JP2015143792A - 眼鏡レンズ及び眼鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】装用者にとって充分な防眩性を有しながら、他者にとって受け入れられ易く装用者にとって装用し易いカラーの眼鏡レンズを提供する。【解決手段】次の条件を満たす光の透過率分布を有する眼鏡レンズとする。即ち、波長410nm以上440nm以下の領域内に第1極小値が存在して当該第1極小値が5%以下であり、波長450nm以上500nm以下の領域内に第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差が50以上であり、波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第1極大値に係る波長より長波長側に第2極小値が存在して当該第2極小値が80%以下であり、波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在して当該第3極小値が30%以上70%以下であり、波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、外観の良好なサングラス用レンズを始めとする眼鏡レンズ、及び当該眼鏡レンズを用いたサングラスを始めとする眼鏡に関する。
適切な防眩性を有しながら良好な視認性を有するプラスチック眼鏡レンズとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。
この眼鏡レンズでは、所定の有機系色素を含有することにより、可視領域に係る分光透過率分布について、図1,2のものにおいて400nm(ナノメートル)未満で0%(パーセント)であり、400nmで90%まで急峻に立ち上がり、588nm(緑色領域)で極小値(10〜30%程度)を有し、420〜500nmや620〜800nmにおいて90%程度を維持するものとなっている。
特開2013−61653号公報
特許文献1のものでは、可視領域の黄緑色ないしは黄色領域において極小値を有して防眩性を発揮することができるものの、レンズが黄緑色ないしは黄色の補色(紫色)に着色してしまい、日常生活や仕事時等において装用が敬遠されることがある。
又、眼にとって可視領域の短波長側(青色領域)が比較的に負担になることが知られており、眼疾患の患者や健常者に対して、眩しさを防ぎ眼を保護する観点から、青色光をカットする眼鏡レンズが提供されているが、かようなレンズは青色の補色である黄色に着色しており、装用者を他者が見ると眼の周りが黄色に見えるので、やはり装用が敬遠されることがある。
そこで、請求項1,2に記載の発明は、装用者にとって充分な防眩性を有しながら、他者にとって受け入れられ易く装用者にとって装用し易いカラーのサングラスレンズを始めとする眼鏡レンズを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、眼鏡レンズにあって、光の透過率分布が、(1)波長410nm以上440nm以下の領域内に第1極小値が存在して当該第1極小値が5%以下であり、(2)波長450nm以上500nm以下の領域内に第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差が50以上であり、(3)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第1極大値に係る波長より長波長側に第2極小値が存在して当該第2極小値が80%以下であり、(4)波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在して当該第3極小値が30%以上70%以下であり、(5)波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上である、という(1)〜(5)の条件を全て充足することを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、眼鏡レンズにあって、光の透過率分布が、光の透過率分布にあって、(6)波長410nm以上460nm以下の領域内に第4極小値が存在して当該第4極小値が5%以下であり、(7)波長450nm以上500nm以下の領域内であって前記第4極小値に係る波長より長波長側に第3極大値が存在して当該第3極大値と前記第4極小値の差が50以上であり、(8)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第3極大値に係る波長より長波長側に第5極小値が存在して当該第5極小値が80%以下であり、(9)波長560nm以上600nm以下の領域内に第6極小値が存在して当該第6極小値が10%以上30%以下であり、(10)波長600nm以上650nm以下の領域内に第4極大値が存在して当該第4極大値と前記第6極小値の差が50以上である、という(6)〜(10)の条件を全て充足することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、更に、視感透過率が50%以上であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、眼鏡にあって、上記発明の眼鏡レンズを用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、装用者にとって充分な青色光に対する保護性能及び防眩性能を有しながら、他者にとって受け入れられ易く装用者にとって装用し易い眼鏡レンズを提供することが可能となる、という効果を奏する。
実施例1に係るレンズの可視領域における分光透過率分布を示すグラフである。 実施例2に係るレンズの可視領域における分光透過率分布を示すグラフである。 実施例3に係るレンズの可視領域における分光透過率分布、ディスチャージランプの分光スペクトル強度、及び暗所視比視感度の分光分布を示すグラフである。 比較例1に係るレンズの可視領域における分光透過率分布を示すグラフである。 比較例2に係るレンズの可視領域における分光透過率分布を示すグラフである。 比較例3に係るレンズの可視領域における分光透過率分布を示すグラフである。 比較例1に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。 比較例2に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。 比較例3に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。 実施例1に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。 実施例2に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。 実施例3に係るレンズにおける透過光の色等のXY色度図上の位置を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面を用いて説明する。尚、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
本発明に係る眼鏡レンズとしては、まず次のものが考えられる(第1形態)。
即ち、光の透過率分布にあって、(1)波長410nm以上440nm以下の領域内に第1極小値が存在して当該第1極小値が5%以下であり、(2)波長450nm以上500nm以下の領域内に第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差が50以上であり、(3)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第1極大値に係る波長より長波長側に第2極小値が存在して当該第2極小値が80%以下であり、(4)波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在して当該第3極小値が30%以上70%以下であり、(5)波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上である眼鏡レンズである。
第1形態において、主に(1)波長410nm以上440nm以下の領域内に第1極小値が存在して当該第1極小値が5%以下であり、且つ(2)波長450nm以上500nm以下の領域内に第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差が50以上であることにより、波長400nm以上500nm以下の光の透過率分布において5%以下から立ち上がる急峻な部分が存在することとなり、青色光の短波長側の光が選択的にカットされる。ここで、可視領域における残りの部分(500nmより長波長側)において分光透過率分布が第1極大値と同じ透過率をとり続ける眼鏡レンズを仮想すると、波長400nm以上500nm以下の光の透過率分布において急峻な部分が存在するから、当該仮想的な眼鏡レンズを1回通過する透過光と、2回通過する透過光とで、色調の変化が殆どない。
かように分光透過率分布において青色領域内で急峻な部分を有することにより、青色光から装用者の眼を保護することができ、又装用者が認識する視界のコントラストを強調して視認性を良好にすることができるが、上述の仮想的な眼鏡レンズは他者から見ると黄色い色調となり、装用が敬遠されることが比較的に多い。
又、主に(4)波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在し、且つ(5)波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上であることにより、上記(1),(2)によって黄色みを帯びた眼鏡レンズにおける黄色みを緩和することができる。緩和の程度は、第3極小値が小さいほど大きいが、一方で第3極小値を小さくし過ぎると、眼鏡レンズを1回通過する透過光においても黄色みが失われることとなり、装用者が認識する視界のコントラストを強調する効果が失われて視認性を良くすることができなくなってしまう。従って、第3極小値は、中程度の大きさを有することが好ましく、具体的には、30%以上70%以下であると好ましく、40%以上60%以下であるとより好ましいものとなる。
更に、主に(3)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第1極大値に係る波長より長波長側に第2極小値が存在して当該第2極小値が80%以下(より好ましくは70%以下)であることにより、視認性をなるべく維持しながら、肌色(僅かに赤みを帯びた白色や薄黄色や黄色)と、眼鏡レンズを2回通過した当該肌色の透過光の色との、色変化をなるべく抑えることが可能となる。
第2極小値を有することにより、赤色の補色である緑色の透過率につき視認性を阻害せずに低減することができ、肌色の変化を抑制することができて、肌色の赤みを緑色によりくすませる事態を防止することができる。
尚、肌色の変化を抑制することに比べて形成を容易として低コストとすることを重視する場合において、(3)の条件を充足せず、(1),(2),(4),(5)を充足するものとしても良い。
更に、(4)波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在し、且つ(5)波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上であることによっても、560nm以上600nm以下の領域内において急峻な分光透過率分布を具備させて、波長600nm以上650nm以下の領域内において分光透過率分布をなだらかにさせないために、透過光において緑色光につき視認性を維持しつつ抑制することが可能となり、肌色の透過光をくすませて装用者の眼の周りの外観を比較的に悪化させる事態を防止することが可能となる。
又、本発明に係る眼鏡レンズとしては、次のものも考えられる(第2形態)。
即ち、光の透過率分布にあって、(6)波長410nm以上460nm以下の領域内に第4極小値が存在して当該第4極小値が5%以下であり、(7)波長450nm以上500nm以下の領域内であって前記第4極小値に係る波長より長波長側に第3極大値が存在して当該第3極大値と前記第4極小値の差が50以上であり、(8)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第3極大値に係る波長より長波長側に第5極小値が存在して当該第5極小値が80%以下であり、(9)波長560nm以上600nm以下の領域内に第6極小値が存在して当該第6極小値が10%以上30%以下であり、(10)波長600nm以上650nm以下の領域内に第4極大値が存在して当該第4極大値と前記第6極小値の差が50以上である眼鏡レンズである。
第2形態において、主に(6)及び(7)により、(1)及び(2)と同様に、青色光をカットして装用者の眼を保護しながら、視界のコントラストを強調して視認性を良好にすることができる。
特に、(1)において第1極小値の属する範囲の上限を440nm以下としているのに対し、(6)において第4極小値の属する範囲の上限を460nm以下としているので、第1形態に比べ、第2形態では青色光のカットをより広範囲の波長において行うことができる。
但し、第1形態に比べ、第2形態では青色光をよりカットする分、黄色みが強くなってしまう。
そこで、第1形態の(4)及び(5)に比べ、第2形態の(9)及び(10)では、第6極小値を10%以上30%以下とより低くすることで、視認性に配慮しつつ黄色の色調を緩和する程度を比較的に強くする。
又、(3)と同様、(8)によって肌色の色調変化を少なくすることが可能となる。
尚、肌色の変化の抑制に比べて作製の容易化や低コスト化を重視する場合において、(8)の条件を充足せず、(6),(7),(9),(10)を充足するものとしても良い。
以上のような可視領域(例えば400〜780nm)における分光透過率分布を有する各種の眼鏡レンズは、例えば、プラスチック製やガラス製であるレンズ基体における少なくとも表面又は裏面の何れかに対し特定の層構造を有する光学多層膜を形成したり、プラスチック製のレンズ基体に特定の顔料や染料等の着色料を分散させたり、これらを組み合せたりすることで作製することが可能である。
又、各形態において、視感透過率を50%以上とすることができ、この場合、視認性が良好であり、青色光に対する保護効果があり、黄色が強すぎることにより装用が回避される事態を防止して装用時の外観を良好にする眼鏡レンズを提供することができる。
[実施例1〜3及び比較例1〜3]
次いで、上記実施形態に係る本発明の実施例、及び本発明に属さない比較例を説明する。尚、上記実施形態に係る実施例は、以下のものに限定されない。
同じレンズ基体を6枚用意し、各レンズ基体の両面においてそれぞれ異なる種類の光学多層膜を形成して、眼鏡レンズに係る実施例1〜3,比較例1〜3を作製した。
レンズ基体は、ウレタン系樹脂製で、度数は0(フラットレンズ)であり、屈折率は1.60であり、アッベ数は41である。
又、光学多層膜は、同じレンズ基体においては両面とも同じ膜構成を有しており、何れも低屈折率層(二酸化ケイ素,SiO)と高屈折率層(二酸化ジルコニウム,ジルコニア,ZrO)を交互に蒸着した5層構造の光学多層膜である。実施例1〜3,比較例1〜3では、低屈折率層や高屈折率層の少なくとも何れかの膜厚が互いに相違する。
このようにしてそれぞれ作製された眼鏡レンズの、可視領域における分光透過率分布を、実施例1〜3について図1〜3に示し、比較例1〜3について図4〜6に示す。
[実施例1の透過率分布]
上記第1形態に属する実施例1に係る図1において、(1−1)波長約420nm以上約430nm以下に亘り第1極小値が存在して当該第1極小値は0%である。尚、波長400nm以上450nm未満の平均透過率は、約14%である。
又、(1−2)波長約490nmにおいて約82%の第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差は約82である。尚、波長450nm以上500nm未満の平均透過率は、約78%である。
更に、(1−3)波長約540nmにおいて第2極小値が存在して当該第2極小値が約57%である。尚、波長500nm以上550nm未満の平均透過率は、約71%である。
又更に、(1−4)波長約590nmにおいて第3極小値が存在して当該第3極小値が約40%である。尚、波長550nm以上600nm未満の平均透過率は、約60%である。
加えて、(1−5)波長620nmから650nmにかけて約90%である第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が30となっている。尚、波長600nm以上650nm未満の平均透過率は、約86%である。
[実施例2の透過率分布]
上記第2形態に属する実施例2に係る図2において、(2−6)波長約445nmにおいて第4極小値が存在して当該第4極小値が約1%である。尚、波長400nm以上450nm未満の平均透過率は、約2%である。
又、(2−7)波長約475nmにおいて約53%の第3極大値が存在して当該第3極大値と前記第4極小値の差は約51である。尚、波長450nm以上500nm未満の平均透過率は、約33%である。
更に、(2−8)波長約500nmにおいて第5極小値が存在して当該第5極小値が約37%である。尚、波長500nm以上550nm未満の平均透過率は、約48%である。
又更に、(2−9)波長約580nmにおいて第6極小値が存在して当該第6極小値が約14%である。尚、波長550nm以上600nm未満の平均透過率は、約36%である。
加えて、(2−10)波長約650nmにおいて約90%である第4極大値が存在して当該第4極大値と前記第6極小値の差が76となっている。尚、波長600nm以上650nm未満の平均透過率は、約83%である。
[実施例3の透過率分布]
上記第1形態に属する実施例3に係る図3において、(3−1)波長約430nmにおいて第1極小値が存在して当該第1極小値は0%である。尚、波長400nm以上450nm未満の平均透過率は、約30%である。
又、(3−2)波長約475nmにおいて約88%の第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差は約88である。尚、波長450nm以上500nm未満の平均透過率は、約85%である。
更に、(3−3)波長約550nmにおいて第2極小値が存在して当該第2極小値が約62%である。尚、波長500nm以上550nm未満の平均透過率は、約77%である。
又更に、(3−4)波長約580nmにおいて第3極小値が存在して当該第3極小値が約50%である。尚、波長550nm以上600nm未満の平均透過率は、約64%である。
加えて、(3−5)波長620nmから650nmにかけて約92%である第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が42となっている。尚、波長600nm以上650nm未満の平均透過率は、約90%である。
[比較例1の透過率分布]
比較例1に係る図4において、約445nmで約1%の極小値が存在して約480nmで約88%の極大値が存在するものの、当該極大値以降は約89%前後の2ポイントの幅に収まる一定値をとっている。
[比較例2の透過率分布]
比較例2に係る図5において、約400nmから約600nmにかけて0%から88%程度まで透過率分布がなだらかになり透過率が漸増しており、600nm以降は約89%前後の2ポイントの幅に収まる一定値をとっている。
[比較例3の透過率分布]
比較例3に係る図6では、約400nmから約570nmまでは実施例1と同様の分光透過率分布を呈しているが、約570nm以降の分布は実施例1とは異なっている。比較例3では、第3極小値に相当する極小値が存在するものの(580nmで約58%)、これ以降は約780nmで約90%となるまで透過率分布がなだらかに漸増していく。
[検討]
比較例1では、450nmから470nmにかけて透過率分布が0%から90%まで急峻に立ち上がり、450nm未満の光を選択的にカットする。従って、青色光に対する一定の保護効果があるが、眼鏡レンズの色としては黄色を呈する。
又、XY色度図(XYZ表色系)に係る図7に示すように、比較例1に対しD65光源を照射した場合に、当該光源からの光が比較例1を1回通過したときの光の色と、比較例1を2回透過したときの光の色が、互いに近い(殆ど変わらない)ものとなる。
一方、比較例2は、可視領域の短波長側における分光透過率分布がなだらかとなる。比較例2は、比較例1と比べて可視領域の中波長域(470〜600nm)の透過率が低く、中波長域の光もある程度カットするから、黄色みが抑制され(茶色(ブラウン)に近づき)、青色光に対する保護効果も存在する。
又、図7と同様である図8に示すように、比較例2では、D65光源光が1回透過したときの光の色(彩度等)と、2回透過したときの光の色(彩度等)が、大きく異なる。比較例2では、短波長側に行くほど透過率が低くなり、透過すればするほど、青色光のカットが顕著に大きくなるからである。
他方、比較例3は、560〜600nmにおいて極小点が一応存在するものの、その前後の透過率分布が急峻でなく、又600〜650nmにおける透過率分布がなだらかであるため、透過光に赤色の補色である緑色が加わり、視認性に影響するし、他者から見た装用者の肌の色がくすんでしまう。
即ち、図7や図8と同様である図9に示すように、比較例3では、D65光源光が1回透過したときの光の色に対して、2回透過したときの光の色が緑色を帯びることとなる。そして、レンズを通さないD65光源光に照らされた肌の色に対し、レンズを通した肌の色が、緑色方向に変化する。
これに対し、実施例1では、430nmから460nmにかけて透過率分布が急峻に立ち上がると共に、波長約590nmにおいて中程度(約40%)の第3極小値が存在するので、透過光について、青色光に対する保護効果を奏しながら、視認性と外観の良好さのバランスがとれた色とすることができる。
更に、波長約540nmにおいても中程度(約57%)の第2極小値が存在するので、装用者以外の他者から見て装用者の肌の色のくすみが少なく、外観をより一層良好にすることができる。
即ち、図7等と同様である図10に示すように、D65光源光が1回透過したときの光の色(黄色みを帯びる)に対し、2回透過したときの光の色を茶色みを帯びるように変えることができる。
又、図10に示すように、D65光源で照らされた肌について、レンズを通さずに見た色に対し、レンズを通して見た色を、緑色を帯びるのではなく橙色ないし赤色を帯びるように少し変化させ、肌色をくすませず、艶やかに見える赤色方向に変化させることができる。
一方、実施例2では、460nm付近まで大幅に青色光をカットし、眼の保護効果は更に高い。但し、そのままではその分だけ眼鏡レンズの色が黄色みを帯びる。そこで、550〜600nmにおける透過率を中程度に維持しながら、実施例1よりは550〜600nmにおける透過率を比較的に低くすることで、視認性と外観の良好さのバランスがとれた色とすることができる。
又、500〜550nmの領域内に透過率分布の極小点が存在するので、眼鏡レンズを透過した肌色を橙(オレンジ)色ないし赤色の強まる色、即ち肌のくすまない色に変化させることができる(肌色にとって色調変化の少ない状態にすることができる)。
即ち、図7等と同様である図11に示すように、D65光源光が1回透過したときの光の色(黄色みを帯びる)に対し、2回透過したときの光の色につき茶色みを帯びるように変化させることができる。
更に、図11に示すように、D65光源で照らされた肌について、レンズを通さずに見た色に対し、レンズを通して見た色を、緑色ではなく赤色を帯びるように変化させ、肌色をくすませず、艶やかに見える赤色方向に変化させることができる。
又、実施例3では、実施例1と同様の分光透過率分布を有しているため、実施例1と同様、1回透過した光について、青色光をカットしながら視認性を良くすることができ、2回透過した光について、黄色より好まれる茶色を帯びるようにすることができる。
加えて、実施例3では、夜間運転用サングラスレンズとして用いることができる。
即ち、図3で示しているように、夜間における視細胞の感度は、507nmを頂点(相対強度約0.85)として、両側で相対強度が漸減し、400,590nmで約0.1程度となるような分光分布を呈するところ、実施例3では、第1極小値(約430nm)と第2極小値(約550nm)の間に第1極大値(約475nm)が存在し、第1極小値付近や第2極小値付近の透過率分布が急峻であるため、実施例3において夜間の視細胞感度の強い波長域において充分な透過率を有するものとすることができ、夜間においても視認し易いサングラスレンズとすることができる。
又、実施例3では、車のヘッドランプ(比較的に輝度の高いディスチャージランプ、青白色の光)の眩しさを、視認性に影響しない範囲で低減することができる。図3で示しているように、ディスチャージランプの発光スペクトルは、可視領域における最高強度(501nm)を1とした場合の相対強度が、極大値を離散した波長において複数有しており、極大値の両側において急峻に減少するような分布となっている。よって、発光スペクトルにおける相対強度の極大値に係る波長の光(各輝線)をできるだけカットすれば、効率良く眩しさを抑制することができる。しかし、輝線をカットし過ぎると、装用者の車におけるディスチャージランプないしその照射先まで見難くなってしまう。この点、実施例3では、第1極小値と第2極小値の間の輝線はさほどカットせずに残し、第1極小値より短波長側の輝線、並びに第2極小値及び第3極小値の輝線を比較的に大きくカットするので、夜間の運転に必要な視認性を確保しながら、ディスチャージランプの眩しさを低減することができる。更に、実施例3では、第1極小値より短波長側の輝線をほぼ完全に遮断(透過率1%未満)するので、ディスチャージランプの青みを抑制し、暖色系の色に変化させることができ、より一層眩しさが緩和されることとなる。
つまり、図7等と同様である図12に示すように、ディスチャージランプの青白色に対し、ディスチャージランプの光が実施例3の眼鏡レンズを1回透過したときの光の色を黄色に変化させることができ、実施例3の装用によって防眩性が高まって視認性が良好になる。又ディスチャージランプが含む青色光から眼を保護することができる。加えて、装用者が太陽光(D65光源光)に照らされた場合の肌の色に対し、2回透過したときの肌の色につき、僅かに赤みが増し、くすませないように変化させることができて、装用時の外観を良好なものとすることができる。
尚、実施例1,2についても、夜間運転用サングラスレンズとして用いることが可能である。

Claims (4)

  1. 以下に示す各条件を全て満たす光の透過率分布を有することを特徴とする眼鏡レンズ。
    (1)波長410nm以上440nm以下の領域内に第1極小値が存在して当該第1極小値が5%以下である。
    (2)波長450nm以上500nm以下の領域内に第1極大値が存在して当該第1極大値と前記第1極小値の差が50以上である。
    (3)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第1極大値に係る波長より長波長側に第2極小値が存在して当該第2極小値が80%以下である。
    (4)波長560nm以上600nm以下の領域内に第3極小値が存在して当該第3極小値が30%以上70%以下である。
    (5)波長600nm以上650nm以下の領域内に第2極大値が存在して当該第2極大値と前記第3極小値の差が20以上である。
  2. 以下に示す各条件を全て満たす光の透過率分布を有することを特徴とする眼鏡レンズ。
    (6)波長410nm以上460nm以下の領域内に第4極小値が存在して当該第4極小値が5%以下である。
    (7)波長450nm以上500nm以下の領域内であって前記第4極小値に係る波長より長波長側に第3極大値が存在して当該第3極大値と前記第4極小値の差が50以上である。
    (8)波長490nm以上550nm以下の領域内であって前記第3極大値に係る波長より長波長側に第5極小値が存在して当該第5極小値が80%以下である。
    (9)波長560nm以上600nm以下の領域内に第6極小値が存在して当該第6極小値が10%以上30%以下である。
    (10)波長600nm以上650nm以下の領域内に第4極大値が存在して当該第4極大値と前記第6極小値の差が50以上である。
  3. 更に、視感透過率が50%以上である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 請求項1ないしは請求項3の何れかに記載の眼鏡レンズを用いた
    ことを特徴とする眼鏡。
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