JP2015151663A - 金属探知機で検知できる繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】突き刺しや断線による怪我を起こしやすく硬さの残る金属ワイヤコアヤーンの弱点を克服する糸が提供でき、食品製造工場における作業者の着衣や作業に必要不可欠な繊維製品の断片や破片の食品への混入を金属探知機で検知・発見し、食品ロスを最小限にとどめ、合理的で経済的な工場運営に貢献できる繊維製品を提供する。又、医療現場での手術後、患者の体内にガーゼといった繊維製品或いはその断片や破片の残留を確認するための弱X線照射に代わり金属探知機での確認が可能な繊維製品を提供する。【解決方法】厚み5〜15ミクロンの銅箔2枚とプラスティックフィルム1枚をサンドイッチ構造にした積層フィルムをスリットして、別の糸を芯にスリット銅箔を蛇腹状に巻き付けた糸(スリット銅箔蛇腹糸)を布地の一部として織込み、あるいは編込んだ布地を得て、該布地を少なくとも構成原料の一部とすると、検針機や金属探知機で破片、断片が検出できる繊維製品を提供できる。厚み4〜12ミクロンのプラスティックフィルム2枚、厚み5〜15ミクロンの銅箔1枚をサンドイッチ構造にした積層フィルムをスリット銅箔蛇腹糸としても同様である。【選択図】なし

Description

本発明は、近年異物混入などで社会問題になっている食品業界において、製造作業者の着衣、帽子、マスク、手袋といった繊維製品や、衛生管理や清掃のために使用する布巾、雑巾といった繊維製品がその断片或いは破片が少なくとも部分的にでも異物として製造中の食品に混入した場合、金属探知機で異物として検知し異物混入した食品を排除する、或いは医療現場での手術の際に使用したガーゼといった繊維製品の一部であっても、体内への残留を防ぐために行う術後の弱X線照射による残留物確認を必要とせず金属探知機で残留物検出ができる技術に関する。
薬品、毒物といった溶解しやすく目視や機械的な検知が難しいケースは除いて、食品への異物混入の一つのケースとして食品製造工程で働く作業員が身に着ける或いは使用する繊維製品の極一部が破片、断片という形で異物として食品に混入した場合、該食品を商品として市場に流通する前に検知し排除しなければ、同時に製造した全商品を廃棄する或いは出荷した商品を市場から回収しなければならないという問題がある。
医療現場では手術後の患者の体内にガーゼや術衣の一部の残留を確認するために、術後に弱X線を照射して繊維、繊維製品破片の有無を調べる。そのために金属ワイヤをコアヤーンにして繊維製品の構成原料の一部として使用している。
繊維製品は織物、或いは編物或いは不織布であれ1種類或いは複数のファイバーや糸や布地から構成されているが、柔らかさ、しなやかさ、肌触り、着色性、挙動の良さ、裁断や縫製の簡易さ、より軽量である事、合理的なコストである事などを求められ、基本的に金属を原料とする糸を原料素材として使用することは望まれない。しかし装飾性という機能も含め繊維製品の抗菌性、帯電防止といった機能を付加するために、金属蒸着を施したフィルムをスリットした糸を原料の一部として使用する場合もある。(特許文献1)
しかし柔らかさや肌触りといった要件を満たす繊維製品を作り上げるために使用する金属蒸着フィルムスリット糸は、蒸着する金属の膜厚は出来うる限り薄く、また場合によってはスリット幅を出来るだけ細く仕上げられていて、該スリット糸を原料の一部とする繊維製品は検針器や金属探知機では検知が難しいか、検知されない場合がある。
又、真空蒸着やイオン蒸着という手法で得られる金属蒸着フィルムの金属膜厚は厚くても100nm以下でないと技術的にもコスト的にも合理性がないし、最大膜厚である金属蒸着フィルムを2枚、金属面を内側にラミネートしてスリットした糸でも検針機や金属探知機では検知が難しい。
医療現場において使用される繊維製品の一部の体内残留を検知するために金属繊維が繊維原料の一部として使用されているが、検知のために照射する弱X線であっても患者の被ばくを出来るだけ避けるべきであり、ステンレスや鉄といった金属ワイヤを芯に鞘を繊維ファイバーで覆った糸である金属糸コアヤーンを構成原料の一部に有するガーゼや手術着といった繊維製品では断線した際の先端による怪我などの危険性もあり、又放射線被ばくを避ける必要性からも代替できるものが望まれている。
金属探知機による検知が最も容易な金属は銀であり、その次に銅が挙げられる。ステンレス、鉄といった金属の順位はかなり下位に位置付けられる。
現状では医療現場の手術時には体液や出血を拭うため主素材がセルロース系短繊維である綿糸で織られたガーゼが使用されているが、サイズの大小はあってもそのガーゼには鉄線やステンレス線が芯構造で綿が鞘構造をもつコアヤーンが少なくても1本織込まれていて、術後に弱X線照射により体内に取り残されていないかを確認する作業が行われ、患者がX線被ばくする。
特許文献1に記載の銀、銅、亜鉛或いはそれらの合金といった抗微生物機能を有する金属を真空蒸着法乃至は周知のイオン蒸着法によってプラスティックフィルム上に薄い皮膜を設け、同じ金属を皮膜として有するかは別にして、更に別のプラスティックフィルム或いは合成樹脂コーティングにより金属面を保護しスリットされた糸を繊維製品の構成原料の少なくとも一部として有する布地や該布地を、構成原料の少なくとも一部として有する繊維製品は、検針器や金属探知機では検知されない。
食品製造業、特に加工食品製造業界では目視出来ない薬品、毒物といった異物混入の問題解決はもとより、作業者の着用する衣服や帽子、マスク、手袋といった繊維製品の断片が混入され、それらの異物混入を検知し該商品の排除することに苦慮している。
作業者の衣服や帽子、手袋といった繊維製品は原料糸からのファイバー抜け落ちによる食品への混入を防ぐため主にポリエステル長繊維からなる布地を主原料に、手袋ではゴム、合成樹脂を主原料する場合が多いが、合成樹脂からなるそれらの製品は静電気帯電や通気性が無いといった問題もあり、綿を代表とするセルロース系繊維製の物もおおいに使用されている。
合成繊維長繊維の繊維製品でも、セルロース系短繊維による繊維製品でも何らかの物理的刺激で断片や繊維の破片、ファイバーのちぎれによる風綿が生じる場合があるし、衛生管理や清掃に用いられる布巾や雑巾、モップなどではセルロース系の綿が殆どである。
綿製の布巾や雑巾からは当然構成原料としての綿のファイバーが風やこすれといった刺激や洗濯後の再使用による繊維のやつれなどが理由で食品への混入や体内への残留が考えられるが、合成繊維の切れたファイバーセルロースファイバーは食べても消化される乃至は排泄されるし毒性がない。又、体内への残留も殺菌消毒されていれば問題は起こらない。
本発明の目的とする技術は、食品の製造工程で起こる異物混入による食品のロスを防ぎ、機械の長時間停止を避けるといった合理的生産効率を目指すために食品製造工程が抱える問題の解決や医療現場における手術の改善や患者の負担を軽減することを目的としたものである。
特許文献1に記載されている、金属皮膜を持つプラスティックの積層フィルムをスリットして得られた糸(偏平糸であり断面が長方形で角張っている事を特徴とする。)が構成原料の一部として用いられている繊維製品がもし検針機や金属探知機によって検知されると、最終的に縫い針などが混入している商品と同様に警報音がなり或いはライトが点滅し作業が中断される。作業効率・生産効率の観点からみても繊維製品製造が不可能となることから、該スリット糸が検針機や金属探知機で検知できないことは明らかである。
特許第4175486号
鉄、ステンレスや、例え銀や銅のような柔い金属であっても金属ワイヤが芯の金属コアヤーンを構成原料の一部とした布地や該布地からなる繊維製品は、もし検針機や金属探知機で検知できても、金属ワイヤの特性である硬さにより繊維製品を構成する布地に求められる挙動のしなやかさ、柔らかさ、繊維本来の吸水性に劣るだけでなく、出来るだけ細いワイヤであるべき必要から金属断線が起こりやすく、その先端による突き刺しや傷を負わせるといった欠点があり、代替できる糸や布地や繊維製品が求められている。
医療現場で、特に手術の際に使用される繊維製品は破片、断片の体内への残留を確認するため照射される弱X線の被ばくを避ける方法を課題としている。
課題を解決する手段
金属探知機が容易に検知できる金属の順位は銀、銅の順であり鉄や鉄・ニッケル・クロムの合金であるステンレスは下位に位置づけられている。
銀が最も容易に検知されやすい金属であっても、貴金属の一部でありコストから実用されるのはプラスティックフィルム上に極薄い皮膜を形成し、該皮膜を別のフィルムや合成樹脂コーティングで保護し、スリットして得られた糸として使用され得ることが殆どであり、検針機や金属探知機では蒸着された銀皮膜を一部の構成材料にした糸からなる布地や繊維製品は金属検知が出来ないが、銅、銀、金といった第11族金属は延性や展性に富み、所謂金属箔化を容易になすことが出来る。又これらの金属は他の金属に比べ柔らかく粘性にも富む。
金や銀にはやや劣るも、銅の持つ展性、延性を活かして5〜15ミクロン前後の銅箔をスリットし、天然繊維、合成繊維或いは短繊維、長繊維或いはその混合繊維を問わずそれらが原料である糸を芯にして、スリットした銅箔をテープ状に巻き付けた糸は、その糸の断面もほぼ丸く、その糸からなる布地で衣服を製造しても着心地がよく肌への刺激も少なく布地の一部として用いる事が可能であり容易である。
但し、粘性に富む銅箔でも5〜15ミクロンと薄い箔のみを単体でスリットすることは非常に困難であり、4〜12ミクロンのプラスティックフィルムとラミネートしなければ、スリット糸として織物・編物或いは不織布といった布地の原料糸とはならない。
更に、銅箔1枚とプラスティックフィルム1枚のラミネートでは、工程中の熱やテンションによる伸度、収縮度の違いからカールを起こすので、もう1枚の同じ厚みの銅箔とプラスティックフィルムをラミネートし、その後にスリット工程に移行しなければ銅箔スリット糸は得られない。
和服用に旧来から装飾として用いられている純金糸や純銀糸は純金箔や純銀泊を細切りして糸に隙間なくテープ状に巻き付けられて、所謂丸撚り糸として使用されてきた。金属蒸着スリット糸でも純銀糸、純金糸として同様の構造の糸が用いられているが、これらの糸は芯糸が見えないように巻き付けられている。本発明による銅箔をスリットして糸に芯に巻き付ける場合には、芯糸を出来るだけ露出させるようテープ状に巻き付けられることが好ましくこれを特徴とする。
スリットした銅箔を巻き付けた所謂丸撚り糸の一種である蛇腹糸は、芯糸が出来る限り露出されるよう製造される事が好ましく、そうすることでスリットされた銅箔がもたらす金属としての硬さを和らげ、銅箔による蛇腹糸を構成原料の一部とする布地やその布地からなる繊維製品の柔らかさ、しなやかさ、風合いや地合いの良さといった繊維本来求められる物性を実現し、布地や繊維製品の各種挙動への追随性を大いに増すことができる。
それのみではなく、検知器や金属探知機での検知が可能でありながらより細い糸の製造が可能になり、更に糸コストの低下にも繋がる。又、芯になる糸がセルロース系繊維である綿、レーヨン、テンセルであれば吸水性という利点を増すことが出来る。
勿論、請求項2に記載のプラスティックフィルム2枚で銅箔1枚をサンドイッチ構造にした積層フィルムをスリットして得た糸で、請求項1に記載のように繊維製品を得ても、本明細書に記載の目的を果たすことが出来る。
勿論、請求項2に記載のフィルム/銅箔/フィルムという基本構成の積層フィルムをスリットして得た糸の場合、金属探知機の探知レベルが低くされることを要求される場合は銅箔の厚みを変化させることで対応できる。
請求項1に記載の繊維製品と請求項2に記載の繊維製品の違いは、構成原料の一部である銅箔の特性である抗菌性の有無と導電性の有無であり、片や銅箔2枚、片や銅箔1枚という相違と銅箔が露出されているか無いかの相違はある。前者は抗菌性・導電性両方の機能を持ち、後者は何れも持たない。スリット断面からしか露出しない銅箔から出る銅イオンの量では抗菌性には足りない。静電気除電機能は両者とも持つがこの機能は前者の方が優れている。但し、コストの面では後者がより経済的あり優れる。
発明の効果
本発明による、スリットした銅箔を芯糸にテープ状に巻き付け、出来るだけ芯糸が露出できるようにスリット銅箔どうしの間隔を広く保った糸は、金属を構成原料の一部としていながら、糸の柔軟性、強度を有し、該糸を構成原料の一部とする布地となる。更に該布地からなる繊維製品も、繊維製品が本来求められる柔軟性、挙動への追随性、肌触りの良さ、裁断縫製の簡易さなどを有しながら、少なくともその破片、断片が食品に混入した場合でも、製造工程の一部に設けられた金属探知機により当該食品を発見し抜き取り排除でき、コストの合理化、製造ラインの合理的稼働に貢献できる。
本発明によるスリット銅箔を巻き付けた糸を少なくとも構成原料の一部として製造された布地、該布地を構成原料の一部とする繊維製品は銅をその原料の一部とすることで抗菌防臭性や帯電防止性も併せ持つことができる。
手術現場で使用される綿ガーゼといった繊維製品、或いは繊維製品の破片や断片が術後体内に残留しているかの確認のための弱X線照射に代わり金属探知機による確認が可能になり、患者の被ばくを防ぐことが出来る。又金属ワイヤのコアヤーンのように断線による突き刺しやケガも防ぐことが出来る。
ここで、請求項1に記載の発明を実施するための形態を詳しく述べる。
厚み5〜15ミクロン前後の銅箔2枚で厚さ4〜12ミクロンの1枚のプラスティックフィルムをラミネートし、該フィルムをサンドイッチ構造に持つ積層フィルムをスリットして、出来るだけ芯糸を露出できるように別の糸に巻き付け糸を巻き取る。これを仮にスリット銅箔蛇腹糸と呼ぶ。なお、スリット幅は出来るだけ狭くすることが望ましいが、スリット刃の耐久性を考えロールカッターの刃数を抑えて0.4mm以下とすることを特徴とする。
プラスティックフィルムはポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系など周知のフィルムから選別すれば良いが、耐久性、伸度や強度、汎用性、コストなどの調達容易性からポリエステル系が最も望ましい。又、接着剤はポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系など周知のものから選別できる。
芯糸の太さは出来るだけ細い方が望ましいが、長繊維糸なら150デニール以下、短繊維糸なら綿番手40番以下が望ましい。繊維は天然繊維、合成繊維、化学繊維を問わず使用できる。又芯糸は布地を構成する主原料の糸と出来るだけ同じであることが好ましい。
スリット銅箔蛇腹糸におけるスリット銅箔の間隔は出来るだけ広い方が望ましい。500回/mの撚り回数以下の撚りが好ましく、又これを特徴とする。
このようにして得たスリット銅箔蛇腹糸をその間隔を2〜10mmにして、主となる原料糸と共に布地を得る。織物である場合、スリット銅箔蛇腹糸は経糸・緯糸の何れかで足りる。
当該布地を精錬、漂泊して、必要なら減量加工や染色工程を経て、その後裁断、縫製して繊維製品を得る。
この場合留意することは、食品製造工場や医療現場で使用される繊維製品の主素材が天然繊維、化学繊維、合成繊維を問わず短繊維である場合、混入が許容される繊維のファイバー長である。
例えば食品製造工場で使用される機械清掃用の布巾は吸水性も求められるので、主素材に綿などのセルロース系短繊維が選ばれる。該布巾が例えば機械に触れ破片が食品に混入したりすると、セルロース系繊維のファイバーのみなら消費者の目視による発見もなければ、そのファイバーを食しても何らの問題も引き起こさないので、スリット銅箔蛇腹糸の間隔は短繊維ファイバー長を考慮して決定することが出来る。
一般的に食品に混入して問題とならない繊維ファイバーの長さは「綿(わた)」と呼ばれる長さであり、長くても10mm以下、それ以上になると「糸」と呼ばれてしまい異物として認識される。短繊維ファイバーは紡績機に掛けられ糸を製造する場合、当初は38mm以上とされるが、ファイバー一本は非常に細いので繊維のやつれ、風や摩擦といった刺激で切れ、「綿」と呼ばれるサイズになり、抜け落ちて食品に混入するケースが生まれる。
この事からスリット銅箔蛇腹糸の間隔は10mm以下を心がけなければならない。布巾或いは雑巾の原料となる布地はスリット銅箔蛇腹糸の間隔が10mm以下であることを特徴とする。スリット銅箔蛇腹糸の強度は非常に強いので繊維ファイバーのみが切れて混入されるし、これさえも切れて該糸が含まれる破片や断片が食品に混入した時には本発明の効果が現れる。
医療現場で使用される綿ガーゼの場合は、サイズはまちまちでも必要なサイズのガーゼに少なくとも1本のスリット銅箔蛇腹糸が含まれていれば十分な事が考えられるが、本発明による繊維製品では金属探知機の性能に合せた当該糸の間隔を決められればいい。
請求項2に記載の発明に付いては、スリット銅箔蛇腹糸の原料である積層フィルムのサンドイッチ構造をなすプラスティックフィルムと銅箔を請求項1と逆転させたものであり、本発明に記載の課題解決手段や主な製造方法、目的を同じくするため、発明を実施する形態を詳述することを省略する。
ただ、請求項1に記載の繊維製品と請求項2に記載の繊維製品にある相違は念のため次の通りである。
<請求項1>
1. 銅箔が露出しているため、水分に触れると銅イオンを溶出し抗菌性を有する。
2. 銅箔が切断されない限り導電性を有し、且つ静電気除電機能に優れる。
3. 時間経過後に緑青を形成し、無害ではあるが緑青の色がやや目立つ。
4. 銅箔が2枚になる事で、検知器の検知レベルが低くても作動する。
<請求項2>
1. 銅箔の露出がスリット断面と端面のみで、溶出する銅イオンが少ないため抗菌性 は期待できない。
2. スリットされた糸がプラスティックフィルムにカバーされているため、導電性が ない。静電気除電機能はあるが請求項1に記載の繊維製品には劣る。
3. 時間経過後に無害な緑青が形成されるが、緑青の色は請求項1に比べ少ない。
4. プラスティック2枚、銅箔1枚という構成から、請求項1より柔らかく、コスト が安い。
請求項1に記載の発明を更に詳述するため実施例を挙げる。
厚み9ミクロン、幅63cmであり、純度99%の銅箔2枚と同じ幅より少し広い幅の12ミクロンのポリエステルフィルムとポリエステル系接着剤を使用して接着剤をグラビアコーティングし周知の方法でラミネートし銅箔/ポリエステルフィルム/銅箔というサンドイッチ構造の積層フィルムを得た。該積層フィルムを粗断ちした後ロールカッタースリット機に掛け、80切にして0.375mmのスリット銅箔を得た。
75dのレーヨン長繊維を芯糸にして、丸撚り機で400回/mの撚り回数でスリット銅箔蛇腹糸を得た。この時スリット銅箔の間隔は0.25mm程度で芯糸のレーヨンが目視出来た。
タオル織機で経糸綿20/1、緯糸綿20/1、1インチ四方の糸総本数120本の設計のワッフル模様のドビー織布地に緯糸の一部として10mm間隔でスリット銅箔蛇腹糸を織込み、その後精錬、漂白工程を経て、幅38cmの白い布巾用の布地を得た。
該布地を裁断して、上下・左右にヘム縫製して布巾を得た。該布巾のサイズは幅約34cm、長さ約35cm、スリット銅箔蛇腹糸の間隔は少し縦に縮んで10mm弱であった。その後該布巾を金属探知機に掛けたところ、警報音がなり当該布巾が検知できた。
一般的に繊維縫製品を製造する場合、縫製ミシンの縫い針が折れた時には作業を中断しても折れた縫い針を探し出し、その後作業を再開する。更に商品として包装した後にも検針機を通して縫い針を含む金属片が商品に混入していないかを確認し、検知できた商品の更なるチェックを行うが、本発明による繊維製品は一般消費者向けではなく食品工場や医療現場の課題解決に役立つ業務用商品であるため、繊維製品が金属探知機で検知出来る事が優先され、例え縫製ミシンの折れた縫い針が混入していても許容され得る。
通常、縫製繊維製品の出荷時には検針機に掛けられ、縫い針を含む金属片の混入が厳しくチェックされるが、一般的に金属探知機の方が検針機より検知能力が高いため、布巾の縫製現場で検知された布巾は金属探知機でも検知が可能である。
請求項2に付いては、発明の課題解決手段や主な製造方法、目的を同じくするため、実施例を省略する。
本発明による技術は、食品製造工場に於ける作業員の着衣や作業に使用する各種繊維製品の破片や断片が食品に混入した場合でも、商品ロスを最小限に抑えるとともに合理的且つ経済的に工場を運営する事に貢献できる。
又医療現場である手術の際に使用したガーゼや医師や患者の着衣からの繊維断片や破片の術後確認が弱X線ではなく金属探知機で可能になり、患者の被ばくを防げる。
更に本発明による繊維製品は現状使用されている金属ワイヤによるコアヤーンを含む繊維製品に代替でき、断線による事故や突き刺しも防げるし、スリット銅箔蛇腹糸と同じ量の金属ワイヤによるコアヤーンを含む繊維製品に比べ低コストで提供できる。

Claims (2)

  1. 厚み5〜15ミクロンの銅箔2枚で厚み4〜12ミクロンのプラスティックフィルム1枚を挟み込んだサンドイッチ構造の積層フィルムをスリットした糸を得て、別の糸を芯に該スリット糸をテープ状に巻き付けた断面のほぼ丸い糸を構成原料の一部として編込む或いは織込み得た布を構成原料の少なくとも一部とする、検針器乃至は金属探知機で検知できる繊維製品。
  2. 厚み4〜12ミクロンのプラスティックフィルム2枚で厚み5〜15ミクロンの銅箔1枚を挟み込んだサンドイッチ構造の積層フィルムをスリットした糸を得て、請求項1に記載の布を構成原料の少なくとも一部とする検針機乃至は金属探知機で検知できる繊維製品。
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