JP2015156253A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

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理愛子 高橋
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    • H10K50/19Tandem OLEDs

Abstract

【課題】整流比や歩留まりを向上させ、素子エッジ部分の輝度ムラを抑制した有機EL素子を提供する。
【解決手段】有機EL素子1は、対向する陽極4と陰極12との間に、発光ユニット6,10と中間コネクタ層8とを有し、中間コネクタ層8の投影面積が、中間コネクタ層8の陽極側と陰極側とに位置する隣接層6a,10aの投影面積より小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、基材上に形成された一対の陽極と陰極との間に、有機発光物質を含有する厚さ僅か0.1μm程度の有機化合物層で構成された薄膜型の全固体素子である。この様な有機EL素子に2〜20V程度の比較的低い電圧を印加すると、有機化合物層に陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発光が得られることが知られており、次世代の平面ディスプレイや照明として期待されている技術である(非特許文献1参照)。
有機EL素子の寿命は、注入された電荷に影響を受けるので、初期輝度を落とせば寿命は延びるが、照明用途の場合、初期輝度を下げてしまうと実用には向かない。このため、駆動電流を下げずに輝度を上げる方法が検討されている。
その中で、複数の有機発光層を重ねて配置したスタック型のマルチフォトンエミッション有機EL素子が提案されている。
たとえば、特許文献1では、導電性を有する内部電極の仕事関数と正孔注入層の電子親和度とを規定し、内部電極(中間コネクタ層)を単一層化することで素子の輝度と効率を向上させている。しかしながら、有機化合物層と内部電極のサイズを等しくして成膜しているため、マスクの位置精度によっては、内部電極と有機発光層端部をきっかけにリーク電流が流れてしまい、その結果、整流比が劣化し、画素ショートやクロストークの発生要因となっていた。
また、特許文献2では、透明電極と対向電極間に中間コネクタ層を有する有機発光層を1次元または2次元で配列させて整流比を向上させているが、照明用途のように1画素で大面積を発光させたい場合には輝度ムラが生じてしまうため、この方法での整流比の向上は難しい。
ところで、有機EL素子は酸素や水に弱いことが知られおり、有機EL素子を酸素や水から遮蔽するために一般的に封止が行われている。
封止には薄型化、素子への可撓性付与等の展開が可能な固体封止がある。この固体封止は熱や光で硬化する樹脂が用いられることが多く、樹脂が硬化するときに素子にかかるダメージで整流比が劣化することが知られている。中間コネクタ層を有するマルチフォトンエミッション有機EL素子の場合、樹脂の硬化収縮の影響を受け、封止前後で発光層を1ユニットのみ有する素子と比べて素子の整流比が劣化しやすいという課題を抱えていた。
特表2007−533073号公報 特開2006−344606号公報
J.Kido,H.Shionoya and K.Nagai,Appl.Phys.Lett.,1992,67,2281
したがって、本発明の主な目的は、整流比や歩留まりを向上させ、素子エッジ部分の輝度ムラを抑制する有機EL素子を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、
対向する陽極と陰極の間に、2つ以上の発光ユニットと中間コネクタ層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記中間コネクタ層の投影面積が、前記中間コネクタ層の陽極側と陰極側とに位置する隣接層の投影面積より小さいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明によれば、整流比や歩留まりを向上させ、素子エッジ部分の輝度ムラを抑制した有機EL素子を提供することができる。
本発明にかかる有機EL素子の概略構成を示す断面図である。 中間コネクタ層の概略構成を示す平面図である。 中間コネクタ層の概略構成を示す平面図である。 中間コネクタ層の概略構成を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《有機EL素子の構成》
図1に示すとおり、有機EL素子1は、支持基板2上に、陽極4、発光ユニット6、中間コネクタ層8、発光ユニット10、陰極12が順次積層され、構成されている。
中間コネクタ層8は、陰極側の発光ユニット10の構成層である隣接層10aに被覆された状態で形成されている。すなわち、中間コネクタ層8は、陽極側の発光ユニット6の構成層である隣接層6aと陰極側の発光ユニット10の構成層である隣接層10aとですべての外周部を被覆された状態となっている。
隣接層6aとしては、電子輸送層または電子注入層であることが好ましく、隣接層10aとしては、正孔注入層であることが好ましい。
図2に示すとおり、隣接層6a,10aは矩形状を呈している。
中間コネクタ層8は矩形状を呈し、隣接層6a,10aよりも小さく形成されている。すなわち、中間コネクタ層8の投影面積は、隣接層6a,10aの投影面積よりも小さくなっている。
中間コネクタ層8の外周部には、隣接層10aが形成されている。
中間コネクタ層8は、上記要件の範囲内において、形状や面積等を適宜変更可能である。
中間コネクタ層8の他の形状としては、図3に示すように、複数の窓状に形成してもよい。この場合にも、中間コネクタ層8の外周部には、隣接層10aが形成されている。
中間コネクタ層8は、素子端部に形成されないことが好ましいが、整流比等に影響のない範囲内で、素子端部にその一部が形成されていてもよい。たとえば、その一例として、図4に示すように、斑状に形成してもよい。
なお、図2〜4では、説明の都合上、中間コネクタ層8と隣接層6a,10aのみを示している。
《発光ユニットの層構成》
以下、本発明における発光ユニット6,10の層構成の好ましい具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
また、発光ユニット6,10の層構成は、同一の構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
(i)正孔注入層/発光層/電子注入層
(ii)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(iii)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
発光ユニット6,10は、必要に応じて正孔輸送層と発光層間、発光層と電子輸送層間に電子阻止層または正孔阻止層を設けてもよい。また、発光層は単層または複数層有していてもよい。
本発明では、上記発光ユニットを中間コネクタ層8を介して複数接続することができる。
《正孔輸送層、正孔注入層》
(1)正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極4から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極12側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層および/または電子阻止層を含む意味で用いられることもある。
正孔輸送材料としては、上述した正孔を輸送(注入)する作用、および、電子の流入を阻止する作用を発現可能な材料であれば、有機材料および無機材料のいずれの材料も用いることができる。
具体的には、正孔輸送材料として、たとえば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)等の化合物を用いることができる。
また、正孔輸送材料としては、たとえば、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物(スチリルアミン化合物)等の化合物を用いることができる。特に、本実施形態では、芳香族第3級アミン化合物を正孔輸送材料として用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン等の化合物を用いることができる。また、芳香族第3級アミン化合物として、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン等のスチリルアミン化合物を用いることができる。さらに、芳香族第3級アミン化合物として、米国特許第5,061,569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、たとえば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)や、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが3つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などの化合物を用いてもよい。
また、正孔輸送材料としては、たとえば、上述した各種正孔輸送材料を高分子鎖に導入した高分子材料または上述した各種正孔輸送材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。なお、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も、正孔輸送材料および後述の正孔注入層の形成材料として使用することができる。
さらに、正孔輸送材料として、たとえば、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)等の文献に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料と呼ばれる材料を用いてもよい。なお、このような材料を正孔輸送材料として用いた場合には、より高効率の発光素子を得ることができる。
また、本実施形態では、正孔輸送層に不純物をドープして、p性の高い(正孔リッチ)の正孔輸送層を形成してもよい。その一例は、たとえば、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。このような正孔リッチの正孔輸送層を用いた場合には、より低消費電力の有機EL素子1を作製することができる。
正孔輸送層は、たとえば、上述の形成材料(正孔輸送材料)をスピンコート法、蒸着法等の手法を用いて陽極4上に積層することにより形成することができる。
正孔輸送層の膜厚は、たとえば用いる正孔輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm程度、好ましくは約5〜200nmの範囲で設定される。
なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。正孔輸送層を一層構造とする場合には、正孔輸送材料のうちの1種または2種以上の材料が正孔輸送層に含まれるようにしてもよい。
(2)正孔注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陽極4と発光層との間、または陽極4と正孔輸送層との間に、正孔注入層(陽極バッファー層)を設けてもよい。なお、正孔注入層は、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るために、陽極4と有機層化合物層との間に設けられる層である。
ここでは、正孔注入層の構成の詳細な説明を省略するが、たとえば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に正孔注入層の構成が詳細に記載されている。
また、正孔注入層(陽極バッファー層)の形成材料としては、特開2000−160328号公報に記載されている化合物を用いることができる。また、たとえば、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))等を含む化合物を正孔注入層(陽極バッファー層)の形成材料として用いてもよい。
《発光層》
発光層は、陽極4から直接または陽極4から正孔輸送層を介して注入される正孔と、陰極12から直接または陰極12から電子輸送層を介して注入される電子とが再結合して発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層と、それに隣接する層との間の界面であってもよい。また、発光層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
本実施形態では、発光層を、発光ホストと発光ドーパントとを含む有機発光材料で形成する。このような構成の発光層では、発光ドーパントの発光波長や含有させる発光ドーパントの種類等を適宜調整することにより任意の発光色を得ることができる。
ここで、発光層に含まれる発光ホストおよび発光ドーパントの構成について具体例に説明する。
(1)発光ホスト
発光層に含まれる発光ホスト(ホスト化合物)としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が約0.1未満である化合物を用いることが好ましい。特に、リン光量子収率が約0.01未満である化合物を発光ホストとして用いることが好ましい。また、発光層中の発光ホストの体積比は、発光層に含まれる各種化合物の中で約50%以上とすることが好ましい。
また、発光層に含まれる発光ホストとしては、公知のホスト化合物を用いることができる。その際、一種類のホスト化合物を用いてもよいし、複数種のホスト化合物を併用してもよい。複数種のホスト化合物を用いることにより、電荷(正孔および/または電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることができる。
上述のような特性を有するホスト化合物としては、たとえば、公知の低分子化合物、繰り返し単位をもつ高分子化合物、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)等の化合物を用いることができる。なお、ホスト化合物としては、正孔輸送機能、電子輸送機能、発光の長波長化を防止する機能および高Tg(ガラス転移温度)を有する化合物を用いることが好ましい。
ただし、ここでいう、「ガラス転移温度(Tg)」とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS K 7121に準拠した手法により求められる値である。
具体的には、ホスト化合物として、たとえば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等の文献に記載されている化合物を用いることができる。
なお、本実施形態では、ホスト化合物は、カルバゾール誘導体であることが好ましく、特に、カルバゾール誘導体であって、かつ、ジベンゾフラン化合物であることが好ましい。
(2)発光ドーパント
発光ドーパントとしては、たとえば、蛍光ドーパント、リン光ドーパント等を用いることができる。ただし、発光効率の向上の観点では、発光ドーパントとしてリン光ドーパントを用いることが好ましい。
リン光ドーパントは、励起三重項からの発光が得られる化合物である。具体的には、リン光ドーパントは、室温(25℃)においてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において約0.01以上の化合物である。ただし、本実施形態では、リン光量子収率が約0.1以上であるリン光ドーパントを用いることが好ましい。なお、リン光量子収率は、たとえば、「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載されている手法により測定することができる。また、溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本実施形態では、リン光ドーパントが、任意の溶媒において、約0.01以上のリン光量子収率が得られる発光ドーパントであればよい。
また、発光層には、一種類の発光ドーパントを含有させてもよいし、発光極大波長の異なる複数種の発光ドーパントを含有させてもよい。複数種の発光ドーパントを用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混ぜることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。たとえば、青色ドーパント、緑色ドーパントおよび赤色ドーパント(3種類の発光ドーパント)を発光層に含有させることにより白色光を得ることができる。
上述した発光ホストおよびリン光ドーパントを含む発光層における発光(リン光発光)の過程(原理)としては、次の2種類の過程が挙げられる。
第1の発光過程は、エネルギー移動型の発光過程である。このタイプの発光過程では、まず、キャリア(正孔および電子)が輸送される発光層内の発光ホスト上において、キャリアが再結合し、これにより、発光ホストの励起状態が生成される。そして、この際に発生するエネルギーが発光ホストからリン光ドーパントに移動し(励起状態のエネルギー準位が発光ホストの励起準位から発光ドーパントの励起準位(励起三重項)に移動し)、この結果、リン光ドーパントから発光が生じる。
第2の発光過程は、キャリアトラップ型の発光過程である。このタイプの発光過程では、発光層において、リン光ドーパントがキャリア(正孔および電子)をトラップする。その結果、リン光ドーパント上でキャリアの再結合が起こり、リン光ドーパントから発光が生じる。上述したいずれの発光過程においても、リン光ドーパントの励起状態のエネルギー準位は発光ホストの励起状態のエネルギー準位より低くする必要がある。
上述のような発光過程を生じさせるリン光ドーパントとしては、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種リン光ドーパント(リン光性化合物)の中から所望のリン光ドーパントを適宜選択して用いることができる。たとえば、リン光ドーパントとしては、元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する錯体系化合物を用いることができる。そのような錯体系化合物の中でも、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)または希土類錯体のいずれかをリン光ドーパントとして用いることが好ましい。本実施形態では、特に、リン光ドーパントとして、イリジウム化合物を用いることが好ましい。
なお、本明細書では、有機EL素子1から発光する光を分光放射輝度計(コニカミノルタセンシング社製、CS−1000)で測定し、その測定結果をCIE(国際照明委員会)色度座標(たとえば、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16参照)に当てはめた時の色を、有機EL素子1から発光する光の色とする。具体的には、ここでいう「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色のことを言う。
また、本実施形態では、白色発光を得る手法として、上述のように、発光ホストに、発光波長の異なる複数の発光ドーパントを含有させる手法を用いるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、青色発光層、緑色発光層および赤色発光層を積層して発光層を構成し、各色の発光層からそれぞれ発光される光を混ぜることにより白色発光を得てもよい。
発光層は、たとえば、有機発光材料をスピンコート法、蒸着法等の手法を用いて正孔輸送層上に積層することにより作製することができる。なお、発光層の膜厚は、任意に設定することが可能であるが、たとえば、構成膜の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止および駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点では、発光層の膜厚を、たとえば、約2〜200nmの範囲に調整することが好ましく、特に、約5〜100nmの範囲に調整することがより好ましい。
《電子輸送層、電子注入層》
(1)電子輸送層
電子輸送層は、陰極12から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。また、電子輸送層は、陽極4側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層および/または正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。
発光層の陰極12側に隣接する電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極12より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。たとえば、電子輸送材料として、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
より具体的には、電子輸送材料として、たとえば、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体等の金属錯体を用いることができる。その他の電子輸送材料としては、たとえば、メタルフタロシアニンもしくはメタルフリーフタロシアニン、または、それらの末端基をアルキル基やスルホン酸基等で置換した化合物を用いることもできる。
また、本実施形態では、電子輸送層に不純物をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層を形成してもよい。このような構成の電子輸送層の具体例は、たとえば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。具体的には、ゲスト材料(ドープ材)として、有機物のアルカリ金属塩を用いることができる。
有機物のアルカリ金属塩をドープ材として用いる場合、有機物の種類は任意であるが、たとえば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の化合物を有機物として用いることができる。これらの中でも、特に、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、または、安息香酸塩を有機物として用いることが好ましい。さらに好ましい有機物は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸であり、この脂肪族カルボン酸を用いる場合には、その炭素数が4以下であることが好ましい。なお、有機物として最も好ましい化合物は、酢酸塩である。
また、有機物のアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類は任意であるが、たとえば、Li、Na、KまたはCsを用いることができる。これらのアルカリ金属の中でも、好ましいアルカリ金属は、KまたはCsであり、さらに好ましいアルカリ金属は、Csである。
以上から、電子輸送層のドープ材として用い得る有機物のアルカリ金属塩は、上記有機物と上記アルカリ金属とを組み合わせた化合物になる。
具体的には、ドープ材として、たとえば、ギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸Kまたは安息香酸Csを用いることができる。これらの中でも、酢酸Li、酢酸K、酢酸Naまたは酢酸Csが好ましいドープ材であり、最も好ましいドープ材は、酢酸Csである。なお、これらのドープ材の好ましい含有量は、ドープ材を添加する電子輸送層に対して、約1.5〜35質量%であり、より好ましい含有量は、約3〜25質量%であり、最も好ましい含有量は、約5〜15質量%である。
電子輸送層は、たとえば、上述の形成材料(電子輸送材料)をスピンコート法、蒸着法等の手法を用いて発光層4上に積層することにより作製することができる。また、電子輸送層の膜厚は、たとえば用いる電子輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm、好ましくは約5〜200nmの範囲で設定される。なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。電子輸送層を一層構造とする場合には、上記電子輸送材料のうちの1種または2種以上の材料が電子輸送層に含まれるようにしてもよい。
(2)電子注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陰極12と発光層との間または陰極12と電子輸送層との間に、電子注入層(電子バッファー層)を設けてもよい。電子注入層は、正孔注入層と同様に、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るために、陰極と有機層化合物層との間に設けられる層である。
ここでは、電子注入層の構成の詳細な説明を省略するが、たとえば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に電子注入層の構成が詳細に記載されている。
《中間コネクタ層》
中間コネクタ層8に使用できる材料として、通常の電極材料として使用可能な金属、金属酸化物、およびその合金などが好適に使用できる。
使用可能な金属として、アルミニウム、銀、亜鉛、ニオブ、ジルコニウム、錫、タンタル、バナジウム、モリブデン、レニウム、タングステン、水銀、ガリウム、インジウム、カドミウム、ホウ素、ハフニウム、ランタン、チタンなどが好ましい。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属も使用することができ、具体的には、カルシウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが好ましく使用できる。
これらの金属とアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の合金や、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物も中間コネクタ層8に使用することができる。
このような中間コネクタ層8は、光透過性を有していることが好ましく、各発光の透過率が60%以上であることが好ましく、特に好ましくは80%以上である。
中間コネクタ層8の膜厚としては0.1〜10nmであることが好ましい。
中間コネクタ層8の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーディング法、イオンビームスパッタ法等が好ましく用いられる。融点が高い金属はイオンビームスパッタ法などを用いて成膜することができる。
中間コネクタ層8は導電性を有する材料を用いて形成されるため、陽極4または陰極12と中間コネクタ層8間でリーク電流が流れてしまうと整流比が劣化し、異常発光や輝点を生じ、最悪の場合は発光しなくなる。また、発光面端部で輝度ムラが発生する。これらを防止するため、中間コネクタ層8の周囲を有機層で囲むことが非常に有用である。
このような中間コネクタ層8は公知の方法で形成することができる。特に金属マスクを用いて中間コネクタ層8の面積を変えることで、簡便に中間コネクタ層8の周囲を有機層で囲むことができる。
具体的には、発光ユニットを構成する有機層形成時に使用するマスクのサイズ(面積)よりも小さいマスクを中間コネクタ層8形成時に使用することで、中間コネクタ層8を有機層で被覆し、有機層内に埋没させることができる。
また、中間コネクタ層8を斑状に形成したり(図4参照)、発光時のムラに影響のない範囲で中間コネクタ層8をマスクなどを用いてパターニング(図3参照)することでも達成可能である。
また、中間コネクタ層8を斑状に形成する場合、投影面積率は20〜80%の範囲が好ましく、30〜70%の範囲がより好ましい。斑状構造の場合、投影面積率が小さすぎると、中間コネクタ層8が機能しなくなり、発光ユニットが所望の電圧で発光しなくなってしまう。また、投影面積率が大きすぎると、有機層端部との接触部分が大きくなってしまい、整流比の劣化を招きやすくなる。
ここで、「投影面積率」とは、中間コネクタ層8の面積の、隣接層6a(10a)の面積に対する比率を意味している。
《陽極》
陽極4は、発光層に正孔を供給(注入)する電極膜であり、仕事関数の大きい(4eV以上)、たとえば、金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陽極4側から光を取り出す場合には、陽極4は、たとえば、Au等の金属や、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の金属化合物などの光透過性を有する電極材料で形成することができる。また、陽極4を、たとえばIDIXO(登録商標:In−ZnO)等の非晶質の透明電極材料で形成することもできる。
なお、有機EL素子1において、陽極4側から光を取り出す場合には、陽極4の光透過率は約10%より大きいことが好ましい。
また、陽極4のシート抵抗(表面抵抗)は数百Ω/sq.以下であることが好ましい。
さらに、陽極4の膜厚は、形成材料に依存して変化するが、通常、約10〜1000nm、好ましくは約10〜200nmの範囲で設定される。
一方、有機EL素子1において、陽極4側から光を取り出さない場合(陰極12側からのみ光を取り出す場合)には、陽極4を、たとえば、金属、アモルファス合金、微結晶性合金等の高反射率を有する電極材料で形成することもできる。
上記構成の陽極4は、たとえば、蒸着やスパッタリングなどの手法により、支持基板2上に形成することができる。また、この際、フォトリソグラフィー技術を用いて、陽極4を所望の形状パターンで形成してもよい。なお、陽極4において、形状パターンの精度を必要としない場合(精度が100μm以上程度の場合)には、陽極4を、たとえば、蒸着やスパッタリングなどの手法により形成する際に、所望の形状パターンが形成されたマスクを介して、所望パターンの陽極4を支持基板2上に形成してもよい。
《陰極》
陰極12は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜であり、通常、仕事関数の小さい(2eV以下)、たとえば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陰極12側から光を取り出す場合には、陰極12を、たとえば、上記陽極4と同様に、光透過性を有する電極材料で形成することができる。
本実施形態では、非晶質の透明電極材料であるIDIXO(登録商標:In−ZnO)を陰極12の形成材料として用いることが好ましい。
一方、有機EL素子1において、陰極12側から光を取り出さない場合(陽極4から光を取り出す場合)には、陰極12としては、たとえば、アルミニウム、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等の非透明性の電極材料で形成することができる。ただし、本実施形態では、これらの電極材料を1〜20nm程度の厚さで形成した後、その薄膜上に陽極4で説明した透明性の電極材料からなる層を形成して陰極12を構成してもよい。この場合には、陰極12を透明または半透明にすることができ、陰極12側からも光を取り出すことができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子1に用いることのできる支持基板2(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板2側から光を取り出す場合には、支持基板2は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板2としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。
樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(JSR製)あるいはアペル(三井化学製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、水蒸気透過度が0.01g/m/日・atm以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには酸素透過度10−3g/m/日以下、水蒸気透過度10−5g/m/日以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、たとえば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板2としては、たとえば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子1の発光の室温における外部取り出し量子効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=(有機EL素子外部に発光した光子数)/(有機EL素子に流した電子数)×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用してもよいし、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、たとえば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子1の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウムおよびタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。
さらには、ポリマーフィルムはJIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/m/24h以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%)が、1×10−3g/(m/24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱および化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、たとえば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。
さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については特に限定はなく、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相および液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、たとえば、金属酸化物(たとえば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(たとえば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(たとえば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(たとえば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物および過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子1の作製方法の一例として、陽極/発光ユニット/中間コネクタ層/発光ユニット/陰極からなる有機EL素子1の作製法について説明する。発光ユニットの構成としては、(陽極側)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/(陰極側)とする。
まず、適当な支持基板2上に所望の電極物質、たとえば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極4を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜からなる発光ユニット6を形成する。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法、LB法(ラングミュア−ブロジェット法)、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法、スロット型コータ法が特に好ましい。
さらに層毎に異なる製膜法を適用してもよい。
製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
次いで、中間コネクタ層8を、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーディング法、イオンビームスパッタ法等により、発光ユニット6上に形成する。
中間コネクタ層8を、発光ユニット6の電子輸送層と後工程で作製される発光ユニット10の正孔注入層で被覆する場合には、発光ユニット6,10の作製に使用されるマスクよりも小さいマスクを用いて、中間コネクタ層8を蒸着する。
次いで、発光ユニット6と同様にして、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜からなる発光ユニット10を形成する。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、たとえば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極12を設けることにより所望の有機EL素子1が得られる。
この有機EL素子1の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極12まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
その後、有機EL素子1を封止・保護してもよい。
たとえば、陽極4および陰極12の一部または全部を露出させた状態で有機EL素子1を熱硬化性樹脂で被覆してこれを加熱硬化させ、有機EL素子1を封止する。
その後、有機EL素子1の封止体とそこから露出した有機EL素子1の陽極4および陰極12の一部または全部とを、保護部材で被覆し、保護部材の重複部分を所定温度で加熱圧着する。2枚の保護部材を重ね合わせて有機EL素子1の封止体などを被覆しその側縁部同士を加熱圧着してもよいし、1枚の保護部材を折り畳んで有機EL素子1の封止体などを被覆しその側縁部(特に開放端)同士を加熱圧着してもよい。
以上の本実施形態によれば、中間コネクタ層8は、陽極側と陰極側に位置する隣接層6a,10aに被覆されているから、中間コネクタ層8からのリーク電流による電極との短絡等を防止することができ、すなわち、整流比の劣化を有効に抑制することができる。
従来、タンデム型の有機EL素子においては、樹脂等で固体封止する際、樹脂の硬化収縮の影響で封止前後の整流比が劣化していた。これは、硬化収縮により、導電性材料で形成された中間コネクタ層が横方向からの影響を受け、陰極−陽極間にリークポイントが生じるためである。本発明においては、中間コネクタ層8の端部をむき出しにせず、隣接層6a,10aで被覆しているから、整流比を劣化させることなく、薄型で、可撓性を有する有機EL素子1を製造することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《サンプルの作製》
(1)有機EL素子101の作製
50mm×50mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、陽極として、厚さ110nmとなる条件でITOをスパッタ法で成膜した後、パターニングを行い、ITO層から成るアノード(陽極)を形成した。次いで、ITO層を設けた基板を、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
次いで、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、後述する各層の構成材料を各々素子作製に最適量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン性の抵抗加熱用材料で作成されたものを用いた。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧したのち、化合物1の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基盤上に蒸着し、20nmの正孔注入層を設けた。
次いで、化合物2を同様に蒸着し厚さ70nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、化合物3が95%、化合物4が5%となるように蒸着し、厚さ30nmの蛍光発光層を形成した。
さらに電子輸送層として、化合物5を厚さ30nm蒸着し、電子注入層としてLiFを1nm蒸着し、発光ユニット(陽極側)を形成した。
その後、有機層蒸着時に使用したマスクよりも投影面積の小さいマスク(有機層に対する投影面積率は99%)を用いてアルミニウムを4nm蒸着し、中間コネクタ層を形成した。
なお、中間コネクタ層の投影面積率は、中間コネクタ層の形成に使用したマスクと有機層の形成に使用したマスクのサイズ(面積)から算出した値とする。
中間コネクタ層を形成したのち、1ユニット目で使用した有機層蒸着用マスクにマスクを変更し、化合物1の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基盤上に蒸着し、20nmの正孔注入層を設けた。
次いで、化合物2を同様に蒸着し厚さ50nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、化合物6が86%、化合物7が12%、化合物8が2%となるように蒸着し、厚さ10nmのリン光発光層を形成した。
次いで、化合物6が88%、化合物7が12%となるように蒸着し、厚さ20nmのリン光発光層を形成した。
次いで、化合物6を厚さ10nmの正孔阻止層を形成した。さらに、電子輸送層として化合物5を厚さ30nm蒸着し、電子注入層としてKFを2nm蒸着し、発光ユニット(陰極側)を形成した。
次いで、アルミニウムを110nm蒸着して陰極を形成し、その結果、発光ユニットを2つ有するタンデム型の有機EL素子101を形成した。
最後に、有機EL素子101の発光面積全体をガラスケースで覆って封止した。
(2)有機EL素子102の作製
有機EL素子101の作製において、発光ユニット(陽極側)の電子輸送層として、化合物5とリチウムキノリンとのモル比が1:1となるように共蒸着を行い、電子輸送層を形成した以外は同様にして、有機EL素子102を作製した。
(3)有機EL素子103の作製
有機EL素子101の作製において、発光ユニット(陰極側)の正孔注入層を酸化モリブデンに変更し、その膜厚が10nmとなるように蒸着を行った以外は同様にして、有機EL素子103を作製した。
(4)有機EL素子104の作製
有機EL素子101の作製において、発光ユニット(陰極側)の正孔注入層を酸化モリブデンとNPDとのモル比が1:1となるように共蒸着を行い、その膜厚が10nmとなるように蒸着を行った以外は同様にして、有機EL素子104を作製した。
(5)有機EL素子105の作製
有機EL素子101の作製において、陰極成膜後の封止を、真空ラミネート装置を用いて可撓性封止部材を接着し、次いで90℃で10分熱処理し、固体封止した以外は同様にして、有機EL素子105を作製した。
なお、可撓性封止部材としては、可撓性の厚み30μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いてラミネートした(接着剤層の厚み1.5μm)ものを用いた。
アルミニウム面に封止用接着剤として、熱硬化性接着剤を、ディスペンサーを使用してアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。これを100Pa以下の真空下で12時間乾燥させた。さらに露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmの窒素雰囲気下へ移動し、12時間以上乾燥させ、封止用接着剤の含水率を100ppm以下となるように調整した。
熱硬化接着剤としては下記の(A)〜(C)を混合したエポキシ系接着剤を用いた。
(A) ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
(B) ジシアンジアミド(DICY)
(C) エポキシアダクト系硬化促進剤
(6)有機EL素子106の作製
有機EL素子102の作製において、有機EL素子105と同様に固体封止した以外は同様にして、有機EL素子106を作製した。
(7)有機EL素子107の作製
有機EL素子103の作製において、有機EL素子105と同様に固体封止した以外は同様にして、有機EL素子107を作製した。
(8)有機EL素子108の作製
有機EL素子104の作製において、有機EL素子105と同様に固体封止した以外は同様にして、有機EL素子108を作製した。
(9)有機EL素子109の作製(比較例)
有機EL素子101の作製において、中間コネクタ層蒸着時に用いるマスクを、有機層蒸着時に使用したマスクと同様のマスクを用いて蒸着を行った(有機層に対する投影面積率は100%)以外は同様にして、有機EL素子109を作製した。
(10)有機EL素子110の作製(比較例)
有機EL素子102の作製において、有機EL素子109と同様に中間コネクタ層を形成した以外は同様にして、有機EL素子110を作製した。
(11)有機EL素子111の作製(比較例)
有機EL素子103の作製において、有機EL素子109と同様に中間コネクタ層を形成した以外は同様にして、有機EL素子111を作製した。
(12)有機EL素子112の作製(比較例)
有機EL素子105の作製において、有機EL素子109と同様に中間コネクタ層を形成した以外は同様にして、有機EL素子112を作製した。
(13)有機EL素子113の作製(比較例)
有機EL素子106の作製において、有機EL素子109と同様に中間コネクタ層を形成した以外は同様にして、有機EL素子113を作製した。
《有機EL素子の評価》
有機EL素子101〜113に対し、下記の各評価を行った。
評価結果を表1に示す。
なお、表1中、電子輸送層は陽極側に位置する発光ユニットの層を表し、正孔注入層は陰極側に位置する発光ユニットの層を表している。
(1)整流比
各有機EL素子に6.0Vの電圧をかけた時に流れる電流値(I)と逆バイアスの電圧をかけた時の電流値(I’)から整流比を計算し、下記の基準に従って評価した。
整流比=I/I’の絶対値
○:整流比が10以上
△:整流比が10〜10未満
×:整流比が10未満
(2)整流比のバラツキ
各有機EL素子を10個ずつ作製した時の整流比を計算し、ばらつきを評価した。
◎:整流比がすべて10以上
○:整流比が10〜10の素子が3個以下、その他は全て10以上
△:整流比がすべて10〜10未満
×:整流比がすべて10未満
(3)エッジ部分の輝度ムラ
各有機EL素子のエッジ部分の輝度ムラを目視で評価した。
○:エッジ部分の発光にじみなし
×:エッジ部分の発光にムラやにじみがある
(4)まとめ
表1からわかるように、本発明の有機EL素子101〜108は、比較例の有機EL素子109〜113と比較して、整流比、エッジ部分の輝度ムラの点において、優れていることが明らかである。
以上から、中間コネクタ層の投影面積を、中間コネクタ層の陽極側と陰極側とに位置する層の投影面積より小さくすることが有用であることがわかる。
《サンプルの作製》
(1)有機EL素子201の作製
有機EL素子101の作製において、発光ユニット(陽極側)の電子輸送層LiFを蒸着後、中間コネクタ層の膜厚を0.75nmに変更し、斑状に形成した(有機層に対する投影面積率は50%)以外は同様にして、有機EL素子201を作製した。
なお、中間コネクタ層の投影面積率は、発光ユニット(陽極側)の電子輸送層上に中間コネクタ層を形成後、日立社製S5000−Hを用いてSEM写真を撮影後、そのSEM写真を2値化処理することにより算出した。
(2)有機EL素子202の作製
有機EL素子201の作製において、有機EL素子105と同様に固体封止した以外は同様にして、有機EL素子202を作製した。
(3)有機EL素子203の作製(比較例)
有機EL素子201の作製において、中間コネクタ層の有機層に対する投影面積率を15%とし、その膜厚が0.2nmとなるように蒸着を行った以外は同様にして、有機EL素子203を作製した。
(4)有機EL素子204の作製(比較例)
有機EL素子201の作製において、中間コネクタ層の有機層に対する投影面積率を85%とし、その膜厚が1.5nmとなるように蒸着を行った以外は同様にして、有機EL素子204を作製した。
(5)有機EL素子205の作製(比較例)
有機EL素子204の作製において、有機EL素子105と同様に固体封止した以外は同様にして、有機EL素子205を作製した。
《有機EL素子の評価》
有機EL素子201〜205に対し、実施例1と同様に評価を行った。
評価結果を表2に示す。
表2に示すとおり、本発明のサンプル201,202は、比較例のサンプル203〜205と比較して、整流比、エッジ部分の輝度ムラの点において、優れていることが明らかである。
1 有機EL素子
2 支持基板
4 陽極
6,10 発光ユニット
6a,10a 隣接層
8 中間コネクタ層
12 陰極

Claims (8)

  1. 対向する陽極と陰極との間に、2つ以上の発光ユニットと中間コネクタ層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記中間コネクタ層の投影面積が、前記中間コネクタ層の陽極側と陰極側とに位置する隣接層の投影面積より小さいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記中間コネクタ層が、平面視において、矩形状に形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記中間コネクタ層が、平面視において、窓状に複数形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記中間コネクタ層が、平面視において、斑状に形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記中間コネクタ層の陽極側に位置する隣接層が、電子輸送層または電子注入層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記中間コネクタ層の陰極側に位置する隣接層が、正孔注入層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    接着剤を用いて固体封止されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 対向する陽極と陰極との間に、2つ以上の発光ユニットと中間コネクタ層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記陽極上に第1の発光ユニットを形成する工程と、
    前記第1の発光ユニット上に前記中間コネクタ層を形成する工程と、
    前記中間コネクタ層上に第2の発光ユニットを形成する工程と、
    を備え、
    前記中間コネクタ層を形成する工程では、前記中間コネクタ層の投影面積を、前記中間コネクタ層の陽極側と陰極側とに位置する隣接層の投影面積より小さく形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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