JP2015149129A - 異方性導電フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単層で配列された導電粒子を有する多層構造の異方性導電フィルムにおいて、良好な導通信頼性、良好な絶縁性、及び良好な実装導電粒子捕捉率を実現する。
【解決手段】異方性導電フィルムは、第1接続層とその片面に形成された第2接続層とを有する。第1接続層は光重合樹脂層であり、第2接続層は、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層である。第1接続層の第2接続層側表面には、異方性導電接続用の導電粒子が単層で配列されている。第1接続層の硬化率に関し、該片面の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電フィルム及びその製造方法に関する。
ICチップなどの電子部品の実装に異方性導電フィルムは広く使用されており、近年では、高実装密度への適用の観点から、導通信頼性や絶縁性の向上、実装導電粒子捕捉率の向上、製造コストの低減等を目的に、異方性導電接続用の導電粒子を単層で絶縁性接着層に配列させた2層構造の異方性導電フィルムが提案されている(特許文献1)。
この2層構造の異方性導電フィルムは、転写層に単層且つ細密充填で導電粒子を配列させた後、転写層を2軸延伸処理することにより、導電粒子が所定間隔で均等に配列された転写層を形成した後、その転写層上の導電粒子を熱硬化性樹脂と重合開始剤とを含有する絶縁性樹脂層に転写し、更に転写した導電粒子上に、熱硬化性樹脂を含有するが重合開始剤を含有しない別の絶縁性樹脂層をラミネートすることにより製造されている(特許文献1)。
特許第4789738号明細書
しかしながら、特許文献1の2層構造の異方性導電フィルムは、重合開始剤を含有していない絶縁性樹脂層を使用しているために、単層で所定間隔で均等に導電粒子を配列させたにもかかわらず、異方性導電接続の際の加熱により、重合開始剤を含有していない絶縁性樹脂層に比較的大きな樹脂流れが生じ易く、その流れに沿って導電粒子も流れ易くなるため、実装導電粒子捕捉率の低下、ショートの発生、絶縁性の低下等の問題が生じていた。
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、単層で配列された導電粒子を有する多層構造の異方性導電フィルムにおいて、良好な導通信頼性、良好な絶縁性、及び良好な実装導電粒子捕捉率を実現することである。
本発明者らは、光重合性樹脂層に導電粒子を単層で配列させた後に、紫外線を傾斜させて照射することにより導電粒子を固定化もしくは仮固定化し、更に固定化若しくは仮固定化された導電粒子上に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層を積層することにより得た異方性導電フィルムが、上述の本発明の目的を達成できる構成であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、第1接続層とその片面に形成された第2接続層とを有する異方性導電フィルムであって、
第1接続層が、光重合樹脂層であり、
第2接続層が、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層であり、
第1接続層の該片面に、異方性導電接続用の導電粒子が単層で配列されており、
第1接続層の硬化率に関し、該片面の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している
ことを特徴とする異方性導電フィルムを提供する。
なお、第2接続層は、加熱により重合反応を開始する熱重合開始剤を使用した熱重合性樹脂層であることが好ましいが、光により重合反応を開始する光重合開始剤を使用した光重合性樹脂層であってもよい。熱重合開始剤と光重合開始剤とを併用した熱・光重合性樹脂層であってもよい。ここで、第2接続層は、製造上、熱重合開始剤を使用した熱重合性樹脂層に限定される場合がある。
本発明の異方性導電フィルムは、第1接続層の他面に、応力緩和などの接合体の反り防止を目的に、第2の接続層と略同様の構成の第3接続層を有していてもよい。即ち、第1接続層の他面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を有していてもよい。
なお、第3接続層は、加熱により重合反応を開始する熱重合開始剤を使用した熱重合性樹脂層であることが好ましいが、光により重合反応を開始する光重合開始剤を使用した光重合性樹脂層であってもよい。熱重合開始剤と光重合開始剤とを併用した熱・光重合性樹脂層であってもよい。ここで、第3接続層は、製造上、熱重合開始剤を使用した熱重合性樹脂層に限定される場合がある。
また、本発明は、上述の異方性導電フィルムの製造方法であって、第1接続層を一段階の光重合反応で形成する以下の工程(A)〜(C)、又は第1接続層を二段階の光ラジカル重合反応で形成する後述する工程(AA)〜(DD)を有する製造方法を提供する。
(第1接続層を一段階の光重合反応で形成する場合)
工程(A)
光重合性樹脂層に導電粒子を単層で配列させる工程;
工程(B)
導電粒子が配列した光重合性樹脂層に対して紫外線を傾斜させて照射することにより光ラジカル重合反応させ、表面に導電粒子が固定化された第1接続層を形成する工程;及び
工程(C)
第1接続層の導電粒子側表面に、熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層、又は熱又は光ラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層を形成する工程。
(第1接続層を二段階の光重合反応で形成する場合)
工程(AA)
光重合性樹脂層に導電粒子を単層で配列させる工程;
工程(BB)
導電粒子が配列した光重合性樹脂層に対して紫外線を傾斜させて照射することにより光ラジカル重合反応させ、表面に導電粒子が仮固定化された仮第1接続層を形成する工程;
工程(CC)
仮第1接続層の導電粒子側表面に、熱カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層を形成する工程;及び
工程(DD)
第2接続層と反対側から仮第1接続層に紫外線を照射することにより光重合反応させ、仮第1接続層を本硬化させて第1接続層を形成する工程。
工程(CC)で第2接続層の形成の際に使用する開始剤として熱重合開始剤に限定しているのは、異方性導電フィルムとしての製品ライフ、接続および接続構造体の安定性に悪影響が生じないようにするためである。つまり、第1接続層に紫外線を二段階に分けて照射する場合には、その工程上の制約から第2接続層は熱重合硬化性のものに限定せざるを得ない場合がある。なお、二段階照射を連続的に行う場合は、一段階と略同様の工程で形成することができるので、同等の作用効果が期待できる。
また、本発明は、第1接続層の他面に、第2接続層と同様の構成の第3接続層を有している異方性導電フィルムの製造方法であって、以上の工程(A)〜(C)に加えて工程(C)の後で、以下の工程(Z)を有する製造方法、または、以上の工程(AA)〜(DD)に加えて工程(DD)の後で、以下の工程(Z)を有する製造方法を提供する。
工程(Z)
第1接続層の導電粒子側の反対面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程。
更に、本発明は、第1接続層の他面に、第2接続層と略同様の構成の第3接続層を有している異方性導電フィルムの製造方法であって、以上の工程(A)〜(C)に加えて、工程(A)に先だって以下の工程(a)を有する製造方法、または以上の工程(AA)〜(DD)に加えて、工程(AA)に先だって以下の工程(a)を有する製造方法を提供する。
工程(a)
光重合性樹脂層の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程。
なお、この工程(a)を有する製造方法の工程(A)又は工程(AA)においては、光重合性樹脂層の他面に導電粒子を単層で配列させればよい。
このような工程で第3接続層を設ける場合には、上述した理由から重合開始剤は熱反応によるものに限定されることが好ましい。しかしながら、第1接続層を設けた後に製品ライフや接続に悪影響を及ぼさない方法により、光重合開始剤を含む第2および第3接続層を設ければ、光重合開始剤を含んだ本発明の主旨に沿う異方性導電フィルムを作成することは、特に制限はされない。
なお、本発明の第2接続層又は第3接続層のどちらかがタック層として機能する態様も本発明に包含される。
加えて、本発明は、上述の異方性導電フィルムで第1電子部品を第2電子部品に異方性導電接続した接続構造体を提供する。
本発明の異方性導電フィルムは、光重合樹脂層からなる第1接続層と、その片面に形成された、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層とを有しており、更に、第1接続層の第2接続層側表面には、異方性導電接続用の導電粒子が単層で配列されている。このため、導電粒子を第1接続層にしっかりと固定化できる。しかも、第1接続層の硬化率に関し、光照射を斜行させて行うので、その第2接続層側表面の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している。この結果、異方性導電接続の際に、低い硬化率の領域及び導電粒子の流動の方向を斜行方向に揃えることができるので、初期導通特性や導通信頼性を損なうことなくショートの発生を大きく抑制することができる。
なお、異方性導電接続が熱を利用する場合は、通常の異方性導電フィルムの接続方法と同様の方法になる。光によるものの場合は、接続ツールによる押し込みを、反応が終了するまでに行えばよい。この場合においても、接続ツール等は樹脂流動や粒子の押し込みを促進するため加熱されている場合が多い。また熱と光を併用する場合も、上記と同様に行えばよい。
図1は、本発明の異方性導電フィルムの断面図である。 図2は、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(A)の説明図である。 図3Aは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(B)の説明図である。 図3Bは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(B)の説明図である。 図4Aは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(C)の説明図である。 図4Bは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(C)の説明図である。 図5は、本発明の異方性導電フィルムの断面図である。 図6は、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(AA)の説明図である。 図7Aは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(BB)の説明図である。 図7Bは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(BB)の説明図である。 図8Aは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(CC)の説明図である。 図8Bは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(CC)の説明図である。 図9Aは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(DD)の説明図である。 図9Bは、本発明の異方性導電フィルムの製造工程(DD)の説明図である。
<<異方性導電フィルム>>
以下、本発明の異方性導電フィルムの好ましい一例を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の異方性導電フィルム1は、光重合性樹脂層を光重合させた光重合樹脂層からなる第1接続層2の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層3が形成された構造を有している。そして、第1接続層2の第2接続層3側の表面2aには、異方性導電接続のために導電粒子4が単層で配列、好ましくは均等に配列されている。ここで均等とは、導電粒子が平面方向に配列されている状態を意味する。この規則性は一定の間隔で設けられてもよい。
<第1接続層2>
本発明の異方性導電フィルム1を構成する第1接続層2は、光カチオン、アニオン又はラジカル重合性樹脂層等の光重合性樹脂層を光重合させた光重合樹脂層であるから、導電粒子を固定化できる。また、重合しているので、異方性導電接続時に加熱されても樹脂が流れ難くなるので、ショートの発生を大きく抑制でき、従って導通信頼性と絶縁性とを向上させ、且つ実装粒子捕捉率も向上させることができる。特に好ましい第1接続層2は、アクリレート化合物と光ラジカル重合開始剤とを含む光ラジカル重合性樹脂層を光ラジカル重合させた光ラジカル重合樹脂層である。以下、第1接続層2が光ラジカル重合樹脂層である場合について説明する。
(アクリレート化合物)
アクリレート単位となるアクリレート化合物としては、従来公知の光ラジカル重合性アクリレートを使用することができる。例えば、単官能(メタ)アクリレート(ここで、(メタ)アクリレートにはアクリレートとメタクリレートとが包含される)、二官能以上の多官能(メタ)アクリレートを使用することができる。本発明においては、接着剤を熱硬化性とするために、アクリル系モノマーの少なくとも一部に多官能(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
第1接続層2におけるアクリレート化合物の含有量は、少なすぎると第2接続層3との粘度差を付けにくくなる傾向があり、多すぎると硬化収縮が大きく作業性が低下する傾向があるので、好ましくは2〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、リン系光重合開始剤等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の使用量は、アクリレート化合物100質量部に対し、少なすぎると光ラジカル重合が十分に進行せず、多すぎると剛性低下の原因となるので、好ましくは0.1〜25質量部、より好ましくは0.5〜15質量部である。
(導電粒子)
導電粒子としては、従来公知の異方性導電フィルムに用いられているものの中から適宜選択して使用することができる。例えばニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。2種以上を併用することもできる。
導電粒子の平均粒径としては、小さすぎると配線の高さのばらつきを吸収できず抵抗が高くなる傾向があり、大きすぎてもショートの原因となる傾向があるので、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜6μmである。
このような導電粒子の第1接続層2中の粒子量は、少なすぎると実装導電粒子捕捉数が低下して異方性導電接続が難しくなり、多すぎるとショートすることが懸念されるので、好ましくは1平方mm当たり50〜50000個、より好ましくは200〜30000個である。
第1接続層2には、必要に応じて、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの膜形成樹脂を併用することができる。第2接続層および第3接続層にも、同様に併用してもよい。
第1接続層2の層厚は、薄すぎると実装導電粒子捕捉率が低下する傾向があり、厚すぎると導通抵抗が高くなる傾向があるので、好ましくは1.0〜6.0μm、より好ましくは2.0〜5.0μmである。
第1接続層2には、更に、エポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有させることもできる。この場合、後述するように、第2接続層3もエポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有する熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層とすることが好ましい。これにより、層間剥離強度を向上させることができる。エポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤については、第2接続層3で説明する。
第1接続層2においては、図1に示すように、導電粒子4が、第2接続層3に食い込んでいる(換言すれば、導電粒子4が第1接続層2の表面に露出している)ことが好ましい。導電粒子がすべて第1接続層2に埋没していると、抵抗導通が高くなることが懸念されるからである。食い込みの程度は、小さすぎると実装導電粒子捕捉率が低下する傾向があり、大きすぎると導通抵抗が高くなる傾向があるので、好ましくは導電粒子の平均粒子径の10〜90%、より好ましくは20〜80%である。
また、第1接続層2において、光照射を斜行させて行うので、第2接続層側の第1接続層の表面の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している。これにより、異方性導電接続の熱圧着の際に、第1接続層部分2Xが排除され易くなり、導通信頼性が向上する。ここで、硬化率はビニル基の減少比率と定義される数値であり、第1接続層部分2Xの硬化率は好ましくは40〜80%であり、第1接続層部分2Yの硬化率は好ましくは70〜100%である。
なお、第1接続層2の形成の際の光ラジカル重合は、一段階(即ち、一回の光照射)で行ってもよいが、二段階(即ち、二回の光照射)で行ってもよい。この場合、二段階目の光照射は、第1接続層2の片面に第2接続層3が形成された後に、酸素含有雰囲気(大気中)下で第1接続層2の他面側から行うことが好ましい。これにより、ラジカル重合反応が酸素阻害され、未硬化成分の表面濃度が高まり、タック性を向上させることができるという効果を期待できる。また、硬化を二段階で行うことで重合反応も複雑化するため、樹脂や粒子の流動性の精緻な制御が可能となることも期待できる。
このような二段階の光ラジカル重合における第1接続層部分2Xの第一段階における硬化率は好ましくは10〜50%であり、第二段階における硬化率は好ましくは40〜80%であり、第1接続層部分2Yの第一段階における硬化率は好ましくは30〜90%であり、第二段階における硬化率は好ましくは70〜100%である。
また、第1接続層2の形成の際の光ラジカル重合反応が二段階で行われる場合、ラジカル重合開始剤として1種類だけ使用することもできるが、ラジカル反応を開始する波長帯域が異なる2種類の光ラジカル重合開始剤を使用することがタック性向上のために好ましい。例えば、LED光源からの波長365nmの光でラジカル反応を開始するイルガキュア(IRGACURE)369(BASFジャパン(株))と、高圧水銀ランプ光源からの光でラジカル反応を開始するイルガキュア(IRGACURE)2959(BASFジャパン(株))とを併用することが好ましい。このように2種類の異なる硬化剤を使用することで樹脂の結合が複雑化するため、接続時の樹脂の熱流動の挙動をより精緻に制御することが可能になる。これは異方性導電接続の押し込み時に、粒子は厚み方向にかかる力は受け易くなるが、面方向への流動は抑制されるため本発明の効果がより発現しやすくなるからである。
また、第1接続層2のレオメーターで測定した際の最低溶融粘度は、第2接続層3の最低溶融粘度よりも高いこと、具体的には[第1接続層2の最低溶融粘度(mPa・s)]/[第2接続層3の最低溶融粘度(mPa・s)]の数値が、好ましくは1〜1000、より好ましくは4〜400である。なお、それぞれの好ましい最低溶融粘度は、前者については100〜100000mPa・s、より好ましくは500〜50000mPa・sである。後者については好ましくは0.1〜10000mPa・s、より好ましくは0.5〜1000mPa・sである。
第1接続層2の形成は、光ラジカル重合性アクリレートと光ラジカル重合開始剤とを含有する光ラジカル重合性樹脂層に、フィルム転写法、金型転写法、インクジェット法、静電付着法等の手法により導電粒子を付着させ、紫外線を導電粒子側、その反対側、もしくは両側から照射することにより行うことができる。特に、紫外線を導電粒子側からのみ照射することが、第1接続層部分2Xの硬化率を相対的に低く抑制することができる点から好ましい。
<第2接続層3>
第2接続層3は、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層、好ましくはエポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有する熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層、又はアクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有する熱又は光ラジカル重合性樹脂層からなる。ここで、第2接続層3を熱重合性樹脂層から形成することは、第1接続層2を形成する際の紫外線照射により第2接続層3の重合反応が生じないため、生産の簡便性および品質安定性の上では望ましい。
第2接続層3が、熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層である場合、更に、アクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有することができる。これにより第1接続層2と層間剥離強度を向上させることができる。
(エポキシ化合物)
第2接続層3がエポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有する熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層である場合、エポキシ化合物としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物もしくは樹脂が好ましく挙げられる。これらは液状であっても、固体状であってもよい。
(熱カチオン重合開始剤)
熱カチオン重合開始剤としては、エポキシ化合物の熱カチオン重合開始剤として公知のものを採用することができ、例えば、熱により、カチオン重合性化合物をカチオン重合させ得る酸を発生するものであり、公知のヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、フェロセン類等を用いることができ、温度に対して良好な潜在性を示す芳香族スルホニウム塩を好ましく使用することができる。
熱カチオン重合開始剤の配合量は、少なすぎても硬化不良となる傾向があり、多すぎても製品ライフが低下する傾向があるので、エポキシ化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。
(熱アニオン重合開始剤)
熱アニオン重合開始剤としては、エポキシ化合物の熱アニオン重合開始剤として公知のものを採用することができ、例えば、熱により、アニオン重合性化合物をアニオン重合させ得る塩基を発生するものであり、公知の脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、二級又は三級アミン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリメルカプタン系化合物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド等を用いることができ、温度に対して良好な潜在性を示すカプセル化イミダゾール系化合物を好ましく使用することができる。
熱アニオン重合開始剤の配合量は、少なすぎても硬化不良となる傾向があり、多すぎても製品ライフが低下する傾向があるので、エポキシ化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。
(光カチオン重合開始剤及び光アニオン重合開始剤)
エポキシ化合物用の光カチオン重合開始剤又は光アニオン重合開始剤としては、公知のものを適宜使用することができる。
(アクリレート化合物)
第2接続層3がアクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有する熱又は光ラジカル重合性樹脂層である場合、アクリレート化合物としては、第1接続層2に関して説明したものの中から適宜選択して使用することができる。
(熱ラジカル重合開始剤)
また、熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物やアゾ系化合物等が挙げられるが、気泡の原因となる窒素を発生しない有機過酸化物を好ましく使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤の使用量は、少なすぎると硬化不良となり、多すぎると製品ライフの低下となるので、アクリレート化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。
(光ラジカル重合開始剤)
アクリレート化合物用の光ラジカル重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
光ラジカル重合開始剤の使用量は、少なすぎると硬化不良となり、多すぎると製品ライフの低下となるので、アクリレート化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。
(第3接続層5)
以上、図1の2層構造の異方性導電フィルムについて説明したが、図5に示すように、第1接続層2の他面に第3接続層5が形成されていてもよい。これにより、層全体の流動性をより精緻に制御することが可能となるという効果が得られる。ここで、第3接続層5としては、前述した第2接続層3と同じ構成としてもよい。即ち、第3接続層5は、第2接続層3と同様に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなるものである。このような第3接続層5は、第1接続層の片面に第2接続層を形成した後に、第1接続層の他面に形成してもよく、第2接続層の形成前に、第1接続層もしくはその前駆体である光重合性樹脂層の他面(第2接続層が形成されない面)に予め第3接続層を形成しておいてもよい。
<<異方性導電フィルムの製造方法>>
本発明の異方性導電フィルムの製造方法には、一段階の光重合反応を行う製造方法と、二段階の光重合反応を行う製造方法が挙げられる。
<一段階の光重合反応を行う製造方法>
図1(図4B)の異方性導電フィルムを一段階で光重合させて製造する一例を説明する。この製造例は、以下の工程(A)〜(C)を有する。
(工程(A))
図2に示すように、必要に応じて剥離フィルム30上に形成した、光重合性樹脂層31に、単層で導電粒子4を配列させる。導電粒子4の配列の手法としては、特に制限はなく、特許第4789738号の実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムに2軸延伸操作を利用する方法や、特開2010−33793号公報の金型を使用する方法等を採用することができる。なお、配列の程度としては、接続対象のサイズ、導通信頼性、絶縁性、実装導電粒子捕捉率等を考慮し、2次元的に互いに1〜100μm程度離隔して配列されることが好ましい。
(工程(B))
次に、図3Aに示すように、導電粒子4が配列した光重合性樹脂層31に対して、LED光源などを用いて、導電粒子側から紫外線(UV)を傾斜させて照射することにより光重合反応させ、表面に導電粒子4が固定化された第1接続層2を形成する。これにより、図3Bに示すように、導電粒子4と第1接続層2の最外表面との間に位置する斜行した第1接続層部分2Xの硬化率を、互いに隣接する導電粒子4間に位置する領域の第1接続層部分2Yの硬化率よりも低くすることができる。照射の際、必要に応じて紫外線をパルス状に照射してもよく、シャッターを設けて照射してもよい。このようにすることで、粒子の裏側の硬化性は確実に低くなり接合時の押し込みを容易にし、且つ導電粒子の流動方向を斜行方向に揃えることができ、複数の導電粒子が過度に連結してしまうことを防止することができ、ショートの発生を抑制することができる。
紫外線を傾斜させて照射するとは、光重合性樹脂層31に対し傾斜角θをもって紫外線を照射することである。この傾斜角θは0°<θ<90°好ましくは30°≦θ≦60°である。この場合、異方性導電フィルムの長手方向に直交する方向に傾斜させることが好ましい。このようにすると、導電粒子の流動の方向とバンプの長手方向(即ち、異方性導電フィルムの幅方向)とを一致させることができる。この場合、異方性導電フィルムの長手方向の光重合性樹脂層の左半分をマスクし、右半分に対し、異方性導電フィルムの右辺に向かって流動が生じるように紫外線を傾斜させて照射し、次に、右半分をマスクし、左半分に対し、異方性導電フィルムの左辺に向かって流動が生じるように紫外線を傾斜させて照射することが好ましい。
(工程(C))
次に、図4Aに示すように、第1接続層2の導電粒子4側表面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層3を形成する。具体的な一例として、剥離フィルム40に常法により形成された第2接続層3を、第1接続層2の導電粒子4側表面に載せ、過大な熱重合が生じない程度に熱圧着する。そして剥離フィルム30と40とを取り除くことにより図4Bの異方性導電フィルムを得ることができる。
なお、図5の異方性導電フィルム100は、工程(C)の後で、以下の工程(Z)を実施することにより得ることができる。
(工程(Z))
第1接続層の導電粒子側の反対面に、好ましくは第2接続層と同様に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する。これにより図5の異方性導電フィルムを得ることができる。
また、図5の異方性導電フィルム100は、工程(Z)を行うことなく、工程(A)に先だって、以下の工程(a)を実施することでも得ることができる。
(工程(a))
この工程は、光重合性樹脂層の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程である。この工程(a)に引き続き、工程(A)、(B)及び(C)を実施することにより図5の異方性導電フィルム100を得ることができる。但し、工程(A)において、光ラジカル重合性樹脂層の他面に導電粒子を単層で配列させる。
(二段階の光ラジカル重合反応を行う製造方法)
次に、図1(図4B)の異方性導電フィルムを二段階で光重合させて製造する一例を説明する。この製造例は、以下の工程(AA)〜(DD)を有する。
(工程(AA))
図6に示すように、必要に応じて剥離フィルム30上に形成した、光重合性樹脂層31に、単層で導電粒子4を配列させる。導電粒子4の配列の手法としては、特に制限はなく、特許第4789738号の実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムに2軸延伸操作を利用する方法や、特開2010−33793号公報の金型を使用する方法等を採用することができる。なお、配列の程度としては、接続対象のサイズ、導通信頼性、絶縁性、実装導電粒子捕捉率等を考慮し、2次元的に互いに1〜100μm程度離隔して配列されることが好ましい。
(工程(BB))
次に、図7Aに示すように、導電粒子4が配列した光重合性樹脂層31に対して、導電粒子側から紫外線(UV)を傾斜させて照射することにより光ラジカル重合反応させ、表面に導電粒子4が仮固定化された仮第1接続層20を形成する。これにより、図7Bに示すように、導電粒子4と仮第1接続層20の最外表面との間に位置する斜行した仮第1接続層部分2Xの硬化率を、互いに隣接する導電粒子4間に位置する領域の仮第1接続層部分2Yの硬化率よりも低くすることができる。
(工程(CC))
次に、図8Aに示すように、仮第1接続層20の導電粒子4側表面に、熱カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層3を形成する。具体的な一例として、剥離フィルム40に常法により形成された第2接続層3を、第1接続層2の導電粒子4側表面に載せ、過大な熱重合が生じない程度に熱圧着する。そして剥離フィルム30と40とを取り除くことにより図8Bの仮異方性導電フィルム50を得ることができる。
(工程(DD))
次に、図9Aに示すように、LED光源などを用いて、第2接続層3と反対側から仮第1接続層20に紫外線を照射することにより光ラジカル重合反応させ、仮第1接続層20を本硬化させて第1接続層2を形成する。これにより、図9Bの異方性導電フィルム1を得ることができる。この工程における紫外線の照射は、仮第1接続層に対し垂直方向から行うことが好ましい。また、第1接続層部分2Xと2Yの硬化率差が消失しないように、マスクを介して照射したり、照射部位により照射光量に差を設けることが好ましい。
なお、2段階で光ラジカル重合させた場合、図5の異方性導電フィルム100は、工程(DD)の後で、以下の工程(Z)を実施することにより得ることができる。
(工程(Z))
第1接続層の導電粒子側の反対面に、好ましくは第2接続層と同様に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する。これにより図5の異方性導電フィルムを得ることができる。
また、図5の異方性導電フィルム100は、工程(Z)を行うことなく、工程(AA)に先だって、以下の工程(a)を実施することでも得ることができる。
(工程(a))
この工程は、光重合性樹脂層の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程である。この工程(a)に引き続き、工程(AA)〜(DD)を実施することにより図5の異方性導電フィルム100を得ることができる。但し、工程(AA)において、光重合性樹脂層の他面に導電粒子を単層で配列させる。この場合、第2接続層の形成の際に使用する重合開始剤としては、熱重合開始剤を適用することが好ましい。光重合開始剤の場合は、工程上、異方性導電フィルムとしての製品ライフ、接続および接続構造体の安定性に悪影響を及ぼすことが懸念される。
<<接続構造体>>
このようにして得られた異方性導電フィルムは、ICチップ、ICモジュールなどの第1電子部品と、フレキシブル基板、ガラス基板などの第2電子部品とを異方性導電接続する際に好ましく適用することができる。このようにして得られる接続構造体も本発明の一部である。なお、異方性導電フィルムの第1接続層側をフレキシブル基板等の第2電子部品側に配し、第2接続層側をICチップなどの第1電子部品側に配することが、導通信頼性を高める点から好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1〜3、比較例1
特許第4789738号の実施例1(導電粒子の均等配置)の操作に準じて導電粒子の配列を行うとともに、表1に示す配合(質量部)に従って第1接続層と第2接続層とが積層された2層構造の異方性導電フィルムを作成した。
(第1接続層)
具体的には、まず、アクリレート化合物及び光ラジカル重合開始剤等を酢酸エチル又はトルエンにて固形分が50質量%となるように混合液を調製した。この混合液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥厚が5μmとなるように塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥することにより、第1接続層の前駆層である光ラジカル重合性樹脂層を形成した。
次に、得られた光ラジカル重合性樹脂層に対し、平均粒子径4μmの導電粒子(Ni/Auメッキ樹脂粒子、AUL704、積水化学工業(株))を、互いに4μm離隔して単層で配列させた。更に、この導電粒子側から光ラジカル重合性樹脂層に対し、LED光源から波長365nm、積算光量4000mJ/cmの紫外線を、表1に記載の角度で、異方性導電フィルムの長手方向に直交する方向に照射することにより、表面に導電粒子が固定された第1接続層を形成した。比較例1では、導電粒子側から光ラジカル重合性樹脂層に対し90°の角度で紫外線を照射した。
(第2接続層)
熱硬化性樹脂及び潜在性硬化剤等を酢酸エチル又はトルエンにて固形分が50質量%となるように混合液を調製した。この混合液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥厚が12μmとなるように塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥することにより、第2接続層を形成した。
(異方性導電フィルム)
このようにして得られた第1接続層と第2接続層とを、導電粒子が内側となるようにラミネートすることにより異方性導電フィルムを得た。
(接続構造サンプル体)
得られた異方性導電フィルムを用いて、0.5×1.8×20.0mmの大きさのICチップ(バンプサイズ30×85μm:バンプ高さ15μm、バンプピッチ50μm)を、0.5×50×30mmの大きさのコーニング社製のガラス配線基板(1737F)に、50℃、5MPa、1秒という条件で仮貼りし、更に、180℃、80MPa、5秒という条件で実装して接続構造サンプル体を得た。
(試験評価)
得られた接続構造サンプル体について、以下に説明するように、「実装導電粒子捕捉効率」、「異方性導電接続時の導電粒子の方向性」、「初期導通抵抗」、「エージング後の導通抵抗」、「ショート発生率」を試験・評価した。得られた結果を表1に示す。
「実装導電粒子捕捉率」
実装の際、加熱加圧前の接続構造サンプル体のバンプ上に存在する理論粒子量に対する加熱加圧後に実際に捕捉されている粒子量の割合を求めた。粒子量は、光学顕微鏡を使用してカウントした。実用上50%以上であることが望ましい。
「異方性導電接続時の導電粒子の方向性」
異方性導電接続後のバンプに捕捉されている導電粒子を光学顕微鏡により観測し、LEDの傾斜により流動方向の均一性が得られるかを調べた。2個以上連結した導電粒子の群を100ユニット(計200個)カウントし、これらのうち、70%以上で方向が揃っているものを「均一」とし、それ未満のものを「ランダム」としている。
「初期導通抵抗」
接続構造サンプル体の導通抵抗値を、デジタルマルチメーター(アジレント・テクノロジー(株))を用いて測定した。
「エージング後の導通抵抗」
接続構造サンプル体を85℃、85%RHの高温高湿環境下に500時間放置した後の導通抵抗をデジタルマルチメーター(アジレント・テクノロジー(株))を用いて測定した。実用上、4Ω以下であることが望ましい。
「ショート発生率」
7.5μmスペースの櫛歯TEGパターンのショート発生率を求めた。実用上100ppm以下であれば、絶縁性が良好と判断できる。
Figure 2015149129
表1から、実施例1〜3の異方性導電フィルムについては、その製造時にUV照射を傾斜させて行ったため、比較例1よりも実装導電粒子捕捉率が僅かに向上するだけでなく、異方性導電接続時の導電粒子の流動の方向性を均一に揃えることができたことがわかる。この結果、比較例に比べ、ショートの発生率を大きく低減できたことがわかる。
本発明の異方性導電フィルムは、光ラジカル重合性樹脂層を光ラジカル重合させた第1接続層と、熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層、又は好ましくはアクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有する熱又は光ラジカル重合性樹脂層とからなる第2接続層とが積層された2層構造を有しており、更に、第1接続層の第2接続層側表面には、異方性導電接続用の導電粒子が単層で配列されている。しかも、第1接続層の硬化率に関し、片面(第2接続層側表面)の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している。このため、異方性導電接続の際、導電粒子の流動の方向を均一化することができる。よって良好な導通信頼性、絶縁性、実装導電粒子捕捉率を示す。
1、100 異方性導電フィルム
2 第1接続層
2X、2Y 第1接続層部分
3 第2接続層
4 導電粒子
5 第3接続層
30、40 剥離フィルム
20 仮第1接続層
31 光重合性樹脂層
50 仮異方性導電フィルム

Claims (16)

  1. 第1接続層とその片面に形成された第2接続層とを有する異方性導電フィルムであって、
    第1接続層が、光重合樹脂層であり、
    第2接続層が、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層であり、
    第1接続層の該片面に、異方性導電接続用の導電粒子が単層で配列されており、
    第1接続層の硬化率に関し、該片面の硬化率よりも低い硬化率を有する領域が、第1接続層の厚み方向に斜行して存在している
    ことを特徴とする異方性導電フィルム。
  2. 第1接続層が、アクリレート化合物と光ラジカル重合開始剤とを含む光ラジカル重合性樹脂層を光ラジカル重合させた光ラジカル重合樹脂層である請求項1記載の異方性導電フィルム。
  3. 第1接続層が、更に、エポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有している請求項2記載の異方性導電フィルム。
  4. 第2接続層が、エポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有する熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層、又はアクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有する熱又は光ラジカル重合性樹脂層である請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  5. 第2接続層が、エポキシ化合物と熱又は光カチオン若しくはアニオン重合開始剤とを含有する熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層であり、更にアクリレート化合物と熱又は光ラジカル重合開始剤とを含有する請求項4記載の異方性導電フィルム。
  6. 導電粒子が、第2接続層に食い込んでいる請求項1〜5のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  7. 第1接続層の最低溶融粘度が、第2接続層の最低溶融粘度よりも高い請求項1〜6のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  8. 請求項1記載の異方性導電フィルムの製造方法であって、以下の工程(A)〜(C):
    工程(A)
    光重合性樹脂層に、導電粒子を単層で配列させる工程;
    工程(B)
    導電粒子が配列した光重合性樹脂層に対して紫外線を傾斜させて照射することにより光重合反応させ、表面に導電粒子が固定化された第1接続層を形成する工程;及び
    工程(C)
    第1接続層の導電粒子側表面に、熱又は光カチオン若しくはアニオン重合性樹脂層、又は熱又は光ラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層を形成する工程
    を有する製造方法。
  9. 工程(B)の紫外線照射を、光重合性樹脂層の導電粒子が配列した側から行う請求項8記載の製造方法。
  10. 請求項1記載の異方性導電フィルムの製造方法であって、以下の工程(AA)〜(DD):
    工程(AA)
    光重合性樹脂層に導電粒子を単層で配列させる工程;
    工程(BB)
    導電粒子が配列した光重合性樹脂層に対して紫外線を傾斜させて照射することにより光重合反応させ、表面に導電粒子が仮固定化された仮第1接続層を形成する工程;
    工程(CC)
    仮第1接続層の導電粒子側表面に、熱カチオン若しくは熱アニオン重合性樹脂層、又は熱ラジカル重合性樹脂層からなる第2接続層を形成する工程;及び
    工程(DD)
    第2接続層と反対側から仮第1接続層に紫外線を照射することにより光重合反応させ、仮第1接続層を本硬化させて第1接続層を形成する工程
    を有する製造方法。
  11. 工程(BB)の紫外線照射を、光重合性樹脂層の導電粒子が配列した側から行う請求項10記載の製造方法。
  12. 請求項8記載の製造方法において、工程(C)の後で、以下の工程(Z)
    工程(Z)
    第1接続層の導電粒子側の反対面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程
    を有する製造方法。
  13. 請求項8記載の製造方法において、工程(A)に先だって、以下の工程(a)
    工程(a)
    光重合性樹脂層の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程
    を有し、工程(A)において、光重合性樹脂層の他面に導電粒子を単層で配列させる製造方法。
  14. 請求項10記載の製造方法において、工程(DD)の後で、以下の工程(Z)
    工程(Z)
    第1接続層の導電粒子側の反対面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程
    を有する製造方法。
  15. 請求項10記載の製造方法において、工程(AA)に先だって、以下の工程(a)
    工程(a)
    光重合性樹脂層の片面に、熱又は光カチオン、アニオン若しくはラジカル重合性樹脂層からなる第3接続層を形成する工程
    を有し、工程(AA)において、光重合性樹脂層の他面に導電粒子を単層で配列させる製造方法。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の異方性導電フィルムで第1電子部品を第2電子部品に異方性導電接続した接続構造体。
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