JP2015153097A - 指令経路圧縮機能を有する数値制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項2に係る発明は、前記指令点列から前記部分点列を抽出して分割する際の分割基準長を設定する分割基準長設定手段を有し、前記部分点列抽出手段における分割の判定は、指令点間の長さが前記分割基準長以内かどうかにより判定する請求項1に記載の数値制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記点列圧縮手段における圧縮した経路は、部分点列の内いくつかの点を通過する曲線経路とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の数値制御装置である。
<実施例1>
入力された指令点列を、指令点列の圧縮により近似直線で表現する例を説明する。図1のようにP0が始点、Pn(n≧1)が終点である指令点列{P0,P1, ・・・Pn} がNCプログラムとして指令される例を考える。
部分点列抽出手段では、指令点列{P0,P1,・・・,Pn}を逐次的に読み込んで部分点列を抽出し、点列圧縮手段に渡す。その手順を以下で説明する。指令点列読み込みループ内では、P0から順に逐次的に指令点を読み込んでいき(先読み)、指令点間の距離および角度の条件によって停止されるまで先読みを繰り返す。先読みが停止された場合、読み込んだ点列を部分点列として点列圧縮手段へと渡し、まだ指令点が残っていれば、残った指令点列を入力として部分点列抽出手段を繰り返す。指令点列読み込みループ内で読み込む指令点をPm(0≦m≦n)とする。
P0が読み込まれる。
m=1として先読みを継続する。
(A−2)m=1の場合
P1を読み込み、すでに読み込まれているP0とP1からv1を数3式により計算する。
(A−3) m≧2の場合
Pmを読み込み、既に読み込まれているPm-1とPmからvmを数5式により計算する。
すなわち
m=nであれば、{P0,・・・,Pn}を部分点列として抽出し、部分点列抽出手段を終了する。
部分点列抽出手段より入力されたs+1個の部分点列{Q0,Q1, ・・・,Qs}(s≧1)を圧縮する。ここで圧縮とは、部分点列に対して、部分点列の点数より少ない数の曲線または直線で近似することである。これらの部分点列は部分点列抽出手段によりQ0からQsまで全て読み込まれており、逐次的に読み込む必要はない。ここでは圧縮結果は直線とする。圧縮結果は媒介変数tの関数である経路Path(t)として補間手段へ渡す。tは0から1を変化する。tを用いて表現した、点Qcから点Qdまで直線で結ぶ経路をLine[c,d](t)は数9式で表される。
数10式で表されるQ0からQ1を直線で結んだ経路を圧縮結果として補間手段へ渡す。
図3に示すように部分点Qc,Qdとする。QcからQdへのベクトルをVc,dと表す。ベクトルVc,dは数11式により表される。
V0,qとV0,sのなす角の正弦sinθは数13式により表される。
数15式を満たすqが存在する場合、各qのうちLqが最大となるqを抽出し、このq前後で部分点列を分割する。すなわち、q=wのときLqが最大になるとした場合、入力された部分点列(P0,P1, ・・・Ps) は(P0,・・・Pw) と(Pw, ・・・Ps) の2つの部分点列に分割する。全ての分割された部分点列を入力として点列圧縮手段を再帰的に実行する。
以上の手段(部分点列抽出手段および点列圧縮手段)により、図1で示されたP0,P1,・・・,Pnの経路は図4のようにn以下の数の直線で表現される。図1中の黒点は、圧縮された直線経路の端点を表し、白点はそれ以外の指令点を表している。最終的な経路は黒点を繋ぐ直線経路となり、白点はその直線経路からトレランスT以内離れた点となる。これにより元の指令経路をトレランス以内に守りつつ補間による負荷を軽減し、また、微小なコーナによる不要な減速を回避でき、高速な加工が期待できる。
実施形態1では入力された指令点列を指令点列の圧縮により近似直線で表現する例を説明した。実施形態2では入力された指令点列を指令点列の圧縮により近似曲線で表現する例を説明する。
部分点列抽出手段より入力されたs+1個の部分点列{Q0,Q1, ・・・,Qs}(s≧1)を圧縮する。これらの部分点列は部分点列抽出手段によりQ0からQsまで全て読み込まれており、逐次的に読み込む必要はない。ここでは圧縮結果は3次のBスプライン曲線による曲線経路とするが、NURBS曲線や円弧曲線など他の形式の曲線を用いてもよい。圧縮結果は媒介変数tの関数である経路Path(t)として補間手段へ渡す。tは0から1を変化する。
(C−1) s=1の場合
数20式で表されるQ0からQ1をBスプライン曲線で結んだ経路を圧縮結果として補間手段へ渡す。
数21式で表されるQ0からQsをBスプライン曲線で結んだ経路を初期曲線として作成する。つまり上述の通過点Qe1, …, Qei はないとしてBスプライン曲線を作成する。
数23式を満たすeが存在する場合、各eのうちLeが最大となるeを抽出し、このeをemaxとする。これらのemaxに対応する点Qemaxを通過する点に追加し、Bスプライン曲線を作り直す。すなわち、作り直したBスプライン曲線は数24式により表される。
以上の手段により、図1で示されたP0,P1,・・・,Pnの経路は図5のようにいくつかの指令点を通る曲線で表現される。図5中の黒点は、通過する指令点を表し、白点はそれ以外の指令点を表している。
図6は、本発明の実施形態を説明する機能ブロック図である。一般に数値制御装置において指令読み取り手段10は加工プログラムを解析し実行形式に変換する。補間手段14は実行形式に基づいて補間処理を行い各軸への移動指令を出力し、各軸移動指令に基づき各軸サーボ(X軸サーボ15X,Y軸サーボ15Y,Z軸サーボ15Z)を駆動制御する。
実施形態1の部分点列抽出手段のフローチャートを図7に示す。
[ステップsa01]mを初期値(=0)とする。
[ステップsa02]指令点Pmのデータを読み込む。
[ステップsa03]mの値によって場合分けを行う。m=0の場合にはステップsa04へ移行する。m=1の場合にはステップsa12へ移行する。m≧2の場合にはステップsa05へ移行する。
[ステップsa05]vmとamを計算する。
[ステップsa06]vmの絶対値はvmax以下であるか否かを判断し、以下である場合(YES)にはステップsa07へ移行し、以下ではない場合(NO)にはステップsa10へ移行する。
[ステップsa08]mとnは等しいか否か判断し、等しい場合(YES)にはステップsa09へ移行し、等しくない場合(NO)にはステップsa04へ戻る。
[ステップsa10]部分点列{P0,・・・,Pm−1}を点列圧縮手段へ渡す。
[ステップsa11]部分点列{Pm−1,・・・,Pn}を部分点列抽出手段の入力とする。つまり、ステップsa01に戻り、部分点列抽出手段を再実行する。
[ステップsa13]{P0,P1}を点列圧縮手段へ渡し、処理を終了する。
[ステップsa15]vmの絶対値はvmax以下であるか否か判断し、以下である場合(YES)にはステップsa16へ移行し、以下でない場合(NO)にはステップsa17へ移行する。
[ステップsa18]指令点列{P0,・・・,Pn}を部分点列抽出手段の入力とする。つまり、ステップsa01に戻り、部分点列抽出手段を再実行する。
[ステップsb01]Path(t)を、P0とPsを結ぶ線分とする。
[ステップsb02]Q0,Qs以外の点QeについてLeを計算する。
[ステップsb03]Le>Tとなるeが存在するか否か判断し、存在する場合(YES)にはステップsb04へ移行し、存在しない場合(NO)にはステップsb06へ移行する。
[ステップsb05]分割された点列をそれぞれ入力として点列圧縮手段を再実行し、
ステップsb01へ戻る。
[ステップsb06]Path(t)を補間手段へ渡し、点列圧縮手段の処理を終了する。
[ステップsc01]通過点は“なし”とする。
[ステップsc02]Path(t)を、通過点を通るBspline曲線とする。
[ステップsc03]Q0,Qs以外の点QeについてLeを計算する。
[ステップsc04]LeがTより大きいeが存在するか否か判断し、存在する場合(YES)にはステップsc05へ移行し、存在しない場合(NO)にはステップsc06へ移行する。
[ステップsc05]Leが最大となる点を全て通過点へ追加し、ステップsc02へ戻る。
[ステップsc06]Path(t)を補間手段へ渡し、点列圧縮手段の処理を終了する。
11 部分点列抽出手段
12 点列圧縮手段
13 トレランス
14 補間手段
15X X軸サーボ
15Y Y軸サーボ
15Z Z軸サーボ
請求項2に係る発明は、前記指令点列から前記部分点列を抽出して分割する際の分割基準長を設定する分割基準長設定手段を有し、前記部分点列抽出手段における分割の判定は、指令点間の長さが前記分割基準長以内かどうかにより判定する請求項1に記載の数値制御装置である。
<実施形態1>
入力された指令点列を、指令点列の圧縮により近似直線で表現する例を説明する。図1のようにP0が始点、Pn(n≧1)が終点である指令点列{P0,P1, ・・・Pn} がNCプログラムとして指令される例を考える。
Claims (5)
- テーブルに取付けられた加工物に対して加工を行う少なくとも直線軸2軸を含む複数の駆動軸によって構成される工作機械を制御する数値制御装置において、
複数個の指令点列による指令経路および前記加工物と工具との相対送り速度指令を読み取る指令読み取り手段と、
前記指令読み取り手段によって前記指令点列を指令方向から抽出しても指令方向と逆方向から抽出しても同じ経路となるように前記点列から部分点列を抽出して該点列を分割する部分点列抽出手段と、
前記部分点列から指令方向に作成しても指令方向と逆方向に作成しても同じ直線または曲線に近似して圧縮した経路となるよう前記部分点列の各指令点からの距離が予め設定されたトレランス以内となる前記直線または曲線に近似して圧縮した経路を作成する点列圧縮手段と、
工具が前記点列圧縮手段により圧縮した経路を、指令された前記相対送り速度で移動するよう補間周期ごとに各軸位置を求める補間手段と、
前記補間手段により求められた各軸位置へ移動するように各軸モータを駆動する手段を有する数値制御装置。 - 前記指令点列から前記部分点列を抽出して分割する際の分割基準長を設定する分割基準長設定手段を有し、前記部分点列抽出手段における分割の判定は、指令点間の長さが前記分割基準長以内かどうかにより判定する請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記指令点列から前記部分点列を抽出して分割する際の分割基準角度を設定する分割基準角度設定手段を有し、
前記部分点列抽出手段における分割の判定は、指令点間を結ぶ直線のなす角が、前記分割基準角度以内かどうかにより判定する請求項1に記載の数値制御装置。 - 前記点列圧縮手段における圧縮した経路は、部分点列の内いくつかの点を直線で繋ぐ経路とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の数値制御装置。
- 前記点列圧縮手段における圧縮した経路は、部分点列の内いくつかの点を通過する曲線経路とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の数値制御装置。
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