JP2015146235A - セラミックメタルハライドランプ - Google Patents

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将史 飯田
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Abstract

【課題】放電容器割れ、及び、外管又はスリーブの黒化を防止することが可能な高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプを提供する。
【解決手段】ランプ電力が500〜1000Wの水平点灯型であり、前記発光部における電極間距離をアーク長ALとするとき、該アーク長は25〜34mmであり、前記添加物は、ヨウ化ナトリウムNaI、ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化ジスプロシウムDyI3、ヨウ化セリウムCeI3及びヨウ化タリウムTlIを含み、前記添加物の全モル数に対するヨウ化セリウムのモル比率とヨウ化タリウムのモル比率の和をM(CeI3+TlI)[mol%]と表し、前記添加物の全モル数に対するヨウ化ナトリウムNaIのモル比率をM(NaI)[mol%]と表すとき、両者の比M(CeI3+TlI)/M(NaI)は0.05〜0.19となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、セラミックメタルハライドランプに関し、特に、高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプに関する。
近年、セラミック製の放電容器を用いるセラミックメタルハライドランプが広く普及している。特に、高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプは、工場、体育館等の高天井の照明装置、又は、屋外看板の照明等に用いられる。尚、ここで高ワットタイプとは、ランプ出力500W以上のものをいう。また、水平点灯型とは、ランプの中心軸線が略水平となるように設置されるものを言うが、実際には、ランプの中心軸線が水平に対して0〜75度の角度で傾斜した状態で設置されてもよい。
このようなセラミックメタルハライドランプでは高いランプ効率(発光効率)が求められる。しかしながら、高いランプ効率を追求すると、良好な光色が得られなくなる可能性がある。即ち、高いランプ効率と良好な光色を同時に実現することは一般に困難である。
光色を規定するパラメータとして、色温度、演色評価数Ra、色度偏差Duv等が知られている。これらのパラメータに影響を与える要因は様々である。従って、これらのパラメータの最適値を同時に実現することは困難である。例えば、色温度、及び、演色評価数Raを所望の値に設定し、それを達成しようとすると、色度偏差Duvの値が好ましくない値となる場合がある。
特開2003-86130号公報(特許第3990582号) WO2006/088128(特許第5274830号)
水平点灯型のセラミックメタルハライドランプでは、略水平に配置されるため、それに特有の問題がある。先ず、アークの浮上に起因して放電容器が局所的に過熱され、放電容器割れが起きることがある。特許文献1には、放電容器割れを防止するために、管壁負荷及びアーク長を所定の値に設定することが記載されている。
本願の発明者は、水平点灯型のセラミックメタルハライドランプでは、更に外管(外球)内が真空の場合に、外管又はスリーブの黒化が問題となることを見出した。特許文献1及び2には放電容器の黒化については記載されているが、外管又はスリーブの黒化については記載されていない。
本発明の目的は、放電容器割れ、及び、外管又はスリーブの黒化を防止することが可能であり、且つ、高いランプ効率と良好な光色を得ることができる高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプを提供することにある。
本願の発明者は、先ず、所望のランプ効率を得ることができるためのアーク長を設定した。次に、アーク長に基づいて、放電容器の仕様を設定し、それに基づいて複数のランプを試作した。更に、本願の発明者は、色度偏差Duv、色温度、演色評価数Ra等の目標値を設定し、これらの目標値を達成することができるように添加物を選定した。本願の発明者は、これらの目標値のうち、特に、色度偏差Duvに着目した。その結果、本実施形態では、本願の発明者が設定した目標値を達成することができた。
本発明の実施形態によると、発光部と細管部を有する放電容器と、前記発光部に封入された希ガスと水銀と添加物と、該放電容器を収納する透光性外管と、を有するセラミックメタルハライドランプにおいて、
ランプ電力が500〜1000Wの水平点灯型であり、
前記発光部における電極間距離をアーク長ALとするとき、該アーク長は25〜34mmであり、
前記添加物は、ヨウ化ナトリウムNaI、ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化ジスプロシウムDyI3、ヨウ化セリウムCeI3及びヨウ化タリウムTlIを含み、
前記添加物の全モル数に対するヨウ化セリウムのモル比率とヨウ化タリウムのモル比率の和をM(CeI3+TlI)[mol%]と表し、前記添加物の全モル数に対するヨウ化ナトリウムNaIのモル比率をM(NaI)[mol%]と表すとき、両者の比M(CeI3+TlI)/M(NaI)は0.05〜0.19となる。
本発明の実施形態によると、前記比M(CeI3+TlI)/M(NaI)は0.12〜0.18であってよい。
本発明の実施形態によると、前記セラミックメタルハライドランプにおいて、前記アーク長ALと前記発光部の有効内径Dの比AL/Dは1.0〜2.0であり、前記発光部の電極突出長Lと前記有効内径Dの比L/Dは0.6〜1.0であってよい。
本発明の実施形態によると、前記セラミックメタルハライドランプにおいて、前記発光部の壁面負荷は10〜30W/cm2であってよい。
本発明の実施形態によると、前記セラミックメタルハライドランプにおいて、前記放電容器を囲む透光性スリーブを有し、該透光性スリーブと前記放電容器の間の隙間は20mm以上であってよい。透光性スリーブを設けない場合には、前記外管と前記放電容器の間の隙間は20mm以上であってよい。
本発明によれば、放電容器割れ、及び、外管又はスリーブの黒化を防止することが可能であり、且つ、高いランプ効率と良好な光色を得ることができる高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプを提供することができる。
図1は、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの構成例を説明する図である。 図2Aは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の構成例を説明する図である。 図2Bは、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの放電容器の構成例の寸法を説明する図である。 図3は、本願の発明者が実施した試験の結果を示し、アーク長とランプ効率の関係を説明する図である。 図4は、本願の発明者が実施した試験の結果を示し、ヨウ化ナトリウムNaIに対するヨウ化タリウムTlIのモル比率とヨウ化セリウムCeI3のモル比率の和と色度偏差Duvの関係を説明する図である。
以下、本発明に係るセラミックメタルハライドランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の要素に対しては同一の参照符号を付して、重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。高ワットタイプとは、ランプ出力が500〜1000Wであり、代表的には700W程度のものを言う。水平点灯型とは、ランプの中心軸線が略水平になるように設置されるものを言うが、実際には、ランプの中心軸線が水平に対して0〜75度程度の角度にて傾斜してもよい。セラミックメタルハライドランプ100は、透光性の外管(外球)111と、その内部に配置されたセラミック製の放電容器(発光管)130を有する。セラミックメタルハライドランプ100は、更に始動器等を有するが、ここではその説明を省略する。本例では、外管111は、略卵形の中央部111aと、円筒状の閉鎖端部を有するトップ部111bと、それと反対側のネック部111cとを有するBT形である。
外管111のネック部111cには封止部(図示せず。)が形成されている。この封止部を覆うようにねじ込み形のE形口金112が装着されている。口金112は耐熱性の接着剤を用いて接合され、或いはモールドにより形成された螺旋状のねじ溝に螺合されている。ネック部111cの封止部には、一対の導入線が気密封着されたステム管115のフレア部が封止されている。
ステム管115によって、逆U字形に整形された金属製の線材からなる支柱109が支持されている。支柱109の端部にマウント支持板114が装着されている。マウント支持板114は外管111のトップ部111bに配置されている。支柱109は、放電容器130を所定の位置に支持すると同時に、放電容器130に電力を供給する給電機能を有する。
尚、放電容器130が破裂したときに外管111が損傷するのを防止するために、放電容器130の周囲に透光性のスリーブを設けてもよい。更に、スリーブの周囲にワイヤを螺旋状に巻いてもよい。
外管111は、例えば、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなる。外管111内は真空の場合もあるが、アルゴン(Ar)、窒素(N2)等の不活性ガスを封入する場合もある。外管111内を真空にしたほうが放電容器130の温度を高温に保持するのに有利である。放電容器130の温度を高温に保持することによってランプ効率(発光効率)が高くなり、放電容器130内に封入された比較的蒸気圧が低い発光物質の蒸発を促進させることができる。従って、本実施形態では、外管111内は真空である。しかしながら、外管111内を真空にすると、上述のように、外管111又はスリーブの黒化が問題となるが、これについては後に説明する。
図1に示すランプは、口金112をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置(図示せず。)を介して通電され、放電容器130の内部にある電極間の放電により安定した点灯が持続される。
図2Aを参照して放電容器130の構造を説明する。放電容器130は中央の発光部130Cとその両側の細管部(キャピラリ部)130A、130Bを有する。本例の放電容器130は、略回転楕円体形状の発光部130Cとその両側の細管部130A、130Bが一体的に形成された、所謂一体型である。しかしながら、発光部130Cの両側に、別個に製造した細管部130A、130Bを接続することによって放電容器130を形成してもよい。
細管部130A、130Bには、電極システム120a、120bがそれぞれ装着されている。電極システム120a、120bは、タングステン電極123、電流供給導体122、及び、リード線121を有する。タングステン電極123の先端にはタングステンコイルが装着されている。タングステン電極123の先端は放電容器130の発光部130Cに配置されている。
電流供給導体122は、耐ハロゲン性中間材122aと導電性サーメット棒122bを含む。タングステン電極123、電流供給導体122、及び、リード線121は突き合わせ溶接によって接続される。
放電容器130の発光部130Cの内部には、不活性ガス及び水銀に加えて、発光物質である添加物が封入されている。水銀の添加量は、最大100mgであり、好ましくは、約85mgである。添加物には、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属のハロゲン化物等が含まれ、これらの添加物の総量は、最大20mgである。添加物については後に詳細に説明する。不活性ガスは例えば希ガスであるが本実施例ではアルゴンである。
セラミックメタルハライドランプを点灯させると、発光部130C内における放電により、水銀及び添加物が加熱され、その一部が蒸発して放電により励起され、発光する。残りの部分は、発光部130Cの底部に液相状態でプールされる。液相の一部は蒸発し、発光部130Cの内部を対流により循環し、底部に戻る。ランプの点灯中はこのようなサイクルが繰り返される。
水平点灯型のセラミックメタルハライドランプでは、電極123間に生じた放電アーク123Aが浮上し、放電容器の発光部130Cの内面に近接し、又は、接触する状態となることがある。それによって発光部130Cが局所的に過熱され、放電容器割れが起きることがある。本願の発明者は放電容器割れの課題について鋭意考察し、それを解決する方法を見つけ出したが、これについては後に説明する。
図2Bを参照して本実施形態によるセラミックメタルハライドランプの放電容器130の寸法を説明する。放電容器130の発光部130Cの外径寸法をD1、放電容器130の軸線方向の寸法をL1とする。上述のように、放電容器130の周囲にスリーブ108を設けてもよい。スリーブ108と発光部130Cの間の距離をpとする。尚、スリーブ108を設けない場合には、距離pは、外管111と発光部130Cの間の距離を表すものとする。
放電容器130の内側寸法として、アーク長ALと有効内径Dを定義する。アーク長ALは、2つの電極123の間の距離で定義される。即ち、アーク長ALは、発光部130Cにおける2つの電極123の先端の間の距離である。有効内径Dは、発光部130Cの最大内径で定義される。即ち、有効内径Dは、発光部130Cの中央部における内径である。放電容器のアーク長ALと有効内径Dの比AL/Dを放電容器130の形状パラメータと称する。発光部130Cが細長型の場合には、形状パラメータAL/Dの値は大きくなり、発光部130Cが短太型の場合には、形状パラメータAL/Dの値は小さくなる。
さらに、電極突出長Lを定義する。電極突出長Lは、発光部130C内に突出した電極123の長さである。電極突出長Lは、発光部130Cと細管部130A、130Bの境界に形成された遷移曲面Lsの外端と電極123の先端の間の距離で定義される。尚、発光部130Cが円筒形の場合には、電極突出長Lは、発光部130Cの端面と電極123の先端の間の距離である。電極突出長Lと有効内径Dの比L/Dを電極パラメータと称する。放電容器130の性能パラメータとして壁面負荷が用いられる。ここでは、壁面負荷は、ランプ電力を発光部130Cの全内面積で除した値で定義される。
本願の発明者は、先ず、放電容器割れを回避する方法を鋭意考察した。上述のように、放電容器割れは、放電アーク123Aが発光部130Cの内面に近接し、又は、接触することにより起きる。そこで、放電容器割れを回避するには、発光部130Cを短太型にすればよい。即ち、形状パラメータAL/Dの値を小さくすればよい。しかしながら、一般に、高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプでは、細長型の放電容器が用いられる。即ち、形状パラメータAL/Dの値は比較的大きい。その理由は、放電容器130の内部に黒化が生じることを防止するためである。即ち、高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプでは、放電容器割れを回避することと放電容器の黒化を回避することを両立させることは困難である。そこで、本願の発明者は、細長型の放電容器において形状パラメータAL/Dの値をできるだけ小さくすることを検討した。
本願の発明者は、次に、外管111又はスリーブ108の黒化を回避する方法を鋭意考察した。外管111又はスリーブ108の黒化は、発光部130Cを構成するアルミナが局所的に過熱されることによって還元され、それによって生じたアルミニウム粒子が蒸散し、外管111又はスリーブ108の内面に付着することによって起きると考えられる。そこで、外管111又はスリーブ108の黒化を回避するには、外管111又はスリーブ108と発光部130Cの間の距離pを十分大きくすればよい。それによって、発光部130Cから蒸散したアルミニウム粒子は、外管111又はスリーブ108に到達する前に拡散されて冷却され、外管111又はスリーブ108に付着することはない。しかしながら、外管111の寸法及び内部に設置される構造物の寸法は大きく変更できない。従って、距離pには上限がある。そこで、本願の発明者は、多数の試験を行い、スリーブ108の黒化を回避することができる距離pの範囲を設定した。
以下に、本願の発明者が行った試験と本発明の実施形態について説明する。試験に使用したセラミックメタルハライドランプは高ワットタイプの水平点灯型であり、その定格出力は660W、壁面負荷は17.2W/cm2、放電容器130の有効内径はD=21.8mm、放電容器130の軸線方向の寸法はL1=107mmであった。又、外管111内は真空とした。本願の発明者が行った試験では、アーク長AL及び電極突出長Lが異なるランプを用いてランプ効率を測定した。表1に試験に用いたランプの仕様と本発明の実施形態の仕様を纏めた。本発明の実施形態の仕様については以下に説明する。
Figure 2015146235
表1に示すように、試験例のアーク長は24〜44mm、形状パラメータAL/Dは1.28〜1.56、電極パラメータL/Dは0.688〜0.894、外管111又はスリーブ108と発光部130Cの間の距離pは20mm以上である。
図3を参照して説明する。図3は、本願の発明者が行った試験の結果を示し、ランプ効率とアーク長ALの関係を示す図である。縦軸はランプ効率[lm/W]、横軸はアーク長[mm]を表す。一般にセラミックメタルハライドランプの高効率とはランプ効率(発光効率)が100lm/W以上をいう。そこで、ランプ効率の目標値を100lm/W以上とした。図示のように、アーク長が短すぎても長すぎてもランプ効率が低下する。ランプ効率(発光効率)が100lm/W以上となるのは、アーク長が、AL=25〜47mmの場合であると判定できる。しかしながら、上述のように、放電容器割れを回避するために、細長型の放電容器において形状パラメータAL/Dの値をできるだけ小さくするほうがよい。従って、アーク長ALは出来るだけ小さいほうがよい。そこで、本実施形態では、アーク長を、AL=25〜34mmとした。
本願の発明者は、このアーク長に基づいて、ランプ出力が500〜1000Wの高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプの実施形態の仕様を設定した。即ち、本実施形態では、アーク長は、上述のようにAL=25〜34mmであるが、他のパラメータは以下のとおりである。形状パラメータは、AL/D=1.00〜2.00、電極パラメータは、L/D=0.60〜1.00、スリーブ108と発光部130Cの間の距離は、p=20mm以上、である。更に好ましくは、形状パラメータは、AL/D=1.20〜1.60、電極パラメータは、L/D=0.70〜0.90、p=20〜40mmである。
更に、本実施形態では、壁面負荷は、10〜30W/cm2とした。更に好ましくは、壁面負荷は、15〜20W/cm2である。こうして本実施形態では、発光部130Cの内壁面を構成する材料と添加物の間の化学反応速度を低く抑えることができ、高いランプ効率とランプの長寿命化を実現することができた。
次に、本願の発明者は、良好な光色の条件として、色度偏差Duv、平均演色評価数Ra、相関色温度の目標値を設定した。色度偏差Duvは、色度図上における黒体軌跡(BBL)からのずれを表す。色度図上の黒体軌跡は、太陽光の自然な色味を表す。Duv=0は、色度が黒体軌跡上にあることを表し、太陽光による自然色と同様な光色を表す。一般に、太陽光による自然色が好まれる場合には、色度偏差Duvは小さい方が良い。しかしながら、用途に応じて太陽光による自然色よりも人工色が好まれる場合もある。そのような場合には、色度偏差Duvは必ずしも小さい必要はない。そこで、色度偏差Duvの目標値として「10未満」とした。尚、色度偏差Duvは正負の値を有するが、ここではその絶対値を意味するものとする。従って、色度偏差Duvの目標値が「10未満」とは、その絶対値が10未満の意味である。
一般に、平均演色評価数Raが80以上であれば高演色であると言われる。そこで、平均演色評価数Raの目標値を「80以上」とした。次に、相関色温度の目標値を「3600〜4600K」とした。相関色温度は、光色を表す。相関色温度が高いと青色系に近づき、相関色温度が低いと黄色又は赤色系に近づく。これらのパラメータの目標値を表2に纏めた。表2には、ランプ効率の目標値も記載されている。ランプ効率の目標値は、上述のように100lm/W以上である。
Figure 2015146235
先ず、本願の発明者は、放電容器に封入する添加物について鋭意検討した。セラミックメタルハライドランプの放電容器に封入する添加物として、水銀に加えて金属ハロゲン化物が用いられる。金属ハロゲン化物として、一般に、アルカリ金属のヨウ化物、アルカリ土類金属のヨウ化物、及び、希土類金属のヨウ化物が用いられている。
本願の発明者が試験で使用した高ワットタイプの水平点灯型のセラミックメタルハライドランプでは、アルカリ金属のヨウ化物として、ヨウ化ナトリウムNaI、希土類金属のヨウ化物として、ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化ジスプロシウムDyI3、及び、ヨウ化セリウムCeI3を用いた。更に、ヨウ化タリウムTlIを用いた。一方、インジウム、バリウム等は用いていない。
ナトリウムNaを添加すると光色は橙色系に遷移する、即ち、相関色温度が下がる。しかしながら、本実施形態ではヨウ化セリウムCeI3、及び、ヨウ化タリウムTlIを添加することにより、相関色温度を所望の範囲に収めることができる。ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化セリウムCeI3、及び、ヨウ化タリウムTlIは、ランプ効率(発光効率)の向上に寄与する。ヨウ化ジスプロシウムDyI3は、演色性を向上させるがランプ効率を下げる機能を有する。従って、ヨウ化ジスプロシウムDyI3の添加量は抑制する必要がある。
本願の発明者が行った試験では、ヨウ化ナトリウムNaIの添加量を変化させて、表2の各種のパラメータを測定した。その結果、多数の試験例において、色度偏差Duv以外のパラメータについては目標値を達成することができた。以下に、色度偏差Duvについて説明する。本願の発明者が試作したセラミックメタルハライドランプのうち、色度偏差Duvの目標値を達成した試験例のデータを表3に示す。表3に示す3つの試験例のうち、色度偏差Duvを含むすべてのパラメータについて最も良好であったのは試験例1であった。
Figure 2015146235
上述の添加物のうち、色度偏差Duvの値に影響を与えるのは、ヨウ化セリウムCeI3とヨウ化タリウムTlIである。ヨウ化セリウムCeI3、及び、ヨウ化タリウムTlIを添加すると、光色が緑色系に遷移するが、同時に色度偏差Duvの数値が大きくなる方向にずれることが知られている。従って、本願の発明者は、ヨウ化ナトリウムNaIに対するヨウ化セリウムCeI3とヨウ化タリウムTlIの合計量のモル比をパラメータとすることとした。ここで、ヨウ化ナトリウムNaIのモル比率をM(NaI) [mol%]と表し、ヨウ化セリウムCeI3のモル比率とヨウ化タリウムTlIのモル比率の和をM(CeI3+TlI)[mol%]と表す。ヨウ化ナトリウムNaIのモル比率に対するM(CeI3+TlI)の比をαとする。尚、モル比率[mol%]は表3に示す全ての添加物に対するモル比率である。αは次の式1によって表される。
α= M(CeI3+TlI)/M(NaI) 式1
このパラメータαと色度偏差Duvの関係を調べたところ、αと色度偏差Duvの数値との間に相関関係が見出された。
図4はαと色度偏差Duvの関係を示す。横軸はα、即ち、ヨウ化ナトリウムNaIのモル比率に対するヨウ化セリウムCeI3とヨウ化タリウムTlIのモル比率の和、縦軸は色度偏差Duvである。図示のように、αと色度偏差Duvの間に相関関係が認められる。即ち、αが増加すると色度偏差Duvが増加する。αが0.05〜0.19のとき、より好ましくは、αが0.12〜0.18のとき、色度偏差Duvは10未満となると判定できる。即ち、αが0.05〜0.19のとき、より好ましくは、αが0.12〜0.18のとき、色度偏差Duvの目標値を達成することができる。
以上の試験結果から本発明の実施形態に係るセラミックメタルハライドランプの添加物の種類及び組成は次のとおりである。ヨウ化ナトリウムNaIの添加量は5〜10mg、ヨウ化ナトリウムNaIのモル比率に対するヨウ化セリウムCeI3のモル比率とヨウ化タリウムTlIのモル比率の和の比をα=0.05〜0.19とし、より好ましくは、α=0.12〜0.18とする。
ヨウ化ツリウムTmI3の添加量は、10mg以下、好ましくは7mg以下である。ヨウ化セリウムCeI3の添加量は、2mg以下、好ましくは1mg以下である。ヨウ化タリウムTlIの添加量は、4mg以下、好ましくは3mg以下である。ヨウ化ジスプロシウムDyI3の添加量は、6mg以下、好ましくは4mg以下である。ヨウ化ジスプロシウムDyI3の添加量は8mol%未満とする。
ここでは本実施形態における添加物として、ヨウ化ナトリウムNaI、ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化ジスプロシウムDyI3、及ヨウ化セリウムCeI3、及び、ヨウ化タリウムTlIを挙げたが、他の元素又はヨウ化物を添加することを妨げるものではない。しかしながら、他の元素又はヨウ化物は精々10mol%未満とする。
本願の発明者は、放電容器の発光部130Cの温度、及び、ランプ寿命、について考察した。本実施形態では、放電容器の発光部130Cにおける位置的な温度偏差は小さかった。高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの寿命は、24000時間程度である。本願の発明者が行った試験によると、本実施形態、及び、最良の実施例のランプ寿命はいずれも24000時間を超えていることが判った。
以上、本実施形態に係るセラミックメタルハライドランプについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
100…セラミックメタルハライドランプ、108…スリーブ、109…支柱、111…外管、112…口金、114…マウント支持板、115…ステム管、120a、120b…電極システム、121…リード線、122…電流供給導体、122a…耐ハロゲン性中間材、122b…導電性サーメット棒、123…タングステン電極、123A…放電アーク、130…放電容器、130A、130B…細管部、130C…発光部

Claims (6)

  1. 発光部と細管部を有する放電容器と、前記発光部に封入された希ガスと水銀と添加物と、該放電容器を収納する透光性外管と、を有するセラミックメタルハライドランプにおいて、
    ランプ電力が500〜1000Wの水平点灯型であり、
    前記発光部における電極間距離をアーク長ALとするとき、該アーク長は25〜34mmであり、
    前記添加物は、ヨウ化ナトリウムNaI、ヨウ化ツリウムTmI3、ヨウ化ジスプロシウムDyI3、ヨウ化セリウムCeI3及びヨウ化タリウムTlIを含み、
    前記添加物の全モル数に対するヨウ化セリウムのモル比率とヨウ化タリウムのモル比率の和をM(CeI3+TlI)[mol%]と表し、前記添加物の全モル数に対するヨウ化ナトリウムNaIのモル比率をM(NaI)[mol%]と表すとき、両者の比M(CeI3+TlI)/M(NaI)は0.05〜0.19となることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  2. 請求項1記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、前記比M(CeI3+TlI)/M(NaI)は0.12〜0.18であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  3. 請求項1又は2記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記アーク長ALと前記発光部の有効内径Dの比AL/Dは1.0〜2.0であり、前記発光部の電極突出長Lと前記有効内径Dの比L/Dは0.6〜1.0であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記発光部の壁面負荷は10〜30W/cm2であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記放電容器を囲む透光性スリーブを有し、該透光性スリーブと前記放電容器の間の隙間、及び、前記外管と前記放電容器の間の隙間は20mm以上であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記外管と前記放電容器の間の隙間は20mm以上であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
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