JP2020125408A - 重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて形成される光学異方性膜を使用することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[2] 後述する式(1)および(2)中のR7が、置換基を有していてもよいアルキル基を表す、[1]に記載の重合性液晶組成物。
[3] 重合性液晶化合物が、後述する式(I)で表される化合物である、[1]または[2]に記載の重合性液晶組成物。
[5] 下記式(II)を満たす、[4]に記載の光学異方性膜。
0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(II)
ここで、式(II)中、Re(450)は、光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
[6] [4]または[5]に記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
[7] [6]に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
[8] [6]に記載の光学フィルム、または、[7]に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、表記される二価の基(例えば、−O−CO−)の結合方向は、結合位置を明記している場合を除き、特に制限されず、例えば、後述する式(I)中のD1が−CO−O−である場合、Ar側に結合している位置を*1、G1側に結合している位置を*2とすると、D1は、*1−CO−O−*2であってもよく、*1−O−CO−*2であってもよい。
本発明の重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物と、後述する式(1)または(2)で表されるアミン化合物(以下、「特定アミン化合物」とも略す。)とを含有する、重合性液晶組成物である。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、本発明者らは、特許文献1〜3等に記載された公知の重合性液晶組成物について、経時のろ過圧の上昇は、溶媒および添加剤などに含まれる過酸化物や、微量な酸の存在により、重合性液晶化合物の重合反応が促進されてしまうことが原因であると推察している。
そのため、本発明においては、特定アミン化合物が系内に存在し得る酸を中和し、重合性液晶化合物の意図しない重合反応の促進を抑制することができ、その結果、経時のろ過圧の上昇を抑制することができたと考えられる。
以下、本発明の重合性液晶組成物の各成分について詳細に説明する。
本発明の重合性液晶組成物が含有する重合性液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物であれば特に限定されない。
ここで、重合性液晶化合物が有する重合性基の種類は特に制限されず、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、および、アリル基などが挙げられる。
本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
ここで、「逆波長分散性を示す液晶化合物」とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
L1−SP1−D5−(A1)a1−D3−(G1)g1−D1−Ar−D2−(G2)g2−D4−(A2)a2−D6−SP2−L2 ・・・(I)
また、上記式(I)中、D1、D2、D3、D4、D5およびD6は、それぞれ独立に、単結合、または、−CO−、−O−、−S−、−C(=S)−、−CR1R2−、−CR3=CR4−、−NR5−、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、上記式(I)中、G1およびG2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。
また、上記式(I)中、A1およびA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6以上の芳香環、または、置換基を有していてもよい炭素数6以上のシクロアルカン環を表す。
また、上記式(I)中、SP1およびSP2は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(Q)−、もしくは、−CO−に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
また、上記式(I)中、L1およびL2は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は重合性基を表す。ただし、Arが、下記式(Ar−3)で表される芳香環である場合は、L1およびL2ならびに下記式(Ar−3)中のL3およびL4の少なくとも1つが重合性基を表す。
これらのうち、−CO−、−O−、および、−CO−O−のいずれかであることが好ましい。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であるのが特に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、メトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であるのが特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子であるのが好ましい。
また、上記式(I)中、A1およびA2が示す炭素数6以上のシクロアルカン環としては、例えば、シクロヘキサン環、シクロペプタン環、シクロオクタン環、シクロドデカン環、シクロドコサン環などが挙げられる。なかでも、シクロヘキサン環(例えば、1,4−シクロヘキシレン基など)が好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることがより好ましい。
なお、A1およびA2について、炭素数6以上の芳香環または炭素数6以上のシクロアルカン環が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、アクリロイル基またはメタクリロイル基を挙げることができる。この場合、重合速度はアクリロイル基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましいが、メタクリロイル基も重合性基として同様に使用することができる。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基が特に好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。なお、下記式中、*は、重合性基の結合位置を表す。
R6が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
Y1が示す炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
Y1が示す炭素数3〜12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピリジル基などのヘテロアリール基が挙げられる。
また、Y1が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、tert−ブチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチル−ブチル基が更に好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基;等が挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられ、炭素数6〜12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であるのが好ましい。
一方、R7〜R10が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
R11が示す置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、Xが示す第14〜16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子、置換基を有する炭素原子が挙げられ、置換基としては、具体的には、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキル置換アルコキシ基、環状アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、スルホ基、水酸基等が挙げられる。
ここで、2価の連結基としては、上記式(I)中のD1、D2、D3、D4、D5およびD6において説明したものと同様のものが挙げられる。
ここで、アルキレン基としては、上記式(I)中のSP1およびSP2において説明したものと同様のものが挙げられる。
1価の有機基としては、上記式(I)中のL1およびL2において説明したものと同様のものが挙げられる。
また、重合性基としては、上記式(I)中のL1およびL2において説明したものと同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−4)〜(Ar−5)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
また、Q3は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
AxおよびAyとしては、特許文献2(国際公開第2014/010325号)の[0039]〜[0095]段落に記載されたものが挙げられる。
また、Q3が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられ、置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
このような重合性液晶化合物としては、例えば、下記式(1)〜(12)で表される化合物が好適に挙げられ、具体的には、下記式(1)〜(12)中のK(側鎖構造)として、下記表1および表2に示す側鎖構造を有する化合物がそれぞれ挙げられる。
なお、下記表1および表2中、Kの側鎖構造に示される「*」は、芳香環との結合位置を表す。
また、下記表1中の1−2および下記表2中の2−2で表される側鎖構造において、それぞれアクリロイルオキシ基およびメタクリロイル基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
本発明の重合性液晶組成物が含有する特定アミン化合物は、下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物である。
また、上記式(1)および(2)中、R7は、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、または、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
また、上記式(2)中、mは、2〜4の整数を表し、上記式(2)中に複数存在することになる各記号は、それぞれ同一のものであっても異なるものであってもよい。
また、上記式(2)中、Xは、m価の連結基を表す。
なお、上記アルキル基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、R7の一態様が示すアルキル基としては、例えば、R1〜R6の一態様が示すアルキル基と同様のものが挙げられる。なお、このアルキル基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、へプチレン基などが好適に挙げられる。
炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基としては、具体的には、例えば、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキセンジイル基、ノルボルナンジイル基、ノルボルネンジイル基などが好適に挙げられる。
炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、ベンゼンジイル基(フェニレン基)、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基などが好適に挙げられる。
なお、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、上記式(I)中のG1およびG2が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
ここで、形成される環としては、窒素原子を含めた4員環以上の環であれば特に限定されず、このような環構造を有するアミン化合物としては、例えば、下記式(1−1)で表される環構造を有するアミン化合物が挙げられる。
また、上記式(1−1)中、R7は、上記式(1)中のR7と同様、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、または、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
また、上記式(1−1)中、R10は、水素原子または置換基を表す。
R10が示す置換基としては、アルキル基、または、窒素原子もしくは酸素原子でピペリジン環と結合する置換基が挙げられる。窒素原子もしくは酸素原子でピペリジン環と結合する置換基としては、例えば、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基などが挙げられる。なお、これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
これらのうち、R10が示す置換基としては、アルキル基、アミノ基(特に、アリール基もしくはヘテロ環基を有するアミノ基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基またはアシルオキシ基が好ましい。
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(アデカスタブ LA−52、ADEKA社製);
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(アデカスタブ LA−57、ADEKA社製);
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメチルエステルと、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジエタノールとの反応混合物(アデカスタブ LA−63P、ADEKA社製);
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメチルエステルと、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジエタノールとの反応混合物(アデカスタブ LA−68、ADEKA社製);
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバシン酸(アデカスタブ LA−72、ADEKA社製);
ビス(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)セバシン酸;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバシン酸(アデカスタブ LA−77Y/アデカスタブ LA−77G、ADEKA社製);
ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート(アデカスタブ LA−81、ADEKA社製);
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(アデカスタブ LA−82、ADEKA社製);
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(アデカスタブ LA−87、ADEKA社製);
トリメリト酸−トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル;
ジブチルマロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)エステル;
ジベンジルマロン酸−ビス(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)エステル;
ジメチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ)−シラン;
トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット;
トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアミン;
N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド;
4−ベンジルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ジブチル−アジパミド;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ジシクロヘキシル−(2−ヒドロキシ)プロピレンンジアミン;
N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン;
4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン;
4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン;
α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステル;
などが挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、上述した重合性液晶化合物以外に、重合性基を1個以上有する他の重合性化合物を含んでいてもよい。
ここで、他の重合性化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基を有しているのが好ましい。
また、他の重合性化合物としては、特開2014−077068号公報の[0030]〜[0033]段落に記載された式(M1)、(M2)、(M3)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、同公報の[0046]〜[0055]段落に記載された具体例が挙げられる。
また、他の重合性化合物としては、特開2014−198814号公報に記載の式(1)〜(3)の構造のものも好ましく用いることができ、より具体的には、同公報の[0020]〜[0035]、[0042]〜[0050]、[0056]〜[0057]段落に記載された具体例が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
また、本発明においては、重合開始剤がオキシム型の重合開始剤であることも好ましく、その具体例としては、国際公開第2017/170443号の[0049]〜[0052]段落に記載された開始剤が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性膜を形成する作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、環状アミド系溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N、N’−ジメチルイミダゾリジノンなど)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素系溶媒(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール系溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ系溶媒(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート系溶媒、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、鎖状アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性膜の表面を平滑に保ち、配向制御を容易にする観点から、レベリング剤を含有することが好ましい。
このようなレベリング剤としては、添加量に対するレベリング効果が高い理由から、フッ素系レベリング剤またはケイ素系レベリング剤であることが好ましく、泣き出し(ブルーム、ブリード)を起こしにくい観点から、フッ素系レベリング剤であることがより好ましい。
レベリング剤としては、具体的には、例えば、特開2007−069471号公報の[0079]〜[0102]段落の記載に記載された化合物、特開2013−047204号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に[0020]〜[0032]段落に記載された化合物)、特開2012−211306号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に[0022]〜[0029]段落に記載された化合物)、特開2002−129162号公報に記載された一般式(I)で表される液晶配向促進剤(特に[0076]〜[0078]および[0082]〜[0084]段落に記載された化合物)、特開2005−099248号公報に記載された一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物(特に[0092]〜[0096]段落に記載された化合物)などが挙げられる。なお、後述する配向制御剤としての機能を兼ね備えてもよい。
本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて、配向制御剤を含有することができる。
配向制御剤により、ホモジニアス配向の他、ホメオトロピック配向(垂直配向)、傾斜配向、ハイブリッド配向、コレステリック配向等の種々の配向状態を形成することができ、また、特定の配向状態をより均一かつより精密に制御して実現することができる。
低分子の配向制御剤としては、例えば、特開2002−20363号公報の[0009]〜[0083]段落、特開2006−106662号公報の[0111]〜[0120]段落、および、特開2012−211306公報の[0021]〜[0029]段落の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、高分子の配向制御剤としては、例えば、特開2004−198511号公報の[0021]〜[0057]段落、および、特開2006−106662号公報の[0121]〜[0167]段落を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
これらの配向制御剤は、さらに重合性官能基、特に、本発明の重合性液晶組成物を構成する重合性液晶化合物と重合可能な重合性官能基を付与することができる。
本発明の重合性液晶組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよく、例えば、上述した重合性液晶化合物以外の液晶化合物、界面活性剤、チルト角制御剤、配向助剤、可塑剤、および、架橋剤などが挙げられる。
本発明の光学異方性膜は、上述した本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性膜である。
光学異方性膜の形成方法としては、例えば、上述した本発明の重合性液晶組成物を用いて、所望の配向状態とした後に、重合により固定化する方法などが挙げられる。特に、本発明においては、上述した本発明の重合性液晶組成物を調製した後に、保管する工程を経た後に、光学異方性膜を形成する態様が好ましい。
ここで、重合条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、20mJ/cm2〜5J/cm2であることがより好ましく、30mJ/cm2〜3J/cm2であることが更に好ましく、50〜1000mJ/cm2であることが特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
なお、本発明においては、光学異方性膜は、後述する本発明の光学フィルムにおける任意の支持体上や、後述する本発明の偏光板における偏光子上に形成することができる。
0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(II)
ここで、上記式(II)中、Re(450)は、光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。なお、本明細書において、レターデーションの測定波長を明記していない場合は、測定波長は550nmとする。
また、面内レターデーションおよび厚み方向のレターデーションの値は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用い、測定波長の光を用いて測定した値をいう。
具体的には、AxoScan OPMF−1にて、平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2−nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScan OPMF−1で算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ポジティブCプレートはRthが負の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
式(C1) nz>nx≒ny
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。
「実質的に同一」とは、ポジティブAプレートでは、例えば、(ny−nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx−nz)×dが、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。また、ポジティブCプレートでは、例えば、(nx−ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、0〜10nm、好ましくは0〜5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
ここで、「λ/4板」とは、λ/4機能を有する板であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。
本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜を有する光学フィルムである。
図1A、図1Bおよび図1C(以下、これらの図面を特に区別を要しない場合は「図1」と略す。)は、それぞれ本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
なお、図1は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致せず、図1に示す支持体、配向膜およびハードコート層は、いずれも任意の構成部材である。
図1に示す光学フィルム10は、支持体16と、配向膜14と、光学異方性膜12とをこの順で有する。
また、光学フィルム10は、図1Bに示すように、支持体16の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよく、図1Cに示すように、光学異方性膜12の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよい。
以下、本発明の光学フィルムに用いられる種々の部材について詳細に説明する。
本発明の光学フィルムが有する光学異方性膜は、上述した本発明の光学異方性膜である。
本発明の光学フィルムにおいては、上記光学異方性膜の厚みについては特に限定されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、上述したように、光学異方性膜を形成するための基材として支持体を有していてもよい。
このような支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。
また、後述する偏光子がこのような支持体を兼ねる態様であってもよい。
本発明の光学フィルムは、上述した任意の支持体を有する場合、支持体と光学異方性膜との間に、配向膜を有しているのが好ましい。なお、上述した支持体が配向膜を兼ねる態様であってもよい。
本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明に使用可能な配向膜については、例えば、国際公開第01/88574号の43頁24行〜49頁8行に記載された配向膜;特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール;特開2012−155308号公報に記載された液晶配向剤により形成される液晶配向膜;等が挙げられる。
光配向膜としては特に限定はされないが、国際公開第2005/096041号の段落[0024]〜[0043]に記載されたポリアミド化合物やポリイミド化合物などのポリマー材料;特開2012−155308号公報に記載された光配向性基を有する液晶配向剤により形成される液晶配向膜;Rolic Technologies社製の商品名LPP−JP265CPなどを用いることができる。
本発明の光学フィルムは、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を有しているのが好ましい。具体的には、支持体の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよく(図1B参照)、光学異方性膜の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよい(図1C参照)。
ハードコート層としては特開2009−98658号公報の段落[0190]〜[0196]に記載のものを使用することができる。
本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜とは別に、他の光学異方性膜を有していてもよい。
すなわち、本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜と他の光学異方性膜との積層構造を有していてもよい。
このような他の光学異方性膜は、上述した重合性液晶化合物を配合せず、上述した他の重合性化合物(特に、液晶化合物)を用いて得られる光学異方性膜であれば特に限定されない。
ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いて形成することがより好ましく、液晶化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。液晶化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
本発明の光学フィルムは、外光(特に紫外線)の影響を考慮して、紫外線(UV)吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤は、本発明の光学異方性膜に含有されてしてもよいし、本発明の光学フィルムを構成する光学異方性膜以外の部材に含有されていてもよい。光学異方性膜以外の部材としては、例えば、支持体が好適に挙げられる。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できる従来公知のものがいずれも使用できる。このような紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収性が高く、画像表示装置で用いられる紫外線吸収能(紫外線カット能)を得る観点から、ベンゾトリアゾール系またはヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
また、紫外線の吸収幅を広くするために、最大吸収波長の異なる紫外線吸収剤を2種以上併用することができる。
紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、特開2012−18395公報の[0258]〜[0259]段落に記載された化合物、特開2007−72163号公報の[0055]〜[0105]段落に記載された化合物などが挙げられる。
また、市販品として、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479、および、Tinuvin1577(いずれもBASF社製)等を用いることができる。
本発明の偏光板は、上述した本発明の光学フィルムと、偏光子とを有するものである。
また、本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性膜がλ/4板(ポジティブAプレート)である場合、円偏光板として用いることができる。
また、本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性膜がλ/4板(ポジティブAプレート)である場合、λ/4板の遅相軸と後述する偏光子の吸収軸とのなす角が30〜60°であることが好ましく、40〜50°であることがより好ましく、42〜48°であることが更に好ましく、45°であることが特に好ましい。
ここで、λ/4板の「遅相軸」は、λ/4板の面内において屈折率が最大となる方向を意味し、偏光子の「吸収軸」は、吸光度の最も高い方向を意味する。
本発明の偏光板が有する偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用することができる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、特許第4751486号公報を挙げることができ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用することができる。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子などが用いられる。
なかでも、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(−CH2−CHOH−を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子であることが好ましい。
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムにおける光学異方性膜と、偏光子との間に、粘着剤層が配置されていてもよい。
光学異方性膜と偏光子との積層のために用いられる粘着剤層としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。本発明に用いることのできる粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の画像表示装置は、本発明の光学フィルムまたは本発明の偏光板を有する、画像表示装置である。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
これらのうち、液晶セル、有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置は、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置である。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、偏光子と、本発明の光学異方性膜からなるλ/4板(ポジティブAプレート)と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
下記重合性液晶化合物L−1の1.8g、および、下記N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の3.0mgに、シクロペンタノン10.2gを添加し、室温(23℃)で1時間撹拌した後、60℃で10分間加温して溶解させることより、重合性液晶組成物を調製した。
次いで、調製した重合性液晶組成物を0.45μmのフィルターでろ過した後、室温で5日間静置した。
その後、溶液5mLを6ccのシリンジにとり、0.45μmのフィルターで6kgの加重をかけたところ、180秒後の通液量は3.1mLであった。
DIPEAに代えて、下記式で表されるビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバシン酸(ADEKA STAB LA−72、ADEKA社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、180秒後の通液量は3.7mLであった。
DIPEAに代えて、下記式で表されるTinuvin 123(BASF社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、180秒後の通液量は2.6mLであった。
テークランDOを配合しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、180秒後の通液量は0.8mLであった。
DIPEAに代えて、下記式で表されるTEMPOを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、180秒後の通液量は1.0mLであった。
また、特定アミン化合物に該当しない別のアミン化合物を配合した場合、比較例1と同様、5日間静置した後の通液量が減少し、ろ過圧が上昇していることが分かった(比較例2)。
これに対し、特定アミン化合物を配合した場合には、5日間静置した後においても通液量が多く、ろ過圧の上昇が抑制できていることが分かった(実施例1〜3)。
特に、実施例1および2と実施例3との対比から、上記式(1)および(2)中のR7が、置換基を有していてもよいアルキル基を表すアミン化合物を用いると、経時のろ過圧の上昇をより抑制することができることが分かった。
12 光学異方性膜
14 配向膜
16 支持体
18 ハードコート層
Claims (8)
- 重合性液晶化合物と、下記式(1)または(2)で表されるアミン化合物とを含有する、重合性液晶組成物。
R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R1およびR6は、互いに結合して環を形成してもよい。
R7は、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、または、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
mは、2〜4の整数を表し、前記式(2)中に複数存在することになる各記号は、それぞれ同一のものであっても異なるものであってもよい。
Xは、m価の連結基を表す。 - 前記式(1)および(2)中のR7が、置換基を有していてもよいアルキル基を表す、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
- 前記重合性液晶化合物が、下記式(I)で表される化合物である、請求項1または2に記載の重合性液晶組成物。
L1−SP1−D5−(A1)a1−D3−(G1)g1−D1−Ar−D2−(G2)g2−D4−(A2)a2−D6−SP2−L2 ・・・(I)
ここで、前記式(I)中、
a1、a2、g1およびg2は、それぞれ独立に、0または1を表す。ただし、a1およびg1の少なくとも一方は1を表し、a2およびg2の少なくとも一方は1を表す。
D1、D2、D3、D4、D5およびD6は、それぞれ独立に、単結合、または、−CO−、−O−、−S−、−C(=S)−、−CR1R2−、−CR3=CR4−、−NR5−、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1およびG2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、前記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。
A1およびA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6以上の芳香環、または、置換基を有していてもよい炭素数6以上のシクロアルカン環を表す。
SP1およびSP2は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(Q)−、もしくは、−CO−に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
L1およびL2は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は重合性基を表す。ただし、Arが、下記式(Ar−3)で表される芳香環である場合は、L1およびL2ならびに下記式(Ar−3)中のL3およびL4の少なくとも1つが重合性基を表す。
Arは、下記式(Ar−1)〜(Ar−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。
*は、D1またはD2との結合位置を表す。
Q1は、NまたはCHを表す。
Q2は、−S−、−O−、または、−N(R6)−を表し、R6は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、置換基を有してもよい、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−OR7、−NR8R9、または、−SR10を表し、R7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
A3およびA4は、それぞれ独立に、−O−、−N(R11)−、−S−、および、−CO−からなる群から選択される基を表し、R11は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表す。
D7およびD8は、それぞれ独立に、単結合、または、−CO−、−O−、−S−、−C(=S)−、−CR1R2−、−CR3=CR4−、−NR5−、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
SP3およびSP4は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(Q)−、もしくは、−CO−に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
L3およびL4は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、L3およびL4ならびに前記式(I)中のL1およびL2の少なくとも1つが重合性基を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q3は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性膜。
- 下記式(II)を満たす、請求項4に記載の光学異方性膜。
0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(II)
ここで、式(II)中、Re(450)は、前記光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、前記光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。 - 請求項4または5に記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
- 請求項6に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
- 請求項6に記載の光学フィルム、または、請求項7に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
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