JP2014005965A - 地中熱熱交換システム - Google Patents

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Abstract

【課題】限られた土地を有効に活用して、地中熱交換を行うことができる地中熱熱交換システムを提供する。
【解決手段】所定の熱媒体と地中熱との間で熱交換する地中熱熱交換器110を有し、上記地中熱熱交換器にて熱交換された上記熱媒体をヒートポンプ装置120との間でさらに熱交換し、上記ヒートポンプ装置を用いて所定の建屋の冷暖房および/または給湯を行う地中熱熱交換システムにおいて、地中熱熱交換器が埋設される熱交換器設置溝150の底部側に非透水性の貯水槽を設けて、貯水槽の中に地中熱熱交換器110の一部が浸かるように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中熱と熱交換させた熱媒体をヒートポンプサイクルに利用する地中熱熱交換システムに関し、さらに詳しく言えば、限られた土地の有効に利用して、地中熱熱交換を行うことができる地中熱熱交換システムに関する。
例えば、特許文献1に記載されている地中熱熱交換システムでは、地中に埋設された熱交換器に熱媒体を循環させる一次側熱交換回路と、空気調和機などの二次側熱交換回路とを有し、一次側熱交換回路と二次側熱交換回路とを互いに熱的に接続して、二次側回路で発生した熱と地中熱とを熱交換するようにしている。
ところで、従来の地中熱熱交換システムは、地中熱との熱交換を行うための地中熱熱交換器を地中に設けられた熱交換器設置溝の中に埋めている。通常、熱交換器設置溝は、雨などの水が浸透することによって、熱交換効率が高められるため、屋外の地中内に設置されていることが多い。
したがって、必然的に熱交換器設置溝の敷設用地が必要となる。そのため、都市部の住居や農業用ハウスなど土地が限られる場所においては、この熱交換システムを組み込むことは、困難であった。
従来の熱交換器設置溝は、一年を通して安定した地中熱を得るため、その深さが数10mを深く掘り下げている場合が多い。また、地下水を含んだ地層に到達するまで掘り下げることで、地下水による熱交換も行われるため、より効率的に熱交換できる。
しかしながら、設置深さを深くすればするほど、設置コストが高くなり好ましくない。逆に深度が浅いと、設置コストは安く済むが、地中熱が安定しないし、水分量も少ないため、熱交換効率がよくない。
特開2010−190435号公報
そこで、本発明の課題は、限られた土地を有効に活用して、地中熱交換を行うことができる地中熱熱交換システムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、以下に示すいくつかの特徴を備えている。すなわち、所定の熱媒体と地中熱との間で熱交換する地中熱熱交換器を有し、上記地中熱熱交換器にて熱交換された上記熱媒体をヒートポンプ装置との間でさらに熱交換し、上記ヒートポンプ装置を用いて所定の建屋の冷暖房および/または給湯を行う地中熱熱交換システムにおいて、上記熱交換器を地中に埋設するための熱交換器設置溝を有し、上記熱交換器設置溝の底部側には、貯水槽を形成するための非透水性処理が施されており、上記貯水槽内に上記熱交換器の一部が浸かるように配置されることを特徴としている。
より好ましい態様として、上記熱交換器設置溝には、上記地中熱熱交換器が配置された状態で、その内部に透水性を有する充填材が充填されていることを特徴としている。
さらに好ましい態様として、上記非透水性処理は、非透水性シートからなることを特徴としている。
また、上記熱交換器設置溝には、水を供給する水供給手段が接続されており、上記地中熱熱交換器の周囲の一部が常に湿潤した状態に保たれていることを特徴としている。
これによれば、所定の熱媒体と地中熱との間で熱交換する地中熱熱交換器を有し、上記地中熱熱交換器にて熱交換された上記熱媒体をヒートポンプ装置との間でさらに熱交換し、上記ヒートポンプ装置を用いて所定の建屋の冷暖房および/または給湯を行う地中熱熱交換システムにおいて、上記熱交換器を地中に埋設するための熱交換器設置溝を有し、上記熱交換器設置溝の底部側には、貯水槽を形成するための非透水性処理が施されており、上記貯水槽内に上記熱交換器の一部が浸かるように配置されているにより、熱交換器の一部を貯水槽の中に浸すことで、地中の比較的浅い位置に設置しても、地中熱熱交換器の周囲を常に湿潤した状態に保つことができ、限られた土地を有効に利用して、効率的な熱交換を行うことができる。
また、上記熱交換器設置溝には、上記地中熱熱交換器が配置された状態で、その内部に透水性を有する充填材が充填されていることにより、熱交換器と水の接触を確保しつつ、熱交換器を安定して固定できる。
さらには、上記非透水性処理は、非透水性シートからなることにより、簡単かつ安価に非透水性処理を施すことができる。
上記熱交換器設置溝には、水を供給する水供給手段が接続されており、上記地中熱熱交換器の周囲の一部が常に湿潤した状態に保たれていることにより、熱交換器設置溝に水を安定的に供給することができ、熱交換器設置溝でのエネルギー変換効率を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る地中熱熱交換システムを示す模式的な斜視図。 上記地中熱熱交換システムの各構成要素を平面的に図解した模式図。 地中熱熱交換器を示す平面図。 熱交換器設置溝の内部構造を示す(a)断面図および(b)A−A線断面図。 (a)〜(c)熱交換ユニットの詳細な構成を示す模式図。 地中熱熱交換器の変形例を示す断面図。 熱交換器設置溝の配置例を示す平面図。 (a)〜(f)地中熱交換器の敷設手順を説明する説明図。 本発明の第2実施形態に係る地中熱熱交換システムをドーム型ハウスに組み込んだ状態の模式図。 本発明の第3実施形態に係る地中熱熱交換システムのブロック構成図。
次に、本発明の地中熱熱交換システムの実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1および図2に示すように、この地中熱熱交換システムは、地中熱との間で熱交換を行う一次側熱交換回路100と、利用側との間で熱交換を行う二次側熱交換回路200と、一次側熱交換回路100と二次側熱交換回路200との間で熱交換を行う熱交換ユニット120と、一次側熱交換器100に水を供給する水供給ユニット300とを備えている。
一次側熱交換回路100は、地中に埋設される地中熱熱交換器110と、二次熱交換回路200との間で熱交換を行うための熱交換ユニット120と、地中熱熱交換器110と熱交換ユニット120との間で熱媒体を循環させる循環パイプ130とを備えている。循環パイプ130には、熱媒体を一方向に循環させるポンプ140が設けられている。
この例において、熱媒体は、不凍液を混ぜた水が用いられるが、これ以外に熱伝導性のよい液体があれば、仕様に応じて適宜選択可能である。
図4を併せて参照して、地中熱熱交換器110は、農業用ビニールハウス10の下に敷設された熱交換器設置溝150の内部に敷設されている。この例において、熱交換器設置溝150は、長さL(30000mm)×幅W(800mm)×地表面から深さD(3000mm)となるように掘り下げられた細長い坑のうち、底から高さH(1500mm)の空間に形成されいる。
熱交換器設置溝150の上には、浸透升160が設けられている。浸透升160は、熱交換器設置溝150を敷設したのち、その上に透水性シート161を敷き詰めて、その中に透水性のよい採石などの充填材161が充填され、その上に熱交換器設置溝150を掘り起こした際の残土が被されている。
透水性シート161は、一般的な土木工事などに用いられる透水性シートが好ましく用いられるが、透水性を備えていれば、それ以外であってもよい。この例において、浸透升160は、熱交換器設置溝150の上面から地表面までの高さは1500mmであるが、この厚さは任意に選択されてよい。
浸透升160の内部には、浸透升160に水を供給する給水パイプ115が設けられている。給水パイプ115は、塩ビ製のパイプからなり、浸透升160の内部にほぼ水平に埋設されている。給水パイプ115には、水を散水するための給水孔116が所定間隔で多数設けられている。これによれば、例えば雨などによって大量の水が給水パイプ115から浸透升160に給水されても、充填材161の空隙の間に水を蓄えることができるため、貯めた水を下の熱交換器設置溝150にゆっくりと浸透させることができる。
この例において、給水パイプ115は塩ビ製のストレート管が用いられているが、水を供給することができればよく、例えば散水用チューブなどがもちいられてもよく、その形態は仕様に応じて任意に変更されてよい。
熱交換器設置溝150の底部側には、貯水槽170が設けられている。貯水槽170は、透水性を有さない非透水性シート171からなり、この例において、養生ポリエチレンフィルムなどの非透水性合成樹脂フィルムが用いられている。
この例において、非透水性シート171は、熱交換器設置溝150の底部151と、底面151から所定高さhの内壁面152を覆うように設けられている。この例において、非透水性シート170は、熱交換器設置溝150の容積の約半分となる高さh=750mmの高さまで設けられている。
これによれば、熱交換器設置溝150の下半分側に非透水性の貯水槽170を形成したことにより、地中熱熱交換器110のほぼ半分が、常に水の中に浸かったような状態となることで、熱交換効率をより一層高めることができる。
この例において、貯水槽170は非透水性シート171から構成されているが、貯水槽170を例えば樹脂成形などによって予め成形しておき、それを熱交換器設置溝150の中に埋設してもよく、水を蓄えておくことができる構成であれば、その形態は特に限定されない。
熱交換器設置溝150の内部には、地中熱熱交換器110を立てた状態で保持するとともに、透水性を確保するため砂153が充填されている。砂153は、水はけのよい川砂が好ましいが、これ以外にも例えば砕石など、熱交換器設置溝150が透水性を備えることができれば、仕様に応じて任意に選択される。
図3を参照して、地中熱熱交換器110は、2本の中空なメインパイプ111,112と、それらの間に架け渡すように連結された複数の熱交換チューブ113とを備えている。各メインパイプ111,112はともに、例えば塩化ビニル製の硬質な管材からなり、この例では、メインパイプ111は下端と、メインパイプ112の上端とが閉塞されている。
熱交換チューブ113は、合成樹脂製の可撓性を有する細いチューブからなり、その両端が各メインパイプ111,112の外周に軸線方向に形成された図示しない連通孔に差し込まれている。熱交換チューブ113のほぼ中間には、熱交換チューブ113の並びを整え、かつ撓まないようにするための、補強桟114が設けられている。
これによれば、一方のメインパイプ111から注入された熱媒体は、熱交換チューブ113を通って他方のメインパイプ112の下端から吐出され、その際、熱交換チューブ113で地中熱との間で熱交換が行われる。
図6に示すように、可撓性チューブを用いた熱交換チューブ110aを熱交換器設置溝150の深さに合わせて螺旋状(スパイラル状)にした状態で埋設して、その上に給水パイプ115を配置するようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
この例において、熱交換器設置溝150は、細長いスリット状に開口されているが、これ以外に、熱交換器設置溝150を平面状に開口して、その中に地中熱熱交換器110をほぼ水平な状態で配置してもよい。その場合、1つの熱交換器設置溝150に対して複数の地中熱熱交換器110を積層して配置してもよい。
図5(a)に示すように、熱交換ユニット120は、一次側熱交換回路100と二次側熱交換回路200との間で熱交換を行うようになっており、この例において、熱交換器ユニット120は、一次側熱交換回路100および二次側熱交換回路200がともに水を冷媒として用いた、水−水型の熱交換ユニット120である。
この実施形態において、熱交換ユニット120は、内部に圧縮機121と、減圧弁122とを含む冷凍サイクルの冷媒循環回路を有し、この冷媒循環回路を介して、地中熱側と利用側とを相互に熱交換するようになっている。なお、冷媒循環回路には、図示しない四方弁が含まれており、冷房運転と暖房運転時に冷媒の流れ方向が変わるようになっている。
この例において、熱交換ユニット120は、図5(a)に示す構成であるが、これ以外に、図5(b)に示すように、熱交換ユニット120の放熱器側をダイレクトに屋内に設置して、一次冷媒と二次冷媒とを直接熱交換してもよい。
さらには、図5(c)に示すように、熱媒体を水や冷媒ガスに代えて、空気でおこなうようにしてもよい。熱交換ユニット120は、一次側の熱媒体と二次側の熱媒体とが、相互に熱交換可能な構成であれば、仕様に応じて任意に設計されてよい。
循環パイプ130は、屈曲可能なチューブからなり、循環ポンプ140を介して熱媒体が一方向に流れて循環するようになっている。循環パイプ130は、内部に熱媒体が搬送可能であれば、その具体的な仕様は任意に選択されてよい。
二次熱交換回路200は、所定の冷媒液が循環する冷凍サイクル回路からなる。この例では、空気調和機の循環パイプ210と、ハウス10内に設置された室内機ユニット220と、冷媒液を循環するための循環ポンプ230とを有し、その一部に熱交換ユニット120が組み込まれている。
なお、本発明において、二次熱交換回路200の具体的な構成は任意であってよく、循環パイプ210および室内機ユニット220の構成は、仕様に応じて任意に変更されてよい。
水供給ユニット300は、ハウス10の外の側面に沿って形成された側溝310と、一端が側溝310に接続され、他端が上述した給水パイプ115に接続される水供給パイプ320とを備えている。
これによれば、雨などが降った際の水を側溝310に溜めて、水供給パイプ320を介して給水パイプ115から、ハウス10の下に埋設された浸透升160を介して地中熱熱交換器110に水を供給することができ、熱交換効率をより一層高めることができる。
また、側溝310は、雨が降った際にしか水を溜めることができない。そこで、本発明では、例えば雨水を溜めておく水タンクなどからなる水供給ユニット330をさらに備え、そこからポンプ350を介して水を給水パイプ115に送る第2の水供給パイプ340が設けられている。
これによれば、雨が降らない時であっても、定期的に水を地中熱熱交換器110の供給することができ、常に熱交換効率の高い運転を行うことができる。なお、水給水ユニット330の水タンクは、例えば河川や湖なども含まれてよい。
この例において、熱交換器設置溝150はハウス10下に1ヶ所のみ設けられているが、これ以外に、例えば図7に示すように、ハウス10の下に複数、この例では4個所の熱交換器設置溝150を設けてもよい。複数の熱交換器設置溝150の接続方法は、直列回路、並列回路のいずれであってもよい。同様に給水パイプ115も直列回路でもよいし、並列回路でもよい。
熱交換器設置溝150を複数設けた場合、全てをハウス10の下に設置する必要は無く、一部をハウス10(建屋)の外に設置してもよい。その場合、ハウス10の外壁面に沿って配置することが好ましい。
次に、図8(a)〜(f)を参照しながら、地中熱熱交換器110の設置手順の一例について説明する。まず、図8(a)に示すように、ユンボなどの建設機械を用いて熱交換器設置溝150を掘り起こす。
次に、図8(b)に示すように、熱交換器設置溝150の底面151と、内壁面152の底面151から約下半分を非透水性フィルム171で覆い、貯水槽170を形成する。次に、貯水槽170の底に若干量の砂(図示しない)を充填する。図8(c)に示すように、その砂に鉄筋や樹脂などからなるポールPを熱交換器設置溝150に沿って等間隔で配置する。
次に、図8(d)に示すように、ポールPの間に挟むように地中熱熱交換器110を熱交換器設置溝150にセットしたのち、配管処理を行う。なお、地中熱熱交換器110を下に降ろす際、上述した給水パイプ115で吊り下げながら地中熱熱交換器110を降ろすことにより、真っ直ぐな状態で定位置にセットすることができる。
次に、図8(e)に示すように、地中熱熱交換器110が配置された状態で熱交換器設置溝150に砂を充填したのち、ポールPを抜き取ることにより、図8(f)に示すように、熱交換器設置溝150の中央に地中熱熱交換器110をほぼ垂直に立てた状態で埋設することができる。
次に、熱交換器設置溝150の上に残った空間に透水性シート161を敷設し、半分ほどに採石を敷き詰めたのち、その上に給水パイプ115を設置する。残った空間に残土を敷き詰めることにより、浸透升160が形成され、一連の敷設工程が完了する。
次に、図9を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る地中熱熱交換システムの変形例について説明する。この第2実施形態において、地中熱熱交換システムは、ドーム型ハウス10Aに組み込まれている。
ドーム型ハウス10Aは、例えば中心から外側に向かって移動する放射状コンベアの上で野菜を成長させてゆき、最終的に外側に来た野菜を収穫するといった農業用途に用いられている。なお、ドーム型ハウス10Aの用途は任意であってよい。
このドーム型ハウス10Aの下には、複数の熱交換器設置溝150が放射状に配置されている。各熱交換器設置溝150にはそれぞれ、地中熱熱交換器110が埋設されており、それらは配管130により連結されている。
これによれば、ドーム型ハウス10Aの下に熱交換器設置溝150を放射状に配置することで、限られた土地に熱交換器設置溝150を効率的に組み込むことができ、ひいては、効率的な地中熱熱交換システムが得られる。
この例において、地中熱熱交換システムは、農業用ハウスの下に敷設する例をとって説明したが、これ以外に、一般家屋や工場などの建屋の下に設置してもよい。さらには、畜産業の牛舎などの下に組み込むこともでき、本発明の熱交換システムは、熱交換器設置溝150が建屋の下に敷設されていれば、その他の使用形態も本発明に含まれる。
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る地中熱熱交換システムについて説明する。第3実施形態において、建屋の屋根Rの上には、太陽光発電装置400が設置されており、太陽光発電装置400によって用いられた水が熱交換器設置溝150に供給されるようになっている。なお、上述した第1および第2実施形態と同一もしくは同一と見なされる箇所には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
太陽光発電装置400は、屋根Rの上に設置された太陽光発電パネル410と、同太陽光発電パネル410の表面に水を散水する散水手段420と、太陽光発電パネル410に散水された水を回収する水回収手段430とを備えている。
太陽光発電パネル410は、一般的な太陽光発電に用いられる板状パネルであって、この例では建屋の屋根Rの上に設置されているが、建屋の周辺に設置されていてもよい。
散水手段420は、貯水タンク421と、貯水タンク421の水を送水管423を介して圧送するポンプ422と、太陽光発電パネル410の表面に散水する散水パイプ424とを備えている。
この例において、貯水タンク421には、水道水が貯められているが、これ以外に雨水などの中水を貯水してもよい。さらには、池や川の水が貯水されていてもよい。散水パイプ424は、円筒パイプの一部に水を吐出させる吐出孔を多数備えたものが用いられており、この例では農業用の点滴灌水パイプが用いられている。
散水パイプ424は、傾斜して配置された太陽光発電パネル410の上流側に配置されており、散水パイプ424から散水された水が、太陽光発電パネル410の上流側から下流側に向かって自然に流れ落ちるようになっている。
水回収手段430は、太陽光発電パネル410の下流側に配置された樋431と、一端が樋431に接続され、他端が熱交換器設置溝150の内の給水パイプ115に接続される配水管432とを備えている。
樋431は、いわゆる雨樋からなり、太陽光発電パネル410を流れてきた水を受け止めて、回収するようになっている。この例において、水は樋によって431受け止められるようになっているが、水を回収することができれば、これ以外の構成であってもよい。
また、この例において、配水管432は、樋431と給水パイプ115とをダイレクトに接続しているが、回収した水をいったんタンク、例えば図1の給水ユニット330に貯めるような構造であってもよく、回収された水が最終的に熱交換器設置溝150内の地中熱熱交換器110に供給される構造であれば、その他の変形例も本発明に含まれる。第3実施形態によれば、太陽光パネルを冷却するために使用された水をも地中熱熱交換器110に有効に利用することができる。
さらに、本発明の熱交換器設置溝150の上には、給水手段としての浸透升160が設けられているため、熱交換器設置溝150を地下水が豊富に含まれる地層深く(例えば数十メートルもしくはそれ以上)まで掘り下げる必要はなく、地表付近から10m程度の比較的浅い位置であっても、地中熱熱交換を行う雰囲気に水を行き渡らせることができるので、効率的な地中熱熱交換を行うことができる。
1 空気調和機
100 一次側熱交換回路
110 地中熱熱交換器
115 給水パイプ
120 熱交換ユニット
130 循環パイプ
150 熱交換器設置溝
160 浸透升
170 貯水槽
200 二次側熱交換回路
300 水供給ユニット
400 太陽光発電装置
410 太陽光発電パネル
420 散水手段
430 水回収手段

Claims (4)

  1. 所定の熱媒体と地中熱との間で熱交換する地中熱熱交換器を有し、上記地中熱熱交換器にて熱交換された上記熱媒体をヒートポンプ装置との間でさらに熱交換し、上記ヒートポンプ装置を用いて所定の建屋の冷暖房および/または給湯を行う地中熱熱交換システムにおいて、
    上記熱交換器を地中に埋設するための熱交換器設置溝を有し、上記熱交換器設置溝の底部側には、貯水槽を形成するための非透水性処理が施されており、上記貯水槽内に上記熱交換器の一部が浸かるように配置されることを特徴とする地中熱熱交換システム。
  2. 上記熱交換器設置溝には、上記地中熱熱交換器が配置された状態で、その内部に透水性を有する充填材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の地中熱熱交換システム。
  3. 上記非透水性処理は、非透水性シートからなることを特徴とする請求項1または2に記載の地中熱熱交換システム。
  4. 上記熱交換器設置溝には、水を供給する水供給手段が接続されており、上記地中熱熱交換器の周囲の一部が常に湿潤した状態に保たれていることを特徴とする請求項1,2または3のいずれか1項に記載の地中熱熱交換システム。
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