JP2007183412A - 波長選択性を有する光学部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射防止膜がコートされた複数種類の染色領域を持つ基材を用いた光学部材であって、反射光により付される色により染色された基材そのものの色合いを損なうことがない波長選択性を有する光学部材を提供すること。
【解決手段】波長選択性を有する光学部材は、光が透過する二つの面を有し、互いに異なる波長域成分を主として透過させる二以上のの領域を持つ基材と、二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、第一の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、一方の面における第一の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であり、第二の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、一方の面における第二の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統である構成にした。
【選択図】図8
【解決手段】波長選択性を有する光学部材は、光が透過する二つの面を有し、互いに異なる波長域成分を主として透過させる二以上のの領域を持つ基材と、二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、第一の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、一方の面における第一の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であり、第二の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、一方の面における第二の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統である構成にした。
【選択図】図8
Description
この発明は、例えば染色された眼鏡レンズのような透過光束の波長を選択する機能を有する光学部材に関する。
この種の眼鏡用染色レンズは、レンズを形成するプラスチックの基材に特定の色成分を吸収するような染料を浸透させる、あるいはインクジェット方式によりレンズ表面に塗料を塗布することにより作製される。眼鏡レンズが基材のみで構成される場合には、眼鏡レンズの装用者の眼に入る透過光の色刺激と、眼側から眼鏡レンズを透過して装用者以外の者の眼に入る透過光の色刺激、すなわち、レンズの色として認識される色刺激とは等しい。
一般に、眼鏡レンズ等様々な光学部材は、該部材表面に入射した光の無用な反射を防止するため、該表面に反射防止膜がコーティングされる。反射防止膜は、通常複数の誘電体層から構成される干渉膜であり、基準となる中心波長については反射光の発生をほぼ完全に防ぐことができるが、可視域の全波長において反射率を0%にすることはできない。従来は、基材の色に関わりなく一般に人間の眼にとって感度が高いとされる緑色成分の反射率が相対的に高く設定された分光反射率分布を有する反射防止膜が用いられていた。
ここで、従来は光学部材の基材の透過光の色刺激と反射防止膜による反射光の色刺激との関係に何ら注意が払われなかった。そのため、反射防止膜からの反射光により、眼鏡レンズが本来意図していた基材の色とは異なる色に見えてしまい、眼鏡レンズのファッション性が損なわれるという問題があった。本出願人は、以下の特許文献1において、上記問題を有効に解決し、反射防止膜を施しても色合いやファッション性を損なうことがない光学部材を提供している。
近年、染色技術の向上や例えば眼鏡レンズであれば装用者の好みの多様化に伴い、少なくとも二種類の染色(いわゆる、ツインカラーやマルチカラー)を施した基材を用いた光学部材が多用されつつある。このように染色の種類が増えるほど、光学部材は、基材の透過光の色刺激と反射防止膜による反射光の色刺激とのバランスを調整するのが困難になり、上記問題はより顕著に現れる。しかし、上記特許文献1に記載の発明は、あくまでも一種類の染色を施した基材を用いた光学部材に対して好適に実施されるものである。そのため、光学部材の使用者のさまざまなニーズに応えるべくさらなる改善が強く要望されていた。
そこで本発明は上記の事情に鑑み、複数種類の染色領域を持つ基材を用いた光学部材であってかつ反射防止膜がコートされたものであっても、反射光により付される色により染色された基材そのものの色合いを損なうことがない波長選択性を有する光学部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の波長選択性を有する光学部材は、光が透過する二つの面を有し、可視波長域内において互いに異なる波長域成分を主として透過させる少なくとも第一の領域および第二の領域を持つ基材と、二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、第一の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、二つの面の少なくとも一方の面における第一の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であり、第二の領域を介して光学部材を透過する光の色刺激と、二つの面の少なくとも一方の面における第二の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であることを特徴とする。
具体的には、第一の領域を介して光学部材を透過した光の分光分布が、基材の第一の領域における分光透過率分布に略一致し、第二の領域を介して光学部材を透過した光の分光分布が、基材の第二の領域における分光透過率分布に略一致するように構成される(請求項2)。
さらに請求項3に記載の波長選択性を有する光学部材によれば、基材における第一の領域を透過した光および二つの面の一方に施されたコーティング層により反射される光の、主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあり、かつ、基材における第二の領域を透過した光および二つの面の他方に施されたコーティング層により反射される光の、主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあることが望ましい。
請求項4に記載の波長選択性を有する光学部材によれば、上記所定の範囲は、±10nmであることが望ましい。
また、別の観点から請求項5に記載の波長選択性を有する光学部材は、光が透過する二つの面を有し、可視波長域内において互いに異なる波長域成分を主として透過させる複数の領域を持つ基材と、二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、上記の各領域を介して光学部材を透過する各光の色刺激と、各領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される各光の色刺激が同系統であることを特徴とする。
請求項6に記載の波長選択性を有する光学部材によれば、上記基材は、二つの面の少なくとも一方が曲面である。
また、請求項7に記載の波長選択性を有する光学部材によれば、上記コーティング層は、反射防止特性を備えることができる。
以上のように本発明によれば、反射防止膜の反射光の影響によって基材そのものの色合いを損なうことがなくなる。そして、該光学部材が、光が入射する側および光が射出される側のいずれから観察された場合であっても、基材と略同一の色刺激を観察者に与えることができる。つまり、本発明によれば、複数種類の染色領域を持つ基材に反射防止等を目的としたコーティングを施したとしても、視認性良く豊かなファッション性を備えた光学部材が提供される。
以下、この発明にかかる波長選択性を有する光学部材の実施形態を説明する。本実施形態の波長選択性を有する光学部材の側面図を図1に示す。光学部材10は、メニスカス形状の眼鏡レンズを想定している。ただし、本発明に係る光学部材は、ショーウィンドウやショーケース用に供されるガラス板などのパワーを持たない平板状として構成することもできる。
光学部材10は、基材1と反射防止膜2、3から構成される。なお、図1に示す基材1、各膜2、3の厚みは、説明の便宜上誇張して示している。図2は、基材1の正面図である。図2に示すように基材1は、可視波長域における特定の波長域(以下、第一の波長域という)の成分を主として透過させる第一の領域1a、可視波長域において、第一の波長域以外の波長域(以下、第二の波長域という)の成分を主として透過させる第二の領域1bを持つ。図1、図2では、第一の領域1aを破線領域で、第二の領域1bを実線領域で、それぞれ示す。
まず、光学部材10の特徴を説明するために使用する光の種類について図3を参照しつつ定義する。図3に示すように、光学部材10を透過した光のうち、第一の領域1aを透過した光を透過光TA、第二の領域1bを透過した光をTBとする。光学部材10で反射した光のうち、反射防止膜2で反射した光をR2、反射防止膜3で反射した光をR3とする。また、基材1だけを透過した光のうち、第一の領域1aを透過した光を透過光T1a、第二の領域1bを透過した光をT1bとする。
基材1は、各領域1a、1bの吸収率が互いに異なる波長依存性を有するように、換言すれば、各領域1a、1bに入射した白色光に互いに異なる特定の色がつくように染料を浸透、あるいは材料に混合することにより形成される。なお基材1は、インクジェット方式を用いて各領域1a、1bに染料を塗布することによっても形成することができる。本実施形態では、第一の領域1aは、透過光T1aに青色がつくように構成される。また、第二の領域1bは、透過光T1bに赤色がつくように構成される。
具体的には、第一の領域1aは、青−緑境界波長より短波長側の青色成分の透過率が相対的に高い分光透過率を有する。また、第二の領域1bは、赤−緑境界波長より長波長側の赤色成分の透過率が相対的に高い分光透過率を有する。
反射防止膜2、3は、基材1の光が透過する両面に施されている。より詳しくは、反射防止膜2は、基材1の第一の領域1aに対応する部位に設けられている。また、反射防止膜3は、基材1の第二の領域1bに対応する部位に設けられている。
反射防止膜2、3は、誘電体を積層して構成される干渉膜である。本実施形態の反射防止膜2を構成する各層は、第一の領域1aの分光透過率分布に基づいて、反射防止膜2での反射光R2と、第一の領域1a、反射防止膜2を介して光学部材1から射出される透過光TAとの色刺激が互いに同系統となるように屈折率、膜厚等が決定されている。また、本実施形態の反射防止膜3を構成する各層は、第二の領域1bの分光透過率分布に基づいて、反射防止膜3での反射光R3と、第二の領域1b、反射防止膜3を介して光学部材1から射出される透過光TBとの色刺激が互いに同系統となるように屈折率、膜厚等が決定されている。
つまり、反射防止膜2は、青−緑境界波長より短波長側の青色成分に対する反射率が、該境界波長よりも長波長側の緑、赤色成分に対する反射率より高くなるような分光反射率を有する。また、反射防止膜3は、赤−緑境界波長より長波長側の赤色成分の反射率が、該境界波長よりも短波長側の緑、青色成分に対する反射率より高くなるような分光反射率を有する。
したがって、反射防止膜2側に白色光が入射した場合、殆どの成分は反射防止膜2の作用により反射されずに基材1に入射するが、青色成分のみが僅かに反射光R2として反射する。また、反射防止膜3側に白色光が入射した場合、殆どの成分は反射防止膜3の作用により反射されずに基材1に入射するが、赤色成分のみが僅かに反射光R3として反射する。
第一の領域1aを透過する透過光T1aは、該領域1bでの緑、赤色成分の吸収により青色成分の輝度が相対的に大きなものとなる。ここで、第一の領域1a内での波長の違いに応じた吸収率の差は、反射防止膜2の波長の違いに応じた反射率の差よりはるかに大きく設定されている。したがって、反射防止膜2の作用は、透過光TAの分光分布の変化には殆ど影響しない。つまり、透過光TAの分光分布は、主として基材1の第一の領域1aの分光透過率分布のみに依存して決定される。このことは、透過光TAが、透過光T1aと略同一の分光分布を有することを意味する。つまり、透過光TAは、反射光R2と同様に、青色成分の輝度が相対的に高くなっている。
また、第二の領域1bを透過する透過光T1bは、該領域1bでの緑、青色成分の吸収により赤色成分の輝度が相対的に大きなものとなる。上述した反射防止膜2同様、反射防止膜3での反射率は、透過光TBの分光分布の変化には殆ど影響を与えない程度に十分低く設定される。つまり、透過光TBの分光分布は主として基材1の第二の領域1bの分光透過率分布のみに依存して決定される。より詳しくは、透過光TBは、透過光T1bと略同一の分光分布を有し、しかも、透過光TBは、反射光R3と同様に、赤色成分の輝度が相対的に高くなっている。
上述した特徴、つまり、反射光R2と透過光TA(透過光T1a)の色刺激が同系統であり、かつ反射光R3と透過光TB(透過光T1b)の色刺激が同系統であることは、CIE色度座標における主波長もしくは補色主波長を用いることにより、色特性として具体的に規定することができる。なお、任意の色は一つのスペクトル色と白色光の混合によってつくることができる。その場合に使ったスペクトル色の波長をその色の主波長という。CIE色度図上に表わされた白色点とその色の点との延長上のスペクトル軌跡の波長を読むことによって主波長を知ることができ、その色の色相の見当をつけるために用いられる。延長線が純紫軌跡と交差する場合は補色主波長という。また、本明細書では、CIE 1931標準表色系を用いて光学部材10の色特性を説明する。また、色特性を説明する際に使用する白色光源は、相関色温度が約6774Kとなる標準光源Cを用いるものとする。
反射光R2と透過光TA(透過光T1a)の色刺激が同系統であることは、透過光T1aおよび反射光R2の関係において、両者の主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあると言い換えることができる。同様に、反射光R3と透過光TB(透過光T1b)の色刺激が同系統であることは、透過光T1bと反射光R3の関係において、両者の主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあると言い換えることができる。なお、本実施形態では、一般に人間が同一色であると認識する範囲に鑑み、上記所定の範囲を±10nmに設定している。
上記のように構成することにより、光学部材10を観察した場合には、基材1の第一の領域1aに対応する部分は青みがかった状態で観察される。また、基材1の第二の領域1bに対応する部分は赤みがかった状態で観察される。このように、本実施形態の光学部材10は、二種類の染色が施された基材を用いているにもかかわらず、濁った色として知覚されることなく、視認性、ファッション性に富んだ構成になっている。
次に、上記実施形態の光学部材10の具体的実施例を説明する。実施例の光学部材10を構成する基材1は、図2に示される。基材1は、それぞれ異なる波長依存性を持つ第一の領域1a、第二の領域1bを有する。基材1の第一の領域1aは、図4に示す分光透過率特性を有する。図4に示すように、第一の領域1aは、400nm〜500nm程度の青色成分に対して高い透過率を有する。基材1の第二の領域1bは、図5に示す分光透過率特性を有する。図5に示すように、第二の領域1bは、600nm〜700nm程度の赤色成分に対して高い透過率を有する。
基材1において両面の各領域1a、1bに対応する部位には、それぞれコーティング層としての反射防止膜2、3が施される。反射防止膜2および反射防止膜3の具体的膜構成は、それぞれ以下の表1、2に示される。
表1、2において、層番号1が最も基材1に近い層を、層番号7が最も空気に近い層を表す。また、光学膜厚(単位:nm)における中心波長λは、550nmを想定する。
反射防止膜2の分光反射率特性を図6に、反射防止膜3の分光反射率特性を図7に、それぞれ示す。図6に示すように、反射防止膜2は、400nm〜500nm程度の青色成分の反射率が他の波長域に比べ、若干量高めに設定されている。また、図7に示すように、反射防止膜3は、600nm〜700nm程度の赤色成分の反射率が他の波長域に比べ、若干量高めに設定されている。ただし、高めに設定されているとしても、1〜2%程度であるため、各膜2、3の反射防止作用は有効に機能しているといえる。
上記構成の光学部材10を使用した場合において、反射光R2、R3、透過光T1a、T1bの特性を表3に示す。表3において、視感反射率(透過率)は、光学部材10に関し、入射した光に対する反射する光(射出される光)の比であり、色度座標を算出するために用いられる。また、CIE色度座標上での各光R2、R3、T1a、T1bの位置を図8に示す。
表3、図8に示すように、光学部材10は、反射光R2と透過光T1aの主波長の差、および反射光R3と透過光T1bの主波長の差がいずれも±10nmの範囲内にあるように構成されている。図9は、光学部材10に関し、第一の領域1aにより規定される部分の分光透過率特性を示すグラフである。図9において、第一の領域1aにより規定される部分の分光透過率特性を実線で示す。なお図9において、参照のため、図4に示した基材1の第一の領域1aの分光透過率特性を破線で示す。また、図10は、光学部材10に関し、第二の領域1bにより規定される部分の分光透過率特性を示すグラフである。図10において、光学部材10に関し、第二の領域1bにより規定される部分の分光透過率特性を実線で示す。なお図10においても、参照のため、図5に示した基材1の第二の領域1bの分光透過率特性を破線で示す。
図9や図10に示すように、光学部材10は、反射防止膜を施しているにもかかわらず、透過光TA、TBの分光透過率は、各領域1a、1bそのものを透過した透過光T1a、T1bと略同一であることがわかる。したがって、光学部材10をいずれの反射防止膜2、3側から見た場合であっても、色が濁ったり、曇ったりすることなく、色合いやファッション性、さらには視認性が保証される。
以上が本発明の実施形態である。本発明に係る光学部材は、上述した構成に限定されるものではなく、主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
たとえば、上記実施形態では、主として青色成分を透過する領域と主として赤色成分を透過する領域の二種類の染色領域を有する基材を使用すると説明した。しかし、本発明にかかる光学部材は、三種類以上の染色領域を持つ基材から構成されてもよい。この場合であっても、当該三種類以上の各領域に対応した部位に、各領域の分光透過率特性に対応する分光特性を持つコーティング層(上記実施形態であれば反射防止膜)を基材の面に施せばよい。
また、コーティングする膜は、必ずしも両面に設けるには及ばず、光学部材の使用用途や形状等に応じて、片面のみにしてもよい。他にも、たとえば、基材が三種類以上の染色領域を有する場合、一部の染色領域については、対応するコーティング層を一方の面に設け、残りの染色領域については、対応するコーティング層を他方の面に設けることも可能である。
また、たとえば、基材1の各領域1a、1bが主として透過させる色成分は、必ずしも青色成分と赤色成分の組み合わせに限定されるものではない。各領域1a、1bが主として透過させる色成分は、利用者(たとえば眼鏡であれば装用者)の好みに応じてさまざまな種類を選択することができる。そして、選択された各領域での分光透過率に対応して反射防止膜を構成すればよい。
また、図2で示した二つの領域1a、1bの境界は、光学部材の面中心を通る線分で表されるが、あくまで例示であってこれに限定するものではない。たとえば、同心円状に二以上の染色領域を形成してもよい。
1 基材
2、3 反射防止膜
10 光学部材
2、3 反射防止膜
10 光学部材
Claims (7)
- 光が透過する二つの面を有し、可視波長域内において互いに異なる波長域成分を主として透過させる少なくとも第一の領域および第二の領域を持つ基材と、
前記二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、
前記第一の領域を介して前記光学部材を透過する光の色刺激と、前記二つの面の少なくとも一方の面における前記第一の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であり、
前記第二の領域を介して前記光学部材を透過する光の色刺激と、前記二つの面の少なくとも一方の面における前記第二の領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される光の色刺激が同系統であることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 請求項1に記載の波長選択性を有する光学部材において、
前記第一の領域を介して前記光学部材を透過した光の分光分布が、前記基材の前記第一の領域における分光透過率分布に略一致し、
前記第二の領域を介して前記光学部材を透過した光の分光分布が、前記基材の前記第二の領域における分光透過率分布に略一致することを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 請求項1または請求項2に記載の波長選択性を有する光学部材において、
前記基材における前記第一の領域を透過した光および前記二つの面の一方に施されたコーティング層により反射される光の、主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあり、かつ、
前記基材における前記第二の領域を透過した光および前記二つの面の他方に施されたコーティング層により反射される光の、主波長の差あるいは補色主波長の差が所定の範囲内にあることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 請求項3に記載の波長選択性を有する光学部材において、
前記所定の範囲は、±10nmであることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 光が透過する二つの面を有し、可視波長域内において互いに異なる波長域成分を主として透過させる複数の領域を持つ基材と、
前記二つの面の少なくとも一方の面に施されたコーティング層と、から構成される光学部材であり、
前記領域それぞれを介して前記光学部材を透過する各光の色刺激と、各前記領域に対応する部位に施されたコーティング層により反射される各光の色刺激が同系統であることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の波長選択性を有する光学部材において、
前記基材は、前記二つの面の少なくとも一方が曲面であることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の波長選択性を有する光学部材において、
前記コーティング層は、反射防止特性を備えることを特徴とする波長選択性を有する光学部材。
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EP2902817B2 (en) † | 2012-09-28 | 2023-09-27 | Nikon-Essilor Co., Ltd. | Optical component and method for producing same |
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