JP2015151063A - 熱交換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱手段によって冷却媒体の温度を上昇させるに際し、加熱手段自身が昇温されることに伴う不都合を抑制する。
【解決手段】車載のエンジン10に接続された金属製の配管26と、その配管26内を通じて冷却水を循環させるウォータポンプ21と、を備え、冷却水によりエンジン10における熱の授受を行わせる熱交換システム20であって、配管26に設けられ、車載の電源装置(充放電装置12、バッテリ13、車載電源50)により通電されることで磁束を発生させ、その磁束によって配管26を誘導加熱する誘導加熱装置30を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】車載のエンジン10に接続された金属製の配管26と、その配管26内を通じて冷却水を循環させるウォータポンプ21と、を備え、冷却水によりエンジン10における熱の授受を行わせる熱交換システム20であって、配管26に設けられ、車載の電源装置(充放電装置12、バッテリ13、車載電源50)により通電されることで磁束を発生させ、その磁束によって配管26を誘導加熱する誘導加熱装置30を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
冷却媒体により車両のエンジンにおける熱の授受を行わせる熱交換システムに関する。
車両おいては、エンジンにおいて発生する熱を利用して、車両用暖房装置の熱源としてのヒータコアを熱する構成としている。具体的には、エンジンにおいて発生した熱を吸熱した冷却水を配管によってヒータコアに導き、送風装置によって起こした風をヒータコアを通過させることで温風を得る構成としている。
ここで、エンジンとは異なる熱源として、上記冷却水の流れる配管に電気ヒータを設け、その電気ヒータによって冷却水を昇温する構成が知られている(例えば、特許文献1)。当該構成としては、エンジンにおいて発生した熱では車室を充分に温めることができない状況において電気ヒータへの通電を行い、その電気ヒータによって冷却水を昇温する構成にしている。なお、冷却水の昇温は、上記車両用暖房装置のみを目的とするものではなく、エンジン始動時におけるオートマチックトランスミッションの動作油やエンジンオイルといった各種オイルを昇温する場合においても実施される。
上記技術では、冷却水の温度を上昇させる加熱手段として電気ヒータを用いている。電気ヒータは、抵抗体(電熱線)に対して電流を流して、その抵抗体にジュール熱を発生させ、そのジュール熱によって加熱を行うものである。ただしこの場合、配管の外部に電気ヒータを取り付ける構成とすると、電気ヒータの通電のオンオフに伴い電気ヒータ自身が高温状態と低温状態とを繰り返す結果、電気ヒータにゆがみ等による劣化が生じる。その劣化によって、電気ヒータから配管及び熱伝導媒体への熱伝導効率が低下する不都合が生じると考えられる。特に、車載用熱交換システムにおいては、車両のエンジンの状態がユーザの要求に応じて変化することで、電気ヒータのオンオフが頻繁に生じることになる。よって、上記の不都合が顕著になると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑み、加熱手段によって冷却媒体の温度を上昇させるに際し、加熱手段自身が昇温されることに伴う不都合を抑制することを目的とする。
本発明は、車載のエンジン(10)に接続された金属製の配管(26)と、その配管内を通じて冷却媒体を循環させるポンプ(21)と、を備え、前記冷却媒体により前記エンジンにおける熱の授受を行わせる熱交換システム(20)であって、前記配管に設けられ、車載の電源装置(12,13,50)により通電されることで磁束を発生させ、その磁束によって前記配管を誘導加熱する誘導加熱手段(30)を備えることを特徴とする。
本発明では、配管に誘導加熱手段を設け、その誘導加熱手段によって配管を昇温する構成とした。誘導加熱手段は、電磁誘導によって配管に渦電流を生じさせ、その渦電流によって生じるジュール熱で配管を昇温するものである。つまり、誘導加熱手段において熱が発生するものではないため、誘導加熱手段自身が昇温されることなく配管が昇温されることとなる。このため、誘導加熱手段における温度変化が生じにくく、その温度変化に起因する誘導加熱手段の劣化を抑制できる。また、冷却媒体が配管内を循環しており、配管に発生した熱は冷却媒体に順次吸熱されるため、効率よく冷却媒体を昇温することができる。
また、車載の配管は、エンジンルーム内における取り回しの都合上、必ずしも直線状に設けられるものではなく、配管に誘導加熱手段を取り付ける場合に、配管と誘導加熱手段との間に間隙が生じることが起こりやすいと考えられる。誘導加熱においては、加熱対象である配管と誘導加熱手段との間に間隙が存在する場合であっても、効率よく配管を昇温することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態は、エンジンと電動発電機とを駆動源としてそれらいずれかの動力により走行する、いわゆるハイブリッド車両に具体化されている。図1は、本実施形態の車両における制御システムの概略構成を示す図面である。
図1に示すように、本制御システムが適用される車両には、主動力発生手段として、ガソリンや軽油等の燃料の燃焼により動力を発生するエンジン10が搭載されている。また、発電手段及び動力発生手段として、電動発電機11とが搭載されている。
車両の発進時や低速走行時にはエンジン10を停止状態としながら、充放電装置12を介してバッテリ13から電動発電機11へ電力を供給し、電動発電機11のトルクにより車両を走行させることができる。また、通常走行時や高負荷時にはエンジン10及び電動発電機11の両方のトルクにより車両を走行させることができる。また、減速時や制動時にはエンジン10は停止状態とされ、さらには電動発電機11において走行エネルギを回生して発電を行い充放電装置12を介してバッテリ13の充電を行うことができる。なお、車両の停止時においてエンジン10を動作状態とすることでバッテリ13の充電を行うこともできる。バッテリ13は、高電圧(例えば、300V)を出力するリチウムイオン蓄電池の組電池である。
上記車両においてエンジン10には、熱交換システム20が接続されている。当該熱交換システム20は、ウォータポンプ21が動作することによって冷却媒体としての冷却水が循環することとなる循環通路22を備えている。循環通路22の途中位置には、ラジエータ23と、サーモスタット24と、ヒータコア25とが設けられている。また、エンジン10には、図示を略すウォータジャケットが設けられており、ウォータポンプ21の駆動によりウォータジャケットを冷却水が循環することで、エンジン10が冷却される。
循環通路22は、サーモスタット24→エンジン10→ラジエータ23→サーモスタット24という順に冷却水が流れることとなる第1流路と、サーモスタット24→エンジン10→ヒータコア25→サーモスタット24という順に冷却水が流れることとなる第2流路とが設定されるように形成されている。サーモスタット24は、第1流路及び第2流路の両方が通り、ラジエータ23及びヒータコア25から流れてきた冷却水が混ざり合うこととなる。サーモスタット24は、サーモスタット24に流れる冷却水の温度に応じて感温部(図示略)が伸縮することで弁体(図示略)が開閉されるようになっている。また、サーモスタット24の弁体は、上述した冷却水温による制御だけではなく、後述するECU14によっても制御されるようになっており、いわゆる電子制御サーモスタットが適用されている。
サーモスタット24が開弁されている状況では第1流路及び第2流路の両方を冷却水が循環し、サーモスタット24が閉弁されている状況では第2流路のみを冷却水が循環する。なお、後者の場合、冷却水がラジエータ23により冷却されなくなることで、エンジン10の動作時においては前者の場合よりもエンジン10内を循環する冷却水の温度は上昇することとなる。
ヒータコア25には、図示しないブロアファンから空調風が送り込まれるようになっており、ヒータコア25が設けられた領域を通過した空調風は車室に排出される。当該空調風は、ヒータコア25を通過する際に、当該ヒータコア25に対してエンジン10から供給されている冷却水により加熱される。
第2流路が通るエンジン10の下流側であってヒータコア25の上流側に、循環通路22の一部である配管26を加熱する誘導加熱装置30が設けられている。誘導加熱装置30は、インバータ50を介して、車載電源としての充放電装置12及びバッテリ13に電気的に接続されている。インバータ50は、充放電装置12及びバッテリ13から供給される直流電力を高周波(例えば、60kHz)の交流電力に変換して、その交流電力を誘導加熱装置30に供給する。
本制御システムは、ECU14を備えている。ECU14は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。また、サーモスタット24には、冷却水温を検出する冷却水温センサ15が設けられており、誘導加熱装置30によって加熱される配管26には、誘導加熱装置30によって加熱された配管26の表面の温度を検出する配管温度センサ16が設けられている。ECU14は、冷却水温センサ15及び配管温度センサ16から取得した温度に基づいて、インバータ50から誘導加熱装置30への電力出力を調整することで、誘導加熱装置30による加熱を制御する。なお、ECU14には、車両の電源スイッチ17から信号(IG信号)が入力されており、車両の電源状態を取得している。
具体的には、ECU14は、エンジン10が冷間状態で運転されている場合、冷却水の温度がエンジン10の動作に係るフリクションロスを低減するのに好適な温度(暖機温度Th1)となるように、誘導加熱装置30による配管26の加熱を行う。また、ECU14は、IGオン状態でエンジン10の運転が停止されている場合、冷却水の温度が車室を空調風で暖房するのに好適な温度(予熱温度Th2)となるように、誘導加熱装置30による配管26の加熱を行う。なお、エンジン10の運転停止中に冷却水の温度を予熱温度Th2にすることで、エンジン10を始動する際におけるフリクションロスを低減する効果も得られる。また、ECU14は、配管温度が配管26が過剰に昇温されていると示す温度(異常温度The)となっている場合に、誘導加熱装置30による配管26の加熱を停止する。
誘導加熱装置30が配管26に取り付けられている外観を図2に示す。
配管26は、炭素鋼を原料とする円筒形状の炭素鋼鋼管であり、内部を冷却水が流通している。誘導加熱装置30は、円筒状の部材であり、その内径は配管26の外径とほぼ同じである。誘導加熱装置30は、その中心軸が配管26の中心軸と同軸になるように、配管26に取り付けられている。言い換えると、誘導加熱装置30の中心部分には、円柱状の空洞である中空部31が設けられており、配管26は、その中空部31を挿通するように設けられている。
インバータ50から交流電力を供給された誘導加熱装置30は交流磁界を発生させ、その交流磁界によって循環通路22の一部である配管26に渦電流を生じさせる。その渦電流によって生じるジュール熱により配管26が発熱し、その熱によって配管26内を循環する冷却水が昇温される。そして、冷却水が昇温させることで、エンジン10及びヒータコア25が昇温される。
ここで、循環通路22を構成する配管26において、配管26の場所によってその肉厚が異なる場合、肉厚が厚い箇所に誘導加熱装置30を設けるとよい。配管26の肉厚が厚いほど抵抗が小さくなり、抵抗が小さいほど電磁誘導により流れる電流が大きくなる結果、誘導加熱装置30から配管26に対して供給される電力が大きくなり、配管26における単位時間当たりの発熱量が大きくなる。つまり、配管26をより早く昇温することができる。
誘導加熱装置30の構造を図3に示す。誘導加熱装置30は、配管26の外周部に取り付けられる本体部32と、本体部32に一体に設けられ通電により磁束を発生させる誘導加熱コイル33と、を備えている。誘導加熱コイル33は、本体部32の周方向に、かつ配管26の軸方向に延びるように巻回されている。本体部32は、配管26の軸線方向と平行に分割された複数の分割部材34,35から構成されている。また、各分割部材34,35には、分割部材34,35ごとに誘導加熱コイル33が分断されて成る分断コイル部36,37が設けられている。
分割部材34,35同士を接続する接合端面には、各分断コイル部36,37を電気的に接続するコネクタ38a,38b及び接続端子39a,39bが設けられている。分割部材34と分割部材35とを結合すると、コネクタ38a及び接続端子39aが接続され、又、コネクタ38b及び接続端子39bが接続されることで、分断コイル部36,37が電気的に接続され、誘導加熱コイル33が形成される。
誘導加熱装置30の断面図を図4に示す。本体部32は、樹脂を素材として円筒状に形成されており、誘導加熱コイル33を保持している。また、本体部32を形成する樹脂は弾性を有し、内部の誘導加熱コイル33を保護している。また、本体部32の内周部において、配管26への取り付け時に配管26の外周面に接触するように配管温度センサ16が設けられている。配管温度センサ16は例えば熱電対である。なお、配管温度センサはサーミスタなどでもよい。
誘導加熱コイル33は螺旋状に巻回され、円筒状の磁気シールド40に埋め込まれた状態で本体部32に保持されている。磁気シールド40は、強磁性体を有する強磁性材料(フェライト)を素材とし、誘導加熱コイル33において発生した磁束を収束させることで、誘導加熱装置30外部への磁束の漏れを抑制している。これにより、誘導加熱コイル33において発生した磁束を、配管26における誘導加熱に効率よく用いることができる。
また、分割部材34と分割部材35とはヒンジ41によって開閉可能に接続されている。分割部材34,35の接続面が互いに接続するように分割部材34,35を閉じることで、本体部32が形成される。中空部31に配管26を挟み込むように分割部材34,35を閉じ、係止部42aを被係止部42bにより係止することで分割部材34と分割部材35との接続を固定し、配管26が中空部31に挿通された状態で誘導加熱装置30を配管26に対して固定することができる。
また、コネクタ38a,38bは、差し込み式のコネクタである。即ち、コネクタ38a,38bには凹部が設けられており、その凹部に接続端子39a,39bが差し込まれることで、コネクタ38a,38bと、接続端子39a,39bとは互いに接続され、誘導加熱コイル33が形成される。
図5に本実施形態の熱交換システムにおける加熱処理のフローチャートを示す。加熱処理は、IGオン状態においてECU14によって所定周期毎に行われる。
ステップS11において、配管26の温度(配管温度)が、配管26が過剰に昇温されていることを示す異常温度The(例えば、100℃)より低い温度か否かを判定する。配管温度が異常温度Theより低い場合(S11:YES)、ステップS12において、冷却水温が所定の予熱温度Th2(例えば60℃)以下であるか否かの判定を行う。冷却水温が予熱温度Th2以下であると判定されると(S12:YES)、ステップS13において、ウォータポンプ21を駆動させて、冷却水を循環させる。次に、ステップS14において、インバータ50から誘導加熱装置30への電力供給を開始することで配管26の加熱を実施し、処理を終了する。つまり、IGオン状態で冷却水温が予熱温度Th2以下の場合、誘導加熱装置30によって配管26を昇温する。そして、誘導加熱装置30によって配管26に生じた熱をエンジン10及びヒータコア25に伝えるべく、エンジン10の燃焼状態に関わらず、ウォータポンプ21の駆動及び誘導加熱装置30による加熱が実施される。
ステップS12において、冷却水温が予熱温度Th2より高いと判定されると(S12:NO)、ステップS15において、エンジン10が燃焼状態であるか否かを判定する。エンジン10が燃焼状態であると判定されると(S15:YES)、ステップS16において、ウォータポンプ21の駆動を実施する。
次に、ステップS17において、冷却水温が所定の暖機温度Th1(例えば80℃)より高いか否かを判定する。冷却水温が暖機温度Th1より高いと判定されると(S17:YES)、ステップS18において、インバータ50から誘導加熱装置30への電力供給を停止することで配管26の加熱を停止し、処理を終了する。また、冷却水温が暖機温度Th1以下と判定されると(S17:NO)、ステップS19において、誘導加熱装置30による配管26の加熱を実施して、処理を終了する。つまり、エンジン10が燃焼状態とされていると、ウォータポンプ21は常に駆動状態とされる。また、冷却水温が暖機温度Th1に達するまで、誘導加熱装置30による配管26の加熱が継続される。
ステップS15において、エンジン10が燃焼状態でないと判定されると(S15:NO)、ステップS20において、誘導加熱装置30への電力供給を停止して、配管26の加熱を停止する。次に、ステップS21において、ウォータポンプ21の駆動を停止して処理を終了する。つまり、IGオン状態でエンジン10が停止状態とされている場合では、冷却水温が予熱温度Th2に達するまでウォータポンプ21の駆動及び誘導加熱装置30による加熱が実施され、冷却水温が予熱温度Th2に達するとウォータポンプ21の駆動及び誘導加熱装置30による加熱はともに停止される。
配管温度が異常温度The以上である、つまり配管26が誘導加熱装置30によって過剰に加熱されていると判定されると(S11:NO)、ステップS22において、誘導加熱装置30による配管26の加熱を停止し、ステップS23において、ウォータポンプ21を駆動させて処理を終了する。このような制御を行うことで、ウォータポンプ21の駆動によって配管26中の冷却水が循環することで配管26が冷却され、配管26の温度を速やかに異常温度The以下にすることができる。
以下、本実施形態における効果を述べる。
配管26に誘導加熱装置30を設け、その誘導加熱装置30によって配管26を昇温する構成とした。誘導加熱装置30は、電磁誘導によって配管26に渦電流を生じさせ、その渦電流によって生じるジュール熱で配管26を昇温するものである。つまり、誘導加熱装置30において熱が発生するものではないため、誘導加熱装置30自身が昇温されることなく配管26が昇温されることとなる。このため、誘導加熱装置30における温度変化が生じにくく、その温度変化に起因する誘導加熱装置30の劣化を抑制できる。
また、冷却水が配管26内を循環しており、配管26に発生した熱は冷却水に順次吸熱されるため、効率よく冷却水を昇温することができる。また、車載の配管26は、エンジンルーム内における取り回しの都合上、必ずしも直線状に設けられるものではなく、配管26に誘導加熱装置30を取り付ける場合に、配管26と誘導加熱装置30との間に間隙が生じることが起こりやすいと考えられる。誘導加熱においては、加熱対象である配管26と誘導加熱装置30との間に間隙が存在する場合であっても、効率よく配管26を昇温することができる。
誘導加熱装置30が、本体部32及び本体部32に一体に設けられる誘導加熱コイル33を備える構成とした。このような構成とすることで誘導加熱コイル33を本体部32により保持することが可能になる。また、誘導加熱コイル33を配管26の周方向に巻回すると、誘導加熱コイル33に交流電流を流したときに、配管26の軸線方向に磁束が発生することになり、その磁束によって配管26の周方向に渦電流が生じる。ここで、誘導加熱装置30が取り付けられている部分において、配管26上に渦電流が等しく生じ、配管26は均等に加熱される。このため、配管26が局所的に加熱されることを抑制することができる。これにより、配管26への熱的なダメージ、及び、配管26から誘導加熱装置30への熱伝導に伴う誘導加熱装置30に与える熱的なダメージを抑制することができる。
また、誘導加熱装置30は、その内側の配管26で熱を生じさせるものであり、配管26内にて冷却水が循環されることを考えると、配管26において生じた熱が配管26周囲の空気等に散逸しにくい状態となり、効率よく冷却水を昇温することができる。
本体部32が、配管26の周方向に分割された2個の分割部材34,35から構成され、その分割部材34,35を一体化することで配管26に取り付け可能となる構成とした。また、分割部材34,35ごとに分断コイル部36,37を設け、分割部材34,35を接続する接続端面に、分断コイル部36,37を電気的に接続するコネクタ38a,38b及び接続端子39a、39bを設ける構成とした。これにより、分割部材34,35で配管26を挟み込むように誘導加熱装置30を取り付けることが可能になる。
誘導加熱装置30による昇温では、配管26が発熱部位となる。そこで、本実施形態では、配管26に配管温度センサ16を設け、配管26を温度検出対象としている。この温度監視を行うことで、発熱部位である配管26の適切な温度管理を実施できる。具体的には、配管温度センサ16の検出値である配管温度が所定の異常温度The以上となった場合に、誘導加熱装置30への電力供給を停止することで、配管26が過剰に昇温されることを抑制する。これにより、配管26への熱的なダメージ、及び、配管26から誘導加熱装置30への熱伝導に伴う誘導加熱装置30に与える熱的なダメージを抑制することができる。
本実施形態では、ハイブリッド車両の電動発電機11の電力源として用いられているバッテリ13から誘導加熱装置30に対して電力を供給する構成とした。バッテリ13は高電圧電源であるため、誘導加熱装置30に対して大電流を流すことが可能になり、ひいては、配管26を早く昇温することが可能になる。
(他の実施形態)
・誘導加熱コイル33による磁束が配管26の軸線方向に生じるように、誘導加熱コイル33を設けたが、これを変更してもよい。配管26の軸線と直交する方向に磁束が生じるように誘導加熱コイルを設ける構成としてもよい。
・誘導加熱コイル33による磁束が配管26の軸線方向に生じるように、誘導加熱コイル33を設けたが、これを変更してもよい。配管26の軸線と直交する方向に磁束が生じるように誘導加熱コイルを設ける構成としてもよい。
例えば、図6に示すように板状の本体部32aにうずまき状をなすように誘導加熱コイル33aが設けられている誘導加熱装置30aを用いてもよい。図7は、誘導加熱装置30aを配管26に取り付けた際の断面図である。誘導加熱装置30aは、本体部32aが配管26の外周面の一部を覆うように取り付けられる。また、本体部32aには、配管26と近接する面の反対側に磁気シールド40aが設けられている。磁気シールド40aと配管26の表面とで磁路が形成され、効率的に配管26を加熱することができる。
また、図8に示すようにフェライトコア45に巻回された複数の誘導加熱コイル33bを、各誘導加熱コイル33bが配管26に接するように設ける構成としてもよい。
・誘導加熱コイル33が磁気シールド40に埋め込まれている構成としたが、これに代えて、誘導加熱コイル33の外周を覆うように磁気シールドを設ける構成としてもよい。この構成においても、誘導加熱コイル33によって発生した磁束は、配管26と磁気シールドとを流れ、誘導加熱装置30の外部に漏洩することを防止できる。
・本体部32が2つの分割部材34,35を備える構成としたが、これを変更してもよい。例えば、3つ以上の分割部材に分割可能であってもよい。
・配管26のうち誘導加熱装置30によって加熱される部分に、その配管26の温度を検出する配管温度センサ16を設け、その検出温度に基づいて、誘導加熱装置30の動作を制御する構成としたが、配管温度センサ16を省略する構成としてもよい。
・誘導加熱装置30を第2流路が通るエンジン10の下流側であってヒータコア25の上流側の配管26に設けたが、これに代えて、他の部分の配管に誘導加熱装置30を設ける構成としてもよい。この場合、第2流路が通る配管又は第2流路と第1流路の両方が通る配管に誘導加熱装置30を設ける構成とすると、上記実施形態と同様に誘導加熱装置30により加熱された冷却水によって、エンジン10及びヒータコア25の双方を加熱することができる。
・配管温度センサ16が本体部32の内周部に設けられている構成としたが、これに代えて、配管26に配管温度センサを取り付ける構成としてもよい。
・誘導加熱装置30の中空部31と配管26とは異なる形状でもよい。つまり、中空部31と配管26との間に間隙が存在するものであってもよい。誘導加熱では、間隙があったとしても、効率よく配管26を加熱することができる。
・循環通路22に流れる冷却媒体として冷却水以外のものを用いてもよい。例えば、シリコーン油などを用いてもよい。
10…エンジン、12…充放電装置(車載電源)、13…バッテリ(車載電源)、21…ウォータポンプ(ポンプ)、26…配管、30…誘導加熱装置(誘導加熱手段)、50…(車載電源)。
Claims (4)
- 車載のエンジン(10)に接続された金属製の配管(26)と、その配管内を通じて冷却媒体を循環させるポンプ(21)と、を備え、
前記冷却媒体により前記エンジンにおける熱の授受を行わせる熱交換システム(20)であって、
前記配管に設けられ、車載の電源装置(12,13,50)により通電されることで磁束を発生させ、その磁束によって前記配管を誘導加熱する誘導加熱手段(30)を備えることを特徴とする熱交換システム。 - 前記誘導加熱手段は、
前記配管の外周部に取り付けられる本体部(32)と、
前記本体部に一体に設けられ、通電により前記磁束を発生させる誘導加熱コイル(33)と、
を有し、
前記誘導加熱コイルは、前記配管の周方向に巻回された状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。 - 前記本体部は、前記配管の周方向に分割された複数の分割部材(34,35)から構成され、それら各分割部材を一体化することで前記配管に取り付けることが可能であり、
前記各分割部材には、分割部材ごとに前記誘導加熱コイルが分断されて成る分断コイル部(36,37)が設けられており、各分割部材同士を接続する接合端面には、前記各分断コイル部を電気的に接続する端子部(38a,39a,38b,39b)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の熱交換システム。 - 前記配管において、前記誘導加熱手段の誘導加熱により発熱する部分に温度検出素子(16)を設け、
その温度検出素子によって検出される温度に基づいて、前記誘導加熱手段への電力供給を調整し、誘導加熱を制御する制御手段(14)を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱交換システム。
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Cited By (3)
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