JP2015149060A - 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法 - Google Patents

周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015149060A
JP2015149060A JP2014228911A JP2014228911A JP2015149060A JP 2015149060 A JP2015149060 A JP 2015149060A JP 2014228911 A JP2014228911 A JP 2014228911A JP 2014228911 A JP2014228911 A JP 2014228911A JP 2015149060 A JP2015149060 A JP 2015149060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
term
rotation
phase
creating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014228911A
Other languages
English (en)
Inventor
友近 信行
Nobuyuki Tomochika
信行 友近
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014228911A priority Critical patent/JP2015149060A/ja
Publication of JP2015149060A publication Critical patent/JP2015149060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】多関節ロボットなどに備えられた減速機のような周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を表現するモデルを作成する回転機器のモデルの作成方法、及びこのモデルを用いた機器の故障診断方法を提供する。
【解決手段】本発明の周期的な運動を行う機構を備える機器4のモデルの作成方法は、周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を示す機器のモデルの作成方法において、入力側の位相θと機器の出力yとを表現するモデルを構築し、モデル化誤差が所定値以下の条件下で位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が最小となる、位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が所定値以下の条件下でモデル化誤差が最小となる、モデル化誤差と位相差に対する出力値の変化量とからなる評価関数が最小となる、のいずれか一つとなるように、モデル内の係数を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、多関節ロボットなどに設けられた減速機などに代表される周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を示すモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法に関する。
近年、多関節ロボットを用いた組み立て作業や溶接作業が幅広く採用されるようになっている。このような多関節ロボットは、各軸に電動モータと減速機を有するものとなっている。このように減速機や電動モータなど周期的な動作をする回転機器は、回転位置(回転位相θ)あるいはギヤなどのかみ合い位置、回転方向によって微少に特性が変わるものが多い。また、圧縮機や油圧ポンプなどの周期的な運動を行う機構を備える機器も多関節ロボットと同様に、回転位置(回転位相θ)によって特性が変わるものとなっている。
多関節ロボットなどに備えられた減速機としては、例えばハーモニックドライブ(登録商標)といわれる歯車機構が採用されている。このような減速機における特性(例えば、動力伝達状況)、言い換えれば回転機器の回転位置における特性を把握することは、多関節ロボット、圧縮機や油圧ポンプなどの動作状況と劣化状況を知る上で重要となる。
回転機器における特性を把握するにあたっては、回転機器の回転速度の時系列データを計測し、その計測した時系列データを高速フーリエ変換(FFT)して、回転機器の周波数特性を取得する手法がとられる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、FFTを用いた回転機器の周波数特性の解析は、回転速度が一定な状況下にある回転機器に対して適用可能な技術であり、回転機器の回転速度が変動した(例えば、回転駆動中に加速乃至は減速が行われた)場合には、得られる周波数特性が変動し、回転機器の正確な特性を把握することは困難となる。係る特性を回避するためには、回転速度に連動してデータのサンプリング周期(時間でのサンプリングの周期)を変更することが考えられるが、計測中にサンプリング周期を可変とすることは、困難なことが多い。
そこで、当該回転機器の特性を示すモデルを作成する技術が開発されている(非特許文献1を参照)。
非特許文献1は、回転機器の出力軸のトルクτを入力軸の回転位相θ、慣性項J、粘性項Dをパラメータとした式で表現したモデル、すなわち「角速度とトルク(電流)を計測して、角加速度との関係を表すモデル(回転機器の特性を示すモデル)を作る技術」を開示している。
このモデルは、回転機器の回転速度に依存しないものであり、回転機器の回転速度が変動した場合においても特性を正確に表現するものとなっている。それ故、このモデルは、減速機の劣化や故障の診断に用いることが可能である。
特開2008−196876号公報
「L1最適化によるデータ圧縮に基づくPWAモデルの同定」、丸田一郎、杉江俊治、第11回制御部門大会、(2011.3.16)
しかしながら、非特許文献1に開示されたモデルでは、サンプリング周期ごとにパラメータ(例えば、粘性項や慣性項)が変動するものであり、サンプリング周期ごとに得られるモデルの数に対して、変動するパラメータ(未知のパラメータ)が多いものとなっている。例えば、N個のサンプリングにより得られたN個のモデルに対して、変動するパラメータがN個存在することとなり、モデルの解が一意に求まらない。
そこで、非特許文献1では、モデルの解を求めるに際し、最適化手法を適用している。
すなわち、モデル化の誤差が許容範囲内となるように、モデルのパラメータの連続性(滑らかさ)を最適化し、解を求めるようにしている。
とはいえ、係る最適化計算は非常に複雑であり、データのサンプリング点数が大きくなるに従い、計算量が莫大なものとなる。
また、非特許文献1などを用いて回転機器のモデルを作成しても、上手く表現できない事例もある。具体的には、回転機器の入力軸で計測される回転位相は角度θで示されるものであって、一方、データのサンプリング周期は時間で示される。しかしながら、回転位相θとサンプリング周期とは常に一対一で対応するものではなく、その対応関係は、回転機器の回転速度により様々に変化する。したがって、非特許文献1の技術を用いた回転機器のモデルといえども、回転機器の回転速度に影響を受ける虞が大きい。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、多関節ロボットなどに備えられた減速機のような周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を表現するモデルを作成する機器のモデルの作成方法、及びこのモデルを用いた機器の故障診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルを作成する方法は、周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を示す機器のモデルの作成方法において、入力側の位相θと前記機器の出力yとを表現するモデルを構築し、モデル化誤差が所定値以下の条件下で位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が最小となる、位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が所定値以下の条件下でモデル化誤差が最小となる、モデル化誤差と位相差に対する出力値の変化量とからなる評価関数が最小となる、のいずれか一つとなるように、前記モデル内の係数を決定することを特徴とする。
好ましくは、前記モデルが、前記機器の入力側又は出力側の回転の位相θと、慣性項Jと、粘性項Dと、角度伝達誤差項fとを基に、前記機器の出力側のトルクτを表現するものであるとよい。
好ましくは、前記モデルが、式(1)で表現されるとよい。
好ましくは、前記角度伝達誤差項fを算出するに際しては、前記回転の位相θでのサンプリング点における角度伝達誤差α,βを線形補間することで、時間サンプリング点における角度伝達誤差項fを求めるようにしているとよい。
好ましくは、前記角度伝達誤差項fが、式(2)で表現されるとよい。特に、減速機の場合、正転・逆転のギヤのかみ合いの違いなどの特性を表現するため、前記角度伝達誤差項fが、式(2)で表現されるとよい。
好ましくは、複数の時間サンプリング点における、式(1)及び式(2)で表現されたトルクτに関するモデルを求め、得られた複数のモデルからなる式(3)を求め、求めた式(3)に対して最適化手法を用いて、式(4)の制約条件を満たし、且つ式(5)の評価関数を満たす慣性項Jと粘性項Dとα〜α、β〜βを求めるとよい。
好ましくは、前記モデルが、前記機器の回転の位相θを基に、前記機器の角速度ω、角加速度α、トルクτ、吐出圧力P、吐出流量Qのいずれかを表現するものであるとよい。
好ましくは、前記モデルが、前記機器の回転の位相θを基に、前記回転θに依存しない成分を角速度ωから取り除いた値、前記回転θに依存しない成分を角加速度αから取り除いた値、前記回転θに依存しない成分をトルクτから取り除いた値、前記回転θに依存し
ない成分を吐出圧力Pから取り除いた値、前記回転θに依存しない成分を吐出流量Qから取り除いた値、のいずれかを表現するものであるとよい。
好ましくは、前記モデルが、式(6)〜(10)のいずれかで表現されるとよい。
好ましくは、前記回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを算出するに際しては、前記回転の位相θでのサンプリング点における正転時の回転位相θに応じて値が変動する非線形β、及び逆転時の回転位相θに応じて値が変動する非線形γを線形補間することで、時間サンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを求めるようにしているとよい。
好ましくは、式(15)の制約条件の下で、式(16)乃至は(17)の評価関数を満たすようにするとよい。
本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器の故障診断方法は、本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法で作成されたモデルを用いて、前記機器の故障状態及び/又は劣化状態を推定することを特徴とする。
好ましくは、前記モデル内の角度伝達誤差項f又は回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを用いて、前記機器の故障状態及び/又は劣化状態を推定するとよい。
好ましくは、前記モデル内の角度伝達誤差項f又は回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを周期的な運動を行う機構を備える機器における信頼性を評価する指標として用いるとよい。
本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びこのモデルを用いた機器の故障診断方法によれば、多関節ロボットなどに備えられた減速機のような機器の特性を示したモデルを作成することができ、作成したモデルを用いて、機器の正確な故障診断を行うことが可能となる。
本発明が適用される回転機器を模式的に示した図である。 モデルの角度伝達誤差項を線形補間して求めることを説明するための図である。 モデルの角度伝達誤差項が時間と共に変化する様子を示した図である。 回転機器に衝撃などが付与された場合におけるモデルの角度伝達誤差項が変化する様子を示した図である。 シミュレーションを行って作成した油圧ポンプから得られた計測データを示した図である(実験例1)。 総回転角度に対する油圧ポンプの吐出圧力Pの関係を示した図である。 油圧ポンプの吐出圧力Pの変動を、回転位相θごとに示した図である(m=360)。 油圧ポンプから得られた計測データを示した図である(実験例2)。 油圧ポンプの吐出圧力Pの変動を、回転位相θごとに示した図である(m=180)。 シミュレーションを行って作成したエンジンのデータを示した図である(実験例3)。 エンジンの角速度ω変化の変動を、回転位相θごとに示した図である(m=120)。
以下、本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びこのモデルを用いた機器の故障診断方法を、図面に基づき詳しく説明する。
なお、以下の説明では、周期的な運動を行う機構を備える機器4における特性を示すモデルを作成する対象として、多関節ロボットに備えられた減速機を例示する。その上で、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
また、本発明が適用される対象としては、多関節ロボットに備えられた減速機に限定されず、圧縮機や油圧ポンプなど、周期的な運動を行う機構を備える機器4であれば、どのようなものであってもよい。例えば、往復運動(ピストン運動)を行う機構を備えた機器や、振動運動(バイブレーション)を行う機構を備えた機器や、ウィービング機構を有する機器や、振り子運動を行う機構を備えた機器など、周期的な運動を行う機構を備えたあらゆる機器4に適用可能である。なお、以降の説明においては、上記した周期的な運動を行う機構を備えたあらゆる機器4を総称して「回転機器4」と呼ぶこともある。
まず、本発明に係る減速機のモデルの作成方法を述べる前に、減速機4が備えられた溶接用の多関節ロボットの概要について説明する。
例えば、溶接用の多関節ロボットは、垂直多関節型であって6関節を備え、先端軸に溶接トーチが設けられ、溶接トーチから送り出される溶接ワイヤによりアーク溶接が行われる。この多関節ロボットは、溶接開始点と溶接終了点とを結ぶ溶接線方向に移動しつつ、(ウィービング動作)を行うように教示されている。
図1に、この多関節ロボットの1つの関節軸1のモデルを示す。
図1に示すように、1つの関節軸1は、モータ2(電動モータ)と、そのモータ2により回動されるアーム3と、モータ2とアーム3とを接続する減速機4とを含んで構成される。
このような関節軸1を複数(6個)備える多関節ロボットは、以下に示すコントローラ5(制御装置)で制御される。
このコントローラ5は、多関節ロボットに設けられた溶接トーチを、予め教示したプログラムに従って、溶接線に倣ってウィービング動作して移動するように、多関節ロボットを制御する。教示プログラムは、コントローラ5に接続された教示ペンダントを使用して作成する場合や、上位コンピュータを利用したオフライン教示システムを使用して作成する場合がある。いずれの場合であっても、教示プログラムは、実際の動作の前に予め作成される。また、コントローラ5は、モータ2に対して回転角度や回転速度に関する指令値が入力されるようになっている。
一方、モータ2には計測用センサ6(エンコーダや回転トルク計など)が取り付けられていて、モータ2の出力軸、すなわち減速機4の入力軸の回転速度や回転トルクが計測される。その計測値が、コントローラ5に入力されるようになっている。
上記した多関節ロボットを用いてアーク溶接により複数の母材の溶接を行う際には、溶接電極を溶接方向に進ませつつ、溶接線の左右方向にウィービング動作をさせながら溶接するウィービング溶接が採用される。このウィービング溶接は、従来から、溶接トーチ自体を左右に揺動させるか、または溶接トーチ自体を中心として左右に傾動させることによ
り行っている。このようなウィービング溶接を多関節ロボットに行わせる場合、高い軌跡精度が要求される。このようなウィービング溶接を行わせる多関節ロボットにおいては、ロボットの動力伝達系における減速機4の特性、言い換えれば減速機4における動力伝達状況を把握することは、ロボットの動作状況を知る上で非常に重要である。
ところで、多関節ロボットでは、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)といわれる波動歯車減速機やRV減速機(登録商標)などが、前述した減速機4として採用されている。
このような減速機4における特性を解析するにあたっては、減速機4の回転速度の時系列データを計測し、その計測した時系列データを高速フーリエ変換(FFT)して、減速機4の周波数特性を取得する手法(例えば、特許文献1)や、角速度とトルクτを計測して、角加速度との関係を表すモデル(回転機器4の特性を示すモデル)を作る技術(例えば、非特許文献1)などが用いられている。
しかしながら、上記した従来手法では、「発明が解決しようとする課題」で精説したように、減速機4の回転速度に影響を受け、正確な特性を把握することは困難となる場合がある。特に、実作業中の多関節ロボットから得られたデータ(計測データ)を用いて、減速機4の特性を解析しようとした場合、減速機4の回転速度が一定であることは希であり、多くの場合、回転速度は大きく変化する。そのため、従来手法での正確な特性の把握は困難を極める。
また、角度伝達誤差fのように回転位置(回転位相θ)や回転方向に依存する特性を表現することができず、また、その特徴量を捉えることができない。
そこで、本願出願人らは、鋭意研究を重ねた結果、多関節ロボットなどに備えられた減速機4のような周期的な運動を行う機構を備える回転機器の特性を正確に表現するモデルを作成する方法を発明した。
次に、本発明に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法について、2つの事例を挙げて説明する。なお、1つ目の事例、すなわち第1実施形態の説明では、周期的な運動を行う機構を備える機器4における特性を示すモデルを作成する対象として、上記した多関節ロボットに備えられた減速機4を例示する。
まず、第1実施形態に係る減速機4における特性を示すモデルを作成する方法について、図を基に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る周期的な運動を行う機構を備える機器(減速機4)の特性を示す機器のモデルの作成方法は、入力側の位相θと前記機器の出力yとを表現するモデルを構築し、モデル化誤差が所定値以下の条件下で位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が最小となる、位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が所定値以下の条件下でモデル化誤差が最小となる、モデル化誤差と位相差に対する出力値の変化量とからなる評価関数が最小となる、のいずれか一つとなるように、前記モデル内の係数を決定する方法である。
減速機の特性を示すモデルを作成するにあたっては、減速機4の入力軸(入力側)又は出力軸(出力側)の回転位相θと、減速機4の慣性項Jと、減速機4の粘性項Dと、減速機4の周期的運動における回転位相θの特性、又は回転位相θと速度に応じた特性を表す角度伝達誤差項fを基に、減速機4の出力軸のトルクτを表現するようにする。
第1実施形態の角度伝達誤差項fは、角度誤差の伝達状況を表現する項である。例えば、減速機4の減速比を1/100とした場合、減速機4が動力を伝達する際には、減速機4を構成する歯車の加工誤差などに起因し、減速機4の減速比が瞬間的に1/99や1/101などごくわずかに変動することがある。このような変動を角度伝達誤差とし、この誤差を表現するものとして角度伝達誤差項fとしている。第1実施形態では、角度伝達誤差項fは、減速機4の入力軸の回転位置(回転位相θ)に応じて滑らかに変化する項としている。
なお、第1実施形態の角度伝達誤差項fは、上記した減速機4の出力軸に発生する角度伝達誤差のみならず、様々な回転機器4にて発生する角度伝達誤差を抽出した項としても
よい。
つまり、慣性項J及び粘性項Dは、減速機4の入力軸又は出力軸の回転にほとんど依存しないものとしている。
具体的には、第1実施形態のモデル(減速機4の特性を表すモデル)は、式(1)で表現される。
なお、式(1)の右辺に摩擦項などを含むようにしてもよい。
また、正回転と逆回転で減速機4の特性が変わらないもの、すなわち回転位相θのみによって減速機4の特性が決まるものについては、単にf(θ)とされ、式(1’)で表現される。
ここで、角度伝達誤差項fは、式(2)で表現される。
式(2)から明らかなように、この角度伝達誤差項fに関しては、回転位相θでのサンプリング点q(以降、位相サンプリング点qということもある)における角度伝達誤差α、βを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける角度伝達誤差項fを求めるようにしている。なお、角度伝達誤差βは、減速機4の入力軸側又は出力軸側の逆回転時の
パラメータである(バックラッシュ、ガタ、ヒステリシスなどの影響が含まれるので、α≠β)。
なお、回転方向によって減速機4の特性が変わらない場合には、式(2’)で表現される。
角度伝達誤差項fを線形補間にて求める理由は以下の通りである。
前述の如く、例えば、実作業中の多関節ロボットから得られたデータ(計測データ)を用いて、減速機4の特性を解析しようとした場合、減速機4の回転速度が一定であることは希であり、多くの場合、回転速度は大きく変化する。そのため、時間サンプリング点kでの減速機4の計測値が、回転位相θにおけるバラバラの位置(一対一に対応しない位置)にプロットされる。例えば、減速機4の入力軸又は出力軸の回転を1000回転分計測すると、膨大(数万点程度)な時間サンプリング点kでの計測データがバラバラにプロットされるようになる。また、式(3)のαやβのパラメータが、回転位置に対して等間隔にならないと、αやβが回転に対して滑らかに変化するということを表現する評価関数が式(4)で表現できなくなり、もっと複雑な式になってしまう。このように対応関係が未確定で且つ膨大なデータを用いたモデル計算は複雑なものとなり、計算量が膨大となってしまう。
それ故、図2に示す如く、第1実施形態では、式(2)のように、位相サンプリング点qにおける角度伝達誤差α、βを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける角度伝達誤差項fを求めるようにしている。
次に、以上述べた式(1)、式(2)からなる減速機4のモデルを用いて、減速機4の特性を求める方法、具体的には、モデル内の慣性項J、及び粘性項Dを求める方法を述べる。
まず、時間サンプリング点k毎に、減速機4における回転位相θ(k=1〜N)、回転角速度(k=1〜N)、回転角加速度(k=1〜N)、トルクτ(k=1〜N)を求める。その際、角度伝達誤差項fに関しては、位相サンプリング点qにおける角度伝達誤差α、βを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける角度伝達誤差項fを求めるようにしている。
具体的には、図2に示す如く、減速機4の入力軸又は出力軸の1回転分を複数の位相サンプリング点q(q=0〜m、m=360°)に分割して、1°ごとの角度伝達誤差αを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける角度伝達誤差項f(つまり、α(k))を求めるようにする。
以上のように、複数の時間サンプリング点k(k=1〜N)における、式(1)及び式(2)で表現されたトルクτに関する関係式を求め、それらを行列とベクトルからなる式の形にまとめたものが、式(3)である。
なお、ここで、式(3)において、λが含まれる2つの行列は一例を示しただけであり、各サンプル点におけるθ、θドットの値によって適切に(式(1)と式(2)が成り立つように)作成すればよい。
式(3)を解くことで、モデル内の慣性項J、及び粘性項D、α〜α、β〜βを求めることができ、ひいては、減速機4の特性を求めることが可能となる。
式(3)を解くにあたっては、最適化手法を採用することとする。すなわち、複数の時間サンプリング点における、式(1)及び式(2)で表現されたトルクτに関するモデルを求め、得られた複数のモデルからなる式(3)を求め、求めた式に対して最適化手法を用いて、式(4)の制約条件を満たし、かつ式(5)の評価関数をできるだけ小さくするような慣性項Jと粘性項Dとα〜α、β〜βを求めることとしている。
式(3)のモデルの誤差が与えられた許容誤差εより小さくなるという条件下で、式(4)をできるだけ小さくするということは、隣り合う位相サンプリング点qでの角度伝達誤差α、βの差が小さいように、言い換えれば、隣り合う位相サンプリング点qでの角度伝達誤差α、βが滑らかな変化をするように、式(3)の解(慣性項J、粘性項D、α〜α、β〜βなど)を求めることを意味している。
以上述べたように、第1実施形態に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデル
の作成方法を用いることで、回転機器4(減速機4)の入力軸又は出力軸の回転位相θと、慣性項Jと、粘性項Dと、角度伝達誤差項fとを基に、減速機4の出力軸のトルクτ(減速機4の特性)を表現するモデルを作成することができ、多関節ロボットなどの動作状況を把握することが可能となる。
言い換えれば、第1実施形態に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法は、回転位相θと慣性項Jと粘性項Dとに加えて、角度伝達誤差項fを用いて、回転位相θに対して滑らかに変化する特性(特徴量)を求めることができる。
さて、多関節ロボットなどの備えられている減速機4(回転機器)は、実作業を続けて行くうちに劣化乃至は故障するようになってくる。従来、減速機4の劣化や故障を診断する際には、減速機4を多関節ロボットから取り外したり、減速機4を所定の回転数にして診断をしなければならなかった。つまり、多関節ロボットの実作業を中断して、減速機4の劣化や故障の診断をしなければならない状況であった。
そこで、第1実施形態で作成したモデルを用いることで、実作業の中断を行わずに、減速機4の劣化や故障の診断を行うようにした。すなわち、第1実施形態に係るモデルの作成方法により作成されたモデルを用いることで、多関節ロボットの実作業を中断せずに、リアルタイムで減速機4の劣化や故障の診断(推定)を行えるようにした。なお、第1実施形態では、単軸のモータ・減速機系の試験装置の特性、つまり減速機4の劣化や故障の診断(推定)を行った。
以下に、減速機4の故障診断方法、言い換えれば減速機4の現在の状況を推定する方法について、説明する。
第1実施形態に係る減速機4のモデルは、減速機4の入力軸又は出力軸の回転位相θと、慣性項J及び粘性項D(共に一定値)と、モデル誤差を表現した角度伝達誤差項fとを基に、減速機4の出力軸のトルクτを表現している。
図3、図4は、ハーモニックドライブ(登録商標)で構成された減速機4をモデル化した上で、そのモデル内の角度伝達誤差項fが時間と共に変化する様子を示した図である。
ところで、減速機4を構成するハーモニックドライブ(登録商標)は、モータ2(電動モータ)などに備えられた回転駆動軸に連結する断面視で楕円形状のボス部と、ボス部が摺動自在に嵌め込まれ、且つ下流側に動力を伝達する歯車部と、歯車部が内挿されると共に内周壁に内歯が形成されたリング状のケーシング部と、を有している。すなわち、ハーモニックドライブ(登録商標)は、ボス部が楕円形であるため、ケーシング部の内歯と歯車部の長径側の外歯とが、常に2カ所(ボス部の長径の両側)で歯合され、動力を伝達するものとなっている。
このような構成を有するため、ハーモニックドライブ(登録商標)は、減速比が如何なるものであるとしても、入力軸が1回転すると、出力軸側に2回転分(2周期分)の波形が潜在的な振動として発現する特性を有している。
図3(a)は、減速機4が慣らし運転を行う前に、加減速や定速回転などの動作などを付与した上で、第1実施形態のモデルを計算し、そのモデル内の角度伝達誤差項fが時間と共に変化する様子を示した図である。図の中の横軸は、入力軸が回転角度(0〜360°)を示し、縦軸は、角度伝達誤差項fの値を示している。ここでは、回転角度1°ごとにα、βの値を設定した。すなわち、α〜α、β〜βに示すmの値を360とした。
図3(a)から明らかなように、入力軸が1回転すると、角度伝達誤差項fとして2周期分の滑らかな波形が得られる。これは、減速機4の出力軸側に発現する2周期分の波形と対応するものと考えられ、第1実施形態のモデルが減速機4の特性を忠実に再現していることを表している。
次に、図3(b)には、慣らし運転を始めて一定期間後の角度伝達誤差項fの波形が示されている。この図から明らかなように、慣らし運転から一定期間経た後の角度伝達誤差項fは、図3(a)に示す波形よりも小さな振幅となっている。この状況は、慣らし運転により減速機4がスムーズに動作するようになったことを示すものであり、このことから
も、第1実施形態のモデルが減速機4の特性を忠実に再現していると思われる。
図3(c)〜図3(f)は、減速機4が劣化し始めた際におけるモデルの角度伝達誤差項fを示す図である。
図3(c)〜図3(f)を見てみると、劣化後(さらに一定期間後)の角度伝達誤差項fの波形は、図3(a)や図3(b)に比べて角度伝達誤差項fの波形が不定周期となっていることがわかる。つまり、多関節ロボットに搭載の減速機4が劣化し始めた状態であると推定することができる。それゆえ、減速機4をこの状態のままにしておくと、故障する状況に陥る可能性がある。
特に、図3(f)を見てみると、さらに一定期間後の角度伝達誤差項fは、その波形の周期が増加し、約4周期になっていることがわかる。この状況は、減速機4(ハーモニックドライブ(登録商標))の劣化が進んでいると推測されるものである。
図4は、減速機4(ハーモニックドライブ(登録商標))が特殊な状況下になった場合におけるモデルの角度伝達誤差項fの変化を示す図である。
図4(a)には、検証のため、アーム3に衝撃を付与した後における減速機4、1回転分の角度伝達誤差項fの波形が示されている。この図から明らかなように、衝撃を付与された減速機4は、図3(a)や図3(b)に比べて角度伝達誤差項fの波形が不定周期となっていることがわかる。
図4(b)には、検証のため、意図的に組み付け不良を起こした場合を再現したときにおける、角度伝達誤差項fの波形が示されている。すなわち、減速機4を一度分解して、再組み立てた後の条件をモデルに付与し、計算を行った結果を示している。
例えば、図4(b)に示す減速機4は、再組み立てたときに、あえて回転駆動軸を誤った方法で取り付けた(回転駆動軸の軸心が傾いた状態など)ものとされている。そのため、出力軸には、不定周期の波形が出力されていると考えられる。その予想を反映するように、図4(b)では、角度伝達誤差項fの波形が不定周期として発現している。
上記のことから明らかなように、減速機4が劣化状態及び/又は故障状態になると、その状況に連動して、モデルの出力(特に、角度伝達誤差項fの値)が正常値から外れるものとなる。そのため、モデル内の角度伝達誤差項fを回転機器4(減速機)における信頼性を評価する指標として用いることができる。例えば、モデル内の角度伝達誤差項fが予め設定されている範囲内であれば、あるいは、同一機種の他の個体に比べて大きく外れているようであれば、回転機器4の信頼性が高い(故障していない)と判断することができる。
なお、上記例では、減速機4の入力軸の回転位相θ(回転位置)に応じて滑らかに変化する項fを設けたが、ハーモニックドライブ(登録商標)は厳密に言えば、入力軸側が1回転すると、出力軸側の歯車が2個分ずれる。したがって、出力軸側の歯車の特性も含めて特性を抽出するためには、入力軸側の歯車の同じ場所が、再度、出力軸側の同じ場所とかみ合うまでを1周期として考えてもよい。
以上述べたように、回転機器4の入力軸又は出力軸の回転位相θと、慣性項J及び粘性項Dと、回転位相θでのサンプリング点における角度伝達誤差α,βを線形補間して求めた時間サンプリング点kにおける角度伝達誤差項fとを基に、回転機器4の出力軸のトルクτを表現するモデル(回転位相θなどの周期に依存したモデル)を作成し、作成したモデルを用いて、多関節ロボットなどに備えられた回転機器4(減速機)の正確な故障診断を行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、2つ目の事例、すなわち第2実施形態の説明では、回転機器4の特性を示すモデルを作成する対象として、エンジン(図示せず)を例示する。なお、油圧モータ、圧縮機、空圧ポンプ、油圧ポンプ、モータなどを、回転機器4における特性を示すモデルを作成する対象としてもよい。
第2実施形態におけるエンジンの特性を示すモデルの作成方法は、第1実施形態で説明した減速機4の特性を示すモデルの作成方法とほぼ同じである。
すなわち、エンジンの特性を示すモデルの作成方法は、入力側の回転位相θとエンジン
の出力yとを表現するモデルを構築し、モデル化誤差が所定値以下の条件下で位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が最小となる、位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が所定値以下の条件下でモデル化誤差が最小となる、モデル化誤差と位相差に対する出力値の変化量とからなる評価関数が最小となる、のいずれか一つとなるように、モデル内の係数を決定する点が同じである。
一方で、第2実施形態のエンジンの特性を示すモデルを作成方法は、慣性項Jと粘性項Dが存在しない場合におけるモデルを作成する点が、第1実施形態と大きく異なる。
すなわち、トルクτと角速度ω、角加速度αの関係を表す物理法則に基づくモデル(運動方程式)をベースに角度伝達誤差項fの特性を抽出しようとしている第1実施形態に対し、第2実施形態では、物理モデルベースではなく、位相θによって変化する特性をそのまま抽出しようとしている。
以下に、エンジンの特性を示すモデルを作成する方法について述べる。
エンジンの特性を示すモデルを作成するにあたっては、まず、時間サンプリング点k毎に、エンジンにおける回転位相θ(k=1〜N)、角速度ω(k=1〜N)、角加速度α(k=1〜N)、トルクτ(k=1〜N)を求める。なお、油圧ポンプの特性を示すモデルを作成するにあたっては、時間サンプリング点k毎に、油圧ポンプにおける吐出圧力P(k=1〜N)、吐出流量Q(k=1〜N)を求めるようにするとよい。
すなわち、エンジンの回転位相θ、角速度ω、角加速度α、トルクτを、以下の式(6)〜式(8)のいずれかのモデルで表現する。なお、油圧ポンプの場合、吐出圧力P、吐出流量Qを、式(9)〜式(10)のいずれかのモデルで表現する。
第2実施形態における角速度ωのモデルは、式(6)で表現される。
なお、式(6)の角速度ωに関しては、回転位相θに依存しない成分を角速度ωから取り除いた値を用いてもよい。
式(6)で表現されたモデルは、例えば、一定の回転数で回転している(回転させようとしている)際のエンジンにおける、回転位相θ毎の回転速度のばらつきを捉えようとするものである。なお、仮に回転速度のばらつきがなければ、回転位相θに関わらず、角速度ωは一定となるので、f(θ)は定数となる。
また、第2実施形態における角加速度αのモデルは、式(7)で表現される。
なお、式(7)の角加速度αに関しては、回転位相θに依存しない成分を角加速度αから取り除いた値を用いてもよい。
式(7)で表現されたモデルは、例えば、一定回転数で回転している状態のエンジンにおける、回転位相θ毎の角加速度αのばらつきを捉えようとするものである。
また、第2実施形態におけるトルクτのモデルは、式(8)で表現される。
なお、式(8)のトルクτに関しては、回転位相θに依存しない成分をトルクτから取り除いた値を用いてもよい。
式(8)で表現されたモデルは、例えば、一定回転数で回転している状態のエンジンにおける、回転位相θ毎のトルクτのばらつきを捉えようとするものである。
一方、油圧ポンプの吐出圧力Pのモデルは、式(9)で表現される。
なお、式(9)の吐出圧力Pに関しては、回転位相θに依存しない成分を吐出圧力Pから取り除いた値を用いてもよい。
式(9)で表現されたモデルは、例えば、一定回転数で回転している(回転させようとしている)際の油圧ポンプにおける、回転位相θ毎の吐出圧力Pのばらつきを捉えようとするものである。
また、油圧ポンプの吐出流量Qのモデルは、式(10)で表現される。
なお、式(10)の吐出流量Qに関しては、回転位相θに依存しない成分を吐出流量Qから取り除いた値を用いてもよい。
式(10)で表現されたモデルは、例えば、一定回転数で回転している(回転させようとしている)際の油圧ポンプにおける、回転位相θ毎の吐出流量Qのばらつきを捉えようとするものである。
エンジンの回転位相θ、角速度ω、角加速度α、トルクτ、また油圧ポンプの吐出圧力P、吐出流量Qをモデルで表現する際、回転位相θに応じて値が変動する非線形項(回転位相θによるそれぞれの変化特性を表すモデル)fに関しては、位相サンプリング点qにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形β、乃至はβ,γを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを求めるようにしている。
具体的には、回転方向によってエンジンの特性が変わらない場合の回転位相θに応じて値が変動する非線形項fは、式(11)で表現される。なお、一方向のみ(正回転)に回転するのではなく、一方向とは反対の回転(逆回転)もあり得る回転位相θに応じて値が変動する非線形項fについては、式(12)で表現される。
式(11)から明らかなように、回転位相θに応じて値が変動する非線形項f(回転位相θに関するそれぞれの値を示すモデル)を算出するに際しては、回転位相θでのサンプリング点(代表点)における回転位相θに応じて値が変動する関数βを線形補間することで、時間サンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを求めるようにしている。
また、式(12)から明らかなように、エンジンが正回転及び逆回転の両方を行う場合の回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを算出するに際しては、回転位相θでのサンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する関数β,γを線形補間することで、時間サンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを求めるようにしている。
以上のように、複数の時間サンプリング点k(k=1〜N)における、式(6)〜(12)で表現された回転機器4の特性に関する関係式を求め、それらを行列とベクトルからなる式の形にまとめたものが、式(13)乃至は、式(14)である。
なお、ここで、式(13)乃至は、式(14)において、λが含まれる2つの行列は一例を示しただけであり、各サンプル点におけるθ、θドットの値によって適切に(式(6)〜式(12)が成り立つように)作成すればよい。
なお、第2実施形態においては、角速度ωのモデルの求め方(式(13)乃至は、式(14)の左辺)について例示したが、式(13)乃至は、式(14)は、角加速度α、トルクτ、吐出圧力P、吐出流量Qのモデルにも適用可能である。
式(13)乃至は、式(14)を解くことで、モデル内のβ〜β、γ〜γを求めることができ、ひいては、油圧ポンプの特性を求めることが可能となる。
式(13)乃至は、式(14)を解くにあたっては、最適化手法を採用することとする。すなわち、複数の時間サンプリング点における、式(6)〜式(8)、式(11)、式(12)で表現されたエンジンの特性に関するモデルを求め、得られた複数のモデルからなる式(13)乃至は、式(14)を求め、その求めた式に対して最適化手法を用いて、式(15)の制約条件を満たし、かつ式(16)乃至は式(17)の評価関数をできるだけ小さくするようなβ〜β、γ〜γを求めることとしている。
また、油圧ポンプの場合、複数の時間サンプリング点における、式(9)〜式(12)で表現された油圧ポンプの特性に関するモデルを求め、得られた複数のモデルからなる式(13)乃至は、式(14)を求め、その求めた式に対して最適化手法を用いて、式(15)の制約条件を満たし、かつ式(16)乃至は式(17)の評価関数をできるだけ小さくするようなβ〜β、γ〜γを求めることとしている。
また、εの値を調整して、得られたモデルの滑らかさ(位相変化に対する値変化の滑らかさ)と、モデル化誤差の大きさのバランスと、を最適化している。
以上述べたように、第2実施形態の周期的な運動を行う機構を備える機器4のモデルの作成方法を用いることで、エンジンの回転位相θと、回転位相θに応じて値が変動する非線形項fとを基に、エンジンの角速度ω、角加速度α、トルクτ(エンジンの特性)を表現するモデルを作成することができ、エンジンの動作状況を把握することが可能となる。
また、油圧ポンプの回転位相θと、回転位相θに応じて値が変動する非線形項fとを基に、油圧ポンプの吐出圧力P、吐出流量Q(油圧ポンプの特性)を表現するモデルを作成
することができ、油圧ポンプの動作状況を把握することも可能となる。
言い換えれば、第2実施形態に係る周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法は、回転位相θと回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを用いて、回転位相θに対して滑らかに変化する特性(特徴量)を求めることができる。
以下に、油圧ポンプの特性を示すモデルの作成方法の実験例、言い換えれば油圧ポンプの現在の状況を把握(推定)する方法の実験例について、説明する。
[実験例1]
まず、回転位相θに応じて値が変動する非線形βの値を回転角度1°ごとに設定した場合、すなわち、油圧ポンプの一回転を360等分(m=360)して、回転位相θのサンプル点β〜βを求めた場合について述べる。
図5は、実作業中において、一定回転数で回転させている油圧ポンプから得られた吐出圧力Pの計測データを示した図である。なお、図5中の横軸は、油圧ポンプの総回転数(回転速度の積分値[rad])を示し、縦軸は吐出圧力Pを無次元化したものを示している。
ここで、図5に示すデータから、図6に示すような油圧ポンプの総回転数に対する油圧ポンプの吐出圧力Pの関係を求める場合について考える(θ=0〜2π)。なお、図6中の横軸は、油圧ポンプの総回転数(回転速度の積分値[rad])を示し、縦軸は吐出圧力Pを無次元化したものを示している。
図5に示すように、時間サンプリング点kでの油圧ポンプの計測値が、膨大な量プロットされている。
しかしながら、図5、図6を参照するに、時間サンプリング点kでの油圧ポンプの計測値(吐出圧力P)は、回転位相θにおけるバラバラの位置(一対一に対応しない位置)にプロットされている。このような図5、図6に示す吐出圧力Pの計測データから、回転位相θに対する吐出圧力Pの関係(モデル)を抽出しようとしても、その計測データがバラバラの位置にプロットされ且つ膨大な量なので、困難を極める。
そこで、本発明のモデルの作成方法を用いて、油圧ポンプの特性を示すモデルを作成する。
時間サンプリング点k毎に、油圧ポンプにおける回転位相θ(k=1〜N)、吐出圧力P(k=1〜N)を求める。その際、回転位相θに応じて値が変動する非線形項fに関しては、油圧ポンプの入力軸又は出力軸の1回転分を複数の位相サンプリング点q(q=1〜m、m=360)に分割して、1°ごとの回転位相θに応じて値が変動する関数βを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形項f(つまり、β(k))を求める。
以上のように、複数の時間サンプリング点k(k=1〜N)における、式(9)で表現された吐出圧力Pに関する関係式を求め、それらを行列とベクトルからなる式の形にまとめる。すなわち、式(13’)のモデル(式(13)の左辺がPとなる)で表現する。
その式(13’)を解いて、吐出圧力Pのモデル内のβ〜βを求める(m=360)。すなわち、式(13’)を解くにあたっては、最適化手法を用いて、式(15)の制約条件(p=2)の元で、式(16)の評価関数(p=1)をできるだけ小さくするようなβ〜β、γ〜γを求める。
図7に示すように、式(16)の評価関数を最小化した結果、回転位相θと吐出圧力P
の関係を表すモデルが得られる。図7の横軸は回転位相θ[rad]であり、縦軸は吐出圧力Pの変動である。
以上述べたように、第2実施形態に係るモデルの作成方法を用いることで、図5に示すような外乱やノイズの非常に大きな計測データからでも、図7に示すような回転位相θに対する吐出圧力Pのばらつきの特徴を把握することができる。
[実験例2]
次に、回転位相θに応じて値が変動する関数βの値を回転角度2°ごとに設定した場合、すなわち、油圧ポンプの一回転を180等分(m=180)して、回転位相θのサンプル点β〜βを求めた場合について述べる。
図8は、実作業中において、一定回転数で回転させている油圧ポンプから得られた吐出圧力Pの計測データを示した図である。なお、図8中の横軸は、油圧ポンプの総回転数(回転速度の積分値[rad])を示し、縦軸は吐出圧力Pを無次元化したものを示している。
時間サンプリング点k毎に、油圧ポンプにおける回転位相θ(k=1〜N)、吐出圧力P(k=1〜N)を求める。その際、回転位相θに応じて値が変動する非線形項fに関しては、油圧ポンプの入力軸又は出力軸の1回転分を複数の位相サンプリング点q(q=1〜m、m=180)に分割して、2°ごとの回転位相θに応じて値が変動する関数βを線形補間することで、時間サンプリング点kにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形項f(つまり、β(k))を求める。
以上のように、複数の時間サンプリング点k(k=1〜N)における、式(9)で表現された吐出圧力Pに関する関係式を求め、それらを行列とベクトルからなる式の形にまとめる。すなわち、式(13’)のモデルで表現する。
その式(13’)を解いて、吐出圧力Pのモデル内のβ〜βを求める(m=180)。すなわち、式(13’)を解くにあたっては、最適化手法を用いて、式(15)の制約条件(p=1)の元で、式(16)の評価関数(p=2)をできるだけ小さくするようなβ〜β、γ〜γを求める。
図9は、油圧ポンプにおける吐出圧力Pのモデルを示した図である。なお、図9中の横軸は回転位相θ[rad]を示し、縦軸は油圧ポンプの吐出圧力Pを無次元化したものを示している。また、図9中において、グレー色のプロット点は計測データ(元データ)を示し、黒色のプロット点と黒実線は、求めた油圧ポンプにおける吐出圧力Pのモデルを示す。
以上述べたように、第2実施形態に係る本発明のモデルの作成方法を用いることで、図8に示すような外乱やノイズの非常に大きな計測データからでも、図9に示すような回転位相θに対する吐出圧力Pのばらつきの特徴を把握することができる。
また、エンジンの特性を示すモデルの作成方法の実験例、言い換えれば油圧ポンプ及びエンジンの現在の状況を把握(推定)する方法の実験例について、説明する。
[実験例3]
さらに、エンジンの故障診断方法、言い換えればエンジンの現在の状況を推定する方法について、説明する。
図10は、一定回転数で回転させているエンジン(図示せず)から得られた角速度ωの変化(≒角加速度α)の計測データを示した図である。なお、図10中の横軸は、エンジンの総回転数(回転速度の積分値[rad])を示し、縦軸はエンジンの回転数変化を示している。
回転位相θに応じて値が変動する関数βの値を回転角度3°ごとに設定した場合、すなわち、エンジンの一回転を120等分(m=120)して、回転位相θのサンプル点β〜βを求める。
まず、時間サンプリング点k毎に、エンジンにおける回転位相θ(k=1〜N)、角加速度ω(k=1〜N)を求める。その際、回転位相θに応じて値が変動する非線形項fに関しては、エンジンの出力軸の1回転分を複数の位相サンプリング点q(q=1〜m、m=120)に分割して、3°ごとの回転位相θに応じて値が変動する関数βを線形補間す
ることで、時間サンプリング点kにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形項f(つまり、β(k))を求める。
以上のように、複数の時間サンプリング点k(k=1〜N)における、式(6)で表現された角加速度ωに関する関係式を求め、それらを行列とベクトルからなる式の形にまとめる。すなわち、式(13)のモデルで表現する。
その式(13)を解いて、角加速度ωのモデル内のβ〜βを求める(m=120)。すなわち、式(13)を解くにあたっては、最適化手法を用いて、式(15)の制約条件(p=2)の元で、式(16)の評価関数(p=2)をできるだけ小さくするようなβ〜β、γ〜γを求める。
図11は、エンジンにおける角速度ωのモデルを示した図である。なお、図11中の横軸は回転位相θ[rad]を示し、縦軸はエンジンの角速度ω変化の変動を示している。また、図11中において、グレー色のプロット点は計測データ(元データ)を示し、黒色のプロット点と黒実線は、求めたエンジンにおける角速度ωのモデルを示す。
以上述べたように、第2実施形態に係る本発明のモデルの作成方法を用いることで、図10に示すような外乱やノイズの非常に大きな計測データからでも、図11に示すような回転位相θに対する角速度ωの微小な変化の特徴を把握することができる。
以上述べたように、一定に回転している回転機器4(油圧ポンプやエンジンなど)の入力軸又は出力軸の回転位相θと、回転位相θでのサンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する関数β,γを線形補間して求めた時間サンプリング点kにおける回転位相θに応じて値が変動する非線形項fとを基に、回転機器4の出力軸の角速度ω、角加速度α、トルクτ、吐出圧力P、吐出流量Qを表現するモデル(回転機器4の特性を示すモデル)を作成することができる。
さらに、その作成したモデルを用いて、油圧ポンプやエンジンなど一定に回転している回転機器4の正確な故障診断を行うことが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 関節軸
2 モータ
3 アーム
4 減速機(回転機器)
5 コントローラ
6 計測用センサ

Claims (14)

  1. 周期的な運動を行う機構を備える機器の特性を示す機器のモデルの作成方法において、
    入力側の位相θと前記機器の出力yとを表現するモデルを構築し、
    モデル化誤差が所定値以下の条件下で位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が最小となる、位相差に対する出力値の変化量(dy/dθの絶対値の大きさ)が所定値以下の条件下でモデル化誤差が最小となる、モデル化誤差と位相差に対する出力値の変化量とからなる評価関数が最小となる、のいずれか一つとなるように、前記モデル内の係数を決定する
    ことを特徴とする周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  2. 前記モデルが、前記機器の入力側又は出力側の回転の位相θと、慣性項Jと、粘性項Dと、角度伝達誤差項fとを基に、前記機器の出力側のトルクτを表現するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  3. 前記モデルが、式(1)で表現されることを特徴とする請求項2に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  4. 前記角度伝達誤差項fを算出するに際しては、
    前記回転の位相θでのサンプリング点における角度伝達誤差α,βを線形補間することで、時間サンプリング点における角度伝達誤差項fを求めるようにしている
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  5. 前記角度伝達誤差項fが、式(2)で表現されることを特徴とする請求項4に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  6. 複数の時間サンプリング点における、式(1)及び式(2)で表現されたトルクτに関するモデルを求め、
    得られた複数のモデルからなる式(3)を求め、
    求めた式(3)に対して最適化手法を用いて、式(4)の制約条件を満たし、且つ式(5)の評価関数を満たす慣性項Jと粘性項Dとα〜α、β〜βを求めることを特徴とする請求項5に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  7. 前記モデルが、前記機器の回転の位相θを基に、前記機器の角速度ω、角加速度α、トルクτ、吐出圧力P、吐出流量Qのいずれかを表現するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  8. 前記モデルが、前記機器の回転の位相θを基に、
    前記回転θに依存しない成分を角速度ωから取り除いた値、
    前記回転θに依存しない成分を角加速度αから取り除いた値、
    前記回転θに依存しない成分をトルクτから取り除いた値、
    前記回転θに依存しない成分を吐出圧力Pから取り除いた値、
    前記回転θに依存しない成分を吐出流量Qから取り除いた値、
    のいずれかを表現するものである
    ことを特徴とする請求項7に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  9. 前記モデルが、式(6)〜(10)のいずれかで表現される
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  10. 前記回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを算出するに際しては、
    前記回転の位相θでのサンプリング点における正転時の回転位相θに応じて値が変動する非線形β、及び逆転時の回転位相θに応じて値が変動する非線形γを線形補間することで、時間サンプリング点における回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを求めるようにしている
    ことを特徴とする請求項9に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  11. 式(15)の制約条件の下で、式(16)乃至は(17)の評価関数を満たすようにする
    ことを特徴とする請求項10に記載の周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載された周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法で作成されたモデルを用いて、
    前記機器の故障状態及び/又は劣化状態を推定することを特徴とする機器の故障診断方法。
  13. 前記モデル内の角度伝達誤差項f又は前記回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを用いて、
    前記機器の故障状態及び/又は劣化状態を推定することを特徴とする請求項12に記載の機器の故障診断方法。
  14. 前記モデル内の角度伝達誤差項f又は前記回転位相θに応じて値が変動する非線形項fを周期的な運動を行う機構を備える機器における信頼性を評価する指標として用いることを特徴とする請求項12又は13に記載の機器の故障診断方法。
JP2014228911A 2014-01-10 2014-11-11 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法 Pending JP2015149060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228911A JP2015149060A (ja) 2014-01-10 2014-11-11 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014003344 2014-01-10
JP2014003344 2014-01-10
JP2014228911A JP2015149060A (ja) 2014-01-10 2014-11-11 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015149060A true JP2015149060A (ja) 2015-08-20

Family

ID=53892334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014228911A Pending JP2015149060A (ja) 2014-01-10 2014-11-11 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015149060A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110161973A (zh) * 2018-02-13 2019-08-23 欧姆龙株式会社 模型预测控制装置、控制方法、信息处理程序及记录介质
CN111143987A (zh) * 2019-12-24 2020-05-12 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种飞机高升力系统动力学建模方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196876A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Ono Sokki Co Ltd 信号処理装置及び信号探索範囲の追従方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196876A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Ono Sokki Co Ltd 信号処理装置及び信号探索範囲の追従方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110161973A (zh) * 2018-02-13 2019-08-23 欧姆龙株式会社 模型预测控制装置、控制方法、信息处理程序及记录介质
CN110161973B (zh) * 2018-02-13 2022-04-05 欧姆龙株式会社 模型预测控制装置、控制方法、信息处理程序及记录介质
CN111143987A (zh) * 2019-12-24 2020-05-12 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种飞机高升力系统动力学建模方法
CN111143987B (zh) * 2019-12-24 2023-08-04 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种飞机高升力系统动力学建模方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10494911B2 (en) Plunger lift state estimation and optimization using acoustic data
EP1932629B1 (en) A method and a control system for monitoring the condition of an industrial robot
JP6120720B2 (ja) 周波数分析方法、及びこの周波数分析方法を用いた回転機器の診断方法
EP1955830B1 (en) A method and a control system for monitoring the condition of an industrial robot
JP6324641B1 (ja) 異常診断装置及び異常診断方法
JPWO2017213183A1 (ja) 異常診断装置及び異常診断方法
CN110914660B (zh) 齿轮箱监测
CN109583093A (zh) 一种考虑关节弹性的工业机器人动力学参数辨识方法
JP2015077643A (ja) 鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法、同定装置および同定用プログラム
JP7076756B2 (ja) ロボットキャリブレーションの品質を示す誤差パラメーターの値を決定するための方法および計算システム
CN109434873B (zh) 机器人关节伺服电机转矩常数的测量方法
JP2015149060A (ja) 周期的な運動を行う機構を備える機器のモデルの作成方法、及びそのモデルを用いた機器の故障診断方法
CN112975987A (zh) 一种基于动力学模型的骨科手术机器人控制方法
JP2017211829A (ja) パラメータ同定装置、モータ制御システム、パラメータ同定方法及びプログラム
JP6881673B2 (ja) 異常検出装置及び異常検出方法
US10294793B2 (en) PDM performance simulation and testing
JP2023095552A (ja) 駆動システムの状態推定装置および方法
US20220278638A1 (en) Characteristic evaluation device and characteristic evaluation method of shaft coupling
CN110887974A (zh) 一种柱塞泵转速测量方法和装置
Hao et al. A Physical Model based research for fault diagnosis of gear crack
CN109910056A (zh) 机器人一致性评估方法
CN111473899B (zh) 基于双扩展卡尔曼滤波估计串联粘弹性作动器力矩的方法
JP7260069B1 (ja) 異常検知装置、機械システム及び異常検知方法
Eichstädt Dynamic measurement analysis and the internet of things
Shivam et al. The Performance Prediction of HD Gear Reducer in Industrial Robots using Machine Learning Approach

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180418

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180426

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180608