JP2015148595A - 回路基板検査装置および回路基板検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板に配設されている導体部が微細であったり導体部のピッチが狭かったりする場合であっても回路基板を検査する。【解決手段】回路基板100に対して検査用電源Stが供給されている状態において回路基板100に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かの判別結果に基づいて回路基板100を検査する処理部21を備え、回路基板100の一面にに配設されている導体部に当接するように配置されてその導体部が通電状態のときに導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部、および発光部から射出された光を検出する検出部を有する検出ユニット16を備え、処理部21は、検出部による光の検出結果に基づいて一面に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かを判別する。【選択図】図1
Description
本発明は、回路基板に対して検査用電源が供給されている状態において回路基板に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かを判別してその判別結果に基づいて回路基板を検査する回路基板検査装置および回路基板検査方法に関するものである。
この種の回路基板検査装置として、下記特許文献1において出願人が開示した回路基板検査装置が知られている。この回路基板検査装置は、固定装置、2つのプロービング装置および制御部を備えて、回路基板に対する電気的検査を実行可能に構成されている。この場合、2つのプロービング装置の一方は、回路基板の一方の面に形成されている導体パターンにプローブユニットのプローブピンをプロービングさせ、2つのプロービング装置の他方は、回路基板の他方の面に形成されている導体パターンにプローブピンをプロービングさせる。また、制御部は、プローブピンを介して入力した電気信号に基づいて電気的検査を実行する。
ところが、上記した従来の回路基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、例えば、基板の一面に多数の導体部(半田バンプ)が狭ピッチで配設されると共に、基板の他面に導体部が比較的広いピッチで配設され、一面側の導体部と他面側の導体部とが基板内の内部配線で接続されている基板を従来の回路基板検査装置で検査するのが困難なことがある。具体的には、従来の回路基板検査装置では、各回路基板の両面にそれぞれ形成された導体部(導体パターン)にプローブピンをプロービングさせて電気的検査を実行している。しかしながら、集積回路の高集積化に伴って導体部の微細化や、導体部の狭ピッチ化が進んでいるのに対して、プローブピンの微細化やプローブピンの狭ピッチ化には限度がある。このため、この回路基板検査装置には、微細化され、また狭ピッチ化された各導体部にプローブピンを確実にプロービングさせることができずに、各導体部間の導通状態の良否の判別(各導体部が通電状態か非通電状態かの判別)が困難となり、この結果、回路基板の検査が困難となるおそれがある。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、回路基板に配設されている導体部が微細であったり導体部のピッチが狭かったりする場合であっても回路基板を検査し得る回路基板検査装置および回路基板検査方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、回路基板に対して検査用電源が供給されている状態において当該回路基板に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かの判別結果に基づいて当該回路基板を検査する検査部を備えた回路基板検査装置であって、前記回路基板の一面に配設されている前記導体部に当接または近接するように配置されて当該導体部が通電状態のときに当該導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部と、当該発光部から射出された前記光を検出する検出部とを備え、前記検査部は、前記検出部による前記光の検出結果に基づいて前記一面に配設されている判別対象の前記導体部が通電状態か非通電状態かを判別する。
また、請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記発光部は、非導電性および光透過性を有する板状またはシート状の基材と、当該基材の一面に配設された透明電極と、当該透明電極の表面に設けられて前記導体部と当該透明電極との間に生じる電界によって前記光を射出する発光層とを備えて構成されている。
また、請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項1または2記載の回路基板検査装置において、複数のプローブと、当該プローブを介して前記導体部に前記検査用電源を供給する電源部と、前記プローブと前記電源部との接続および非接続を切り替える接続部と、当該接続部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記接続部を制御して、複数の前記導体部に前記各プローブがそれぞれ接触している状態で当該各プローブを前記電源部に順次接続させると共に当該電源部に非接続の当該プローブを基準電位に接続する接続処理を実行し、前記検査部は、前記接続処理によって前記電源部に接続されている前記プローブを介して前記検査用電源が供給されるべき前記判別対象の導体部が通電状態か非通電状態かを判別する。
また、請求項4記載の回路基板検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の回路基板検査装置において、前記検出部は、固体撮像素子で構成されている。
また、請求項5記載の回路基板検査装置は、請求項1から4のいずれかに記載の回路基板検査装置において、前記検出部と前記発光部との間に配設されて前記光の焦点を補正する光学系を備えている。
また、請求項6記載の回路基板検査方法は、回路基板に対して検査用電源が供給されている状態において当該回路基板に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かの判別結果に基づいて当該回路基板を検査する回路基板検査方法であって、前記回路基板の一面に配設されている前記導体部が通電状態のときに当該導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部を当該導体部に当接または近接するように配置し、当該発光部から射出された前記光を検出し、当該光の検出結果に基づいて前記一面に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かを判別する。
請求項1記載の回路基板検査装置、および請求項6記載の回路基板検査方法では、回路基板の一面に配設されている導体部が通電状態のときに導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部を一面に配設されている導体部に当接または近接するように配置し、発光部から射出された光を検出部によって検出し、その検出結果に基づいて、一面に配設されている判別対象の導体部が通電状態か非通電状態かを判別する。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、一面に配設されている導体部に接触させるプローブを用いることなくこれらの導体部が通電状態か非通電状態かを判別することができるため、これらの導体部が微細であったりこれらの導体部のピッチが狭かったりしてこれらの導体部にプローブを接触させるのが困難な場合であっても、これらの導体部が通電状態か非通電状態かを確実に判別することができる結果、このような導体部が配設されている回路基板を確実に検査することができる。
また、請求項2記載の回路基板検査装置では、非導電性および光透過性を有する板状の基材と、基材の一面に配設された透明電極と、透明電極の表面に設けられて導体部と透明電極との間に生じる電界によって光を射出する発光層とを備えて構成された発光部を用いて導体部の通電状態を検出する。このため、この回路基板検査装置によれば、簡易な構成でありながら、発光部(発光層)における通電状態の導体部の対向部位を正確かつ確実に発光させることができる。したがって、この回路基板検査装置によれば、高精度での導体部の通電状態の検出、およびその検出結果に基づく高精度での回路基板の検査を低コストで行うことができる。
また、請求項3記載の回路基板検査装置によれば、複数の導体部に各プローブがそれぞれ接触している状態で接続部を制御して各プローブを電源部に順次接続させると共に電源部に非接続のプローブを基準電位に接続することにより、プローブから供給されている検査用電源が、各導体部の間の静電容量を介して検査対象外の導体部に加わったとしても、その検査用電源に基づく電流を電源部に非接続のプローブを介して基準電位に流すことができる。したがって、この回路基板検査装置によれば、発光部における通電状態の導体部に対向する対向部分だけを発光させることができるため、検査対象の導体部が通電状態か非通電状態かを正確に判別することができる。
また、請求項4記載の回路基板検査装置によれば、固体撮像素子で構成された検出部を用いることにより、発光部から射出された光を正確かつ確実に検出することができるため、導体部の通電状態の検出精度を向上させることができる。また、固体撮像素子で検出部を構成することにより、検出部を小形化することができるため、回路基板検査装置を小形化することができる。
また、請求項5記載の回路基板検査装置によれば、検出部と発光部との間に配設されて光の焦点を補正する光学系を備えたことにより、例えば、発光部を構成する基材や透明電極の厚みの影響で発光層から射出された光の焦点(画像のピント)がずれたとしても、発光部と検出部との間に配設した光学系によってそのずれを確実に補正することができるため、光の焦点のずれによって検出結果が不正確となる事態を確実に防止することができる。
以下、回路基板検査装置および回路基板検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す回路基板検査装置1について説明する。回路基板検査装置1は、回路基板検査装置の一例であって、後述する回路基板検査方法に従い、例えば、図2,3に示す回路基板100を検査可能に構成されている。
この場合、回路基板100は、一例として、電子部品が搭載されていないベアボードであって、図2,3に示すように、上面100a(両図における上側の表面であって、一面に相当する)に複数の導体部Taが狭ピッチで配設されると共に、下面100b(両図における下側の表面)に複数の導体部Tbが比較的広いピッチで配設され、各導体部Ta,Tbが内部に配設されている配線W(図3参照)によって互いに接続されて構成されている。
一方、回路基板検査装置1は、図1に示すように、保持部11、プローブユニット12、プロービング機構13、電源部14、スキャナ部15、検出ユニット16、移動機構17、記憶部18、表示部19、操作部20および処理部21を備えて構成されている。
保持部11は、図1に示すように、回路基板100の側部を挟持した状態で回路基板100を保持可能に構成されている。
プローブユニット12は、回路基板100の下面100bに配設されている各導体部Tbにそれぞれ接触(プロービング)させる複数のプローブ31(図1参照)を備えて治具型に構成されている。この場合、プローブユニット12は、各導体部Tbにプローブ31が1つずつ接触するように、各プローブ31の配列パターンが規定されている。
プロービング機構13は、処理部21の制御に従ってプロービング処理を実行する。このプロービング処理では、プロービング機構13は、プローブユニット12を上下方向に移動させて、プローブユニット12の各プローブ31を回路基板100の各導体部Tbに接触させ、また各導体部Tbから離間させる。
電源部14は、処理部21によって実行される検査処理の際に回路基板100に供給する(具体的には、プローブユニット12のプローブ31を介して回路基板100の導体部Ta,Tbおよび配線Wに供給する)検査用電源St(例えば、交流電流)を生成する。
スキャナ部15は、接続部に相当し、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成され、処理部21の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、プローブユニット12の各プローブ31と電源部14との接続および非接続(切断状態)を切り替える。
検出ユニット16は、回路基板100における下面100bの導体部Tbに検査用電源Stが供給されている状態において、回路基板100における上面100aの導体部Taが通電状態か非通電状態かを検出可能に構成されている。この場合、「通電状態」とは、導体部Taが配線Wによって接続されているべき導体部Tb(以下、「対応する導体部Tb」ともいう)と電気的に正常に接続されていて、対応する導体部Tbに供給された検査用電源Stが配線Wを介して導体部Taに供給されている状態(つまり、検査用電源Stが導通している状態)をいうものとする。また、「非通電状態」とは、導体部Taと対応する導体部Tbとが電気的に接続されておらず、対応する導体部Tbに供給された検査用電源Stが配線Wを介して導体部Taに供給されていない状態(つまり、検査用電源Stが導通していない状態)をいうものとする。
また、検出ユニット16は、図4に示すように、発光部61および検出部62を備えて構成されている。
発光部61は、図4に示すように、板状(または、シート状)に形成されている。また、発光部61は、図5に示すように、回路基板100の上面100aに配設されている導体部Ta(同図では、一部の導体部Ta1〜Ta5を図示している)に当接するように配置させられた状態において、導体部Taが通電状態のときに、導体部Taに対向する対向部分が光L(図5参照)を射出する(発光する)ように構成されている。具体的には、発光部61は、図4に示すように、基材71、透明電極72および発光層73を備えて構成されている。
基材71は、図4に示すように、非導電性および光透過性を有する材料(一例として、ガラス)によって板状(または、シート状)に形成されている。透明電極72は、一例として、ITO(酸化インジウムスズ)の薄膜で構成されて、基材71の下面(一面)71bに配設されている。また、透明電極72は、装置の基準電位(グランド電位)に接続される。
発光層73は、蛍光体材料やEL(electro-luminescence)材料で構成され、図4に示すように、透明電極72の表面(基材71の下面71bに接している面の反対側の面であって、同図における下側の面)に配設されている。この場合、発光層73は、蛍光体材料やEL材料を透明電極72の表面に塗布することによって透明電極72の表面に直接形成することもできるし、蛍光体材料やEL材料で膜状(シート状)に形成して透明電極72の表面に貼付することもできる。
この発光部61では、回路基板100の導体部Taが通電状態のときには、対応する導体部Tbに供給された検査用電源Stが配線Wを介して導体部Taに供給されて導体部Taと透明電極72との間に電位差が生じ、その電位差に応じて導体部Taと透明電極72との間に電界(電場)が発生して、その電界によって発光層73における導体部Taに対向する部分が励起されて光Lを射出する(発光する)。なお、光Lには、可視光および不可視光が含まれる。
検出部62は、光検出部に相当し、固体撮像素子の一例としてのCCD(Charge Coupled Device )イメージセンサで構成されて、発光部61から射出された光Lを検出して検出信号Sd(図1参照)を出力する。この場合、検出部62は、図4に示すように、発光部61における基材71の上面71aに下面が密着するように配置されている。
移動機構17は、処理部21の制御に従って移動処理を実行する。この移動処理では、移動機構17は、検出ユニット16を上下方向に移動させて、検出ユニット16(発光部61の発光層73)を回路基板100における上面100aの導体部Taに当接させ、また検出ユニット16を導体部Taから離間させる。
記憶部18は、処理部21によって実行される後述する検査処理において用いられる基板データDaを記憶する。この場合、基板データDaには、回路基板100における導体部Ta,Tbの配設位置を示す情報や、配線Wによって接続されている導体部Ta,Tbの組み合わせ(どの導体部Taがどの導体部Tbに接続されているか)を示す情報が含まれている。また、記憶部18は、検査処理の結果を記憶する。
表示部19は、処理部21の制御に従って各種の画像を表示する。具体的には、表示部19は、処理部21から出力される画像データDgに基づく画像Ge(図8,10,11参照)や、処理部21によって実行される検査処理の結果を示す画像を表示する。操作部20は、各種の操作ボタンを備え、操作ボタンが操作されたときに操作信号を出力する。
処理部21は、制御部として機能し、操作部20から出力される操作信号に従って回路基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。この場合、処理部21は、スキャナ部15を制御して、プローブニット12の各プローブ31とプローブニット12との接続および非接続を切り替えさせる接続処理を実行する。この接続処理では、処理部21は、回路基板100の導体部Tbにプローブニット12の各プローブ31がそれぞれ(1本ずつ)接触している状態において、各プローブ31を電源部14に順次接続させる。また、処理部21は、電源部14に非接続のプローブ31を基準電位(検出ユニット16の透明電極72が接続される電位と同電位)に接続させる。
また、処理部21は、検査部として機能し、検出ユニット16の検出部62から出力される検出信号Sd(検出部62による光Lの検出結果)に基づいて回路基板100の上面100aに配設されている導体部Ta(判別対象の導体部)が対応する導体部Tbと通電状態か非通電状態かを判別し、その判別結果に基づいて回路基板100の良否を検査する検査処理を実行する。
次に、回路基板検査装置1を用いて、図2,3に示す回路基板100を検査する回路基板検査方法について、図面を参照して説明する。
まず、検査対象の回路基板100を保持部11に保持させる。この場合、図1に示すように、回路基板100における対向する2つの側部を挟持した状態で保持させる。
次いで、操作部20を操作して、検査の開始を指示する。この際に、操作部20が操作信号を出力し、処理部21が操作信号に従って検査処理を実行する。この検査処理では、処理部21は、電源部14を制御して、検査用電源Stを出力させる。
続いて、処理部21は、プロービング機構13を制御して、プロービング処理を実行させる。このプロービング処理では、プロービング機構13は、図5に示すように、プローブユニット12を上向き移動させることによってプローブユニット12の各プローブ31(同図では、一部のプローブ31a〜31eを図示している)を回路基板100の下面100bに配設されている各導体部Tb(同図では、一部の導体部Tb1〜Tb5を図示している)にそれぞれ接触させる。
次いで、処理部21は、移動機構17を制御して、移動処理を実行させる。この移動処理では、移動機構17は、検出ユニット16を下向きに移動させることによって発光部61の発光層73を回路基板100における上面100aの導体部Taに当接させる。
続いて、処理部21は、記憶部18から基板データDaを読み出す。次いで、処理部21は、基板データDaに基づき、回路基板100の上面100aに配設されている導体部Taと下面100bに配設されている導体部Tbとの接続の組み合わせ(どの導体部Taがどの導体部Tbと、どの配線Wによって接続されているか)を特定する。
続いて、処理部21は、接続処理を実行する。この接続処理では、処理部21は、回路基板100の導体部Tbにプローブニット12の各プローブ31がそれぞれ接触している状態において、スキャナ部15を制御して、各プローブ31を電源部14に順次接続させる。具体的には、処理部21は、最初に、各プローブ31の中から、図5に示す導体部Tb1に接触しているプローブ31aを選択する。次いで、処理部21は、図6に示すように、プローブ31aと電源部14とを接続させる。この際に、プローブ31aを介して導体部Tb1に検査用電源Stが供給される。また、処理部21は、図6に示すように、電源部14に非接続のプローブ31(プローブ31b〜31e)を基準電位(検出ユニット16の透明電極72が接続される電位と同電位)に接続させる。
この場合、図6に示すように、導体部Tb1と導体部Ta1とが配線W1によって正常に接続されているときには、導体部Tb1から導体部Ta1に検査用電源Stが供給される。この際に、導体部Ta1と検出ユニット16の発光部61を構成する透明電極72(透明電極72における導体部Ta1に対向する対向部分)との間に電界(電場)が発生し、同図に示すように、発光部61を構成する発光層73における導体部Ta1に対向する対向部分(導体部Ta1に接触している接触部分)が電界によって励起されて光Lを射出する(発光する)。また、射出された光Lは、透明電極72および基材71を透過して、検出ユニット16の検出部62に入射する。
次いで、検出部62が入射した(発光層73から射出された)光Lを検出して検出信号Sdを出力する。続いて、処理部21が、検出信号Sdに基づいて画像データDgを生成して表示部19に出力することにより、図8に示すように、撮像結果を示す画像Geを表示部19に表示させる。この場合、同図では、マトリクス状に配列された矩形の各小領域が検出部62の各画素を示している。また、白色の各小領域が光Lを検出した部分(発光部61の発光層73における光Lの射出部分であって、導体部Ta1に対向する対向部分)を示している。この画像Geから、回路基板100における導体部Ta1の位置に相当する部分が発光していることを認識することができ、このことから、導体部Ta1が通電していることを認識することができる。
また、処理部21は、検出信号Sdおよび基板データDaに基づいて、導体部Ta1(電源部14に接続されているプローブ31aを介して検査用電源Stが供給されるべき判別対象の導体部)が通電状態か非通電状態かを判別する。具体的には、処理部21は、発光層73における光Lの射出位置を特定し、次いで、基板データDaに基づいて回路基板100の上面100a内における導体部Ta1の配設位置(図7参照)を特定する。続いて、処理部21は、特定した光Lの射出位置と導体部Ta1の配設位置とが一致したときには、導体部Ta1が通電状態であると判別する。また、処理部21は、その判別結果を記憶部18に記憶させる。
この場合、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、導体部Taが通電状態のときに導体部Taに対向する対向部分が光Lを射出する発光部61と、発光部61から射出された光Lを検出する検出部62とを用いて、導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別する。つまり、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、導体部Taに接触させるプローブを用いることなく導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別することが可能となっている。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、導体部Taが微細であったり導体部Taのピッチが狭かったりして、プローブを導体部Taに接触させるのが困難な場合であっても、導体部Taが通電状態か非通電状態かを確実に判別することが可能となっている。
ここで、電源部14に非接続のプローブ31(電源部14に接続されているプローブ31aを除くプローブ31b〜31e)を、基準電位(透明電極72が接続される電位と同電位)に接続していないときには(プローブ31b〜31eがフローティング状態のときには)、各導体部Ta,Tbの間の静電容量や各配線Wの間の静電容量を介して、プローブ31aから供給されている検査用電源Stが、プローブ31aが接触している導体部Tb1以外の導体部Tbや、導体部Tb1に接続されている配線W1以外の配線Wから導体部Ta1の近隣の導体部Ta(検査対象外の導体部Ta)にも加わることがある。このときには、検査対象外の導体部Taと透明電極72の対向部分との間にも電界が発生する結果、図9に示すように、導体部Ta1の位置に相当する部分が発光するだけでなく、検査対象外の導体部Taの位置に相当する部分も発光している画像Geが表示されることとなる。このため、このときには、画像Geから、検査対象の導体部Ta1が通電していることを明確に認識することが困難となり、導体部Ta1が通電状態か非通電状態かを正確に判別することが困難となるおそれがある。
これに対して、この回路基板検査装置1では、上記したように、電源部14に非接続のプローブ31(電源部14に接続されているプローブ31aを除くプローブ31b〜31e)を、基準電位(検出ユニット16の透明電極72が接続される電位と同電位)に接続するため、プローブ31aから供給されている検査用電源Stが、各導体部Ta,Tbの間の静電容量や各配線Wの間の静電容量を介して導体部Tb1以外の導体部Tbや配線W1以外の配線Wに加わったとしても、その検査用電源Stに基づく電流が非接続のプローブ31を介して基準電位に流れることとなる。したがって、この回路基板検査装置1では、図8に示すように、配線Wによって導体部Tbに正常に接続されている導体部Taの位置に相当する部分だけが発光している画像Geが表示されるため、導体部Ta1が通電していることを明確に認識することが可能な結果、導体部Ta1が通電状態か非通電状態かを正確に判別することが可能となっている。
次いで、処理部21は、スキャナ部15を制御して、プローブ31aに代えて、図5に示す導体部Tb2に接触しているプローブ31bを選択して、プローブ31bと電源部14とを接続させる。また、処理部21は、スキャナ部15を制御して、電源部14に非接続のプローブ31(プローブ31a,31c〜31e)を基準電位に接続させる。この場合、同図に示すように、導体部Tb2と導体部Ta2とが配線W2によって正常に接続されているときには、導体部Ta2に検査用電源Stが供給されて、発光部61の発光層73における導体部Ta2に対向する対向部分から光Lが射出される。
続いて、検出部62が光Lを検出して検出信号Sdを出し、処理部21が検出信号Sdに基づく画像データDgを表示部19に出力することにより、図10に示すように、撮像結果を示す画像Geを表示部19に表示させる。この場合、回路基板100における導体部Ta2の配設位置(図7参照)に相当する部分が白色で表示されるため、この画像Geから、この部分が発光していることを認識することができ、このことから、導体部Ta1が通電状態であることを認識することができる。
また、処理部21は、検出信号Sdに基づいて発光層73における光Lの射出位置を特定すると共に、基板データDaに基づいて回路基板100の上面100a内における導体部Ta2の配設位置(図7参照)を特定する。次いで、処理部21は、特定した光Lの射出位置と導体部Ta2の位置とが一致したときには、導体部Ta2が通電状態であると判別し、判別結果を記憶部18に記憶させる。
以下、処理部21は、スキャナ部15を制御して、電源部14に接続させるプローブ31、および基準電位に接続させるプローブ31を変更させて、上記した各処理(画像Geを表示させる処理、および導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別する処理)を実行する。この場合、図5に示すように、配線W3が断線していて、導体部Tb3と導体部Ta3とが正常に接続されていないときには、発光層73における導体部Ta3に対向する対向部分からは、光Lが射出されない(発光しない)こととなる。このため、図11に示すように、表示部19に表示される画像Ge内における、導体部Ta3の配設位置(図7参照)に相当する部分が、白色で表示されずに、黒色で表示される。このため、この画像Geから、この部分が発光してないことを認識することができ、このことから、導体部Ta3が非通電状態であることを認識することができる。
このように、導体部Ta3が非通電状態であるときには、処理部21は、導体部Ta3が通電状態か非通電状態かを判別する処理において、発光層73における光Lの射出位置を特定できないため、導体部Ta3が非通電状態であると判別してその判別結果を記憶部18に記憶させる。
続いて、処理部21は、導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別する処理を、すべての導体部Taについて行ったときには、その判別結果に基づいて回路基板100の良否を判定する。この場合、処理部21は、すべての導体部Taが通電状態であると判別したときには、回路基板100を良品と判定し、1つ以上の導体部Taが非通電状態であると判別したときには、回路基板100を不良と判定する。次いで、処理部21は、各導体部Taが通電状態か非通電状態かを示す画像や、回路基板100の検査結果を示す画像を表示部19に表示させて検査処理を終了する。
このように、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、導体部Taが通電状態のときに導体部Taに対向する対向部分が光Lを射出する発光部61を回路基板100の上面100aに配設されている導体部Taに当接するように配置し、発光部61から射出された光Lを検出部62によって検出し、その検出結果に基づいて、導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別する。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、導体部Taに接触させるプローブを用いることなく導体部Taが通電状態か非通電状態かを判別することができるため、導体部Taが微細であったり導体部Taのピッチが狭かったりして導体部Taにプローブを接触させるのが困難な場合であっても、導体部Taが通電状態か非通電状態かを確実に判別することができる結果、このような導体部Taが配設されている回路基板100を確実に検査することができる。
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、非導電性および光透過性を有する板状の基材71と、基材71の下面71bに配設されている透明電極72と、透明電極72の表面に設けられて導体部Taと透明電極72との間に生じる電界によって光Lを射出する発光層73とを備えて構成された発光部61を用いて導体部Taの通電状態を検出する。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、簡易な構成でありながら、発光部61(発光層73)における通電状態の導体部Taの対向部位を正確かつ確実に発光させることができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、高精度での導体部Taの通電状態の検出、およびその検出結果に基づく高精度での回路基板100の検査を低コストで行うことができる。
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、複数の導体部Tbに各プローブ31がそれぞれ接触している状態でスキャナ部15を制御して各プローブ31を電源部14に順次接続させると共に電源部14に非接続のプローブ31を基準電位に接続することにより、プローブ31から供給されている検査用電源Stが、各導体部Ta,Tbの間の静電容量や各配線Wの間の静電容量を介して検査対象外の導体部Ta,Tbや配線Wに加わったとしても、その検査用電源Stに基づく電流を電源部14に非接続のプローブ31を介して基準電位に流すことができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、発光部61における通電状態の導体部Taに対向する対向部分だけを発光させることができるため、導体部Taが通電状態か非通電状態かを正確に判別することができる。
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、固体撮像素子で構成された検出部62を用いることにより、発光部61から射出された光Lを正確かつ確実に検出することができるため、導体部Taの通電状態の検出精度を向上させることができる。また、固体撮像素子で検出部62を構成することにより、検出部62を小形化することができるため、検出ユニット16および回路基板検査装置1を小形化することができる。
なお、回路基板検査装置および回路基板検査方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、発光部61(基材71の上面71a)と検出部62とが密着するように配置した検出ユニット16を用いる構成および方法について上記したが、発光部61と検出部62とを密着させずに、発光部61に対してやや離間させた状態(近接させた状態)で検出部62を配置した検出ユニット16を用いる構成および方法を採用することもできる。
また、離間させた発光部61と検出部62との間に、光Lの焦点補正用の光学系を配設する構成を採用することもできる。この構成では、例えば、発光部61を構成する基材71や透明電極72の厚みの影響で発光層73から射出された光Lの焦点(画像のピント)がずれたとしても、発光部61と検出部62との間に配設した光学系によってそのずれを確実に補正することができるため、光Lの焦点のずれによって検出結果が不正確となる事態を確実に防止することができる。
また、上記した構成および方法では、発光部61を回路基板100の上面100aに配設されている導体部Taに当接するように配置したが(図5参照)、発光部61を導体部Taに近接するように(導体部Taからやや離間するように)配置してもよい。
また、固体撮像素子としてのCCDイメージセンサで構成された検出部62を用いる例について上記したが、固体撮像素子としてのCMOSイメージセンサで構成された光検出部を用いる構成および方法を採用することもできる。また、固体撮像素子以外の撮像素子(例えば、撮像管)で構成された光検出部を用いる構成および方法を採用することもできる。
1 回路基板検査装置
14 電源部
15 スキャナ部
21 処理部
31 プローブ
61 発光部
62 検出部
71 基材
71a 上面
71b 下面
72 透明電極
73 発光層
100 回路基板
100a 上面
L 光
St 検査用電源
Ta 導体部
14 電源部
15 スキャナ部
21 処理部
31 プローブ
61 発光部
62 検出部
71 基材
71a 上面
71b 下面
72 透明電極
73 発光層
100 回路基板
100a 上面
L 光
St 検査用電源
Ta 導体部
Claims (6)
- 回路基板に対して検査用電源が供給されている状態において当該回路基板に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かの判別結果に基づいて当該回路基板を検査する検査部を備えた回路基板検査装置であって、
前記回路基板の一面に配設されている前記導体部に当接または近接するように配置されて当該導体部が通電状態のときに当該導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部と、当該発光部から射出された前記光を検出する検出部とを備え、
前記検査部は、前記検出部による前記光の検出結果に基づいて前記一面に配設されている判別対象の前記導体部が通電状態か非通電状態かを判別する回路基板検査装置。 - 前記発光部は、非導電性および光透過性を有する板状またはシート状の基材と、当該基材の一面に配設された透明電極と、当該透明電極の表面に設けられて前記導体部と当該透明電極との間に生じる電界によって前記光を射出する発光層とを備えて構成されている請求項1記載の回路基板検査装置。
- 複数のプローブと、当該プローブを介して前記導体部に前記検査用電源を供給する電源部と、前記プローブと前記電源部との接続および非接続を切り替える接続部と、当該接続部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記接続部を制御して、複数の前記導体部に前記各プローブがそれぞれ接触している状態で当該各プローブを前記電源部に順次接続させると共に当該電源部に非接続の当該プローブを基準電位に接続する接続処理を実行し、
前記検査部は、前記接続処理によって前記電源部に接続されている前記プローブを介して前記検査用電源が供給されるべき前記判別対象の導体部が通電状態か非通電状態かを判別する請求項1または2記載の回路基板検査装置。 - 前記検出部は、固体撮像素子で構成されている請求項1から3のいずれかに記載の回路基板検査装置。
- 前記検出部と前記発光部との間に配設されて前記光の焦点を補正する光学系を備えている請求項1から4のいずれかに記載の回路基板検査装置。
- 回路基板に対して検査用電源が供給されている状態において当該回路基板に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かの判別結果に基づいて当該回路基板を検査する回路基板検査方法であって、
前記回路基板の一面に配設されている前記導体部が通電状態のときに当該導体部に対向する対向部分が光を射出する発光部を当該導体部に当接または近接するように配置し、当該発光部から射出された前記光を検出し、当該光の検出結果に基づいて前記一面に配設されている導体部が通電状態か非通電状態かを判別する回路基板検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014233495A JP2015148595A (ja) | 2014-01-07 | 2014-11-18 | 回路基板検査装置および回路基板検査方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014000691 | 2014-01-07 | ||
JP2014000691 | 2014-01-07 | ||
JP2014233495A JP2015148595A (ja) | 2014-01-07 | 2014-11-18 | 回路基板検査装置および回路基板検査方法 |
Publications (1)
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JP2015148595A true JP2015148595A (ja) | 2015-08-20 |
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Family Applications (1)
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JP2014233495A Pending JP2015148595A (ja) | 2014-01-07 | 2014-11-18 | 回路基板検査装置および回路基板検査方法 |
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2014
- 2014-11-18 JP JP2014233495A patent/JP2015148595A/ja active Pending
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