JP2015159418A - 伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置 - Google Patents
伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 伝送路特性を高精度に調整する伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置を提供する。
【解決手段】 伝送路調整回路は、伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】 伝送路調整回路は、伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有する。
【選択図】図3
Description
本件は、伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置に関する。
伝送路を介して音声やデータなどの情報を伝送する場合、情報は、符号化され、信号に収容されて伝送される。符号化方式としては、例えば、RZ(Return to Zero)方式、NRZ(Non Return to Zero)方式、NRZI(Non Return to Zero Inversion)方式、AMI(Alternate Mark Inversion)方式、CMI(Code Mark Inversion)方式、及びマンチェスタ方式が挙げられる。
経年劣化などにより伝送路特性が劣化すると、信号に誤差が生ずるため、伝送品質が低下する。このため、伝送路特性の変化に応じて、伝送路特性を調整する技術が用いられる。
伝送路特性の調整に関し、例えば特許文献1には、距離ごとの伝送線路の特性を補正する回路が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された回路は、信号の出力波形のピーク値と所定の基準値を差動増幅することにより制御電圧を生成するため、基準値の精度が低いと、伝送線路特性の調整の精度が低くなるという問題がある。
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、伝送路特性を高精度に調整する伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置を提供することを目的とする。
本明細書に記載の伝送路調整回路は、伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有する。
本明細書に記載の伝送路特性調整装置は、伝送路の特性を変化させる回路素子と、前記伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有する。
伝送路特性を高精度に調整できる。
図1は、伝送システムの一例を示す構成図である。伝送システムは、伝送路4a,4bと、伝送路特性調整装置1と、伝送装置5a,5bとを有する。
伝送路4a,4bは、金属線により形成され、伝送装置5a,5bの間に施設されている。伝送装置5a,5bは、一対の伝送路4a,4bを介して、互いに差動信号(正相信号及び逆相信号)を送受信する。差動信号は、音声やデータなどの情報が含まれる。本例では、伝送路4a,4bを伝搬する信号として、差動信号を挙げるが、これに限られず、シングルエンド信号が用いられてもよい。なお、伝送路4a,4bの形態としては、例えば、同軸ケーブル、電線、及びLAN(Local Area Network)ケーブルが挙げられる。
伝送装置5a,5bとしては、例えばISDN(Integrated Service Digital Network)の交換機、及び加入者宅に設置された回線終端装置(DSU: Digital Service Unit)が挙げられる。ISDNでは、AMI方式により符号化された信号が用いられる。伝送装置5a,5bは、これに限定されず、イーサネット(登録商標、以下同様)の通信装置であってもよい。この場合、マンチェスタ方式により符号化された信号が用いられる。
図2(a)は、マンチェスタ方式による符号化の一例を示す。ここで、符号化前のデータは、「1」、「0」、「1」、「1」、「1」、「0」(2進数)とする。
本方式では、1ビットのデータが、2ビットのデータに符号化される。より具体的には、「0」は、「01」に変換され、「1」は、「10」に変換される。このため、上記のデータは、「10」、「01」、「10」、「10」、「10」、「01」に変換される。なお、図2(a)では、符号化後のデータは、信号電圧のレベルにより示されている。
したがって、本方式によると、無信号状態がなく、常にデータ(信号電圧のレベル)の変化が生ずるため、受信側の伝送装置5a,5bにおいて、データからクロックを抽出する処理が容易である。これにより、クロック抽出回路の構成を簡易化できるので、装置コストが低減される。
しかし、本方式では、データの1ビットずれなどの障害が発生した場合、「1」の連続データが、「0」の連続データとして誤検出されるなどの問題が生ずる。このため、本方式を用いた場合の伝送品質は、伝送路特性の劣化に影響されやすい。
伝送システムで用いられる符号化方式は、マンチェスタ方式に限定されず、例えばCMI方式であってもよい。
図2(b)は、CMI方式による符号化の一例を示す。ここで、符号化前のデータは、「1」、「0」、「1」、「1」、「1」、「0」(2進数)とする。
本方式では、1ビットのデータが、2ビットのデータに符号化される。より具体的には、「0」は、「10」に変換され、「1」は、「11」及び「00」に交互に変換される。このため、上記のデータは、「11」、「10」、「00」、「11」、「00」、「10」に変換される。なお、図2(b)では、符号化後のデータは、信号電圧のレベルにより示されている。
したがって、本方式では、無信号状態がないため、受信側の伝送装置5a,5bにおいて、データの同期処理が容易である。これにより、同期回路の構成を簡易化できるので、装置コストが低減される。
しかし、本方式では、伝送路4a,4bの遠端において特性が劣化した場合、信号変化に誤差が生じることにより、「0」及び「1」の誤検出が頻発する。このため、本方式を用いた場合、長距離伝送の障害が発生しやすい。
このように、各方式により符号化された信号は、伝送路特性の劣化に影響される。伝送路特性の劣化の要因としては、例えば、対地間不平衡伝送、漏話、及びインピーダンス変動が挙げられる。
対地間不平衡伝送は、例えば、グランド(接地電位)に対する伝送路4a,4bの寄生抵抗Ra,Rbの不平衡状態により生ずる。寄生抵抗Ra,Rbは、伝送路4a,4bが最初に設置されたとき、ともに無限大(∞)であるが、例えば伝送ケーブルの被覆が経年劣化することで、不平衡状態(Ra≪RbまたはRa≫Rb)となる。
漏話は、伝送路4a,4b間における交流的なインピーダンスRmの漏れにより生ずる。インピーダンス変動は、インピーダンスの容量成分及びインダクタンス成分の変動により生ずる。
このような伝送路特性の劣化に対し、伝送路特性調整装置1は、伝送路特性を調整することで、伝送路4a,4bの通信回線を保守する。伝送路特性調整装置1は、伝送路特性調整回路2と、インピーダンス補正回路3と、コネクタCNとを有する。
伝送路特性調整回路2は、伝送路4a,4bを伝搬する信号のエッジを検出することにより、信号と同じ波高値の矩形波を生成し、矩形波と信号波形の比較結果に応じた電圧を、インピーダンス補正回路3に印加することで、伝送路特性を高精度に調整する。インピーダンス補正回路3は、伝送路4a,4bに設けられ、伝送路4a,4bの特性を変化させる。インピーダンス補正回路3は、後述するように、可変容量ダイオード(バラクタ)を含み、伝送路特性調整回路2から印加される電圧に応じたフィルタ特性を示す。これにより、一定の伝送品質が維持されるように、伝送路特性が調整される。
また、伝送路特性調整回路2は、コネクタCNを介して、着脱自在にインピーダンス補正回路3及び伝送路4a,4bに接続される。後述するように、インピーダンス補正回路3は、伝送路特性調整装置1が取り外された場合でも、伝送路特性調整回路2が印加する電圧と同じ電圧が、内蔵電源から印加される。このため、伝送路特性調整回路2は、伝送路特性の調整後、伝送路4a,4bから取り外されて、使い回すことが可能である。これにより、伝送路4a,4bの保守に要するコストが低減される。
さらに、伝送路特性調整装置1は、伝送路4a,4b上に設けられる構成として、アンプなどの能動素子を有していないので、故障が発生した場合でも、少なくとも信号伝送が中断されることはない。以下に、伝送路特性調整装置1の詳細を述べる。
図3は、実施例に係る伝送路特性調整装置1を示す構成図である。伝送路特性調整装置1は、伝送路特性調整回路2と、インピーダンス補正回路3と、コネクタCNとを有する。また、トランスTRは、伝送路4a,4b上に設けられ、インピーダンスを変換する。なお、図3において、コネクタCNの図示は省略されている。
インピーダンス補正回路3は、電源Vo1,Vo2と、半固定ボリュームRv1,Rv2と、ショートプラグ81,82と、可変容量ダイオード(回路素子)C11〜C14,C21〜C24と、抵抗器R11,R12,R21,R22とを有する。可変容量ダイオードC11〜C14及び抵抗器R11,R12は、伝送路4a,4b上に設けられている。すなわち、可変容量ダイオードC11〜C14及び抵抗器R11,R12は、伝送路4a,4bに対して直列接続されている。
可変容量ダイオードC11,C13のカソードは、可変容量ダイオードC12,C14のカソードとそれぞれ接続されている。抵抗器R11は、可変容量ダイオードC11,C12に並列接続され、抵抗器R12は、可変容量ダイオードC13,C14に並列接続されている。
可変容量ダイオードC21〜C24及び抵抗器R21,R22は、伝送路4a,4bとグランド(接地電位)の間に設けられている。すなわち、可変容量ダイオードC21〜C24及び抵抗器R21,R22は、伝送路4a,4bに対して並列接続されている。
可変容量ダイオードC21,C23のカソードは、可変容量ダイオードC22,C24のカソードとそれぞれ接続されている。抵抗器R21は、可変容量ダイオードC21,C22に並列接続され、抵抗器R22は、可変容量ダイオードC23,C24に並列接続されている。
このように、インピーダンス補正回路3は、アンプのような能動素子を備えていないので、故障が発生した場合でも、伝送路4a,4bが切断されることがなく、信号伝送が継続される。
可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24の容量は、伝送路特性調整回路2から入力される電圧V1,V2に応じて調整される。より具体的には、伝送路特性調整回路2は、可変容量ダイオードC11〜C14の静電容量と可変容量ダイオードC21〜C24の静電容量のバランスを調整する。
これにより、伝送路特性調整回路2は、ハイパスフィルタの特性またはローパスフィルタの特性を強めるように、伝送路特性を調整する。なお、電源Vo1,Vo2、半固定ボリュームRv1,Rv2、及びショートプラグ81,81は、後述するように、伝送路特性調整回路2の分離後、電圧V1,V2を可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24に印加し続けるために用いられる。
伝送路特性調整回路2は、入力アンプ20と、差動アンプ21と、コンパレータ22と、第1フィルタ23と、スライサ24と、加算器25と、差分検出器26と、第2フィルタ27と、第1出力アンプ28と、第2出力アンプ29とを有する。伝送路特性調整回路2は、アナログ回路を用いて構成されてもよいが、DSP(Digital Signal Processor)などのデジタル演算回路を用いて構成されてもよい。
入力アンプ20は、伝送路4b,4aから端子11,P12を介してそれぞれ入力された正相信号Sp及び逆相信号Snを増幅する。入力アンプ20は、伝送路特性に影響しないように、伝送路4b,4aとの間でインピーダンス整合がなされておらず、高いインピーダンス(Hi−Z)で正相信号Sp及び逆相信号Snを検出する。
差動アンプ21は、増幅された正相信号Sp及び逆相信号Sn(差動信号)をシングルエンド信号Sに変換する。シングルエンド信号Sは、差動信号とは異なり、所定の基準電圧からの電圧変化でデータを示す。シングルエンド信号Sは、第1フィルタ23及び加算器25に入力される。
コンパレータ22は、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Snのエッジを検出することにより、矩形波Soを生成する。コンパレータ22の非反転入力端子(+)及び反転入力端子(−)には、正相信号Sp及び逆相信号Snがそれぞれ入力される。このため、コンパレータ22は、正相信号Spの電位が、逆相信号Snの電位を下回ったとき、ハイレベルの電圧を出力し、逆相信号Snの電位が、正相信号Spの電位を下回ったとき、ローレベルの電圧を出力する。
すなわち、コンパレータ22は、信号Sp,Snの立ち上がりエッジを検出したとき、ハイレベルの電圧を出力し、信号Sp,Snの立ち下がりエッジを検出したとき、ローレベルの電圧を出力することにより、矩形波Soを生成する。生成された矩形波Soは、第1フィルタ23の出力電圧に基づいてスライサ24により整形される。これにより、シングルエンド信号Sの波形の比較対象となる基準波形が生成される。
第1フィルタ23は、例えばローパスフィルタ(LPF: Low-Pass Filter)であり、シングルエンド信号Sの波形の波高値(高電圧レベル)を検出して、スライサ24に出力する。すなわち、第1フィルタ23は、シングルエンド信号SのAM(Amplitude Modulation)検波によりピークホールドを行う。
図4は、信号波形の波高値の検出例を示す波形図である。シングルエンド信号Sは、伝送路4a,4bのフィルタ特性に応じた波形を有する。シングルエンド信号Sの波形は、伝送路4a,4bがローパスフィルタの特性を示す場合、図4(a)に示されるように、立ち上がり及び立下りが緩やかとなる。なお、立ち上がり及び立下りが緩やかであることを、以降の説明において「波形がなまる」と表記する。
一方、伝送路4a,4bがハイパスフィルタ(HPF: High-Pass Filter)の特性を示す場合、シングルエンド信号Sの波形は、図4(b)に示されるように、立ち上がり及び立下りが鋭くなり、オーバーシュート及びアンダーシュートが生ずる。
第1フィルタ23は、シングルエンド信号Sの波形がなまっているとき、図4(a)に示されるように、信号波形から、最大電圧を波高値Vhとして検出する。また、第1フィルタ23は、シングルエンド信号Sの波形にオーバーシュートVxが生じているとき、図4(b)に示されるように、信号波形のオーバーシュートVxを除いた部分から、最大電圧を波高値Vhとして検出する。このとき、信号波形のオーバーシュートVxの部分は、第1フィルタ23のフィルタリングにより、検出対象から除外される。
スライサ24は、第1フィルタ23の波高値の検出結果に基づき、コンパレータ22により生成された矩形波Soの波高値を、シングルエンド信号Sと同じ値に調整する。これにより、シングルエンド信号Sの信号波形の比較対象となる基準波形が容易に生成される。
図5は、矩形波Soの整形例を示す波形図である。図5(a)及び図5(b)には、整形前後の矩形波Soがそれぞれ示されている。
スライサ24は、シングルエンド信号Sの波高値Vhに合わせるように、矩形波Soの高電圧レベルを低減させる。これにより、矩形波So及びシングルエンド信号Sの波形の波高値が、同じ値Vhにそろえられる。なお、矩形波Soの波高値の調整手段は、スライサ24に限られず、例えば、矩形波Soのパワーを調整する減衰回路が用いられてもよい。
このように、コンパレータ22、第1フィルタ23、及びスライサ24は、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Snのエッジを検出することにより、信号Sp,Snと同じ波高値Vhの矩形波Soを生成する生成部2aとして機能する。波高値Vhが調整された矩形波Soは、加算器25に入力される。
加算器25は、スライサ24から入力された矩形波Soと、差動アンプ21から入力されたシングルエンド信号Sの波形を合波して、差分検出器26に出力する。差分検出器26は、矩形波Soの時間幅Δtの範囲内で、矩形波So及びシングルエンド信号Sの波形を比較し、比較結果に応じた制御電圧Vcを生成する。
図6は、矩形波Soと信号波形の比較例を示す波形図である。図6(a)には、シングルエンド信号Sの波形がオーバーシュートを有する場合の比較例が示され、図6(b)には、シングルエンド信号Sの波形がなまっている場合の比較例が示されている。
差分検出器26は、矩形波Soを基準波形とし、矩形波Soの時間幅Δtにおいて、シングルエンド信号Sの波形の基準波形に対する差分を検出する。より具体的には、差分検出器26は、基準電位(低電圧レベル)を示す基準線Gと矩形波Soで囲まれる第1面積と、基準線Gとシングルエンド信号Sの波形で囲まれる第2面積の大小を判定する。
シングルエンド信号Sの波形がオーバーシュートを有する場合(図6(a)参照)、差分検出器26は、当該オーバーシュートの波形と矩形波Soで囲まれる部分を、差分領域Daとして検出する。すなわち、差分検出器26は、第1面積<第2面積と判定する。ここで、シングルエンド信号Sの立下りのアンダーシュート部分Waは、時間幅Δtの範囲外であるため、比較対象外である。
この場合、差分検出器26は、伝送路4a,4bが、高周波成分を通過させやすいハイパスフィルタの特性を有していると判定し、ハイパスフィルタの特性を弱めるように、つまりローパスフィルタの特性を強めるように制御電圧Vcを生成する。ハイパスフィルタの特性の度合いは、差分領域Daの面積に比例するため、差分検出器26は、差分領域Daの面積に応じて、制御電圧Vcの大きさを決定する。
一方、シングルエンド信号Sの波形がなまっている場合(図6(b)参照)、差分検出器26は、当該なまっている立ち上がり波形と矩形波Soで囲まれる部分を、差分領域Dbとして検出する。すなわち、差分検出器26は、第1面積>第2面積と判定する。ここで、シングルエンド信号Sのなまった立下り部分Wbは、時間幅Δtの範囲外であるため、比較対象外である。
この場合、差分検出器26は、伝送路4a,4bが、低周波成分を通過させやすいローパスフィルタの特性を有していると判定し、ローパスフィルタの特性を弱めるように、つまりハイパスフィルタの特性を強めるように制御電圧Vcを生成する。ローパスフィルタの特性の度合いは、差分領域Dbの面積に比例するため、差分検出器26は、差分領域Dbの面積に応じて、制御電圧Vcの大きさを決定する。制御電圧Vcは、第2フィルタ27により雑音成分を除去された後、第1出力アンプ28及び第2出力アンプ29に入力される。
このように、加算器25、差分検出器26、及び第2フィルタ27は、矩形波Soとシングルエンド信号Sの波形を比較し、当該比較結果に応じて、インピーダンス補正回路3に印加される電圧を調整する調整部として機能する。
第1出力アンプ28は、制御電圧Vcを増幅し、出力端子Poutを介して外部の他装置に出力する。このため、例えば、オシロスコープなどの測定機器を出力端子Poutに接続して、制御電圧Vcを観測することにより、伝送路4a,4bの特性を監視することができる。
また、第2出力アンプ29は、制御電圧Vcを差動電圧V1,V2に変換し、出力端子P21,P22をそれぞれ介してインピーダンス補正回路3に出力する。インピーダンス補正回路3において、差動電圧V1は、接点P31,P51を介して可変容量ダイオードC21〜C24に印加され、差動電圧V2は、接点P32,P52を介して可変容量ダイオードC11〜C14に印加される。
図7は、可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24の電圧Vに対する静電容量Cの変化特例の例を示すグラフである。可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24は、ダイオードの逆方向に印加された電圧Vに応じて、空乏層の厚みが変化することにより静電容量Cが変化する。可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24は、印加される電圧Vが増加するほど、空乏層が厚くなり、静電容量Cが減少する。
したがって、伝送路特性調整装置2は、差動電圧V1,V2を調整することにより、伝送路4a,4bのフィルタ特性を調整することができる。
図8は、伝送路4a,4bのフィルタ特性の例を示す波形図である。差動電圧V1を増加させた場合、可変容量ダイオードC21〜C24の静電容量は小さくなるため、可変容量ダイオードC11〜C14の静電容量が、相対的に大きくなる。これにより、伝送路4a,4bのハイパスフィルタの特性が強められ、図8(a)に示されるように、伝送路4a,4bを伝搬する信号波形として、オーバーシュート及びアンダーシュートを有する波形が観測される。
一方、差動電圧V2を増加させた場合、可変容量ダイオードC11〜C14の静電容量は小さくなるため、可変容量ダイオードC21〜C24の静電容量が、相対的に大きくなる。これにより、伝送路4a,4bのローパスフィルタの特性が強められ、図8(b)に示されるように、伝送路4a,4bを伝搬する信号波形として、立ち上がり及び立下りがなまった波形が観測される。
上述したように、差分検出器26は、シングルエンド信号Sを、基準波形である矩形波Soと比較した結果に基づいて、伝送路4a,4bのフィルタの特性を判定する。差分検出器26は、伝送路4a,4bがハイパスフィルタの特性を有していると判定した場合(図6(a))、ローパスフィルタの特性を強めるように差動電圧V2を強める(図8(b))。一方、差分検出器26は、伝送路4a,4bがローパスフィルタの特性を有していると判定した場合(図6(b))、ハイパスフィルタの特性を強めるように差動電圧V1を強める(図8(a))。
すなわち、差分検出器26は、伝送路4a,4bのフィルタ特性が相殺されるように、制御電圧Vcを調整する。これにより、伝送路4a,4bのフィルタ特性は、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタの何れにも偏らない状態に調整されるので、伝送路4a,4bを伝搬する信号波形は、オーバーシュート及びアンダーシュートやなまりがない、矩形波Soのような波形となる。なお、本実施例では、可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24の静電容量を調整することで、伝送路特性を調整したが、これに限られず、例えばインダクタンス素子のような他の回路素子のパラメータを調整することで、伝送路特性を調整してもよい。
本実施例において、伝送路特性調整回路2は、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Snから直接的に矩形波Soを生成する。このため、矩形波Soは、伝送路4a,4bの環境(温度や湿度など)、及び伝送路4a,4b上の位置(端点からの距離)に依存しない、信号Sp,Sn(シングルエンド信号S)の正確な比較対象となる基準波形として用いられる。したがって、伝送路特性調整回路2は、高精度に伝送路特性を調整できる。なお、特許文献1に開示された回路は、伝送路の信号の比較対象である基準値が一定であるため、基準値の精度が低いと、伝送線路特性の調整の精度が低くなる。
伝送路特性調整回路2は、上述したように、伝送路特性の調整後、伝送路4a,4b及びインピーダンス補正回路3から分離することができる。これにより、伝送路特性調整回路2の使い回し、つまり、他の伝送路特性調整装置1での再利用が可能となるので、伝送路4a,4bの保守に要するコストが低減される。
インピーダンス補正回路3において、伝送路特性調整回路2の分離に先立って、電源Vo1,Vo2の出力電圧は、伝送路特性調整回路2から入力される電圧V1,V2と同じ値にそれぞれ調整される。これにより、伝送路特性調整回路2の分離後も、調整済みの伝送路特性が維持される。電源Vo1,Vo2の出力電圧は、可変抵抗器である半固定ボリュームRv1,Rv2を調整することにより調整される。
電源Vo1の出力電圧を調整する場合、作業者は、電圧計9を接点P41,P31に接続する。ここで、接点P41は、半固定ボリュームRv1に接続された端子であり、電源Vo1の出力電圧の調整値を示す。接点P31は、伝送路特性調整回路2の出力端子P21に接続された端子であり、伝送路特性調整回路2から印加される電圧V1を示す。作業者は、電圧計9を見ながら、各接点P41,P31の電圧が同じ値となるように、半固定ボリュームRv1を操作し、固定する。
作業者は、半固定ボリュームRv1を固定した後、可変容量ダイオードC21〜C24に接続された接点P51及び接点P31間を短絡するショートプラグ81を、接点P51及び接点P41間に付け替える。
また、電源Vo2の出力電圧を調整する場合、作業者は、電圧計9を接点P42,P32に接続する。ここで、接点P42は、半固定ボリュームRv2に接続された端子であり、電源Vo2の出力電圧の調整値を示す。接点P32は、伝送路特性調整回路2の出力端子P22に接続された端子であり、伝送路特性調整回路2から印加される電圧V2を示す。作業者は、電圧計9を見ながら、各接点P42,P32の電圧が同じ値となるように、半固定ボリュームRv2を操作し、固定する。
作業者は、半固定ボリュームRv2を固定した後、可変容量ダイオードC11〜C14に接続された接点P52及び接点P32間を短絡するショートプラグ82を、接点P52及び接点P42間に付け替える。これにより、可変容量ダイオードC11〜C14,C21〜C24は、伝送路特性調整回路2の分離後も、電源Vo1,Vo2から電圧V1,V2がそれぞれ印加される。なお、接点同士の短絡手段としては、ショートプラグ81,82に限られず、例えばスイッチなどが用いられてもよい。
これまで述べたように、実施例に係る伝送路特性調整回路2は、生成部2aと、調整部2bとを有する。生成部2aは、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Sn(シングルエンド信号S)のエッジを検出することにより、信号Sp,Snと同じ波高値Vhの矩形波Soを生成する。調整部2bは、矩形波Soと信号Sp,Snの波形を比較し、当該比較結果に応じて、伝送路4a,4bの特性を変化させる回路素子(可変容量ダイオード)C11〜C14,C21〜C24に印加される電圧V1,V2を調整する。
上記の構成によると、伝送路特性調整回路2は、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Snから直接的に矩形波Soを生成する。このため、矩形波Soは、伝送路4a,4bの環境(温度や湿度など)、及び伝送路4a,4b上の位置(端点からの距離)に依存しない、信号Sp,Sn(シングルエンド信号S)の正確な比較対象となる基準波形として用いられる。調整部2bは、基準波形と信号Sp,Snの波形の比較結果に応じて、伝送路4a,4bに設けられた回路素子C11〜C14,C21〜C24に印加される電圧V1,V2を調整する。
したがって、実施例に係る伝送路特性調整回路2によると、伝送路特性を高精度に調整することができる。
また、実施例に係る伝送路特性調整装置1は、伝送路の特性を変化させる回路素子(可変容量ダイオード)C11〜C14,C21〜C24と、伝送路特性調整回路2とを有する。伝送路特性調整回路2は、生成部2aと、調整部2bとを有する。
生成部2aは、伝送路4a,4bを伝搬する信号Sp,Sn(シングルエンド信号S)のエッジを検出することにより、信号Sp,Snと同じ波高値Vhの矩形波Soを生成する。調整部2bは、矩形波Soと信号Sp,Snの波形を比較し、当該比較結果に応じて、伝送路4a,4bに設けられた回路素子(可変容量ダイオード)C11〜C14,C21〜C24に印加される電圧V1,V2を調整する。
実施例に係る伝送路特性調整装置1は、上記の伝送路特性調整回路2と同様の構成を含むので、上述した内容と同様の作用効果を奏する。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整回路。
(付記2) 前記生成部は、前記矩形波の波高値を前記信号と同じ値に調整するスライサを有することを特徴とする付記1に記載の伝送路特性調整回路。
(付記3) 前記電圧を外部に出力するための出力端子を、さらに有することを特徴とする付記1または2に記載の伝送路特性調整回路。
(付記4) 前記伝送路及び前記回路素子に対して着脱自在であることを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の伝送路特性調整回路。
(付記5) 伝送路の特性を変化させる回路素子と、
伝送路特性調整回路とを有し、
前記伝送路特性調整回路は、
前記伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整装置。
(付記6) 前記生成部は、前記矩形波の波高値を前記信号と同じ値に調整するスライサを有することを特徴とする付記5に記載の伝送路特性調整装置。
(付記7) 前記電圧を外部に出力するための出力端子を、さらに有することを特徴とする付記5または6に記載の伝送路特性調整装置。
(付記8) 前記伝送路特性調整回路は、前記伝送路及び前記回路素子に対して着脱自在であることを特徴とする付記5乃至7の何れかに記載の伝送路特性調整装置。
(付記1) 伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整回路。
(付記2) 前記生成部は、前記矩形波の波高値を前記信号と同じ値に調整するスライサを有することを特徴とする付記1に記載の伝送路特性調整回路。
(付記3) 前記電圧を外部に出力するための出力端子を、さらに有することを特徴とする付記1または2に記載の伝送路特性調整回路。
(付記4) 前記伝送路及び前記回路素子に対して着脱自在であることを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の伝送路特性調整回路。
(付記5) 伝送路の特性を変化させる回路素子と、
伝送路特性調整回路とを有し、
前記伝送路特性調整回路は、
前記伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整装置。
(付記6) 前記生成部は、前記矩形波の波高値を前記信号と同じ値に調整するスライサを有することを特徴とする付記5に記載の伝送路特性調整装置。
(付記7) 前記電圧を外部に出力するための出力端子を、さらに有することを特徴とする付記5または6に記載の伝送路特性調整装置。
(付記8) 前記伝送路特性調整回路は、前記伝送路及び前記回路素子に対して着脱自在であることを特徴とする付記5乃至7の何れかに記載の伝送路特性調整装置。
1 伝送路特性調整装置
2 伝送路特性調整回路
2a 生成部
2b 調整部
22 コンパレータ
24 スライサ
26 差分検出器
Pout 第1出力端子(出力端子)
C11〜C14,C21〜C24 可変容量ダイオード(回路素子)
2 伝送路特性調整回路
2a 生成部
2b 調整部
22 コンパレータ
24 スライサ
26 差分検出器
Pout 第1出力端子(出力端子)
C11〜C14,C21〜C24 可変容量ダイオード(回路素子)
Claims (5)
- 伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記伝送路の特性を変化させる回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整回路。 - 前記生成部は、前記矩形波の波高値を前記信号と同じ値に調整するスライサを有することを特徴とする請求項1に記載の伝送路特性調整回路。
- 前記電圧を外部に出力するための出力端子を、さらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送路特性調整回路。
- 前記伝送路及び前記回路素子に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の伝送路特性調整回路。
- 伝送路の特性を変化させる回路素子と、
伝送路特性調整回路とを有し、
前記伝送路特性調整回路は、
前記伝送路を伝搬する信号のエッジを検出することにより、前記信号と同じ波高値の矩形波を生成する生成部と、
前記矩形波と前記信号の波形を比較し、当該比較結果に応じて、前記回路素子に印加される電圧を調整する調整部とを有することを特徴とする伝送路特性調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014033008A JP2015159418A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | 伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置 |
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JP2014033008A JP2015159418A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | 伝送路特性調整回路及び伝送路特性調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015159418A true JP2015159418A (ja) | 2015-09-03 |
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ID=54183122
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Country Status (1)
Country | Link |
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- 2014-02-24 JP JP2014033008A patent/JP2015159418A/ja active Pending
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