JP2015150495A - 気体吸着デバイス - Google Patents

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【課題】減圧下で容器を封止材で封止して作製する気体吸着デバイスにおいて、熱処理温度管理が容易な気体吸着デバイスを提供する。【解決手段】開口部10を有する金属容器11に充填された気体吸着材7と、前記金属容器の開口部を封止する封止材5と、融点または軟化温度が封止材の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材を留める封止材保持部材12からなり、封止材と封止材保持部材の相互作用により重力に抗して開口部に封止材を留める力が加わり、開口部を封止することになる。従って、気体吸着デバイスの熱処理温度が増大し封止材の粘性が低下しても、封止材が下方に流れ込むことなく、封止材を開口部に留めて良好な状態で封止することが可能になる。【選択図】図2

Description

本発明は、減圧下で熱処理することにより封止材を溶融して開口部を封止した気体吸着デバイスに関するものである。
一般に、真空断熱材、真空断熱容器、プラズマディスプレイパネル等、高度な真空環境により性能を発揮することができる機器は、製造時における残留気体や経時的に侵入する気体による内部の圧力上昇が性能を劣化する原因になる。そこで、これらの気体を吸着するための気体吸着材を充填して封止した気体吸着デバイスが提案されている。
この気体吸着デバイスは機体吸着剤を充填した容器を減圧化で封止して真空化している。
この減圧下で熱処理を行うことにより、容器を封止する方法として、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
以下、図4を参照しながら従来の封止の方法を説明する。
図4は内外容器間を単純に真空化しただけの魔法瓶等の容器の場合を示し、この容器は金属製の内容器1と外容器2とからなり、これら内外容器間の空隙部を真空断熱層としたもので、まず上記内容器1と外容器2のいずれか一方に排気口3を有する二重容器4を形成し、次いで該排気口3の近傍に、軟化温度が200〜600℃である低温溶融ガラスからなる封止材5を配置し、次いでこの二重容器3を真空加熱炉内に配し上記封止材5の軟化温度よりも低い温度で内外容器間の空隙を減圧排気し、次いで二重容器4を封止材5の軟化温度より高い温度に昇温し、封止材5を軟化流動せしめて排気口3を封止している。
これによると低温溶融ガラスは金属製二重容器の表面に酸化物が存在しても濡れ性を損なうことがなく、良好な封止を行なえる利点を持つ。従って、金属製二重容器の表面を高温に加熱して酸化物を除去する工程を省略することができ、真空二重容器の製造コストを低減できるとともに、低温焼鈍によって容器の硬度を高め、容器の軽量化を実現できるというものである。
更に、減圧下で熱処理を行うことにより、容器を封止する方法として、例えば、特許文献2に開示されているものがある。以下、図5を参照しながら従来の封止の方法を説明する。
一端が開口し他端が密封され一端から他端までの胴部の長さが最大幅以上の中空の筒状金属部材からなる気体難透過性容器6を密封された他端を底面として設置し、開口部より気体吸着材7を充填した後に、充填された気体吸着材7よりも開口部10側で胴部の少なくとも1箇所に狭窄部8を形成し、狭窄部8より上方に封止材5を設置して封止材5を加熱溶融し、封止材5が気体難透過性容器6の壁面との相互作用により狭窄部8に固定した後、冷却固化することにより封止したもので、開口部を封止する工程を減圧下で行うことができるため、作製工程における気体吸着材7の劣化を抑制することができる。さらに工数の低減が可能であり、低コストな気体吸着デバイス9を得る事ができるというものである。
特開平6−169850号公報 特開2011−183367号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、軟化した(溶融状態となった)封止材は、二重容器の排気孔に二重容器の壁面との相互作用と粘性により留まることになるが、低温溶融ガラスの粘性は加熱温度が高くなると低減するため、封止を行う狙いの位置に溶融状態の低温溶融ガラスを留めておくためには、加熱温度を精密に制御することが必要であり、大量生産時には難度が高かった。
すなわち、適温よりも高温で加熱された二重容器の封止材は、重力により排気孔から二重容器内に流れ込み、良好な封止性を得難かった。
特許文献2に記載の構成においては、金属容器に狭窄部を形成し、狭窄部より上方に封止材を設置して封止材を加熱溶融し、封止材が表面張力(先行文献技術の文言を用いている)により狭窄部に固定され、気体吸着デバイスを得る。狭窄部内にある封止材の体積は小さく、加わる重力が小さいため、金属容器内に流れ込みにくく、封止性は比較的良好であるが、特許文献1に記載のものと同様の理由により、排気孔に留めておくためには、加熱温度及び時間の精密な制御を必要とする場合があった。
従って、いずれの場合も良好な封止性を得るためには、加熱温度の厳密な管理や真空加熱炉の温度バラツキ低減等の施策が必要な場合があり、工業生産上の観点から、より加熱温度バラツキに対する許容度が大きい材料構成が望ましかった。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、熱処理温度管理を容易にして生産コストを低減した封止構成を有する気体吸着デバイスを提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の気体吸着デバイスは、開口部を有する容器に充填された気体吸着材と、前記容器の開口部を封止する封止材と、融点または軟化温度が封止材の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材を留める封止材保持部材とからなる構成としてある。
これによって、容器の開口部を上にして開口部付近に封止材と封止材保持部材を設置して加熱すると、溶融状態となった封止材は重力により開口部に流れ込む。更に、時間が経過すると、封止材は重力により開口部から下方に排出されようとする。一方、溶融した封止材は容器と封止材保持部材を同時に濡らすことにより、容器と封止材保持部材から相互作用により重力に抗し開口部に留める力を受ける。この結果、封止材と容器の相互作用により重力に抗して開口部に留める力が、重力により開口部から排出される力より小さい場合であっても、封止材と封止材保持部材の相互作用により重力に抗して開口部に留める力が加わり、封止材は開口部に留まることが可能となる。従って、気体吸着デバイスの熱処理温度が増大し封止材の粘性が低下しても、封止材が下方に流れ込むことなく、封止材を開口部に留めて封止することが可能になる。
なお、本発明における相互作用とは、封止材と容器または、封止材保持部材が引き合う力全般を含むものである。特に指定するものではないが、例えば、アンカー効果や水素結合力、静電相互作用がある。
本発明は封止材と封止材保持部材の相互作用により重力に抗して開口部に留める力が大きくなって、封止材は開口部に留まることが可能となり、機体吸着材を充填した気体吸着デバイスの熱処理温度が増大し封止材の粘性が低下しても、封止材が下方に流れ込むことなく、封止材を開口部に留めて確実な封止することが可能になる。従って、熱処理温度管理を容易にして生産コストを低減することができる。
本発明の実施の形態1における気体吸着デバイスの概略断面図 本発明の実施の形態2における気体吸着デバイスの概略断面図 本発明の実施の形態3における気体吸着デバイスの概略断面図 従来の真空二重容器の概略断面図 従来の気体吸着デバイスの概略断面図
第1の発明は、開口部を有する容器に充填された気体吸着材と、前記容器の開口部を封止する封止材と、融点または軟化温度が封止材の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材を留める封止材保持部材とからなる気体吸着デバイスである。
これにより、容器の開口部を上にして開口部付近に封止材と封止材保持部材を設置して加熱すると、溶融状態となった封止材は重力により開口部に流れ込む。更に、時間が経過すると、封止材は重力により開口部から下方に排出されようとする。一方、溶融した封止材は容器と封止材保持部材を同時に濡らすことにより、容器と封止材保持部材から相互作用により重力に抗し開口部に留める力を受ける。この結果、封止材と容器の相互作用により重力に抗して開口部に留める力が、重力により開口部から排出される力より小さい場合であっても、封止材と封止材保持部材の相互作用により重力に抗して開口部に留める力が加わり、封止材は開口部に留まることが可能となる。従って、気体吸着デバイスの熱処理温度が増大し封止材の粘性が低下しても、封止材が下方に流れ込むことなく、封止材を開口部に留めて封止することが可能になる。しかも上記封止材保持部材の融点または軟化温度が封止材の融点または軟化温度より高いため、封止材が溶融または軟化する温度であっても、封止材保持部材は溶融または軟化せず、相互作用により封止材を開口部付近に留めておくことができる。従って、熱処理温度管理を容易にして生産コストを低減することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、開口部付近の壁面が容器開口部方向に大きくなるように傾斜していることを特徴としたものである。
これにより、容器の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなり、開口部を上方にして容器を設置し、開口部付近に封止材と封止材保持部材を容易に設置することができる。従って、気体吸着デバイスの作製が容易になり、低コストで気体吸着デバイスを得ることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において開口部付近に狭窄部が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、封止材には、容器との相互作用と、封止材保持部材との相互作用により、重力に抗して狭窄部に留める力がより強力に作用するようになる。すなわち、容器の開口部側を上にして開口部付近に封止材と封止材保持部材を設置して加熱すると、溶融状態となった封止材は重力により狭窄部に流れ込むが、ここで、狭窄部内にある封止材に加わる重力は狭窄部体積に比例するため、狭窄部のない場合よりも狭窄部内の封止材は比較的排
出されにくくなる。従って、加熱温度が適温より高く、封止材の粘度が低くなっても、狭窄部に保持された状態を保ちやすい。
その結果、加熱温度の許容範囲を広く設定しても封止することができ、加熱の温度管理を容易にすることが可能となる。
第4の発明は、特に、第1から第3の発明において、封止材保持部材が多孔体であることを特徴とするものである。
これにより、封止材保持部材の比表面積が大きくなり、封止材との単位体積あたりの相互作用が増大する。即ち、多孔体の孔内の封止材を排出する力は孔の体積に比例するが、封止材保持部材と封止材の相互作用により孔内に留める力は、孔の面積に比例する。従って、封止材に加わる重力よりも留める相互作用が大きい状態を得やすく、封止材を開口部に留めることが容易である。
その結果、加熱温度の許容範囲を広く設定しても封止することができ、加熱の温度管理を容易にすることが可能となる。
第5の発明は、特に第1から第4の発明において、気体吸着材が、少なくとも空気を吸着する吸着材と、水分を吸着する吸着材とを含むことを特徴とするものである。
これにより、水分を含む気体を吸着する場合、水分を吸着する吸着材が水分を吸着することにより、空気中に含まれる水分の量が低減する。
従って、空気を吸着する吸着材の水分を吸着することによる空気の吸着量低減を少なくすることができる。
一般に、空気を吸着することができる吸着材は水分を吸着することができる吸着材に比較して高価であるため、コストの観点から、使用量を少なくすることが望ましく、上記の理由によりこれが可能となる。
以下、本発明の気体吸着デバイスの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における気体吸着デバイスの概略断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の気体吸着デバイス9は、開口部10を有する気体難透過性の容器、例えば金属容器11に充填された気体吸着材7と、前記金属容器11の開口部10を封止する封止材5と、融点または軟化温度が封止材5の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材5を留める封止材保持部材12とからなるものである。
本実施の形態において、気体吸着材7はゼオライトである。金属容器11は、アルミニウム製であり、開口部10付近の壁面が、金属容器開口部10方向に大きくなるように傾斜していて、金属容器11の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなっている。封止材5はガラスであり、軟化温度は450℃である。封止材保持部材12はアルミニウムあるため、融点は660℃であり、封止材5の軟化温度より高い。従って、封止材5が融解しても封止材保持部材12が融解していない状態を実現できる。更に、形状は直径が開口部10の直径より大きい球状であり、開口部10上部に設置することができる。
以上の構成により、封止材5が軟化した状態では金属容器11と封止材保持部材12の間に流れ込むことで、金属容器11と封止材保持部材12からの相互作用により、重力により下方に排出させる力より開口部10に留める力が大きくなり、封止材5を開口部10に留めることが容易になる。
以下、気体吸着デバイス9を作製する工程を示す。
気体吸着材7を、開口部10を介して金属容器11に充填後、金属容器11の開口部10側を上方にして、開口部10に封止材5と封止材保持部材12を設置する。その後、開口部10側を上側に保った状態で真空熱処理炉に設置して、周囲を減圧すると開口部10を介して金属容器11内の気体が排出される。この際、開口部10と封止材保持部材12は気体の排出を妨げるほどには密着していない。
金属容器11内の気体が十分に排出された後、周囲を封止材5の軟化温度以上に加熱すると、封止材5が溶融し開口部10と封止材保持部材12の間に流れ込む。溶融した封止材5は開口部10と封止材保持部材12のいずれにも接するため、封止材5と封止材保持部材12との相互作用力が生じ、封止材5を開口部10から下方へ排出する力である重力より大きくなる。その結果、溶融状態の封止材5は開口部10と封止材保持部材12の間に留まり、開口部10の良好な封止性が得られ、金属容器11内部の気体吸着材7が空気を吸着せず、気体吸着材7の吸着特性を保持することが可能になる。
本発明の封止材5は、特に指定するものではないが、金属容器11の開口部10を封止することができ、封止することにより、気体吸着デバイス9を大気中で取り扱っても気体吸着材7に気体が到達して消費しないように、気体バリア性に優れるものが良く、例えば、金属、合金、セラミックス、ガラス等であり、融点または軟化温度が封止材保持部材の融点または軟化温度より低いものである。
また本発明の気体吸着材7は、特に指定するものではないが、化学吸着、物理吸着による各種吸着材が使用できる。例えば、各種金属系ゲッター、ゼオライト等、気体吸着性の材料等である。
更に本発明の封止材保持部材12は特に指定するものではないが、封止材5と濡れることにより生じる相互作用により封止材5を開口部10付近にとどめておくことができるものが利用できる。単位面積あたりの相互作用が大きくなるように多孔体や、無機繊維の集合体であるグラスウールやアルミナウール、シリカウール等が望ましい。更に、封止材保持部材12の軟化温度または融点は、封止材の軟化温度または融点より高い必要があり、例えば多孔体のセラミックスや上記のグラスウールがこれらの性質を有している。また、封止材保持部材12の設置は、封止材5の上方であっても下方であってもよく、封止材5や封止材保持部材12が設置し易いように決めることができる。
ここで開口部10は、気体吸着材7の充填及び真空排気が可能な程度の開口があれば良い。望ましくは、開口部10付近の壁面が、前記金属容器開口部10方向に大きくなるように傾斜していて、金属容器11の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなっていることにより、封止材5や封止材保持部材12が設置しやすいものが好ましい。
以下、実施の形態1における手順で作製した気体吸着デバイスの実施例を示す。実施例における封止性の評価はヘリウムディテクタにより行った。ヘリウムディテクタとは、容器に検査を行う部材を設置し、容器内を減圧後、ヘリウムを導入する。その後、容器内を減圧し、容器内に放出されるヘリウムをマススペクトル等により検出テストを行うものである。
検査を行う部材に孔等がありガスを通過させる場合は、容器を減圧した際、部材から空気が排出され、容器にヘリウムを導入した際、部材にヘリウムが導入される。従って、
容器内を減圧する工程で部材からヘリウムがリークする。ヘリウムのリーク速度が0.5×10−12Pa・m3/sec以下であれば、リーク無しと判断した。
(実施例1)
実施例1では、金属容器として、開口部付近の壁面が、前記金属容器開口部方向に大きくなるように傾斜していて、金属容器の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなっており、開口部の直径が15mm、その他の部分の直径が10mmのアルミニウム容器を用いた。封止材保持部材として、直径12mmの球状のアルミニウムを用いて600℃で2時間熱処理を行い、気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は後記する(表1)に示すように100%であることが判った。
後記する(表3)の比較例1に示すように、封止材保持部材を用いない場合の封止確率は50%である。これより、封止材保持部材が溶融状態の封止材を開口部付近に留めることにより、高い封止確率が得られたことが判る。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における気体吸着デバイスの概略断面図である。
図2に示すように、本実施の形態の気体吸着デバイス9は、開口部を有する金属容器11に充填された気体吸着材7と、前記金属容器11の開口部を封止する封止材5と、融点または軟化温度が封止材5の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材5を留める封止材保持部材12とからなるものである。
本実施の形態において、気体吸着材7はゼオライトである。金属容器11は、アルミニウム製であり、開口部10付近の壁面が、前記金属容器開口部10方向に大きくなるように傾斜していて、金属容器11の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなっており、開口部10付近に狭窄部8が設けられている。
封止材5はガラスであり、軟化温度は400℃である。封止材保持部材12はアルミニウムあるため、融点は660℃であり、封止材5の軟化温度より高い。従って、封止材5が融解しても封止材保持部材12が融解していない状態を実現できる。
以下、気体吸着デバイス9を作製する工程を示す。
気体吸着材7を、開口部10を介して金属容器11に充填後、金属容器11の開口部10側を上方にして、開口部から20mm下方に一辺の長さが5mmの金属棒を対向させて設置し、金属棒の間隔が0.5mmになるまで近づけることにより、金属容器を変形させて狭窄部8を形成する。更に、開口部10側を上側に保った状態で狭窄部8上に封止材5および封止材保持部材12を設置する。
その後、開口部10側を上側に保った状態で真空熱処理炉に設置して、周囲を減圧すると、開口部10を介して金属容器11内の気体が排出される。この際、開口部10と封止材保持部材12は気体の排出を妨げるほどには密着していない。金属容器11内の気体が十分に排出された後、周囲を封止材5の軟化温度以上に加熱すると封止材5が溶融し、狭窄部8に流れ込む。
狭窄部8内にある封止材5に加わる重力は、狭窄部の体積に比例し、狭窄部8内にある
封止材5を重力に抗して保持する金属容器11と溶融した封止材5との相互作用は、狭窄部8の周囲長さに比例するため、相対的に狭窄部8内の封止材5を金属容器内部に保持する力は排出する力より大きくなる。更に、溶融した封止材5は開口部10と封止材保持部材12のいずれにも接するため、封止材5と封止材保持部材12との相互作用力も加わり、封止材5を開口部から下方へ排出する力である重力より大きくなる。従って、溶融状態の封止材5は開口部10と封止材保持部材12の間に留まる。
この後、周囲の温度を低下させると、封止材5が冷却固化し、開口部10が封止されるため、良好な封止性が得られる。その結果、大気中で取り扱っても金属容器11に気体は流入せず、金属容器11内部の気体吸着材7が空気を吸着せず、気体吸着材7の吸着特性を保持することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態2について、実施例2から実施例5に熱処理温度と封止材保持部材を変化させた場合の例を示す。
まず実施例1を含め実施例2から4までの評価結果をまとめたものを(表1)に示す。
Figure 2015150495
(実施例2)
実施例2においては、金属容器として、開口部付近の壁面が、前記金属容器開口部方向に大きくなるように傾斜していて、金属容器の開口断面積が開口部方向に行くほど大きくなっており、開口部の直径が15mm、その他の部分の直径が10mmのアルミニウム容器を用いた。更に、金属容器の開口部から20mmの部分に壁面間が1mmの狭窄部が設けられている。
封止材保持部材として直径2mm、長さ12mmの円柱状のアルミニウムを用いた。熱処理は600℃で2時間行い、気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は100%であった。
後記する(表3)の比較例2に示すように、封止材保持部材を用いない場合の封止確率は70%である。これより、封止材保持部材が溶融状態の封止材を開口部付近に留めることにより、高い封止確率が得られたことが判る。
(実施例3)
実施例3においては、熱処理温度を640℃とした。他の構成等は実施例2と同等である。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は80%であった。封止不良品を解析した結果、封止材は狭窄部から下方へ排出されたことによるものであった
。熱処理温度が640℃と高くなっているため、封止材と金属容器の相互作用により狭窄部に留める力が小さくなり、狭窄部から排出させる重力が、狭窄部との相互作用により留める力より大きくなったためである。
後記する(表3)の比較例3に示すように、封止材保持部材を用いない場合の封止確率は10%である。これより、封止材保持部材が溶融状態の封止材を開口部付近に留めることにより、高い封止確率が得られたことが判る。
(実施例4)
実施例4においては、封止材保持部材を多孔質セラミックスとした。他の構成等は実施例3と同等である。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は100%であった。
実施例3と同じ熱処理温度で作製したにも関わらず、封止確率が100%となった。これは、封止材が多孔体であるため、比表面積が大きいため、単位面積あたりの封止材との相互作用により狭窄部に留める力が小さくなっても、単位面積あたりの封止材との相互作用と比表面積の積は封止材を狭窄部に留めておくために充分な大きさとなり重力より大きさとなるためである。
以上のように、封止材保持部材を用いることにより、高い封止確率が得られ、封止材が多孔体である場合は、高温で封止材と狭窄部および封止材保持部材の相互作用により狭窄部に留める力が小さくなり封止が困難な場合であっても高い封止確率が得られることが判る。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における気体吸着デバイスの概略断面図である。
図に3示すように、本実施の形態の気体吸着デバイス9は、開口部10を有する金属容器11に充填された気体吸着材7と、水分吸着材13と、前記金属容器11の開口部10を封止する封止材5と、融点または軟化温度が封止材5の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材5を留める封止材保持部材12とからなるものである。
上記構成において、吸着材と称するものが空気を吸着する吸着材と、水分を吸着する吸着材を含むため、水分を含む気体を吸着する場合、水分を吸着する吸着材が水分を吸着することにより、空気中に含まれる水分の量が低減する。
従って、空気を吸着する吸着材の水分を吸着することによる空気の吸着量低減を少なくすることができる。
一般に、空気を吸着することができる吸着材は水分を吸着することができる吸着材に比較して高価であるため、コストの観点から、使用量を少なくすることが望ましく、上記の理由によりこれが可能となる。
実施の形態3においては、金属容器11に水分を含む空気が流入した場合、空気は水分吸着材13を通過して気体吸着材7に到達する。水分を含む気体が水分吸着材13を通過する際、水分が吸着されることにより、気体吸着材7へは水分を含む量が低減した空気が到達し、気体吸着材7は、その吸着能力を空気の吸着に費やし、大容量の空気を吸着することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態3について、実施例5から実施例7に水分吸着材適用量を変
化させた場合の例を示す。
まず実施例5から7までの評価結果をまとめたものを(表2)に示す。
実施例5から7までの窒素吸着量は、外部から機械的に封止材を破壊できる機構と、水分を含む窒素を導入可能な機構と、密閉容器内の圧力を測定可能な機構とを有する密閉容器に気体吸着デバイスを設置して測定した。測定は、水分を含む100ccの窒素を導入後、封止部を破壊して密閉容器内の圧力を測定することにより窒素の減少量を計算して行った。
Figure 2015150495
(実施例5)
実施例5においては、空気吸着材として、1gあたり3ccの窒素を吸着可能なゼオライトを1g、水分吸着材として平均粒子径が1mmの酸化カルシウムを0.5g用いた。他の構成等は実施例2と同等である。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は100%であった。
以上の工程で作製した気体吸着デバイスでは、30℃、90%RHの窒素を供給すると、1.8cc吸着した。
(実施例6)
実施例6においては、空気吸着材として、1gあたり3ccの窒素を吸着可能なゼオライトを1g、水分吸着材として平均粒子径が0.5mmの酸化カルシウムを0.5g用いた。
他の構成等は実施例5と同等である。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は100%であった。
以上の工程で作製した気体吸着デバイスでは、30℃、90%RHの窒素を供給すると
、2.5cc吸着した。
実施例5より窒素吸着量が大きくなっているが、これは、水分吸着材の平均粒子径が小さくなっているため、空気中に含まれる水分を吸着し易く、空気吸着材に到達する水分が少なくなるため、空気吸着材が水分を吸着することによる劣化を抑制できるためである。
(実施例7)
実施例7においては、空気吸着材として、1gあたり3ccの窒素を吸着可能なゼオライトを1g、水分吸着材として平均粒子径が0.5mmの酸化カルシウムを2g用いた。
他の構成等は実施例5と同等である。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は100%であった。
以上の工程で作製した気体吸着デバイスでは、30℃、90%RHの窒素を供給すると、3cc吸着した。
実施例6より窒素吸着量が大きくなっているが、これは水分吸着材の重量が大きくなっているため、空気中に含まれる水分を吸着し易く、空気吸着材に到達する水分が少なくなるため、空気吸着材が水分を吸着することによる劣化を抑制できるためである。
以下、本発明に対する比較例を、比較例1から3に示す。
ここで比較例1から3の構成等をまとめたものを表3に示す。
Figure 2015150495
(比較例1)
比較例1では、実施例1において封止材保持部材を用いずに気体吸着デバイスを作製した。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は50%であった。
封止不良の要因を明確にするため、封止不良品を解析した。結果、封止材が下方へ排出されたことにより、狭窄部の封止に必要な封止材が確保できなくなったためであることが判った。
実施例1に比較して封止確率が低下しているが、これは封止材保持部材を用いていない
ため、封止材に加わる重力が、封止材と金属容器の相互作用により開口部に留める力より大きくなる場合があるためである。
(比較例2)
比較例2では、実施例2において封止材保持部材を用いずに気体吸着デバイスを作製した。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は70%であった。
封止不良の要因を明確にするため、封止不良品を解析した。結果、封止材は狭窄部から下方へ排出されたことにより、狭窄部の封止に必要な封止材が確保できなくなったためであることが判った。実施例2に比較して封止確率が低下しているが、これは封止材保持部材を用いていないため、封止材に加わる重力が、封止材と金属容器の相互作用により狭窄部に留める力より大きくなる場合があるためである。
(比較例3)
比較例3では、実施例3において封止材保持部材を用いずに気体吸着デバイス作製した。封止確率は10%であった。封止不良品を解析した結果、実施例3と同様に、封止材は狭窄部から下方へ排出されたことによるものであると考えた。実施例3より封止確率が低減していることから、封止材保持部材により封止確率が向上することが判る。
(比較例4)
比較例4では、実施例2において、封止材の軟化温度が封止材保持部材の軟化温度より小さく、封止材の軟化温度が600℃のガラス及び封止材保持部材の温度が300℃であるガラスを用いた。以上の工程で気体吸着デバイスを100個作製した。封止確率は70%であった。
封止不良の要因を明確にするため、封止不良品を解析した。結果、封止材は狭窄部から下方へ排出されたことにより、狭窄部の封止に必要な封止材が確保できなくなったためであることが判った。実施例2に比較して封止確率が低下しているが、これは封止材保持部材の軟化温度が封止材の軟化温度より低いため、封止材を溶融させる時点では、封止材保持部材が融解してしまうためである。
以上より、封止材保持部材を用いることにより、封止材に加わる重量で開口部から排出されて生じる封止不良を大幅に低減することができることが判る。更に、熱処理温度が異なることにより封止材と金属容器の相互作用や流動性が異なっても高い封止性が得られる。従って、生産の温度管理を容易にして生産性を向上することができる。
本発明にかかる気体吸着デバイスは、減圧下で熱処理を行うことにより、機械的な操作を行うことなく気体吸着剤を充填した容器を良好な状態で封止することができ、しかも気体吸着デバイスの熱処理温度が増大し封止材の粘性が低下しても、封止材が下方に流れ込むことなく、封止材を開口部に留めて封止することが可能になるので、気体吸着材を充填した真空断熱材、真空断熱容器、プラズマディスプレイパネル等の真空機器に幅広く適用することができる。
5 封止材
7 気体吸着材
8 狭窄部
9 気体吸着デバイス
10 開口部(金属容器開口部)
11 容器(金属容器)
12 封止材保持部材
13 水分吸着材

Claims (5)

  1. 開口部を有する容器に充填された気体吸着材と、前記容器の開口部を封止する封止材と、融点または軟化温度が封止材の融点または軟化温度より高く、溶融状態の封止材を留める封止材保持部材とからなる気体吸着デバイス。
  2. 開口部付近の壁面が、容器開口部方向に大きくなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の気体吸着デバイス。
  3. 開口部付近に狭窄部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の気体吸着デバイス。
  4. 封止材保持部材が多孔体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の気体吸着デバイス。
  5. 気体吸着材が、少なくとも空気を吸着する吸着材と、水分を吸着する吸着材とを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の気体吸着デバイス。
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