JP2015143087A - 死角補助装置 - Google Patents
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Description
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記半透過ミラーと前記ミラーとの間に設けられる透光性部材と、
前記半透過ミラーと前記視認者との間に設けられ、前記透光性部材に入射し前記半透過ミラーから出射する光の屈折を補正する複数のプリズムと、を備えてなることを特徴とする。
死角補助装置100は、図1及び図2に示すように、視認者側から見て右側(運転者側)のフロントピラー50に図示しないホルダ部材を介して配置され、フロントピラー50及び黒セラ部21によって遮られる死角領域の像を映すものである。なお、死角補助装置100は、視認者から見てフロントピラー50及び黒セラ部21と対向するように配置される。
一方、物体Mからの光Lは、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返しつつ、一部の光Lは一対の平行平面ミラー110から出射する(半透過平面ミラー111を透過する)。なお、一対の平行平面ミラー110に入射し、一対の平行平面ミラー110の間で反射を繰り返すのは一対の平行平面ミラー110の平行な平面に対して傾きを有する光である。一対の平行平面ミラー110から出射する光Lの一部は、視点2に達する。したがって、視点2からは直接視認できる風景と連続して平面ミラー112に映る物体Mの像を半透過平面ミラー111越しに視認することができる。なお、死角領域Dのうちフロントピラー50の背面側の僅かな領域(ハッチングで示す部分)は、この領域からの光が一対の平行平面ミラー110に入射できず、その像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができないが、それ以外の殆どの領域において死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すことができる。
なお、死角領域Dの像を一対の平行平面ミラー110によって映すに当たって、視認者は、死角補助装置100をフロントピラー50の任意の高さ(視点2に合った高さ)に、一対の平行平面ミラー110に死角領域Dの像が映るように、すなわち、死角領域Dからの光Lが視点2に達するように一対の平行平面ミラー110の角度を調整して配置する。半透過平面ミラー111と平面ミラー112とは互いの位置関係が平行に固定されるため、一度の配置作業で一対の平行平面ミラー110を同時に配置することができ、また、一度の調整作業で一対の平行平面ミラー110の角度を同時に調整することができる。
そして、死角領域Dからの光Lは、一対の平行平面ミラー110に入射する際に、透光性部材120の入射面121から透光性部材120内に入射する。このとき空気層と透光性部材120との界面である入射面121で光Lが視点2の左右方向に所定角度θ1屈折し、一対の平行平面ミラー110に入射する光Lと一対の平行平面ミラー110から出射する光L1〜Lnとが平行でなくなる。このため、何ら対策を講じない場合は、視点2から直接視認できる風景と一対の平行平面ミラー110で視認できる像との連続性が損なわれる場合がある。
一対の平行平面ミラー110には、死角領域Dからの光L以外に視認者(視点2)側からも外光が入射する。視認者側から一対の平行平面ミラー110に入射する外光のうち、図4に示すように、特に半透過平面ミラー111の平面の垂線Pに対して光Lの入射側に傾いて半透過平面ミラー111に入射する光(以下、迷光SLという)は、その一部が半透過平面ミラー111で視点2に向かって反射され、あるいは一部が半透過平面ミラー111を透過して平面ミラー112で反射されて半透過平面ミラー111から視点2に向かって出射され、平面ミラー112に映る物体Mの像の視認性を低下させる要因となる。これに対し、複数のプリズム131に遮光層131bを設けることによって、半透過平面ミラー111に入射する迷光SLを遮って高い視認性を確保することができる。なお、迷光SLの全てが遮光層131bで遮られることが望ましいが、一部が遮られる場合であっても視認性向上の効果を得ることができる。
前記像を表す光Lを入射し、視認者側に設けられ光Lの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー111と、光Lを半透過平面ミラー111へ反射する平面ミラー112とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー110と、
半透過平面ミラー111と平面ミラー112との間に設けられる透光性部材120と、
半透過平面ミラー111と視認者との間に設けられ、透光性部材120に入射し半透過平面ミラー111から出射する光Lの屈折を補正する複数のプリズム131と、を備えてなる。
これにより、一対の平行平面ミラー110の一方に半透過平面ミラー111を用いたため、視認者は半透過平面ミラー111越しに平面ミラー112に映る物体Mの像及び風景を視認することができ、一対の平行平面ミラー110の配置位置の自由度が増し、より容易に視認者が直接視認する像(風景)と連続して死角領域Dの像を映すことが可能となる。また、死角領域Dを撮像するカメラ及び撮像画像を表示する表示器が不要であるためこれらを使用する場合と比較して安価である。また、透光性部材120によって一対の平行平面ミラー110を中実構造とすることによって、半透過平面ミラー111と平面ミラー112との平行平面に埃や汚れが付着することを防止でき、死角補助装置100の視認性を長時間保つことができる。また、温度変化や振動などが生じても、一対の平行平面ミラー110の対向関係が崩れにくく、視認者が視認する像にズレが生じることを抑制して視認性を長時間保つことができる。また、複数のプリズム131によって、一対の平行平面ミラー110を中実構造とする場合であっても、視認者が直接視認する風景と一対の平行平面ミラー110で視認する像との連続性を保ち、視認性を向上することができる。
これによれば、透光性部材120に入射する光Lと一対の平行平面ミラー110から出射する光L1〜Lnとを平行とすることができ、一対の平行平面ミラー110を中実構造とする場合であっても、視認者が直接視認する風景と一対の平行平面ミラー110で視認する像との連続性を保ち、視認性を向上することができる。
これによれば、迷光SLが半透過平面ミラー111に入射することを防ぐことができ、視認性を向上させることができる。
(式1)α>arcsin(n2/n1)
すなわち、光Lの平滑面122への入射角度αがarcsin(n2/n1)より大きくなるように、死角補助装置100を設置する。これによれば、入射角度αが臨界角よりも大きくなるため、平滑面122での光Lの反射を全反射とすることができ、より明るい像を視認することができる。
また、例えば観光施設等の高層建築物で、高層階の床下に大面積の死角補助装置を埋め込み、光入射部分のみを屋外に出すことで、床下の死角補助装置で眼下の風景を直接足下に感じることが可能となり、建築物の高さを強調することができる。同様の効果を得るために、従来は床下に空間を設ける必要があったが、本発明の死角補助装置によれば既存の建築物にも容易に配置することができ好適である。
このほか、壁面に用いる例としては、道路に近接して塀が立っている見通しの悪い交差点などにおいて、塀の角に本発明の死角補助装置を配置することで、死角領域の歩行者や車両の存在をいち早く認識することができ、出会い頭の事故の防止に貢献することができる。
以上のように、本発明の死角補助装置は、電力などのエネルギーを必要とすることなく、これまで視認することができなかった障害物に遮られた死角領域を、光入射部分のスペースを確保するのみで広範囲に亘って障害物を透けたように視認させることができるものであり、その用途は室内外を問わず広く適用でき、健康、安全あるいは感動など多岐に亘る効果を得ることができる。
2 視点
100 死角補助装置
110 一対の平行平面ミラー(一対のミラー)
111 半透過平面ミラー(半透過ミラー)
111a 基部
111b 延設部
112 平面ミラー(ミラー)
120 透光性部材
121 入射面
130 プリズムシート
131 プリズム
131a 出射面
131b 遮光層(遮光部)
Claims (5)
- 障害物によって遮られる死角領域の像を映す死角補助装置であって、
前記像を表す光を入射し、視認者側に設けられ光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向するように配置される一対のミラーと、
前記半透過ミラーと前記ミラーとの間に設けられる透光性部材と、
前記半透過ミラーと前記視認者との間に設けられ、前記透光性部材に入射し前記半透過ミラーから出射する光の屈折を補正する複数のプリズムと、を備えてなることを特徴とする死角補助装置。 - 前記複数のプリズムは、前記透光性部材の光の入射面と平行な出射面を有することを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。
- 前記複数のプリズムは、前記透光性部材の光の入射面と対向しない面に遮光部を備えてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の死角補助装置。
- 前記ミラーは、空気層との屈折率差による反射が可能な前記透光性部材の平滑面からなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の死角補助装置。
- 前記透光性部材の屈折率をn1とし、前記空気層の屈折率をn2としたとき、
前記平滑面から前記視認者の視点に向けて反射される光の前記平滑面への入射角度がarcsin(n2/n1)よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の死角補助装置。
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