧の直流分および高調波の発生を抑制することができる。したがって、本実施形態に係るインバータ1は、例えば自立運転で交流電圧制御を行う際に、交流電圧の品質を向上することができる。
上述したように、本実施形態においては、振幅調整(第1の補正)は電圧実効値に基づいて行い、オフセットの加減(第2の補正)は電圧平均値に基づいて行った。これは、振幅調整も電圧平均値に基づいて行うと、オフセットを加減する際の調整値が収束せず、釣り合いをとるように動き続ける傾向があるためである。上述した本実施形態に係る振幅調整のように、電圧実効値に基づいて調整を行うことで、オフセット調整は電圧がゼロとなる付近の誤差を低減し、振幅調整はピーク付近の誤差を低減するというように、それぞれが役割分担される。したがって、上述した本実施形態のように処理することにより、それぞれの調整値を収束させることができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。
上述した実施形態では、インバータ1または2が、直流の電力を交流の電力に変換する場合について説明した。しかしながら、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。本発明は、例えば、交流の電力を直流の電力に変換するインバータについても、同様に適用することができる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば上述した実施形態に係るインバータ1または2の制御方法として実現することもできる。例えば上述したインバータ1についての制御方法の場合、本発明は、直流入力電圧をスイッチング素子(31,32,33,34)によりスイッチングして交流出力電圧に変換するインバータ1の制御方法とすることができる。この方法は、スイッチング素子(31,32,33,34)のスイッチングを制御することにより交流出力電圧を制御するステップを有する。また、この方法は、交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正を行うステップと、交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行うステップと、を含んで構成される。
1,2 インバータ
10 制御部
22,24,26 コンデンサ
31〜36 スイッチング素子
41〜46 ダイオード
52,54,56 インダクタ
62,64,66 電圧センサ

Claims (4)

  1. 直流入力電圧を交流出力電圧に変換するインバータであって、
    前記直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記交流出力電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正、および、前記交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行って、前記交流出力電圧を制御する、インバータ。
  2. 前記制御部は、前記第1の補正において、前記交流出力電圧のフィードバックに基づいて、当該交流出力電圧の実効値と目標電圧の実効値との差を低減するように前記交流出力電圧の振幅を調整する、請求項1に記載のインバータ。
  3. 前記制御部は、前記第2の補正において、前記交流出力電圧のフィードバックに基づいて、当該交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとに出力電圧と目標電圧との差の平均値を低減するように、当該各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する、請求項1または2に記載のインバータ。
  4. 直流入力電圧をスイッチング素子によりスイッチングして交流出力電圧に変換するインバータの制御方法であって、
    前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記交流出力電圧を制御するステップと、
    前記交流出力電圧の振幅を調整する第1の補正を行うステップと、
    前記交流出力電圧の位相を区分した各区間ごとの変調率にそれぞれオフセットを加減する第2の補正を行うステップと、
    を含む、インバータの制御方法。

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