JP2015140577A - 建物の外壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震発生等により建物躯体が変形しても外壁面材を適正に保護できる外壁構造を好適に構築する。
【解決手段】建物10の外壁部17は、建物躯体に取り付けられた外壁ユニット21を複数有している。外壁ユニット21は、横並びに配置された複数の外壁面材と、これら外壁面材に掛け渡されている下地横材と、外壁面材を下地横材に接続している接続部とを有している。接続部は、外壁面材を下地横材に対して回動可能に支持する回動軸部を有している。具体的には、接続部は、下地横材の重ね部と外壁面材とが重なった部分を貫通している接続ボルトと、接続ボルトに螺着されているナットと、接続ボルトのボルト頭部と外壁面材との間に挟まっているスペーサ部材とを有しており、スペーサ部材の厚み寸法が下地横材の重ね部の厚み寸法より大きくされていることで、接続ボルトのボルト軸部を軸として外壁面材が下地横材に対して回動可能になっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の外壁構造に関するものである。
住宅等の建物において、複数の外壁面材が梁等の建物躯体に取り付けられた構成では、地震発生等により建物が揺れた場合に、建物躯体の変形に伴って外壁面材の一部に応力が集中して外壁面材が破損することが懸念される。そこで、各外壁面材を建物躯体に対して変位可能に設けることで、建物が揺れても外壁面材が破損しないようにする揺れ対策が提案されている。例えば、外壁においてロッキング機構を構築することで、各外壁面材が建物躯体に対して変位可能になっている、という構成が特許文献1に開示されている。特許文献1の構成では、外壁下地としての定規アングルが鉄骨梁に溶接等により一体的に固定されており、外壁面材を回動可能な状態で吊り下げ支持する掛止部材が定規アングルに固定されている。この場合、定規アングルは各外壁面材のそれぞれに対して個別に設けられている。
特開2010−159592号公報
しかしながら、一般的に、ロッキング機構等の揺れ対策は、建築現場において複数の外壁面材を1つずつ建物躯体に取り付ける途中で外壁に対して施すことになる。このため、外壁面材が建物躯体に対して変位可能に設けられている外壁を構築する場合、建築現場での作業負担が増大することが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、地震発生等により建物躯体が変形しても外壁面材を適正に保護できる外壁構造を好適に構築することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
第1の発明の建物の外壁構造は、建物躯体(基礎11、天井梁64、屋根梁65、ベース体66)に取り付けられた外壁ユニット(外壁ユニット21)を備えている外壁部(外壁部17)に適用され、前記外壁ユニットは、前記外壁部の外周面に沿って並べられた複数の外壁面材(外壁面材22)と、前記建物躯体に対して固定され、前記複数の外壁面材に掛け渡された掛け渡し部材(上側下地横材23、下側下地横材24)と、前記複数の外壁面材のそれぞれに対して個別に設けられ、前記外壁面材を前記掛け渡し部材に対して回動可能、又は前記外壁面材の板面が延びる方向のうち前記複数の外壁面材の並び方向に交差する方向に移動可能な状態で該掛け渡し部材に接続している接続手段(上側接続部25、下側接続部26)と、を有していることを特徴とする。
第1の発明によれば、複数の外壁面材と、外壁下地としての掛け渡し部材と、専用の接続手段とが外壁ユニットとしてユニット化されているため、接続手段を用いて外壁面材を掛け渡し部材に取り付ける作業を建築現場で行うのではなく、外壁ユニットの製造作業を工場にて行うことができる。この場合、外壁ユニットを工場から建築現場に運搬した後は、掛け渡し部材を建物躯体に取り付けることで外壁部を構築することができるため、外壁部を構築する際の建築現場での作業負担を、外壁面材が掛け渡し部材に対して変位可能になっていない構成と同等にまで軽減できる。しかも、1つの外壁ユニットを取り付けることが複数の外壁面材をまとめて取り付けることになるため、それら外壁面材については外壁面材同士の位置合わせを行うという手間を建築現場において省くことができる。
以上により、地震発生等により建物躯体が変形しても外壁面材を適正に保護できる外壁構造を好適に構築することができる。
第2の発明では、第1の発明において、前記外壁部は、前記掛け渡し部材及び前記建物躯体のそれぞれに固定されていることで前記外壁ユニットと前記建物躯体とを連結した連結部材(連結部材61)を有している。
第2の発明によれば、外壁ユニットが連結部材を介して建物躯体に取り付けられているため、連結部材の仕様を建物躯体の仕様に合わせておけば、必ずしも外壁ユニットの仕様を建物躯体の仕様に合わせる必要はない。この場合、外壁ユニットを汎用化しても、連結部材を介して複数種類の建物躯体のいずれにも取り付けることが可能になるため、建物の揺れ発生時に外壁面材を適正に保護できる外壁部について、好適に工業化を図ることができる。
第3の発明では、第2の発明において、前記建物躯体は、前記連結部材を介して前記外壁ユニットが取り付けられた取付対象(天井梁64、屋根梁65、ベース体66)を有しており、前記掛け渡し部材は、前記外壁面材の屋内側において前記取付対象から屋外側に離間した位置に設けられている。
第3の発明によれば、建物躯体の取付対象と外壁ユニットとが壁厚み方向に離間しているため、これら取付対象と外壁ユニットとが干渉することに起因して外壁対象を建物躯体に取り付けることができないということを回避できる。この場合、壁高さ方向や壁幅方向について、外壁ユニットの設置位置や大きさが取付対象により制限されるということがないため、外壁面材の大きさや形状など外壁ユニットの仕様を設定する際の自由度を高めることができる。
第4の発明では、第3の発明において、前記取付対象は、前記外壁部の壁厚み方向に交差する方向を向いた取付面(ベース体66の上面、天井梁64の下面及び上面、屋根梁65の下面)を有しており、前記連結部材は、前記取付面に重ねられた状態で前記取付対象に固定され、前記取付対象から前記外壁面材に向けて突出している。
取付対象の取付面が壁厚み方向を向いている構成では、取付対象と連結部材とがボルト等の固定具により固定されている場合、その固定具が壁厚み方向に延びていることになり、その固定具が外壁ユニット側に突出して掛け渡し部材に干渉することが懸念される。
これに対して、第4の発明によれば、取付対象の取付面が壁高さ方向や壁幅方向を向いているため、取付対象と連結部材とを固定する固定具が壁高さ方向や壁幅方向に延びていることになる。この場合、固定具が取付対象から外壁ユニット側に突出しない状態で連結部材を取付対象に固定できるため、固定具が掛け渡し部材に干渉することを回避できる。したがって、外壁ユニットの設置位置や大きさが連結部材の存在により制限されるということを抑制できる。
第5の発明では、第3又は第4の発明において、前記外壁部は、前記連結部材として、前記外壁ユニットの上部に固定された上側連結部材(上側下地横材23に固定された連結部材61)と、前記外壁ユニットの下部に固定された下側連結部材(下側下地横材24に固定された連結部材61)とを有しており、前記建物躯体は、前記取付対象として、前記外壁部の壁高さ方向において屋内空間の天井側に配置された上側取付対象(天井梁64、屋根梁65)と、前記屋内空間の床側に配置された下側取付対象(ベース体66、天井梁64)とを有しており、前記上側連結部材は、前記上側取付対象の下面に対して固定されており、前記下側連結部材は、前記下側取付対象の上面に対して固定されている。
第5の発明によれば、上下一対の取付対象の間に上側連結部材と下側連結部材とを配置することができるため、上下一対の取付対象よりも上方や下方について、建物躯体に関する仕様が制限されることを抑制できる。したがって、基礎の上に設置された一階部分においては、下側連結部材の下方において基礎の仕様が制限されることや、上側連結部材の上方において二階部分や屋根の仕様が制限されることを抑制できる。また、上下階のそれぞれに外壁ユニットが設けられた建物において、上階部の下側連結部材と下階部の上側連結部材とが互いに干渉することを抑制できる。
第6の発明では、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記接続手段は、前記外壁面材に対する前記外壁面材の回動を可能にする回動軸部(ボルト軸部41b)を有している。
第6の発明によれば、外壁の揺れ対策としてロッキング機構(建物躯体の変形に合わせて外壁面材が揺れる構成)を実現することができる。
なお、外壁面材に面材孔が形成され、その面材孔に回動軸部が挿通されていることが好ましい。この場合、回動軸部を外壁面材に対して後付けすることが可能となるため、外壁面材を回動軸部付きの専用品として製造するのではなく、汎用品の外壁面材に回動軸部を取り付けることができる。したがって、外壁ユニットの製造についてコスト負担が増加すること抑制できる。
第7の発明では、第6の発明において、前記掛け渡し部材は、前記外壁面材の肉部(屋内側肉部36a)に重ねられた重ね部(重ね部31)を有しており、前記接続手段は、前記肉部と前記重ね部とが重ねられた部分を貫通し且つ前記回動軸部を形成しているボルト軸部(ボルト軸部41b)を有したボルト(接続ボルト41)と、前記肉部及び前記重ね部を挟んで前記ボルトのボルト頭部とは反対側に配置されナット(ナット42)と、前記重ね部と共に前記肉部と前記ボルト頭部又は前記ナットとの間に設けられ、前記ボルト軸部が前記ナットにねじ込まれていることで前記肉部と前記ボルト頭部又はナットとの間で締め付けられた状態になっているスペーサ(スペーサ部材43)と、を有し、前記スペーサの厚み寸法が前記重ね部の厚み寸法より大きくされている。
第7の発明によれば、ボルト及びナットが外壁面材と一体的に掛け渡し部材に対して回動するロッキング機構を実現できる。ここで、外壁面材とボルト頭部又はナットとの間において、外壁面材に対する重ね部の回動を可能にする隙間がスペーサにより確保されているため、ベアリング等の特殊な部材を使用せずにボルトやナットという汎用品を用いた場合でも、外壁ユニットにおいてロッキング機構を構築することができる。また、ナットに対するボルトの締め付け強さに関係なく、重ね部の厚み寸法に対するスペーサの厚み寸法の大きさにより、掛け渡し部材に対する外壁面材の回動が可能になっているため、熟練した作業者でなくてもロッキング機構を容易に構築することができる。
第8の発明では、第7の発明において、前記重ね部には、前記ボルト軸部が挿通され且つ前記スペーサが入り込んでいる重ね孔(重ね孔51)が設けられており、前記スペーサにおいて前記重ね孔の内周面に対向する面は、前記重ね孔の内周面に接触した場合に該内周面に対して滑る滑り面とされている。
第8の発明によれば、スペーサの滑り面と重ね部の内周面との接触部分の摩擦抵抗が極力小さくされているため、回動軸部(外壁面材)に対する重ね部の回動が摩擦抵抗により妨げられるということを抑制できる。
なお、ボルトを用いてロッキング機構が構築された外壁部においては、ボルトの外周面と外壁面材の面材孔の内周面とが接触していると、ボルトの雄ネジの山部分がくい込むなどして面材孔の内周面に傷がつくことや、尾ネジの山部分が変形することなどが懸念される。
これに対して、スペーサは、ボルト軸部が挿通されたスペーサ孔を有していることが好ましい。この場合、スペーサがボルト軸部の外周面と面材孔の内周面との間に入り込んだ状態になっているため、スペーサにより、掛け渡し部材に対して外壁面材を回動可能にすること、及び面材孔の内周面やボルト軸部の雄ネジ部を保護することの両方が実現される。したがって、ロッキング機構が実現された外壁部において、外壁面材やボルトを適正な状態で保持することができる。
第9の発明では、第7又は第8の発明において、前記外壁面材は、当該外壁面材の外周面を形成する外周部(外周部36)と、該外周部の内側に設けられた中空部(中空部35)とを有しており、前記肉部は、前記外周部において前記中空部の屋内側に配置された部分であり、前記ナットは、前記中空部に配置されている。
第9の発明によれば、外壁面材の中空部にナットが収納されているため、ボルト及びナットを用いて掛け渡し部材が外壁面材に後付けされる構成であっても、ボルトやナットが外壁面材の表側(屋外面側)に露出することを防止できる。この場合、ボルト及びナットを用いてロッキング機構が構築された外壁部において、座堀り補修などボルトやナットを覆い隠すための加工を行う必要がないため、外壁部の構築に際して作業負担を軽減することができる。
建物の斜視図 外壁ユニットの背面図 外壁ユニットの構成を示す図 下階外壁ユニットと上階外壁ユニットとの境界部周辺の構成を示す縦断面図 下階外壁ユニットの下端部周辺の構成を示す縦断面図 上階外壁ユニットの上端部周辺の構成を示す縦断面図
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の外壁構造を二階建ての建物において具体化している。図1は建物10の斜視図、図2は外壁ユニット21の背面図、図3は外壁ユニット21の構成を示す図である。なお、図2においては、(a)にロッキングしていない場合の外壁ユニット21を示し、(b)にロッキングした場合の外壁ユニット21を示す。図3においては、(a)に外壁ユニット21の背面について接続ボルト41周辺の拡大図を示し、(b)に外壁ユニット21の接続ボルト41周辺の分解斜視図を示し、(c)に図2(a)のA−A線断面図を示し、(d)に図2(a)のB−B線断面図を示す。
図1に示すように、建物10は、基礎11の上に設けられた建物本体12と、建物本体12の上に設けられた屋根13とを有している。建物本体12は、下階部としての一階部分14と、上階部としての二階部分15とを有している。屋根13は、傾斜した一対の屋根部を有しており、切妻屋根とされている。屋根13は、建物本体12の外壁面よりも側方に突出した軒部を有している。
建物本体12は、外壁面を形成する外壁部17を有している。建物本体12は、柱や大梁といった構造体を有しており、建物10においては、建物本体12の構造体に加えて基礎11により建物躯体が構成されている。外壁部17は、建物躯体に取り付けられた外壁ユニット21を有しており、カーテンウォール(非耐力壁)になっている。外壁ユニット21は、外壁部17の壁高さ方向及び壁幅方向のそれぞれに沿って複数並べられている。具体的には、一階部分14及び二階部分15のそれぞれにおいて、外壁ユニット21が壁幅方向に沿って1列に並べられている。
図2(a),(b)に示すように、外壁ユニット21は、横並びに配置された複数の外壁面材22と、これら外壁面材22に掛け渡されている下地横材23,24と、外壁面材22を下地横材23,24に接続している接続部25,26とを有している。なお、下地横材23,24が掛け渡し部材に相当し、接続部25,26が接続手段に相当する。
外壁ユニット21において、外壁面材22は、サイディングボード等の外装材であり、縦長形状とされている。各外壁面材22においては、その長辺が壁高さ方向に沿って延びており、短辺が壁幅方向に沿って延びている。この場合、各外壁面材22は、互いに平行に壁高さ方向に沿って延びている。外壁部17においては、隣り合う外壁面材22の間に目地が形成されており、その目地にはガスケットやシーリング材などが設けられている。
下地横材23,24は、横長の鋼材により形成されており、外壁面材22の裏面(屋内側面)に沿って壁幅方向に延びている。下地横材23,24は上下2段で設けられており、上側下地横材23は、外壁面材22の上端側に配置され、下側下地横材24は、上側下地横材23の下方において外壁面材22の下端側に配置されている。上側下地横材23は、外壁面材22の上端から下方に離間した位置に配置されている一方で、下側下地横材24は、壁厚み方向において外壁面材22の下端に重なる位置に配置されている。接続部25,26のうち上側接続部25は、外壁面材22に対して上側下地横材23を接続しており、下側接続部26は、下側下地横材24を接続している。
図3(c),(d)において、外壁面材22は、その長手方向(壁高さ方向)に沿って延びている中空部35と、この中空部35を囲む外周部36とを有している。外壁面材22の厚み方向において、中空部35は中央位置に配置されており、外周部36は、中空部35の下地横材23,24側(屋内側)に配置された屋内側肉部36aと、中空部35を挟んで下地横材23,24とは反対側(屋外側)に配置された屋外側肉部36bとを有している。また、外壁面材22は、屋内側肉部36aと屋外側肉部36bとの間に設けられた中間部(図示略)を有している。中間部は、屋内側肉部36aと屋外側肉部36bとを連結しており、それによって、中空部35を、外壁面材22の幅方向に沿って並ぶ複数の空間に仕切っている。
外壁面材22には、中空部35を上方に向けて開放する開口が上端部に設けられているとともに、中空部35を下方に向けて開放する開口が下端部に設けられている。
図3(a)〜(d)に示すように、下地横材23,24は、外壁面材22の裏面(屋内側面)に重ねられた重ね部31と、重ね部31から壁厚み方向に沿って延びている延出部32とを有している。下地横材23,24は、断面L字状のアングル材(山形鋼)により形成されており、互いに交差する一対の板部のうち一方が重ね部31とされ、他方が延出部32とされている。
上側下地横材23と下側下地横材24とでは、設置の向きが異なっている。上側下地横材23は、重ね部31が延出部32から下方に向けて延び、延出部32が重ね部31から屋内側(外壁面材22とは反対側)に延びる向きで設置されている。一方、下側下地横材24は、重ね部31が延出部32から上方に向けて延び、延出部32が重ね部31から屋外側(壁厚み方向において外壁面材22側)に延びる向きで設置されている。下側下地横材24においては、延出部32が外壁面材22の下端面に引っ掛かった状態になっている。この場合、延出部32は、外壁面材22の下端部より低い位置に配置されており、その上面が外壁面材22の下端面に対向している。
外壁部17は、建物躯体に対する外壁面材22の揺れを許容するロッキング機構を有しており、このロッキング機構は外壁ユニット21により構成されている。外壁ユニット21において、接続部25,26は、外壁面材22を下地横材23,24に対して回動可能とする回動軸部を有している。このため、図2(b)に示すように、建物躯体が歪むことで上側下地横材23と下側下地横材24とが壁幅方向にずれた場合に、外壁面材22が接続部25,26の回動軸部を軸として下地横材23,24に対して回動することが可能になる。接続部25,26は、下地横材23,24において壁幅方向に沿ってそれぞれ所定間隔で複数配置されており、下地横材23,24のそれぞれを1つの外壁面材22に対して一箇所で接続している。また、各外壁面材22においては、その幅方向の中央位置に接続部25,26が配置されており、それによって、上側接続部25と下側接続部26とが上下に並んでいる。
ここで、地震発生等により建物10が揺れた場合、建物躯体が変形し、外壁ユニット21においては、上側下地横材23と下側下地横材24とが壁幅方向にずれることが想定される。この場合でも、外壁部17がロッキング機構を有していることで、外壁面材22が接続部25,26を軸として下地横材23,24に対して回動するため、下地横材23,24に対する外壁面材22の接続部分(接続部25,26)に応力が集中せず、外壁面材22の破損やひび割れが発生しにくくなっている。
なお、複数の外壁面材22を有する外壁部17においては、下地横材23,24に対する各外壁面材22の回動が、左右に隣り合う外壁面材22の間に目地が形成されていることで許容されている。この目地の幅寸法は、下地横材23,24に対する外壁面材22の傾斜角度(層間変形角に相当する角度)が所定角度(例えば1/200)に達することを許容する大きさに設定されている。
次に、接続部25,26の構成について説明する。
図3(c),(d)に示すように、接続部25,26は、下地横材23,24の重ね部31と外壁面材22の屋内側肉部36aとが重なった部分を貫通している接続ボルト41と、接続ボルト41に螺着されているナット42と、接続ボルト41のボルト頭部41aと屋内側肉部36aとの間に挟まっているスペーサ部材43と、ボルト頭部41aとスペーサ部材43との間に挟まっている座金44とを有している。なお、スペーサ部材43がスペーサに相当する。
重ね部31と屋内側肉部36aとが重なっている部分には、重ね部31を貫通する重ね孔51と、屋内側肉部36aを貫通する肉部孔52とが設けられており、接続ボルト41のボルト軸部41bは、下地横材23,24側(屋内側)から重ね孔51及び肉部孔52に挿通されている。この場合、重ね部31を挟んで屋内側肉部36aとは反対側にボルト頭部41aが配置され、中空部35内(屋内側肉部36aを挟んで重ね部31とは反対側)にナット42が配置された状態で、ボルト軸部41bの雄ネジ部にナット42のナット孔42aの雌ネジ部が螺着されている。なお、肉部孔52が外壁面材22に設けられた面材孔に相当する。
接続部25,26は、外壁面材22に対する下地横材23,24の相対的な回動を可能にしている。接続部25,26においては、スペーサ部材43の厚み寸法が下地横材23,24の重ね部31の厚み寸法より僅かに大きくされている。このため、座金44と外壁面材22との間に挟み込まれたスペーサ部材43は外壁面材22に対して回動しない状態になっている一方で、下地横材23,24はボルト軸部41bをロッキング機構の回動軸部として下地横材23,24に対して回動可能になっている。この場合、座金44と外壁面材22との離間距離は、下地横材23,24の重ね部31の厚み寸法より僅かに大きくなっている。
スペーサ部材43は、重ね部31の重ね孔51に入り込んだ状態で設けられている。スペーサ部材43及び重ね孔51はいずれも円形状とされており、スペーサ部材43の外径が重ね孔51の内径より小さくされている。スペーサ部材43には、ボルト軸部41bが挿通されたスペーサ孔53が形成されている。スペーサ部材43は、合成樹脂材料により形成された樹脂ワッシャとされており、スペーサ孔53に挿通されたボルト軸部41bの外周面と重ね孔51の内周面との間に入り込んだ状態になっている。この場合、スペーサ部材43は、ボルト軸部41bの外周面が重ね孔51の内周面に接触することを規制しており、それによって、ボルト軸部41bの雄ネジ部を保護している。
スペーサ部材43の外周面は、重ね孔51の内周面に対向している。この場合、接続部25,26においては、スペーサ部材43の外周面が重ね孔51の内周面に接触した状態になっている。ここで、スペーサ部材43の外周面は摩擦抵抗が小さい滑り面とされており、重ね孔51の内周面に対して滑りやすくなっている。このため、スペーサ部材43は、重ね孔51の内周面に接触した状態でも、外壁面材22と共に下地横材23,24に対して回動しやすくなっている。
外壁面材22に対する重ね部31の重ね状態は、座金44により保持されている。座金44の外径は、重ね孔51の内径より大きくされており、重ね部31は、座金44に引っ掛かった状態になることで外壁面材22からの離間が規制されている。座金44は、接続ボルト41と一体成型されており、ボルト頭部41aに重ねられた状態になっている。なお、ボルト頭部41aの外径は、座金44の外径及び重ね孔51の内径のいずれより小さくされている。
ナット42には、ボルト軸部41bがナット孔42aにねじ込まれる際にナット42が回転することを規制する回転ストッパ55が取り付けられている。回転ストッパ55は、ナット42と共に中空部35内に配置され、全体として壁幅方向及び壁高さ方向の両方に沿って延びている。この場合、回転ストッパ55は、その隅角部が中間部に引っ掛かることで、ボルト軸部41bの回転と共にナット42が回転するということを規制することになる。
回転ストッパ55は、弾性変形可能な金属板を湾曲させることで形成されており、板面が壁幅方向に沿って延びる向きで中空部35内に配置されている。この場合、回転ストッパ55は、湾曲の曲げがきつくされた状態(湾曲半径が小さくされた状態)で屋内側肉部36a及び屋外側肉部36bの両方に接触しており、その弾性力で回転ストッパ55自身及びナット42を中空部35内において位置保持している。
外壁ユニット21は、連結部材61を介して建物躯体に連結されている。連結部材61は、断面コ字状の溝形鋼により形成され、壁厚み方向に延びている。連結部材61は、その溝部を上方又は下方に向けた状態で下地横材23,24に固定されている。上側下地横材23に固定された連結部材61は、その溝部を下方に向けた状態で設けられており(図3(b)参照)、下側下地横材24に固定された連結部材61は、その溝部を上方に向けた状態で設けられている。ここで、連結部材61は、ウェブ61aとそのウェブ61aを挟んで設けられた一対のフランジ61bとを有しており、ウェブ61aやフランジ61bが下地横材23,24に当接した状態で、下地横材23,24に対して溶接等により固定されている。また、連結部材61は、連結ボルト62により建物躯体に連結されている。
建物10において複数の外壁ユニット21には、上下に隣り合う外壁ユニット21A,21Bが含まれている。外壁ユニット21A,21Bのうち、下階外壁ユニット21Aは一階部分14に配置されており、上階外壁ユニット21Bは二階部分15に配置されている。
各外壁ユニット21は、連結部材61を介して建物躯体に連結されている。ここでは、建物躯体に対する外壁ユニット21の連結構造について、外壁ユニット21A,21Bを具体例として、図4〜図6を参照しつつ説明する。図4は、下階外壁ユニット21Aと上階外壁ユニット21Bとの境界部周辺の構成を示す縦断面図、図5は、下階外壁ユニット21Aの下端部周辺の構成を示す縦断面図、図6は、上階外壁ユニット21Bの上端部周辺の構成を示す縦断面図である。
図4〜図6において、建物本体12は、一階部分14及び二階部分15のそれぞれに設けられた複数の柱(図示略)を有しており、一階部分14においては、柱が基礎11の上端面の上に立設され、その柱の上端部に天井梁64が接続されている。この場合、一階部分14の屋内空間の天井側に天井梁64が配置され、床側に基礎11が配置されている。二階部分15においては、柱が天井梁64の上に立設されており、その柱の上端部に屋根梁65が設置されている。この場合、二階部分15の屋内空間の天井側に屋根梁65が配置され、床側に天井梁64が配置されている。天井梁64は、一階部分14の天井と二階部分15の床との間に配置されており、二階部分15の床梁と称することもできる。なお、天井梁64は、一階部分14の柱の上に設置されており、屋根梁65は、二階部分15の柱の上に設置されている。
天井梁64及び屋根梁65は、いずれもH形鋼により形成されており、溝部を側方に向けた状態で設置されている。天井梁64及び屋根梁65は、いずれも上下方向に延びたウェブと、ウェブを挟んで上下に配置された一対のフランジとを有しており、これら梁64,65の上面は、上側のフランジにより形成され、下面は下側のフランジにより形成されている。
下階外壁ユニット21Aは、一階部分14において天井梁64と基礎11とに掛け渡されており、上階外壁ユニット21Bは、二階部分15において屋根梁65と天井梁64とに掛け渡されている。ここで、各階の柱、天井梁64、屋根梁65及び基礎11は、建物10において建物躯体を構成しており、下階外壁ユニット21Aは、連結部材61を介して天井梁64及び基礎11に連結され、上階外壁ユニット21Bは、連結部材61を介して屋根梁65及び天井梁64に連結されている。
基礎11の上にはベース体66が設置されており、下階外壁ユニット21Aは、ベース体66を介して基礎11に取り付けられている。ベース体66は、基礎11の上端面に重ねられた板材であり、基礎11に打ち込まれたアンカーボルト68により基礎11に対して固定されている。ベース体66は、一階部分14の床を支持しており、柱や天井梁64等と共に建物本体12の構造体を構成している。
なお、ベース体66は、一階部分14の柱が載せられた柱脚プレートとされていてもよい。柱脚プレートは、柱の下端面に重ねられた板材であり、柱に対して溶接等により固定されたものである。また、ベース体66は、基礎11の上に設けられた土台とされていてもよい。
下階外壁ユニット21Aは、天井梁64及びベース体66のそれぞれに対して連結部材61を介して取り付けられている。この場合、天井梁64及びベース体66は、下階外壁ユニット21Aの取付対象になっている。下階外壁ユニット21Aは、天井梁64及びベース体66のそれぞれから屋外側に離間した位置に配置されている。この場合、下階外壁ユニット21Aをベース体66に連結している連結部材61は、壁厚み方向において下側下地横材24とベース体66とに掛け渡された状態になっており、下階外壁ユニット21Aを天井梁64に連結している連結部材61は、壁厚み方向において上側下地横材23と天井梁64とに掛け渡された状態になっている。
図6に示すように、下階外壁ユニット21Aの下側下地横材24に固定された連結部材61は、その溝部を上方に向けてベース体66の上に設置されている。この連結部材61においては、ウェブ61aの外側面(下面)がベース体66の上面に重ねられており、その状態で連結ボルト62がウェブ61aをベース体66に固定している。この場合、連結部材61は、壁厚み方向においてベース体66から屋外側に向けて突出しており、その突出先端部において、ウェブ61aから上方に向けて延びた各フランジ61bが下側下地横材24の延出部32に固定されている。連結部材61においては、各フランジ61bの上端面が延出部32の下面に重ねられており、その重ねられた部分において連結部材61と延出部32とが固定されている。
図5に示すように、下階外壁ユニット21Aの上側下地横材23に固定された連結部材61は、その溝部を下方に向けて天井梁64の下に設置されている。この連結部材61においては、ウェブ61aの外側面(上面)が天井梁64の下面に重ねられており、その状態で連結ボルト62がウェブ61aを天井梁64の下面(下側フランジ)に対して固定している。この場合、連結部材61は、壁厚み方向において天井梁64から屋外側に向けて突出しており、その突出先端部において、ウェブ61aから下方に向けて延びた各フランジ61bが上側下地横材23の延出部32に固定されている。連結部材61においては、各フランジ61bの下端面が延出部32の上面に重ねられており、その重ねられた部分において連結部材61と延出部32とが固定されている。
なお、一階部分14においては、天井梁64が上側取付対象に相当し、その天井梁64に固定された連結部材61が上側連結部材に相当する。また、ベース体66が下側取付対象に相当し、そのベース体66に固定された連結部材61が下側連結部材に相当する。さらに、天井梁64の下面及びベース体66の上面が、壁厚み方向に交差する方向を向いた取付面に相当する。
図4、図5に示すように、上階外壁ユニット21Bは、屋根梁65及び天井梁64のそれぞれに対して連結部材61を介して取り付けられている。この場合、屋根梁65及び天井梁64は、上階外壁ユニット21Bの取付対象になっている。上階外壁ユニット21Bは、屋根梁65及び天井梁64のそれぞれから屋外側に離間した位置に配置されている。この場合、上階外壁ユニット21Bを天井梁64に連結している連結部材61は、壁厚み方向において下側下地横材24と天井梁64とに掛け渡された状態になっており、上階外壁ユニット21Bを屋根梁65に連結している連結部材61は、壁厚み方向において上側下地横材23と屋根梁65とに掛け渡された状態になっている。
図5に示すように、上階外壁ユニット21Bの下側下地横材24に固定された連結部材61は、その溝部を上方に向けて天井梁64の上に設置されている。この連結部材61においては、ウェブ61aの外側面(下面)が天井梁64の上面に重ねられており、その状態で連結ボルト62がウェブ61aを天井梁64の重ね部31に固定している。この場合、連結部材61は、壁厚み方向において天井梁64から屋外側に向けて突出しており、その突出先端部において、ウェブ61a及び各フランジ61bの各端面が、下側下地横材24の重ね部31の屋内側面に重ねられており、その重ねられた部分において連結部材61と重ね部31とが固定されている。
図4に示すように、上階外壁ユニット21Bの上側下地横材23に固定された連結部材61は、その溝部を下方に向けて屋根梁65の下に設置されている。この連結部材61と屋根梁65及び上側下地横材23との固定構造は、下階外壁ユニット21Aにおける連結部材61と天井梁64及び上側下地横材23との固定構造と同じになっている。
なお、二階部分15においては、屋根梁65が上側取付対象に相当し、その屋根梁65に固定された連結部材61が上側連結部材に相当する。また、天井梁64が下側取付対象に相当し、その天井梁64に固定された連結部材61が下側連結部材に相当する。さらに、屋根梁65の下面及び天井梁64の上面が、壁厚み方向に交差する方向を向いた取付面に相当する。
図4〜図6に示すように、下階外壁ユニット21Aにおいては、その下端部がベース体66より高い位置に配置され、その上端部が天井梁64の上面より低い位置に配置されている。また、上階外壁ユニット21Bにおいては、その下端部が天井梁64の上面より高い位置に配置され、その上端部が屋根梁65より低い位置に配置されている。
ここで、天井梁64には、外壁ユニット21A,21Bの両方が取り付けられているが、上階外壁ユニット21Bを天井梁64に連結した連結部材61は、下階外壁ユニット21Aの外壁面材22の上端面と同じ高さ位置又はそれよりも高い位置に配置されている。このため、下階外壁ユニット21Aの外壁面材22が支障になって、上階外壁ユニット21Bに固定された連結部材61を天井梁64に取り付けることができない、ということを回避できる。
なお、屋根13の軒部には、軒天井を形成する軒天板71が設けられている。軒天板71は、上階外壁ユニット21Bの側方に配置されており、その上階外壁ユニット21Bの外壁面材22にビス等により固定されている。
複数の外壁ユニット21を有する建物10の構築手順について簡単に説明する。各外壁ユニット21を工場で製造し、その後、トラック等により工場から建築現場に運搬する。工場においては、外壁ユニット21に、下地横材23,24に対する外壁面材22の回動を規制する規制具を仮で装着し、その状態で外壁ユニット21を運搬する。規制具は、隣り合う外壁面材22の間の隙間に押し込まれることで、外壁面材22の間の隙間が小さくなることを規制するものである。規制具は、外壁ユニット21において、隣り合う外壁面材22の上端部同士の間の隙間や、下端部同士の間の隙間について複数個所に装着する。
外壁ユニット21においては、規制具を装着しておくことで、運搬時に下地横材23,24に対して外壁面材22が意図せずに回動するということを防止できる。つまり、外壁ユニット21が意図せずに変形することに起因して外壁ユニット21の運搬作業の難易度が高くなってしまうということを防止できる。
また、工場においては、外壁ユニット21及び建物躯体の取付対象(天井梁64、屋根梁65、ベース体66)の各仕様に合わせた連結部材61を製作し、その連結部材61を外壁ユニット21の下地横材23,24に取り付けておく。
建築現場においては、基礎11や柱、天井梁64、屋根梁65といった建物躯体を構築しておき、工場から運搬してきた外壁ユニット21を建物躯体に対して取り付ける。この場合、外壁ユニット21に取り付けておいた連結部材61を建物躯体の天井梁64や屋根梁65、ベース体66に固定する。その後、外壁ユニット21から規制具を取り外し、隣り合う外壁面材22の間の隙間にガスケットやシーリング材などを充填する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
外壁面材22、下地横材23,24及び接続部25,26が外壁ユニット21としてユニット化されているため、下地横材23,24に外壁面材22を取り付ける作業を建築現場ではなく工場で行うことができる。この場合、建築現場においては単に外壁ユニット21を建物躯体に取り付けることで外壁部17を構築することができるため、建築現場での作業負担を、ロッキング機構を有していない外壁部と同等にまで軽減できる。しかも、1つの外壁ユニット21を設置することが複数の外壁面材22をまとめて設置することになるため、これら外壁面材22については外壁面材22同士の位置合わせを行う手間を建築現場において省くことができる。したがって、外壁部17においてロッキング機構を好適に構築することができる。
外壁ユニット21が連結部材61を介して建物躯体に取り付けられているため、連結部材61の仕様を建物躯体の仕様に合わせておけば、外壁ユニット21の仕様を建物躯体の仕様にあわせる必要がない。この場合、外壁ユニット21を汎用化しても、連結部材61を用いることで複数種類の建物躯体に取り付けることが可能になるため、ロッキング機構を有する外壁部17について好適に工業化を図ることができる。
建物躯体においては、外壁ユニット21が取り付けられる取付対象(天井梁64等)が下地横材23,24から屋内側に離間しているため、下地横材23,24と取付対象とが互いに干渉して外壁ユニット21の設置位置や大きさ、形状などが制限されるということを回避できる。
建物躯体においては、取付対象の取付面(天井梁64の上面や下面等)が壁幅方向に延びているため、連結ボルト62が壁高さ方向に延びた状態になっている。この場合、連結ボルト62を取付対象から外壁ユニット21側に突出させない状態にできるため、外壁ユニット21の設置位置や大きさ等が連結ボルト62により制限されるということを抑制できる。
天井梁64においては、その下面に下階外壁ユニット21Aの上側下地横材23が固定され、その上面に上階外壁ユニット21Bの下側下地横材24が固定されているため、天井梁64に下階外壁ユニット21A及び上階外壁ユニット21Bの両方が取り付けられる構成であっても、これら外壁ユニット21A,21B同士が干渉するということを回避できる。
接続部25,26においては、接続ボルト41のボルト軸部41bが回動軸部とされているため、外壁ユニット21においてロッキング機構を実現できる。また、スペーサ部材43の厚み寸法が下地横材23,24の重ね部31の厚み寸法より大きくされているため、ボルトやナットという汎用品を用いてロッキング機構を構成できる。この場合、ナット42に対する接続ボルト41の締め付け強さに関係なく、下地横材23,24に対して外壁面材22が回動可能な状態を作り出すことができるため、熟練した作業者でなくてもロッキング機構を容易に構築することができる。
スペーサ部材43の外周面と重ね孔51の内周面との接触部分の摩擦抵抗が極力小さくされているため、ボルト軸部41bに対する重ね部31の回動が前記摩擦抵抗により妨げられるということを抑制できる。また、ボルト軸部41bの雄ネジ部がスペーサ部材43により保護された状態になっているため、その雄ネジ部により重ね孔51の内周面が傷つくことや、雄ネジ部の山部分が変形することなどを抑制できる。したがって、ボルト軸部41bを回動軸としたロッキング機構において、外壁面材22や接続ボルト41を適正な状態で保持することができる。
ナット42が外壁面材22の中空部35に配置されているため、そのナット42が外壁面材22の屋外側に露出することがない。この場合、外壁面材22に対してナット42を覆い隠すための座堀り補修等を行う必要がないため、外壁部17の構築に際して作業負担を軽減することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、外壁ユニット21の接続部25,26において、外壁面材22の屋内側肉部36aの屋内側にボルト頭部41aが配置され、屋外側にナット42が配置されていたが、ボルト頭部41aとナット42との位置が逆にされていてもよい。
また、スペーサ部材43は、ボルト頭部41a(又は座金44)と外壁面材22との間に挟み込まれるものであれば、スペーサ孔53を有していなくてもよく、例えば半円形状の板材とされていてもよい。この場合、スペーサ部材43は、下地横材23,24の重ね部31の重ね孔51内ではなく、外壁面材22の屋内側面に沿って重ね部31に並ぶ位置に配置されていてもよい。
(2)上記実施形態では、1つの部材であるスペーサ部材43がスペーサとされていたが、スペーサは外壁面材22に一体的に設けられていてもよい。例えば、屋内側肉部36aから屋内側に向けて突出した凸部が外壁面材22に設けられ、その凸部がスペーサを形成していてもよい。この場合、凸部の突出寸法が下地横材23,24の厚み寸法より大きくされていれば、凸部がスペーサとしての役割を果たすことが可能になる。
(3)上記実施形態では、外壁面材22が中空部35を有していたが、外壁面材22は中空部35を有していなくてもよい。この場合、肉部孔52は外壁面材22を壁厚み方向に貫通し、外壁面材22の屋外側にナット42が配置され、屋内側にボルト頭部41aが配置されることになる。
(4)上記実施形態では、外壁ユニット21においては、接続ボルト41、ナット42という汎用品を用いて接続部25,26が構成されていたが、接続部25,26は、ベアリング等を用いて構成されていてもよい。要は、下地横材23,24に対して外壁面材22が回動可能な構成が接続部25,26により実現されていればよい。
(5)上記実施形態では、外壁ユニット21において、外壁面材22を下地横材23,24に対して回動可能にしたロッキング機構が構築されていたが、外壁面材22を下地横材23,24に対してスライド移動可能なスライド機構が構築されていてもよい。例えば、外壁面材22がその外壁面材22の長手方向(壁高さ方向)に沿ってスライド移動する構成とする。この構成でも、地震発生等により建物10が揺れて建物躯体が変形した場合に、上側下地横材23と下側下地横材24とが幅方向にずれることに伴ってそれら下地横材23,24に対して外壁面材22がスライド移動するため、外壁面材22と下地横材23,24との接続部分に応力が集中せず、外壁面材22の破損やひび割れが発生しにくくなる。
(6)上記実施形態では、外壁ユニット21は、外壁部17において外壁面材22が壁高さ方向に延びる向きで設置されているが、外壁面材22が壁幅方向に延びる向きで設置されていてもよい。この場合、複数の外壁面材22に掛け渡されている掛け渡し部材は、壁高さ方向に延びており、下地横材ではなく下地縦材と称することができる。なお、上記(5)のスライド機構は、外壁面材22が壁幅方向に延びた横壁スライド機構とされていることが好ましい。
(7)外壁ユニット21は、建物躯体において柱に取り付けられていてもよい。例えば、外壁ユニット21の下地横材23,24が隣り合う柱に掛け渡された状態で取り付けられた構成とする。また、(6)のように、外壁面材22が壁幅方向に延びる向きで外壁ユニット21が設置された構成では、掛け渡し部材としての下地縦材が柱に沿って延びた状態でその柱に固定されていることが好ましい。
(8)上記実施形態では、外壁ユニット21に上側下地横材23及び下側下地横材24という2つの掛け渡し部材が設けられていたが、掛け渡し部材は2つでなくてもよい。例えば、1つの掛け渡し部材が壁高さ方向において外壁面材22の中間位置に設けられていてもよく、下地横材23,24の中間位置に中間下地横材が設けられることで3つの掛け渡し部材が設けられていてもよい。
(9)上記実施形態では、外壁ユニット21の下地横材23,24が建物躯体の取付対象(天井梁64等)から屋外側に離間した位置に配置されていたが、下地横材23,24は、壁高さ方向や幅方向において取付対象に重なる位置に配置されていてもよい。下地横材23,24は、つまり、取付対象の屋外側端部より屋内側に入り込んだ位置に配置されていてもよい。この場合でも、連結部材61により下地横材23,24と取付対象とを連結することが可能である。
10…建物、11…建物躯体を構成する基礎、17…外壁部、21…外壁ユニット、22…外壁面材、23…掛け渡し部材としての上側下地横材、24…掛け渡し部材としての下側下地横材、25…接続手段としての上側接続部、26…接続手段としての下側接続部、31…重ね部、35…中空部、36…外周部、36a…肉部としての屋内側肉部、41…ボルトとしての接続ボルト、41a…ボルト頭部、41b…回動軸部を形成するボルト軸部、42…ナット、43…スペーサ部材、51…重ね孔、61…上側連結部材及び下側連結部材としての連結部材、64…建物躯体を構成する上側取付対象及び下側取付対象としての天井梁、65…建物躯体を構成する上側取付対象としての屋根梁、66…建物躯体を構成する下側取付対象としてのベース体。

Claims (9)

  1. 建物躯体に取り付けられた外壁ユニットを備えている外壁部に適用され、
    前記外壁ユニットは、
    前記外壁部の外周面に沿って並べられた複数の外壁面材と、
    前記建物躯体に対して固定され、前記複数の外壁面材に掛け渡された掛け渡し部材と、
    前記複数の外壁面材のそれぞれに対して個別に設けられ、前記外壁面材を前記掛け渡し部材に対して回動可能、又は前記外壁面材の板面が延びる方向のうち前記複数の外壁面材の並び方向に交差する方向に移動可能な状態で該掛け渡し部材に接続している接続手段と、
    を有していることを特徴とする建物の外壁構造。
  2. 前記外壁部は、前記掛け渡し部材及び前記建物躯体のそれぞれに固定されていることで前記外壁ユニットと前記建物躯体とを連結した連結部材を有していることを特徴とする請求項1に記載の建物の外壁構造。
  3. 前記建物躯体は、前記連結部材を介して前記外壁ユニットが取り付けられた取付対象を有しており、
    前記掛け渡し部材は、前記外壁面材の屋内側において前記取付対象から屋外側に離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の建物の外壁構造。
  4. 前記取付対象は、前記外壁部の壁厚み方向に交差する方向を向いた取付面を有しており、
    前記連結部材は、前記取付面に重ねられた状態で前記取付対象に固定され、前記取付対象から前記外壁面材に向けて突出していることを特徴とする請求項3に記載の建物の外壁構造。
  5. 前記外壁部は、前記連結部材として、前記外壁ユニットの上部に固定された上側連結部材と、前記外壁ユニットの下部に固定された下側連結部材とを有しており、
    前記建物躯体は、前記取付対象として、前記外壁部の壁高さ方向において屋内空間の天井側に配置された上側取付対象と、前記屋内空間の床側に配置された下側取付対象とを有しており、
    前記上側連結部材は、前記上側取付対象の下面に対して固定されており、
    前記下側連結部材は、前記下側取付対象の上面に対して固定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の建物の外壁構造。
  6. 前記接続手段は、
    前記外壁面材に対する前記外壁面材の回動を可能にする回動軸部を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物の外壁構造。
  7. 前記掛け渡し部材は、前記外壁面材の肉部に重ねられた重ね部を有しており、
    前記接続手段は、
    前記肉部と前記重ね部とが重ねられた部分を貫通し且つ前記回動軸部を形成しているボルト軸部を有したボルトと、
    前記肉部及び前記重ね部を挟んで前記ボルトのボルト頭部とは反対側に配置されナットと、
    前記重ね部と共に前記肉部と前記ボルト頭部又は前記ナットとの間に設けられ、前記ボルト軸部が前記ナットにねじ込まれていることで前記肉部と前記ボルト頭部又はナットとの間で締め付けられた状態になっているスペーサと、
    を有し、
    前記スペーサの厚み寸法が前記重ね部の厚み寸法より大きくされていることを特徴とする請求項6に記載の建物の外壁構造。
  8. 前記重ね部には、前記ボルト軸部が挿通され且つ前記スペーサが入り込んでいる重ね孔が設けられており、
    前記スペーサにおいて前記重ね孔の内周面に対向する面は、前記重ね孔の内周面に接触した場合に該内周面に対して滑る滑り面とされていることを特徴とする請求項7に記載の建物の外壁構造。
  9. 前記外壁面材は、当該外壁面材の外周面を形成する外周部と、該外周部の内側に設けられた中空部とを有しており、
    前記肉部は、前記外周部において前記中空部の屋内側に配置された部分であり、
    前記ナットは、前記中空部に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の建物の外壁構造。
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