JP2019219159A - 排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システム - Google Patents

排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システム Download PDF

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Abstract

【課題】 生活排水の熱エネルギーおよび深層地下がわからの地熱エネルギーを浅層地下に蓄熱可能とし、この蓄熱エネルギーを融雪や空調、給湯など様々な用途に利用可能とする新たな排湯熱再生技術を提供する。【解決手段】 排水管路3に接続された槽本体に、採熱管6が伝熱可能に配設され、満水レベルWLを維持する貯水レベル調節機構5を有した排湯貯水槽4が、浅層地下SLに埋設され、循環方向に沿って採熱管6、送り管FP、熱交換器用循環ポンプ7、熱交換器8、戻り管RPが接続され、該戻り管RPが前記採熱管6に接続されてなる熱媒循環回路CLに、熱媒流体AFが充填され、熱交換部温度センサー90および地中温度センサー91を有する自動制御部9が該熱交換器用循環ポンプ7を制御するよう設けられてなる排湯熱再生装置1である。【選択図】図1

Description

この発明は、地中からの地熱エネルギーを取り込み、地中に蓄熱する技術に関連するものであり、特に、排水の熱エネルギーや太陽光熱エネルギーなどを地中に蓄熱可能とし、地中に蓄熱された熱エネルギーを、融雪や空調、給湯などに利用可能とする装置を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
従前より、地下数m(浅層)を超えた深さ5ないし10m以深の地下温度不易層は、地表の温度変化の影響を殆ど受けることなく15℃前後と一定であり、冬季には、外気温度より暖かく、夏季に外気温度よりも低くなることから、空気調和機や給湯器などのヒートポンプの熱源に利用されてきた。
(従来の技術)
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、地中に略垂直に埋設される伝熱管と、下端に空調用の流体を折返す連通部とを有し、前記伝熱管に内挿される管体との間に、管体を取り巻き螺旋状に立ち上がると共に、その内外縁が管体の外面と伝熱管の内面とに当接するネジ状フィンを設け、熱媒用の螺旋状の流体管路を形成し、地下温度不易層との熱交換率を高めた地中温度を利用する空調装置や、同特許文献1(2)に見られるような、管体が、同管体の下端部が地下水帯に到達するよう地中に埋設されると共に、該管体の下端部に透孔が設けられ、地下水を管体内に貯水する一方、管体の上部から下端部の該貯水内に達するよう熱交換器を垂下、沈下され、該熱交換器に流体が流通され、室内を空調するものとされた地下水を利用する空調装置が開発されて久しい。
また、同特許文献1(3)に示された、地中に埋設した基礎杭の中空部には不凍液等の熱交換液を入れ、また該中空部には取水管と排水管とを配管し、取水管には送り管を、排水管には戻し管を夫々接続し、所定の場所に配管・設置した熱交換器へ上記熱交換液を送り、一循させて基礎杭に戻す熱交換システムにおいて、各基礎杭は互いに並列を成して送り管と戻し管とに取水管と排水管とを介して接続し、上記取・排水管の途中には仕切り弁を接続し、また、適当な位置に水漏れ検出器を設け、特別な伝熱管の埋設を必要とせず、設備費の削減を図ることができ、さらに、仮に基礎杭から液漏れが生じても仕切り弁を閉じることにより、熱交換液が地下水に流れ込んで環境を破壊するといった問題を生じない上、該仕切り弁を閉じるだけで、基礎杭の補修なしに熱交換システムを維持できるものとした基礎杭を利用した熱交換システム、および、同特許文献1(4)に提案されているような、夏の暖かい熱を、鉛直熱交換パイルを用いて地中に蓄えて冬の融雪に用いる地中蓄熱装置において、上記鉛直熱交換パイルを1.2mないし3mの縦横間隔で4列4行以上設置することにより、群杭周囲の地中に一体となる蓄熱槽が作られ、熱交換パイルに蓄えられた熱が周囲に発散することを抑制し、熱損失を低減できるものとした、群杭効果を利用した地中蓄熱装置などが散見される。
しかし、特許文献1(1)ないし特許文献1(4)に代表されるような、地下温度不易層の地下熱エネルギーを熱交換によって取得および利用する技術は、何れも、一般には、地中50mないし100mの深さ、浅い物でも24m前後の深さに達するようボーリングしてコアを作り、その中に鉛直熱交換用パイルを設置する必要があり、浅いボーリングの場合には、複数本の鉛直熱交換用パイルを1.2mないし3mの縦横間隔で複数本設置するなどして、熱の拡散を防止する必要があり、何れの場合にも設置に多大な経費を要するという致命的な欠点があった。
(1)実開昭58−16824号公報 (2)実開昭58−16853号公報 (3)実用新案登録第2528737号公報 (4)特許第3878932号公報
発明が地下温度不易層の地下熱エネルギーを解決しようとする課題
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある地下温度不易層の地下熱エネルギーを熱交換によって取得および利用する各種の技術は、何れもボーリング工事を要するものであり、殆どの場合、地中50mないし100mの深さに達するため、工事費が嵩む上にポンプの維持経費が大きいという欠点を残しており、こうした欠点を解消しようとして地下0ないし3mの浅層地下に設置すると、冬季の外気温および融雪水の影響を受け易くて蓄熱できないという問題があったりして、これまで実用化がされてこなかったという現状に鑑み、工事費用およびポンプの維持経費を大幅に軽減可能とする浅層地下に設置可能な地下熱エネルギーの新たな利用技術の開発の必要性を痛感するに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、浅層地下に設置可能とすることによって工事費および維持経費を大幅に軽減可能とする上、浅層地下に設置されながら地下温度不易層からの地下熱エネルギーをも取り込んで蓄熱可能とするだけでなく、冬場においても20℃〜40℃程度とされる生活排水や太陽光エネルギーなども浅層地下に蓄熱するようにし、この蓄熱エネルギーを融雪や空調、給湯など様々な用途に利用可能とする新たな浅層地下に埋設型の蓄熱エネルギー技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システムを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
課題を解決するための手段
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の排湯熱再生装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、排水管路を接続した槽本体に採熱管が伝熱可能となるようにして配設され、満水レベルの維持可能な貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に埋設され、循環方向に沿って採熱管、送り管、熱交換器用循環ポンプ、熱交換器、戻り管が接続され、戻り管を採熱管に接続した熱媒循環回路に熱媒流体が充填され、熱交換部温度センサーおよび地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられてなるものとした構成を要旨とする排湯熱再生装置である。
この基本的な構成からなる排湯熱再生装置は、その表現を変えて示すならば、排水管路を接続した槽本体に採熱管が伝熱可能となるようにし配設され、満水レベルの維持可能な貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に埋設され、循環方向に沿って採熱管、送り管、熱交換器用循環ポンプ、熱交換器、戻り管が接続され、戻り管を採熱管に接続した熱媒循環回路に熱媒流体が充填され、熱交換部温度センサーおよび地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられ、熱交換器の熱交換部温度が、地中温度より高い場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、排湯貯水槽内および排湯貯水槽が埋設されたエリアの地中に蓄熱し、熱交換器の熱交換部温度が2℃以下の場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、熱交換器の熱交換部温度を1℃以上に維持するよう放熱するものとされてなる構成とされた排湯熱再生装置となる。
より具体的には、排水管路の下流に接続された、水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の、槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に採熱管が伝熱可能に配設され、排水の供給量に応じて蓄熱量の多い槽本体内の上層水を残し、蓄熱量の少ない槽本体内の低層水を優先して槽本体外へ排水しながら満水レベルの維持可能な貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に設置された天面断熱壁および周囲断熱壁に囲繞された浅層蓄熱エリア内に、該排湯貯水槽外周囲と天面断熱壁および周囲断熱壁との間に蓄熱材が充填され、深層地下がわからの地熱を浅層蓄熱エリア内の蓄熱材層に伝熱および蓄熱可能に埋設され、該採熱管の下流がわに送り管の上流がわが接続され、該送り管の下流に熱交換器用循環ポンプの上流がわが接続され、該熱交換器用循環ポンプの下流がわに熱交換器の上流がわが接続され、熱交換器の下流がわに戻り管の上流がわが接続され、戻り管の下流がわが当該採熱管の上流がわに接続されてなる熱媒循環回路に、熱媒流体が充填された上、熱交換器の熱交換部温度を検知する熱交換部温度センサー、および、浅層蓄熱エリア内排湯貯水槽近傍の地中温度を検知する地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられてなる構成とされた排湯熱再生装置となる。
(関連する発明1)
上記したこの発明の基本をなす排湯熱再生装置に関連し、この発明には、それを利用した排湯熱再生システムも包含している。
即ち、前記何れか一記載の排湯熱再生装置の複数を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群とし、該排湯熱再生装置群中の隣接する2以上の排湯熱再生装置の熱媒循環回路が、互いに1基の熱交換器用循環ポンプに対して並列回路をなすよう共有接続されてなるものとした、前記何れか一記載の排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システムである。
この発明に包含される排湯熱再生システムを、別の表現で示すならば、対象上水道管の外周壁に対し、採熱管が熱伝達可能且つ外接螺旋状に捲き付けられ、舗装表層下に融雪器が埋設され、該採熱管の下流がわに、大気温度センサーを備えた自動制御装置を有する循環ポンプの上流がわが接続され、循環ポンプの下流がわに融雪器の上流がわが接続され、融雪器の下流がわに採熱管の上流がわが接続された流体循環回路が設けられ、該流体循環回路中に熱交換流体としての不凍液が満たしてなり、大気温2℃以下の場合に循環ポンプが起動し、融雪器が融雪し、大気温度が4℃以上の場合に循環ポンプが起動し、採熱管を介して地中に蓄熱するように制御するようにされた水道熱融雪装置、および、前記何れか一記載の排湯熱再生装置が、同一の建築物に組み込まれてなる、前記何れか一記載の排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システムと云うことができる。
発明の効果
以上のとおり、この発明の排湯熱再生装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成により、従前までであれば、排水路への排出と共に捨て去られていた、生活排水などの熱エネルギーを浅層地下に蓄熱し、さらに、深層地下がわから地下温度不易層からの地下熱エネルギーを取り込んで蓄熱し、この蓄熱エネルギーを冬季の融雪や年間を通じた空調、給湯など様々な用途に利用できるものとなるから、住宅の高熱費を格段に削減できる上、二酸化炭素の排出量を大幅抑制し、より自然環境に優しく、快適な生活を実現化できるものになるという秀でた特徴が得られるものである。
加えて、浅層地下に設置されながら、従前までの地下温度不易層に達する深さまで掘削して設置しなければならなかったものに比較して設置費用を大幅削減することができ、さらに、排湯貯水槽が、浅層地下に設置された天面断熱壁および周囲断熱壁に囲繞された浅層蓄熱エリア内に、該排湯貯水槽外周囲と天面断熱壁および周囲断熱壁との間に蓄熱材が充填され浅層蓄熱エリア内の蓄熱材層に蓄熱可能に埋設されてなるものとされることにより、地上との間の断熱性を格段に高め、蓄熱効果を大幅に高めたものとすると共に、該浅層蓄熱エリア内に、深層地下がわからの地熱を、より効率的に蓄熱することができるものとなる。
そして、熱交換器の熱交換部温度が、地中温度より高い場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、排湯貯水槽内および排湯貯水槽が埋設されたエリアの地中に蓄熱し、熱交換器の熱交換部温度が2℃以下の場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、熱交換器の熱交換部温度を1℃以上に維持するよう放熱するものとされてなるものとすることにより、融雪器などへの利用に有効なものとなる。
また、夏季など、太陽光熱によって熱交換器の熱交換部温度が20℃ないし40以上となった場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動すれば、熱交換器を介して吸収した太陽光熱を、排湯貯水槽およびその周囲の浅層地下に蓄熱することができるから、二酸化炭素が発生しない太陽高熱を有効利用し、より自然環境に優しく、安全性にも優れたエネルギー利用を実現化することができる。
さらに、太陽光集熱器の給熱管が、排湯貯水槽の槽本体の内・外側の少なくとも何れか一方に配設されてなるものによれば、太陽高熱をより効率的に浅層地下に蓄熱することができるものとなり、年間を通じた太陽光熱の蓄熱および利用を実現化することができる。
鉛直筒型の槽本体からなる排湯貯水槽が、その天壁の一方の遠心方向寄りにマンホールが設けられ、該マンホールとは反対がわに貯水レベル調節機構としてのオーバーフロー排水管路が設けられたものは、マンホール、オーバーフロー排水管路および槽本体内に配された採熱管などの配置効率をより高めることができるから、排湯貯水槽を格段に小型化、大容量化することができ、埋設スペースを省スペース化して、住宅密集地などの屋外スペースの確保が困難な住宅にも、支障無く設置できるものとすることが可能となる。
そして、採熱管の一部が外接採熱管とされ、さらに同採熱管の他部が槽内採熱管とされたものは、該採熱管が、排湯貯水槽の槽本体の槽壁の内外側に配されるから、より効率的に浅層地下に蓄熱することができるものとなる。
熱交換器の一部または全部の何れか一方が、融雪器に置き換えられたものは、春夏秋に浅層地下に蓄熱し、この地熱エネルギーを冬季の積雪期に住宅敷地内の融雪や凍結防止などに経済的に利用することができ、融雪器の熱交換部の面積の5平方メートルに対し、排湯貯水槽の槽本体の槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に伝熱可能に配設され採熱管の長さを75m以上の比率とするよう設定されてなるものは、より確実な融雪効果が得られるものとなり、熱交換器としての融雪器の熱交換部が、排湯貯水槽の直上となる地上に配置するよう設置されてなるものとすることによって、配管の長さを最小限に留めて、放熱損失を抑制し、地表がわの断熱効果を一段と高め、より効率的な蓄熱エネルギーの利用を実現化できる。
また、熱交換器の一部または全部の何れか一方が、空気調和機、給湯器または発電機の少なくとも何れか一つのヒートポンプに置き換えられたものは、住宅の空調や給湯、発電など様々な場面で、より経済的なエネルギーの再生利用が実現化され、二酸化炭素排出量を大幅に削減できる。
この発明の基本をなす排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システムによれば、排湯熱再生装置の複数を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群とし、該排湯熱再生装置群中の隣接する2以上の排湯熱再生装置の熱媒循環回路が、互いに1基の熱交換器用循環ポンプに対して並列回路を構成するよう共有接続されてなるものとしたことから、より多くの熱エネルギーを、格段に経済的且つ効率的に蓄熱および再生利用可能なものとすることができる。
また、この発明の基本をなす排湯熱再生装置、および水道熱融雪装置が、同一の建築物に組み込まれてなる排湯熱再生システムによれば、上水道熱を浅層地下に蓄熱し、冬季の融雪や凍結防止に利用することができる上、生活排水の熱エネルギーを浅層地下に蓄熱し、生活の様々な場面で利用できるものとすることができ、より経済的で自然環境に優しい生活を実現化できるものになるという大きな効果を奏することになる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
排湯熱再生装置は、生活排水の一定量を浅層地下に貯留すると共に、該浅層地下に深層地下がわからの地熱を受けて蓄熱し、該浅層地下に蓄熱された熱エネルギーを利用目的に応じて地上に取り出し、有効利用可能とする機能を担い、排水管路の下流に接続された槽本体に採熱管が伝熱可能に配設された排湯貯水槽が、浅層地下に深層地下がわからの地熱を伝熱可能に埋設され、該採熱管の上流がわに送り管の上流がわが接続され、該送り管の下流に熱交換器用循環ポンプの上流がわが接続され、該熱交換器用循環ポンプの下流がわに熱交換器の上流がわが接続され、熱交換器の下流がわには戻り管の上流がわが接続され、戻り管の下流がわが当該採熱管の下流がわに接続されてなる熱媒循環回路に熱媒流体が充填された上、熱交換器の熱交換部温度を検知する熱交換部温度センサー、および、地中温度を検知する地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられてなるものとするのが良い。
排水管路は、給湯器や加熱調理器具などを用いた人の生活や様々な作業などの過程で発生する熱エネルギーが含まれた排水を、屋外に排水する経路であって、排湯貯水槽に、断続的または連続的に排水を供給する機能を分担するものであり、例えば、後述する実施例にも示してあるように、一般家庭の日常生活によって毎日のように大量の排湯を発生する浴室の排水管路とするのが望ましい。
排湯貯水槽は、満水レベルを維持し、新たに供給される排水の量に応じて過剰となった排水を外部に排出しながら、一定容量の排水を一時的に貯留すると共に、槽本体の内外の熱を伝達可能とする機能を担っており、槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に採熱管が伝熱可能に配設され、浅層地下に深層地下がわからの地熱を伝熱可能に埋設されたものとしなければならず、製造および埋設の作業性を考慮すれば、槽本体の形状は、水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされたものとし、排水の供給量に応じて槽本体外へ排水しながら満水レベルを維持する貯水レベル調節機構を有するものとすべきであり、例えば、水平筒型の場合、直径200mmないし800mmの塩ビ管または鋼管の両端を隔壁で閉鎖し、水平設置されたものとすることができる外、鉛直筒型の場合には、直径1200mmないし2000mmの両端に隔壁を設けた鋼管が鉛直設置されてなるようにしたものとすることができる。
より具体的に示すと、排湯貯水槽は、後述する実施例にも示しているように、底壁および天壁を有する鉛直筒型の槽本体からなり、該天壁の中央から一方の遠心方向寄りとなる位置に開閉蓋を組み合わせたマンホールが設けられ、該マンホールが設けられた一方の遠心方向とは反対がわの他方寄りがわとなる槽本体の槽壁に、肉厚方向に水平な排水管が貫通されると共に、該排水管の槽本体内の槽壁近傍に配された内端に、下端を底壁近傍まで垂下された排水縦管の上端が接続され、該排水管と排水縦管とからなる貯水レベル調節機構としてのオーバーフロー排水管路が設けられ、槽本体内の貯水レベルが、排水管まで達した場合に、オーバーフロー排水管路を通じて槽本体内の底壁近傍の貯水から優先的にオーバーフロー排水するものとされたものとすることができる。
排湯貯水槽が埋設される浅層地下は、1mないし5m、埋設作業効率および作業安全性を考慮すれば1mないし3mとするのが望ましい深さであり、したがって、深層地下がわとは、4mないし5mの深さを超えた地中がわ(中層地下、深層地下、地下温度不易層など)ということができる。
さらに、該排湯貯水槽は、その槽本体の内・外側の少なくとも何れか一方に給熱管が配設され、給熱管の下流がわに集熱器用循環ポンプの上流がわが接続され、集熱器用循環ポンプの下流がわに太陽光集熱器の上流がわが接続され、太陽光集熱器の下流がわに給熱管の下流がわが接続された上、太陽光センサーまたは太陽熱センサーの少なくとも何れか一方を有する自動制御部が該集熱器用循環ポンプを制御するものとされてなるものとすることができる。
浅層蓄熱エリアは、排湯貯水槽の天面および周囲に渡って断熱性を付与する如くして包囲し、地上への放熱を抑制し、該浅層蓄熱エリア内および排湯貯水槽内への蓄熱を促進すると共に、該浅層蓄熱エリア内の下方の深層地下がわから伝わる地熱エネルギーを封じ込めて蓄熱可能とする機能を分担し、浅層地下に配された排湯貯水槽の周囲を、天面断熱壁および周囲断熱壁で囲繞し、該排湯貯水槽外周囲と天面断熱壁および周囲断熱壁との間に蓄熱材が充填され、深層地下がわからの地熱を浅層蓄熱エリア内の蓄熱材層に伝熱および蓄熱可能に埋設されたものとすべきであって、天面断熱壁および周囲断熱壁には、断熱壁、断熱ボード、断熱マット、コンクリート壁、その他の断熱性を確保可能な素材製のものとすることができ、蓄熱材層は、排湯貯水槽外周囲と天面断熱壁および周囲断熱壁との間に蓄熱可能且つ熱伝達可能に充填される機能を担い、土砂類からなるものとすることができる外、例えば、該土砂類の一部または全部を、酢酸ナトリウム3水塩(CH3COONa・3H2O)、硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)などの潜熱蓄熱材に置き換えてなるものなどとすることが可能である。
遮水層は、浅層蓄熱エリア内に外部からの雨水や雪解け水などが流入し、冷却してしまわないよう防水する機能を担っており、必要に応じて浅層蓄熱エリアの上部および左右がわを防水可能に包囲するよう設置されたものとすることができ、天面断熱壁および周囲断熱壁に密着するか、または、別のものとして、浅層蓄熱エリアを断面門型状に覆うものとすべきであり、浅層蓄熱エリア下に地下水脈などの冷却要因が有る場合には、浅層蓄熱エリア下面にも遮水層を設け、断面口字状に包囲するものとすることが可能であり、防水壁、防水板、防水マット、コンクリート壁、防水膜、樹脂製シート、金属箔、その他の防水性を確保可能な素材製のものとすることができる。
熱媒循環回路は、排湯貯水槽およびその周辺地中の熱エネルギーを採取し、これを熱交換器に効率的に届けて放熱可能とする機能を担うもので、採熱管、送り管および戻り管有し、熱媒循環回路の途中に熱交換器および熱交換器用循環ポンプが設けられ、内部に熱媒流体を満たしたものとしなければならず、後述する実施例にも示しているが、採熱管の下流がわに送り管の上流がわが接続され、該送り管の下流に熱交換器用循環ポンプの上流がわが接続され、該熱交換器用循環ポンプの下流がわに熱交換器の上流がわが接続され、熱交換器の下流がわに戻り管の上流がわが接続され、戻り管の下流がわが当該採熱管の上流がわに接続されてなり、該送り管、戻り管および熱交換器用循環ポンプは、断熱材で包囲し、保温性を高めたものとするのが良い。
採熱管は、排湯貯水槽内に貯留された排水と効率的に熱交換可能となるようにし、さらに、該排湯貯水槽周囲の地熱を採取可能とする機能を担っていて、排湯貯水槽の槽本体の槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に伝熱可能に配設され、内部に熱媒流体が流通されるものとしなければならず、採熱管の一部が外接採熱管とされ、該外接採熱管が、排湯貯水槽の水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の槽壁の外周囲に、同槽本体の水平または鉛直方向の何れか一方の軸心回りの螺旋状に巻き付けられ、槽本体内に貯留された排水からの熱エネルギー、および、浅層蓄熱エリア内の蓄熱材層に蓄熱された深層地下がわからの地熱エネルギーを採取可能とするよう、槽本体の槽壁および蓄熱材層に伝熱可能に接合されてなり、採熱管の他部が槽内採熱管とされ、該槽内採熱管が、排湯貯水槽の水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の槽壁の内側に、槽本体内の貯留水中に没して熱交換可能とするよう内装されてなるものとすることができ、後述する実施例にも示すように、熱交換器の熱交換部の面積の5平方mに対し、排湯貯水槽の槽本体の槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に伝熱可能に配設され採熱管の長さを75m以上の比率とするよう設定されてなるものとするのが良く、直径16mmの可撓性を有する金属強化ポリエチレン管を最小曲率直径80mmとするよう装着したものとすることができる。
熱交換器は、排湯貯水槽および排湯貯水槽周囲の地熱から採取された地下蓄熱エネルギーを、熱媒流体を介して熱交換可能とする機能を担っており、舗装路面や駐車場、玄関アプローチの舗装下などに埋設された融雪器、または、建築物の屋根上や屋上などに設けられた融雪器などとすることができる外、後述する実施例にも示すとおり、熱交換器の一部または全部の何れか一方が、空気調和機、給湯器または発電機の少なくとも何れか一つのヒートポンプに置き換えられたものとすることが可能であり、熱交換器の熱交換部が、浅層蓄熱エリアの直上に配置するよう設置されてなるものとすることができる。
熱交換器用循環ポンプは、熱媒循環回路中に満たした熱媒流体を強制的に流動制御可能とする機能を担っており、熱交換部温度センサーや地中温度センサーを有する自動制御部によって駆動制御されるものとしなければならず、熱媒循環回路中に1基、または複数基設けたものとすることができる外、この発明の排湯熱再生装置の複数を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群とし、該排湯熱再生装置群中の隣接する2以上の排湯熱再生装置の熱媒循環回路が、互いに1基の熱交換器用循環ポンプに対して並列回路をなすよう共有接続されてなるものとすることができ、例えば、容積式ポンプや非容積式ポンプとすることも可能であり、より具体的には、各種渦巻きポンプ、各種タービンポンプなどの遠心ポンプ、軸流ポンプや多段ポンプなどのカスケードポンプや粘性ポンプ、各種ピストンポンプ、各種プランジャーポンプ、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプ、ウイングポンプ、翼ポンプ、などの往復動ポンプ、各種ギアポンプ、各種偏心ポンプ、各種ネジポンプなどの回転ポンプ(ロータリーポンプ)、各種モーターポンプ、その他のポンプなどとすることができる。
熱媒流体は、熱媒循環回路の採熱管、送り管、熱交換器用循環ポンプ、熱交換器および戻り管中を円滑に流動し、排湯貯水槽およびその周囲の浅層蓄熱エネルギーを効率的に採取し、熱交換器に効率的に放出可能とする機能を分担するものであって、熱交換用の気体、液体、半液体、半個体、または、温度変化などによってそれら間を変化する流体などとすることができ、後述する実施例にも示すように、不凍液を用いることが可能である。
この発明の基本をなす排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システムは、この発明の基本をなす排湯熱再生装置が、大型化されたものや、他の蓄熱システムなどと組み合わせられたものとすることが可能であり、例えば、後述する実施例にも示してあるように、排湯熱再生装置の複数を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群とし、該排湯熱再生装置群中の隣接する2以上の排湯熱再生装置の熱媒循環回路が、互いに1基の熱交換器用循環ポンプに対して並列回路をなすよう共有接続されてなるものとすることができる外、対象上水道管の外周壁に対し、採熱管が熱伝達可能且つ外接螺旋状に捲き付けられ、舗装表層下に融雪器が埋設され、該採熱管の下流がわに、大気温度センサーを備えた自動制御装置を有する循環ポンプの上流がわが接続され、循環ポンプの下流がわに融雪器の上流がわが接続され、融雪器の下流がわに採熱管の上流がわが接続された流体循環回路が設けられ、該流体循環回路中に熱交換流体としての不凍液が満たしてなり、大気温2℃以下の場合に循環ポンプが起動し、融雪器が融雪し、大気温度が4℃以上の場合に循環ポンプが起動し、採熱管を介して地中に蓄熱するように制御するようにされた水道熱融雪装置、および、この発明の基本をなす排湯熱再生装置が、同一の建築物に組み込まれてなるものなどとすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システムの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
鉛直筒型の排湯貯水槽を有する排湯熱再生装置を示す斜視図である。 排湯熱再生装置の熱媒循環回路を示す系統模式図である。 鉛直筒型の排湯貯水槽の一例を示す斜視図である。 鉛直筒型の排湯貯水槽の一例を示す断面図である。 鉛直筒型の排湯貯水槽の一例を示す平面図である。 排湯貯水槽の貯水レベル調節機構の一例を示す平面図および縦断面図である。 排湯貯水槽の槽内採熱管の一例を示す平面図および縦断面図である。 排湯貯水槽の槽内採熱管の他の例を示す平面図および縦断面図である。 排湯貯水槽の槽内採熱管のさらに他の例を示す平面図および縦断面図である。 水平筒型の排湯貯水槽を有する排湯熱再生装置を示す斜視図である。 鉛直筒型の排湯貯水槽を有する排湯熱再生装置を示す断面図である。 水平筒型の排湯貯水槽を有する排湯熱再生装置を示す断面図である。 貯水レベル調節機構の他の例を示す平面図および縦断面図である。 排湯熱再生システムの一例を示す概念図である。 排湯熱再生システムの他の例を示す断面図である。
図1ないし図9および図11および図13に示す事例は、排水管路3が接続された槽本体40に対し、採熱管6が伝熱可能に配設され、満水レベルWLを維持する貯水レベル調節機構5を有した排湯貯水槽4が浅層地下SLに埋設され、採熱管6に送り管FP、熱交換器用循環ポンプ7、熱交換器8、戻り管RPが接続され、戻り管RPが採熱管6に接続されてなる熱媒循環回路CLに、熱媒流体AFが充填され、熱交換部温度センサー90および地中温度センサー91を有する自動制御部9が該熱交換器用循環ポンプ7を制御するよう設けられてなるものとしたこの発明の排湯熱再生装置における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の排湯熱再生装置1は、その浅層蓄熱エリア2が、一般住宅HSなどの浴室30を備えた住宅HSの敷地ST内適所に確保された約2,200mm四方の面積下であって、地下約2,400mmの浅層地下SLに確保されたものであり、該浅層蓄熱エリア2は、例えば矩形状に掘削された縦穴の地下底部の中央に直径約1,400mmの範囲に、夫々上下厚さ約200mmの地下基礎砕石および地下基礎コンクリートが設置され、該地下基礎コンクリート上に、浅層蓄熱エリア2の中央に配するよう、鉛直筒型の排湯貯水槽4が自立した状態に設置され、図3ないし図5に示すように、排湯貯水槽4は、直径D1が約1,200mm、高さ(深さ)Hが約1,700mmの円筒形とされた槽壁41の下端に底壁42、同上端に天壁43が設けられた容量約1,000リットルないし1,200リットルの鋼製の槽本体40からなり、天壁43の中央に、直径D2が約600mm、高さが約400mmのマンホール44が立ち上げられ、ボルト締めロック付きの開閉蓋45によって施蓋されている。
排湯貯水槽4の槽本体40の天壁43直下付近には、前記住宅HSなどの浴室30から屋外に導出された排水管路3の屋外端が、図示しないドロップ枡を介して接続され、該排水管路3は、浴室30から槽本体40に至る間の管路壁外周囲に断熱材が被覆されたものとすることができ、貯水レベル調節機構5は、図11に示すように、排湯貯水槽4の槽本体40の満水レベルWLの槽壁41に、外端が下水管路SW(または浄化槽)に接続された排水管50が貫通され、該排水管50の内端に、下端が槽本体40内の底壁4付近に達するよう垂下された排水縦管51の上端が接続され、オーバーフロー排水管路5からなる貯水レベル調節機構5とされている。
図6に示すように、排湯貯水槽4が、底壁42および天壁43を有する鉛直筒型の槽本体40からなり、該天壁43の中央から一方の遠心方向寄りとなる位置に、開閉蓋45が組み合わせられたマンホール44が設けられ、該マンホール44が設けられた、一方の遠心方向とは反対がわの他方寄りがわとなる槽本体40の槽壁41に肉厚方向に水平な排水管50が貫通されると共に、該排水管50の槽本体40内の槽壁41近傍に配された内端に、下端を底壁42近傍まで垂下された排水縦管51の上端が接続され、該排水管50と排水縦管51とからなるオーバーフロー排水管路5が設けられ、槽本体40内の貯水レベルWLが、排水管50まで達した場合に、貯水レベル調節機構5としてのオーバーフロー排水管路5を通じて槽本体40内の底壁42近傍の貯水Wから優先的にオーバーフロー排水するものとされたものとすることができる。
図13に示す用に、貯水レベル調節機構5は、排湯貯水槽4の槽本体40の底壁42直上付近か、同槽本体40の満水レベルWLから充分下方となる満水レベルWLと底壁42との間の上下間中途適所かの何れか一方から槽本体40外に延出されている排水管50の中途部に、満水レベルWLを検知する水位計WG、該水位計WGに連動する自動バルブ駆動・制御部を有する自動バルブAVが設けられ、貯水W量が、満水レベルWLを超えると、自動的に自動バルブAVが開放され、満水レベルWLを超えた量の貯水W量が排水され、満水レベルWLを維持するよう自動制御されるものとすることができ、また、該自動バルブAVは、満水レベルWLよりも高い位置(地面GL近傍)に配管および設置されている、図示しない自動排水ポンプに置き換えることができる。
図1ないし図4に示すように、排湯貯水槽4は、鉛直円筒形の槽壁41の内外周面の夫々に、熱媒循環回路CLの一部をなす、例えば直径16mmの金属強化ポリエチレン管からなる採熱管6が、最小曲率直径80mmとするよう設けられており、該採熱管6は、その中途部から上下流の何れか一方端がわが外接採熱管60、そしてその中途部から上下流がわの何れか他方端がわが槽内採熱管61とされ、外接採熱管60は、槽壁41の鉛直円筒形の外周面に対し、伝熱状態に接合するよう縦螺旋状をなして巻き付けられ、槽内採熱管61は、図3および図4に示すように、槽本体40内のマンホール44の周囲となる底壁42および天壁43間に周回りに適宜間隔を隔てて立設された複数本の支持枠62,62,……と槽壁41との間、および複数本の支持枠62,62,……の内側とに、夫々僅かに上下間隔を隔てた縦螺旋状をなすよう平面視同心円状に配管されたものとされている。
図7に示すように、採熱管6の槽内採熱管61は、槽本体40内のマンホール44の周囲となる底壁42および天壁43間の満水レベルWL(図示せず)下に周回りに適宜間隔を隔てて立設された複数本の支持柱(図示せず)の周囲に対して、三重螺旋状且つ伝熱状態に密に巻き付けられたものとすることが可能であり、また、図8に示すように、採熱管6の槽内採熱管61は、槽本体40内に、上下に適宜間隔を隔てた平面渦巻き状に配されたものとすることが可能であり、さらにまた、図9に示すように、槽本体40それ自体が直方体形状のものとされ、槽本体40内の天壁43下に、互いに間隔を隔てて平行に垂下された複数枚の支持板62,62,……の一面または両面に対して、採熱管6の槽内採熱管61が、異形渦巻き状且つ伝熱状態に貼り付け固定されたものとすることが可能である。
図1および図2に示すように、熱交換器8が融雪器81とされ、採熱管6の排湯貯水槽4内外に配設された熱交換部分(外接採熱管60、槽内採熱管61)の長さは、熱交換器8の熱交換部80面積5平方メートルに対し、40mないし75m以上の比率となるようにして設けられたものにすると好都合のものとなる。
図1、図11および図13に示すように、浅層地下SLの浅層蓄熱エリア2の内壁には、排湯貯水槽4の周囲を矩形状に包囲するよう、厚さ100mm、高さ(深さ)1,700mmのスタイロフォーム製の周囲断熱壁21が、浅層地下SLの内壁との間に遮水層23としての厚さ0.5mmの遮水シート23で覆われた状態に設置され、さらに、平面ロ字形に組まれた周囲断熱壁21,21,……と、深層地下DPがわとなる浅層地下SLの底面、および、排湯貯水槽4の底壁42を支える地下基礎砕石および地下基礎コンクリートと、排湯貯水槽4の槽本体40の槽壁41との間に蓄熱材22が充填され、蓄熱材層22が設けられた上、平面ロ字形に組まれた周囲断熱壁21,21,……の上端間には、矩形平面の一辺が約2,200mm、上下間厚さが200mmのスタイロフォーム製であって、天面および外側周囲に遮水層23としての遮水シート23が被覆された天面断熱壁20、および、該天面断熱壁20上の遮水層23としての厚さ0.5mmの遮水シート23の上部に厚さ150mmのコンクリート舗装と厚さ150mmのアスファルト舗装からなる舗装層PMが、排湯貯水槽4のマンホール44を地上に露出する状態に積層されている。
図2に示してあるように、熱媒循環回路CLは、採熱管6の下流がわに送り管FPの上流がわが接続され、該送り管FPの下流に熱交換器用循環ポンプ7の上流がわが接続され、該熱交換器用循環ポンプ7の下流がわに熱交換器8としての融雪器81の上流がわが接続され、熱交換器8としての融雪器81の下流がわに戻り管RPの上流がわが接続され、戻り管RPの下流がわが当該採熱管6の上流がわに接続され、該熱媒循環回路CLに熱媒流体AFとしての不凍液AFが充填されたものとなっており、該熱媒循環回路CLは、要所々々に膨張タンクTや空気弁Aなどが配され、同熱媒循環回路CLの熱交換部分を除く途中範囲を断熱材で被覆され、保温性を高めたものとするのが望ましい。
図1および図2に示すように、熱交換器8としての融雪器81は、住宅HSなどの敷地ST内の融雪対象区画の地上面に設けられた下部コンクリート舗装層の上部に直径6mmの鉄線からなる鉄網を敷設し、該鉄網上に、直径16mmの金属強化ポリエチレン管を最小曲率直径80mmとするよう、融雪対象区画の範囲内に100mmの間隔をもって隈無く蛇行するよう敷設され、下部コンクリート舗装層上に、上下間厚み30mmの上部コンクリート舗装層を打設して舗装層PMとされ、該舗装層PMから延出された該金属強化ポリエチレン管の両端の中の上流がわが熱交換器用循環ポンプ7の下流がわに接続され、該金属強化ポリエチレン管の両端の中の下流がわが戻り管RPの上流がわに接続されたものとなっている。
自動制御部9は、データロガーおよび自動制御盤(何れも図示せず)からなるものとして、住宅HSの屋内または住宅HSの屋外の敷地ST内の適所に設置され、熱交換器用循環ポンプ7や、送り管FPおよび戻り管RPのヘッダーHH1,……,HH4などが納められた制御ボックス93内に設けられており、該自動制御部9の自動制御盤には、熱交換器8としての融雪器81の熱交換部80である融雪器81直上の舗装層PMの温度を検知する熱交換部温度センサー90、および、浅層蓄熱エリア2内の排湯貯水槽3近傍の蓄熱材層22の地中温度を検知する地中温度センサー91が接続され、夫々の検出温度情報を常時連続または断続的に受信するものとなっている。
図2に示すように、上記構造に加え、住宅HSの屋外の敷地ST内の適所に太陽光集熱器Sが設置され、排湯貯水槽4の槽本体40の槽壁41内・外側の少なくとも何れか一方の適所に給熱管S0が配設され、給熱管S0の下流がわに集熱器用循環ポンプS1の上流がわが接続され、集熱器用循環ポンプS1の下流がわに該太陽光集熱器Sの上流がわが接続され、太陽光集熱器Sの下流がわに給熱管S0の下流がわが接続された上、前記自動制御部9に、太陽光センサー92または太陽熱センサー92(何れも図示せず)の少なくとも何れか一方が接続され、該自動制御部9が集熱器用循環ポンプS1を制御するものとされたものとすることができる。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の基本をなす排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生装置1は、図1ないし図9、図11および図13に示すように、鉛直筒型の排湯貯水槽4の直径D1が約1,200mm、高さ(深さ)Hが約1,700mmとされているから、浅層蓄熱エリア2の設置面積を約2,200mm四方に抑制しながら、約1,000リットルないし1,200リットルの排水Wの容量を確保し、より効率の良い蓄熱を実現化することができる上、住宅HSの敷地ST内適所の、地下約2,400mmの浅層地下SLに埋設設置することができ、従前までの地中50mないし100mの深さ、浅い物でも24m前後の深さに達するようボーリングし、地下温度不易層の地下熱エネルギーを熱交換によって取得および利用する技術に比較して工事費用を大幅に削減し、しかも、より効率的に蓄熱エネルギーを利用可能なものとすることができる。
そして、自動制御部9が、熱交換部温度センサー90および地中温度センサー91の夫々の検知信号を受診し、熱交換器8としての融雪器81の熱交換部温度が、地中温度より高い場合に該熱交換器用循環ポンプ7を駆動し、排湯貯水槽4内および排湯貯水槽4が埋設された浅層蓄熱エリア2の蓄熱材層22中に蓄熱し、熱交換器8としての融雪器81の熱交換部温度が2℃以下の場合に該熱交換器用循環ポンプ7を駆動し、熱交換器8としての融雪器81の熱交換部温度を1℃以上に維持するよう放熱するものとされているから、夏季などの気温が上昇している場合には、熱交換器8としての融雪器81から吸収した熱を浅層蓄熱エリア2内に蓄熱し、冬季などの積雪や凍結の恐れがある状況下では、浅層蓄熱エリア2内の蓄熱エネルギーを熱交換器8としての融雪器81から自動的に放熱し、融雪や凍結防止の効果が得られるものとなる。
図10、図12および図14に示す事例は、水平筒型の排湯貯水槽4が設けられたこの発明の排湯熱再生装置における代表的な他の一実施例を示すものであり、排湯貯水槽4は、直径200mmないし800mmの円筒塩ビ管または鋼管の何れか一方が水平に設置されたものであり、その水平円筒形の外壁の周囲に、採熱管6が、軸方向に等間隔を隔てた螺旋状に伝熱状態に接合するよう巻き付けられたものとされており、貯水レベル調節機構5は、オーバーフロー排水管路5を通じて下水管路SWに接続されており、必要に応じて手動バルブ52を開放して貯水Wの全量を排出できるものとされている。
前記実施例1で示した図1および図2と同一構造部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、排湯熱再生装置1,1の二基を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群1,1とし、該二基の排湯熱再生装置1,1の熱媒循環回路CL,CLが、互いに1基の熱交換器用循環ポンプ7に対して並列回路をなすよう共有接続されてなるものとした排湯熱再生装置1を利用した排湯熱再生システム10とすることが可能である。
(実施例2の作用・効果)
以上のとおり、図10および図12に示す構成からなるこの発明の排湯熱再生装置1は、直径200mmないし800mmの水平筒型の排湯貯水槽4を有するから、設置対象となる住宅HSの敷地STの様々な事情によって細長い区画しか確保できないような場合に有効なものとなり、さらに、直径を変えずに水平方向の長さを変えることにより、埋設深さを浅層地下SLに留めたまま貯水容量を増減設定することが容易になる上、埋設対象の敷地STの形状に合わせ、その平面形状を、例えばL字形やコ字形、U字形などのような様々な形状の配管状に埋設されたものとすることが可能である。
図11、図12および図15に示されるように、熱交換器8が、空気調和機(室内機)83のヒートポンプ82に置き換えられたものとすることが可能であり、さらに、図15に示すように、この発明の排湯熱再生装置1、または、この発明の排湯熱再生装置1を利用した排湯熱再生システム10の少なくとも何れか一方と、本願出願人が所有する特許第6327648号に記載された水道熱融雪装置WS、または、それを利用した水道熱融雪システムの少なくとも何れか一方とを組み合わせて一軒の住宅HSおよびその敷地ST内に設置されたものとすることができる。
この特許第6327648号の水道熱融雪装置WSを概略的に示すと、対象上水道管の外周壁に対し、採熱管が熱伝達可能且つ外接螺旋状に捲き付けられ、舗装表層下に融雪器が埋設され、該採熱管の下流がわに、大気温度センサーを備えた自動制御装置を有する循環ポンプの上流がわが接続され、循環ポンプの下流がわに融雪器の上流がわが接続され、融雪器の下流がわに採熱管の上流がわが接続された流体循環回路が設けられ、該流体循環回路中に熱交換流体としての不凍液が満たしてなり、大気温2℃以下の場合に循環ポンプが起動し、融雪器が融雪し、大気温度が4℃以上の場合に循環ポンプが起動し、採熱管を介して地中に蓄熱するように制御するようにしたものである。
(実施例3の作用・効果)
図14に示すような排湯熱再生システム10は、より広い面積を融雪するのに有効であり、格段に経済的に設置および利用可能なものとすることができ、図15に示すような排湯熱再生システム10によると、上水道および下水管路SWの双方の熱エネルギーを利用することが可能となり、二酸化炭素の排出量をより大幅に削減することを可能にするものであって、一層自然環境に優しい住空間を実現化できるという極めて大きな作用・効果を奏するものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の排湯熱再生装置、およびそれを利用した排湯熱再生システムは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも設置工事も容易で、従前からの融雪技術に比較して構造を簡素化し、低廉化して遥かに経済的に設置することができる上、排水熱の利用によって熱源となる燃料や電力などを不要とし、ランニングコストを大幅削減でき、さらにまた屋外の融雪だけに留まらず、屋内の空気調和機や給湯器または発電機などのエネルギー源としても有効利用可能なことから、より経済的で自然環境に優しい融雪や、エネルギーの再生利用を希望する一般家庭はもとより、高熱費の節減や二酸化炭素排出量の削減が求められる企業などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 排湯熱再生装置
10 同 排湯熱再生システム
2 浅層蓄熱エリア
20 同 天面断熱壁
21 同 周囲断熱壁
22 同 蓄熱材層
23 同 遮水層
3 排水管路
30 同 浴室
4 排湯貯水槽
40 同 槽本体
41 同 槽壁
42 同 底壁
43 同 天壁
44 同 マンホール
45 同 開閉蓋
D1 同 槽本体の直径
D2 同 マンホールの直径
H 同 槽本体の高さ
5 貯水レベル調節機構(オーバーフロー排水管路)
50 同 排水管
51 同 排水縦管
52 同 手動バルブ
WG 同 水位計
AV 同 自動バルブ
W 排水(貯水)
WL 同 満水レベル
CL 熱媒循環回路
AF 同 熱媒流体
6 採熱管
60 同 外接採熱管
61 同 槽内採熱管
62 同 支持枠(支持板)
FP 送り管
RP 戻り管
7 熱交換器用循環ポンプ(熱交換器用循環ポンプ)
8 熱交換器
80 同 熱交換部
81 同 融雪器
82 同 ヒートポンプ
83 同 空気調和機(給湯器または発電機)
9 自動制御部
90 同 熱交換部温度センサー
91 同 地中温度センサー
92 同 太陽光センサー(または太陽熱センサー)
93 同 制御ボックス
S 太陽光集熱器
S0 同 給熱管
S1 同 集熱器用循環ポンプ
WS 水道熱融雪装置
HS 住宅
ST 同 敷地
GL 同 地面
SL 同 浅層地下
DP 同 深層地下
SW 同 下水管路
PM 同 舗装層PM

Claims (14)

  1. 排水管路を接続した槽本体に採熱管が伝熱可能となるようにして配設され、満水レベルの維持可能な貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に埋設され、循環方向に沿って採熱管、送り管、熱交換器用循環ポンプ、熱交換器、戻り管が接続され、戻り管を採熱管に接続した熱媒循環回路に熱媒流体が充填され、熱交換部温度センサーおよび地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられてなるものとしたことを特徴とする排湯熱再生装置。
  2. 排水管路を接続した槽本体に採熱管が伝熱可能となるようにし配設され、満水レベルの維持可能な貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に埋設され、循環方向に沿って採熱管、送り管、熱交換器用循環ポンプ、熱交換器、戻り管が接続され、戻り管を採熱管に接続した熱媒循環回路に熱媒流体が充填され、熱交換部温度センサーおよび地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられ、熱交換器の熱交換部温度が、地中温度より高い場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、排湯貯水槽内および排湯貯水槽が埋設されたエリアの地中に蓄熱し、熱交換器の熱交換部温度が2℃以下の場合に該熱交換器用循環ポンプを駆動し、熱交換器の熱交換部温度を1℃以上に維持するよう放熱するものとされてなることを特徴とする排湯熱再生装置。
  3. 排水管路の下流に接続された、水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の、槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に採熱管が伝熱可能に配設され、排水の供給量に応じて蓄熱量の多い槽本体内の上層水を残し、蓄熱量の少ない槽本体内の低層水を優先して槽本体外へ排水しながら満水レベルを維持する貯水レベル調節機構を有した排湯貯水槽が、浅層地下に設置された天面断熱壁および周囲断熱壁に囲繞された浅層蓄熱エリア内に、該排湯貯水槽外周囲と天面断熱壁および周囲断熱壁との間に蓄熱材が充填され、深層地下がわからの地熱を浅層蓄熱エリア内の蓄熱材層に伝熱および蓄熱可能に埋設され、該採熱管の下流がわに送り管の上流がわが接続され、該送り管の下流に熱交換器用循環ポンプの上流がわが接続され、該熱交換器用循環ポンプの下流がわに熱交換器の上流がわが接続され、熱交換器の下流がわに戻り管の上流がわが接続され、戻り管の下流がわが当該採熱管の上流がわに接続されてなる熱媒循環回路に、熱媒流体が充填された上、熱交換器の熱交換部温度を検知する熱交換部温度センサー、および、浅層蓄熱エリア内排湯貯水槽近傍の地中温度を検知する地中温度センサーを有する自動制御部が該熱交換器用循環ポンプを制御するよう設けられてなるものとしたことを特徴とする排湯熱再生装置。
  4. 天面断熱壁および周囲断熱壁の外壁面に、遮水層が積層状に被覆されてなる、請求項3記載の排湯熱再生装置。
  5. 排湯貯水槽が、その槽本体の内・外側の少なくとも何れか一方に給熱管が配設され、給熱管の下流がわに集熱器用循環ポンプの上流がわが接続され、集熱器用循環ポンプの下流がわに太陽光集熱器の上流がわが接続され、太陽光集熱器の下流がわに給熱管の下流がわが接続された上、太陽光センサーまたは太陽熱センサーの少なくとも何れか一方を有する自動制御部が該集熱器用循環ポンプを制御するものとされてなる、請求項1ないし請求項4何れか一記載の排湯熱再生装置。
  6. 排湯貯水槽が、底壁および天壁を有する鉛直筒型の槽本体からなり、該天壁の中央から一方の遠心方向寄りとなる位置に、開閉蓋が組み合わせられたマンホールが設けられ、該マンホールが設けられた、一方の遠心方向とは反対がわの他方寄りがわとなる槽本体の槽壁に肉厚方向に水平な排水管が貫通されると共に、該排水管の槽本体内の槽壁近傍に配された内端に、下端を底壁近傍まで垂下された排水縦管の上端が接続され、該排水管と排水縦管とからなるオーバーフロー排水管路が設けられ、槽本体内の貯水レベルが、排水管まで達した場合に、オーバーフロー排水管路を通じて槽本体内の底壁近傍の貯水から優先的にオーバーフロー排水するものとされた、請求項1ないし請求項5何れか一記載の排湯熱再生装置。
  7. 採熱管の一部が外接採熱管とされ、該外接採熱管が、排湯貯水槽の、水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の槽壁の外周囲に、同槽本体の水平または鉛直方向の何れか一方の軸心回りの螺旋状に巻き付けられ、槽本体内に貯留された排水からの熱エネルギー、および、浅層地下に蓄熱された深層地下がわからの地熱エネルギーを採取可能とするよう、槽本体の槽壁、および浅層地下に伝熱可能に接合されてなり、採熱管の他部が槽内採熱管とされ、該槽内採熱管が、排湯貯水槽の、水平筒型または鉛直筒型の何れか一方とされた槽本体の槽壁の内側に、槽本体内の貯留水中に没して熱交換可能とするよう内装されてなるものとした請求項1ないし請求項6何れか一記載の排湯熱再生装置。
  8. 熱交換器の一部または全部の何れか一方が融雪器に置き換えられた、請求項1ないし請求項7何れか一記載の排湯熱再生装置。
  9. 熱交換器の一部が、空気調和機、給湯器または発電機の少なくとも何れか一つのヒートポンプに置き換えられ、熱交換器の他部が融雪器に置き換えられた、請求項1ないし請求項7何れか一記載の排湯熱再生装置。
  10. 熱交換器としての融雪器の熱交換部が、排湯貯水槽の直上となる地上に配置するよう設置されてなるものとした、請求項8ないし請求項9何れか一記載の排湯熱再生装置。
  11. 融雪器の熱交換部の面積の5平方メートルに対し、排湯貯水槽の槽本体の槽壁の内・外側の少なくとも何れか一方に伝熱可能に配設され、採熱管の長さを75m以上の比率とするよう設定されてなるものとした、請求項8ないし請求項10何れか一記載の排湯熱再生装置。
  12. 熱交換器の一部または全部の何れか一方が、空気調和機、給湯器または発電機の少なくとも何れか一つのヒートポンプに置き換えられた、請求項1ないし請求項7何れか一記載の排湯熱再生装置。
  13. 請求項1ないし請求項12何れか一記載の排湯熱再生装置の複数を隣接配設し、1つの排湯熱再生装置群とし、該排湯熱再生装置群中の隣接する2以上の排湯熱再生装置の熱媒循環回路が、互いに1基の熱交換器用循環ポンプに対して並列回路をなすよう共有接続されてなるものとした、請求項1ないし請求項12何れか一記載の排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システム。
  14. 対象上水道管の外周壁に対し、採熱管が熱伝達可能且つ外接螺旋状に捲き付けられ、舗装表層下に融雪器が埋設され、該採熱管の下流がわに、大気温度センサーを備えた自動制御装置を有する循環ポンプの上流がわが接続され、循環ポンプの下流がわに融雪器の上流がわが接続され、融雪器の下流がわに採熱管の上流がわが接続された流体循環回路が設けられ、該流体循環回路中に熱交換流体としての不凍液が満たしてなり、大気温2℃以下の場合に循環ポンプが起動し、融雪器が融雪し、大気温度が4℃以上の場合に循環ポンプが起動し、採熱管を介して地中に蓄熱するように制御するようにされた水道熱融雪装置、および、請求項1ないし請求項12何れか一記載の排湯熱再生装置が、同一の建築物に組み込まれてなる、請求項1ないし請求項12何れか一記載の排湯熱再生装置を利用した排湯熱再生システム。
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