JP2015151120A - 進行波伝達機構、移動装置及び搬送装置 - Google Patents

進行波伝達機構、移動装置及び搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】進行方向に対する進行波の向きを容易に変更することが可能な進行波伝達機構、及びこれを用いた移動装置及び搬送装置を提供する。
【解決手段】 駆動機構の動作により変形する進行波発生部材と対向する推進部材に、前記進行波発生部材の変形により生じる進行波を伝達する進行波伝達機構であって、前記推進部材を前記進行波発生部材側に吸引する吸引手段と、前記進行波発生部材と推進部材との間に設けられ、前記進行波発生部材と前記推進部材との摩擦を低減する摩擦低減層とを備えるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、進行波伝達機構を用いた移動装置及び搬送装置に関する。
従来、ロボットを移動させるための移動機構の一つに、カタツムリなどの腹足運動を規範とした腹足移動機構が知られている。カタツムリは、進行方向に向けて進行する波(以下進行波という)を腹足に発生させ、進行波を接地面に伝達することで推進力を得ている。このような進行波を利用した移動装置には、例えば特許文献1で開示されているものが知られている。
特許文献1では、外周に螺旋状の軌道が形成された円柱状のシャフトの外周面に、シャフトの軸線方向に沿って延在させた平板状の薄板を接触させ、軌道と接触した薄板に凹部を形成させることで波の要素を生成するとともに、シャフトを回転させることで波の要素を軸線方向に移動させることにより、進行方向に沿って進行する進行波を生成し、薄板に設けた摩擦材を介して進行波を接地面に伝達することで接地面上の移動を可能にする進行波生成装置及び壁面移動システムが開示されている。
特開2013−159243号公報
しかしながら、特許文献1の進行波生成装置は、簡単な構成で進行波の生成を可能にしているものの、進行方向に対する進行波の向きを容易に変更することができないという問題がある。接地面と接する摩擦材には、推進力を得るための摩擦が必要とされるが、進行波の向きを変更するためには、摩擦材を接地面に対して擦りつけるように向きを変更しなければならないという問題がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するため、進行方向に対する進行波の向きを容易に変更することが可能な進行波伝達機構、及びこれを用いた移動装置及び搬送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための進行波伝達機構の構成として、駆動機構の動作により変形する進行波発生部材と対向する推進部材に、進行波発生部材の変形により生じる進行波を伝達する進行波伝達機構であって、推進部材を進行波発生部材側に吸引する吸引手段と、進行波発生部材と推進部材との間に設けられ、進行波発生部材と推進部材との摩擦を低減する摩擦低減層とを備えたので、進行方向に対する進行波の向きを円滑に変更することが可能となる。
また、進行波伝達機構の他の構成として、吸引手段が進行波発生部材に設けられた磁石と、推進部材に設けられた磁性体により構成されたので、進行波発生部材で発生した進行波を確実に推進部材に伝達することができる。
また、進行波伝達機構の他の構成として、摩擦低減層が進行波発生部材又は推進部材、あるいは進行波発生部材及び推進部材に設けられた摩擦低減材により構成されたので、進行波発生部材と推進部材との間に生じる摩擦を確実に低減できる。
また、上記いずれか記載の進行波伝達機構を備えた移動装置の構成として、進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行方向変更機構を備え、推進部材を接地面として移動するので、推進部材に進行波を伝達しながら、推進部材に対する進行波発生部材の向きを変更できるため、移動装置を自由に移動させることができる。
また、上記移動装置の他の構成として、軸周りに回転し、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、進行波発生機構を推進部材に対して回転させる進行方向変更機構と、を備え、推進部材を接地面として移動するので、進行波発生機構を簡単に構成できるとともに、接地面として設けられた推進部材に進行波を伝達しながら推進部材に対する進行波発生部材の向きを容易に変更できるため、移動装置を自由に移動させることができる。
また、上記いずれか記載の進行波伝達機構を備えた搬送装置の構成として、進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行波変更機構を備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させる構成としたので、搬送面として設けられた推進部材に生じた進行波を被搬送物に伝達しながら、推進部材に対する進行波発生部材の向きを変更できるため、進行波の進行方向に沿って自由に被搬送物を搬送できる。
また、搬送装置の他の構成として、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、進行波発生機構を推進部材に対して回転させる進行方向変更機構とを備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させるので、簡単な構成で被搬送物を搬送する進行波を発生できるとともに、搬送面として設けられた推進部材に進行波を伝達しながら推進部材に対する進行波発生部材の向きを容易に変更できるため、進行波の進行する方向を変更して被搬送物の搬送方向を自由に変更することができる。
移動装置の全体図である。 移動装置の分解斜視図である。 推進部材の断面図及び磁性体の配置を示す透視図である。 機構取付枠の分解斜視図である。 波発生機構を示す図である。 波打消し機構を示す図である。 駆動機構取付基板及び駆動機構を示す図である。 移動装置の移動動作を示す図である。 移動装置の方向転換動作を示す図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1及び図2は、本発明に係る進行波伝達機構を備えた移動装置1の一実施形態を示す全体図及び分解斜視図である。なお、説明の便宜上として、移動装置1が移動する床面側を下、床面から離間する方向を上として説明する。以下、図1を用いて移動装置1について説明する。
移動装置1は、図1及び図2に示すように、外形が円盤状に形成され、ベース部2と、ベース部2内に収容される移動機構部3とで構成される。
ベース部2は、ベース枠4と、推進部材5と、摩擦低減シート6とを備える。
ベース枠4は、床面と対向し、床面と直接対向する接地枠11と、接地枠11の外周に沿って立設された外周枠12と、移動機構部3を回転させるためのラック13と、移動機構部3を支持するための支持具14とを備える。
接地枠11は、下面11aが平面状に形成され、上面が半径方向に高さの異なる階段状の平板円環状に形成される。
上面には、円周方向に沿って均一な厚さで内周側に形成された内側面15と外周側に形成された外側面16とを備える。内側面15は、外側面16の厚さに比べて薄く形成される。外側面16は、内側面15の外周に沿って、垂直に立ち上がる環状の段差面17により内側面15と連続する。段差面17は、後述の推進部材5を内側面15上に配置したときに推進部材5を収容可能なように、高さが推進部材5の厚さと同じか、それよりもやや低く設定される。この内側面15及び段差面17とで形成される領域は、推進部材5を収容するための推進部材収容部を形成する。
外周枠12は、移動機構部3を収容可能なように、接地枠11の外周に沿って均一の高さで垂直に立ち上がる円筒状の枠体である。外周枠12の上側の内周には、ベース部2に対する移動機構部3の回転を可能にするラック13が設けられる。
ラック13は、ラック歯が中心方向を向く内歯歯車として構成され、例えば、移動機構部3から出力された回転駆動力が伝達可能なように、上端側から所定距離離間した位置にネジ止めなどの固定手段により固着される。
外周枠12の外周には、ベース部2に対して移動機構部3を支持するための支持具が取り付けられる。
支持具14は、例えば、L字状に延長する平板部材であって、一方の片を外周枠12の軸線方向に向け、他方の片が上下方向に延長するように外周枠12の外周に沿って均等な間隔で複数設けられる。
なお、接地枠11及び外周枠12は、例えば、樹脂などで構成される。この接地枠11及び外周枠12は、一体に形成しても、別々に形成した後に図外の固定手段により一体にするようにしても良い。
図3(a),(b)は、推進部材5の断面図及び磁性体23の配置を示す透視図である。
推進部材5は、床面側に位置する床面側シート21と、機構側に位置する機構側シート22と、移動機構部3で発生させた進行波が伝達される磁性体23とを備える。
床面側シート21及び機構側シート22は、接地枠11の推進部材収容部に収容可能なように、段差面17の内周に沿う円形状に形成される。床面側シート21及び機構側シート22は、例えば、可撓性を有する同一の素材、例えば、シリコンゴムなどのゴムシートが挙げられる。ゴムシートは、表面における摩擦係数が大きいため、床面との間に好適な摩擦力が得られる。
なお、床面側シート21と機構側シート22とを同一の素材で構成するとして説明したが、床面側シート21と機構側シート22とで異なる素材を用いても良い。この場合、上述のように床面側シート21には、推進力を効率よく得るために、床面との間に所定の摩擦力が得られるような摩擦が必要となる。一方機構側シート22には、床面側シート21のような摩擦力が不要であるので、床面側シート21よりも摩擦係数の小さい素材を用いるようにしても良い。機構側シート22には、少なくとも床面側シート21の変形に追従可能な素材を用いることが好ましい。
磁性体23は、磁力により吸着可能な、例えば磁性を有する金属からなる球体で構成される。球体の大きさは、床面側シート21及び機構側シート22の変形を妨げない大きさ、例えば、後述のシャフト40の外周に形成された条溝44の幅よりも小さいものを用いると良い。なお、磁性体23の形状は、球体に限定されず、柱体や粉末など、磁力により吸着可能かつ床面側シート21及び機構側シート22の変形を妨げないものであれば良い。
磁性体23は、図3(b)に示すように、推進部材5を上述の推進部材収容部に収容したときに、接地枠11の内側面21に含まれないように、且つ接地枠11の内周縁11cよりも内側に位置するように、床面側シート21及び機構側シート22との間に挟むようにする。なお、図3(b)では、磁性体23を規則的に配置して示しているが、不規則であっても良い。
摩擦低減シート6は、図1に示すように、床面側シート21及び機構側シート22よりも薄いシート状に形成されたテフロン(登録商標)からなるシートなどの低摩擦素材で構成される。摩擦低減シート6は、外周枠12の内周側に収容可能、かつ推進部材5の大きさよりも大きな円形状に形成される。この摩擦低減シート6は、機構側シート22の上に配置され、この摩擦低減シート6の上に、移動機構部3が接地した状態でベース部2内に収容される。
つまり、摩擦低減シート6は、ベース部2に載置された移動機構部3をベース部2に対して回転させるときの摩擦を低減するための摩擦低減層を構成し、ベース部2に対する移動機構部3の回転を円滑にする。
なお、上述の推進部材5の機構側シート22を摩擦低減シート6に相当する摩擦の低減性能を有する低摩擦素材で構成した場合には、摩擦低減シート6を設けずに低摩擦素材で構成した機構側シート22を摩擦低減シート6に代わる摩擦低減層としても良い。
移動機構部3は、図2に示したように、機構取付枠25と、波発生機構26と、波打消し機構27と、駆動機構取付基板28と、駆動機構29とを備える。
図4は、機構取付枠25の分解斜視図である。
機構取付枠25は、ベース部2の外周枠12の内周に沿うように外形が円形状に構成された枠体であって、下面が平面状に形成される。
機構取付枠25は、一対の基板取付枠31と、一対のシャフト支持枠32とで構成される。
基板取付枠31は、機構取付枠25において互いに対向するように設けられる。
基板取付枠31は、上下方向に延長する一対の取付支柱34;34と、取付支柱34;34間を接続する接続壁35とを備える。取付支柱34;34は、互いに所定距離離間して設けられ、上端面31a及び下端面が互いに平行な平面に形成される。上端面31aには、取付支柱34;34の軸線方向に沿って延長する取付孔36が形成される。
接続壁35は、取付支柱34;34と一体に形成され、取付支柱34;34の上側において取付支柱34;34間に開口部を形成するように、取付支柱34;34の高さよりも低い高さで取付支柱34;34間に延長する。一対の取付支柱34と、接続壁35とで構成される基板取付枠31は、外周側が外周枠12の内周に沿うように円弧状に形成される。
シャフト支持枠32は、互いに対向する一対の取付支柱34;34の端部同士を架橋するようにそれぞれ取り付けられる。シャフト支持枠32;32は、基板取付枠31;31に取り付けられた状態において、基板取付枠31の上端面31aと面一となるように形成される。シャフト支持枠32は、後述の一対のシャフト40;40を支持するための一対の軸受部38;38を備える。軸受部38;38は、シャフト支持枠32;32を基板取付枠31;31に取り付けたときに、互いに対向する基板取付枠31;31方向に所定距離離間するようにそれぞれ形成される。この軸受部38;38には、転がり軸受けなどの軸受が設けられる。すなわち、軸受部38;38は、シャフト支持枠32;32が機構取付枠25を構成したときに、互いに対向して設けられたシャフト支持枠32;32の互いに対向する軸受部38;38が同軸上に位置するように、シャフト支持枠32;32に形成される。
シャフト支持枠32の下端には、直交方向に折り曲げられた折曲片39が形成される。折曲片39は、折曲片39の外縁39aが基板取付枠31の外周と連続するように円弧状に形成され、下面が基板取付枠31の下端面と同一平面上に位置するように延長する。
このシャフト支持枠32;32における折曲片39;39の下面、基板取付枠31;31における取付支柱34;34の下面及び接続壁35の下面には、波発生機構26を構成する波発生板41を取り付けるための図外の取付孔が機構取付枠25の円周方向に沿って複数設けられる。
図5(a),(b)は、波発生機構26の平面図及び側面図、図5(c)は、シャフト40におけるK−K断面図である。
波発生機構26は、進行波発生部材として機能する波発生板41と、進行波を発生させるための駆動機構の一部を構成する一対のシャフト40;40とを備える。
波発生板41は、外周が機構取付枠25の外周に沿うように、円形に形成された薄肉の平板円板部材で構成される。この波発生板41は、弾性変形を許容する例えばバネ鋼を素材として薄肉板状に成形したものであって、中心から一端面側に膨出する膨出面41aを有するように、半径方向の断面において緩やかな弓なりに形成される。波発生板41は、膨出面41aを機構取付枠25内に向けて、機構取付枠25の下面に図外のねじなどの固定手段により固定される。
波発生板41は、膨出面側に複数の磁石48を備える。磁石48は、波発生板41を機構取付枠25に取り付けたときに、波発生機構26を構成する一対のシャフト40;40と接触しない位置に、シャフト40;40の軸線方向に沿って、シャフト40;40と並進するように配置される。なお、磁石48は、各並びの列において、波発生板41の変形を妨げないように所定の間隔で配置される。
シャフト40は、円筒状の軸体であって、波発生部42と、軸部43A,43Bとを備える。波発生部42は、軸線方向に沿って外径が一定の円筒状の軸体であって、外周に螺旋状の条溝44を備える。条溝44は、図5(c)のK−K断面図に示すように、当該条溝44の延長方向と直交する断面において、溝幅W、溝深さHの半円状の断面を有するように構成される。なお、溝幅Wは溝縁44a間の最短距離をいい、溝深さHは、シャフト40の外周面40aから最深の溝底44bまでの高さをいう。この溝幅W、溝深さHについては、例えば、溝幅Wが、シャフト40の直径Dの43%から55%、より好ましくは50%〜55%程度で設定すると良く、溝深さHが、シャフト40の直径Dの22%〜40%、より好ましくは35%〜40%に設定すると良い。条溝44は、波発生部42の外周において、例えば、一周分の螺旋状に形成される。一周分の螺旋とは、条溝44が波発生部42の一端側を始点Aとし、外周を一周したときに、波発生部42の他端側に到達して、始点Aと周方向の同一位置(終点B)となることをいう。なお、条溝44は、一周分の螺旋に限定されず、複数周分の螺旋により形成しても良い。
軸部43A,43Bは、波発生部42の両端にそれぞれ設けられた円筒状の軸体であって、波発生部42と同軸に延長する。軸部43A,43Bの外周は、軸受部38;38に挿通可能な外径を有する。一方の軸部43Aは、他方の軸部43Bよりも長く形成され、先端側の外周には、プーリ60(図7参照)を取り付けるための図外のキー溝などの位置決め手段が設けられる。
シャフト40は、互いに対向するシャフト支持枠32の軸受部38に軸部43A,43Bをそれぞれ挿通して回転可能に支持される。軸部43A,43Bがシャフト支持枠32の軸受部38に支持されたシャフト40は、軸線が互いに平行かつ、機構取付枠25の底面に対して平行となり、波発生部42の外周が波発生板41の膨出面41aを下向きに付勢する。この付勢により、波発生部42は条溝44に沿って変形する。
上述の位置決め手段を、例えば軸部43Aを有する波発生部42の端部に条溝44が露出する位置に対応するように設けておくことで、互いに平行に配置されるシャフト40;40の条溝44の位置を同期して回転させるときの、シャフト40;40の回転開始位置を一致させるための位置合わせが容易になる。
図6は、波打消し機構27を示す図である。
波打消し機構27は、シャフト40の両端側に位置するように、互いに対向するようにシャフト支持枠32;32に沿って設けられる。
波打消し機構27は、スライダ50と、ガイド枠51と、スプリング52とを備える。
スライダ50は、並設された一対の波打消し部材80を備える。波打消し部材80は、上下方向に延長する一対の柱部81,81と、柱部81,81の上端間を連結する天板82とで構成される。柱部81,81の下端には、互いに対向するように水平に延長する平板状の波抑え板83を備える。波打消し部材80同士は、隣接する柱部81の下端が連結板84により連結される。各柱部81の外側の側部にはそれぞれ、上下方向に延びる縦溝が設けられる。
ガイド枠51は、上下方向に延長し、取付支柱34に固定される一対の固定壁86と、固定壁86の上端間を連結する天板87と、天板87の延長方向の中途部において、連結板84に向けて延長するガイド壁88とを備える。ガイド壁88の側部、及び固定壁86の側部には、上述の柱部81に設けられた縦溝に対応するように、上下方向に延長するリブが設けられている。リブは、柱部81の縦溝に沿って移動可能に嵌合し、ガイド枠51に対するスライダ50の上下方向の移動を可能にする。
スプリング52は、スライダ50の天板82と、ガイド枠51の天板87との間に介在するように設けられ、スライダ50を下向きに付勢するよう設けられる。
この波打消し機構27は、一対のシャフト40;40を上側から跨ぐように機構取付枠25に設けられ、機構取付枠25の下端に固定された波発生板41の膨出面41aにスライダ50の下端が当接する。
図7(a),(b)は、駆動機構取付基板28及び駆動機構29を示す図である。
駆動機構取付基板28は、外周枠12の内周側に収容可能な寸法で形成された円板状部材であって、駆動機構29を取り付けるための基礎部材である。駆動機構取付基板28には、直線状に切りかかれた切欠部28Bが形成される。切欠部28Bは、駆動機構取付基板28の円形外周の弦を構成するように直線状に形成される。この切欠部28Bは、駆動機構取付基板28を機構取付枠25に取り付けたときに、シャフト40の長尺の軸部43Aが突き出た側のシャフト支持枠32の上方に位置するように取り付けられる。
駆動機構29は、シャフト40;40を回転駆動するシャフト駆動装置と、シャフト40;40の軸線方向を変更し、進行方向変更機構として機能するシャフト軸方向変更装置とで構成される。
シャフト駆動装置は、シャフト40;40を回転駆動する駆動源となるモータ55と、モータ55の回転駆動力をシャフト40;40に伝達するシャフト駆動伝達機構とで構成される。
モータ55は、回転駆動力を出力する出力軸55Aが、駆動機構取付基板28の切欠部28Bの延長方向と直交し、かつ切欠部28Bから突き出るように駆動機構取付基板28の上面側に取り付けられる。
モータ55の側方には、出力軸55Aと軸線が平行となるように図外の支持機構で支持された軸57が、出力軸55Aと同様に切欠部28Bから突き出るように設けられる。軸57は、出力軸55Aに対する距離が調整可能となるように図外の支持機構により支持される。
シャフト駆動伝達機構は、例えば、複数のプーリ60;60,61,63と、複数のプーリ60;60,61,63に掛け渡される駆動ベルト64により構成される。
プーリ60;60がシャフト40;40の軸部43Aにそれぞれ取り付けられ、プーリ61が出力軸55Aに取り付けられ、プーリ63が軸57に取り付けられる。プーリ60;60,61,63は、いわゆるタイミングプーリと呼ばれる歯付プーリである。プーリ60;60,61,63は、シャフト40;40の軸線と直交する同一面内に取り付けられ、すべてのプーリ60;60,61,63に駆動ベルト64を掛け渡すことで、モータ55の回転駆動力がシャフトに伝達され、一対のシャフト40;40を同期させて回転駆動させる。
駆動ベルト64は、プーリ60;60,61,63の外周に形成された歯と噛み合う歯(図示なし)を内周側に備えた歯付ベルトである。
駆動ベルト64は、プーリ60;60,61,63を掛け渡すときに、例えば軸部43A,43Aに形成された位置決め手段をそれぞれ例えば鉛直下向きに向け、この位置を維持したまま駆動ベルト64を掛け渡すことで、シャフト40に形成された条溝44の位置を同期させて、回転させることが可能となる。
シャフト軸方向変更装置は、シャフト40;40の軸の延長方向を変更する駆動源となるモータ65と、モータ65の回転駆動力を外周枠12に設けられたラック13に伝達する軸方向変更伝達機構とで構成される。
モータ65は、モータ55と同様に駆動機構取付基板28の上面側に取り付けられる。モータ65は、駆動機構取付基板28の板厚方向に貫通する孔として形成された貫通孔に出力軸65Aを貫通させて、当該モータ65の取付面側とは逆側に出力軸65Aが突き出るように取り付けられる。
軸方向変更伝達機構は、例えば、複数のプーリ66,67と、上述のラック13と噛み合う駆動歯車68と、複数のプーリ66,67に掛け渡される駆動ベルト69により構成される。
プーリ66がモータ65の出力軸65Aに取り付けられ,プーリ67が切欠部28B以外の取付支柱34;34間に開口部に対応する位置の円形部の外周側において、駆動機構取付基板28の下面から下向きに延長する軸70に固定される。軸70は、出力軸65Aと平行に下向きに延長し、駆動機構取付基板28を機構取付枠25に取り付けたときに、取付支柱34;34間に形成された開口部に対応する位置に回転自在に取り付けられる。この軸70には、ラック13と噛み合う駆動歯車68が、プーリ67の下側に固定される。
移動機構部3は、ベース部2の機構取付枠25に設けられた取付支柱34の取付孔36に対応するように駆動機構取付基板28に設けられた貫通孔28Aに一致させて、図外のボルトを貫通孔28Aに貫通させて取付孔36に螺合させることで機構取付枠25に固定される。
図8は、移動装置1の移動動作を示す図である。以下、同図を用いて移動装置1の移動動作について説明する。
[進行波発生動作]
波発生板41は、当該波発生板41の膨出面41aにシャフト40;40の外周が押し付けられているため、波発生板41側を向く条溝44;44に沿って変形し、図8(a)に示すような、シャフト40;40の軸線Zと直交方向に延長する窪み100が生じている。波発生板41に設けられた複数の磁石48の磁力によって、推進部材5に内包された磁性体23が波発生板41側に吸引されるので、この窪み100は、摩擦低減層として設けられた摩擦低減シート6を介して、推進部材5を波発生板41の変形に沿うように変形させる。つまり、波発生板41により生じた窪み100が、床面と接触する推進部材5の接触面に窪み110として転写される。
この状態から、モータ55を駆動させ、シャフト40;40を同期回転させると、条溝44;44の軌道に沿って波発生板41が変形し、波発生板41に生じた窪み100は、図8(a),(b)に示すように、シャフト40;40の軸線方向に移動して、移動装置1が移動するための駆動力となる進行波を生成する。この波発生板41の窪み100の移動は、磁石48による磁性体23の吸引力により、推進部材5にも伝達され、推進部材5の接触面に進行波が転写される。
進行波として移動する窪み100は、例えば、駆動ベルト64側の端部を起点とし、反対側の端部を終点として一方向に進行する。この窪み100は、起点側に設けられた波打消し部材80の付勢力により、中間部分における窪み100の深さよりも浅い状態で発生し、起点から離れるにしたがって、窪み100の深さが深くなる。
終点側に向けて進行した窪み100は、終点側に設けられた波打消し機構27の波打消し部材80の付勢力により、徐々に深さが浅くなるように減衰して波が消滅する。したがって、シャフト40;40を連続的に回転させることで、上述の行程を繰り返し、移動装置1の移動方向に向けて推進部材5に進行波を連続的に転写することで、推進部材5を接地面として移動するための推進力が得られる。
[方向転換]
移動装置1の進行方向を変更する場合には、モータ65を駆動し、この回転駆動力をプーリ66と駆動ベルト69を介してプーリ67に伝達して軸70を回転させ、軸70に取り付けられた駆動歯車68に伝達し、さらに駆動歯車68と噛み合うラック13に伝達することで、図9(a),(b)に示すように、ベース部2の中心軸Oを軸芯として移動機構部3が回転する。つまり、ベース部2に対して移動機構部3が回転することにより、シャフト40;40の軸線Zの向きが変更されるため、シャフト40;40の回転により、シャフト40;40の軸線方向に沿って生成される進行波の向きも変更されることになる。
移動機構部3は、ベース部2の底部に載置状態にあるが、ベース部2と移動機構部3との間に摩擦低減層としての摩擦低減シート6を設けてあるので、ベース部2に対して移動機構部3を回転させようとするときに、この摩擦低減シート6がベース部2と移動機構部3との摩擦を低減して、移動機構部3をベース部2に対して円滑に回転させることができる。
すなわち、ベース部2の中心軸を軸芯として移動機構部3を回転させて進行波の向きを変更するようにしているので、移動装置1の進行方向を変更するときに、推進部材5を床面Pに対して回転させることなく、移動装置1の進行方向を変更することができる。
なお、上記実施形態では、シャフト40の外周に螺旋状の条溝44で構成するとして説明したが、螺旋状の突条で構成するようにしても良い。
また、シャフト40の他の形態として、シャフトの軸線方向にカムを整列させた集合体を構成し、隣接するカムの作用角度を順次ずらして配設することで、カム表面によって形成される形状をシャフト40の外周に形成された螺旋状の条溝44としても良い。また、シャフト40をフレキシブルシャフトとし、カムを該フレキシブルシャフトの軸線方向に離間して配置しても良い。この場合には、板バネとして機能するように設けられた波発生板41を自由に屈曲させることができる。
また、吸引手段を磁石と磁性体とを用いた磁力により構成するとして説明したが、静電気力により波発生板と推進部材とを互いに吸引するように構成しても良い。
また、駆動機構を、一対のシャフト40;40を回転させて進行波を発生するものとして説明したが、これに限定されず、例えば上述の波発生板に上下1自由度で上下動する棒状の保持部材を備えたアクチュエータを複数整列配置して各アクチュエータの保持部材の下端を固定し、複数のアクチュエータの駆動を個別に制御する位相制御装置とすべてのアクチュエータを接続し、この位相制御装置が複数のアクチュエータを駆動して波発生板の各接地点においてこの波発生板の移動方向に進行する進行波を発生させるように構成しても良い。
また、上記移動装置1は、上下を反転させることにより搬送装置とすることができる。この場合、移動装置1の推進部材が、被搬送物を移動させる搬送面となる。また、移動装置1における進行方向変更機構は、搬送装置において被搬送物の搬送方向を変更するための進行波変更機構として機能する。すなわち、搬送装置は、進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行波変更機構を備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させる構成であり、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、進行波発生機構を推進部材に対して回転させる進行方向変更機構とを備え、推進部材を搬送面として被搬送物を移動させる。したがって、搬送装置は、簡単な構成で被搬送物を搬送する進行波を発生できるとともに、搬送面として設けられた推進部材に生じた進行波を被搬送物に伝達しながら、推進部材に対する進行波発生部材の向きを変更できるため、進行波の進行方向に沿って自由に被搬送物を搬送できる。
1 移動装置、5 推進部材、6 摩擦低減シート、23 磁性体、40 シャフト、41 波発生板(進行波発生部材)、48 磁石。

Claims (7)

  1. 駆動機構の動作により変形する進行波発生部材と対向する推進部材に、前記進行波発生部材の変形により生じる進行波を伝達する進行波伝達機構であって、
    前記推進部材を前記進行波発生部材側に吸引する吸引手段と、
    前記進行波発生部材と推進部材との間に設けられ、前記進行波発生部材と前記推進部材との摩擦を低減する摩擦低減層と、
    を備えた進行波伝達機構。
  2. 前記吸引手段が前記進行波発生部材に設けられた磁石と、
    前記推進部材に設けられた磁性体により構成されたことを特徴とする請求項1記載の進行波伝達機構。
  3. 前記摩擦低減層が前記進行波発生部材又は前記推進部材、あるいは前記進行波発生部材及び前記推進部材に設けられた摩擦低減材により構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の進行波伝達機構。
  4. 前記請求項1乃至前記請求項3のいずれかに記載の進行波伝達機構を備えた移動装置であって、
    前記進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行方向変更機構を備え、
    前記推進部材を接地面として移動することを特徴とする移動装置。
  5. 軸周りに回転し、外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って前記進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、
    前記進行波発生機構を前記推進部材に対して回転させる前記進行方向変更機構と、を備え、
    前記推進部材を接地面として移動することを特徴とする請求項4に記載の移動装置。
  6. 前記請求項1乃至前記請求項3いずれかに記載の進行波伝達機構を備えた搬送装置であって、
    前記進行波発生部材により生じる進行波の向きを変更する進行波変更機構を備え、
    前記推進部材を搬送面として被搬送物を移動させることを特徴とする搬送装置。
  7. 外周に設けられた螺旋状の軌道に沿って前記進行波発生部材を変形させるシャフトを有する進行波発生機構と、
    前記進行波発生機構を前記推進部材に対して回転させる前記進行方向変更機構と、を備え、
    前記推進部材を搬送面として被搬送物を移動させることを特徴とする請求項6に記載の搬送装置。


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