JP2015146374A - コンデンサ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、例えば高温下で高い直流電圧を長時間負荷し続けても静電容量の減少が少ないような、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有する、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくフィルムコンデンサ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子の製造方法であって、厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に、金属蒸着膜を形成して金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程、金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する工程、及び、フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で30時間を超える熱処理を施す工程、を含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動モータを制御するインバータ電源回路において好適に使用される、小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有する、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子の製造方法に関する。
金属化ポリプロピレンフィルムに基づくフィルムコンデンサ素子は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが有する優れた耐電圧性能、低い誘電損失特性などの電気特性、さらには高い耐湿性を生かして、高電圧コンデンサや、各種スイッチング電源、コンバータ、インバータ等のフィルタ用コンデンサ及び平滑用コンデンサとして好ましく用いられている。特に、近年需要が高まっている電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動モータを制御するインバータ電源回路において、上記フィルムコンデンサ素子は平滑用コンデンサとして用いられ始めている。
このような自動車等に用いられるインバータ電源機器用コンデンサに対しては、車両の小型化と軽量化に伴い、コンデンサを構成するコンデンサ素子自体のさらなる小型化が求められている。コンデンサ素子を小型化するためには、コンデンサ用の誘電体フィルムとして高延伸性能を有するポリプロピレンフィルムを用いて、例えば1〜6μmの厚みに極薄化することが考えられる。その一方で、極薄化されたフィルムであっても、より高温下で、より高い直流電圧を印加しても絶縁破壊されない高い耐電圧性が必要とされ、また、そのようなフィルムに基づくコンデンサ素子においては、より高温下、より高い電圧を、より長い時間負荷し続けても破壊されない長期耐用性(静電容量の時間変化の最小化)を向上させることが必要とされる。
特許文献1には、1.0以上8.0μm以下の厚みを有する極薄の二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、高温下で高い耐電圧性を有する金属化フィルムコンデンサの誘電体フィルムを得るために、分子量、分子量分布及びメソペンタッド分率の特定されたフィルムとすることが提案されている。しかし、コンデンサ素子自体のさらなる小型化と高温下での高い耐電圧性及び長期耐用性に関する近年の市場からの高度な要請に対して必ずしも十分とは言えない場合があった。
フィルムコンデンサ素子の耐電圧性の向上をフィルム自体の耐電圧性の向上によって達成する方法は、古くから提案されている。しかし、フィルム自体の性能が高くても、コンデンサ素子の作製方法によっては、その性能を十分に発揮できないことがあった。
また、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子において、コンデンサを作製する際の素子巻きを容易にする目的、さらには加工する際の滑り性を向上させる目的、また、油含浸型コンデンサの場合には油含浸性を向上させる目的で、ポリプロピレンフィルム表面を適度に微細粗面化することが行われる。しかし、微細粗面化されたフィルムを巻回してコンデンサ素子を作製するとフィルム間に空隙が生じることがあった。この状態で電極間に高電圧を印加すると、空隙でコロナ放電が発生し、フィルムに放電劣化が起こってしまうことがあり、結果としてコンデンサとしての性能低下などの著しい悪影響を招き、さらには素子破壊にまで至るものもあった。
例えば特許文献2には、このような空隙を無くすため、絶縁物質を含有するフィルムを誘電体として形成されたコンデンサ素子に熱処理を施すことによって、絶縁物質が誘電体表面にわきでてフィルム間の空隙を満たす方法が提案されている。しかし、高温・高電圧のような過酷な条件下では、フィルムに混入された物質が異物としてフィルム自体の絶縁性を損ない、逆にコンデンサ素子の性能を低下させることがあった。
また、特許文献3には、熱収縮率が特定されたポリプロピレンフィルムの両面に金属蒸着が形成された両面金属化フィルムと、合わせ用のポリプロピレンフィルムとを対向するように巻回し、熱エージングすることによって、フィルム相間のエアーギャップを小さくし、低温でのコンデンサ素子の耐電圧性を向上させることが提案されている。しかし、熱エージングの温度や時間に関して具体的な記述がなく、高温での耐電圧性に与える影響については検討がなされていない。また、例えば6μmに満たない極薄のフィルムに対しては、両面蒸着を行うことすらも現状では困難である。
特許文献4には、金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサにおいて、高電圧・高周波使用時のうなり音を低減させるために、ポリプロピレンフィルムを巻回したコンデンサ素子を特定の圧力及び温度下で熱プレスし、メタリコン部を形成した後、特定の温度下で熱エージングを施す方法が提案されている。しかし、コンデンサ素子の耐電圧性については、通電試験後の破壊電圧に関して検討するのみであって、インバータ電源機器用コンデンサで重要視される長期耐用性に関して何ら着目したものではなかった。
国際公開第2009/060944号明細書 特開昭62−188212号公報 特開2002−367854号公報 特開2009−21411号公報
このように、小型かつ大容量型のコンデンサ素子において、さらなる小型化と高温下での高い耐電圧性及び長期耐用性に関する近年の市場からの高度な要請を十分に満足する金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子を得ることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、例えば高温下で高い直流電圧を長時間負荷し続けても静電容量の減少が少ないような、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有する、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくフィルムコンデンサ素子の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、以下に記載する手段により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子の製造方法であって、
厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に、金属蒸着膜を形成して金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程、
金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する工程、及び、
フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で30時間を超える熱処理を施す工程、
を含む方法。
〔2〕フィルムコンデンサ素子を作製する前記工程において、得られた巻回物に対し、10×10〜450×10Paの圧力下、100〜120℃の温度で5時間以上の熱処理を施す、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
・重量平均分子量Mwが25万以上45万以下、
・重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnが5以上12以下、及び
・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が8.0%以上18.0%以下
であるポリプロピレン樹脂Aを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
・重量平均分子量Mwが30万以上40万以下、
・重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnが7以上9以下、
・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が1.0%以上8.0%未満
であるポリプロピレン樹脂Cをさらに含む、前記〔3〕に記載の方法。
本発明によれば、小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有する、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子を製造するための方法を提供できる。
本発明の方法によって得られるコンデンサ素子は、高電圧及び耐熱性が要求される自動車や電力の用途に用いられる小型かつ大容量型のコンデンサに好ましく利用できる。
本発明の一実施形態において、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとを交互に積層されるように重ね合わせて得られる、2枚1対の金属化ポリプロピレンフィルムを示す概略断面図
本発明は、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子の製造方法であって、
厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に、金属蒸着膜を形成して金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程、
金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する工程、及び、
フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で30時間を超える熱処理を施す工程、
を含む。
金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程では、厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に金属蒸着膜を形成する。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、一種のみのポリプロピレン樹脂であってよいが、二種以上のポリプロピレン樹脂であってもよい。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、重量平均分子量Mwが25万以上45万以下であるポリプロピレン樹脂Aを含むことが好ましい。ポリプロピレン樹脂Aを含むポリプロピレン樹脂を用いると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られるためキャスト原反シートの厚さの制御が容易となり、小型かつ大容量型のコンデンサ素子の形成に適した極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることが容易となる。また、キャスト原反シート及び延伸フィルムの厚みムラが発生し難くなるため、好ましい。ポリプロピレン樹脂Aの重量平均分子量Mwは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みの均一性、力学特性、熱−機械的特性等の点で30万以上であることがより好ましく、樹脂流動性が優れ、極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得る際の延伸性に優れる点で40万以下であることがより好ましい。
上記ポリプロピレン樹脂Aは、更に、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnが5以上12以下であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂Aが上記範囲の分子量分布を有すると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることが容易となり、しかも耐電圧性が良好な二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。ポリプロピレン樹脂Aの分子量分布Mw/Mnは、7以上であることがより好ましく、更に好ましくは7.5以上であり、12以下であることが好ましく、更に好ましくは11以下である。
上記ポリプロピレン樹脂Aは、更に、Z平均分子量Mz/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mz/Mnが20以上70以下であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂Aが上記範囲の分子量分布を有すると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることが容易となり、しかも耐電圧性が良好な二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。ポリプロピレン樹脂Aの分子量分布Mz/Mnは、25以上であることがより好ましく、更に好ましくは30以上であり、60以下であることが好ましく、更に好ましくは50以下である。
ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、及び分子量分布Mw/Mn並び分子量分布Mz/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって測定することができる。GPC法に使用されるGPC装置には特に制限はなく、ポリオレフィン類の分子量分析が可能な市販の高温型GPC装置、例えば、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機、HLC−8121GPC−HT等が利用できる。この場合、例えば、GPCカラムとして東ソー株式会社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結させたものが用いられ、カラム温度は140℃に設定され、溶離液にはトリクロロベンゼンが用いられ、流速1.0ml/分にて測定される。通常、検量線の作製には標準ポリスチレンが用いられ、測定結果がポリプロピレン値に換算される。こうして得られる重量平均分子量の対数値を、対数分子量(「Log(M)」)と称する。
上記ポリプロピレン樹脂Aは、更に、分子量微分分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が、Log(M)=6.0のときの微分分布値100%(基準)に対して、8.0%以上18.0%以下であり、10.0%以上17.0%以下であることが好ましく、12.0%以上16.0%以下であることがより好ましい。このことは、対数分子量Log(M)が4〜5の間、つまり重量平均分子量より低分子量側の分子量1万から10万の成分(以下、低分子量成分とも称する)の分布値が、重量平均分子量より高分子量側のLog(M)=6前後(分子量100万前後)の成分(以下、高分子量成分とも称する)の分布値に比較してある程度高い構成であることを意味している。ここで、低分子量成分の代表値としてLog(M)=4.5における微分分布値を、高分子量成分の代表値としてLog(M)=6のときの微分分布値を採用している。
ポリプロピレン樹脂Aの有するMwの値(25万〜45万)より、低分子量側の分子量1万から10万の成分(以下、「低分子量成分」ともいう)の代表的な分布値として対数分子量Log(M)=4.5の成分を、高分子量側の分子量100万前後の成分(以下、「高分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としてLog(M)=6.0前後の成分と比較すると、低分子量成分の方が8.0%以上18.0%以下の割合で多いことが理解される。
つまり、分子量分布Mw/Mnの範囲が規定されたとしても単に分子量分布幅の広さを表しているに過ぎず、その中の高分子量成分と低分子量成分の量的な関係までを表すものではない。そこで、本発明におけるポリプロピレン樹脂Aは、所定の分子量分布を有すると同時に、上記のように、分子量1万から10万の成分を、分子量100万の成分と比較して、8.0%以上18.0%以下の割合で多く含むことが好ましい。
このように、ポリプロピレン樹脂Aは、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が、Log(M)=6.0のときの微分分布値を100%(基準)に対して所定範囲であるため、低分子量成分が高分子量成分と比較して所定の割合で多く含まれることとなる。その結果、結晶子サイズがより小さくなり、所望の配向性及び粗化された表面を得やすくなり、好ましい。
このような微分分布値は、GPCを用いて、次のようにして得ることができる。GPCの示差屈折検出計(RI検出計)によって得られる、時間に対する強度を示す曲線(一般には、「溶出曲線」ともいう)を、標準ポリスチレンを用いて得た検量線を使用して、時間軸を対数分子量(Log(M))に変換することにより、溶出曲線をLog(M)に対する強度を示す曲線に変換する。RI検出強度は、成分濃度と比例関係にあるので、強度を示す曲線の全面積を100%とすると、対数分子量Log(M)に対する積分分布曲線を得ることができる。微分分布曲線は、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによって得られる。したがって、「微分分布」とは、濃度分率の分子量に対する微分分布を意味する。本発明では、この曲線から、特定のLog(M)のときの微分分布値を読む。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂全体100質量%を基準として、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であって、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下のポリプロピレン樹脂Aを主要ポリプロピレン樹脂として含む。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂に含まれる主要ポリプロピレン樹脂としてのポリプロピレン樹脂Aは、好ましくはアイソタクチックポリプロピレンであって、オレフィン重合用触媒の存在下にポリプロピレンを単独で重合することによって得られるアイソタクチックポリプロピレンのホモポリマーであることがより好ましい。
主要ポリプロピレン樹脂としてのポリプロピレン樹脂Aは、メソペンタッド分率([mmmm])が、94.0%以上98.0%未満であることが好ましく、95.0%以上97.0%以下であることがより好ましい。このようなメソペンタッド分率([mmmm])であると、適度に高い立体規則性によって樹脂の結晶性が適度に向上し、初期耐電圧性及び長期間に渡る耐電圧性が向上する一方、キャスト原反シートを成形する際の適度な固化(結晶化)速度によって所望の延伸性を得ることができる。
メソペンタッド分率([mmmm])は、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって得ることができる立体規則性の指標である。具体的には、例えば、日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)、JNM−ECP500を利用して測定することができる。観測核は、13C(125MHz)であり、測定温度は、135℃、溶媒には、o−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1)を用いることができる。高温NMRによる測定方法は、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、第610頁」に記載の方法を参照して行うことができる。
測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は、9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準は、CH(mmmm)=21.7ppmとすることができる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmm及びmrrm等)に由来する各シグナルの強度の積分値に基づいて百分率で計算される。mmmm及びmrrm等に由来する各シグナルは、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等を参照して帰属することができる。
本発明の一つの実施形態において、ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、前記ポリプロピレン樹脂Aを含む2種以上のポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂のうち、主要ポリプロピレン樹脂としてのポリプロピレン樹脂Aと共に好適に用いられるポリプロピレン樹脂としては、長鎖分岐ポリプロピレン樹脂(以下、「添加ポリプロピレン樹脂B」とも称する)や、ポリプロピレン樹脂Aとはその分子量微分分布曲線が異なるポリプロピレン樹脂(以下、「添加ポリプロピレン樹脂C」とも称する)などが挙げられる。これらの樹脂は、その重合粉あるいはペレットをミキサー等によってドライブレンドする方法、その重合粉あるいはペレットを混練機によって溶融混練してブレンド樹脂を得る方法などを含む非限定的な任意の混合方法に従って混合してよい。
長鎖分岐ポリプロピレン樹脂(添加ポリプロピレン樹脂B)は、高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合し、又はポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させることによって溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂であって、ポリプロピレンフィルムの表面平滑化や耐熱性を向上させること等を目的として、ポリプロピレン樹脂Aと共に用いることができる。このような長鎖分岐ポリプロピレン樹脂の市販製品としては、Basell社製のProfax PF−814、Borealis社製のDaploy HMS−PP(WB130HMS、WB135HMS、WB140HMS等)などが例示できる。
添加ポリプロピレン樹脂Bとしての長鎖分岐ポリプロピレン樹脂は、上記目的で、ポリプロピレン樹脂全体100質量%を基準として、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であって、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは2.5質量%の量で配合される。添加ポリプロピレン樹脂Bを配合することにより、得られるフィルムの表面を適度に平滑化することができ、また、フィルムの融点が高くなるため耐熱性を向上させることができる。
上記の添加ポリプロピレン樹脂Cは、ポリプロピレン樹脂Aとはその分子量微分分布曲線が異なるポリプロピレン樹脂であって、その重量平均分子量Mwは好ましくは30万以上40万以下、より好ましくは33万以上38万以下であり、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnは好ましくは7以上9以下、より好ましくは7.5以上8.5以下である。
添加ポリプロピレン樹脂Cは、更に、Z平均分子量Mz/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mz/Mnが20以上70以下であることが好ましい。添加ポリプロピレン樹脂Cが上記範囲の分子量分布を有すると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ることが容易となり、しかも耐電圧性が良好な二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。添加ポリプロピレン樹脂Cの分子量分布Mz/Mnは、25以上であることがより好ましく、更に好ましくは30以上であり、60以下であることが好ましく、更に好ましくは50以下である。
添加ポリプロピレン樹脂Cは、更に、分子量微分分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が、Log(M)=6.0のときの微分分布値100%(基準)に対して、1.0%以上8.0%未満であり、3.0%以上7.5%以下であることが好ましく、5.0%以上7.5%以下であることがより好ましい。この点で、添加ポリプロピレン樹脂Cは、上記のポリプロピレン樹脂Aとは明確に区別される。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂が上記のポリプロピレン樹脂A及び添加ポリプロピレン樹脂Cを含む場合には、微分分布値の差、即ち、分子量分布の構成に相違のある2種のポリプロピレン樹脂を含むことになる。2種のポリプロピレン樹脂に含まれる高分子量成分と低分子量成分の量的な関係が微妙に異なると、得られるポリプロピレンフィルム中である種の微細混合(相分離)状態が生じて、好適に微細化された結晶サイズが形成されるものと考えられる。その結果、同じ延伸倍率で延伸した場合でもフィルムが高配向化することにより、微細に粗面化された延伸フィルムが得られ易くなるため好ましい。
添加ポリプロピレン樹脂Cの重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、及び分子量分布(Mw/Mn及びMz/Mn)並びに分子量微分分布曲線における微分分布値は、ポリプロピレン樹脂Aの場合と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって測定することができる。
添加ポリプロピレン樹脂Cは、更に、メソペンタッド分率([mmmm])が、94.0%以上98.0%未満であることが好ましく、95.0%以上97.0%以下であることがより好ましい。メソペンタッド分率の測定等については、ポリプロピレン樹脂Aに関して記述した事項が参照される。
添加ポリプロピレン樹脂Cは、ポリプロピレン樹脂全体100質量%を基準として、好ましくは25質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であって、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%の量で配合することが好ましい。かかる量で配合することにより、結晶子サイズが微細化して高配向化しやすくなり、いっそうの耐電圧性の向上効果を得ることができる。
本発明では、ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、上記のポリプロピレン樹脂A、添加ポリプロピレン樹脂B、添加ポリプロピレン樹脂C以外のポリプロピレン樹脂(以下「他のポリプロピレン樹脂」ともいう)を本発明の効果を損なわない範囲内で含むこともできる。ここで、「他のポリプロピレン樹脂」は特に限定されず、コンデンサ用途に適したものとされる従来公知のポリプロピレン樹脂を本発明においても適宜用いることができる。
本発明では、ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂以外の他の樹脂(以下「他の樹脂」ともいう)を本発明の効果を損なわない範囲内で含むことができる。ここで、「他の樹脂」は特に限定されず、ポリプロピレン樹脂以外の樹脂であってコンデンサ用途に適したものとされる従来公知の樹脂を本発明においても適宜用いることができる。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリイソブテン、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(1−メチルペンテン)などのポリプロピレン以外の他のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などの、α−オレフィン同士の共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体ランダム共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体−ビニル単量体ランダム共重合体等が挙げられる。このような他の樹脂の配合量は、フィルムを構成する樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下である。
本発明において、ポリプロピレンフィルムを構成する上記各種のポリプロピレン樹脂は、従来公知の方法を用いて製造することができ、重合方法としては、例えば、気相重合法、塊状重合法及びスラリー重合法を例示できる。重合は、1つの重合反応機を用いる一段重合であってよく、2以上の重合反応器を用いた多段重合であってもよい。また、反応器中に水素又はコモノマーを分子量調整剤として添加して重合を行ってもよい。重合触媒としては、従来公知のチーグラー・ナッタ触媒を使用することができ、重合触媒には助触媒成分やドナーが含まれていてもよい。ポリプロピレン樹脂の分子量、分子量分布及び立体規則性等は、重合触媒その他の重合条件を適宜調整することによって制御することができる。
また、ポリプロピレン樹脂において、微分分布値の差、即ち、分子量分布の構成に相違を生じさせるための方法としては、例えば、重合条件を調節して分子量分布を調整することによる方法、分解剤を使用する方法、高分子量成分を選択的に分解処理する方法、異なる分子量の樹脂をブレンドする方法などを挙げることができる。
重合条件によって分子量分布の構成を調整する場合には、後述の重合触媒を用いることが、分子量分布や分子量の構成を容易に調整できるため好ましい。多段重合反応によってポリプロピレン樹脂を得る場合には、例えば、次のような方法が例示できる。触媒の存在下、高分子量成分用の重合反応器と低分子量または中分子量成分用の反応器の複数の反応器によって重合反応を行う。複数の反応器は、例えば直列又は並列に使用することができる。まず、反応器中へプロピレン及び触媒を供給する。これらの成分とともに、要求されるポリマーの分子量に到達するために必要な量の分子量調整剤、例えば水素を混合して第1の重合反応を行う。反応温度は、例えばスラリー重合の場合、70〜100℃程度、滞留時間は20分〜100分程度である。第1の重合反応による生成物を、追加のプロピレン、触媒、分子量調整剤とともに逐次又は連続的に次の反応器に送り、第1の重合反応より低分子量あるいは高分子量の生成物が得られるように調整して第2の重合反応を行う。第1及び第2の重合反応による収量(生産量)を調整することによって、高分子量成分及び低分子量成分の組成(構成)を調整することができる。
触媒としては、一般的なチーグラー・ナッタ触媒が好適に用いられる。また、用いる触媒は助触媒成分やドナーを含んでいてもよい。触媒や重合条件を適宜調整することにより、分子量分布をコントロールすることができる。
過酸化分解によって、ポリプロピレン原料樹脂の分子量分布の構成を調整する場合には、過酸化水素や有機化酸化物などの分解剤を用いて過酸化処理を行う方法を採用することが好ましい。ポリプロピレンのような崩壊型ポリマーに過酸化物を添加すると、ポリマーからの水素引抜き反応が起こり、生じたポリマーラジカルは一部再結合し架橋反応も起こすが、殆どのラジカルは二次分解(β開裂)を起こし、より分子量の小さな二つのポリマーに分かれることが知られている。したがって、高分子量成分からの分解が高い確率で進行し、その結果、低分子量成分が増大することにより、分子量分布の構成を調整することができる。低分子量成分を適度に含有する樹脂を過酸化分解により得る方法としては、例えば、次のような方法が例示できる。すなわち、重合反応により得られたポリプロピレン樹脂の粉末あるいはペレットと、有機過酸化物として、例えば、1,3−ビス−(ターシャリー−ブチルパーオキサイドイソプロピル)−ベンゼンなどを0.001質量%〜0.5質量%程度、目標とする高分子量成分及び低分子量成分の組成(構成)を考慮しながら調整添加して、溶融混練器機にて、180℃〜300℃程度の溶融混練する方法が挙げられる。
樹脂のブレンドによって低分子量成分の含有量を調整する場合には、異なる分子量の樹脂を、少なくとも2種類以上の樹脂を、ドライあるいは溶融状態で混合することが好ましい。例えば、主成分としての樹脂100質量%に対して、平均分子量がより高い又はより低い添加樹脂1〜40質量%程度を混合して2種のポリプロピレン樹脂混合系を得る方法は、低分子量成分量の調整が容易であるため、好ましく採用される。
樹脂のブレンドによって低分子量成分の含有量を調整する場合、上記平均分子量の目安として、メルトフローレート(MFR)を用いてもよい。この場合、主成分としての樹脂と添加樹脂のMFRの差を1〜30g/10分程度とすることが好ましい。
本発明における複数のポリプロピレン原料樹脂(主要ポリプロピレン樹脂Aおよび添加ポリプロピレン樹脂Bなど)を混合する方法としては、特に制限はないが、粉末状あるいはペレット状の各樹脂をミキサー等によってドライブレンドする方法、粉末状あるいはペレット状の各樹脂を混練機内で溶融混練することによりブレンド樹脂を得る方法などが挙げられる。
使用できるミキサーには特に制限が無く、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどを使用することができる。また、使用できる混練機にも特に制限は無く、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、又はそれ以上の多軸スクリュータイプの何れを使用することもできる。2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向又は異方向回転のいずれの混練タイプも使用できる。
溶融混練によるブレンドの場合には、良好な混練さえ得られる限り混練温度に特に制限はないが、一般的には、200℃から300℃の範囲であり、230℃から270℃が好ましい。あまり高い温度で混練を行うと、樹脂の劣化を招く場合があるため好ましくない。樹脂の混練混合の際の劣化を抑制するために、混練機中へ窒素などの不活性ガスをパージしてもよい。溶融混練された樹脂は、既知の造粒機を用いて適当な大きさにペレタイズすることによって、混合ポリプロピレン原料樹脂ペレットを得ることができる。
本発明におけるポリプロピレン原料樹脂中に含まれる重合触媒残渣等に起因する総灰分は、電気特性を向上させるために可能な限り少ないことが好ましい。総灰分は、ポリプロピレン樹脂を基準(100質量部)として、50ppm以下であることが好ましく、40ppm以下であることがより好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。
本発明においてポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂中には、必要に応じて、添加剤を含むことができる。「添加剤」とは、一般的に、ポリプロピレン樹脂に使用される添加剤である限り特に制限されない。添加剤には、例えば、酸化防止剤、塩素吸収剤、紫外線吸収剤等の安定剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤等が含まれる。そのような添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲内でポリプロピレン樹脂中に添加してよい。
「酸化防止剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。酸化防止剤は、一般的に2種類の目的で使用される。一つの目的は、押出機内での熱劣化及び酸化劣化を抑制することであり、他の目的は、フィルムコンデンサとしての長期使用における劣化抑制及びコンデンサ性能の向上に寄与することである。押出機内での熱劣化及び酸化劣化を抑制する酸化防止剤を「1次剤」ともいい、コンデンサ性能の向上に寄与する酸化防止剤を「2次剤」ともいう。これらの2つの目的のために、2種類の酸化防止剤を用いてもよいし、2つの目的のために1種類の酸化防止剤を使用してもよい。
2種類の酸化防止剤を用いる場合、ポリプロピレン樹脂は、1次剤として、例えば、2,6−ジ−ターシャリー−ブチル−パラ−クレゾール(一般名称:BHT)を、ポリプロピレン樹脂を基準(100重量部)に対して、1000ppm〜4000ppm程度含むことができる。この目的の酸化防止剤は、押出機内での成形工程にてほとんどが消費され、製膜成形後のフィルム中には、ほとんど残存しない(一般的には、残存量100ppmより少ない)。
2次剤として、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用することができる。本発明において使用できるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に制限されないが、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリー−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス259)、ペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:イルガノックス1076)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:イルガノックス1098)などが挙げられる。なかでも、高分子量であってポリプロピレンとの相溶性に富み、低揮発性かつ耐熱性に優れたペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が、最も好ましい。
カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤は、押出機内で少なからず消費されることを考慮して、ポリプロピレン樹脂100質量部を基準に、好ましくは5000ppm以上7000ppm以下、より好ましくは5500ppm以上7000ppm以下の量で、ポリプロピレン樹脂中に含まれる。
ポリプロピレン樹脂が1次剤を含まない場合、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤をより多く使用することができる。この場合、押出機内におけるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤の消費量が増える点から、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ポリプロピレン樹脂100質量部を基準に、6000ppm以上8000ppm以下の量でポリプロピレン樹脂中に含まれることが好ましい。
本発明では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの長期使用時における経時的に進行する劣化を抑制する目的で、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤(2次剤)を1種類以上含有し、フィルム中の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部を基準に、4000ppm以上6000ppm以下であることが好ましく、4500ppm以上6000ppm以下であることが好ましい。
ポリプロピレンと分子レベルで相溶性が良好であるカルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤を、最適な特定範囲の量を含有させたフィルムコンデンサは、高い耐電圧性能を維持したまま、非常に高温の寿命(ライフ)促進試験においても長期に渡って、静電容量を低下させず(劣化が進行せず)、長期耐用性が向上するので好ましい。
「塩素吸収剤」は、ポリプロピレンに対して通常使用されるものである限り、特に制限されない。塩素吸収剤として、例えば、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸等を例示できる。
本発明の方法において、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、上記のようにして調製したポリプロピレン樹脂組成物を、通常の方法に従って二軸延伸することによって得ることができる。
本発明では、まず、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造するための「延伸前のキャスト原反シート」を、公知の方法を使用して成形することが好ましい。例えば、ポリプロピレン樹脂ペレット、ドライ混合されたポリプロピレン樹脂ペレット及び/又は粉末、もしくは、予め溶融混練して作製した混合ポリプロピレン樹脂ペレット類を押出機に供給して、加熱溶融し、ろ過フィルタを通した後、170℃〜320℃、好ましくは、200℃〜300℃に加熱溶融してTダイから溶融押し出し、通常80℃〜140℃、好ましくは90℃〜120℃、より好ましくは90℃〜105℃に保持された少なくとも1個以上の金属ドラムで、冷却、固化させることによって、未延伸のキャスト原反シートを成形することができる。上記キャスト原反シートの厚さは、0.05mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、前記ポリプロピレンキャスト原反シートに延伸処理を行って製造することができる。延伸は、縦及び横に二軸に配向させる二軸延伸が行われ、延伸方法としては同時又は逐次の二軸延伸方法が挙げられるが、逐次二軸延伸方法が好ましい。逐次二軸延伸方法としては、例えば、まずキャスト原反シートを100〜160℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に3〜7倍に延伸し、直ちに室温に冷却する。この縦延伸工程の温度を適切に調整することにより、β晶が融解してα晶に転移し、凹凸を顕在化させることができる。引き続き、当該延伸フィルムをテンターに導いて160℃以上の温度で幅方向に3〜11倍に延伸した後、緩和、熱固定を施して、巻き取る。巻き取られたフィルムは、20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施された後、所望の製品幅に断裁することができる。
このような延伸工程によって、機械的強度、剛性に優れたフィルムとなり、また、表面の凹凸もより明確化され、微細に粗面化された延伸フィルムとなる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面には、巻き適性を向上させつつ、コンデンサ特性をも良好とする適度な表面粗さを付与することが好ましい。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片方の表面において、その表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で0.03μm以上0.08μm以下であることが好ましく、かつ、最大高さ(Rz、旧JIS定義でのRmax)で0.3μm以上0.8μm以下に微細粗面化されていることが好ましい。Ra及びRzが、上述の好ましい範囲にある場合、表面は、微細に粗化された表面になり得、コンデンサ加工の際には、素子巻き加工において巻きシワが発生し難く、好ましく巻上げることができる。更に、フィルム同士の間も均一な接触が可能となるため、耐電圧性及び長期間に渡る耐電圧性も向上し得る。
ここで、「Ra」及び「Rz」(旧JIS定義のRmax)とは、例えばJIS−B0601:2001等に定められている方法によって、一般的に広く使用されている触針式表面粗さ計(例えば、ダイヤモンド針等による触針式表面粗さ計)を用いて測定された値をいう。「Ra」及び「Rz」は、より具体的には、例えば、東京精密社製、三次元表面粗さ計サーフコム1400D−3DF−12型を用い、JIS−B0601:2001に定められている方法に準拠して求めることができる。
フィルム表面に微細な凹凸を与える方法としては、エンボス法、エッチング法など、公知の各種粗面化方法を採用することができ、その中でも、不純物の混入などの必要がないβ晶を用いた粗面化法が好ましい。β晶の生成割合は、一般的には、キャスト温度及びキャストスピードを変更することによって制御することができる。また、縦延伸工程のロール温度によってβ晶の融解/転移割合を制御することができ、これらのβ晶生成とその融解/転移の二つのパラメーターについて最適な製造条件を選択することによって微細な粗表面性を得ることができる。
金属化ポリプロピレンフィルムの作製に用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは、小型かつ大容量型のコンデンサ素子を得る点で1〜6μmである。厚さが1.5μm以上の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが好ましい。また、用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは極薄化されていることが望ましく、その厚さは5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。フィルムの厚さは、例えば製紙厚測定器、マイクロメータ(JIS−B7502)等を用いて、JIS−C2330に準拠して測定することができる。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、金属蒸着加工工程などの後工程における接着特性を高める目的で、延伸及び熱固定工程終了後に、オンラインもしくはオフラインにてコロナ放電処理を行うことができる。コロナ放電処理は、公知の方法を用いて行うことができる。雰囲気ガスとしては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、及びこれらの混合ガスを用いることが好ましい。
金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程では、厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に金属蒸着膜を形成する。二軸延伸ポリプロピレンフィルムに金属蒸着膜を設ける方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられ、生産性や経済性などの点からは真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法によって金属蒸着膜を設ける場合には、るつぼ方式、ワイヤー方式など公知の方式から適宜選択して行われる。金属蒸着膜を構成する金属としては、亜鉛、鉛、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの単体金属、これらの金属から選択される複数種の金属からなる混合物または合金などを使用することができる。環境面、経済性、及びフィルムコンデンサ性能、とりわけ静電容量や絶縁抵抗の温度特性並びに周波数特性などの点からは、金属蒸着膜を構成する金属として、亜鉛及びアルミニウムから選択される単体金属、金属混合物または合金を採用することが好ましい。
金属蒸着膜の膜抵抗は、コンデンサの電気特性の点から、1〜100Ω/□が好ましい。この範囲内でも高めであることがセルフヒーリング(自己修復)特性の点から望ましく、膜抵抗は5Ω/□以上であることがより好ましく、10Ω/□以上であることが更に好ましい。また、コンデンサ素子としての安全性の点から、膜抵抗は50Ω/□以下であることがより好ましく、20Ω/□以下であることが更に好ましい。金属蒸着膜の膜抵抗は、例えば当業者に既知のニ端子法によって金属蒸着中に測定することができる。金属蒸着膜の膜抵抗は、例えば蒸発源の出力を調整して蒸発量をすることによって調節することができる。
フィルムの片面に金属蒸着膜を形成する際、フィルムを巻回した際にコンデンサとなるよう、フィルムの片方の端部から一定幅は蒸着せずに絶縁マージンが形成される。さらに、金属化ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接合を強固にするため、絶縁マージンと逆の端部に、ヘビーエッジ構造を形成することが好ましく、ヘビーエッジの膜抵抗は通常2〜8Ω/□であり、3〜6Ω/□であることが好ましい。
形成する金属蒸着膜のマージンパターンには特に制限はないが、フィルムコンデンサの保安性等の点からは、フィッシュネットパターン、Tマージンパターン等のいわゆる特殊マージンを含むパターンとすることが好ましい。特殊マージンを含むパターンで金属蒸着膜を二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に形成すると、得られるフィルムコンデンサの保安性が向上し、フィルムコンデンサの破壊やショートを抑制できるため、好ましい。マージンを形成する方法としては、蒸着時にテープによりマスキングを施すテープ法、オイルの塗布によりマスキングを施すオイル法等、公知の方法を何ら制限なく使用することができる。
金属蒸着膜を設けた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、フィルムの長尺方向に沿って巻き付ける巻き付け加工を経て、金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサに加工される。すなわち、本発明の方法は、上記のように作製された金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する工程を含む。
フィルムコンデンサ素子を作製する工程では、フィルムの巻き付け加工が行われる。例えば、図1に示すように、金属蒸着部とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように、更には、絶縁マージン部が逆サイドとなるように、2枚1対の金属化ポリプロピレンフィルムを重ね合わせて巻回する。この際、2枚1対の金属化ポリプロピレンフィルムを1〜2mmずらして積層することが好ましい。用いる巻回機は特に制限されず、例えば、株式会社皆藤製作所製の自動巻取機3KAW−N2型等を利用することができる。
巻回後、通常、得られた巻回物に対して圧力をかけながら熱処理(以下、「熱プレス」と称することがある)が施される。熱プレスによってフィルムコンデンサ素子の巻締まりや結晶構造の変化が適度に起こると、機械的及び熱的な安定が得られる。しかし、熱プレスによって過度な素子の巻締まりや結晶構造の変化が起こると、フィルムが熱負けして収縮し、熱シワや型付などの成形不良といった問題が生じる場合がある。このような点から、与える圧力は、ポリプロピレンフィルムの厚さ等によってその最適値は変わるが、10×10〜450×10Paが好ましく、より好ましくは30×10〜300×10Pa、更に好ましくは40×10〜150×10Paである。また、熱処理の温度は100〜120℃とすることが好ましい。熱処理を施す時間は、機械的及び熱的な安定を得る点で、5時間以上とすることが好ましく、10時間以上とすることがより好ましいが、熱シワや型付などの成形不良を防止する点で、20時間以下とすることが好ましく、15時間以下とすることがより好ましい。
続いて、巻回物の両端面に金属を溶射してメタリコン電極を設けることによって、フィルムコンデンサ素子を作製する。メタリコン電極には、通常、リード線が溶接される。また、耐候性を付与し、とりわけ湿度劣化を防止するため、コンデンサ素子をケースに封入してエポキシ樹脂でポッティングすることが好ましい。
本発明の方法では、上述した方法によって作製された金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子に対して、更に所定の熱処理が施される。すなわち、本発明の方法は、フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で30時間を超える熱処理を施す工程(以下、「熱エージング」と称することがある)を含む。
フィルムコンデンサ素子に対して熱処理を施す上記工程において、熱処理の温度は、80℃以上であって、90℃以上とすることが好ましく、一方、115℃以下であって、110℃以下とすることが好ましい。上記の温度で熱処理を施すことによって熱エージングの効果が得られるが、具体的には、金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子を構成するフィルム間の空隙が減少し、コロナ放電が抑制され、しかも金属化ポリプロピレンフィルムの内部構造が変化して結晶化が進み、その結果、耐電圧性が向上するものと考えられる。熱処理の温度が所定温度より低い場合には、熱エージングによる上記効果が十分に得られない。一方、熱処理の温度が所定温度より高い場合には、ポリプロピレンフィルムに熱分解や酸化劣化等が生じることがある。
上記工程において、フィルムコンデンサ素子に対して30時間を超える熱処理が施される。熱処理の時間は、35時間以上であることが好ましく、40時間以上であることが好ましく、45時間以上であることが更に好ましい。熱処理の時間が所定時間より短い場合には、熱エージングによる上記効果が十分に得られず、とりわけ高温での耐電圧性の向上効果が得られない。熱処理の時間は、30時間を超える限りできるだけ長いことが望ましいが、作業性や効率性の観点から、200時間以下であることが好ましく、100時間以下であることがより好ましく、80時間以下であることが更に好ましい。
フィルムコンデンサ素子に対して熱処理を施す方法としては、例えば、大気雰囲気下、真空雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下で、恒温槽を用いる方法や高周波誘導加熱を用いる方法などを含む公知の方法から適宜選択してよいが、恒温槽を用いる方法を採用することが好ましい。
本発明の方法によって得られるコンデンサ素子は、金属化ポリプロピレンフィルムに基づく小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子であって、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有するものである。コンデンサ素子の耐用性を調べる試験方法としては、「ステップアップ試験」、「ライフ(寿命)試験」などが挙げられ、これらはいずれも100℃以上の高温下における耐用性を評価する試験方法である。「ステップアップ試験」は、コンデンサ素子への一定時間(短時間)、一定電圧の電圧印加を、電圧値を少しずつ上げながら繰り返し行う試験方法であって、コンデンサ素子の耐用性を電圧限界(高電圧)の観点から評価する方法である。一方、「ライフ試験」は、コンデンサ素子への一定電圧の電圧印加を長時間に亘って行う試験方法であって、長期間の耐電圧性、すなわちコンデンサ素子の耐用性を静電容量の減少がなく暴走なども起こさない時間の観点から評価する方法である。各試験方法の詳細は後述のとおりである。
本発明の方法によって得られるコンデンサ素子は、フィルム厚みにもよるが、例えば2.5μm厚の場合に、「ステップアップ試験」に従って評価される容量変化率ΔC=−5%時の電圧が1100Vを超えることが好ましく、1120V以上であることがより好ましく、1150V以上であることが更に好ましく、1180V以上であることが特に好ましい。また、「ステップアップ試験」に従って評価される容量変化率ΔC=−95%時の電圧が1450Vを超えることが好ましく、1460V以上であることがより好ましく、1470V以上であることが更に好ましく、1480V以上であることが特に好ましい。
また、本発明の方法によって得られるコンデンサ素子は、「ライフ試験」に従って評価される電圧印加後の容量変化率ΔC(7時間後)が−10%以上であることが好ましく、−8%以上であることがより好ましく、−6%以上であることが更に好ましく、−3%以上であることが特に好ましい。ハイブリッド自動車用高電圧タイプのコンデンサの定格電圧は400〜800VDCが一般的であることから、本発明では「ライフ試験」における印加電圧を750VDCとした。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されない。また、特に断らない限り、「部」及び「%」という記載は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
[各特性値の評価方法]
実施例における各特性値の評価方法は以下の通りである。

(1)重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mn)、および微分分布値
二軸延伸ポリプロピレンフィルムを形成しているポリプロピレン樹脂の分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mn)、分布曲線の微分分布値の評価は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、以下の条件で測定し行った。検量線の作製には、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用い、測定結果はポリプロピレン値に換算した。
測定機:東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC
HLC−8121GPC−HT型カラム:東ソー株式会社製、TSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結
カラム温度:140℃
溶離液:トリクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
微分分布値は、次のような方法で得た。まず、RI検出計において検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、検量線を用いて重量平均分子量(Log(M))に対する分布曲線とした。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによってLog(M)に対する微分分布曲線を得た。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読んだ。なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、通常、GPC測定装置に内蔵の解析ソフトウェアを用いて行うことができる。
(2)メソペンタッド分率([mmmm])
ポリプロピレンフィルムを以下の溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)を用いて、以下の条件で、メソペンタッド分率([mmmm])を求めた。
測定機:日本電子株式会社製、高温FT−NMR JNM−ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト−ジクロロベンゼン〔ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(4/1)〕
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4500回
シフト基準:CH(mmmm)=21.7ppm
5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より、百分率(%)で算出した。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関しては、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載を参考とした。
(3)フィルムの厚み
フィルムの厚みは、シチズンセイミツ株式会社製の紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS−C2330に準拠して測定した。
(4)コンデンサ素子に対するステップアップ試験
コンデンサ素子に対する高温でのステップアップ試験を以下の手順で行った。
予めコンデンサ素子を、試験環境温度(105℃)で15時間予熱した後、試験前の初期の静電容量を日置電機株式会社製のLCRハイテスター3522−50にて測定した。次に、高圧電源を用いて、105℃の恒温槽中にて、コンデンサ素子に直流600Vの電圧を1分間印加した。電圧印加後のコンデンサ素子の静電容量を上記テスターで測定し、電圧印加前後の容量変化率を算出した。次いで、このコンデンサ素子を恒温槽内に戻し、直流700Vの電圧を1分間印加後、上記と同様に容量変化率(累積)を算出した。同様に、1000Vに達するまでは100V毎、1000Vに達した後は50V毎に、1分間の電圧印加と容量変化率(累積)の算出を繰り返した。コンデンサ素子の容量変化率が−95%を超えた段階で、試験を終了した。コンデンサ素子の容量変化率が−5%及び−95%となる電圧を、コンデンサ素子3個の平均値により評価した。
(5)コンデンサ素子に対するライフ(寿命)試験
コンデンサ素子に対するライフ試験を以下の手順で行った。
予めコンデンサ素子を、試験環境温度(105℃)で15時間予熱した後、試験前の初期の静電容量を日置電機株式会社製のLCRハイテスター3522−50にて測定した。次に、高圧電源を用いて、105℃の恒温槽中にて、コンデンサ素子に直流750Vの電圧を7時間印加し続けた。7時間経過後のコンデンサ素子の静電容量を上記テスターで測定し、電圧印加前後の容量変化率を算出した。7時間経過後のコンデンサ素子の容量変化率を、コンデンサ素子3個の平均値により評価した。
〔ポリプロピレン樹脂〕
実施例及び比較例のポリプロピレンフィルムを製造するために使用したポリプロピレン樹脂を、以下に示す。
表1に示す樹脂A1はプライムポリマー株式会社製のアイソタクチックポリプロピレン樹脂であり、樹脂C1は大韓油化社製のポリプロピレン樹脂(商品名「HPT−1」)である。ポリプロピレン樹脂A1はポリプロピレン樹脂Aに該当し、ポリプロピレン樹脂C1はポリプロピレン樹脂Cに該当する。また、長鎖分岐ポリプロピレン(ポリプロピレン樹脂B)として、ボレアリス社製長鎖分岐ポリマー(商品名「WB135HMS」)(以下「ポリプロピレン樹脂B1」という)を使用した。
表1に、これらのポリプロピレン樹脂A1及びC1の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、分子量分布(Mz/Mn)、微分分布値差、及びメソペンタッド分率([mmmm])を示した。
なお、これらの値は、原料樹脂ペレットの形態での値である。また、ポリプロピレン樹脂A1及びC1はいずれも、酸化防止剤(1次剤)として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(一般名称:BHT)を2000ppm、カルボニル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤(2次剤)として、ペンタエリスルチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1010)を5000〜6500ppm含有する。
〔実施例1〕
<二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの製造>
原料ポリプロピレン樹脂Aとして表1に記載の樹脂A1(重量平均分子量Mw=3.4×10、分子量分布Mw/Mn=10.0)と、添加ポリプロピレン樹脂Bとして表1に記載の樹脂B1(重量平均分子量Mw=7.0×10、分子量分布Mw/Mn=2.0)とを、97.5対2.5(質量比)の比率にて連続的に計量混合したドライブレンド体を、押出成形機にて樹脂温度が250℃となるように加熱溶融した後、Tダイから押し出し、表面温度92℃に保持した金属ドラムに巻き付けて固化させて、厚さ125μmのキャスト原反シートを作製した。このキャスト原反シートを140℃まで加熱して、流れ方向に5倍に延伸し、次いで、テンターにて165℃の温度で横方向に10倍に延伸して、厚さ2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
<金属化ポリプロピレンフィルムの作製>
こうして得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、Tマージン蒸着パターンを12Ω/□にてアルミニウム蒸着を施し、金属化ポリプロピレンフィルムを得た。パターン蒸着はワイヤー方式による真空蒸着法に従って行い、ヘビーエッジ蒸着はるつぼ方式による真空蒸着法に従って行った。
<フィルムコンデンサ素子の作製>
得られた金属化ポリプロピレンフィルムを小幅(620mm幅)にスリットした後、金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせ、株式会社皆藤製作所製の自動巻取機3KAW−N2型を用い、巻取り張力200gにて、1360ターン巻回を行った。
素子巻きした素子(巻回物)に対して、100×10Paの圧力をかけながら120℃で12時間の熱処理(熱プレス)を施した後、その両端面に亜鉛金属を溶射することによって一対のメタリコン電極を形成し、扁平形のフィルムコンデンサ素子を得た。
<フィルムコンデンサ素子に対する熱処理(熱エージング)>
得られたフィルムコンデンサ素子を、大気雰囲気下の恒温槽に入れ、105℃の温度で35時間の熱処理を施した。
上記のようにして得られたコンデンサ素子に対して、ステップアップ試験及びライフ試験を行った結果を表2にまとめる。
〔実施例2〕
添加ポリプロピレン樹脂Bに代えて、添加ポリプロピレン樹脂Cとして表1に記載の樹脂C1(重量平均分子量Mw=3.5×10、分子量分布Mw/Mn=8.0)を用い、原料ポリプロピレン樹脂Aと添加ポリプロピレン樹脂Cの混合率を65対35(質量比)の比率としたこと以外は、実施例1と同様にして、コンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
〔実施例3〕
熱処理(熱エージング)の時間を50時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
〔実施例4〕
熱処理(熱エージング)の時間を1500時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
〔比較例1〕
熱処理(熱エージング)の時間を2時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、コンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
〔比較例2〕
熱処理(熱エージング)の時間を20時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、コンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
〔比較例3〕
熱処理(熱エージング)の時間を15時間に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子を得た。
得られたコンデンサ素子に対するステップアップ試験及びライフ試験の結果を表2にまとめる。
Figure 2015146374
Figure 2015146374
実施例1〜4の結果から明らかな通り、本発明の方法に従って得られたコンデンサ素子は、小型かつ大容量型のフィルムコンデンサ素子として、高温下での高い耐電圧性及び高温下での長期耐用性を有する実用性の高いものであった。このコンデンサ素子は、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動モータを制御するインバータ電源回路において用いられる平滑用コンデンサとして適したものであった。
これに対して、比較例1〜3では、熱処理(熱エージング)を短時間しか行わなかったため、得られたコンデンサ素子は、ステップアップ試験の結果からみて、高温下での高い耐電圧性が各実施例の結果を下回った。特に、ライフ試験では全てのコンデンサ素子がパンク(コンデンサ素子が破壊され、コンデンサとしての性能が失われる現象)してしまった。
本発明の金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子は、高電圧及び耐熱性が要求される自動車や電力の用途などに用いられる小型かつ大容量型のコンデンサに好ましく利用できる。
1 ポリプロピレンフィルム
2 金属蒸着部
3 ヘビーエッジ

Claims (4)

  1. 金属化ポリプロピレンフィルムに基づくコンデンサ素子の製造方法であって、
    厚さ1〜6μmの二軸延伸されたポリプロピレンフィルムの片面に、金属蒸着膜を形成して金属化ポリプロピレンフィルムを作製する工程、
    金属化ポリプロピレンフィルムを2枚1対として、金属蒸着膜とポリプロピレンフィルムとが交互に積層されるように重ね合わせて巻回した後、両端面に金属溶射によって一対のメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサ素子を作製する工程、及び、
    フィルムコンデンサ素子に対し、80〜115℃の温度で30時間を超える熱処理を施す工程、
    を含む方法。
  2. フィルムコンデンサ素子を作製する前記工程において、得られた巻回物に対し、10×10〜450×10Paの圧力下、100〜120℃の温度で5時間以上の熱処理を施す、請求項1に記載の方法。
  3. ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
    ・重量平均分子量Mwが25万以上45万以下、
    ・重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnが5以上12以下、及び
    ・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が8.0%以上18.0%以下
    であるポリプロピレン樹脂Aを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、
    ・重量平均分子量Mwが30万以上40万以下、
    ・重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比から計算される分子量分布Mw/Mnが7以上9以下、
    ・分子量分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差が1.0%以上8.0%未満
    であるポリプロピレン樹脂Cをさらに含む、請求項3に記載の方法。
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