JP2015152673A - 定着部材、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015152673A
JP2015152673A JP2014024309A JP2014024309A JP2015152673A JP 2015152673 A JP2015152673 A JP 2015152673A JP 2014024309 A JP2014024309 A JP 2014024309A JP 2014024309 A JP2014024309 A JP 2014024309A JP 2015152673 A JP2015152673 A JP 2015152673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
paper
image
unit
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014024309A
Other languages
English (en)
Inventor
務 酒巻
Tsutomu Sakamaki
務 酒巻
羽生 直彦
Naohiko Hanyu
羽生  直彦
小松 徹
Toru Komatsu
小松  徹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014024309A priority Critical patent/JP2015152673A/ja
Publication of JP2015152673A publication Critical patent/JP2015152673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】初期から耐久を通して画像品質の安定性を向上させることが可能な定着部材、定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】定着ベルト61は、定着ベルト61は、用紙S上のトナー像を加熱して当該用紙Sに定着させるプロセスに用いられる定着部材であって、基材層と、基材層上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられたフッ素樹脂層とを有し、FT−IRにより測定されるフッ素樹脂層の配向度は、0.1以上かつ0.4以下の範囲に含まれる。よって、定着ベルト61を用いて用紙Sの定着を行う場合、初期から耐久を通して用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性について良好な結果を得ることができ、ひいては初期から耐久を通して画像品質の安定性を向上させることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、定着部材、定着装置および画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)へ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接又は間接的に用紙に転写させた後、加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
このようにトナー像を定着させる定着装置としては、定着ローラーや定着ベルト等の定着面側部材と、定着面側部材に圧接される加圧ローラーや加圧ベルト等の裏面側支持部材とによって形成された定着ニップで、トナー像が転写された用紙を通紙しながら、加熱および加圧する熱定着方式の定着装置がある。
特許文献1には、定着ベルトの表面離型層を形成するためのフッ素樹脂チューブに関する技術として、大口径(例えばφ100[mm]以上)であっても優れた膜厚精度及び低く安定した配向度を有する大口径薄肉フッ素樹脂チューブの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、繰り返しの使用によっても表面にシワや亀裂が生じにくい定着部材(定着ローラや定着ベルト)の製造方法について開示されている。
国際公開第2008/143035号 特開2010−143188号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示されるような従来の定着ベルトを用いて用紙の定着を行う場合において、当該用紙に形成されたトナー像の光沢度が初期的に低くなったり、当該定着ベルトからの用紙の分離性が初期的に悪くなったりするときがあり、初期から耐久を通して画像品質の安定性が低いという問題があった。
本発明は、初期から耐久を通して画像品質の安定性を向上させることが可能な定着部材、定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る定着部材は、
用紙上のトナー像を加熱して当該用紙に定着させるプロセスに用いられる定着部材であって、
基材層と、
前記基材層上に設けられた弾性層と、
前記弾性層上に設けられたフッ素樹脂層と、
を有し、
FT−IRにより測定される前記フッ素樹脂層の配向度は、0.1以上かつ0.4以下の範囲に含まれることを特徴とする。
本発明に係る定着装置は、上記定着部材を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記定着装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、初期から耐久を通して画像品質の安定性を向上させることができる。
本実施の形態における画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 本実施の形態における定着部の構成を概略的に示す図である。 表面離型層の配向度と初期から耐久を通しての分離性および光沢度との関係を示す表である。 FT−IRにより測定された配向度が異なるフッ素樹脂層において、XRDにより配向度を測定した結果を表す表である。 配向度の測定方法についてFT−IRとXRDとの違いを説明する図である。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[画像形成装置1の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、及び制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100が感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナー(ワックスをトナー粒子内に含むオイルレストナー)を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるローラー423B(以下「バックアップローラー423B」と称する)に対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング部426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材又は裏面側支持部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。定着部60の詳細については後述する。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
[定着部60の構成]
次に、図3を参照し、定着部60の構成について説明する。図3は、定着部60の構成を概略的に示す図である。
なお、定着部60および制御部100は、定着装置として機能する。定着部60および制御部100は、ユニットとして構成されて画像形成装置1に取り付けられても良いし、それぞれが別々に画像形成装置1に組み込まれて、定着装置として機能するものであっても良い。
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61(本発明の「定着部材」に対応)、加熱ローラー62、上加圧ローラー63及び張架部材64を有する(ベルト加熱方式)。定着ベルト61は、加熱ローラー62と上加圧ローラー63と張架部材64(テンションローラー)とに所定のベルト張力(例えば、400[N])で張架されている。
張架部材64の外径寸法は、例えば15[mm]である。張架部材64は、その軸方向において端部の径が中央部の径より大きい逆クラウン形状(V字形状)を有する。
張架部材64は、上加圧ローラー63の中心と下加圧ローラー65の中心とを結んだ直線に平行な直線であって、定着ベルト61の回転方向における定着ニップNPの上流側の端点66を通る直線を、端点66を中心として用紙進入側に65度傾けた直線上に位置する。
定着ベルト61は、例えば外径が120[mm]であり、厚さ70[μm]のPI(ポリイミド)からなる基材層の外周面を弾性層として厚さ220[μm]の耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A13[°])で被覆し、さらに、弾性層の外周面を表層(フッ素樹脂層)として厚さ30[μm]の耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のチューブを被覆してなる。定着ベルト61は、下加圧ローラー65とともに、定着ニップNPを形成する。なお、PFAなどのフッ素樹脂分散液を弾性層の外周面上にコートして溶融焼成することによってフッ素樹脂層を形成しても良い。
定着ベルト61は、トナー像が形成された用紙Sに接触して、当該トナー像を用紙Sに定着温度(例えば、160〜200[℃])で加熱定着する。ここで、定着温度とは、用紙S上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される用紙Sの紙種等によって異なる。
加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する。加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する加熱源60C(ハロゲンヒーター)を内蔵している。加熱ローラー62は、その外径が例えば70[mm]であり、例えば、アルミニウム等から形成された円筒状の芯金における外周面をPTFEでコーティングした樹脂層で被覆されている。
加熱源60Cの温度は、制御部100によって制御される。加熱源60Cによって加熱ローラー62が加熱され、その結果、定着ベルト61が加熱される。
上加圧ローラー63は、例えば外径が70[mm]であり、鉄等の金属から形成された中実の芯金を、弾性層として厚さ20[mm]の耐熱性のシリコンゴム(硬度:JIS−A10[°])で被覆し、さらに、厚さ5〜30[μm]の低摩擦で耐熱性樹脂であるPTFEでコーティングした樹脂層で被覆したものである。上加圧ローラー63は、定着部60における主駆動源(図示せず)により駆動回転する下加圧ローラー65に定着ベルト61を介して圧接される。
下側定着部60Bは、例えば裏面側支持部材である下加圧ローラー65を有する(ローラー加圧方式)。下加圧ローラー65は、その外径が70[mm]であり、アルミニウム等から形成された円筒状の芯金の外周面を、弾性層として厚さ3[mm]の耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A30°)で被覆し、更に、厚さ30[μm]のPFAチューブの樹脂層で被覆している。
制御部100は、主駆動源(駆動モーター)を制御して、下加圧ローラー65を矢印B方向(反時計回り方向)に回転させる。駆動モーターの駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、周速度等)は、制御部100によって行われる。下加圧ローラー65の周速度は、例えば460[mm/s]である。
下加圧ローラー65には、ハロゲンヒーター等の加熱源(図示せず)が内蔵されている。この加熱源が発熱することにより、下加圧ローラー65は加熱される。制御部100は、加熱源に供給する電力を制御し、下加圧ローラー65を所定温度(例えば、80〜120[℃])に制御する。
下加圧ローラー65は、定着ベルト61を介して上加圧ローラー63に所定の定着荷重(例えば、2650[N])で圧接される。このようにして、定着ベルト61と下加圧ローラー65との間には、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップNPが形成される。定着ニップNPにおける定着ベルト61と下加圧ローラー65との間の接触圧(面圧)は、例えば30.67[N/cm2]である。
下加圧ローラー65が矢印B方向に駆動回転すると、定着ベルト61が矢印C方向(時計回り方向)に従動回転する。これに伴い、上加圧ローラー63は、矢印D方向(時計回り方向)に従動回転する。また、張架部材64は、矢印E方向(時計回り方向)に従動回転する。用紙Sの定着時、定着ベルト61の周速度(定着部60の線速度に相当)は、下加圧ローラー65の周速度と同等(例えば460[mm/s])となる。
以上の定着部60において、本発明者らは、定着ベルト61のフッ素樹脂層における配向度の差異によって、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性に差異が生ずることを見出した。配向度とは、分子の配列の規則性の指標である。配向度が高い状態とは、規則的に分子が伸びて配列している状態である。
図4は、フッ素樹脂層における配向度が0.05〜0.4の範囲で異なる定着ベルト61を用いて用紙Sの定着を行った場合、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性を下記評価基準により評価した結果を示す。図4中の初期とは、定着ベルト61が新品であり、用紙Sに対する定着を全く行っていない状態を指す。一方、耐久後とは、1000[枚]の用紙S(普通紙)に対する定着を行った後の状態を指す。
(光沢度)
○:75°光沢度が70以上である。
△:75°光沢度が65以上かつ70未満である。
×:75°光沢度が65未満である。
75°光沢度は、光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所杜製)を用いて測定角型を選択し、JIS Z 8741に準拠して、用紙S(坪量:128[g/m2]のPODグロスコート)に形成されたトナー像(Blue画像)の中央部および四隅の5点について75°光沢度を測定し、その算術平均値により算出されるものである。
(分離性)
○:用紙Sの先端余白が3[mm]である場合に定着ベルト61から分離した。
△:用紙Sの先端余白が5[mm]である場合に定着ベルト61から分離した。
×:用紙Sの先端余白が5[mm]より大きい場合に定着ベルト61から分離した。
用紙Sとしては、トナー像(Blue画像)が形成された用紙S(坪量:85[g/m2]のコート紙)を用いた。
フッ素樹脂層における配向度(表面方向)は、FT−IR(偏光ATR法)により測定した。測定において使用した装置および条件は以下の通りである。
装置:サーモ製 Nexus870
ATRプリズム:KRS−5
測定波長:507[cm−1]
図4に示すように、フッ素樹脂層における配向度が0.05、すなわち0.1未満である場合、定着ベルト61を用いて用紙Sの定着を行ったとき、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度は初期的に悪くなった。これは、フッ素樹脂層表面の平滑度が高くなり、用紙S上のトナーと定着ベルト61との密着性が向上することにより離型性が低下した結果、定着ベルト61から離れた後のトナー層表面が荒れているためと考えられる。また、定着ベルト61からの用紙Sの分離性も初期的に悪くなった。これは、定着ベルト61が新品であり、配向度が低い場合、フッ素樹脂層表面の平滑度が高くなり、用紙Sに形成されたトナー像と定着ベルト61(フッ素樹脂層)との接触面積が増大し、定着ベルト61から用紙Sが離れにくくなるためと考えられる。
また、フッ素樹脂層における配向度が0.5、すなわち0.4より大きい場合、定着ベルト61を用いて用紙Sの定着を行えば、初期から耐久を通して、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性について良好な結果を得られると考えられる。しかしながら、フッ素樹脂層における配向度が0.4より大きい定着ベルト61を安定して製造することは困難である。
一方、耐久後は、フッ素樹脂層における配向度の大小に関係なく、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度は良好だった。これは、通紙により、フッ素樹脂層表面が荒れてフッ素樹脂層表面におけるトナーの離型性が向上した結果、定着ベルト61から離れた後のトナー層表面の平滑度が向上するためと考えられる。また、フッ素樹脂層における配向度の大小に関係なく、定着ベルト61からの用紙Sの分離性は良好だった。これは、用紙S(普通紙)に対する定着処理によってフッ素樹脂層の表面が荒れ、用紙Sに形成されたトナー像と定着ベルト61(フッ素樹脂層)との接触面積が減少し、定着ベルト61から用紙Sが離れやすくなるためと考えられる。
以上のように、フッ素樹脂層における配向度が0.1以上かつ0.4以下、より望ましくは0.2以上かつ0.4以下であれば、初期から耐久を通して、用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性について良好な結果を得られることがわかった。
なお、配向度の測定方法には、FT−IRの他にXRD(広角X線回折法)が存在する。XRDによる配向度の測定において使用される装置および条件は、例えば以下の通りである。
装置:リガク社製 RINT−TTR2(回転対陰極型回折装置)
付属装置: 繊維試料台
X線源:CuKα
出力:40[kV] 370[mA]
検出器:シンチレーションカウンター
配向度の測定では、試料の軸方向(MD方向)を基準軸として、PFA結晶ピーク(2θ)を18°付近に固定し、360°回転(β回転)させ、デバイ環に沿っての方位角分布強度を測定する。そして、配向度は、次式より算出することができる。
H=(360−(ΣW/360))×100 (H:配向度、W:半値幅)
図5は、FT−IRにより測定された配向度が異なるフッ素樹脂層において、XRDにより配向度を測定した結果を表す表である。図5に示すように、FT−IRによる測定では、XRDにより配向度を測定できない領域(つまり、XRDにより測定された配向度が0である領域)でも配向度を測定することができる。
さらに言えば、XRDによる配向度の測定では、試料表面において分子がある方向(例えば、軸方向)に規則的に整列している配向状態、言い換えればより厳密な分子の配向状態を測定することができる。その一方、FT−IRによる配向度の測定では、試料表面において分子がある方向に規則的に整列していない場合でも面方向に整列していれば、当該表面内の配向状態、言い換えればおおまかな分子の配向状態を測定することができる。図6Aは、XRDによって配向度を測定することができる分子の配列状態を示している。図6Bは、XRDによって配向度を測定することができないが、FT−IRによって配向度を測定することができる分子の配列状態を示している。
[本実施の形態における効果]
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、定着ベルト61は、用紙S上のトナー像を加熱して当該用紙Sに定着させるプロセスに用いられる定着部材であって、基材層と、基材層上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられたフッ素樹脂層とを有し、FT−IRにより測定されるフッ素樹脂層の配向度は、0.1以上かつ0.4以下の範囲に含まれる。
このように構成した本実施の形態によれば、定着ベルト61を用いて用紙Sの定着を行う場合、初期から耐久を通して用紙Sに形成されたトナー像の光沢度、および、定着ベルト61からの用紙Sの分離性について良好な結果を得ることができ、ひいては初期から耐久を通して画像品質の安定性を向上させることができる。上記特許文献1,2には、フッ素樹脂チューブの配向度をXRDにより測定することが記載されているが、当該配向度をFT−IRにより測定することについて記載も示唆もされていない。そのため、上記特許文献1,2に記載の技術は、本実施の形態に記載の技術と全く異なり、当該本実施の形態の効果を得ることができない。
なお、上記実施の形態では、定着ベルト61が本発明の「定着部材」に対応する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、下加圧ローラー65が本発明の「定着部材」に対応しても良いし、定着ベルト61および下加圧ローラー65が本発明の「定着部材」に対応しても良い。下加圧ローラー65が本発明の「定着部材」に対応する場合、下加圧ローラー65は、基材層と、基材層上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられたフッ素樹脂層とを有し、FT−IRにより測定されるフッ素樹脂層の配向度は、0.1以上かつ0.4以下の範囲に含まれる。これにより、両面通紙時において、用紙Sの裏面側に形成されたトナー像の光沢度が初期的に低くなったり、下加圧ローラー65からの用紙Sの分離性が初期的に悪くなったりすることに起因する、初期から耐久を通して画像品質の安定性が低いという問題を解消することができる。
また、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
61 定着ベルト
62 加熱ローラー
63 上加圧ローラー
64 張架部材
65 下加圧ローラー
66 端点
71 通信部
72 記憶部
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
NP 定着ニップ

Claims (6)

  1. 用紙上のトナー像を加熱して当該用紙に定着させるプロセスに用いられる定着部材であって、
    基材層と、
    前記基材層上に設けられた弾性層と、
    前記弾性層上に設けられたフッ素樹脂層と、
    を有し、
    FT−IRにより測定される前記フッ素樹脂層の配向度は、0.1以上かつ0.4以下の範囲に含まれることを特徴とする定着部材。
  2. 前記フッ素樹脂層の配向度は、0.2以上かつ0.4以下の範囲に含まれることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記フッ素樹脂層は、チューブ状のフッ素樹脂を前記弾性層上に被覆して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着部材。
  4. 前記フッ素樹脂層は、前記定着部材の表層として設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の定着部材。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の定着部材を備えることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2014024309A 2014-02-12 2014-02-12 定着部材、定着装置および画像形成装置 Pending JP2015152673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014024309A JP2015152673A (ja) 2014-02-12 2014-02-12 定着部材、定着装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014024309A JP2015152673A (ja) 2014-02-12 2014-02-12 定着部材、定着装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015152673A true JP2015152673A (ja) 2015-08-24

Family

ID=53895019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014024309A Pending JP2015152673A (ja) 2014-02-12 2014-02-12 定着部材、定着装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015152673A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63243836A (ja) * 1987-03-31 1988-10-11 Agency Of Ind Science & Technol 高分子材料の表面配向性測定方法
JP2000254967A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Nitto Denko Corp フッ素系基材
US6141873A (en) * 1998-02-04 2000-11-07 Ames Rubber Corporation Method of manufacture of multi-layer roll having compliant PTFE top layer from a fibrillated PTFE membrane
WO2008143035A1 (ja) * 2007-05-10 2008-11-27 Gunze Limited フッ素樹脂チューブ及びその製造方法
JP2009025612A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Canon Inc 定着装置用ローラ、定着装置用スリーブ及びその定着装置用ローラと定着装置用スリーブの製造方法
JP2010143118A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Canon Inc 定着部材の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63243836A (ja) * 1987-03-31 1988-10-11 Agency Of Ind Science & Technol 高分子材料の表面配向性測定方法
US6141873A (en) * 1998-02-04 2000-11-07 Ames Rubber Corporation Method of manufacture of multi-layer roll having compliant PTFE top layer from a fibrillated PTFE membrane
JP2000254967A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Nitto Denko Corp フッ素系基材
WO2008143035A1 (ja) * 2007-05-10 2008-11-27 Gunze Limited フッ素樹脂チューブ及びその製造方法
JP2009025612A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Canon Inc 定着装置用ローラ、定着装置用スリーブ及びその定着装置用ローラと定着装置用スリーブの製造方法
JP2010143118A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Canon Inc 定着部材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014228789A (ja) 定着装置、画像形成装置および表面回復方法
JP2018097118A (ja) 定着装置および画像形成装置
US10281849B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP5929893B2 (ja) 画像形成装置および定着装置
US10082756B2 (en) Image forming apparatus and image forming system
JP2015148760A (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP2016206296A (ja) 画像形成装置、画像形成システムおよび加熱制御方法
JP6341162B2 (ja) 画像形成システム、画像形成装置および転写条件変更方法
JP6269192B2 (ja) 画像形成装置
JP6222196B2 (ja) 画像形成装置および画像形成システム
JP2019086747A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5893968B2 (ja) 定着装置およびそれを備える画像形成装置
JP2017111188A (ja) 定着装置、画像形成装置およびニップ形状変更方法
JP2015152673A (ja) 定着部材、定着装置および画像形成装置
JP6237184B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5842797B2 (ja) 画像形成装置および揺動制御方法
US11856168B2 (en) Sheet conveyance apparatus and image forming apparatus
US11054776B2 (en) Fixing device, image forming apparatus, and fixing method
JP7180361B2 (ja) 定着装置、画像形成装置および制御方法
JP5807528B2 (ja) 画像形成装置
JP6331458B2 (ja) 画像形成装置
JP6376263B2 (ja) 画像形成装置および画像形成システム
JP6601247B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システムおよび送風制御方法
JP2021173927A (ja) 画像形成装置
JP2006003508A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171031