JP2015139875A - パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いて現像することができ、かつ十分に微細なパターンを形成することができるパターン形成用自己組織化組成物の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、酸性基を含む構造単位を有する第1重合体、及び上記第1重合体以外の第2重合体を含有するパターン形成用自己組織化組成物であって、上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位の含有割合が10モル%以上であり、上記第1重合体の23℃における2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上であることを特徴とする。上記酸性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【選択図】図4
【解決手段】本発明は、酸性基を含む構造単位を有する第1重合体、及び上記第1重合体以外の第2重合体を含有するパターン形成用自己組織化組成物であって、上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位の含有割合が10モル%以上であり、上記第1重合体の23℃における2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上であることを特徴とする。上記酸性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【選択図】図4
Description
本発明は、パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるパターンの微細化が要求されている。現在、例えばArFエキシマレーザーを用いて線幅90nm程度の微細なパターンを形成することができるが、さらに微細なパターン形成が要求されるようになってきている。
上記要求に対し、秩序パターンを自発的に形成するいわゆる自己組織化による相分離構造を利用したパターン形成方法がいくつか提案されている。例えば、一の性質を有する単量体化合物と、それと性質の異なる単量体化合物とが共重合してなるブロック共重合体を用いた自己組織化による微細パターンの形成方法が知られている(特開2008−149447号公報、特表2002−519728号公報、特開2003−218383号公報参照)。この方法によると、上記ブロック共重合体を含む組成物をアニーリングすることにより、同じ性質を持つポリマー構造同士が集まろうとするために、自己整合的にパターンを形成することができる。また、互いに性質の異なる複数のポリマーを含む組成物を自己組織化させることにより微細パターンを形成する方法も知られている(米国特許出願公開2009/0214823号明細書、特開2010−58403号公報参照)。
かかる自己組織化を用いる微細パターンの形成方法においては、相分離構造を形成した自己組織化膜の一部の相を除去し現像するための除去液として、通常、疎水性の有機溶媒が用いられている。一方、作業環境や地球環境保全の面からは、除去液として、アルコール系溶媒、アルカリ水溶液等の親水性又は水系のものを使用することが求められている。しかし、上記従来の自己組織化組成物では、親水性又は水系の除去液を用いたのでは、十分に微細で良好な形状のパターンを得ることは困難である。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いて現像することができ、かつ十分に微細なパターンを形成することができるパターン形成用自己組織化組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
酸性基を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び
上記第1重合体以外の第2重合体(以下、「[B]重合体」ともいう)
を含有するパターン形成用自己組織化組成物であって、
上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位の含有割合が10モル%以上であり、
上記第1重合体の23℃における2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上であることを特徴とする。
酸性基を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び
上記第1重合体以外の第2重合体(以下、「[B]重合体」ともいう)
を含有するパターン形成用自己組織化組成物であって、
上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位の含有割合が10モル%以上であり、
上記第1重合体の23℃における2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上であることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程、及び
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程
を備え、
上記自己組織化膜を当該パターン形成用自己組織化組成物により形成するパターン形成方法である。
相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程、及び
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程
を備え、
上記自己組織化膜を当該パターン形成用自己組織化組成物により形成するパターン形成方法である。
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明のパターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法によれば、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いて現像することができ、かつ十分に微細なパターンを形成することができる。従って、当該パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法は、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス製造におけるリソグラフィー工程に好適に用いることができる。
以下、本発明のパターン形成用自己組織化組成物、パターン形成方法の実施の形態について詳説する。
<パターン形成用自己組織化組成物>
自己組織化(Directed Self Assembly)とは、外的要因からの制御のみに起因せず、自発的に組織や構造を構築する現象を指す。本発明においては、パターン形成用自己組織化組成物を基板上に塗布することにより、自己組織化による相分離構造を有する膜(自己組織化膜)を形成し、この自己組織化膜における一部の相を除去することにより、パターンを形成することができる。
自己組織化(Directed Self Assembly)とは、外的要因からの制御のみに起因せず、自発的に組織や構造を構築する現象を指す。本発明においては、パターン形成用自己組織化組成物を基板上に塗布することにより、自己組織化による相分離構造を有する膜(自己組織化膜)を形成し、この自己組織化膜における一部の相を除去することにより、パターンを形成することができる。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体及び[B]重合体を含有し、[A]重合体における上記構造単位(I)の含有割合を上記範囲とし、かつ[A]重合体の上記アルカリ水溶液に対する溶解速度を上記範囲とすることで、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いて現像することができ、かつ十分に微細なパターンを形成することができる。当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体及び[B]重合体以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、溶媒、界面活性剤等の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有し、[A]重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位(I)の含有割合が10モル%以上であり、23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上である重合体である。
当該パターン形成用自己組織化組成物が、[A]重合体を上記構成とすることにより、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち、23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度を上記範囲とすることで、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いる現像が可能となり、その場合、上記構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることにより、良好に現像を行うことができると考えられ、その結果、十分に微細なパターンを形成することができる。
[A]重合体は、構造単位(I)を有し、[A]重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位(I)の含有割合が10モル%以上であり、23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上である重合体である。
当該パターン形成用自己組織化組成物が、[A]重合体を上記構成とすることにより、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち、23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度を上記範囲とすることで、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いる現像が可能となり、その場合、上記構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることにより、良好に現像を行うことができると考えられ、その結果、十分に微細なパターンを形成することができる。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、スチレンに由来する構造単位(II)をさらに有することが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で、構造単位(I)及び構造単位(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸性基を含む構造単位である。「酸性基」とは、プロトンを供与することができる基をいい、好ましくは、水中における酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が10.5以下、さらに好ましくは10以下である基をいう。
構造単位(I)は、酸性基を含む構造単位である。「酸性基」とは、プロトンを供与することができる基をいい、好ましくは、水中における酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が10.5以下、さらに好ましくは10以下である基をいう。
上記酸性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基、硫酸基(−O−SO2OH)、リン酸基(−P(OH)2)、電子求引基が結合したヒドロキシアルキル基等が挙げられる。これらの中で、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基が好ましく、フェノール性水酸基がより好ましい。
上記フェノール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)としては、例えば、下記式(1)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基である。R2は、炭素数1〜20の1価の有機基である。pは、0〜3の整数である。pが2又は3の場合、複数のR2は同一でも異なっていてもよい。qは、1〜3の整数である。但し、p+qは5以下である。
上記R1としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R2で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、珪素原子等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−NR’−、−S−、−CS−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
上記置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アルコール性水酸基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記pとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記qとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
上記qとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
構造単位(I−1)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
上記式中、R1は、水素原子又はメチル基である。
これらの中で、ヒドロキシスチレンに由来する構造単位が好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、構造単位(I)を上記特定の構造単位とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
上記カルボキシ基を含む構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)としては、例えば、下記式(2)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(2)中、R3は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。L1は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記R3としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記L1で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、上記式(1)におけるR2の1価の有機基として例示したものから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記L1としては、単結合が好ましい。
上記構造単位(I−2)としては、アクリル酸に由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位が好ましく、メタクリル酸に由来する構造単位がより好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、構造単位(I)を上記特定の構造単位とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
上記スルホンアミド基を含む構造単位(以下、「構造単位(I−3)」ともいう)としては、例えば、下記式(3)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(3)中、R4は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。L2は、単結合又は−COO−である。R5は、炭素数1〜20の2価の有機基である。R6は、炭素数1〜20のフッ素化アルキル基である。
上記R4としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記L2としては、−COO−が好ましい。
上記R5で表される2価の有機基としては、例えば、上記L1の2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R6で表される炭素数1〜20のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
これらの中で、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基が好ましい。
上記L2としては、−COO−が好ましい。
上記R5で表される2価の有機基としては、例えば、上記L1の2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R6で表される炭素数1〜20のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
これらの中で、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基が好ましい。
上記構造単位(I−3)としては、パーフルオロアルキルスルホニルアミド基を有する構造単位が好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、構造単位(I)を上記特定の構造単位とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
上記スルホ基を含む構造単位(以下、「構造単位(I−4)」ともいう)としては、例えば、下記式(4)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(4)中、R6は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。L3は単結合、酸素原子、硫黄原子又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記R6としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記L3としては、単結合が好ましい。
上記L3としては、単結合が好ましい。
構造単位(I−4)としては、ビニルスルホン酸に由来する構造単位が好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、構造単位(I)を上記特定の構造単位とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
構造単位(I)としては、これらの中で、構造単位(I−1)、構造単位(I−2)が好ましく、ヒドロキシスチレンに由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%であり、30モルが好ましく、40モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。一方、構造単位(I)の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、100モル%が好ましく、90モル%がより好ましく、85モル%がさらに好ましく、80モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、さらに十分に微細なパターンを形成することができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、スチレンに由来する構造単位である。[A]重合体は構造単位(II)を有することで、[B]重合体と、より良好に相分離させることができ、その結果当該パターン形成用自己組織化組成物は、より十分に微細なパターンを形成することができる。
構造単位(II)は、スチレンに由来する構造単位である。[A]重合体は構造単位(II)を有することで、[B]重合体と、より良好に相分離させることができ、その結果当該パターン形成用自己組織化組成物は、より十分に微細なパターンを形成することができる。
構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%以上90モル%以下が好ましく、2モル%以上50モル%以下がより好ましく、3モル%以上40モル%以下がさらに好ましく、20モル%以上40モル%が特に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、さらに十分に微細なパターンを形成することができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)及び構造単位(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。
上記その他の構造単位としては、例えば、
メチルスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン;ビニルスチレン、アリルスチレン等のアルケニル置換スチレン;クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン;クロロメチルスチレン、フルオロメチルスチレン等のハロゲン化アルキル置換スチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、i−プロポキシスチレン、t−ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレンなどの置換スチレン;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位などが挙げられる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)及び構造単位(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。
上記その他の構造単位としては、例えば、
メチルスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン;ビニルスチレン、アリルスチレン等のアルケニル置換スチレン;クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン;クロロメチルスチレン、フルオロメチルスチレン等のハロゲン化アルキル置換スチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、i−プロポキシスチレン、t−ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレンなどの置換スチレン;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位などが挙げられる。
構造単位(I)がフェノール性水酸基を含む構造単位である場合、及び/又は構造単位(II)を有する場合等の場合には、当該パターン形成用自己組織化組成物が、より十分に微細なパターンを形成できる観点から、上記その他の構造単位としては、芳香環を含む構造単位が好ましく、置換スチレンに由来する構造単位がより好ましく、アルコキシ置換スチレンに由来する構造単位がさらに好ましく、t−ブトキシスチレンに由来する構造単位が特に好ましい。
上記その他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%以上90モル%以下が好ましく、0モル%以上30モル%以下がより好ましく、0モル%以上10モル%以下がさらに好ましい。
[A]重合体が共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、より十分に微細なパターンを得る観点からはランダム共重合体が好ましい。
また、[A]重合体の主鎖の末端に、例えばヘテロ原子含有基等が結合していることが好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体の主鎖の末端にヘテロ原子含有基が結合していることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、ヒドロキシ基含有基、アミノ基含有基、アルコキシ基含有基等が挙げられる。
また、[A]重合体の主鎖の末端に、例えばヘテロ原子含有基等が結合していることが好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体の主鎖の末端にヘテロ原子含有基が結合していることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、ヒドロキシ基含有基、アミノ基含有基、アルコキシ基含有基等が挙げられる。
[A]重合体の重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましく、3,000〜20,000がさらに好ましく、5,000〜10,000が特に好ましい。
[A]重合体の数平均分子量(Mn)としては、800〜80,000が好ましく、1,600〜38,000がより好ましく、2,300〜15,000がさらに好ましく、3,800〜7,700が特に好ましい。
[A]重合体のMwのMnに対する比(Mw/Mn)としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1.1〜1.5がさらに好ましい。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体のMw、Mn及び/又はMw/Mnを上記範囲とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
[A]重合体の数平均分子量(Mn)としては、800〜80,000が好ましく、1,600〜38,000がより好ましく、2,300〜15,000がさらに好ましく、3,800〜7,700が特に好ましい。
[A]重合体のMwのMnに対する比(Mw/Mn)としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1.1〜1.5がさらに好ましい。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体のMw、Mn及び/又はMw/Mnを上記範囲とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
なお、重合体のMw及びMnは、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られた値である。
カラム:東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
カラム:東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]重合体の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度の下限としては、10nm/分であり、12nm/分が好ましく、15nm/分がより好ましく、20nm/分がさらに好ましい。一方、上記溶解速度の上限としては、1,000nm/分が好ましく、500nm/分がより好ましく、300nm/分がさらに好ましい。
重合体の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、重合体が溶解した溶液を用い、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」を使用して、12インチシリコンウェハ全面に製膜した後、KLA−Tencor社の分光エリプソメーター「UV1280SE」を用いて膜厚を測定し、その後、23℃において、2.38質量%TMAH水溶液に一定時間曝した後に再度膜厚測定を行って、
(TMAH水溶液曝露前後の膜厚差)/(曝露時間)
により算出して得た値である。
(TMAH水溶液曝露前後の膜厚差)/(曝露時間)
により算出して得た値である。
当該パターン形成用自己組織化組成物における[A]重合体の含有量としては、全固形分に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、構造単位(I)を与える単量体の他、上記各構造単位を与える単量体を、適当な溶媒中で重合することにより合成することができる。上記重合としては、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合のいずれであってもよい。[A]重合体がブロック共重合体である場合、[A]重合体の主鎖の末端に例えばヘテロ原子含有基を導入する場合、[A]重合体のMw/Mn比を小さくする場合等には、アニオン重合を用いることが好ましい。
[A]重合体は、構造単位(I)を与える単量体の他、上記各構造単位を与える単量体を、適当な溶媒中で重合することにより合成することができる。上記重合としては、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合のいずれであってもよい。[A]重合体がブロック共重合体である場合、[A]重合体の主鎖の末端に例えばヘテロ原子含有基を導入する場合、[A]重合体のMw/Mn比を小さくする場合等には、アニオン重合を用いることが好ましい。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルイソブチルカービノール(MIBC)等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルイソブチルカービノール(MIBC)等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記重合に使用される開始剤としては、
アニオン重合の場合、例えば、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、ナフタレンナトリウム、アルキル化ランタノイド系化合物等が挙げられる。これらの中で、単量体としてスチレン化合物、(メタ)アクリル酸エステル等を用いる場合には、アルキルリチウム化合物が好ましい。
ラジカル重合の場合、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。
カチオン重合の場合、三フッ化ホウ素等のルイス酸;トリフルオロメタンスルホン酸塩等のプロトン酸などが挙げられる。
アニオン重合の場合、例えば、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、ナフタレンナトリウム、アルキル化ランタノイド系化合物等が挙げられる。これらの中で、単量体としてスチレン化合物、(メタ)アクリル酸エステル等を用いる場合には、アルキルリチウム化合物が好ましい。
ラジカル重合の場合、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。
カチオン重合の場合、三フッ化ホウ素等のルイス酸;トリフルオロメタンスルホン酸塩等のプロトン酸などが挙げられる。
上記重合における反応温度としては、重合方法、開始剤の種類等に応じて適宜決定すればよいが、
アニオン重合の場合、通常−150℃〜50℃であり、−80℃〜40℃が好ましい。
カチオン重合の場合、通常−80℃〜150℃であり、−70℃〜80℃が好ましい。
ラジカル重合の場合、通常30℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。
上記重合における反応時間としては、通常5分〜48時間であり、20分〜24時間が好ましく、1時間〜12時間がより好ましい。
アニオン重合の場合、通常−150℃〜50℃であり、−80℃〜40℃が好ましい。
カチオン重合の場合、通常−80℃〜150℃であり、−70℃〜80℃が好ましい。
ラジカル重合の場合、通常30℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。
上記重合における反応時間としては、通常5分〜48時間であり、20分〜24時間が好ましく、1時間〜12時間がより好ましい。
上記アニオン重合において、その重合末端を、例えばヘテロ原子を含む末端処理剤で処理することにより、[A]重合体の末端にヘテロ原子含有基を導入することができる。[A]重合体が末端にヘテロ原子含有基等を有すると、当該パターン形成用自己組織化組成物における相分離がより良好に制御され、その結果、より十分に微細なパターンを形成することができる。
上記末端処理剤としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エポキシアミン等のエポキシ化合物;二酸化炭素等が挙げられる。
上記末端処理剤としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エポキシアミン等のエポキシ化合物;二酸化炭素等が挙げられる。
<[B]重合体>
[B]重合体は、[A]重合体以外の重合体である。[B]重合体としては、[A]重合体以外の重合体、すなわち[A]重合体における構造単位(I)を有さない重合体である限り特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリシロキサン等が挙げられる。
これらの中で、[A]重合体とより良好に相分離し得、より十分に微細なパターンが得られる観点から、(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
[B]重合体は、[A]重合体以外の重合体である。[B]重合体としては、[A]重合体以外の重合体、すなわち[A]重合体における構造単位(I)を有さない重合体である限り特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリシロキサン等が挙げられる。
これらの中で、[A]重合体とより良好に相分離し得、より十分に微細なパターンが得られる観点から、(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
上記(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、
ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ポリ(メタ)アクリル酸シクロペンチル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;ポリ(メタ)アクリル酸フェニル、ポリ(メタ)アクリル酸ナフチル等のポリ(メタ)アクリル酸アリールエステル;ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリ(メタ)アクリル酸フェネチル等のポリ(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;複数種の(メタ)アクリル酸エステルに由来する共重合体などが挙げられる。
これらの中で、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸アリールエステルが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸フェニルがより好ましく、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸フェニルがさらに好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ポリ(メタ)アクリル酸シクロペンチル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;ポリ(メタ)アクリル酸フェニル、ポリ(メタ)アクリル酸ナフチル等のポリ(メタ)アクリル酸アリールエステル;ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル、ポリ(メタ)アクリル酸フェネチル等のポリ(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;複数種の(メタ)アクリル酸エステルに由来する共重合体などが挙げられる。
これらの中で、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸アリールエステルが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸フェニルがより好ましく、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸フェニルがさらに好ましい。
[B]重合体が共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、より十分に微細なパターンを得る観点からはランダム共重合体が好ましい。
[B]重合体としては単独重合体でも共重合体でもよいが、[A]重合体とより良好に相分離し得、より十分に微細なパターンが得られる観点からは、単独重合体が好ましい。
また、[B]重合体の主鎖の末端に、例えばヘテロ原子含有基等が結合していることが好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、[B]重合体の主鎖の末端にヘテロ原子含有基が結合していることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、[A]重合体における主鎖の末端に結合する基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
また、[B]重合体の主鎖の末端に、例えばヘテロ原子含有基等が結合していることが好ましい。当該パターン形成用自己組織化組成物は、[B]重合体の主鎖の末端にヘテロ原子含有基が結合していることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、[A]重合体における主鎖の末端に結合する基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
[B]重合体の重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜40,000がより好ましく、2,500〜10,000がさらに好ましく、3,000〜7,000が特に好ましい。
[B]重合体の数平均分子量(Mn)としては、800〜80,000が好ましく、1,600〜33,000がより好ましく、2,000〜8,000がさらに好ましく、2,500〜5,800が特に好ましい。
[B]重合体のMwのMnに対する比(Mw/Mn)としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1.1〜1.5がさらに好ましい。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、[B]重合体のMw、Mn及び/又はMw/Mnを上記範囲とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
[B]重合体の数平均分子量(Mn)としては、800〜80,000が好ましく、1,600〜33,000がより好ましく、2,000〜8,000がさらに好ましく、2,500〜5,800が特に好ましい。
[B]重合体のMwのMnに対する比(Mw/Mn)としては、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1.1〜1.5がさらに好ましい。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、[B]重合体のMw、Mn及び/又はMw/Mnを上記範囲とすることで、より十分に微細なパターンを形成することができる。
<[B]重合体の合成方法>
[B]重合体は、これを与える単量体を用い、上記[A]重合体の合成方法として例示したものと同様の方法によって、合成することができる。
[B]重合体は、これを与える単量体を用い、上記[A]重合体の合成方法として例示したものと同様の方法によって、合成することができる。
[A]重合体の[B]重合体に対する質量比([A]/[B])の下限としては、10/90が好ましく、20/80がより好ましく、30/70がさらに好ましく、40/60が特に好ましい。一方、上記質量比の上限としては、90/10が好ましく、80/20がより好ましく、70/30がさらに好ましく、60/40が特に好ましい。[A]重合体の[B]重合体に対する質量比を上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、さらに十分に微細なパターンを形成することができる。
<溶媒>
当該パターン形成用自己組織化組成物は、通常溶媒を含有する。上記溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、通常溶媒を含有する。上記溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、メチルイソブチルカービノール(MIBC)、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、メチルイソブチルカービノール(MIBC)、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、3−メトキシプロピオン酸メチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒が好ましく、多価アルコールモノアルキルエーテルアセテート系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)がさらに好ましい、これらの溶媒は単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
[界面活性剤]
当該パターン形成用自己組織化組成物は、さらに界面活性剤を含有してもよい。当該パターン形成用自己組織化組成物が界面活性剤を含有することで、基板等への塗布性を向上させることができる。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、さらに界面活性剤を含有してもよい。当該パターン形成用自己組織化組成物が界面活性剤を含有することで、基板等への塗布性を向上させることができる。
<当該パターン形成用自己組織化組成物の調製方法>
当該パターン形成用自己組織化組成物は、例えば上記溶媒中で、[A]重合体、[B]重合体、界面活性剤等を所定の割合で混合することにより調製できる。調製したパターン形成用自己組織化組成物は、孔径200nm程度のメンブレンフィルター等により濾過することが好ましい。
当該パターン形成用自己組織化組成物は、例えば上記溶媒中で、[A]重合体、[B]重合体、界面活性剤等を所定の割合で混合することにより調製できる。調製したパターン形成用自己組織化組成物は、孔径200nm程度のメンブレンフィルター等により濾過することが好ましい。
<パターン形成方法>
当該パターン形成方法は、
相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程(以下、「自己組織化膜形成工程」ともいう)、及び
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程(以下、「除去工程」ともいう)
を備える。上記自己組織化膜を当該パターン形成用自己組織化組成物により形成する。
上記除去工程の除去を除去液を用いて行うことが好ましい。
上記除去液としては、アルコール系溶媒及びアルカリ水溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
当該パターン形成方法は、
相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程(以下、「自己組織化膜形成工程」ともいう)、及び
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程(以下、「除去工程」ともいう)
を備える。上記自己組織化膜を当該パターン形成用自己組織化組成物により形成する。
上記除去工程の除去を除去液を用いて行うことが好ましい。
上記除去液としては、アルコール系溶媒及びアルカリ水溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記自己組織化膜形成工程前に、
基板上に下層膜を形成する工程(以下、「下層膜形成工程」ともいう)、及び
上記下層膜上にプレパターンを形成する工程(以下、「プレパターン形成工程」ともいう)
をさらに有し、
上記自己組織化膜形成工程において、自己組織化膜を上記プレパターンによって区切られた上記下層膜上の領域に形成することが好ましい。
基板上に下層膜を形成する工程(以下、「下層膜形成工程」ともいう)、及び
上記下層膜上にプレパターンを形成する工程(以下、「プレパターン形成工程」ともいう)
をさらに有し、
上記自己組織化膜形成工程において、自己組織化膜を上記プレパターンによって区切られた上記下層膜上の領域に形成することが好ましい。
得られるパターンとしては、ラインアンドスペースパターン、ホールパターンが好ましい。
以下、各工程について詳述する。なお、各工程については、図1〜5を参照しながら説明する。
[下層膜形成工程]
本工程は、下層膜形成用組成物を用いて、基板上に下層膜を形成する工程である。これにより、図1に示すように、基板101上に下層膜102が形成された下層膜付き基板を得ることができ、自己組織化膜はこの下層膜102上に形成される。上記自己組織化膜が有する相分離構造(ミクロドメイン構造)は、パターン形成用自己組織化組成物が含有する[A]重合体及び[B]重合体等の重合体間の相互作用に加えて、下層膜102との相互作用によっても変化するため、下層膜102を有することで構造制御が可能となり、より所望のパターンを得ることができる。さらに、自己組織化膜が薄膜である場合には、下層膜102を有することでその転写プロセスを改善することができる。
本工程は、下層膜形成用組成物を用いて、基板上に下層膜を形成する工程である。これにより、図1に示すように、基板101上に下層膜102が形成された下層膜付き基板を得ることができ、自己組織化膜はこの下層膜102上に形成される。上記自己組織化膜が有する相分離構造(ミクロドメイン構造)は、パターン形成用自己組織化組成物が含有する[A]重合体及び[B]重合体等の重合体間の相互作用に加えて、下層膜102との相互作用によっても変化するため、下層膜102を有することで構造制御が可能となり、より所望のパターンを得ることができる。さらに、自己組織化膜が薄膜である場合には、下層膜102を有することでその転写プロセスを改善することができる。
上記基板101としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。
また、上記下層膜形成用組成物としては、例えばARC66(ブルワーサイエンス社)、NFC HM8005(JSR社)、NFC CT08(JSR社)等の商品名で市販されている材料等を用いることができる。
上記下層膜102の形成方法は特に限定されないが、例えば、基板101上にスピンコート法等の公知の方法により塗布して形成された塗膜を、露光及び/又は加熱することにより硬化して形成することができる。この露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。
また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90℃〜550℃であることが好ましく、90℃〜450℃がより好ましく、90℃〜300℃がさらに好ましい。なお、上記下層膜102の膜厚は特に限定されないが、50nm〜20,000nmが好ましく、70nm〜1,000nmがより好ましい。また、上記下層膜102は、SOC(Spin on carbon)膜を含むこともできる。
また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90℃〜550℃であることが好ましく、90℃〜450℃がより好ましく、90℃〜300℃がさらに好ましい。なお、上記下層膜102の膜厚は特に限定されないが、50nm〜20,000nmが好ましく、70nm〜1,000nmがより好ましい。また、上記下層膜102は、SOC(Spin on carbon)膜を含むこともできる。
[プレパターン形成工程]
本工程は、図2に示すように、上記下層膜102上に、プレパターン形成用の組成物を用いてプレパターン103を形成する工程である。上記プレパターン103によってパターン形成用自己組織化組成物の相分離が制御され、所望の微細パターンを形成することができる。即ち、パターン形成用自己組織化組成物が含有する重合体のうち、プレパターンの側面と親和性が高い重合体はプレパターンに沿って相を形成し、親和性の低い重合体はプレパターンから離れた位置に相を形成する。これにより所望のパターンを形成することができる。また、プレパターンの材質、長さ、厚さ、形状等により、パターン形成用自己組織化組成物が形成する相分離構造を細かく制御することができる。なお、プレパターンとしては、最終的に形成したいパターンに合わせて適宜選択することができ、例えばラインアンドスペースパターン、ホールパターン、ピラーパターン等を用いることができる。
本工程は、図2に示すように、上記下層膜102上に、プレパターン形成用の組成物を用いてプレパターン103を形成する工程である。上記プレパターン103によってパターン形成用自己組織化組成物の相分離が制御され、所望の微細パターンを形成することができる。即ち、パターン形成用自己組織化組成物が含有する重合体のうち、プレパターンの側面と親和性が高い重合体はプレパターンに沿って相を形成し、親和性の低い重合体はプレパターンから離れた位置に相を形成する。これにより所望のパターンを形成することができる。また、プレパターンの材質、長さ、厚さ、形状等により、パターン形成用自己組織化組成物が形成する相分離構造を細かく制御することができる。なお、プレパターンとしては、最終的に形成したいパターンに合わせて適宜選択することができ、例えばラインアンドスペースパターン、ホールパターン、ピラーパターン等を用いることができる。
上記プレパターン103の形成方法としては、公知のレジストパターン形成方法と同様の方法を用いることができる。また、上記プレパターン形成用の組成物としては、従来のレジスト膜形成用組成物を用いることができる。具体的なプレパターン103の形成方法としては、例えば、ARX2928JN(JSR社)等の化学増幅型レジスト組成物を用い、上記下層膜102上に塗布してレジスト膜を形成する。次に、上記レジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスクを介して放射線を照射し、液浸露光を行う。上記放射線としては、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。これらのうち、ArFエキシマレーザーやKrFエキシマレーザーに代表される遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザーがより好ましい。次いでポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液等の現像液を用いて現像を行い、所望のプレパターン103を形成することができる。
なお、上記プレパターン103の表面を疎水化処理又は親水化処理してもよい。具体的な処理方法としては、水素プラズマに一定時間さらす水素化処理等が挙げられる。上記プレパターン103の表面の疎水性又は親水性を増長させることにより、パターン形成用自己組織化組成物の自己組織化を促進することができる。
[自己組織化膜形成工程]
本工程は、パターン形成用自己組織化組成物で、基板上に相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程である。上記下層膜及びプレパターンを用いない場合には、基板上に直接当該パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。また、上記下層膜及びプレパターンを用いる場合には、プレパターンによって区切られた下層膜上の領域に、当該パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。自己組織化膜の相分離構造を精密に制御できるという観点から、上記下層膜及びプレパターンを用いる方法が好ましい。
本工程は、パターン形成用自己組織化組成物で、基板上に相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程である。上記下層膜及びプレパターンを用いない場合には、基板上に直接当該パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。また、上記下層膜及びプレパターンを用いる場合には、プレパターンによって区切られた下層膜上の領域に、当該パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。自己組織化膜の相分離構造を精密に制御できるという観点から、上記下層膜及びプレパターンを用いる方法が好ましい。
上記自己組織化膜105の形成は、Walheimらの報告に記載の原理に従ったものである(Macromolecules、vol.30、pp.4995−5003、1997)。即ち、互いに不相溶な2種以上のポリマーを含有する溶液を基板上に塗布し、アニーリング等を行うことで、同じ性質を有するポリマー同士が集積して秩序パターンを自発的に形成する、いわゆる自己組織化を促進させることができる。これにより基板101上に相分離構造が形成される。この相分離構造は、プレパターンに沿って形成されることが好ましく、相分離により形成される界面は、プレパターンの側面と略平行であることがより好ましい。例えば、ラインパターンであるプレパターン103と[B]重合体との親和性が高い場合には、[B]重合体の相がプレパターン103に沿って形成され(105b)、[B]重合体と不相溶な[A]重合体の相はプレパターンの側面から最も離れた部分、即ちプレパターンで区切られた領域の中央部分に形成され(105a)、ラメラ状(板状)の相が交互に配置されたラメラ状相分離構造を形成する。なお、プレパターンがホールパターンである場合には、プレパターンのホール側面に沿って[B]重合体の相が形成され、ホールの中央部分に[B]重合体と不相溶な[A]重合体の相が形成される。また、プレパターンがピラーパターンである場合には、プレパターンのピラーの側面に沿って[B]重合体の相が形成され、それぞれのピラーから離れた部分に[A]重合体の相が形成される。このプレパターンのピラー間の距離、当該パターン形成用自己組織化組成物の各重合体の配合比率を適宜調節することにより、所望の相分離構造を形成することができる。なお、本工程において形成される相分離構造は、複数の相からなるものであり、これらの相から形成される界面は通常略垂直であるが、界面自体は必ずしも明確でなくてよい。このように、各重合体の配合割合、プレパターン、下層膜等により、得られる相分離構造を精密に制御し、所望の微細パターンを得ることができる。本工程において当該パターン形成用自己組織化組成物を用いることで、相分離が起こり易くなるため、より微細な相分離構造(ミクロドメイン構造)を形成することができる。
当該パターン形成用自己組織化組成物を基板上に塗布して塗膜104を形成する方法は特に制限されないが、例えば使用される当該パターン形成用自己組織化組成物をスピンコート法等によって塗布する方法等が挙げられる。これにより、当該パターン形成用自己組織化組成物は、上記基板101上、又は上記下層膜102上の上記プレパターン103間に塗布され、塗膜が形成される。
アニーリングの方法としては、例えばオーブン、ホットプレート等により80℃〜400℃、好ましくは、80℃〜200℃の温度で加熱する方法等が挙げられる。アニーリングの時間としては、通常10秒〜30分であり、30秒〜10分が好ましい。これにより得られる自己組織化膜105の膜厚としては、0.1nm〜500nmが好ましく、0.5nm〜100nmがより好ましく、1nm〜50nmがさらに好ましい。
[除去工程]
本工程は、図4及び図5に示すように、上記自己組織化膜105が有する相分離構造のうちの[A]重合体からなる相105aを除去する工程である。この場合、プレパターン103を共に除去してもよい。自己組織化により相分離した各相のエッチングレートの差を用いて、[A]重合体からなる相105a及び/又はプレパターン103をエッチング処理により除去することができる。相分離構造のうちの[A]重合体からなる相105a及びプレパターン103を除去した後の状態を図5に示す。これにより、プレパターン間の幅(ラインアンドスペースパターンにおいてはスペース幅、ホールパターンにおいてはホールの直径)が、シュリンクした微細パターンが得られる。
本工程は、図4及び図5に示すように、上記自己組織化膜105が有する相分離構造のうちの[A]重合体からなる相105aを除去する工程である。この場合、プレパターン103を共に除去してもよい。自己組織化により相分離した各相のエッチングレートの差を用いて、[A]重合体からなる相105a及び/又はプレパターン103をエッチング処理により除去することができる。相分離構造のうちの[A]重合体からなる相105a及びプレパターン103を除去した後の状態を図5に示す。これにより、プレパターン間の幅(ラインアンドスペースパターンにおいてはスペース幅、ホールパターンにおいてはホールの直径)が、シュリンクした微細パターンが得られる。
上記自己組織化膜105が有する相分離構造のうちの[A]重合体からなる相105a又はプレパターン103の除去の方法としては、例えばケミカルドライエッチング等の反応性イオンエッチング(RIE)、除去液を用いて行う方法(ケミカルウェットエッチング)等の化学的エッチング;スパッタエッチング、イオンビームエッチング等の物理的エッチング等の公知の方法が挙げられる。
これらの中で、除去液により除去を行うことが簡便であり好ましい。
上記除去液としては、有機溶媒;フッ酸等の酸水溶液、アルカリ水溶液の水系溶媒等を用いることができる。上記有機溶媒としては、上述の当該パターン形成用自己組織化組成物における溶媒として例示した種々の溶媒等が挙げられる。
上記除去液としては、有機溶媒;フッ酸等の酸水溶液、アルカリ水溶液の水系溶媒等を用いることができる。上記有機溶媒としては、上述の当該パターン形成用自己組織化組成物における溶媒として例示した種々の溶媒等が挙げられる。
本発明のパターン形成用自己組織化組成物を用いることにより、上記除去液として、アルコール系溶媒、アルカリ水溶液等を用いることができる。これらの親水性又は水系の溶媒を除去液として用いることで、作業環境の向上や地球環境保全を図ることができる。
上記アルコール系溶媒としては、モノアルコール系溶媒が好ましく、炭素数4〜8のモノアルコール系溶媒がより好ましく、メチルイソブチルカービノール(MIBC)がさらに好ましい。
上記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解した水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
上記アルコール系溶媒としては、モノアルコール系溶媒が好ましく、炭素数4〜8のモノアルコール系溶媒がより好ましく、メチルイソブチルカービノール(MIBC)がさらに好ましい。
上記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解した水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
[パターン形成工程]
本工程は、上記除去工程後、残存した相分離膜の一部のブロック相である[B]重合体からなる相105bからなるパターンをマスクとして、下層膜及び基板をエッチングすることによりパターニングする工程である。基板へのパターニングが完了した後、マスクとして使用された相は溶解処理等により基板上から除去され、最終的にパターニングされた基板(パターン)を得ることができる。上記エッチングの方法としては、上記除去工程において例示したものと同様の方法を用いることができ、エッチングガス及びエッチング溶液は、下層膜及び基板の材質により適宜選択することができる。例えば、基板がシリコン素材である場合には、フロン系ガスとSF4の混合ガス等を用いることができる。また、基板が金属膜である場合には、BCl3とCl2の混合ガス等を用いることができる。なお、当該パターン形成方法により得られるパターンは半導体素子等に好適に用いられ、さらに上記半導体素子はLED、太陽電池等に広く用いられる。
本工程は、上記除去工程後、残存した相分離膜の一部のブロック相である[B]重合体からなる相105bからなるパターンをマスクとして、下層膜及び基板をエッチングすることによりパターニングする工程である。基板へのパターニングが完了した後、マスクとして使用された相は溶解処理等により基板上から除去され、最終的にパターニングされた基板(パターン)を得ることができる。上記エッチングの方法としては、上記除去工程において例示したものと同様の方法を用いることができ、エッチングガス及びエッチング溶液は、下層膜及び基板の材質により適宜選択することができる。例えば、基板がシリコン素材である場合には、フロン系ガスとSF4の混合ガス等を用いることができる。また、基板が金属膜である場合には、BCl3とCl2の混合ガス等を用いることができる。なお、当該パターン形成方法により得られるパターンは半導体素子等に好適に用いられ、さらに上記半導体素子はLED、太陽電池等に広く用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定方法を下記に示す。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
重合体のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、以下の条件により測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
重合体のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、以下の条件により測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[13C−NMR分析]:
13C−NMR分析は、日本電子社のJNM−EX400を使用し、測定溶媒としてDMSO−d6を使用して行った。重合体における各構造単位の含有割合は、13C−NMRで得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比から算出した。
13C−NMR分析は、日本電子社のJNM−EX400を使用し、測定溶媒としてDMSO−d6を使用して行った。重合体における各構造単位の含有割合は、13C−NMRで得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比から算出した。
[溶解速度]
重合体の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、以下の方法により求めた。
重合体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて0.6質量%の溶液を調製し、この溶液を12インチシリコンウェハ上に、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」を使用してスピンコートした後、120℃で1分間ベークして膜厚18nmの樹脂膜を形成した。KLA−Tencor社の分光エリプソメーター「UV1280SE」を用いて膜厚を測定し、その後2.38質量%TMAH水溶液に23℃で10分間曝露し、水洗し、23℃で10分間乾燥した後に再度膜厚測定を行った。これらの膜厚の測定値から、(TMAH水溶液曝露前後の膜厚差)/(曝露時間)により溶解速度を算出した。
重合体の23℃における2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度は、以下の方法により求めた。
重合体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて0.6質量%の溶液を調製し、この溶液を12インチシリコンウェハ上に、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」を使用してスピンコートした後、120℃で1分間ベークして膜厚18nmの樹脂膜を形成した。KLA−Tencor社の分光エリプソメーター「UV1280SE」を用いて膜厚を測定し、その後2.38質量%TMAH水溶液に23℃で10分間曝露し、水洗し、23℃で10分間乾燥した後に再度膜厚測定を行った。これらの膜厚の測定値から、(TMAH水溶液曝露前後の膜厚差)/(曝露時間)により溶解速度を算出した。
<[A]重合体及び[B]重合体の合成>
[A]重合体及び[B]重合体の合成に用いた単量体について以下に示す。
[A]重合体及び[B]重合体の合成に用いた単量体について以下に示す。
[[A]重合体の合成]
[合成例1]
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8mol/L)を4.40mL注入し、蒸留脱水処理を行ったアセトキシスチレン(M−1)44g及びスチレン(M−2)12gを30分かけて滴下注入した。滴下終了後60分間熟成させた後、末端処理剤として1,2−ブチレンオキシド1gを注入し反応させた。重合反応溶液を室温まで昇温し、濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を加えた。その後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入して撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、リチウム塩を除去した後、超純水1,000gを注入して撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、重合体を析出させた。次いで、得られた重合体にプロピレングリコールモノメチルエーテル200gを加えた後、さらにメタノール50g、トリエチルアミン30g及び水50gを加えて、沸点にて還流させながら、12時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン500gに溶解した後、3,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(A−1)10.5gを得た。重合体(A−1)のMwは3,500、Mw/Mnは1.2であった。
[合成例1]
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8mol/L)を4.40mL注入し、蒸留脱水処理を行ったアセトキシスチレン(M−1)44g及びスチレン(M−2)12gを30分かけて滴下注入した。滴下終了後60分間熟成させた後、末端処理剤として1,2−ブチレンオキシド1gを注入し反応させた。重合反応溶液を室温まで昇温し、濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を加えた。その後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入して撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、リチウム塩を除去した後、超純水1,000gを注入して撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、重合体を析出させた。次いで、得られた重合体にプロピレングリコールモノメチルエーテル200gを加えた後、さらにメタノール50g、トリエチルアミン30g及び水50gを加えて、沸点にて還流させながら、12時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン500gに溶解した後、3,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(A−1)10.5gを得た。重合体(A−1)のMwは3,500、Mw/Mnは1.2であった。
[合成例2〜7]
用いる単量体の種類及び使用量、並びにsec−ブチルリチウム溶液の使用量を表1に記載の通りとした以外は合成例1と同様の方法により重合体(A−2)〜(A−5)並びに(a−1)及び(a−2)を合成した。各重合体のMw及びMw/Mnを表1に合わせて示す。
用いる単量体の種類及び使用量、並びにsec−ブチルリチウム溶液の使用量を表1に記載の通りとした以外は合成例1と同様の方法により重合体(A−2)〜(A−5)並びに(a−1)及び(a−2)を合成した。各重合体のMw及びMw/Mnを表1に合わせて示す。
[[B]重合体の合成]
[合成例8]
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8mol/L)を4.40mL注入し、蒸留脱水処理を行ったメタクリル酸メチル(M−5)39gを30分かけて滴下注入した。滴下終了後60分間熟成させた後、末端処理剤として1,2−ブチレンオキシド1gを注入し反応させた。反応溶液を室温まで昇温し、濃縮して、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)で置換した。その後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、リチウム塩を除去した後、超純水1,000gを注入して撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、重合体を析出させた。減圧濾過した重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(B−1)10.5gを得た。
重合体(B−1)のMwは5,000、Mw/Mnは1.2であった。
[合成例8]
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8mol/L)を4.40mL注入し、蒸留脱水処理を行ったメタクリル酸メチル(M−5)39gを30分かけて滴下注入した。滴下終了後60分間熟成させた後、末端処理剤として1,2−ブチレンオキシド1gを注入し反応させた。反応溶液を室温まで昇温し、濃縮して、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)で置換した。その後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、リチウム塩を除去した後、超純水1,000gを注入して撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、重合体を析出させた。減圧濾過した重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色の重合体(B−1)10.5gを得た。
重合体(B−1)のMwは5,000、Mw/Mnは1.2であった。
[合成例9及び10]
用いる単量体の種類及びsec−ブチルリチウム溶液の使用量を表2に記載の通りとした以外は合成例8と同様の方法により重合体(B−2)及び(B−3)を合成した。各重合体のMw及びMw/Mnを表2に合わせて示す。
用いる単量体の種類及びsec−ブチルリチウム溶液の使用量を表2に記載の通りとした以外は合成例8と同様の方法により重合体(B−2)及び(B−3)を合成した。各重合体のMw及びMw/Mnを表2に合わせて示す。
<パターン形成用自己組織化組成物の調製>
[実施例1]
重合体(A−1)及び重合体(B−1)を質量比1:1で混合し、それぞれの濃度が1質量%となるPGMEA溶液を調製した。この溶液を孔径200nmのメンブレンフィルターで濾過してパターン形成用自己組織化組成物(J−1)を調製した。
[実施例1]
重合体(A−1)及び重合体(B−1)を質量比1:1で混合し、それぞれの濃度が1質量%となるPGMEA溶液を調製した。この溶液を孔径200nmのメンブレンフィルターで濾過してパターン形成用自己組織化組成物(J−1)を調製した。
[実施例2〜15及び比較例1〜6]
使用した重合体の種類を表3に示した通りとした以外は、実施例1と同様に操作して、パターン形成用自己組織化組成物(J−2)〜(J−15)及び(CJ−1)〜(CJ−6)を調製した。
使用した重合体の種類を表3に示した通りとした以外は、実施例1と同様に操作して、パターン形成用自己組織化組成物(J−2)〜(J−15)及び(CJ−1)〜(CJ−6)を調製した。
<パターンの形成>
[実施例16〜33及び比較例7〜15]
12インチシリコンウェハ上に、下層膜(ブルワー・サイエンス社の「ARC66」)を、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」を使用してスピンコートした後、205℃ベークして膜厚77nmの下層膜を形成した。形成した下層膜上に、ARX2928JN(JSR社)をスピンコートした後、PB(120℃、60秒)することにより膜厚60nmのレジスト膜を形成した。ArF液浸露光装置(ニコン社の「NSR S610C」)を使用し、NA;1.30、CrossPole、σ=0.977/0.78の光学条件にて、マスクパターンを介して露光した。その後、115℃で60秒間PEBを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥することにより、プレパターン(60nmホール/120nmピッチ)を形成した。続いて、このプレパターンに254nmの紫外光を150mJ/cm2照射後、170℃で5分間ベークすることにより、下層膜及びプレパターンが形成された基板を得た。
次に、上記調製した実施例及び比較例のパターン形成用自己組織化組成物を上記下層膜及びプレパターンが形成された基板上に塗膜の厚さが15nmになるように塗布し、120℃で1分間加熱して相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。その後、表4に示す除去液に1分間浸漬させて、[A]重合体部分を除去し、ホールパターンを形成した。表4における除去液の「MIBC」は、メチルイソブチルカービノールを、「2.38質量%TMAH」は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液をそれぞれ示す。
[実施例16〜33及び比較例7〜15]
12インチシリコンウェハ上に、下層膜(ブルワー・サイエンス社の「ARC66」)を、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」を使用してスピンコートした後、205℃ベークして膜厚77nmの下層膜を形成した。形成した下層膜上に、ARX2928JN(JSR社)をスピンコートした後、PB(120℃、60秒)することにより膜厚60nmのレジスト膜を形成した。ArF液浸露光装置(ニコン社の「NSR S610C」)を使用し、NA;1.30、CrossPole、σ=0.977/0.78の光学条件にて、マスクパターンを介して露光した。その後、115℃で60秒間PEBを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥することにより、プレパターン(60nmホール/120nmピッチ)を形成した。続いて、このプレパターンに254nmの紫外光を150mJ/cm2照射後、170℃で5分間ベークすることにより、下層膜及びプレパターンが形成された基板を得た。
次に、上記調製した実施例及び比較例のパターン形成用自己組織化組成物を上記下層膜及びプレパターンが形成された基板上に塗膜の厚さが15nmになるように塗布し、120℃で1分間加熱して相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。その後、表4に示す除去液に1分間浸漬させて、[A]重合体部分を除去し、ホールパターンを形成した。表4における除去液の「MIBC」は、メチルイソブチルカービノールを、「2.38質量%TMAH」は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液をそれぞれ示す。
<評価>
上記のように形成したパターンについて、測長SEM(日立ハイテクノロジーズ社の「S9380」)を用いて観察し、プレパターンのホールの直径(nm)から得られたパターンのホールの直径(nm)を減じた値を求め、この値をシュリンク量(nm)とし、結果を表4に合わせて示した。シュリンク量(nm)が10nm以上である場合は「良好」と、10nm未満の場合は「不良」と判断できる。表4の「−」は、測定不可であったことを示す。
上記のように形成したパターンについて、測長SEM(日立ハイテクノロジーズ社の「S9380」)を用いて観察し、プレパターンのホールの直径(nm)から得られたパターンのホールの直径(nm)を減じた値を求め、この値をシュリンク量(nm)とし、結果を表4に合わせて示した。シュリンク量(nm)が10nm以上である場合は「良好」と、10nm未満の場合は「不良」と判断できる。表4の「−」は、測定不可であったことを示す。
表4に示されるように、実施例のパターン形成用自己組織化組成物を用いた場合は、パターンのホール径をより小さくすることができ、十分微細なミクロドメイン構造が得られることがわかる。
本発明のパターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法によれば、アルコール系溶媒又はアルカリ水溶液を用いて現像することができ、かつ十分に微細なパターンを形成することができる。従って、当該パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法は、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス製造におけるリソグラフィー工程に好適に用いることができる。
101.基板
102.下層膜
103.プレパターン
104.塗膜
105.自己組織化膜
105a.[A]重合体からなる相
105b.[B]重合体からなる相
102.下層膜
103.プレパターン
104.塗膜
105.自己組織化膜
105a.[A]重合体からなる相
105b.[B]重合体からなる相
Claims (11)
- 酸性基を含む構造単位を有する第1重合体、及び
上記第1重合体以外の第2重合体
を含有するパターン形成用自己組織化組成物であって、
上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記構造単位の含有割合が10モル%以上であり、
上記第1重合体の23℃における2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が10nm/分以上であることを特徴とするパターン形成用自己組織化組成物。 - 上記酸性基が、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホンアミド基及びスルホ基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
- 上記第1重合体が、スチレンに由来する構造単位をさらに有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
- 上記第2重合体が、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びポリ(メタ)アクリル酸アリールエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
- 上記第1重合体の上記第2重合体に対する質量比が、10/90以上90/10以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
- 相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程、及び
上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程
を備え、
上記自己組織化膜を請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成用自己組織化組成物により形成するパターン形成方法。 - 上記除去工程における除去を除去液を用いて行う請求項7に記載のパターン形成方法。
- 上記除去液が、アルコール系溶媒及びアルカリ水溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載のパターン形成方法。
- 上記自己組織化膜形成工程前に、
基板上に下層膜を形成する工程、及び
上記下層膜上にプレパターンを形成する工程
をさらに有し、
上記自己組織化膜形成工程において、自己組織化膜を上記プレパターンによって区切られた上記下層膜上の領域に形成する請求項7、請求項8又は請求項9に記載のパターン形成方法。 - 得られるパターンがラインアンドスペースパターン又はホールパターンである請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014016231A JP2015139875A (ja) | 2014-01-30 | 2014-01-30 | パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法 |
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JP2015139875A true JP2015139875A (ja) | 2015-08-03 |
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JP (1) | JP2015139875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022102304A1 (ja) * | 2020-11-10 | 2022-05-19 | Jsr株式会社 | 下層膜形成用組成物、下層膜、及び、リソグラフィープロセス |
-
2014
- 2014-01-30 JP JP2014016231A patent/JP2015139875A/ja active Pending
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WO2022102304A1 (ja) * | 2020-11-10 | 2022-05-19 | Jsr株式会社 | 下層膜形成用組成物、下層膜、及び、リソグラフィープロセス |
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