以下、添付図面を参照して、測定装置1および測定方法の実施の形態について説明する。
まず、測定装置1の一例として電流測定機能のみを有する電流測定装置(以下、電流測定装置1ともいう)と、電流測定装置1に接続される複数の電流プローブ(以下、区別しないときには、「電流プローブCP」ともいう)の各構成について、図1を参照して説明する。
各電流プローブCPは、検出周波数帯域Bが同じ1つまたは2つ以上の電流センサ(2以上のときには同種(電気的特性の同じ)の電流センサ)CSと、同型のコネクタCNとをそれぞれ備えて構成されている。この場合、各電流プローブCPを構成する電流センサCSは、その検出周波数帯域Bが電流プローブCP毎に異なるように規定されている。電流プローブCPは、電流測定装置1に配設された後述の複数の入力部11のいずれに対しても着脱可能に構成されて、複数の入力部11のうちの任意の1つの入力コネクタ21にコネクタCNを接続した状態で使用される。この電流プローブCPでは、電流センサCSが、この電流プローブCPが装着された測定対象電線2に流れる測定電流I(測定電流Iを構成する周波数成分のうちの電流センサCS自身の検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分で構成される電流)を検出すると共に、この測定電流Iの電流値(電流レベル)に応じて電圧値(電圧レベル)が変化する電圧信号としての検出信号Viを生成して出力する。また、この検出信号Viは、コネクタCNを介して電流プローブCPの外部に出力される。
本例では一例として、電流測定装置1は、後述するように複数(一例として3つ)の入力部11を備え、異なる電流プローブCPを最大で3つ接続可能に構成されている。このため、図1に示すように、電流プローブCPとして3種類の電流プローブCP1,CP2,CP3が用意されている。なお、電流測定装置1に設けられた入力部11の数を超える種類の電流プローブCPを用意して、これらの電流プローブCPのうちから選択した2つ以上の電流プローブCPを入力部11に接続する構成を採用してもよいのは勿論である。
本例では、電流プローブCP1は、上記した検出信号Viとしての検出信号Vi1を出力する電流センサCS1を備えている。本例では一例として、電流センサCS1は、図2において実線で示される周波数特性A1(検出周波数帯域B1が直流から低周波数に亘り、この検出周波数帯域B1での利得が同図に示すような利得の周波数特性)を有するホール素子などの電流検出センサで構成されて、測定対象電線2に流れる測定電流Iの周波数成分のうちのこの検出周波数帯域B1に含まれる周波数成分を検出して、この周波数成分で構成される検出信号Vi1を出力する。
また、電流プローブCP2は、上記した検出信号Viとしての検出信号Vi2を出力する電流センサCS2を備えている。本例では一例として、電流センサCS2は、図2において破線で示される周波数特性A2(検出周波数帯域B2が低周波数から中周波数に亘り、この検出周波数帯域B2での利得が同図に示すような利得の周波数特性)を有するカレントトランスなどの電流検出センサで構成されて、測定対象電線2に流れる測定電流Iの周波数成分のうちのこの検出周波数帯域B2に含まれる周波数成分を検出して、この周波数成分で構成される検出信号Vi2を出力する。
また、電流プローブCP3は、上記した検出信号Viとしての検出信号Vi3を出力する電流センサCS3を備えている。本例では一例として、電流センサCS3は、図2において一点鎖線で示される周波数特性A3(検出周波数帯域B3が中周波数から高周波数に亘り、この検出周波数帯域B3での利得が同図に示すような利得の周波数特性)を有するロゴスキーコイルなどの電流検出センサで構成されて、測定対象電線2に流れる測定電流Iの周波数成分のうちのこの検出周波数帯域B3に含まれる周波数成分を検出して、この周波数成分で構成される検出信号Vi3を出力する。また、各電流プローブCPの変換率(検出信号Viの電圧レベルを測定電流Iの電流レベルで除算した値)は、基本的にまちまちであるものとする。本例では、各電流プローブCPの変換率は一例として互いに異なっているため、図2に示すように、各検出周波数帯域B1,B2,B3での利得(電圧利得)が互いに相違している。
なお、検出周波数帯域とは、図2に示すように、周波数特性がほぼフラットになる検出周波数帯域Bでの利得を基準として利得が6.02dB低下する(0.5倍になる)周波数を上限周波数または下限周波数(いずれもカットオフ周波数)とする周波数帯域をいうものとする。また、この電流プローブCP1,CP2,CP3は、その検出周波数帯域B1,B2,B3が互いに異なり、かつ周波数軸上において、低周波側から高周波側に向けて、一例として検出周波数帯域B1、検出周波数帯域B2および検出周波数帯域B3の順に並び、かつ隣接する2つの検出周波数帯域のすべて(この例では、2つの検出周波数帯域B1,B2と、2つの検出周波数帯域B2,B3)において、2つの検出周波数帯域のうちの低域側の検出周波数帯域の高帯域と、高域側の検出周波数帯域の低帯域とが重なるようにそれぞれ構成されている。一方、電流プローブCP1,CP3は、その検出周波数帯域B1,B3が互いに重ならないようにそれぞれ構成されている。
次いで、電流測定装置1の構成について説明する。
電流測定装置1は、図1に示すように、複数の入力部11(本例では一例として、上記した電流プローブCPの数に合わせて3つの入力部11a,11b,11c)、入力部11と同数のA/D変換部12(本例では一例として、3つのA/D変換部12a,12b,12c)、入力部11と同数のフィルタ13(本例では一例として、3つのフィルタ13a,13b,13c)、1つの信号加算部14、処理部15、記憶部16および出力部17を備えている。
各入力部11a,11b,11cは、複数の電流プローブCPのうちの任意の1つを接続可能な入力コネクタ(コネクタCNと接続可能なコネクタ)21と、入力コネクタ21を介して電流プローブCPから入力される検出信号Viを設定された増幅率で増幅して電圧信号Vnとして出力する増幅部22とをそれぞれ備えて、同一に構成されている。
具体的には、入力部11a,11b,11cは、入力コネクタ21aおよび増幅部22a、入力コネクタ21bおよび増幅部22b、並びに入力コネクタ21cおよび増幅部22cをそれぞれ備え、電圧信号Vn1,Vn2,Vn3を出力する。
また、各入力部11毎に配設された増幅部22a〜22cは、すべての電流プローブCPの電流センサCSについての検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分を、設定された増幅率で個別に増幅可能な広帯域増幅部として構成されている。これにより、各増幅部22は、検出信号Viのレベルに基づいて変化する後述する波形データDi1,Di2,Di3(信号加算部14で加算される被加算量)のレベル(大きさ)を個別に調整するレベル調整部として機能する。また、増幅部22a〜22cの各増幅率は、対応する入力コネクタ21a〜21cに電流プローブCPが接続されたときには、接続されている電流プローブCP1,CP2,CP3に対応して予め規定された増幅率α1,α2,α3に処理部15によって設定される。
具体的には、各増幅率α1,α2,α3は、各電流プローブCPの変換率がまちまちである状態において、入力部11aに接続された電流プローブCPで検出される測定電流Iをフィルタ13aから出力される被加算量としての波形データDi1に変換するための変換率と、入力部11bに接続された電流プローブCPで検出される測定電流Iをフィルタ13bから出力される被加算量としての波形データDi2に変換するための変換率と、入力部11cに接続された電流プローブCPで検出される測定電流Iをフィルタ13cから出力される被加算量としての波形データDi3に変換するための変換率とが一致するように、接続されている各電流プローブCPに対応して予め規定されている。
本例では一例として、各A/D変換部12の利得が揃えられており、また各フィルタ13の利得が揃えられている。このため、各増幅率α1,α2,α3は、各入力部11に接続された各電流プローブCPで検出される測定電流Iを各電圧信号Vnに変換する変換率が一致するように、各電流プローブCPに対応して予め規定されている。
これにより、図2において符号A1で示される周波数特性を有する電流プローブCP1から出力される検出信号Vi1は、この電流プローブCP1が接続された入力部11の増幅部22により、電流プローブCP1に対応する増幅率α1で電圧信号Vnに増幅される。この場合、電流プローブCP1およびこの入力部11の全体としての周波数特性(検出周波数帯域B1での利得)は、図3において符号E1で表されるように正規化される(一定の利得に規定される)。例えば、電流値I1が10Aの測定電流Iを検出したときに検出信号Vi1を0.8Vで出力する周波数特性(検出周波数帯域B1での利得(変換率))を電流プローブCP1が有しているときには、この電流プローブCP1が接続された入力部11の増幅部22は、その増幅率がα1に規定されることで、測定電流Iの電流値I1が10Aのときに電流プローブCP1から出力される0.8Vの検出信号Vi1を増幅率α1で増幅して、所定の電圧レベル(A/D変換部12の入力定格に含まれる電圧レベル。例えば、1V)の電圧信号Vnを出力する。
また、図2において符号A2で示される周波数特性を有する電流プローブCP2から出力される検出信号Vi2は、この電流プローブCP2が接続された入力部11の増幅部22により、電流プローブCP2に対応する増幅率α2で電圧信号Vnに増幅される。この場合、電流プローブCP2およびこの入力部11の全体としての周波数特性(検出周波数帯域B2での利得)は、図3において符号E2で表されるように正規化される(上記の符号E1で表される周波数特性と同じ利得に規定される)。例えば、電流値I1が10Aの測定電流Iを検出したときに検出信号Vi2を0.5Vで出力する周波数特性(検出周波数帯域B2での利得(変換率))を電流プローブCP2が有しているときには、この電流プローブCP2が接続された入力部11の増幅部22は、その増幅率がα2に規定されることで、測定電流Iの電流値I1が10Aのときに電流プローブCP2から出力される0.5Vの検出信号Vi2を増幅率α2で増幅して、所定の電圧レベル(A/D変換部12の入力定格に含まれる電圧レベル。例えば、1V)の電圧信号Vnを出力する。
また、図2において符号A3で示される周波数特性を有する電流プローブCP3から出力される検出信号Vi3は、この電流プローブCP3が接続された入力部11の増幅部22により、電流プローブCP3に対応する増幅率α3で電圧信号Vnに増幅される。この場合、電流プローブCP3およびこの入力部11の全体としての周波数特性(検出周波数帯域B3での利得)は、図3において符号E3で表されるように正規化される(上記の符号E1で表される周波数特性と同じ利得に規定される)。例えば、電流値I1が10Aの測定電流Iを検出したときに検出信号Vi3を0.6Vで出力する周波数特性(検出周波数帯域B3での利得(変換率))を電流プローブCP3が有しているときには、この電流プローブCP3が接続された入力部11の増幅部22は、その増幅率がα3に規定されることで、測定電流Iの電流値I1が10Aのときに電流プローブCP3から出力される0.6Vの検出信号Vi3を増幅率α3で増幅して、所定の電圧レベル(A/D変換部12の入力定格に含まれる電圧レベル。例えば、1V)の電圧信号Vnを出力する。
各A/D変換部12a,12b,12cは、入力した電圧信号Vn1,Vn2,Vn3を予め規定された同一周波数のサンプリングクロックでサンプリングすることにより、電圧信号Vn1,Vn2,Vn3についての信号波形を示す波形データDn1,Dn2,Dn3に変換して出力する。
各フィルタ13a,13b,13cは、本例では一例として、処理部15によって、周波数特性H(通過域Gでの利得および通過域Gの帯域(上限周波数および下限周波数(いずれもカットオフ周波数))、遷移域の減衰傾度、および減衰域の帯域など)が任意に設定可能なデジタルフィルタで構成されている。この場合、デジタルフィルタとしては、位相ひずみのないFIR(Finite Impulse Response)デジタルフィルタで構成するのが好ましい。これにより、信号加算部14において、各フィルタ13から出力される波形データDi(Di1,Di2,Di3)を位相ひずみのない状態で加算することが可能になっている。なお、各フィルタ13a,13b,13cは、DSP(Digital Signal Processor)で構成することができ、この場合、処理部15も併せてDSPで構成することもできる。
具体的には、フィルタ13aは、設定された周波数特性に基づいてA/D変換部12aから出力される波形データDn1に対するフィルタリング処理を実行して不要な周波数成分を減衰させることにより、波形データDi1を出力する。また、フィルタ13bは、設定された周波数特性に基づいてA/D変換部12bから出力される波形データDn2に対するフィルタリング処理を実行することにより、波形データDi2を出力する。また、フィルタ13cは、設定された周波数特性に基づいてA/D変換部12cから出力される波形データDn3に対するフィルタリング処理を実行することにより、波形データDi3を出力する。
この場合、各フィルタ13は、対応する入力部11(の入力コネクタ21)に電流プローブCPが接続されたときには、自らの周波数特性Hが、接続されている電流プローブCP(の検出周波数帯域B)に対応して予め規定された周波数特性、つまり、対応する入力コネクタ21に接続されている電流プローブCPの検出周波数帯域Bに含まれている周波数成分を主として通過させ、他の入力部11に接続されている他の電流プローブCPの検出周波数帯域Bに含まれている周波数成分については主として減衰させる周波数特性に、処理部15によって設定される。
この電流測定装置1では、使用される3つの電流プローブCP1,CP2,CP3のうちの電流プローブCP1に対応するフィルタの周波数特性を実現するためのフィルタデータDfcとして、図3に示すように、通過域G1が電流プローブCP1の検出周波数帯域B1内に含まれる周波数特性H1を実現するフィルタデータDfc1と、電流プローブCP2に対応するフィルタの周波数特性を実現するためのフィルタデータDfcとして、同図に示すように、通過域G2が電流プローブCP2の検出周波数帯域B2内に含まれる周波数特性H2を実現するフィルタデータDfc2と、電流プローブCP3に対応するフィルタの周波数特性を実現するためのフィルタデータDfcとして、同図に示すように、通過域G3が電流プローブCP3の検出周波数帯域B3内に含まれる周波数特性H3を実現するフィルタデータDfc3が記憶部16に記憶されている。なお、各フィルタ13の周波数特性H1,H2,H3について特に区別しないときには、周波数特性Hともいう。また、各周波数特性H1,H2,H3における通過域G1,G2,G3とは、周波数特性H1,H2,H3がほぼフラットになる周波数帯域での利得を基準として利得が6.02dB低下する(0.5倍になる)周波数を上限周波数または下限周波数とする周波数帯域をいうものとし、特に区別しないときには通過域Gともいう。
この場合、上記したように、各フィルタ13の周波数特性Hにおける通過域Gは、フィルタ13に対応する入力部11に接続されている電流プローブCPの検出周波数帯域B内に含まれることから、電流プローブCPと、この電流プローブCPが接続された入力部11、この後段のA/D変換部12およびフィルタ13で構成される測定系全体の測定周波数帯域は、最終段のフィルタ13の周波数特性Hで規定される。例えば、図1に示すように、入力部11bに電流プローブCP2を接続した測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13bの周波数特性を実現するためのフィルタデータDfcがフィルタデータDfc2になり、これによってフィルタ13bは周波数特性H2に規定される。
また、本例では一例として、図3に示すように、隣接する2つの検出周波数帯域B(本例では、検出周波数帯域B1,B2、検出周波数帯域B2,B3)のうちの低域側の検出周波数帯域内に規定された通過域Gにおける高周波側のカットオフ周波数と、高域側の検出周波数帯域内に規定された通過域Gにおける低周波側のカットオフ周波数とが同一に規定されている。具体的には、隣接する2つの検出周波数帯域B1,B2のうちの低域側の検出周波数帯域B1内に規定された通過域G1のカットオフ周波数fc1(フィルタ13aの周波数特性H1における高周波側のカットオフ周波数)が、この2つの検出周波数帯域B1,B2のうちの高域側の検出周波数帯域B2内に規定された通過域G2のカットオフ周波数fc1(フィルタ13bの周波数特性H2における低周波側のカットオフ周波数)と同一に規定されている。
また、隣接する他の2つの検出周波数帯域B2,B3のうちの低域側の検出周波数帯域B2内に規定された通過域G2のカットオフ周波数fc2(フィルタ13bの周波数特性H2における高周波側のカットオフ周波数)が、この2つの検出周波数帯域B2,B3のうちの高域側の検出周波数帯域B3内に規定された通過域G3のカットオフ周波数fc2(フィルタ13cの周波数特性H3における低周波側のカットオフ周波数)と同一に規定されている。
これにより、この電流測定装置1では、後述するように、電流プローブCP1,CP2,CP3を使用した場合には、電流プローブCP1,CP2,CP3は、全体として、図3に示すように、直流から高周波数(カットオフ周波数fc3)までの周波数帯域(通過域G1,G2,G3で構成される周波数帯域)において周波数特性がフラットな電流プローブとして機能する。また、電流プローブCP1,CP2を使用した場合には、電流プローブCP1,CP2は、全体として、図4に示すように、直流から中周波数(カットオフ周波数fc2)までの周波数帯域(通過域G1,G2で構成される周波数帯域)において周波数特性がフラットな電流プローブとして機能する。また、電流プローブCP2,CP3を使用した場合には、電流プローブCP2,CP3は、全体として、図5に示すように、低周波数(カットオフ周波数fc1)から高周波数(カットオフ周波数fc3)までの周波数帯域(通過域G2,G3で構成される周波数帯域)において周波数特性がフラットな電流プローブとして機能する。
信号加算部14は、電流プローブCPが接続されている入力部11と同じ測定系に含まれている各フィルタ13から出力される各被加算量としての各波形データDi(電流プローブCPがすべての入力部11に接続されているときには、すべてのフィルタ13から出力される波形データDi(Di1,Di2,Di3))で示される信号波形を加算すると共に、加算によって得られた信号波形を有する加算信号の波形データ(以下、加算波形データともいう)Dadを処理部15に出力する。
処理部15は、CPUなどを備えて構成されている。また、処理部15は、例えば、図1に示すように、電流測定装置1に設けられたインターフェース回路18を介して電流測定装置1の外部から入力されたり、または電流測定装置1に設けられた操作部19から入力されたりするプローブデータDcp(各入力部11への電流プローブCPの接続の有無、および電流プローブCPが接続されているときにはその種類(電流プローブCP1〜CP3のいずれであるか)を示すデータ)に基づいて、各入力部11のレベル調整部として機能する増幅部22a〜22cに対するレベル調整処理(本例では増幅率の設定処理)、および各フィルタ13a〜13cに対する周波数特性の設定処理を実行する。また、処理部15は、加算波形データDadに基づいて、測定電流Iの電流値I1を算出する電流算出処理を実行する。
記憶部16は、一例としてRAMなどの半導体メモリで構成されて、各電流プローブCPに対応して各増幅部22に設定する増幅率α、および各フィルタ13に対するフィルタデータDfcが各電流プローブCPに対応させて記憶されている。出力部17は、一例としてLCDなどの表示装置で構成されて、電流算出処理の結果を画面上に表示する。
次に、電流測定装置1の使用方法および動作について、電流測定方法と併せて、図面を参照して説明する。
(3つの電流プローブCPを使用してする実施の形態)
まず、測定対象電線2に流れている測定電流Iの電流値I1をどの周波数帯域の周波数成分まで考慮して測定するかに基づいて、電流測定装置1に接続する電流プローブCPを選定する。本例では一例として、測定電流Iについて、直流成分から高周波数までの各周波数成分を検出して、その電流値I1を測定する。このため、3つの電流プローブCP1,CP2,CP3のすべてを選定する。
次いで、選定した3つの電流プローブCP1,CP2,CP3を3つの入力部11a,11b,11cのうちのいずれかに1つずつ接続する。本例では一例として、図1に示すように、電流プローブCP1を入力部11aに接続し、電流プローブCP2を入力部11bに接続し、電流プローブCP3を入力部11cに接続する。また、各電流プローブCPの各入力部11への現在の接続状態を示すプローブデータDcpを例えば操作部19から処理部15に出力する。また、電流プローブCP1,CP2,CP3を共通の測定対象電線2に装着する。
処理部15は、プローブデータDcpを入力して、このプローブデータDcpに基づいて、入力部11aに電流プローブCP1が接続され、入力部11bに電流プローブCP2が接続され、入力部11cに電流プローブCP3が接続されていることを認識し、現在接続されている電流プローブCP1〜CP3に対応する増幅率α1,α2,α3およびフィルタデータDfc1,Dfc2,Dfc3を記憶部16から読み出す。
続いて、処理部15は、電流プローブCP1が接続されている入力部11aの増幅部22aに電流プローブCP1に対応する増幅率α1を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11aから出力される電圧信号Vn1に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13aの周波数特性を電流プローブCP1に対応するフィルタデータDfc1で実現される周波数特性H1に設定する設定処理を実行する。
同様にして、処理部15は、電流プローブCP2が接続されている入力部11bの増幅部22bに電流プローブCP2に対応する増幅率α2を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11bから出力される電圧信号Vn2に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13bの周波数特性を電流プローブCP2に対応するフィルタデータDfc2で実現される周波数特性H2に設定する設定処理を実行する。
また、処理部15は、電流プローブCP3が接続されている入力部11cの増幅部22cに電流プローブCP3に対応する増幅率α3を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11cから出力される電圧信号Vn3に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13cの周波数特性を電流プローブCP3に対応するフィルタデータDfc3で実現される周波数特性H3に設定する設定処理を実行する。
この各増幅部22a,22b,22cへの各増幅率α1,α2,α3の設定処理により、電流プローブCP1からフィルタ13aまでの測定系全体の変換率、電流プローブCP2からフィルタ13bまでの測定系全体の変換率、および電流プローブCP3からフィルタ13cまでの測定系全体の変換率は互いに一致させられる。なお、この測定系全体の変換率とは、信号加算部14での被加算量としての波形データDiで示される信号波形の電圧レベルを測定電流Iの電流レベルで除算した値である。
また、各フィルタ13a,13b,13cへの各周波数特性H1,H2,H3の設定処理により、電流プローブCP1が接続されている入力部11aを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13aの通過域G1に設定され、電流プローブCP2が接続されている入力部11bを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13bの通過域G2に設定され、電流プローブCP3が接続されている入力部11cを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13cの通過域G3に設定される。
この状態において、各電流プローブCP1,CP2,CP3は、測定対象電線2に流れている測定電流Iに含まれている周波数成分のうちの自らの検出周波数帯域B1,B2,B3に含まれている周波数成分を検出して、検出信号Vi1,Vi2,Vi3を電流測定装置1に出力する。この場合、電流プローブCP1,CP2,CP3の検出周波数帯域B1,B2,B3は、図2,3に示すように、互いに異なり、かつ周波数軸上において、低周波側から高周波側に向けて、検出周波数帯域B1,B2,B3の順に並び、かつ隣接する2つの検出周波数帯域(2つの検出周波数帯域B1,B2と、2つの検出周波数帯域B2,B3)において、2つの検出周波数帯域のうちの低域側の検出周波数帯域の高帯域と、高域側の検出周波数帯域の低帯域とが重なるように規定されている。このため、各電流プローブCP1,CP2,CP3は、全体として、直流から高周波数に亘る広い周波数特性を有する電流プローブとして機能して、測定対象電線2に流れている測定電流Iの周波数成分を精度良く検出して電流測定装置1に出力する。
この電流測定装置1では、各電流プローブCP1,CP2,CP3から出力される検出信号Vi1,Vi2,Vi3について、各入力部11a,11b,11cは、設定された各増幅率α1,α2,α3で電圧信号Vn1,Vn2,Vn3に増幅して出力する。この場合、入力部11a,11b,11cにおける増幅部22a,22b,22cの各増幅率α1,α2,α3が上記のようにして各電流プローブCP1,CP2,CP3で検出される測定電流Iを各波形データDi1,Di2,Di3に変換するための各変換率が一致するように規定されているため(この例では、上記したように、各A/D変換部12の利得が揃えられ、かつ各フィルタ13の利得が揃えられている状態において、各増幅率α1,α2,α3が、各入力部11に接続された各電流プローブCPで検出される測定電流Iを各電圧信号Vnに変換する変換率が一致するように規定されているため)、各電流プローブCP1,CP2,CP3で検出される測定電流Iの周波数成分を増幅したものである電圧信号Vn1,Vn2,Vn3についての各周波数特性は、図3において符号E1,E2,E3の周波数特性で示されるように正規化された状態になる。つまり、測定電流Iに含まれる周波数成分のうちの検出周波数帯域B1,B2,B3に含まれている周波数成分の電圧レベルが同じときには、電圧信号Vn1,Vn2,Vn3の電圧レベルが揃った状態で出力される。
この際に、各A/D変換部12a,12b,12cが、入力した電圧信号Vn1,Vn2,Vn3を同じ周波数のサンプリングクロックでサンプリングすることにより、波形データDn1,Dn2,Dn3に変換して、各フィルタ13a,13b,13cにそれぞれ出力する。
次いで、各フィルタ13a,13b,13cが、入力した波形データDn1,Dn2,Dn3に対して、設定された周波数特性H1,H2,H3でフィルタリング処理を実行して不要な周波数成分を減衰させることにより、波形データDi1,Di2,Di3を出力する。
この場合、図3に示すように、フィルタ13aは、電流プローブCP1の検出周波数帯域B1内に含まれている周波数成分のうちの通過域G1に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G1以外の帯域の周波数成分については減衰させることにより、主として電流プローブCP1の検出周波数帯域B1内に含まれる周波数成分で構成される波形データDi1を出力する。また、フィルタ13bは、電流プローブCP2の検出周波数帯域B2内に含まれている周波数成分のうちの通過域G2(下限周波数が通過域G1の上限周波数と連続する通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G2以外の帯域の周波数成分については減衰させることにより、主として電流プローブCP2の検出周波数帯域B2内に含まれる周波数成分で構成される波形データDi2を出力する。また、フィルタ13cは、電流プローブCP3の検出周波数帯域B3内に含まれている周波数成分のうちの通過域G3(下限周波数が通過域G2の上限周波数と連続する通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G3以外の帯域の周波数成分については減衰させることにより、主として電流プローブCP3の検出周波数帯域B3内に含まれる周波数成分で構成される波形データDi3を出力する。
続いて、信号加算部14が、各フィルタ13a,13b,13cから出力される波形データDi1,Di2,Di3で示される信号波形を被加算量として加算すると共に、加算によって得られた加算信号の信号波形についての加算波形データDadを処理部15に出力する。
次いで、処理部15は、電流算出処理を実行して、入力した加算波形データDadに基づいて、測定電流Iの電流値I1を算出して、出力部17に出力する。出力部17は、この電流算出処理の結果(電流値I1)を画面上に表示する。これにより、このようにして3つの電流プローブCP1,CP2,CP3を入力部11に接続することにより、この電流測定装置1では、測定電流Iについての直流成分から高周波数までの各周波数成分(互いに連続する各通過域G1,G2,G3に含まれる周波数成分)に基づいて、その電流値I1を精度良く測定することが可能になっている。
(2つの電流プローブCPを使用してする実施の形態)
また、この電流測定装置1では、測定電流Iについて、直流成分から中周波数までの各周波数成分を検出して、その電流値I1を測定することもできる。この際には、2つの電流プローブCP1,CP2を選定して、3つの入力部11のうちのいずれか2つに接続する。例えば、電流プローブCP1を入力部11bに接続し、電流プローブCP2を入力部11cに接続する。また、この各電流プローブCP1,CP2の入力部11b,11cへの接続状態を示すプローブデータDcpを例えば操作部19から処理部15に出力する。
これにより、処理部15は、このプローブデータDcpに基づいて、入力部11bに電流プローブCP1が接続され、入力部11cに電流プローブCP2が接続されていることを認識し、現在接続されている電流プローブCP1,CP2に対応する増幅率α1,α2およびフィルタデータDfc1,Dfc2を記憶部16から読み出す。
また、処理部15は、電流プローブCP1が接続されている入力部11bの増幅部22bに電流プローブCP1に対応する増幅率α1を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11bから出力される電圧信号Vn2に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13bの周波数特性を電流プローブCP1に対応するフィルタデータDfc1で実現される周波数特性H1に設定する設定処理を実行する。
同様にして、処理部15は、電流プローブCP2が接続されている入力部11cの増幅部22cに電流プローブCP2に対応する増幅率α2を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11cから出力される電圧信号Vn3に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13cの周波数特性を電流プローブCP2に対応するフィルタデータDfc2で実現される周波数特性H2に設定する設定処理を実行する。
これにより、この電流測定装置1では、電流プローブCP1からフィルタ13bまでの測定系全体の変換率、および電流プローブCP2からフィルタ13cまでの測定系全体の変換率は互いに一致させられる。また、電流プローブCP1が接続されている入力部11bを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13bの通過域G1に設定され、電流プローブCP2が接続されている入力部11cを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13cの通過域G2(下限周波数が通過域G1の上限周波数と一致して、通過域G1と連続する通過域)に設定される。
この状態において、各電流プローブCP1,CP2は、測定対象電線2に流れている測定電流Iのうちの自らの検出周波数帯域B1,B2に含まれている周波数成分を検出して、検出信号Vi1,Vi2を電流測定装置1の入力部11b,11cに出力する。この場合、電流プローブCP1,CP2の検出周波数帯域B1,B2は、図4に示すように、互いに異なり、かつ周波数軸上において、低周波側から高周波側に向けて、検出周波数帯域B1,B2の順に並び、かつ2つの検出周波数帯域B1,B2のうちの低域側の検出周波数帯域B1の高帯域と高域側の検出周波数帯域B2の低帯域とが重なるように規定されている。このため、各電流プローブCP1,CP2は、全体として、直流から中周波数に亘る周波数特性を有する電流プローブとして機能して、測定対象電線2に流れている測定電流Iの周波数成分を精度良く検出して出力する。
この電流測定装置1では、入力部11b,11cにおける増幅部22b,22cの各増幅率が、接続されている電流プローブCP1,CP2に対応する増幅率α1,α2に規定されている。これにより、各電流プローブCP1,CP2で検出される測定電流Iを各波形データDi2,Di3に変換するための各変換率が一致するように規定されているため、各電流プローブCP1,CP2で検出される測定電流Iの周波数成分を増幅したものである電圧信号Vn2,Vn3についての各周波数特性は、図4において符号E1,E2の周波数特性で示されるように正規化された状態になる。
また、各フィルタ13b,13cの周波数特性は、それぞれの測定系の入力部11b,11cに接続されている電流プローブCP1,CP2の検出周波数帯域B1,B2に対応して周波数特性H1,H2に規定されている。このため、フィルタ13bは、電流プローブCP1の検出周波数帯域B1内に含まれている周波数成分のうちの通過域G1(直流から低周波数に亘る通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G1以外の帯域の周波数成分については減衰させる。また、フィルタ13cは、電流プローブCP2の検出周波数帯域B2内に含まれている周波数成分のうちの通過域G2(低周波数から中周波数に亘る通過域であって、下限周波数が通過域G1の上限周波数と一致する通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G2以外の帯域の周波数成分については減衰させる。
また、信号加算部14が、電流プローブCP1,CP2が接続されている入力部11b,11cと同じ測定系に含まれているフィルタ13b,13cから出力される波形データDi2,Di3で示される信号波形を加算すると共に、加算によって得られた信号波形の加算波形データDadを処理部15に出力する。また、処理部15は、電流算出処理を実行して、入力した加算波形データDadに基づいて、測定電流Iの電流値I1を算出して、出力部17に出力する。したがって、この電流測定装置1では、電流プローブCP1,CP2が接続されることにより、測定電流Iについての直流成分から中周波数までの各周波数成分に基づいて、その電流値I1を精度良く測定することが可能になっている。
(2つの電流プローブCPを使用してする他の実施の形態)
また、この電流測定装置1では、測定電流Iについて、低周波数から高周波数までの各周波数成分を検出して、その電流値I1を測定することもできる。この際には、2つの電流プローブCP2,CP3を選定して、3つの入力部11のうちのいずれか2つに接続する。例えば、電流プローブCP2を入力部11aに接続し、電流プローブCP3を入力部11bに接続する。また、この各電流プローブCP2,CP3の入力部11a,11bへの接続状態を示すプローブデータDcpを例えば操作部19から処理部15に出力する。
これにより、処理部15は、このプローブデータDcpに基づいて、入力部11aに電流プローブCP2が接続され、入力部11bに電流プローブCP3が接続されていることを認識し、現在接続されている電流プローブCP2,CP3に対応する増幅率α2,α3およびフィルタデータDfc2,Dfc3を記憶部16から読み出す。
また、処理部15は、電流プローブCP2が接続されている入力部11aの増幅部22aに電流プローブCP2に対応する増幅率α2を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11aから出力される電圧信号Vn1に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13aの周波数特性を電流プローブCP2に対応するフィルタデータDfc2で実現される周波数特性H2に設定する設定処理を実行する。
同様にして、処理部15は、電流プローブCP3が接続されている入力部11bの増幅部22bに電流プローブCP3に対応する増幅率α3を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11bから出力される電圧信号Vn2に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13bの周波数特性を電流プローブCP3に対応するフィルタデータDfc3で実現される周波数特性H3に設定する設定処理を実行する。
これにより、この電流測定装置1では、電流プローブCP2からフィルタ13aまでの測定系全体の変換率、および電流プローブCP3からフィルタ13bまでの測定系全体の変換率は互いに一致させられる。また、電流プローブCP2が接続されている入力部11aを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13aの通過域G2に設定され、電流プローブCP3が接続されている入力部11bを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13bの通過域G3(下限周波数が通過域G2の上限周波数と一致して、通過域G2と連続する通過域)に設定される。
この状態において、各電流プローブCP2,CP3は、測定対象電線2に流れている測定電流Iのうちの自らの検出周波数帯域B2,B3に含まれている周波数成分を検出して、検出信号Vi2,Vi3を電流測定装置1の入力部11a,11bに出力する。この場合、電流プローブCP2,CP3の検出周波数帯域B2,B3は、図5に示すように、互いに異なり、かつ周波数軸上において、低周波側から高周波側に向けて、検出周波数帯域B2,B3の順に並び、かつ2つの検出周波数帯域B2,B3のうちの低域側の検出周波数帯域B2の高帯域と、高域側の検出周波数帯域B3の低帯域とが重なるように規定されている。このため、各電流プローブCP2,CP3は、全体として、低周波数から高周波数に亘る周波数特性を有する電流プローブとして機能して、測定対象電線2に流れている測定電流Iの周波数成分を精度良く検出して出力する。
この電流測定装置1では、入力部11a,11bにおける増幅部22a,22bの各増幅率が、接続されている電流プローブCP2,CP3に対応する増幅率α2,α3に規定されている。これにより、各電流プローブCP2,CP3で検出される測定電流Iを各波形データDi1,Di2に変換するための各変換率が一致するように規定されているため、各電流プローブCP2,CP3で検出される測定電流Iの周波数成分を増幅したものである電圧信号Vn1,Vn2についての各周波数特性は、図5において符号E2,E3の周波数特性で示されるように正規化された状態になる。
また、各フィルタ13a,13bの周波数特性は、それぞれの測定系の入力部11a,11bに接続されている電流プローブCP2,CP3の検出周波数帯域B2,B3に対応して周波数特性H2,H3に規定されている。このため、フィルタ13aは、電流プローブCP2の検出周波数帯域B2内に含まれている周波数成分のうちの通過域G2(低周波数から中周波数に亘る通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G2以外の帯域の周波数成分については減衰させる。また、フィルタ13bは、電流プローブCP3の検出周波数帯域B3内に含まれている周波数成分のうちの通過域G3(中周波数から高周波数に亘る通過域であって、下限周波数が通過域G2の上限周波数と一致する通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G3以外の帯域の周波数成分については減衰させる。
また、信号加算部14が、電流プローブCP2,CP3が接続されている入力部11a,11bと同じ測定系に含まれているフィルタ13a,13bから出力される波形データDi1,Di2で示される信号波形を加算すると共に、加算によって得られた信号波形の加算波形データDadを処理部15に出力する。また、処理部15は、電流算出処理を実行して、入力した加算波形データDadに基づいて、測定電流Iの電流値I1を算出して、出力部17に出力する。したがって、この電流測定装置1では、電流プローブCP2,CP3が接続されることにより、測定電流Iについての低周波数から高周波数までの各周波数成分に基づいて、その電流値I1を精度良く測定することが可能になっている。
(2つの電流プローブCPを使用してする他の実施の形態)
また、この電流測定装置1では、測定電流Iについて、直流成分から低周波数までの周波数成分と、中周波数から高周波数までの周波数成分とを検出して、その電流値I1を測定することもできる。この際には、2つの電流プローブCP1,CP3を選定して、3つの入力部11のうちのいずれか2つに接続する。例えば、電流プローブCP1を入力部11aに接続し、電流プローブCP3を入力部11cに接続する。また、この各電流プローブCP1,CP3の入力部11a,11cへの接続状態を示すプローブデータDcpを例えば操作部19から処理部15に出力する。
これにより、処理部15は、このプローブデータDcpに基づいて、入力部11aに電流プローブCP1が接続され、入力部11cに電流プローブCP3が接続されていることを認識し、現在接続されている電流プローブCP1,CP3に対応する増幅率α1,α3およびフィルタデータDfc1,Dfc3を記憶部16から読み出す。
また、処理部15は、電流プローブCP1が接続されている入力部11aの増幅部22aに電流プローブCP1に対応する増幅率α1を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11aから出力される電圧信号Vn1に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13aの周波数特性を電流プローブCP1に対応するフィルタデータDfc1で実現される周波数特性H1に設定する設定処理を実行する。
同様にして、処理部15は、電流プローブCP3が接続されている入力部11cの増幅部22cに電流プローブCP3に対応する増幅率α3を設定する設定処理を実行すると共に、この入力部11cから出力される電圧信号Vn3に対するフィルタリング処理を実行するフィルタ13cの周波数特性を電流プローブCP3に対応するフィルタデータDfc3で実現される周波数特性H3に設定する設定処理を実行する。
これにより、この電流測定装置1では、電流プローブCP1からフィルタ13aまでの測定系全体の変換率、および電流プローブCP3からフィルタ13cまでの測定系全体の変換率は互いに一致させられる。また、電流プローブCP1が接続されている入力部11aを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13aの通過域G1に設定され、電流プローブCP3が接続されている入力部11cを含む測定系全体の測定周波数帯域は、この測定系を構成するフィルタ13cの通過域G3(下限周波数が通過域G1の上限周波数と一致せず、通過域G1と不連続な通過域)に設定される。
この状態において、各電流プローブCP1,CP3は、測定対象電線2に流れている測定電流Iのうちの自らの検出周波数帯域B1,B3に含まれている周波数成分を検出して、検出信号Vi1,Vi3を電流測定装置1の入力部11a,11cに出力する。この場合、電流プローブCP1,CP3の検出周波数帯域B1,B3は、図6に示すように、互いに異なり、かつ周波数軸上において、低周波側から高周波側に向けて、検出周波数帯域B1,B3の順に並び、かつ隣接する2つの検出周波数帯域B1,B3において、2つの検出周波数帯域B1,B3のうちの低域側の検出周波数帯域B1の高帯域と、高域側の検出周波数帯域B3の低帯域とが重ならないように規定されている。このため、各電流プローブCP1,CP3は、全体として、直流から低周波数に亘る周波数特性と、中周波数から高周波数に亘る周波数特性とを有する電流プローブとして機能して、測定対象電線2に流れている測定電流Iの周波数成分を精度良く検出して出力する。
この電流測定装置1では、入力部11a,11cにおける増幅部22a,22cの各増幅率が、接続されている電流プローブCP1,CP3に対応する増幅率α1,α3に規定されている。これにより、各電流プローブCP1,CP3で検出される測定電流Iを各波形データDi1,Di3に変換するための各変換率が一致するように規定されているため、各電流プローブCP1,CP3で検出される測定電流Iの周波数成分を増幅したものである電圧信号Vn1,Vn3についての各周波数特性は、図6において符号E1,E3の周波数特性で示されるように正規化された状態になる。
また、各フィルタ13a,13cの周波数特性は、それぞれの測定系の入力部11a,11cに接続されている電流プローブCP1,CP3の検出周波数帯域B1,B3に対応して周波数特性H1,H3に規定されている。このため、フィルタ13aは、電流プローブCP1の検出周波数帯域B1内に含まれている周波数成分のうちの通過域G1(直流から低周波数に亘る通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G1以外の帯域の周波数成分については減衰させる。また、フィルタ13cは、電流プローブCP3の検出周波数帯域B3内に含まれている周波数成分のうちの通過域G3(中周波数から高周波数に亘る通過域であって、下限周波数が通過域G1の上限周波数よりも高い通過域)に含まれている周波数成分についてのみを通過させ、この通過域G3以外の帯域の周波数成分については減衰させる。
また、信号加算部14が、電流プローブCP1,CP3が接続されている入力部11a,11cと同じ測定系に含まれているフィルタ13a,13cから出力される波形データDi1,Di3で示される信号波形を加算すると共に、加算によって得られた信号波形の加算波形データDadを処理部15に出力する。また、処理部15は、電流算出処理を実行して、入力した加算波形データDadに基づいて、測定電流Iの電流値I1を算出して、出力部17に出力する。したがって、この電流測定装置1では、電流プローブCP1,CP3が接続されることにより、測定電流Iについての直流から低周波数までの各周波数成分と、中周波数から高周波数までの各周波数成分とに基づいて、その電流値I1を精度良く測定することが可能になっている。
なお、電流プローブCP1,CP3のように、互いの検出周波数帯域B1,B3が重ならない複数の電流プローブCPを使用する場合には、電流プローブCP1の測定系のフィルタ13aにおいて、通過させる周波数成分を上記のように検出周波数帯域B1内に含まれる周波数成分に制限してもよいが制限しなくてもよく、また電流プローブCP3の測定系のフィルタ13cにおいても、通過させる周波数成分を検出周波数帯域B3内に含まれる周波数成分に制限してもよいが制限しなくてもよい。このように、各フィルタ13a,13cにおいて周波数成分を制限しないときには、処理部15が、各フィルタ13a,13cに対して直流から高周波までに亘る全周波数域を通過域とするプローブデータDcpを設定する(言い換えれば、直流から高周波までに亘る全周波数域に含まれる周波数成分を減衰させないで通過させるように各フィルタ13a,13cを設定する)構成を採用することもできる。つまり、各フィルタ13a,13cを省くことができる。
このように、この電流測定装置1および電流測定方法では、検出周波数帯域Bが互いに異なる複数の電流プローブCP(具体的には、各電流プローブCPは、検出周波数帯域Bが同じ1つまたは2以上の電流センサで構成されて、この電流センサの検出周波数帯域Bが電流プローブCP毎に異なることで、電流プローブCPとしての検出周波数帯域Bが互いに異なる複数の電流プローブCP)を共通の測定対象電線2に装着し、入力部11に接続された複数の電流プローブCPから出力される検出信号Viに基づく被加算量(波形データDi)を信号加算部14が加算して加算信号(本例では加算信号の信号波形を示す加算波形データDad)とし、この加算信号に基づいて処理部15が測定対象電線2に流れる測定電流Iの電流値I1を算出する。
したがって、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、測定電流Iの周波数成分のうちの各電流プローブCPの検出周波数帯域Bで規定される所望の周波数帯域(各検出周波数帯域Bを加算した加算周波数帯域)に含まれる周波数成分に基づいて測定対象電線2に流れている測定電流Iの電流値I1を測定することができる。この場合、周波数帯域が同じ1つまたは2つ以上の電流センサで構成された電流プローブCPは、周波数帯域の異なる複数の電流センサを一体化して構成された電流プローブと比較して、機構的な制約や電気的な制約を受けない結果、検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分をより精度良く検出することができる。これにより、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、周波数帯域が同じ1つまたは2つ以上の電流センサでそれぞれが構成されると共に検出周波数帯域Bが互いに異なる複数の電流プローブCPを使用することで、各電流プローブCPにおいて高い精度で検出される測定電流Iの各検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分(所望の周波数帯域に含まれる周波数成分)に基づいて、測定の精度を高めつつ、周波数帯域の異なる複数の電流センサを一体化して構成された電流プローブを使用したときと同じように、所望の広い周波数帯域に含まれる周波数成分に基づいて測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
また、この電流測定装置1および電流測定方法では、各被加算量(各波形データDi)のレベルをレベル調整部として機能する増幅部22で個別に調整し、この調整された各被加算量を加算する。したがって、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、変換率の異なる電流プローブCPを使用しつつ、複数の電流プローブCPから出力される検出信号Viを被加算量に変換するための変換率を一致させた状態で、各被加算量を加算することができるため、各電流プローブCPにおいて高い精度で検出される測定電流Iの各検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分(所望の周波数帯域に含まれる周波数成分)に基づいて、測定の精度を高めつつ測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
また、この電流測定装置1および電流測定方法では、各検出信号Viを個別に増幅する増幅部22を用いてこの増幅部22の増幅率を変更することにより、各被加算量(各波形データDi)のレベルを個別に調整する。したがって、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、増幅部22を用いるという簡易な手法で、複数の電流プローブCPから出力される検出信号Viを被加算量に変換するための変換率を確実に一致させることができる。
また、この電流測定装置1および電流測定方法では、各検出信号Viのうちの検出周波数帯域Bが隣接する2つの電流プローブCPから出力される2つの検出信号Viについては、それぞれの通過域Gが対応する電流プローブCPの検出周波数帯域B内に含まれると共に互いに連続する2つのフィルタ13でフィルタリング処理する。
したがって、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、検出周波数帯域Bのうちの互いに隣接する2つの検出周波数帯域Bが、低域側の検出周波数帯域Bの高帯域と、高域側の検出周波数帯域Bの低帯域とが重なるかまたは接するようにそれぞれ規定された電流プローブCPを各入力部11に複数接続することで、各フィルタ13で対応する電流プローブCPの検出周波数帯域B外のノイズなどの信号成分を除去しつつ、連続する複数の通過域Gで規定される所望の広い周波数帯域に含まれる測定電流Iの周波数成分に基づいて、測定の精度をより高めつつ測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
また、この電流測定装置1および電流測定方法では、隣接する2つの検出周波数帯域Bのうちの低域側の検出周波数帯域B内に含まれている通過域Gの高周波側のカットオフ周波数が、この隣接する2つの検出周波数帯域Bのうちの高域側の検出周波数帯域B内に含まれている通過域Gの低周波側のカットオフ周波数と同一に規定されている2つのフィルタ13(通過域Gが互いに連続する2つのフィルタ13)でフィルタリング処理する。
したがって、この電流測定装置1および電流測定方法によれば、通過域Gが連続する2つのフィルタ13についての利得を、それぞれの通過域G全体に亘ってフラットな状態にすることができるため、2つの通過域Gの境界部分の周波数成分についても正確に検出して測定電流Iの電流値I1を一層高精度で測定することができる。
なお、上記の例では、2つのフィルタ13の通過域Gを互いに連続させる場合に、低域側の通過域Gの高周波側のカットオフ周波数を、高域側の通過域Gの低周波側のカットオフ周波数と同一に規定することによって連続させる好ましい構成を採用しているが、低域側の通過域Gの高周波側のカットオフ周波数が、高域側の通過域Gの低周波側のカットオフ周波数よりも高い周波数になるようにして連続させる構成を採用することもできる。
また、上記の例では、各入力部11に増幅部22を配設することにより、変換率がまちまちな電流プローブCPを使用しつつも、電流プローブCP1からフィルタ13aまでの測定系全体の変換率、電流プローブCP2からフィルタ13bまでの測定系全体の変換率、および電流プローブCP3からフィルタ13cまでの測定系全体の変換率を互いに一致させる構成を採用しているが、この構成に代えて、各A/D変換部12の後段にレベル調整部としてのデジタル増幅部を配設して波形データDnを増幅する構成や、各フィルタ13の後段にレベル調整部としてのデジタル増幅部を配設して波形データDiを増幅する構成を採用して、各電流プローブCPからフィルタ13までの測定系全体の変換率を一致させる構成を採用することもできる。また、利得を変更する機能を有するA/D変換部12やフィルタ13を使用する構成においては、A/D変換部12やフィルタ13自体をレベル調整部として機能させてその利得を変更することにより、各電流プローブCPからフィルタ13までの測定系全体の変換率を一致させる構成を採用することもできる。
また、使用し得る複数の電流プローブCPの変換率が予め揃えられていることにより、各電流プローブCPからフィルタ13までの測定系全体の変換率についても一致しているときには、増幅部22やデジタル増幅部などのレベル調整部を省略する構成を採用することもできる。
また、一例として3つの電流プローブCPを使用する構成を例に挙げて説明したが、使用し得る電流プローブCPの数が2つであってもよいし、4つ以上であってもよいのは勿論である。また、各入力部11の数も2つ以上であれば、3つに限定されず、4つ以上であってもよいのは勿論である。また、各入力部11に接続する複数の電流プローブCPについてのプローブデータDcpを電流測定装置1の外部から入力したり、電流測定装置1に設けられた操作部から入力したりする構成に代えて、各入力部11に電流プローブCPの接続の有無を検出すると共に、接続を検出したときには接続された電流プローブを特定する機能を設けて、処理部15が、各入力部11を介して、接続された電流プローブCPの接続箇所(接続された入力部11)および種類を自動的に検出するようにすることもできる。
また、上記の例では、フィルタ13に設定する周波数特性を電流プローブCP毎に固定的に規定しているが、入力部11に接続される電流プローブCPの組み合わせに応じて、フィルタ13に設定する周波数特性Hを電流プローブCPの検出周波数帯域Bの範囲内で変える構成を採用することもできる。例えば、図5に示す電流プローブCP2,CP3を組み合わせて使用する構成では、電流プローブCP1がないため、電流プローブCP2に対応するフィルタ13の通過域G2における低周波側のカットオフ周波数fc1を電流プローブCP1に対応するフィルタ13の通過域G1における高周波側のカットオフ周波数と一致させる必要がない。また、図5において実線で示すフィルタ13の通過域G2の低周波側のカットオフ周波数fc1に対して、電流プローブCP2の検出周波数帯域Bは低域側に余裕がある。このため、フィルタ13の通過域G2の低周波側のカットオフ周波数fc1がより低い周波数になるような周波数特性H(図5において破線で示す周波数特性H)をフィルタ13に設定して、通過域G2をより広げるようにすることもできる。
また、この電流測定装置1では、上記したように、インターフェース回路18や操作部19から入力されて記憶部16に記憶されているプローブデータDcpに基づいて、各入力部11のレベル調整部として機能する増幅部22に対するレベル調整処理、および各フィルタ13に対する周波数特性の設定処理が処理部15によって実行される。このため、特開2012−242125号公報に開示されている波形測定装置とは異なり、一方の波形測定器で測定される一方の波形の周波数帯域(狭帯域)が他方の波形測定器で測定される他方の波形の周波数帯域(広帯域)に含まれるように規定しなければならないという制約がないために、図3〜6に示すような電流プローブCPの各組み合わせ(特に、図6に示す電流プローブCPの組み合わせ)が可能であると共に、他方の波形測定器で測定された他方の波形についての第2の波形データ(広帯域で、確度が低い波形データ)のうちの一方の波形測定器で測定された一方の波形についての第1の波形データ(狭帯域で、確度の高い波形データ)と同じ周波数帯域の成分と、第1の波形データとに基づいて、第1の波形データを基準としたときの第2の波形データの誤差を演算し、かつ演算して得られたこの誤差で第2の波形データを補正するといった複雑な処理の実行を不要にすることが可能になっている。
また、各フィルタ13をデジタルフィルタで構成する例について上記したが、演算増幅器などを使用しつつ、周波数特性の上限周波数や下限周波数をコンデンサや抵抗やインダクタンスの値を切替スイッチで切り替えることによって変更し得るようなアナログ回路で各フィルタ13を構成することもできる。この構成を採用したときには、不要な各A/D変換部12を省略することができる。
また、測定電流Iの電流レベルに応じて電圧値が変化する検出信号Viを出力する電流プローブCPを使用する構成の電流測定装置1について説明したが、図1に示す構成において、各増幅部22として、入力している電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換して出力する増幅部をレベル調整部として使用することにより、測定電流Iの電流レベルに応じて電流値が変化する検出信号Viを出力する電流プローブCPを使用する構成にすることもできる。
また、A/D変換器を内蔵することによって測定電流Iの電流レベルに応じてデジタル値が変化する電流データを出力する電流プローブCPを使用する電流測定装置1の場合には、図1に示す構成のうちの増幅部22およびA/D変換部12を省いて、入力コネクタ21とフィルタ13との間にデジタル増幅部を配設する構成や、フィルタ13の後段にデジタル増幅部を配設する構成を採用する。これらの構成を採用した電流測定装置によっても、上記した電流測定装置1と同様にして、このデジタル増幅部の増幅率を変更することにより、複数の電流プローブCPについての測定電流Iを被加算量(本例では波形データDi)に変換するための変換率を一致させることができる。したがって、この電流測定装置および電流測定方法によっても、変換率の異なる電流プローブCPを使用しつつ、各電流プローブCPにおいて高い精度で検出される測定電流Iの各検出周波数帯域Bに含まれる周波数成分に基づいて、測定の精度を高めつつ測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
また、測定装置1として、測定対象電線2に流れる測定電流Iを測定する電流測定機能のみを有する電流測定装置1を例に挙げて説明したが、電流測定装置1と同じ電流測定機能と共に他の物理量を測定する機能を備えた測定装置もこの測定装置1に含まれるのは勿論である。例えば、電流測定装置1と同じ電流測定機能と共に他の物理量としての電圧を測定する電圧測定機能を有して、測定した電流と電圧とに基づいて電力を測定する電力計もこの測定装置1に含まれる。また、電流測定装置1と同じ電流測定機能と共に他の物理量としての電圧を測定する電圧測定機能を有して、測定した電流と電圧とに基づいて抵抗を測定する抵抗計もこの測定装置1に含まれる。