JP2015152236A - 地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システム - Google Patents

地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システム Download PDF

Info

Publication number
JP2015152236A
JP2015152236A JP2014026665A JP2014026665A JP2015152236A JP 2015152236 A JP2015152236 A JP 2015152236A JP 2014026665 A JP2014026665 A JP 2014026665A JP 2014026665 A JP2014026665 A JP 2014026665A JP 2015152236 A JP2015152236 A JP 2015152236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchange
heat
collection system
layer
geothermal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014026665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5963790B2 (ja
Inventor
秀樹 宮下
Hideki Miyashita
秀樹 宮下
清貴 内山
Kiyotaka Uchiyama
清貴 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MORIYA SHOKAI KK
Original Assignee
MORIYA SHOKAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MORIYA SHOKAI KK filed Critical MORIYA SHOKAI KK
Priority to JP2014026665A priority Critical patent/JP5963790B2/ja
Publication of JP2015152236A publication Critical patent/JP2015152236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5963790B2 publication Critical patent/JP5963790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24TGEOTHERMAL COLLECTORS; GEOTHERMAL SYSTEMS
    • F24T10/00Geothermal collectors
    • F24T10/10Geothermal collectors with circulation of working fluids through underground channels, the working fluids not coming into direct contact with the ground
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24TGEOTHERMAL COLLECTORS; GEOTHERMAL SYSTEMS
    • F24T10/00Geothermal collectors
    • F24T10/30Geothermal collectors using underground reservoirs for accumulating working fluids or intermediate fluids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/10Geothermal energy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

【課題】従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムを提供する。
【解決手段】地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムであって、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層100と、熱交換層110内に埋設された熱交換パイプ120と、熱交換パイプ120の上方から熱交換層110に地下水を供給する地下水供給装置130とを備える地中熱採熱システム100。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システムに関する。
地中熱採熱システムは、採熱装置の構造によりオープン型の地中熱採熱システムとクローズド型の地中熱採熱システムに大別される。このうち、クローズド型の地中熱採熱システムは、例えば、特許文献1及び2に記載されている。このうち、特許文献1に記載されたクローズド型の地中熱採熱システムは、垂直式の地中熱採熱システム(クローズド型垂直式の地中熱採熱システム)であり、特許文献2に記載されたクローズド型の採熱装置は、水平式の地中熱採熱システム(クローズド型水平式の地中熱採熱システム)である。
これらの地中熱採熱システムのうち、オープン型の地中熱採熱システムは、地下水を直接採取しその熱エネルギーを交換するものであるため、クローズド型の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的であるが、地下水を涵養するための設備が別途必要であり、配管内にたまるスケール等のメンテナンスが必要でありメンテナンス性に劣るという問題がある。
クローズド型の地中熱採熱システムは、上記のような問題はないが、クローズド型の地中熱採熱システムのうち、クローズド型垂直式の地中熱採熱システムは、施工コスト(建設コスト)が高いという問題があるため、クローズド型垂直式の地中熱採熱システムよりも施工コスト(建設コスト)が安いクローズド型水平式の地中熱採熱システムの普及が期待されている。
特開2011−191014号公報 特開2013−217603号公報
しかしながら、クローズド型水平式の地中熱採熱システムにおいては、大気中の気候変動に伴う気温変化の影響を受けやすく、また、地下水が存在しないか非常に少ない地中浅層部で熱交換を行うため、利用可能な熱交換量が少なく実用的でないという問題がある。
そこで、本発明は、そのような問題を解決するためになされたもので、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した目的を達成すべく鋭意努力を重ねた結果、本来は、大気中の気候変動に伴う気温変化の影響を受けやすく、また、地下水が存在しないか非常に少ない地中浅層部で熱交換を行わざるを得ないクローズド型水平式の地中熱採熱システムであっても、そのような地中浅層部に十分な量の地下水を供給して熱交換を行わせるとともに、熱交換された後の熱ポテンシャルが低下した地下水を徐々に地下浸透させることこととすれば、利用可能な熱交換量を増大することが可能となり、もって、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムを提供することが可能となることに思い至り、本発明を完成させるに至った。
[1]本発明の地中熱採熱システムは、地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムであって、地中浅層部に設置され、水浸透性を有する熱交換層と、前記熱交換層内に埋設された前記熱交換パイプと、前記熱交換パイプの上方から前記熱交換層に地下水を供給する地下水供給装置とを備えることを特徴とする。
[2]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記熱交換層が、人工土砂層からなることが好ましい。
[3]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記人工土砂層が、細粒土分を含まない人工土砂層(すなわち人工砂礫層)であることが好ましい。
[4]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記熱交換層の底面及び/又は前記熱交換層の内部には、土木シート(土木安定シートということもある。)が配設されていることが好ましい。
[5]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記熱交換層が、ポーラスコンクリート層及び当該ポーラスコンクリート層の上部に設けられた人工土砂層からなることが好ましい。
[6]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記熱交換層の底面には、土木シートが配設されていることが好ましい。
[7]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記地下水供給装置は、井戸と、当該井戸から前記熱交換層に地下水を移送するポンプ及び導管と、前記導管から前記熱交換層に地下水を供給する供給口を有することが好ましい。
[8]本発明の地中熱採熱システムにおいては、前記熱交換層には、地下水の水位をモニターするための水位計と、熱交換層の温度をモニターするための温度計とが配設されており、前記地下水供給装置は、前記水位計によりモニターされた水位情報及び前記温度計によりモニターされた温度情報に基づいて、前記地下水の供給動作を制御する機能を有することが好ましい。
[9]本発明の地中熱採熱システムにおいて、前記熱交換層においては、地下水の地盤浸透の速度をvgとし、地下水の自然対流の速度をvfとしたとき、vg>vfなる関係を満たすことが好ましい。
[10]本発明の地中熱冷暖房又は給湯システムは、本発明の地中熱採熱システムと、前記地中熱採熱システムの熱交換媒体を用いて熱交換するヒートポンプとを備えることを特徴とする。
本発明の地中熱採熱システムによれば、上記したように、熱交換パイプの上方から熱交換層に地下水を供給する地下水供給装置を備えることから、地中浅層部に十分な量の地下水を供給して熱交換を行わせるとともに、熱交換された後の熱ポテンシャルが低下した地下水を徐々に地下浸透させることが可能となる。その結果、本発明の地中熱採熱システムは、利用可能な熱交換量を増大することが可能となり、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。また、本発明の地中熱冷暖房又は給湯システムは、本発明の地中熱採熱システムの場合と同様に、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムを用いた地中熱冷暖房又は給湯システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱冷暖房又は給湯システムとなる。
実施形態1に係る地中熱採熱システム100及び地中熱冷暖房又は給湯システム10の断面図である。 実施形態1に係る地中熱採熱システム100の要部を示す断面図である。 実施形態1に係る地中熱採熱システム100の要部を示す断面図である。 実施形態2に係る地中熱採熱システム200の断面図である。 実施形態2に係る地中熱採熱システム200の要部を示す断面図である。 実施形態3に係る地中熱採熱システム300の断面図である。 実施形態3に係る地中熱採熱システム300の要部を示す断面図である。
本発明の地中熱採熱システム100及び地中熱冷暖房又は給湯システム10を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
1.地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システムの構成
図1は、実施形態1に係る地中熱採熱システム100及び地中熱冷暖房又は給湯システム10の断面図である。図1中、符号Aは熱交換パイプ120を熱交換媒体が流れる方向を示し、符号Aは熱交換層110を地下水が浸透する方向を示す。以下の図面においても同様である。
図2は、実施形態1に係る地中熱採熱システム100の要部を示す断面図である。図2(a)は熱交換層110の内部における熱交換パイプ120の敷設状態を示す縦断面図であり、図2(b)は熱交換層110の内部における水位計141,142及び温度計143の敷設状態を示す縦断面図である。なお、図2においては、土木シート112の図示を省略している。
図3は、実施形態1に係る地中熱採熱システム100の要部を示す断面図である。図3(a)は熱交換層110の内部における熱交換パイプ120の敷設状態を示す横断面図であり、図3(b)は熱交換層110の内部における導管133の敷設状態を示す横断面図である。
実施形態1に係る地中熱冷暖房又は給湯システム10は、図1〜図3に示すように、地中熱採熱システム100(実施形態1に係る地中熱採熱システム100)と、地中熱採熱システム100の熱交換媒体を用いて熱交換するヒートポンプ21と、建物内の空調機(冷暖房機)又は給湯器22とを備える地中熱冷暖房又は給湯システムである。ヒートポンプ21は、蒸発器と凝縮器とを含む間接式のヒートポンプ式熱交換器である。
そして、実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、図1〜図3に示すように、地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムであって、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層110と、熱交換層110内に埋設された熱交換パイプ120と、熱交換パイプ120の上方から熱交換層110に地下水を供給する地下水供給装置130とを備える。
地中浅層部G1とは、概ね地面から10mよりも浅い部分の層又は地盤をいい、後述する地中深層部G2とは、地中浅層部よりも深い部分であって、帯水層を含む層又は地盤をいい、後述する地盤G3とは、地中浅層部G1よりも下方の地盤をいう。
熱交換層110は、細粒土分を含まない人工土砂層(すなわち人工砂礫層)からなる。人工土砂層としては、例えば、砕石又は河川産洗い砂利を用いる。中でも砂利の角がとがっていなくて、熱交換パイプ110や土木シート112を損傷する可能性の小さい河川産洗い砂利を用いるのが好ましい。
熱交換層110の底面及び熱交換層110の内部には、図1〜図3に示すように、土木シート111,112が配設されている。土木シート111,112は、熱交換層110全体としての透水係数を所定の透水係数内に調整するために用いる。土木シート111,112としては、繊維間に適度な空隙を有する汎用の土木シート(例えば、ポリエステル繊維を用いた一般土木用織布。)を用いることができる。なかでも、厚さ0.19〜1.14mmで透水係数が5×10−3cm/s〜5×10−2cm/sの土木シートを用いることが好ましい。
熱交換層110の側面には、図1及び図2に示すように、遮水シート113が配設されている。遮水シート113は、熱交換層110と周囲の地盤G1との間の水の流通を防止するために用いる。遮水シート113としては、例えば、汎用の遮水シート(例えば、塩化ビニル製の土木工事用遮水シート、加硫ゴム系の土木工事用遮水シートなど。)を用いることができる。
熱交換層110の上面には、図1及び図2に示すように、遮水シート及び断熱材114が配設されている。遮水シート及び断熱材114は、雨水が熱交換層110にしみ込まないように、かつ、熱交換層110の温度が地表の温度に影響されにくくするようにするために用いる。遮水シート及び断熱材114としては、上記した汎用の遮水シート及び汎用の断熱材(例えば、厚さ10cmの発泡スチロール製の板材)を用いることができる。
熱交換層110の大きさは、ヒートポンプの出力に応じた必要採取熱エネルギー量に見合う地下水および地中の熱量を貯熱し得る大きさとする。
熱交換層110を設置する場所としては、ある程度、地下水が豊かな地盤で、かつ、地下水を浸透し易い地盤(例えば、砂礫層、なかでも河川の近くの砂礫地盤)がある場所を選択することが好ましい。
熱交換パイプ120は、例えば、外径27mm〜50mm、内径21mm〜41mm程度の高密度ポリエチレン製のパイプである。熱交換パイプ120としては、市販の地中熱交換システム用パイプを用いることができる。熱交換パイプ120は、図3に示すように、例えば、ループ状に敷設する。また、熱交換パイプ120は、図1、図2及び図3(b)に示すように、鉛直方向に複数段になるように敷設する。また、熱交換パイプ120は、ヒートポンプの出力に応じて複数の熱交換パイプを並列に敷設したものであってもよい(図3(a)参照。)。
地下水供給装置130は、図1に示すように、井戸131と、当該井戸131から熱交換層110に地下水137を移送するポンプ132及び導管133と、導管133(導管先端部134)から熱交換層110に地下水を供給する供給口135とを有する。なお、図1中、符号136は地下水の水位をモニターするための水位計を示す。当該水位計は投入水位計である。井戸131の深さは、地下水の賦存形態によるが、例えば10m〜50mとする。
熱交換層110には、図2(b)に示すように、地下水の水位をモニターするための水位計141,142と、熱交換層110の温度をモニターするための温度計143が配設されている。そして、地下水供給装置130は、水位計141,142によりモニターされた水位情報及び温度計143によりモニターされた温度情報に基づいて、地下水の供給動作を制御する機能を有する運転制御部140を備える。なお、水位計141は投入水位計であり、水位計142は電極水位計である。
2.地中熱採熱システムの使用例
(1)ヒートポンプとの接続
まず、図1に示すように、実施形態1に係る地中熱採熱システム100をヒートポンプ21に接続し、ヒートポンプ21を建物内の空調機(冷暖房機)又は給湯器22に接続しておく。夏季の冷房時、冬季の暖房時、給湯時には、以下のようにして、実施形態1に係る地中熱採熱システム100及び地中熱冷暖房又は給湯システム10を使用する。
(2)夏季
夜間に地下水(例えば15℃)を熱交換層110に供給して、熱交換層110の温度を下げておく。日中室内の温度が上がってきたら、熱交換媒体(例えば、水、不凍液など。)を介して、熱交換層110の冷熱と室内の温熱との熱交換を行うことにより、室内を冷房するとともに、室内の温熱を熱交換層110に排出する。すると熱交換層110が徐々に暖まってくるが、その暖まった水が当該熱交換層110の下方に位置する土砂層(地盤G3)に徐々に浸透する過程で、温熱が当該土砂層(地盤G3)に排出される。従って、熱交換層110の温度が上がり難くなり、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。
(3)冬季
夜間に地下水(例えば15℃)を熱交換層110に供給して、熱交換層110の温度を上げておく。日中又は夜間に室内の温度が下がってきたら、熱交換媒体(例えば、水、不凍液など。)を介して、熱交換層110の温熱と室内の冷熱との熱交換を行うことにより、室内を暖房するとともに、室内の冷熱を熱交換層110に排出する。すると熱交換層110が徐々に冷えてくるが、その冷えた水が当該熱交換層110の下方に位置する土砂層に徐々に浸透する過程で、冷熱が当該土砂層(地盤G3)に排出される。従って、熱交換層110の温度が下がり難くなり、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。
(4)給湯器貯湯槽昇温時
地下水(例えば15℃)を熱交換層110に供給して、熱交換層110の温度を地下水の温度に近づけておく。給湯器貯湯槽昇温時には、熱交換層110で熱交換された熱交換媒体(例えば、水、不凍液など。)の熱エネルギーをヒートポンプで昇温して貯湯槽に温水を蓄えるとともに、熱交換媒体(例えば、水、不凍液など。)の冷熱を熱交換層110に排出する。すると熱交換層110が徐々に冷えてくるが、その冷えた水が徐々に下方の熱交換層110に浸透する過程で、冷熱が熱交換層110の下方に位置する土砂層(地盤G3)に排出される。従って、熱交換層110の温度が下がり難くなり、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。また、夏季においては冷房による排熱と給湯器貯湯槽昇温による吸熱が相殺され好都合である。
(5)地下水供給のタイミング
実施形態1に係る地中熱採熱システム100において、熱交換層110内の地中熱エネルギーが不足(低下)した場合は、昼間に熱交換層に地下水を供給してもよい。地下水供給装置130による地下水の供給動作の制御は、熱交換層110内に設置した水位計141,142や温度計143によりモニターされた水位情報や温度情報並びにヒートポンプの運転状況に基づいて行う。
3.地中熱採熱システムの作用・原理
本発明は、地下水の流れを地表面近くの地盤(地中浅層部G1)内に人為的に実現し、そこに設置費用が安価ないわゆる水平ループ型の採熱管(熱交換パイプ120)を布設し、採熱効率に優れ設置費用が廉価なシステムを実現するものである。まず、流動する地下水を地中浅層部G1に実現する方法を図1を用いて説明する。地中に設置した1本の井戸130で地中深層部G2に滞水する熱エネルギーの高い地下水を例えば水中ポンプ132により揚水する。揚水した地下水を地表面近くに構築した熱交換層110の天端部分に供給(散水、給水)する。熱交換槽110の内部には例えば透水性の高い砕石が充填されていて、かつ、底面には浸透性の高い地盤G3に直に接しているため、熱交換槽110の上部に供給された地下水は、重力の作用により熱交換層110内を流下し下方の地盤に浸透してゆく。最終的には、地下浸透が進み地中深層部G2の滞水層に還元される。このような機構により、熱交換層110の内部には、鉛直方向に下向きの地下水流れが実現されることになる。これにより高効率の地中採熱が可能となる(効果A)。
本発明の地中熱採熱システム100においては、この鉛直方向の地下水流れに直交する形で例えば水平ループ状の熱交換パイプ120を配設して、地下水の熱エネルギーを採取する構造とする。このように地表面近くに水平ループ方式で熱交換パイプ120を敷設することで、施工コストの低減化を図ることができる(効果B)。
熱交換層110の内部の地下水は自由水面を有し、基本的に水位変動を許容するものとする。この水位は、熱交換層110の内部に設置した水位計により変動が計測され、かつ、熱交換層110の内部に設置した温度計により温度変化情報が得られる仕組みとする。この水位と温度の情報にヒートポンプの運転情報を加味して、ポンプの運転が最適となるように制御を行う。制御の例として、夏季の冷房需要を想定した場合には、電力に余剰がある夜間に水中ポンプを稼動させて熱交換層110内を満水状態とし、熱交換層内の熱エネルギーを高める。冷房需要で電力が逼迫する昼間はポンプの稼動を抑制し、運転効率の高いヒートポンプの稼動で昼間帯のピーク電力の抑制を実現する。このようにして、夜間の余剰電力により地下水を揚水し、空調が必要な昼間帯のエネルギーとして供給することで、日サイクルの中にエネルギーの有効活用を実現することができる(効果C)。
熱交換層110は、供給された地下水の熱エネルギーを蓄積し地下水ととも熱交換パイプ120に熱エネルギーを供給するばかりでなく、熱交換層110内の地下水の自由対流を抑制して、熱交換パイプ120内の熱交換媒体と交換された熱負荷(夏季冷房使用時の地下水の温度上昇)が水面上部に蓄積することを防止する機能を有する。熱交換後の地下水の温度上昇が例えば5℃〜10℃であると仮定した場合、熱交換層110の下方にある地盤G3の透水係数を1×10−4cm/s程度とすることで、地下浸透による強制対流を卓越させ、温度上昇による自然対流の発生を防ぐことができる。すなわち、熱交換後の排熱は、熱交換層110内に留まることなく、地下に浸透処理されるのである(効果D)。透水係数は、後述する式を用いて算出することが出来る。
本発明の地中熱採熱システム100においては、地下水は地表には出ることなく、水循環が地下の密閉空間で完結している。つまり、地中の地下水の流れを人為的に実現したものであるから、地下水の揚水には該当しない。従って、今後予想される、地下水の取水制限や、地下水汚濁(汚染)防止の規制にも適用性の高いシステムとなる(効果E)。
現在わが国で普及している地中熱ヒートポンプの種類には、間接方式と直膨式がある。間接方式とは、ヒートポンプと地中熱交換器の間に樹脂または金属製の熱交換器を設置し、その中を循環する水又は不凍液を介して間接的に地中から採熱する方法で、わが国ではこの方式が一般的に普及している。一方、直膨式はヒートポンプの採熱管を地中に埋設し、直接土壌と熱交換する方式で、間接方式に比べてヒートポンプの運転効率は高いといわれている。しかしながら、配管長や分配形式によっては圧力損失が大きくなることや、熱交換媒体の漏出のリスクや封入技術等に難点があり高い施工精度が必要とされ、わが国では普及していない。
本発明の地中熱採熱システムは、上記効果A及び効果Bにより、長さが短くかつ圧力損失の少ないループ状の採熱管を地上の開空間で十分管理された状況で施工が可能となる。このため、従来のボアホール型に比して直膨式の熱交換媒体の封入に適していることから、直膨式の安価で熱交換効率に優れるヒートポンプシステムの実現に適している(効果F)。
以上により、本発明の地中熱採熱システムは、従来技術と比して高い性能を有するものとなる。
以下、本発明で重要な、自然対流(熱対流ということもある)と強制対流との関係を説明する。
熱の移動には、空間を通して離れた物体間に熱が移動する放射、物質の移動を伴わないで熱が物体の高温部から低温部へ移動する伝導、そして流体の実質の流れによって熱が移動する対流の3形態がある。土砂のような多孔質体内が水で飽和している場合には、熱の移動は伝導と対流が主体となる。このうち対流には、飽和水内の不均質な温度分布に起因する自然対流とそれ以外の要因で起こる強制対流がある。自然対流は、水温の変化で生じた水の質量の変化(例えば温度上昇に伴う密度低下による浮力)による対流で、強制対流は密度変化に起因しない対流であり、例えば、重力作用による地盤G3への浸透により発生する対流(地下浸透流)である。水のみの場合(水槽等)は温度変化に伴い自然対流が発生し、上層部が高温、下層部が低温となる。これに対して飽和土砂中の水の移動は土砂中の空隙が僅かであることから対流が発生し難い。この度合いは土砂の透水係数と水の温度差に比例し、かつ、土砂の間隙率の逆数に比例し、自然対流の速度vfは次式で示される。
この場合、飽和土砂内の水温の変化に伴い発生する自然対流の速度vfを上回る地下地盤浸透による強制対流があれば、飽和土砂内の自然対流の発生を抑えることができる。言い換えれば、自然対流を生じさせないためには、vg>vfとなるように地下浸透による強制対流の速度vgを自然対流の速度vfよりも卓越させれば良い。これにより、土砂層内の蓄熱(いわゆる熱枯れ)を回避することができる。
上式で明らかなように自然対流の速度vfのコントロールは土砂中の間隙率と透水係数の調整で可能となる。これは土砂材料の粒度調整または土木シート(織布)若しくは両者の組み合わせにより実現できる。強制対流の速度vgは土砂部より下の地盤の当該地固有の特性である透水係数に支配されるが、透水係数が大きく土砂内の水が大量に地盤内に浸透するような場合には、地盤と土砂との境界面に土木シートを布設し浸透速度を調整することも可能である。このような人工的な土砂層と地盤からなる装置を地下水循環型地中熱土槽と呼ぶ。この土槽内に地中熱ヒートポンプの一次側の採熱管を敷設した地中熱採熱装置を地下水循環型地中採熱システムと呼ぶ。
ゆえに、本発明は、地下水の未利用熱エネルギーを効率的に取得することを目的とする、自然対流を発生させないように人工的に造った土槽内で常に新しい熱エネルギーを持つ地下水の連続若しくは間欠供給を受ける採熱装置を提供するものである。
4.地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システムの効果
実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、熱交換パイプ120の上方から熱交換層110に地下水を供給する地下水供給装置130を備えることから、地中浅層部に十分な量の地下水を供給して熱交換を行わせるとともに、熱交換された後の熱ポテンシャルが低下した地下水を徐々に地下浸透させることが可能となる。その結果、実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、利用可能な熱交換量を増大することが可能となり、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。その結果、同じ採熱量を確保するのに従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムの場合よりも狭い敷地面積で済むという効果もある。
特に、実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、地下水供給装置130の運転を夜間に行うこととすれば、安価な深夜電力を使用できるため、エネルギー使用量を抑制することが可能となり、また、日中の電力のピークカットにも資するものとなる。
また、実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、地下水を活用するシステムであるが、元来クローズド型の地中熱採熱システムであることから、オープン型の地中採熱システムのように配管内にたまるスケール等をメンテナンスする必要がなく、メンテナンス性にも優れたものとなる。また、地下水を涵養するための設備を別途準備する必要がなく、自然への負担も小さい。
また、実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、元来水平式の地中熱採熱システムであることから、高価な垂直式のボアホールが不要となるなど、垂直式の地中熱採熱システムと比較して、工事難易度が低く容易に施行でき施工コストも低いものとなる。
また、実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、熱交換層110が、人工土砂層からなることから、土砂の粒度を調整することで透水係数を調整することが可能となる。これにより、自然対流(熱対流ということもある)の速さよりも、地下水が下方の土砂層に浸透する速さを速くすることが可能となり、熱交換層に排出された排熱(温熱又は冷熱)を熱交換層の下方に位置する土砂層(地盤G3)にスムーズに排出することが可能となる。
なお、地盤浸透が遅すぎると熱交換層110に排熱がこもり、採取できる熱エネルギーが少なくなる一方において、地盤浸透が速すぎると地下水の供給量を多くしないといけなくなる。これらの観点から言えば、熱交換層110の透水係数は5×10−2cm/s〜5×10−3cm/s程度であることが好ましい。
また、実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、地下水供給装置130が、井戸131と、当該井戸131から熱交換層110に地下水を移送するポンプ132及び導管133と、導管133から熱交換層110に地下水を供給する供給口134を有することから、地下水が地表に出ることなく、また、地下水がそのまま下方の地盤3に浸透していくことから、別途地下水の涵養設備を準備する必要がない。
また、実施形態1に係る地中熱採熱システム100によれば、地下水供給装置130が、水位計141,142によりモニターされた水位情報及び温度計143によりモニターされた温度情報に基づいて、地下水の供給動作を制御する機能を有することから、常に最適なタイミングで最適な量の地下水を熱交換層に供給することが可能となり、利用可能な熱交換量を最大限に増大することが可能となる。
以上説明したように、実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、熱交換層110における、水の地盤浸透の速度をvgとし、水の自然対流の速度をvfとしたとき、vg>vfなる関係を満たすこと、すなわち、熱交換層110内の水温の変化に伴って発生する「水の自然対流」の速度vfよりも「水の地盤浸透」の速度vgを卓越させる条件で地中熱を採熱するようにしたことから、熱交換層110内における蓄熱(いわゆる熱枯れ)を回避することができ、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係る地中熱採熱システム200を説明するために示す図である。図4(a)は地中熱採熱システム200の縦断面図であり、図4(b)は図4(a)とは直交する方向から見た地中熱採熱システム200の縦断面図である。なお、図4(b)においては、地下水供給装置230の図示は省略している。
図5は、実施形態2に係る地中熱採熱システム200の要部を示す斜視図である。なお、図5においては、地下水供給装置230、接続管234、土木シート211,212、遮水シート213並びに遮水シート及び断熱材214の図示は省略している。
実施形態2に係る地中熱採熱システム200は、実施形態1に係る地中熱採熱システム100と同様に、地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムである。そして、図4に示すように、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層210と、熱交換層210内に埋設された熱交換パイプ220と、熱交換パイプ220の上方から熱交換層210に地下水を供給する地下水供給装置230とを備える。
実施形態2に係る地中熱採熱システム200が、実施形態1に係る地中熱採熱システム100と大きく異なるのは、熱交換パイプの構成である。すなわち、実施形態2に係る地中熱採熱システム200においては、熱交換パイプ220として、ポリエチレン製の細いパイプがシート状に構成されたシート状熱交換パイプ223(例えば幅900m、長さ5600mm)及び接続管224を用いる。そのようなシート状熱交換パイプとしては、市販の樹脂製シート状熱交換パイプ(例えば、G−カーペット)を用いることができる。熱交換パイプ220は、図4及び図5に示すように、鉄筋製又は樹脂製の架台250,251を用いて、シートを縦方向に折り返して、鉛直方向に3段になるように敷設する。
熱交換層210は、実施形態1に係る地中熱採熱システム100の場合と同様に、細粒土分を含まない人工土砂層(すなわち人工砂礫層)を用いる。人工土砂層は、熱交換層210の底面及び熱交換層210の内部には、図4に示すように、土木シート211,212が配設されており、熱交換層210の側面には、遮水シート213が配設されており、熱交換層210の上面には、遮水シート及び断熱材214が配設されている。
熱交換層210の大きさは、ヒートポンプの出力に応じた必要採取熱エネルギー量に見合う地下水及び地中の熱量を貯熱し得る大きさとする。また、ヒートポンプの出力に応じてシート状熱交換パイプを複数枚直列もしくは並列に連結し使用することもある。
なお、実施形態2に係る地中熱採熱システム200において、地下水供給装置230による地下水の供給動作の制御は、実施形態1の場合と同様に、熱交換層210内に設置した水位計や温度計(ともに図示せず)によりモニターされた水位情報や温度情報並びにヒートポンプの運転状況に基づいて行う。
このように、実施形態2に係る地中熱採熱システム200は、熱交換パイプの構成が、実施形態1に係る地中熱採熱システム100の場合とは異なるが、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層210と、熱交換層210内に埋設された熱交換パイプ220と、熱交換パイプ220の上方から熱交換層210に地下水を供給する地下水供給装置230とを備えることから、実施形態1に係る地中熱採熱システム100の場合と同様に、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る地中熱採熱システム300を説明するために示す図である。図6(a)は地中熱採熱システム300の縦断面図であり、図6(b)は図6(a)とは直交する方向から見た地中熱採熱システム300の縦断面図である。なお、図6(b)においては、地下水供給装置330の図示は省略している。
図7は、実施形態3に係る地中熱採熱システム300の要部を示す斜視図である。なお、図7においては、人工土砂層315、地下水供給装置330、接続管234、土木シート311、遮水シート313及び遮水シート及び断熱材314の図示は省略している。
実施形態3に係る地中熱採熱システム300は、実施形態2に係る地中熱採熱システム200と同様に、地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムである。そして、図6に示すように、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層310と、熱交換層310内に埋設された熱交換パイプ320と、熱交換パイプ320の上方から熱交換層310に地下水を供給する地下水供給装置330とを備える。
実施形態3に係る地中熱採熱システム300が、実施形態2に係る地中熱採熱システム100と大きく異なるのは、熱交換層の構成である。すなわち、実施形態3に係る地中熱採熱システム300においては、熱交換層310として、ポーラスコンクリート層315と、当該ポーラスコンクリート層の上部に設けられた人工土砂層316からなる熱交換層を用いる。
熱交換パイプ310は、実施形態2に係る地中熱採熱システム200の場合と同様に、ポリエチレン製の細いパイプがシート状に構成されたシート状熱交換パイプ323(例えば、幅900m、長さ5600mm)及び接続管324を用いる。
熱交換層310のポーラスコンクリート層315の内部には、シート状熱交換パイプ323が埋設され、熱交換層310の人工土砂層316には、地下水供給装置330の導管先端部334及び供給口335が配設されている。
熱交換層310の底面には、図6に示すように、土木シート311が配設されており、熱交換層310の側面には、遮水シート313が配設されており、熱交換層310の上面には、遮水シート及び断熱材314が配設されている。
なお、実施形態3に係る地中熱採熱システム300において、地下水供給装置330による地下水の供給動作の制御は、実施形態1及び2の場合と同様に、熱交換層310内に設置した水位計や温度計(ともに図示せず)によりモニターされた水位情報や温度情報並びにヒートポンプの運転状況に基づいて行う。
このように、実施形態3に係る地中熱採熱システム300は、熱交換層の構成が、実施形態2に係る地中熱採熱システム200の場合とは異なるが、地中浅層部G1に設置され、水浸透性を有する熱交換層310と、熱交換層310内に埋設された熱交換パイプ320と、熱交換パイプ320の上方から熱交換層310に地下水を供給する地下水供給装置330とを備えることから、実施形態2に係る地中熱採熱システム200の場合と同様に、従来のクローズド型水平式の地中熱採熱システムよりも利用可能な熱交換量が多く実用的な地中熱採熱システムとなる。
実施形態3に係る地中熱採熱システム300は、熱交換パイプ320が配設されたポーラスコンクリート層315を半製品として工場で製造しておき、そのようにして製造されたポーラスコンクリート層315を用いて現場で残りの施工作業をすることも可能である。このようにすることによって、現場での作業を簡略化することが可能となる。
なお、実施形態3に係る地中熱採熱システム300においては、セメント、混和剤、細骨材、粗骨材の配合比率を調整してポーラスコンクリートのポーラス度を調整することで熱交換層310の透水係数を調整することが可能である。また、適切な透水係数を有する土木シートを用いることで熱交換層310全体としての透水係数を調整することも可能である。これにより、自然対流の速さよりも、地下水が下方の土砂層(地盤G3)に浸透する速さを速くすることで、熱交換層に排出された排熱(温熱又は冷熱)を熱交換層の下方に位置する土砂層にスムーズに排出することが可能となる。
以上、本発明の地中熱採熱システム及び地中熱冷暖房又は給湯システムを上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)実施形態1又は2においては、人工土砂層として、細粒土分を含まない人工土砂層(すなわち人工砂礫層)からなる人工土砂層を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。細粒土分を含む人工土砂層を用いることもできる。
(2)実施形態1〜3においては、熱交換層の底面及び/又は熱交換層の内部に土木シートが配設された熱交換層を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。土木シートが配設されていない熱交換層を用いることもできる。粒度調整をすれば、土木シートは必ずしも必要ない。
(3)実施形態1〜3においては、熱交換層の側面に遮水シートが配設された熱交換層を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。遮水シートが配設されていない熱交換層を用いることもできる。
(4)実施形態1〜3においては、熱交換層の上面に遮水シート及び断熱材が配設された熱交換層を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。遮水シート及び断熱材が配設されていない熱交換層を用いることもできる。
(5)実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、熱交換パイプとして、ループ状の熱交換パイプを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。スパイラル状、蛇行状、螺旋状、リング状又はバスケット状の熱交換パイプを用いることもできる。
(6)実施形態1に係る地中熱採熱システム100は、熱交換パイプとして、高密度ポリエチレン製の熱交換パイプを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。ポリブテン製の熱交換パイプやステンレス製の熱交換パイプを用いることもできる。
(7)実施形態1〜3においては、地下水供給装置として、導管先端部に供給口が形成された地下水供給装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。導管先端部が透水性のある素材でできた地下水供給装置を用いることもできる。
(8)実施形態1に係る地中熱冷暖房又は給湯システム10は、ヒートポンプとして、間接式のヒートポンプ21を備えるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。直膨式のヒートポンプを備えるものであってもよい。
(9)実施形態1に係る地中熱冷暖房又は給湯システム10は、ヒートポンプを備えるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。ヒートポンプを備えないパッシブ型の地中熱冷房システムであってもよい。
(10)河川・池等の水源の近傍で水の流れがある場所でにおいて、河川水等を導水する装置が付加できる場合には、井戸水の揚水装置を用いないで本採熱装置を使用することができる。
10…地中熱利用冷暖房又は給湯システム、21…ヒートポンプ、22…建物内の空調機(冷暖房機)又は給湯器、100,200,300…地中熱採熱システム、110,210,310…熱交換層、111,112,211,212,311…土木シート、113,213,313…遮水シート、114,214,314…遮水シート及び断熱材、115,215,315…マンホール蓋、120,220,320…熱交換パイプ、121…導入部、122…導出部、130,230,330…地下水供給装置、131,231,331…井戸、132,232,332…ポンプ、133,233,333…導管、134,234,334……導管先端部、135,235,335…供給口、136,236,336…水位計、137,237,337…地下水、140…運転制御部、223,323…シート状熱交換パイプ、224,324…接続管、315…ポーラスコンクリート層、316…人工土砂層、B…建物、G…地面、G1…地中浅層部、G2…地中深層部

Claims (10)

  1. 地中浅層部に埋設した熱交換パイプに熱交換媒体を循環させることにより地中熱を採熱するクローズド型水平式の地中熱採熱システムであって、
    地中浅層部に設置され、水浸透性を有する熱交換層と、
    前記熱交換層内に埋設された前記熱交換パイプと、
    前記熱交換パイプの上方から前記熱交換層に地下水を供給する地下水供給装置とを備えることを特徴とする地中熱採熱システム。
  2. 請求項1に記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層が、人工土砂層からなることを特徴とする地中熱採熱システム。
  3. 請求項2に記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記人工土砂層が、細粒土分を含まない人工土砂層であることを特徴とする地中熱採熱システム。
  4. 請求項2又は3に記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層の底面及び/又は前記熱交換層の内部には、土木シートが配設されていることを特徴とする地中熱採熱システム。
  5. 請求項1に記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層が、ポーラスコンクリート層及び当該ポーラスコンクリート層の上部に設けられた人工土砂層からなることを特徴とする地中熱採熱システム。
  6. 請求項5に記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層の底面には、土木シートが配設されていることを特徴とする地中熱採熱システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記地下水供給装置は、井戸と、当該井戸から前記熱交換層に地下水を移送するポンプ及び導管と、前記導管から前記熱交換層に地下水を供給する供給口を有することを特徴とする地中熱採熱システム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層には、地下水の水位をモニターするための水位計と、熱交換層の温度をモニターするための温度計とが配設されており、
    前記地下水供給装置は、前記水位計によりモニターされた水位情報及び前記温度計によりモニターされた温度情報に基づいて、前記地下水の供給動作を制御する機能を有することを特徴とする地中熱採熱システム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の地中熱採熱システムにおいて、
    前記熱交換層においては、地下水の地盤浸透の速度をvgとし、地下水の自然対流の速度をvfとしたとき、vg>vfなる関係を満たすことを特徴とする地中熱採熱システム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の地中熱採熱システムと、
    前記地中熱採熱システムの熱交換媒体を用いて熱交換するヒートポンプとを備える地中熱利用冷暖房又は給湯システム。
JP2014026665A 2014-02-14 2014-02-14 地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム Active JP5963790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026665A JP5963790B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026665A JP5963790B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015152236A true JP2015152236A (ja) 2015-08-24
JP5963790B2 JP5963790B2 (ja) 2016-08-03

Family

ID=53894695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014026665A Active JP5963790B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5963790B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105276862A (zh) * 2015-09-14 2016-01-27 安徽建筑大学 网箱式地表水源换热器
CN105737308A (zh) * 2016-04-28 2016-07-06 山东省建筑科学研究院 新风预处理地热交换系统
JP5959035B1 (ja) * 2015-12-29 2016-08-02 株式会社アグリクラスター 熱交換システム
JP2016164482A (ja) * 2015-02-27 2016-09-08 株式会社タカフジ 熱交換システム
JP2017146004A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 地中熱用熱交換器ユニットおよびそれを用いた熱搬送装置
KR101792145B1 (ko) * 2016-08-30 2017-11-20 조희남 공내 열교환기를 구성한 지열 시스템
KR20180043735A (ko) * 2017-10-10 2018-04-30 조희남 히트펌프의 열교환기를 공내 열교환기로 구성한 지열 시스템
CN110296462A (zh) * 2019-07-04 2019-10-01 深圳大学 利用相变储能的地源热泵换热装置及施工方法
JP2021001462A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 三井住友建設株式会社 蓄熱槽の保温構造

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005207718A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Sakamoto Kazuhiko 地中熱利用の融雪装置
JP2007192004A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Uerushii:Kk 地下水潜在熱活用給水システムとその装置
JP2007292445A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 地中熱利用冷暖房システム
JP2009109072A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Eco Power:Kk 地中熱採熱システム
JP2009264721A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Takahashi Kanri:Kk アース・ソーラーシステム(一層式)
JP2011191014A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Fudosan Kk 地中熱利用システム
JP2012092607A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Takeshi Nakagawa 舗装構造
JP2013178017A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Hideyuki Kurousu 熱交換システム
JP2013217603A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Iai:Kk 地中熱ヒートポンプ冷暖房システム

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005207718A (ja) * 2004-01-22 2005-08-04 Sakamoto Kazuhiko 地中熱利用の融雪装置
JP2007192004A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Uerushii:Kk 地下水潜在熱活用給水システムとその装置
JP2007292445A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 地中熱利用冷暖房システム
JP2009109072A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Eco Power:Kk 地中熱採熱システム
JP2009264721A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Takahashi Kanri:Kk アース・ソーラーシステム(一層式)
JP2011191014A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Fudosan Kk 地中熱利用システム
JP2012092607A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Takeshi Nakagawa 舗装構造
JP2013178017A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Hideyuki Kurousu 熱交換システム
JP2013217603A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Iai:Kk 地中熱ヒートポンプ冷暖房システム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016164482A (ja) * 2015-02-27 2016-09-08 株式会社タカフジ 熱交換システム
CN105276862A (zh) * 2015-09-14 2016-01-27 安徽建筑大学 网箱式地表水源换热器
JP5959035B1 (ja) * 2015-12-29 2016-08-02 株式会社アグリクラスター 熱交換システム
JP2017120169A (ja) * 2015-12-29 2017-07-06 株式会社アグリクラスター 熱交換システム
JP2017146004A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 地中熱用熱交換器ユニットおよびそれを用いた熱搬送装置
CN105737308A (zh) * 2016-04-28 2016-07-06 山东省建筑科学研究院 新风预处理地热交换系统
KR101792145B1 (ko) * 2016-08-30 2017-11-20 조희남 공내 열교환기를 구성한 지열 시스템
KR20180043735A (ko) * 2017-10-10 2018-04-30 조희남 히트펌프의 열교환기를 공내 열교환기로 구성한 지열 시스템
KR101984988B1 (ko) * 2017-10-10 2019-05-31 조희남 히트펌프의 열교환기를 공내 열교환기로 구성한 지열 시스템
JP2021001462A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 三井住友建設株式会社 蓄熱槽の保温構造
JP7221815B2 (ja) 2019-06-20 2023-02-14 三井住友建設株式会社 蓄熱槽の保温構造
CN110296462A (zh) * 2019-07-04 2019-10-01 深圳大学 利用相变储能的地源热泵换热装置及施工方法
CN110296462B (zh) * 2019-07-04 2020-03-13 深圳大学 利用相变储能的地源热泵换热装置及施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5963790B2 (ja) 2016-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5963790B2 (ja) 地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム
US20080128108A1 (en) Convective earrh coil
JP5067956B1 (ja) 熱交換システム
JP2008292044A (ja) 自然熱ハイブリッド土壌蓄熱システム
JP2005207718A (ja) 地中熱利用の融雪装置
JP5690960B1 (ja) 熱交換システム
KR102000481B1 (ko) 충적대수층 계간축열 온실냉난방시스템
JP2008304141A (ja) 太陽熱利用蓄熱融雪システム
US20100251710A1 (en) System for utilizing renewable geothermal energy
JP5892304B2 (ja) 地下水熱利用システム
KR101220897B1 (ko) 지열교환 장치
KR101606830B1 (ko) 히트펌프 시스템용 관정형 열교환기
JP2014115025A (ja) 地中熱利用熱交換構造及びそれを用いたヒートポンプシステム
EP4063780B1 (en) Device arrangement for accumulating excess heat in a natural water-permeable layer and for its recovery
JP2019219159A (ja) 排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システム
JP6274429B2 (ja) 地中熱交換器の採熱量増強方法および装置
KR101697616B1 (ko) 열저장탱크를 갖는 노면 온도조절 시스템
JP2014005965A (ja) 地中熱熱交換システム
EP4056923A1 (en) Geothermal system
JP6220664B2 (ja) 地中熱利用システム
CN201962730U (zh) 高原永久冻土地带给水管路热媒伴管保温装置
KR101063182B1 (ko) 능동식 수평형 지중열교환 장치
JP5590365B1 (ja) 熱伝導率が向上した垂直型地中熱利用熱交換器の施工方法
JP6913449B2 (ja) 地中熱利用システム
KR20160140309A (ko) 단일 관정 지중 열교환기의 취수 및 환수 분리 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5963790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250