JP2015152183A - ヒートポンプ - Google Patents

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伸行 赤木
Nobuyuki Akagi
伸行 赤木
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Abstract

【課題】 温熱と冷熱とを供給し得る新たなヒートポンプを提供する。【解決手段】ヒートポンプは、圧縮手段と凝縮手段と第1膨張手段と空気熱交換手段と第2膨張手段と蒸発手段とを備える。凝縮手段は、圧縮手段によって圧縮された冷媒と、加熱装置に供給される温熱用熱媒との間で熱交換を行う。第1膨張手段は、凝縮手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と、当該冷媒を実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る。空気熱交換手段は、第1膨張手段を通過した冷媒と、空気との間で熱交換を行う。第2膨張手段は、空気熱交換手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と、当該冷媒を実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る。そして、蒸発手段は、第2膨張手段を通過した冷媒と、冷却装置に供給される冷熱用熱媒との間で熱交換を行う。【選択図】 図1

Description

ここで開示する技術は、ヒートポンプに関し、特に、温熱と冷熱とを供給し得るヒートポンプに関する。
特許文献1に、ヒートポンプが記載されている。このヒートポンプは、給湯装置に温熱を供給し、かつ、空調装置に冷熱を供給することができる。ここで、給湯装置は加熱装置の一例であり、空調装置は冷却装置の一例である。
特開2004−20085号公報
特許文献1に記載されたヒートポンプは、二つの空気熱交換器を備えており、給湯装置及び空調装置の運転状況に応じて、二つの空気熱交換器を使い分けている。このような構成によると、二つの空気熱交換器を必要とすることから、例えばヒートポンプの大型化が問題となる。なお、特許文献1には、単一の空気熱交換器を備えるヒートポンプも記載されているが、当該ヒートポンプでは、給湯装置に温熱を供給せずに、空調装置に冷熱のみを供給するといった運転を行うことができない。
本明細書は、上記の問題を解決又は少なくとも低減するために、温熱と冷熱とを供給し得る新たなヒートポンプを提供する。
本技術の一側面により、ヒートポンプが開示される。ヒートポンプは、冷媒を圧縮する圧縮手段と、圧縮手段の下流側に位置する凝縮手段と、凝縮手段の下流側に位置する第1膨張手段と、第1膨張手段の下流側に位置する空気熱交換手段と、空気熱交換手段の下流側に位置する第2膨張手段と、第2膨張手段の下流側であって圧縮手段の上流側に位置する蒸発手段とを備える。凝縮手段は、圧縮手段によって圧縮された冷媒と、加熱装置に供給される温熱用熱媒との間で熱交換を行う。第1膨張手段は、凝縮手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と、当該冷媒を実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る。空気熱交換手段は、第1膨張手段を通過した冷媒と、空気との間で熱交換を行う。第2膨張手段は、空気熱交換手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と、当該冷媒を実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る。そして、蒸発手段は、第2膨張手段を通過した冷媒と、冷却装置に供給される冷熱用熱媒との間で熱交換を行う。
上記したヒートポンプでは、空気熱交換手段の両側に、第1膨張手段と第2膨張手段とがそれぞれ配置されている。このような構成によると、第1及び第2膨張手段の一方を選択的に無効状態とすることで、空気熱交換手段を、冷凍サイクルにおける凝縮器としても蒸発器としても機能させることができる。従って、複数の空気熱交換手段を必ずしも必要とすることなく、温熱と冷熱との同時供給、温熱のみの単独供給、及び冷熱のみの単独供給を、自由に実施することができる。
実施例の熱供給システムの構成を模式的に示す図。 上記システムによる運転態様を示す表。 温熱のみの単独供給時における冷媒及び熱媒の流れを示す図。なお、実線で示された経路は、冷媒又は熱媒が流れていることを示し、破線で示された経路は、冷媒又は熱媒が実質的に流れていないことを示す(図4から図6も同様)。 冷熱のみの単独供給時における冷媒の流れを示す図。 温熱と冷熱との同時供給時における冷媒の流れであって、空気熱交換装置が凝縮器として機能するときの様子を示す図。 温熱と冷熱との同時供給時における冷媒の流れであって、空気熱交換装置が蒸発器として機能するときの様子を示す図。 他の実施例の熱供給システムの構成を模式的に示す図。
本技術の一実施形態において、第1及び第2膨張手段のそれぞれは、膨張弁と、その膨張弁に並列に接続されたバイパス経路と、そのバイパス経路を開閉するバイパス弁とを有することが好ましい。この構成によると、バイパス経路を開閉することによって、第1及び第2膨張手段のそれぞれを、有効状態と無効状態との間で切り替えることができる。但し、各々の膨張手段の構成は上記に限定されない。例えば、各々の膨張手段は、その開度が可変の膨張弁を用いて構成することもできる。
本技術の一実施形態において、凝縮手段は、少なくとも、第1熱交換手段と第2熱交換手段とを含むことが好ましい。この場合、第1熱交換手段は、給湯装置に供給される第1温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行い、第2熱交換手段は、暖房装置に供給される第2温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行うことが好ましい。ここで、第1及び第2熱交換手段は、単一の熱交換器(例えば三系統を有する熱交換器)で構成されてもよいし、二以上の熱交換器の組み合わせで構成されてもよい。
本技術の一実施形態において、ヒートポンプは、第1及び第2膨張手段の動作を制御するコントローラをさらに備えてもよい。この場合、コントローラは、凝縮手段で必要とされる冷媒の放熱量に対して、蒸発手段で必要とされる冷媒の吸熱量が過大となるときは、第1膨張手段を無効状態とするとともに、第2膨張手段を有効状態とすることが好ましい。それにより、空気熱交換手段を凝縮器(放熱器)として機能させることができ、凝縮手段において凝縮熱として放熱し切れない過剰な冷媒の熱を、空気熱交換手段において凝縮熱として外部へ放出することができる。それに対して、凝縮手段で必要とされる冷媒の放熱量に対して、蒸発手段で必要とされる冷媒の吸熱量が過小となるときは、第1膨張手段を有効状態とするとともに、第2膨張手段を無効状態とすることが好ましい。それにより、空気熱交換手段を蒸発器(吸熱器)として機能させることができ、蒸発手段において蒸発熱として吸熱し切れずに不足する冷媒の熱を、空気熱交換手段において蒸発熱として外部から吸収することができる。
図面を参照して、実施例の熱供給システム10(以下、システムとする)について説明する。図1に示すように、システム10は、貯湯式の給湯装置12と、暖房装置14と、冷房装置16と、ヒートポンプ20とを備えている。ヒートポンプ20は、給湯装置12及び暖房装置14に温熱を供給するとともに、冷房装置16に冷熱を供給する熱源である。ここで、給湯装置12及び暖房装置14は、加熱装置の一例であり、冷房装置16は、冷却装置の一例である。給湯装置12、暖房装置14及び冷房装置16の具体的な構成は、特に限定されない。システム10は、その他の加熱装置及び冷却装置をさらに含んでもよい。
本明細書における加熱装置とは、ヒートポンプ20との間で温熱用熱媒を循環させ、ヒートポンプ20で加熱された温熱用熱媒を利用する装置を広く意味する。加熱装置としては、例えば、給湯装置、各種の暖房装置(床暖房、パネルヒータ、ファンコンベクタ等)、及び浴槽の風呂水を加熱する風呂装置が挙げられる。一方、本明細書における冷却装置とは、ヒートポンプ20との間で冷熱用熱媒を循環させ、ヒートポンプ20で冷却された冷熱用熱媒を利用する装置を広く意味し、例えば、各種の冷房装置、冷蔵庫、製氷機、及び発熱する装置(例えば太陽光発電パネルやエンジン式発電機)を冷却する装置等が挙げられる。なお、暖房機能及び冷房機能を有する空調装置は、加熱装置に該当するとともに冷却装置にも該当する。
ヒートポンプ20は、圧縮装置22と、凝縮装置24と、第1膨張装置26と、空気熱交換装置28と、第2膨張装置30と、蒸発装置32と、制御装置18と、リモコン19とを備える。圧縮装置22と凝縮装置24は、第1冷媒経路42を介して互いに接続されている。凝縮装置24と空気熱交換装置28は、第2冷媒経路44を介して互いに接続されており、空気熱交換装置28と蒸発装置32は、第3冷媒経路46を介して互いに接続されており、蒸発装置32と圧縮装置22は、第4冷媒経路48を介して互いに接続されている。そして、第1膨張装置26は、第2冷媒経路44上に設けられており、第2膨張装置30は、第3冷媒経路46上に設けられている。
圧縮装置22は、冷媒を圧縮する圧縮手段の一例である。圧縮装置22の具体的な構成は、特に限定されない。圧縮装置22において、冷媒は実質的に断熱圧縮され、高温高圧の気体となる。なお、冷媒は、特に限定されないが、例えば二酸化炭素や各種の代替フロンガスを採用することができる。圧縮装置22によって圧縮された冷媒は、第1冷媒経路42を通って凝縮装置24に送られる。
凝縮装置24は、圧縮装置22の下流側に位置している。なお、本明細書における上流及び下流とは、冷媒の流れを基準とする表現である。凝縮装置24は、圧縮装置22によって圧縮された冷媒と、給湯装置12又は暖房装置14に供給される温熱用熱媒との間で熱交換を行う凝縮手段の一例である。凝縮装置24において、冷媒は放熱して凝縮する。凝縮装置24には、第1温熱用循環経路12aと第2温熱用循環経路14aとが接続されている。第1温熱用循環経路12aは、凝縮装置24と給湯装置12との間で第1温熱用熱媒(例えば温水)を循環させる。第2温熱用循環経路14aは、凝縮装置24と暖房装置14との間で第2温熱用熱媒(例えば不凍液)を循環させる。第1温熱用循環経路12aには、第1温熱用循環ポンプ12bが設けられており、第2温熱用循環経路14aには、第2温熱用循環ポンプ14bが設けられている。第1及び第2温熱用循環ポンプ12b、14bは、制御装置18に電気的に接続されており、その動作は制御装置18によってそれぞれ制御される。凝縮装置24を通過した冷媒は、第2冷媒経路44を通って第1膨張装置26に送られる。
ここで、本実施例の凝縮装置24は、三液熱交換器を用いて構成されており、単一の熱交換器によって、第1温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行う第1熱交換手段と、第2温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行う第2熱交換手段とが実現されている。但し、凝縮装置24は、複数の熱交換器を用いて構成することができる。例えば、図7に示すように、凝縮装置24は、第1温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行う第1熱交換器24aと、第2温熱用熱媒と冷媒との間で熱交換を行う第2熱交換器24bとを備えてもよい。なお、第1熱交換器24aと第2熱交換器24bは、冷媒の流れに対する上流/下流の位置関係を入れ替えてもよいし、互いに並列に接続されてもよい。
第1膨張装置26は、凝縮装置24の下流側に位置する。第1膨張装置26は、凝縮装置24を通過した冷媒を減圧する有効状態と、実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る第1膨張手段の一例である。本実施例の第1膨張装置26は、第1膨張弁26aと、第1膨張弁26aに並列に接続された第1バイパス経路26bと、その第1バイパス経路26bを開閉する第1バイパス弁26cとを有する。これにより、第1バイパス弁26cが閉鎖されると、冷媒が第1膨張弁26aを通過することになり、第1膨張装置26は、冷媒を減圧する有効状態となる。一方、第1バイパス弁26cが開放されると、冷媒は主に第1バイパス経路26bを通過することになり、第1膨張装置26は、冷媒を減圧しない無効状態となる。第1バイパス弁26cは、例えば電磁開閉弁である。第1膨張弁26a及び第1バイパス弁26cは、制御装置18に電気的に接続されており、第1膨張弁26aの開度及び第1バイパス弁26cの開閉は制御装置18によって制御される。第1膨張装置26を通過した冷媒は、第2冷媒経路44を通って空気熱交換装置28に送られる。
空気熱交換装置28は、第1膨張装置26を通過した冷媒と空気との間で熱交換を行う空気熱交換手段の一例である。本実施例の空気熱交換装置28は、冷媒が通過するプレートフィンコイル28aと、プレートフィンコイル28aに送風するための送風機28bを備える。送風機28bは、制御装置18に電気的に接続されており、その動作は制御装置18によって制御される。詳しくは後述するが、本実施例の空気熱交換装置28は、冷媒から大気へ熱を放出する放熱器(冷凍サイクルにおける凝縮器)としても、大気から冷媒へ熱を吸収する吸熱器(冷凍サイクルにおける蒸発器)としても、選択的に機能することができる。空気熱交換装置28を通過した通過した冷媒は、第3冷媒経路46を通って第2膨張装置30に送られる。
第2膨張装置30は、空気熱交換装置28の下流側に位置する。第2膨張装置30は、空気熱交換装置28を通過した冷媒を減圧する有効状態と、実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る第2膨張手段の一例である。本実施例の第2膨張装置30は、第2膨張弁30aと、第2膨張弁30aに並列に接続された第2バイパス経路30bと、その第2バイパス経路30bを開閉する第2バイパス弁30cとを有する。これにより、第2バイパス弁30cが閉鎖されると、冷媒が第2膨張弁30aを通過することになり、第2膨張装置30は、冷媒を減圧する有効状態となる。一方、第2バイパス弁30cが開放されると、冷媒は主に第2バイパス経路30bを通過することになり、第2膨張装置30は、冷媒を減圧しない無効状態となる。第2バイパス弁30cは、例えば電磁開閉弁である。第2膨張弁30a及び第2バイパス弁30cは、制御装置18に電気的に接続されており、第2膨張弁30aの開度及び第2バイパス弁30cの開閉は制御装置18によって制御される。第2膨張装置30を通過した冷媒は、第3冷媒経路46を通って蒸発装置32に送られる。
蒸発装置32は、第2膨張装置30の下流側かつ圧縮装置22の上流側に位置している。蒸発装置32は、第2膨張装置30を通過した冷媒と、冷房装置16に供給される冷熱用熱媒との間で熱交換を行う蒸発手段の一例である。蒸発装置32は、一又は複数の熱交換器を用いて構成することができる。蒸発装置32において、冷媒は吸熱することによって蒸発(気化)する。蒸発装置32には、冷熱用循環経路16aが接続されている。冷熱用循環経路16aは、蒸発装置32と冷房装置16との間で冷熱用熱媒(例えば冷水)を循環させる。冷熱用循環経路16aには、冷熱用循環ポンプ16aが設けられている。冷熱用循環ポンプ16aは、制御装置18に電気的に接続されており、その動作は制御装置18によって制御される。蒸発装置32を通過した冷媒は、第4冷媒経路48を通って圧縮装置22に送られる。
ヒートポンプ20は、各種のセンサを有している。例えば、第1温熱用循環経路12aには、第1温度センサ52が設けられている。第1温度センサ52は、凝縮装置24の出口側に位置しており、給湯装置12に供給される第1温熱用熱媒の温度を測定する。また、第2温熱用熱媒経路14aには、第2温度センサ54が設けられている。第2温度センサ54は、凝縮装置24の出口側に位置しており、暖房装置14に送られる供給される第2温熱用熱媒の温度を測定する。同様に、冷熱用熱媒経路16aには、冷房装置16aに供給される冷熱用熱媒の温度を測定する第3温度センサ56が設けられている。これらに加えて、ここでは説明及び図示を省略するが、システム10では、各冷媒経路42〜48、凝縮装置24、空気熱交換装置28、蒸発装置32の状態をそれぞれ把握するために、複数の温度センサが各部に設けられている。各温度センサ52、54、56等は、制御装置18に電気的に接続されており、それらの出力信号は制御装置18にそれぞれ入力される。
リモコン19は、システム10におけるユーザインターフェースである。リモコン19は、ユーザからの各種の指示を受け付けるとともに、ユーザに対して各種の情報を表示することができる。リモコン19の構成は特に限定されず、その少なくとも一部がスマートフォンやタブレットといった無線情報端末を用いて構成されてもよい。ユーザは、リモコン19を用いて、給湯装置12、暖房装置14、冷房装置16の運転及び停止や、温度設定などを行うことができる。
以上の構成により、ヒートポンプ20は、温熱と冷熱との同時供給、温熱のみの単独供給、及び冷熱のみの単独供給を、自由に実施することができる。例えば、給湯装置12と暖房装置14の少なくとも一方が運転され、冷房装置16が運転されない場合、ヒートポンプ20は、温熱のみの単独供給を行う。この場合、図2中の態様1に示すように、制御装置18は、第1膨張装置26を有効状態とするとともに、第2膨張装置30を無効状態とする。具体的には、第1バイパス弁26cを閉鎖するとともに、第2バイパス弁30cを開放する。その結果、図3に示すように冷媒は流れ(実線部分)、空気熱交換装置28は冷凍サイクルにおける蒸発器として機能する。このとき、制御装置18は、第1温度センサ52(又は第2温度センサ54)の検出温度に基づいて、圧縮装置22の出力を増減調整することができる。
あるいは、給湯装置12と暖房装置14の両者が運転されず、冷房装置16のみが運転される場合、ヒートポンプ20は、冷熱のみの単独供給を行う。この場合、図2中の態様2に示すように、制御装置18は、第1膨張装置26を無効状態とするとともに、第2膨張装置30を有効状態とする。具体的には、第1バイパス弁26cを開放するとともに、第2バイパス弁30cを閉鎖する。その結果、図4に示すように冷媒は流れ(実線部分)、空気熱交換装置28は冷凍サイクルにおける凝縮器として機能する。このとき、制御装置18は、第3温度センサ56の検出温度に基づいて、圧縮装置22の出力を増減調整することができる。
そして、給湯装置12と暖房装置14の少なくとも一方が運転され、かつ、冷房装置16も運転される場合、ヒートポンプ20は、温熱と冷熱の同時供給を行う。この場合、図2中の態様3aに示すように、制御装置18は、第1膨張装置26と第2膨張装置30の一方を無効状態とするとともに、その他方を有効状態とする。そして、凝縮装置24で必要とされる冷媒の放熱量と、蒸発装置32で必要とされる冷媒の吸熱量とが均衡するときは、空気熱交換装置28の送風機28bを停止させ、空気熱交換装置28を実質的に無効化することもできる。ここで、制御装置18は、凝縮装置24で必要とされる冷媒の放熱量と、蒸発装置32で必要とされる冷媒の吸熱量との大小関係を、図示しないその他の温度センサの検出温度から判断してもよいし、給湯装置12、暖房装置14及び冷房装置16の運転状況(各装置の運転又は停止の組み合わせ)に基づいて判断してもよい。
但し、例えば夏季においては、温熱と冷熱の同時供給時に、凝縮装置24で必要とされる冷媒の放熱量に対して、蒸発装置32で必要とされる冷媒の吸熱量が過大となることがある。このような場合、図2中の態様3bに示すように、制御装置18は、第1膨張装置26を無効状態とするとともに、第2膨張装置30を有効状態とする。これにより、図5に示すように冷媒は流れ、空気熱交換装置28は凝縮器として機能して、凝縮装置24において凝縮熱として放熱し切れない過剰な冷媒の熱を、空気熱交換装置28において凝縮熱として大気へ放出することができる。逆に、例えば冬季においては、温熱と冷熱の同時供給時に、凝縮装置24で必要とされる冷媒の放熱量に対して、蒸発装置32で必要とされる冷媒の吸熱量が過小となることがある。このような場合、図2中の態様3cに示すように、制御装置18は、第1膨張装置26を有効状態とするとともに、第2膨張装置30を無効状態とする。これにより、図6に示すように冷媒は流れ、空気熱交換装置28は蒸発器として機能して、蒸発装置32において蒸発熱として吸熱し切れずに不足する冷媒の熱を、空気熱交換装置28において蒸発熱として大気から吸収することができる。
以上のように、本実施例におけるヒートポンプ20は、空気熱交換装置28の上流側及び下流側に、第1膨張装置26と第2膨張装置30とがそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2膨張装置26、30の一方を選択的に無効状態とすることで、空気熱交換装置28を、冷凍サイクルにおける凝縮器としても蒸発器としても機能させることができる。従って、複数の空気熱交換装置28を必ずしも必要とすることなく、温熱と冷熱との同時供給、温熱のみの単独供給、及び冷熱のみの単独供給を、自由に実施することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、図7に示すように、ヒートポンプ120は、バイパス経路26b、30bを有する第1及び第2膨張装置26、30に代えて、膨張弁26a、30aの最大開度が十分に大きく、バイパス経路を有しない膨張装置126、130を用いることもできる。この場合、膨張装置126、130は、膨張弁26a、30aの開度を最大にすることによって、膨張弁としての機能を無効化することができる。また、前述したように、ヒートポンプ120は、凝縮装置24として、第1熱交換器24aと第2熱交換器24bを含む複数の熱交換器を備えてもよい。ここで、第1熱交換器24aと第2熱交換器24bは、冷媒の流れに対する上流/下流の位置関係を入れ替えてもよいし、互いに並列に接続されてもよい。同様に、蒸発装置32は、冷媒の流れに対して直列又は並列に接続された複数の熱交換器を備えてもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:熱供給システム
12:給湯装置
14:暖房装置
16:冷房装置
18:制御装置
19:リモコン
20、120:ヒートポンプ
22:圧縮装置
24:凝縮装置
26、30、126、130:膨張装置
26a、30b:膨張弁
26b、30b:バイパス経路
26c、30c:バイパス弁
28:空気熱交換装置
32:蒸発装置
52、54、56:温度センサ

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮手段と、
    前記圧縮手段の下流側に位置し、前記圧縮手段によって圧縮された冷媒と加熱装置に供給される温熱用熱媒との間で熱交換を行う凝縮手段と、
    前記凝縮手段の下流側に位置し、前記凝縮手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る第1膨張手段と、
    前記第1膨張手段の下流側に位置し、前記第1膨張手段を通過した冷媒と空気との間で熱交換を行う空気熱交換手段と、
    前記空気熱交換手段の下流側に位置し、前記空気熱交換手段を通過した冷媒を減圧する有効状態と実質的に減圧しない無効状態とを選択的に実現し得る第2膨張手段と、
    前記第2膨張手段の下流側かつ前記圧縮手段の上流側に位置し、前記第2膨張手段を通過した冷媒と冷却装置に供給される冷熱用熱媒との間で熱交換を行う蒸発手段と、
    を備えるヒートポンプ。
  2. 前記第1及び第2膨張手段のそれぞれは、膨張弁と、その膨張弁に並列に接続されたバイパス経路と、そのバイパス経路を開閉するバイパス弁とを有する、請求項1に記載のヒートポンプ。
  3. 前記凝縮手段は、少なくとも、第1熱交換手段と第2熱交換手段とを含み、
    前記第1熱交換手段は、給湯装置に供給される第1温熱用熱媒と前記冷媒との間で熱交換を行い、
    前記第2熱交換手段は、暖房装置に供給される第2温熱用熱媒と前記冷媒との間で熱交換を行う、請求項1又は2に記載のヒートポンプ。
  4. 前記第1及び第2膨張手段の動作を制御するコントローラをさらに備え、そのコントローラは、
    前記凝縮手段で必要とされる冷媒の放熱量に対して、前記蒸発手段で必要とされる冷媒の吸熱量が過大であるときは、前記第1膨張手段を無効状態とするとともに前記第2膨張手段を有効状態とし、
    前記凝縮手段で必要とされる冷媒の放熱量に対して、前記蒸発手段で必要とされる冷媒の吸熱量が過小であるときは、前記第1膨張手段を有効状態とするとともに前記第2膨張手段を無効状態とする、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のヒートポンプ。
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