JP2015143787A - 液晶硬化膜形成用組成物 - Google Patents

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忠弘 小林
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Abstract

【課題】転写を容易に行なうことができ、欠陥発生が少なく、透明性に優れる液晶硬化膜を得ることができる液晶硬化膜形成用組成物を提供すること。【解決手段】少なくとも2種の重合性液晶化合物、溶剤、重合開始剤、第3級アミン化合物及び3個以上のチオール基を含む化合物を含む液晶硬化膜形成用組成物、該組成物から形成される液晶硬化膜。該液晶硬化膜は、式(1)及び式(2)を満たすことがこの案しい。Re(450)/Re(550)≰1.00(1)、1.00≰Re(650)/Re(550)(2)[式中、Re(450)、Re(550)、Re(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmの光に対する面内の位相差値を表す。]【選択図】図1

Description

本発明は、液晶硬化膜形成用組成物等に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板等の、光学フィルムを含む部材が用いられている。このような光学フィルムとしては、重合性液晶化合物を含む液晶硬化膜形成用組成物から形成される液晶硬化膜を含む光学フィルムが知られている。特許文献1には、逆波長分散性を示す液晶硬化膜を含む光学フィルムが記載されている。
特表2010−537955号公報
従来の液晶硬化膜形成用組成物から形成される液晶硬化膜では、転写が必ずしも容易でなく、欠陥が発生する場合があった。また、透明性も十分に満足できるものではない場合があった。
本発明は以下の発明を含む。
[1] 少なくとも2種の重合性液晶化合物、溶剤、重合開始剤、第3級アミン化合物及び3個以上のチオール基を含む化合物を含む液晶硬化膜形成用組成物。
[2] [1]に記載の組成物から形成される液晶硬化膜。
[3] 式(1)及び式(2)を満たす[2]に記載の液晶硬化膜。
Re(450)/Re(550)≦1.00 (1)
1.00≦Re(650)/Re(550) (2)
[式中、Re(450)、Re(550)、Re(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmの光に対する面内の位相差値を表す。]
[4] 厚みが0.05〜2μmである[2]又は[3]に記載の液晶硬化膜。
[5] [2]〜[4]のいずれかに記載の液晶硬化膜と、光配向膜層と、基材とをこの順に含む積層体。
[6] [2]〜[4]のいずれかに記載の液晶硬化膜と、粘接着剤層と、被転写体とを含む積層体の製造方法であって、基材上に液晶硬化膜を形成し、液晶硬化膜を、粘接着剤層を介して被転写体に貼合し、基材を取り除く製造方法。
[7] [6]に記載の製造方法により得られる積層体。
[8] [5]又は[7]に記載の積層体を備えた表示装置。
本発明の液晶硬化膜形成用組成物によれば、転写を容易に行なうことができ、欠陥発生が少なく、透明性に優れる液晶硬化膜を得ることができる。
液晶硬化膜を含む液晶表示装置の模式図である。 液晶硬化膜を有する円偏光板を含む有機EL表示装置の模式図である。
<重合性液晶化合物>
重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性基は、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。
重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられ、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でも良く、サーモトロピック液晶における、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でも良い。製造の容易さという観点からサーモトロピック性のネマチック液晶が好ましい。
液晶硬化膜が式(1)及び式(2)を満たす場合、重合性液晶化合物としては、式(A)で表される化合物(以下、化合物(A)ということがある。)が好ましい。重合性液晶化合物は、単独で用いてもよいし、組み合わせてもよいが、少なくとも2種の重合性液晶化合物のうちの少なくとも1種が化合物(A)であることが好ましく、少なくとも2種が化合物(A)であることがより好ましい。
Figure 2015143787
[式中、Xは、酸素原子、硫黄原子又は−NR−を表わす。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
は、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜12の1価の芳香族複素環式基を表わす。
及びQは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR又は−SRを表わすか、或いは、QとQとが互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに芳香環又は芳香族複素環を形成する。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
及びDは、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−C(=S)−O−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−CR−、−CO−O−CR−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−又は−CO−NR−を表わす。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
及びGは、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表わし、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又は−NH−に置き換っていてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチン基は、第三級窒素原子に置き換っていてもよい。
及びLは、それぞれ独立に、1価の有機基を表わし、L及びLのうちの少なくとも一つは、重合性基を有する。]
化合物(A)におけるLは式(A1)で表される基であると好ましく、Lは式(A2)で表される基であると好ましい。
−F−(B−A−E− (A1)
−F−(B−A−E− (A2)
[式中、B、B、E及びEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CS−O−、−O−CS−O−、−CO−NR1−、−O−CH−、−S−CH−又は単結合を表わす。
及びAは、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基を表わし、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又は−NH−に置き換っていてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチン基は、第三級窒素原子に置き換っていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表わす。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表わす。
は、重合性基を表わす。
は、水素原子又は重合性基を表わす。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。]
好ましい化合物(A)としては、特表2011−207765号公報に記載の重合性液晶化合物及び式(8−1)〜(8−4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015143787

Figure 2015143787
化合物(A)とは異なる重合性液晶化合物としては、式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある)が挙げられる。
11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式中、P11は、重合性基を表わす。
11は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基及び該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−又は単結合を表わす。R16は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
12及びB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表わす。
11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。]
重合性液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報及び特開2011−207765号公報記載に記載された重合性液晶化合物、並びに、式(8−5)〜(8−10)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015143787

Figure 2015143787
液晶硬化膜形成用組成物は、少なくとも2種の重合性化合物を含む。
少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計の含有量は、液晶硬化膜形成用組成物の固形分100質量部に対して、通常70〜99.5質量部であり、好ましくは80〜99質量部であり、より好ましくは80〜94質量部であり、さらに好ましくは80〜90質量部である。上記範囲内であれば、配向性が高くなる傾向がある。ここで、固形分とは、液晶硬化膜形成用組成物から溶剤を除いた成分の合計量のことをいう。
<溶剤>
溶剤としては、重合性液晶化合物を完全に溶解し得るものが好ましく、重合性液晶化合物の重合反応に不活性な溶剤であることが好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン及びメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル溶剤;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素含有溶剤;等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。
溶剤の含有量は、液晶硬化膜形成用組成物100質量部に対して50〜98質量部が好ましい。液晶硬化膜形成用組成物の固形分は、液晶硬化膜形成用組成物100質量部に対して2〜50質量部が好ましい。固形分が2質量部以下であると、液晶硬化膜形成用組成物の粘度が低くなることから、液晶硬化膜の厚みが略均一になることで、液晶硬化膜にムラが生じにくくなる傾向がある。固形分は、製造しようとする液晶硬化膜の厚みを考慮して定めることができる。
<重合開始剤>
重合開始剤は、重合性液晶化合物等の重合反応を開始させ得る化合物である。重合開始剤としては、光の作用により活性ラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩等が挙げられる。
ベンゾイン化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
アルキルフェノン化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニル−2,2−ジメトキシエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
市販の重合開始剤としては、”イルガキュア(Irgacure)(登録商標)907”、”イルガキュア(登録商標)184”、”イルガキュア(登録商標)651”、”イルガキュア(登録商標)819”、”イルガキュア(登録商標)250”、”イルガキュア(登録商標)369”(チバ・ジャパン(株));”セイクオール(登録商標)BZ”、”セイクオール(登録商標)Z”、”セイクオール(登録商標)BEE”(精工化学(株));”カヤキュアー(kayacure)(登録商標)BP100”(日本化薬(株));”カヤキュアー(登録商標)UVI−6992”(ダウ社製);”アデカオプトマーSP−152”、”アデカオプトマーSP−170”((株)ADEKA);”TAZ−A”、”TAZ−PP”(日本シイベルヘグナー社);及び”TAZ−104”(三和ケミカル社)等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、通常、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜8質量部である。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向を乱すことがないため好ましい。
<第3級アミン化合物>
第3級アミン化合物としては、トリエタノールアミン、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が挙げられ、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアー(登録商標)MABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)等のジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)等のジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアー(登録商標)EPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセティクス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)等が挙げられ、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が、透明性に優れる点から好ましい。
第3級アミン化合物の含有量は、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
<3個以上のチオール基を含む化合物>
3個以上のチオール基を含む化合物としては、脂肪族基にチオール基を3個以上有する脂肪族多官能チオール化合物が、液晶の配向を乱しにくい点から望ましい。
3個以上のチオール基を含む化合物としては、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトーグリコネート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート等の他に、チオグリコレート、チオプロピオネート等の多価ヒドロキシ化合物が挙げられる。
3個以上のチオール基を含む化合物は、3個以上6個以下のチオール基を含む化合物であることが好ましい。
3個以上のチオール基を含む化合物の市販品としては、カレンズMTPE1(昭和電工製、登録商標)、TMMP、PEMP、DPMP(堺化学社製)が挙げられる。
3個以上のチオール基を含む化合物に含まれるチオール基としては、−O−CO−R−SH基(ただし、Rは炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基である)が好ましく、3個以上のチオール基がすべて−O−CO−R−SH基であることがより好ましい。
具体的な3個以上のチオール基を含む化合物としては、式(2−1)〜(2−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015143787
3個以上のチオール基を含む化合物の含有量は、通常、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、好ましくは、0.1〜5重量部である。上記範囲内であれば、配向性を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合させることができる。
液晶硬化膜形成用組成物は、増感剤(ただし、第3級アミン化合物とは異なる。)、重合禁止剤及びレベリング剤を含んでいてもよい。
<増感剤>
増感剤によれば、重合性液晶化合物の重合反応をより促進することができる。
増感剤としては、光増感剤が好ましい。増感剤としては、キサントン及びチオキサントン等のキサントン化合物(2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等);アントラセン及びアルコキシ基含有アントラセン(ジブトキシアントラセン等)等のアントラセン化合物;フェノチアジン及びルブレン等が挙げられる。
増感剤の含有量は、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
<重合禁止剤>
重合禁止剤によれば、重合性液晶化合物の重合反応の進行度合いをコントロールすることができる。
重合禁止剤としては、フェノール系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物及びアミン系化合物(ただし、第3級アミン化合物とは異なる。)などのラジカル捕捉剤が挙げられる。
フェノール系化合物としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、アルコキシ基含有ハイドロキノン、アルコキシ基含有カテコール(例えば、ブチルカテコールなど)、ピロガロールなどが挙げられる。また、市販品を使用してもよく、例えば、スミライザー(登録商標)BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、スミライザーGM(2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート)、スミライザーGS(F)(2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)、スミライザーGA−80(3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン)(全て住友化学(株)製)等が挙げられる。
硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のジアルキルチオジプロピオネート;市販品として、スミライザーTPL−R(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオナート)、スミライザーTPM(ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオナート)(全て住友化学(株)製)等が挙げられる。
リン系化合物としては、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、(オクチル)ジフェニルホスファイト;市販品として、スミライザーGP(6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
重合禁止剤としては、液晶硬化膜の着色が少ないという点で、フェノール系化合物が好ましい。
重合禁止剤の含有量は、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合させることができる。重合禁止剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<レベリング剤>
レベリング剤とは、液晶硬化膜形成用組成物の流動性を調整し、液晶硬化膜形成用組成物を塗布して得られる膜をより平坦にする機能を有するものであり、界面活性剤が挙げられる。好ましいレベリング剤としては、ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤及びフッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤が挙げられる。
ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤としては、”BYK−350”、”BYK−352”、”BYK−353”、”BYK−354”、”BYK−355”、”BYK−358N”、”BYK−361N”、”BYK−380”、”BYK−381”及び”BYK−392”[BYK Chemie社]等が挙げられる。
フッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤としては、”メガファック(登録商標)R−08”、同”R−30”、同”R−90”、同”F−410”、同”F−411”、同”F−443”、同”F−445”、同”F−470”、同”F−471”、同”F−477”、同”F−479”、同”F−482”及び同”F−483”[DIC(株)];”サーフロン(登録商標)S−381”、同”S−382”、同”S−383”、同”S−393”、同”SC−101”、同”SC−105”、”KH−40”及び”SA−100”[AGCセイミケミカル(株)];”E1830”、”E5844”[(株)ダイキンファインケミカル研究所];”エフトップEF301”、同”EF303”、同”EF351”及び同”EF352”[三菱マテリアル電子化成(株)]等が挙げられる。
レベリング剤の含有量は、少なくとも2種の重合性液晶化合物の合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がさらに好ましい。上記範囲内であると、重合性液晶化合物を水平配向させることが容易であり、かつ得られる液晶硬化膜がより平滑となる傾向があるため好ましい。液晶硬化膜形成用組成物は、レベリング剤を2種類以上含有していてもよい。
<液晶硬化膜>
本発明の液晶硬化膜は、通常、基材上又は基材上に形成された配向膜上に、重合性液晶化合物を含む液晶硬化膜形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合することで得られる。
液晶硬化膜は、通常、重合性液晶化合物が配向した状態で硬化した、厚みが5μm以下の膜であり、好ましくは重合性液晶化合物が基材面内に対して水平方向又は垂直方向に配向した状態で硬化した膜である。
液晶硬化膜の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。液晶硬化膜の厚みは、干渉膜厚計、レーザー顕微鏡又は触針式膜厚計により測定することができる。
重合性液晶化合物が基材面内に対して水平方向に配向した状態で硬化した液晶硬化膜は、波長λnmの光に対する複屈折率Δn(λ)が、式(1)及び式(2)を満たすことが好ましく、式(1)、式(2)及び式(3)を満たすことがより好ましい。
重合性液晶化合物が基材面内に対して垂直方向に配向した状態で硬化した液晶硬化膜は、式(4)を満たすことがと好ましい。
Re(450)/Re(550)≦1.00 (1)
1.00≦Re(650)/Re(550) (2)
[式中、Re(450)、Re(550)、Re(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmにおける正面位相差値を表す。]
100<Re(550)<150 (3)
[式中、Re(550)は、550nmの光に対する正面位相差値を表す。]
nz>nx≒ny (4)
[式中、nzは、厚み方向の屈折率を表す。nxは、面内において最大の屈折率を生じる方向の屈折率を表す。nyは、面内においてnxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す]
液晶硬化膜の正面位相差値は、液晶硬化膜の厚みによって調整することができる。正面位相差値は式(50)によって決定されることから、所望の正面位相差値(Re(λ))を得るためには、Δn(λ)と膜厚dを調整すればよい。
Re(λ)=d×Δn(λ) (50)
式中、Re(λ)は、波長λnmにおける正面位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表わす。
複屈折率Δn(λ)は、正面位相差値を測定して、液晶硬化膜の厚みで除することで得られる。具体的な測定方法は実施例に示すが、この際、ガラス基板のように基材自体に面内位相差が無いような基材上に製膜したものを測定することで、実質的な液晶硬化膜の特性を測定することができる。
重合性液晶化合物が基材面内に対して垂直方向に配向した状態で硬化した液晶硬化膜において、Re(550)は、好ましくは0〜10nmであり、より好ましく0〜5nmである。厚み方向の位相差値Rthは、好ましくは−10〜−300nmであり、より好ましくは−20〜−200nmである。式(4)を満たし、Re(550)及びRthが上記範囲内の液晶硬化膜は、特にIPS(in-plane switching)モードの液晶表示装置の補償に適する。
Rthは、面内の進相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定される位相差値R40と面内の位相差値Rとから算出することができる。すなわち、Rthは、面内の位相差値R、進相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値R40、液晶硬化膜の厚みd、及び液晶硬化膜の平均屈折率nから、式(9)〜(11)によりnx、ny及びnzを求め、これらを式(8)に代入して、算出することができる。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (8)
=(nx−ny)×d (9)
40=(nx−ny')×d/cos(φ) (10)
(nx+ny+nz)/3=n (11)
ここで、
φ=sin−1〔sin(40°)/n
ny'=ny×nz/〔ny×sin(φ)+nz×cos(φ)〕1/2
<基材>
基材としては、ガラス基材及びプラスチック基材が挙げられ、好ましくはプラスチック基材である。プラスチック基材を構成するプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド及びポリフェニレンオキシド等のプラスチックが挙げられる。好ましくは、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸エステルである。
セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の少なくとも一部が、エステル化されたものであり、市場から容易に入手することができる。セルロースエステル基材も市場から容易に入手することができる。市販のセルロースエステル基材としては、“フジタックフィルム”(富士写真フイルム(株));“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UY”(コニカミノルタオプト(株))等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂とはノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィンの重合体又は共重合体(環状オレフィン系樹脂)から構成されるものであり、当該環状オレフィン系樹脂は部分的に、開環部を含んでいてもよい。開環部を含む環状オレフィン系樹脂を水素添加したものでもよい。さらに、当該環状オレフィン系樹脂は、透明性を著しく損なわない点や、著しく吸湿性を増大させない点で、環状オレフィンと、鎖状オレフィンやビニル化芳香族化合物(スチレン等)との共重合体であってもよい。該環状オレフィン系樹脂は、その分子内に極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体である場合、環状オレフィンに由来する構造単位の含有率は、共重合体の全構造単位に対して、通常50モル%以下、好ましくは15〜50モル%である。鎖状オレフィンとしては、エチレン及びプロピレンが挙げられ、ビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン及びアルキル置換スチレンが挙げられる。環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンと、ビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体である場合、鎖状オレフィンに由来する構造単位の含有率は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%であり、ビニル基を有する芳香族化合物に由来する構造単位の含有率は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%である。このような三元共重合体は、その製造において、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。
市販の環状オレフィン系樹脂としては、“Topas”(登録商標)[Ticona社(独)]、“アートン”(登録商標)[JSR(株)]、“ゼオノア(ZEONOR)”(登録商標)[日本ゼオン(株)]、“ゼオネックス(ZEONEX)”(登録商標)[日本ゼオン(株)]及び“アペル”(登録商標)[三井化学(株)製]が挙げられる。このような環状オレフィン系樹脂を、溶剤キャスト法、溶融押出法等の公知の手段により製膜して、基材とすることができる。市販されている環状オレフィン系樹脂基材を用いることもできる。市販の環状オレフィン系樹脂基材としては、“エスシーナ”(登録商標)[積水化学工業(株)]、“SCA40”(登録商標)[積水化学工業(株)]、“ゼオノアフィルム”(登録商標)[オプテス(株)]及び“アートンフィルム”(登録商標)[JSR(株)]が挙げられる。
基材の厚みは、実用的な取扱いができる程度の重量である点では、薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。基材の厚みは、通常5〜300μmであり、好ましくは20〜200μmである。
<配向膜>
配向膜は、高分子化合物からなる厚みが500nm以下の膜であり、重合性液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有するものである。
配向膜は、重合性液晶化合物の液晶配向を容易にする。水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の液晶配向の状態は、配向膜及び重合性液晶化合物の性質によって変化し、その組み合わせは任意に選択することができる。配向膜が配向規制力として水平配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は水平配向又はハイブリッド配向を形成することができ、垂直配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は垂直配向又は傾斜配向を形成することができる。水平、垂直等の表現は、液晶硬化膜平面を基準とした場合、配向した重合性液晶化合物の長軸の方向を表す。垂直配向とは液晶硬化膜平面に対して垂直な方向に、配向した重合性液晶化合物の長軸を有することである。ここでいう垂直とは、液晶硬化膜平面に対して90°±20°のことを意味する。
配向規制力は、配向膜層が配向性ポリマーから形成されている場合は、表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能であり、光配向性ポリマーから形成されている場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。重合性液晶化合物の、表面張力や液晶性等の物性を選択することにより、液晶配向を制御することもできる。
液晶硬化膜が式(4)を満たす場合、当該液晶硬化膜を形成する重合性液晶化合物の液晶配向は、好ましくは垂直配向である。重合性液晶化合物を垂直配向させるためには、珪素原子、フッ素原子等からなる非極性置換基を有する配向膜を用いることが好ましく、当該配向膜としては、特許第4605016号、特許第4985906号、特許第4502119号及び、WO2008/117760号に記載されているような、一般的に垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜として用いられる材料を使用することができる。
基材と液晶硬化膜との間に形成される配向膜としては、配向膜上に液晶硬化膜を形成する際に使用される溶剤に不溶であり、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーからなる配向膜、光配向膜及びグルブ配向膜等が挙げられる。
配向膜の厚みは、通常10〜500nmであり、好ましくは10〜200nmである。
<配向性ポリマーからなる配向膜>
配向性ポリマーとしては、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類等が挙げられ、ポリビニルアルコールが好ましい。これらの配向性ポリマーは、単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。
配向性ポリマーからなる配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶剤に溶解した組成物(以下、配向性ポリマー組成物ということがある。)を基材に塗布し、溶剤を除去する、又は、配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去し、ラビングする(ラビング法)ことで得られる。
溶剤としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフラン及びはジメトキシエタン等のエーテル溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素置換炭化水素溶媒;等が挙げられる。これら溶剤は、単独でもよいし、組み合わせて用いてもよい。
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマー材料が、溶剤に完溶できる範囲であればよいが、溶液に対して固形分換算で0.1〜20%が好ましく、0.1〜10%がさらに好ましい。
市販の配向性ポリマー組成物としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)又はオプトマー(登録商標、JSR(株)製)等が挙げられる。
配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法等の塗布法や、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法が挙げられる
配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤を除去することにより、配向性ポリマーの乾燥被膜が形成される。溶剤の除去方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥法及び減圧乾燥法等が挙げられる。
ラビングする方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、配向性ポリマー組成物を基材に塗布しアニールすることで基材表面に形成された配向性ポリマーの膜を、接触させる方法が挙げられる。
<光配向膜>
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む組成物(以下、「光配向膜形成用組成物」ということがある。)を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御できる点でより好ましい。
光反応性基とは、光を照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、或いは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応又は光架橋反応を起こすものが、配向性に優れる点で好ましい。上記反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)、及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基等が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基等や、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基及びハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいという点で、シンナモイル基及びカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物の溶剤としては、光反応性基を有するポリマー及びモノマーを溶解するものが好ましく、該溶剤としては、配向性ポリマー組成物の溶剤として挙げられた溶剤等が挙げられる。
光配向膜形成用組成物に対する、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの含有量は、0.2質量%以上が好ましく、0.3〜10質量%が特に好ましい。光配向膜形成用組成物は、光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、ポリビニルアルコ−ルやポリイミド等の高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去する方法としては、配向性ポリマー組成物から溶剤を除去する方法と同じ方法が挙げられる。
偏光を照射するには、基板上に塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去したものに直接、偏光を照射する形式でも、基材側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。当該偏光は、実質的に平行光であると特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250〜400nmのUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ−等が挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプがより好ましい。これらのランプは、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光を照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテ−ラ−等の偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
なお、ラビング又は偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、液晶配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を形成することもできる。
<グルブ配向膜>
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターン又は複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶化合物を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像及びリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化樹脂の層を形成し、樹脂層を基材へ移してから硬化する方法、及び、基材上に形成した硬化前のUV硬化樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。具体的には、特開平6−34976号公報及び、特開2011−242743号公報記載の方法等が挙げられる。
上記方法の中でも、複数の溝を有するロール状の原盤を、硬化前のUV硬化樹脂の層表面に押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法が好ましい。ロール状原盤としては、耐久性の観点からステンレス(SUS)鋼が好ましい。
UV硬化樹脂としては、単官能アクリレート、多官能アクリレート又はこれらの混合物が挙げられる。
単官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基(CH=CH−COO−)及びメタクリロイルオキシ基(CH=C(CH)−COO−)からなる群より選ばれる基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基と記すこともある。)を1個有する化合物である。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する単官能アクリレートとしては、炭素数4から16のアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のβカルボキシアルキル(メタ)アクリレート、炭素数2から14のアルキル化フェニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びイソボニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能アクリレートとは、2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2から6個有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する多官能アクリレートとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート;1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート;ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及び3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜6個有する多官能アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
多官能アクリレートの市販品としては、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT[新中村化学(株)]、“ARONIX M−220”、同“M−325”、同“M−240”、同“M−270”同“M−309”同“M−310”、同“M−321”、同“M−350”、同“M−360”、同“M−305”、同“M−306”、同“M−450”、同“M−451”、同“M−408”、同“M−400”、同“M−402”、同“M−403”、同“M−404”、同“M−405”、同“M−406”[東亜合成(株)]、“EBECRYL11”、同“145”、同“150”、同“40”、同“140”、同“180”、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA、EBECRYLシリーズ[ダイセル・サイテック(株)]等が挙げられる。
配向乱れの小さな配向を得るためには、グルブ配向膜の凸部の幅は0.05〜5μmであることが好ましく、凹部の幅は0.1〜5μmであることが好ましく、凹凸の段差の深さは2μm以下であることが好ましく、0.01〜1μmであることが好ましい。
<積層体の製造方法>
液晶硬化膜と、粘接着剤層と、被転写体とを含む積層体の製造方法は、基材上に液晶硬化膜を形成し、液晶硬化膜を、粘接着剤層を介して被転写体に貼合し、基材を取り除く製造方法である。
粘接着剤層は、液晶硬化膜上に形成されても、被転写体上に形成されてもよい。基材と液晶硬化膜との間に配向膜がある場合は、基材と共に配向膜も取り除いてもよい。
液晶硬化膜又は配向膜等と化学結合を形成する官能基を表面に有する基材は、液晶硬化膜又は配向膜等と化学結合を形成し、取り除き難くなる傾向がある。よって基材を剥離して取り除く場合は、表面の官能基が少ない基材が好ましく、表面に官能基を形成する表面処理を施していない基材が好ましい。
基材と化学結合を形成する官能基を有する配向膜は、基材と配向膜との密着力が大きくなる傾向があるため、基材を剥離して取り除く場合は、基材と化学結合を形成する官能基が少ない配向膜が好ましい。配向性ポリマー組成物及び光配向膜形成用組成物等の溶液は、基材と配向膜とを架橋する試薬を含まないことが好ましく、さらに、基材を溶解する溶剤等の成分を含まないことが好ましい。
液晶硬化膜と化学結合を形成する官能基を有する配向膜は、液晶硬化膜と配向膜との密着力が大きくなる傾向がある。よって基材と共に配向膜を取り除く場合は、液晶硬化膜と化学結合を形成する官能基が少ない配向膜が好ましい。配向性ポリマー組成物及び光配向膜形成用組成物等の溶液は、液晶硬化膜と配向膜とを架橋する試薬を含まないことが好ましい。
配向膜と化学結合を形成する官能基を有する液晶硬化膜は、配向膜と液晶硬化膜との密着力が大きくなる傾向がある。よって基材を取り除く場合又は、基材と共に配向膜を取り除く場合は、基材又は配向膜と化学結合を形成する官能基が少ない液晶硬化膜が好ましい。液晶硬化膜形成用組成物は、基材又は配向膜と液晶硬化膜とを架橋する試薬を含まないことが好ましい。
<粘接着剤層>
粘接着剤層は粘接着剤から形成される。粘接着剤としては、粘着剤、乾燥固化型接着剤及び化学反応型接着剤が挙げられる。化学反応型接着剤としては、活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。
<粘着剤>
粘着剤は、通常、ポリマーを含み、溶剤を含んでもよい。
ポリマーとしては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、又はポリエーテル等が挙げられる。中でも、アクリル系ポリマーを含むアクリル系の粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を有し、接着性に優れ、さらには耐候性や耐熱性等が高く、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等が生じにくいため好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、エステル部分のアルキル基がメチル基、エチル基又はブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基である(メタ)アクリレート(以下、アクリレート、メタクリレートを総称して(メタ)アクリレート、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸ということがある。)と、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体が好ましい。
このような共重合体を含む粘着剤は、粘着性に優れており、表示装置に貼合した後に、取り除く際も、表示装置に糊残り等を生じさせることなく、比較的容易に取り除くことが可能であるため好ましい。アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、25℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。このようなアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であることが好ましい。
溶剤としては、配向性ポリマー組成物の溶剤として挙げられた溶剤等が挙げられる。
粘着剤は、光拡散剤を含有してもよい。光拡散剤は、粘着剤に光拡散性を付与するためのものであり、粘着剤が含むポリマーと異なる屈折率を有する微粒子であればよく、光拡散剤としては、無機化合物からなる微粒子及び有機化合物(ポリマー)からなる微粒子が挙げられる。アクリル系ポリマーを含めて、粘着剤が有効成分として含むポリマーの多くは、1.4程度の屈折率を有するため、光拡散剤としては、その屈折率が1〜2のものから適宜選択すればよい。粘着剤が有効成分として含むポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常、0.01以上であり、表示装置の明るさと表示性の観点からは、0.01〜0.5が好ましい。光拡散剤として用いる微粒子は、球形のもの、それも単分散に近いものが好ましく、平均粒径が2〜6μmにある微粒子が好ましい。
屈折率は、一般的な最小偏角法又はアッベ屈折計によって測定される。
無機化合物からなる微粒子としては、酸化アルミニウム(屈折率1.76)及び酸化ケイ素(屈折率1.45)等が挙げられる。
有機化合物(ポリマー)なる微粒子としては、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、及びシリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)等が挙げられる。
光拡散剤の含有量は、通常、ポリマー100重量部に対して、3〜30重量部である。
光拡散剤が分散された粘着剤から形成される粘接着剤層のヘイズ値は、表示装置の明るさを確保するとともに、表示像のにじみやボケを生じにくくする観点から、20〜80%が好ましい。ヘイズ値は、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で表される値であり、JIS K 7105に準じて測定される。
粘着剤から形成される粘接着剤層の厚みは、その密着力等に応じて決定されるものであり特に制限されないが、通常、1〜40μmである。加工性や耐久性等の点から当該厚みは3〜25μmが好ましい。粘着剤から形成される粘接着剤層の厚みを3〜15μmとすることにより、表示装置を正面から見た場合や斜めから見た場合の明るさを保ち、表示像のにじみやボケが生じにくくすることができる。
<乾燥固化型接着剤>
乾燥固化型接着剤は、溶剤を含んでもよい。
乾燥固化型接着剤としては、水酸基、カルボキシ基又はアミノ基等のプロトン性官能基とエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合体、又は、ウレタン樹脂を主成分として含有し、さらに、多価アルデヒド、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、メラミン化合物、ジルコニア化合物、及び亜鉛化合物等の架橋剤又は硬化性化合物を含有する組成物等が挙げられる。
水酸基、カルボキシ基又はアミノ基等のプロトン性官能基とエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合体としては、エチレン−マレイン酸共重合体、イタコン酸共重合体、アクリル酸共重合体、アクリルアミド共重合体、ポリ酢酸ビニルのケン化物及び、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、及び、アミノ基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。水系接着剤におけるポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、水100質量部に対して、通常1〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
ウレタン樹脂としては、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂等が挙げられる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤とすることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を用いる場合は、架橋剤として水溶性のエポキシ化合物を配合することが有効である。
エポキシ樹脂としては、ジエチレントリアミン又はトリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンとアジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂等が挙げられる。かかるポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)製“スミレーズレジン650”及び“スミレーズレジン675”、日本PMC(株)製“WS−525”等が挙げられる。エポキシ樹脂を配合する場合、その添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、通常1〜100質量部であり、好ましくは1〜50質量部である。
乾燥固化型接着剤から形成される粘接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μmであり、好ましくは0.01〜2μmであり、さらに好ましくは1μm以下である。乾燥固化型接着剤から形成される粘接着剤層が厚すぎると、液晶硬化膜の外観不良となりやすい。
<活性エネルギー線硬化型接着剤>
活性エネルギー線硬化型接着剤は、溶剤を含んでもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤とは、活性エネルギー線の照射を受けて硬化する接着剤である。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性のもの、アクリル系硬化成分とラジカル重合開始剤とを含有するラジカル重合性のもの、エポキシ化合物等のカチオン重合性の硬化成分及びアクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化成分の両者を含有し、さらにカチオン重合開始剤及びラジカル重合開始剤を含有するもの、及び、重合開始剤を含まずに電子ビームを照射することで硬化されるもの等が挙げられる。好ましくは、アクリル系硬化成分とラジカル重合開始剤とを含有するラジカル重合性の活性エネルギー線硬化型接着剤である。実質的に無溶剤で使用できる、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤を含有するカチオン重合性の活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。
エポキシ化合物としては、水酸基を有する芳香族化合物又は鎖状化合物のグリシジルエーテル化物、アミノ基を有する化合物のグリシジルアミノ化物、C−C二重結合を有する鎖状化合物のエポキシ化物、飽和炭素環に直接若しくはアルキレンを介してグリシジルオキシ基若しくはエポキシエチル基が結合しているか又は、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。これらのエポキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。なかでも脂環式エポキシ化合物は、カチオン重合性に優れるため、好ましい。
エポキシ化合物の市販品としては、三菱化学(株)製“jER”シリーズ、DIC(株)製“エピクロン”、東都化成(株)製“エポトート(登録商標)”、(株)ADEKA製“アデカレジン(登録商標)”、ナガセケムテックス(株)製“デナコール(登録商標)”、ダウケミカル社製“ダウエポキシ”、日産化学工業(株)製“テピック(登録商標)”等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、(株)ダイセル製“セロキサイド”シリーズ及び“サイクロマー”、ダウケミカル社製“サイラキュア UVR”シリーズ等が挙げられる。
エポキシ化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤は、さらにエポキシ化合物以外の化合物を含有してもよい。エポキシ化合物以外の化合物としては、オキセタン化合物やアクリル化合物等が挙げられる。なかでも、カチオン重合において硬化速度を促進できる可能性があることから、オキセタン化合物を併用するのことが好ましい。
オキセタン化合物としては、東亞合成(株)製“アロンオキセタン(登録商標)”シリーズ、宇部興産(株)製“ETERNACOLL(登録商標)”シリーズ等が挙げられる。
エポキシ化合物やオキセタン化合物を含む活性エネルギー線硬化型接着剤は、無溶剤で用いることが好ましい。
カチオン重合開始剤とは、紫外線等の活性エネルギー線の照射を受けてカチオン種を発生する化合物であり、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩及び、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩並びに;鉄−アレーン錯体が挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。
カチオン重合開始剤の市販品としては、日本化薬(株)製“カヤラッド(登録商標)”シリーズ、ダウケミカル社製“サイラキュア UVI”シリーズ、サンアプロ(株)製“CPI”シリーズ、みどり化学(株)製“TAZ”、“BBI”及び“DTS”、(株)ADEKA製“アデカオプトマー”シリーズ、ローディア社製“RHODORSIL(登録商標)”等が挙げられる。
カチオン重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対して、通常0.5〜20質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。
アクリル系硬化成分としては、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、水素引き抜き型光ラジカル発生剤、及び、開裂型光ラジカル発生剤等が挙げられる。
水素引き抜き型光ラジカル発生剤としては、1−メチルナフタレン等のナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体及びクマリン誘導体等が挙げられる。
開裂型光ラジカル発生剤としては、ベンゾインエーテル誘導体、アセトフェノン誘導体等のアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類、アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、及びそれらを高分子量化した誘導体等が挙げられる。
開裂型光ラジカル発生剤の中でもアシルホスフィンオキシド類が好ましく、具体的には、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名「DAROCURE TPO」;チバ・ジャパン(株))、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド(商品名「CGI 403」;チバ・ジャパン(株))、又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド(商品名「Irgacure819」;チバ・ジャパン(株))が好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、増感剤を含有してもよい。
増感剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型接着剤100質量部に対し、好ましくは0.1〜20質量部である。
活性エネルギー線硬化型接着剤には、さらに、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤及び消泡剤等が含有されてもよい。
本明細書における活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線及び電子線等が挙げられ、紫外線及び電子線が好ましい。
電子線照射の加速電圧は、通常5〜300kVであり、好ましくは10〜250kVである。照射線量は、通常5〜100kGyであり、好ましくは10〜75kGyである。
電子線照射は、通常、不活性ガス中で行うが、大気中や酸素を少し導入した条件で行ってもよい。
紫外線照射強度は、通常10〜5000mW/cmである。紫外線照射強度は、好ましくはカチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度である。このような光照射強度で1回又は複数回照射して、その積算光量が10mJ/cm以上、好ましくは10〜5,000mJ/cmとなるようにすることが好ましい。
紫外線の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザー、波長範囲380〜440nmを発光するLED光源、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。
溶剤としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のアルコール;
プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の飽和脂肪族エーテル化合物;
アリルエーテル、エチルアリルエーテル等の不飽和脂肪族エーテル化合物;
アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル等の芳香族エーテル化合物;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル化合物;
ギ酸、酢酸、無水酢酸、アクリル酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸化合物;
ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、酪酸ブチル、炭酸ジエチル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、リン酸トリエチル等の有機酸エステル化合物;
アセトン、エチルケトン、プロピルケトン、ブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン化合物;
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ウンデカン二酸、ピルビン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸化合物;
1,4−ジオキサン、フルフラール、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
中でも、水及びアルコールが好ましく、炭素数は1〜4のアルコールがより好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコールがさらに好ましく、イソプロピルアルコール及び/又は1−ブタノールがさらにより好ましい。
水は、純水でもよいし、水道水程度に不純物を含んでいてもよい。
活性エネルギー線硬化型接着剤から形成される粘接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μmであり、好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは4μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。活性エネルギー線硬化型接着剤から形成される粘接着剤層が厚すぎると、液晶硬化膜の外観不良となりやすい。
<被転写体>
被転写体としては、上記基材と同じもの、偏光子、偏光板等が挙げられる。
<偏光子及び偏光板>
偏光子は、偏光機能を有する。偏光子としては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、又は、吸収異方性を有する色素を塗布したフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、二色性色素が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムは通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000であり、好ましくは1,500〜5,000である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜して、偏光子の原反フィルムが得られる。ポリビニルアルコール系樹脂は、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは、10〜150μmが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、又は染色の後で行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、二色性色素を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法によって行われる。
二色性色素として、ヨウ素や二色性の有機染料が挙げられる。二色性の有機染料としては、C.I. DIRECT RED 39等のジスアゾ化合物からなる二色性直接染料及び、トリスアゾ、テトラキスアゾ等の化合物からなる二色性直接染料等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に、水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素がヨウ素である場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり、通常0.01〜1質量部である。ヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常0.5〜20質量部である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃である。この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒である。
二色性色素が二色性の有機染料である場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100質量部あたり、通常1×10-4〜10質量部であり、好ましくは1×10-3〜1質量部であり、さらに好ましくは1×10-3〜1×10-2質量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムのような無機塩を染色助剤として含んでいてもよい。水溶液の温度は、通常20〜80℃である。この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬する方法により行うことができる。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100質量部あたり、通常2〜15質量部であり、好ましくは5〜12質量部である。二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましく、ヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常0.1〜15質量部であり、好ましくは5〜12質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常 60〜1,200秒であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸処理の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃である。浸漬時間は、通常1〜120秒である。
水洗後に乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒であり、好ましくは120〜600秒である。乾燥処理により、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、偏光子の可撓性が失われ、偏光子がその乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。水分率が20重量%を上回ると、偏光子の熱安定性が悪くなる可能性がある。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理、水洗及び乾燥をして得られる偏光子の厚みは好ましくは5〜40μmである。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は、二色性色素と重合性液晶化合物とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。当該フィルムの厚みは、通常20μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5〜3μmである。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、具体的には、特開2012−33249号公報等に記載のフィルムが挙げられる。
偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤を介して透明保護フィルムを積層することにより偏光板が得られる。透明保護フィルムとしては、前述した基材と同様の透明フィルムが好ましい。
<積層体の製造方法>
基材表面又は、基材に形成された配向膜表面に、液晶硬化膜形成用組成物を塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法として例示したものと同じ方法が挙げられる。塗布する液晶硬化膜形成用組成物の厚みは、得られる液晶硬化膜の厚みを考慮して定められる。
次に、重合性液晶化合物が重合しない条件で液晶硬化膜形成用組成物に含まれる溶剤を除去することにより、基材又は配向膜表面に液晶硬化膜形成用組成物の乾燥被膜が形成される。溶剤の除去方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥及び減圧乾燥法等が挙げられる。
乾燥被膜を加熱する等して、乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物を液晶配向させた後、この液晶配向を保持したまま、乾燥被膜にエネルギーを照射することにより、重合性液晶化合物を重合させる。液晶硬化膜形成用組成物が重合開始剤を含有している場合は、重合開始剤が活性化される条件のエネルギーを照射することが好ましい。重合開始剤が光重合開始剤である場合は、エネルギーは光であると好ましい。照射する光は、乾燥被膜に含まれる重合開始剤の種類、又は重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する重合基の種類)及びその量に応じて適宜選択される。かかる光としては、可視光、紫外光及びレーザー光からなる群より選択される光や活性電子線等が挙げられる。中でも、重合反応の進行をコントロールし易い点や、重合に係る装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましい。よって、紫外光によって、重合できるように、液晶硬化膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物及び重合開始剤の種類を選択しておくと好ましい。重合させる際には、紫外光照射とともに適当な冷却手段により、乾燥被膜を冷却することで重合温度をコントロールすることが好ましい。このような冷却により、より低温で重合性液晶化合物を重合すれば、基材に耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に液晶硬化膜を製造できる。
かくして、液晶配向を有する液晶硬化膜が基材又は配向膜表面に形成される。
<プライマー層>
液晶硬化膜と、粘接着剤層との間にプライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、通常、透明樹脂を含むものであり、透明樹脂溶液から形成される。プライマー層は、粘接着剤層を形成する際に液晶硬化膜の欠陥を抑制することができる。透明樹脂としては、塗工性に優れ、プライマー層形成後の透明性及び密着性に優れるものが好ましい。
透明樹脂溶液の溶剤は、透明樹脂の溶解性に応じて選択される。溶剤としては、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル溶媒;塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム等の塩素化炭化水素溶媒;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール溶媒等が挙げられる。有機溶媒を含む透明樹脂溶液を用いてプライマー層を形成すると、液晶硬化膜の光学特性に影響を及ぼすことがあるため、水が好ましい。
透明樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、一液硬化型のものでもよいし、二液硬化型のものでもよい。水溶性のエポキシ樹脂が特に好ましい。水溶性のエポキシ樹脂としては、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂が挙げられる。かかるポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されているスミレーズレジン(登録商標)650(30)や、スミレーズレジン(登録商標)675等が挙げられる。
透明樹脂が水溶性のエポキシ樹脂である場合は、さらに塗布性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂等の他の水溶性樹脂を併用することが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。適当なポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、(株)クラレから販売されているアニオン性基含有ポリビニルアルコールであるKL-318(商品名)等が挙げられる。
水溶性のエポキシ樹脂を含む溶液からプライマー層を形成する場合、エポキシ樹脂の含有量は、水100重量部に対して、0.2〜1.5重量部が好ましい。溶液にポリビニルアルコール系樹脂を配合する場合、その量は、水100重量部に対して、1〜6重量部が好ましい。プライマー層の厚みは、0.1〜10μmが好ましい。
プライマー層の形成方法は制限されず、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア
法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法等の公知の各種コーティング法を用い
ることができる。
粘接着剤層は、粘接着剤を液晶硬化膜又はプライマー層の表面に塗布することで形成される。粘接着剤が溶剤を含む場合は、粘接着剤を液晶硬化膜又はプライマー層の表面に塗布し、溶剤を除去することで形成される。粘着剤から形成される粘接着剤層は、離型処理が施されたフィルムの離型処理面に粘着剤を塗布し、溶剤を除去することで離型処理が施されたフィルムの離型処理面に粘接着剤層を形成した後、この粘接着剤層付のフィルムを、粘接着剤層側が貼合面となるように、液晶硬化膜又はプライマー層の表面に貼り合わせる方法によっても形成することができる。
コロナ処理により、液晶硬化膜又はプライマー層と粘接着剤層との密着性をさらに向上させることができる。
粘接着剤を塗布する方法としては、配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法として例示したものと同じ方法が挙げられる。塗布された粘接着剤から、溶剤を除去する方法としては、配向性ポリマー組成物から溶剤を除去する方法と同じ方法が挙げられる。
<円偏光板>
被転写体が偏光子又は偏光板であり、液晶硬化膜が、重合性液晶化合物が基材面内に対して水平方向に配向した状態で硬化したものである場合、液晶硬化膜と、粘接着剤層と、偏光子又は偏光板とを含む積層体の液晶硬化膜の上に粘接着剤層を形成することで、偏光子又は偏光板と、第一の粘接着剤層と、液晶硬化膜と、第二の粘接着剤層とをこの順に積層した円偏光板が得られる。
液晶硬化膜と、配向膜と、粘接着剤層と、偏光子又は偏光板とを含む積層体の液晶硬化膜の上に粘接着剤層を形成することで、偏光子又は偏光板と、第一の粘接着剤層と、配向膜と、液晶硬化膜と、第二の粘接着剤層とをこの順に積層した円偏光板が得られる。
<用途>
液晶硬化膜及び円偏光板は、さまざまな表示装置に用いることができる。
表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(電場放出表示装置(FED等)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(グレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置等)及び圧電セラミックディスプレイ等が挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投写型液晶表示装置等のいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。特に円偏光板は有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に有効に用いることができ、光学補償偏光板は液晶表示装置及びタッチパネル表示装置に有効に用いることができる。
図1は、液晶硬化膜を含む液晶表示装置10の断面構成を表す模式図である。液晶層17は、2枚の基材14a及び基材14bで挟まれている。
基材14aの液晶層17側には、カラーフィルタ15が配置されている。カラーフィルタ15が、液晶層17を挟んで画素電極22に対向する位置に配置され、ブラックマトリクス20が画素電極間の境界に対向する位置に配置されている。透明電極16がカラーフィルタ15及びブラックマトリクス20を覆うように液晶層17側に配置されている。なお、カラーフィルタ15と透明電極16との間にオーバーコート層(図示せず)を有していてもよい。
基材14bの液晶層17側には、薄膜トランジスタ21と画素電極22とが規則正しく配置されている。画素電極22は、液晶層17をはさんでカラーフィルタ15に対向する位置に配置されている。薄膜トランジスタ21と画素電極22との間には、接続孔(図示せず)を有する層間絶縁膜18が配置されている。
基材14a及び基材14bとしては、ガラス基材及びプラスチック基材が用いられる。
かかるガラス基材やプラスチック基材としては、上記の基材として例示したものと同様のものが挙げられる。基材上に形成されるカラーフィルタ15や薄膜トランジスタ21を製造する際、高温に加熱する工程が必要である場合は、ガラス基材や石英基材が好ましい。
薄膜トランジスタは、基材14bの材質に応じて最適なものを採用できる。薄膜トランジスタ21としては、石英基材上に形成する高温ポリシリコントランジスタ、ガラス基材上に形成する低温ポリシリコントランジスタ、ガラス基材又はプラスチック基材上に形成するアモルファスシリコントランジスタが挙げられる。液晶表示装置をより小型化するため、ドライバICが基材14b上に形成されていてもよい。
透明電極16と、画素電極22との間には、液晶層17が配置されている。液晶層17には、基材14a及び基材14b間の距離を一定に保つために、スペーサ23が配置されている。なお、柱状のスペーサで図示するが、当該スペーサは柱状に限定されるものではなく、基材14a及び基材14b間の距離を一定に保つことができれば、その形状は任意である。
各部材は、基材14a、カラーフィルタ15及びブラックマトリクス20、透明電極16、液晶層17、画素電極22、層間絶縁膜18及び薄膜トランジスタ21、並びに基材14bの順番で積層されている。
このような液晶層17を挟んでいる基材14a及び基材14bのうち、基材14a及び基材14bの外側には、偏光膜12a及び12bが設けられている。さらに、位相差膜(例えば、1/4波長板や光学補償フィルム)13a及び13bが、積層されており、これらのうち、少なくとも1つの位相差膜に本発明の液晶硬化膜が用いられる。これらの位相差膜により、入射光を直線偏光に変換する機能を液晶表示装置10に付与することができる。なお、位相差膜13a及び13bは、液晶表示装置の構造や、液晶層17に含まれる液晶化合物の種類によっては、配置されていなくてもよい。
液晶偏光膜を、位相差膜13a及び/又は13bに用いることにより、液晶表示装置10のさらなる薄型化が達成できる。
偏光膜12bの外側には、発光源であるバックライトユニット19が配置されている。バックライトユニット19は、光源、導光体、反射板、拡散シート及び視野角調整シートを含む。光源としては、エレクトロルミネッセンス、冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード(LED)、レーザー光源及び水銀ランプなどが挙げられる。
液晶表示装置10が透過型液晶表示装置である場合、バックライトユニット20中の光源から発せられた白色光は導光体に入射し、反射板によって進路を変えられて拡散シートで拡散されている。拡散光は視野角調整シートによって所望の指向性を持つように調整されたのちにバックライトユニット19から偏光膜12bに入射する。
無偏光である入射光のうち、ある一方の直線偏光のみが液晶パネルの偏光子12bを透過する。この直線偏光は、基材14b、画素電極22などを順次透過して液晶層17に到る。
ここで画素電極22と対向する透明電極16との間の電位差の有無により、液晶層17に含まれる液晶分子の配向状態が変化して、液晶表示装置10から出射される光の輝度が制御される。液晶層17が、偏光をそのまま透過させる配向状態である場合、液晶層17、透明電極16及びカラーフィルタ15を透過した光は、偏光膜12aに吸収される。このことにより、この画素は黒を表示する。
逆に、液晶層17が、偏光を変換して透過させる配向状態である場合、その偏光は液晶層17、透明電極16を透過し、ある特定の波長範囲の光がカラーフィルタ15を透過して偏光膜12aに到り、液晶表示装置は、カラーフィルタで決まる色を最も明るく表示する。これら2つの状態の中間の配向状態では、液晶表示装置10から出射される光の輝度も上記両者の中間となるため、この画素は中間色を表示する。
図2は、有機EL表示装置30を表わす概略図である。図2(a)で示した有機EL表示装置30は、円偏光板31を備えており、層間絶縁膜33を介して、画素電極34が形成された基板32上に、発光層35、及びカソード電極36が積層されたものである。基板32を挟んで発光層35と反対側に、円偏光板31が配置される。画素電極34にプラスの電圧、カソード電極36にマイナスの電圧を加え、画素電極34及びカソード電極36間に直流電流を印加することにより、発光層35が発光する。発光層35は、電子輸送層、発光層及び正孔輸送層等からなる。発光層35から出射した光は、画素電極34、層間絶縁膜33、基板32、円偏光板31を通過する。
有機EL表示装置30を製造するには、まず、基板32上に薄膜トランジスタ38を所望の形状に形成する。そして層間絶縁膜33を成膜し、次いで画素電極34をスパッタ法で成膜し、パターニングする。その後、発光層35を積層する。
次いで、基板32の薄膜トランジスタ38が設けられている面の反対の面に、円偏光板31を設ける。その場合には、円偏光板31における偏光板が、外側(基板32の反対側)になるように配置される。
基板32としては、サファイアガラス基板、石英ガラス基板、ソーダガラス基板及びアルミナ等のセラミック基板;銅等の金属基板;プラスチック基板等が挙げられる。図示はしないが、基板32上に熱伝導性膜を形成してもよい。熱伝導性膜としては、ダイヤモンド薄膜(DLC等)等が挙げられる。画素電極34を反射型とする場合は、基板32とは反対方向へ光が出射する。したがって、透明材料だけでなく、ステンレス等の非透過材料を用いることができる。基板は単一で形成されていてもよく、複数の基板を接着剤で貼り合わせて積層基板として形成されていていてもよい。これらの基板は、板状のものであっても、フィルムであってもよい。
薄膜トランジスタ38としては、多結晶シリコントランジスタ等を用いればよい。薄膜トランジスタ38は、画素電極34の端部に設けられ、その大きさは10〜30μmである。なお、画素電極34の大きさは20μm×20μm〜300μm×300μmである。
基板32上には、薄膜トランジスタ38の配線電極が設けられている。配線電極は抵抗が低く、画素電極34と電気的に接続して抵抗値を低く抑える機能があり、一般的にはその配線電極は、Al、Al及び遷移金属(ただしTiを除く)、Ti又は窒化チタン(TiN)のいずれか1種又は2種以上を含有するものが使われる。
薄膜トランジスタ38と画素電極34との間には層間絶縁膜33が設けられる。層間絶縁膜33は、SiO等の酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機系材料をスパッタや真空蒸着で成膜したもの、SOG(スピン・オン・グラス)で形成した酸化ケイ素層、フォトレジスト、ポリイミド及びアクリル樹脂等の樹脂系材料の塗膜等、絶縁性を有するものであればいずれであってもよい。
層間絶縁膜33上に、リブ39を形成する。リブ39は、画素電極34の周辺部(隣接画素間)に配置されている。リブ39の材料としては、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。リブ39の厚みは、好ましくは1.0〜3.5μmであり、より好ましくは1.5〜2.5μmである。
次に、画素電極34と、発光層35と、カソード電極36とからなるEL素子について説明する。発光層35は、それぞれ少なくとも1層のホール輸送層及び発光層を有し、電子注入輸送層、発光層、正孔輸送層及び正孔注入層を順次有する。
画素電極34としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、IGZO、ZnO、SnO及びIn等が挙げられるが、特にITOやIZOが好ましい。画素電極35の厚みは、ホール注入を十分行える一定以上の厚みを有すればよく、10〜500nmが好ましい。
画素電極34は、蒸着法(好ましくはスパッタ法)により形成することができる。スパッタガスとしては、Ar、He、Ne、Kr及びXe等の不活性ガス、又はこれらの混合ガスが挙げられる。
カソード電極36の構成材料としては、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn及びZr等の金属元素が挙げられ、電極の作動安定性を向上させるためには、例示した金属元素から選ばれる2成分又は3成分の合金系が好ましい。合金系としては、Ag・Mg(Ag:1〜20at%)、Al・Li(Li:0.3〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)及びAl・Ca(Ca:5〜20at%)等が好ましい。
カソード電極36は、蒸着法及びスパッタ法等により形成される。カソード電極37の厚みは、通常0.1nm以上、好ましくは1〜500nmである。
正孔注入層は、画素電極34からの正孔の注入を容易にする機能を有し、正孔輸送層は、正孔を輸送する機能及び電子を妨げる機能を有し、電荷注入層や電荷輸送層とも称される。
発光層の厚み、正孔注入層と正孔輸送層とを併せた厚み、及び電子注入輸送層の厚みは、5〜100nmが好ましい。正孔注入層や正孔輸送層には、各種有機化合物を用いることができる。正孔注入輸送層、発光層及び電子注入輸送層の形成方法としては、均質な薄膜が形成できる点で真空蒸着法が好ましい。
発光層35としては、1重項励起子からの発光(蛍光)を利用するもの、3重項励起子からの発光(燐光)を利用するもの、1重項励起子からの発光(蛍光)を利用するものと3重項励起子からの発光(燐光)を利用するものとを含むもの、有機物によって形成されたもの、有機物によって形成されたものと無機物によって形成されたものとを含むもの、高分子の材料、低分子の材料、高分子の材料と低分子の材料とを含むもの等を用いることができ、EL素子用として公知の様々なものを用いた発光層35を、有機EL表示装置30に用いることができる。
カソード電極36と封止層37との空間には、乾燥剤(図示しない)を配置する。乾燥剤により水分を吸収し発光層35の劣化を防止する。
図2(b)で示した本発明の有機EL表示装置30は、円偏光板31を備えており、層間絶縁膜33を介して、画素電極34が形成された基板32上に、発光層35、及びカソード電極36が積層されたものである。カソード電極上に封止層37が形成され、基板32と反対側に、円偏光板31が配置される。発光層35から出射した光は、カソード電極36、封止層37、円偏光板31を通過する。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部である。
実施例
[光配向膜形成用組成物の調製]
下記成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、光配向膜形成用組成物(1)を得た。
光配向性材料(1部):
Figure 2015143787
溶剤(99部):プロピレングリコールモノメチルエーテル
[液晶硬化膜形成用組成物(1)の調製]
下記の成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、液晶硬化膜形成用組成物(1)を得た。
重合性液晶化合物A1(80部):
Figure 2015143787
重合性液晶化合物A2(20部):
Figure 2015143787
溶剤:N−メチル−2−ピロリジノン(160部)、シクロペンタノン(240部)
重合開始剤(6部):2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバ スペシャルティケミカルズ社製)
第3級アミン化合物(3部):4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製)
3個以上のチオール基を含む化合物(1部):ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート(堺化学社製)
レベリング剤(0.1部):ポリアクリレート化合物(BYK−361N;BYK−Chemie社製)
重合性液晶化合物A1および重合性液晶化合物A2は、特開2010−31223号公報記載の方法で合成した。
[液晶硬化膜(1)の製造]
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(三菱樹脂株式会社製のダイアホイルT140E25)上に、光配向膜形成用組成物をバーコーター塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cmの積算光量で偏光UV露光を実施した。得られた光配向膜の膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定したところ、95nmであった。
続いて、光配向膜上に液晶硬化膜形成用組成物(1)を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB―15201BY−A、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長:365nm、波長365nmにおける積算光量:1000mJ/cm)することにより液晶硬化膜を形成した。
液晶硬化膜(1)上に粘着剤を貼合し、表面をコロナ処理したシクロオレフィンポリマーフィルム(COP)(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)を粘着剤に圧着した後、PETを取り除くことで、COP、粘接着剤層及び液晶硬化膜をこの順に有する積層体(1)を得た。
[位相差値測定]
積層体(1)における液晶硬化膜(1)の膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定した。また、積層体(1)における液晶硬化膜(1)の位相差値を王子計測機器社製のKOBRA−WRを用いて測定した。なお、COPの波長550nmにおける位相差値は略0であるため、液晶硬化膜(1)の位相差値には影響しない。結果を表1に示す。
[透明性評価]
スガ試験機株式会社製 ヘイズメーター(型式HZ−2)を用いて、ダブルビーム法で、積層体(1)のヘイズ値を測定した。ヘイズ値が小さいほど、透明性に優れる。結果を表1に示す。
参考例
[液晶硬化膜形成用組成物(2)の調製]
液晶硬化膜形成用組成物(1)から、増感剤4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製)及び添加剤ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を除いた成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、液晶硬化膜形成用組成物(2)を得た。
液晶硬化膜形成用組成物(1)を液晶硬化膜形成用組成物(2)に変えたこと以外は、実施例と同様に、液晶硬化膜(2)及び積層体(2)を得て評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015143787
実施例の液晶硬化膜は、転写を容易に行なうことができ、欠陥発生が少なく、透明性に優れた。
本発明の液晶硬化膜形成用組成物によれば、転写を容易に行なうことができ、欠陥発生が少なく、透明性に優れる液晶硬化膜を得ることができる。
10 液晶表示装置
12a、12b 偏光膜
13a、13b 位相差膜
14a、14b 基材
15 カラーフィルタ
16 透明電極
17 液晶層
18 層間絶縁膜
19 バックライトユニット
20 ブラックマトリクス
21 薄膜トランジスタ
22 画素電極
23 スペーサ
30 EL表示装置
31 円偏光板
33 基材
34 層間絶縁膜
35 画素電極
36 有機機能層
37 カソード電極
38 乾燥剤
39 封止フタ
40 薄膜トランジスタ
41 リブ

Claims (8)

  1. 少なくとも2種の重合性液晶化合物、溶剤、重合開始剤、第3級アミン化合物及び3個以上のチオール基を含む化合物を含む液晶硬化膜形成用組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物から形成される液晶硬化膜。
  3. 式(1)及び式(2)を満たす請求項2に記載の液晶硬化膜。
    Re(450)/Re(550)≦1.00 (1)
    1.00≦Re(650)/Re(550) (2)
    [式中、Re(450)、Re(550)、Re(650)はそれぞれ波長450nm、550nm、650nmの光に対する面内の位相差値を表す。]
  4. 厚みが0.05〜2μmである請求項2又は3に記載の液晶硬化膜。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の液晶硬化膜と、光配向膜層と、基材とをこの順に含む積層体。
  6. 請求項2〜4のいずれかに記載の液晶硬化膜と、粘接着剤層と、被転写体とを含む積層体の製造方法であって、基材上に液晶硬化膜を形成し、液晶硬化膜を、粘接着剤層を介して被転写体に貼合し、基材を取り除く製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法により得られる積層体。
  8. 請求項5又は7に記載の積層体を備えた表示装置。
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