JP2015139233A - 回転子および永久磁石電動機 - Google Patents

回転子および永久磁石電動機 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる技術を提供する。【解決手段】回転子コア100には、軸方向に直角な断面で見て、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と周方向に沿って曲線状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔111が形成されている。磁石挿入孔111には、第1の永久磁石121と第2の永久磁石122が挿入されている。周方向に隣接する磁石挿入孔111のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔111の第2の部分の第2の側壁111gおよび他方方向側に配置される磁石挿入孔111の第2の部分の第1の側壁111fによって、内周ブリッジ部106が形成されている。第1の永久磁石121および第2の永久磁石122として、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が0.8と0.85の範囲内であるフェライト磁石が用いられている。【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石が設けられている回転子および永久磁石が設けられている回転子を備える永久磁石電動機に関し、特に、永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる技術に関する。
永久磁石電動機の回転子に設ける永久磁石として、残留磁束密度が高い、ネオジウム磁石等の希土類磁石が用いられている。しかしながら、希土類磁石は、高価である。このため、希土類磁石より安価であるフェライト磁石等の使用が要望されている。
フェライト磁石を用いた回転子を備える永久磁石電動機として、例えば、特許文献1に開示されている永久磁石電動機が知られている。特許文献1に開示されている永久磁石電動機は、図17に示されている回転子コア1000を有する回転子を用いている。なお、図17は、回転子コア1000を軸方向に直角な方向から見た断面図である。図17に示されている回転子コア1000は、回転子コア1000の回転中心Oからq軸に沿って直線状に延びている磁石挿入孔1011が、周方向に沿って複数形成されている。磁石挿入孔1011には、直線状に延びている永久磁石1021が挿入されている。永久磁石1021としてフェライト磁石が用いられている。磁石挿入孔1011および永久磁石1021は、断面が四角形状を有している。
特開2010−4722号公報
フェライト磁石は、希土類磁石に比べて残留磁束密度が低い。ここで、永久磁石から発生する磁束量は、永久磁石の残留磁束密度に依存する。また、永久磁石から発生する磁束量が減少すると、固定子巻線に流す電流(固定子電流)を増加させる必要があり、永久磁石電動機の効率が低下する。このため、希土類磁石に代えてフェライト磁石を用いる場合には、残留磁束密度ができるだけ高いフェライト磁石を用いることになる。
一方、残留磁束密度が高いフェライト磁石は、保持力が低いため、減磁し易い。したがって、残留磁束密度が高いフェライト磁石を用いる場合には、保持力を高めるために、フェライト磁石の厚さ(N極表面とS極表面の間の間隔)を厚くする必要がある。
しかしながら、回転子コアの大きさ(直径)を変えないで、フェライト磁石の厚さを厚くすると、磁石表面積(N極およびS極の磁極表面積)が小さくなり、磁束量が減少することになる。
このため、フェライト磁石を用いて、希土類磁石を用いた場合と同程度の効率を達成するのは難しいと思われていた。
本発明者らは、フェライト磁石の角形性(J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比)に着目し、フェライト磁石を用いた永久磁石電動機の効率がフェライト磁石の角形性に影響することを見出した。
したがって、本発明は、永久磁石としてフェライト磁石を用いた永久磁石電動機の効率を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下のように構成することができる。なお、以下では、「平行」という記載は、「略平行」を含むものとして用いている。
一つの発明は、回転子に関する。
本発明の回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している。回転子コアは、典型的には、電磁鋼板を積層することによって形成される。複数の永久磁石によって、d軸(主磁束の方向)とq軸(d軸に対して電気的に直角な方向)が規定される。永久磁石は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように着磁される。
本発明では、永久磁石として、J−H減磁曲線(J:磁化、H:磁場)における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いている。
なお、比[Hk/Hcj]は、「角形性」とも呼ばれている。J−H減磁曲線は、J−H曲線における第2象限の曲線である。残留磁束密度Brは、J−H減磁曲線における磁場(外部磁場)Hが0の時の磁化(残留磁化Jr)に等しい。保持力Hcjは、J−H減磁曲線における磁化Jが0の時の磁場に等しい。
本発明では、永久磁石として、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いていることにより、保持力の低下を抑制しながら残留磁束密度を高めることができ、結果として永久磁石電動機の効率を向上させることができる。
一つの発明の異なる形態では、磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、第1の部分と、第1の部分より内周側に配置されている第2の部分を有している。第1の部分は、q軸に沿って直線状に延びており、周方向に沿って一方方向側(例えば、時計回り方向側)および他方方向側(例えば、反時計回り方向側)に配置される第1の側壁および第2の側壁を有している。第2の部分は、周方向に沿って外周側に突出する曲線状に延びており、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置される第3の側壁および第4の側壁を有している。
また、永久磁石は、磁石挿入孔の第1の部分に挿入され、直線状に延びている第1の磁石部分と、磁石挿入孔の第2の部分に挿入され、曲線状に延びている第2の磁石部分を有している。永久磁石の第1の磁石部分と第2の磁石部分は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように着磁される。
磁石挿入孔の第2の部分および永久磁石の第2の磁石部分は、好適には、円弧状に延びている。
そして、周方向に隣接する磁石挿入孔のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔の第2の部分の第4の側壁および他方方向側に配置される磁石挿入孔の第2の部分の第3の側壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入される永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成している。第3の側壁と第4の側壁により形成される内周ブリッジ部の幅(周方向に沿った長さ)および長さ(径方向に沿った長さ)は、周方向に隣接する磁石挿入子の間の部分を介して磁束が短絡されるのを抑制することができる値に設定される。
本形態では、磁石挿入孔が、q軸に沿って延びている第1の部分と、第1の部分より内周側に設けられ周方向に沿って延びている第2の部分により構成されるため、磁石表面積を大きくすることができる。これにより、磁束量をより高めることができる。また、周方向に隣接する磁石挿入孔の間に、磁束の短絡を抑制することができる幅と長さを有する内周ブリッジ部が形成されているため、周方向に隣接する磁石挿入孔の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。また、内周ブリッジ部を形成する第3の側壁および第4の側壁がd軸(径方向)に平行に延びているため、遠心力に対する強度を高めることができる。
一つの発明の他の異なる形態では、永久磁石の第1の磁石部分および第2の磁石部分が、それぞれ別体に形成されている。
本形態では、第1の磁石部分と第2の磁石部分を別々に形成することができるため、永久磁石を容易に形成することができる。
一つの発明の他の異なる形態では、磁石挿入孔の第1の部分の第1の側壁および第2の側壁は、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置されているとともに、q軸に平行に延びている。また、磁石挿入孔の第2の部分の第3の側壁および第4の側壁は、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置されている。好適には、磁石挿入孔の第1の部分は、第1の側壁および第2の側壁の外周側に接続された外周壁を有している。また、磁石挿入孔の第2の部分は、第1の側壁と第3の側壁に接続された第1の中間壁、第2の側壁と第4の側壁に接続された第2の中間壁、第3の側壁および第4の側壁の内周側に接続された内周壁を有する。
本形態では、磁石挿入孔を容易に形成することができる。
永久磁石の第1の磁石部分と第2の磁石部分の着磁方向(磁化方向)は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように設定される。
一つの発明の他の異なる形態では、永久磁石の第1の磁石部分および第2の磁石部分は、周方向に沿って磁化されている。
本形態では、第1の磁石部分と第2の磁石部分を同時に着磁することができる。特に、永久磁石を組み込んだ状態で着磁(組み込み着磁)を行うことができる。
一つの発明の他の異なる形態では、永久磁石の第1の磁石部分は、周方向に沿って磁化され、第2の磁石部分は、径方向に沿って磁化されている。
本形態では、永久磁石の磁束量をより増大させることができる。
なお、第1の磁石部分や第2の磁石部分の着磁方法は、平行着磁方法を用いることもできるし、ラジアル着磁方法を用いることもできる。
一つの発明の他の異なる形態では、磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に沿って直線状に延びている。磁石挿入孔は、外周壁、第1の側壁、第2の側壁、第1の斜壁、第2の斜壁および内周壁により形成されている。外周壁および内周壁は、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている。外周壁および内周壁は、好適には、直線状に延びているが、曲線状に延びていてもよい。第1の側壁および第2の側壁は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に延びている。第1の斜壁は、第1の側壁と内周壁に接続されている、第2の斜壁は、第2の側壁と内周壁に接続されている。磁石挿入孔は、これ以外の壁を有していてもよい。例えば、角部に形成されたR状(円弧状)の壁面やテーパー状(直線状)の壁面を有していてもよい。
そして、周方向に隣接する磁石挿入孔のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔の第2の斜壁と他方方向側に配置される磁石挿入孔の第1の斜壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入された永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成している。周方向に隣接する磁石挿入孔のうち一方の磁石挿入孔の第1の斜壁と他方の磁石挿入孔の第2の斜壁により形成される内周ブリッジ部の幅(周方向に沿った長さ)および長さ(径方向に沿った長さ)は、周方向に隣接する磁石挿入子の間の部分を介して磁束が短絡されるのを抑制することができる値に設定される。
本形態では、磁石挿入孔がq軸に沿って延びているため、磁石表面積を大きくすることができる。これにより、磁束量をより高めることができる。また、周方向に隣接する二つの磁石挿入孔の間に、磁束の短絡を抑制することができる幅と長さを有する内周ブリッジ部が形成されているため、周方向に隣接する磁石挿入孔の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。また、内周ブリッジ部を形成する第1の斜壁および第2の斜壁が、d軸(径方向)に平行に延びているため、遠心力に対する強度を高めることができる。
一つの発明の他の異なる形態では、磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って、内周側に突出する曲線状に延びている。磁石挿入孔は、外周壁、内周壁、第1の端壁および第2の端壁により形成されている。外周壁および内周壁は、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、d軸に交差するとともに内周側に突出する曲線状に延びている。外周壁および内周壁は、好適には、周方向に沿って円弧状に延びている。第1の端壁および第2の端壁は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、周方向に沿って延びている、第1の端壁および第2の端壁は、好適には、直線状に延びている。
本形態では、リラクタンストルクを利用することができる。
一つの発明の他の異なる形態では、回転子の外周面は、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分と、q軸と交差する第2の曲線部分が交互に接続されて形成されている。第1の曲線部分は、d軸上に曲率中心を有する円弧形状に形成され、第2の曲線部分は、q軸上に曲率中心を有し、第1の曲線部分の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧形状に形成されている。好適には、第2の曲線部分の曲率中心は、q軸に沿って、回転子コアの回転中心より第2の曲線部分と離れる方向の位置に設定される。磁石挿入孔と回転子コアの外周面(第2の曲線部分)との間の部分は、磁束の短絡を抑制する外周ブリッジ部として作用する。
本形態では、回転子コアの外周面(第2の曲線部分)と磁石挿入孔の間の部分の間隔が、周方向に沿って略等しくなる。これにより、機械強度の低下を防止しながら外周ブリッジ部の幅(径方向に沿った長さ)を小さくすることができ、磁石挿入孔と回転子コアの外周面の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
他の発明は、固定子と、固定子に対して回転可能に支持された回転子を備える永久磁石電動機に関する。固定子は、固定子コアと、固定子巻線を有している。回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している。そして、本発明では、回転子として、前述した回転子のいずれかが用いられている。
本発明は、前述した各回転子と同様の効果を有している。
本発明の回転子および永久磁石電動機を用いることにより、永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる。
第1の実施の形態の永久磁石電動機の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図2の部分拡大図である。 第2の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図4の部分拡大図である。 第3の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図6の部分拡大図である。 第4の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図の部分拡大図である。 第5の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図の部分拡大図である。 第6の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図10の部分拡大図である。 第7の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 第8の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 第9の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 永久磁石の角形性を説明する図である。 永久磁石の角形性と残留磁束密度および保持力(減磁電流)との関係を示す図である。 従来の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、「軸方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、回転子の回転中心Oを通る回転中心線の方向を示している。また、「周方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線の方向)に直角な断面でみて、回転中心Oを中心とする円周方向を示している。また、「径方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心Oを通る方向を示している。
また、「d軸」は、軸方向に直角な断面で見て、磁石挿入孔に挿入されている永久磁石によって形成される主磁極(N極、S極)の主磁束が流れる方向(主磁極の周方向中心)を示し、「q軸」は、「d軸」に対して電気的に直角な(電気角で90度の)方向を示している。
また、「平行」という記載は、「略平行」である態様を含むものとして用いている。
また、「周方向に沿って一方方向」および「周方向に沿って他方方向」という記載は、軸方向に直角な断面で見て、「時計回り方向(右回り方向)」および「反時計回り方向(左回り方向)」を示すものとして用いている。勿論、逆に、「反時計回り方向(左回り方向)」および「時計回り方向(右回り方向)」を示すものとして用いることもできる。
本発明の永久磁石電動機の第1の実施の形態が、図1、図2、図3に示されている。なお、図1は、第1の実施の形態の永久磁石電動機10の概略構成を示す図である。また、図2は、永久磁石電動機10で用いられている回転子コア100を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
永久磁石電動機10は、固定子20と、固定子20に対して回転可能に支持されている回転子50により構成されている。
固定子20は、固定子コア30と固定子巻線40により構成されている。固定子コア30は、電磁鋼板を積層して形成されている。固定子コア30は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているヨークと、ヨークから径方向に沿って回転子50の回転中心方向に延びている複数のティースと、周方向に隣接するティースによって形成されるスロットを有している。固定子巻線40は、スロット内に挿入されている。
回転子50は、永久磁石が挿入される磁石挿入孔が形成されている回転子コア100と、回転軸60により構成されている。
回転子コア100は、電磁鋼板を積層することによって形成されている。
磁石挿入孔に挿入される永久磁石によって主磁極(N極、S極)が形成され、主磁極によって主磁束が発生する。
本実施の形態では、磁石挿入孔に挿入される永久磁石として、希土類磁石より残留磁束密度は低いが安価であるフェライト磁石が用いられている。
本実施の形態では、回転子コア100の外周面101は、軸方向に直角な断面でみて、第1の曲線部分101Aと第2の曲線部分101Bが交互に配置されて形成されている。
第1の曲線部分101Aは、d軸と交差し、回転子コア100の外周方向に突出している第1の曲線形状に形成されている。また、第2の曲線部分101Bは、q軸と交差し、回転子コア100の外周方向に突出している第2の曲線形状に形成されている。第1の曲線形状は、d軸上の回転中心Oを曲率中心とする半径R1の円弧形状である。また、第2の曲線形状は、q軸上の、回転中心Oより第2の曲線部分101Bと反対方向に離れた点Pを曲率中心とする半径R2(>R1)の円弧形状である。
回転子コア100には、軸方向に直角な断面で見て、径方向に沿って延びている磁石挿入孔111が、周方向に沿って複数形成されている。
本実施の形態では、磁石挿入孔111は、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、第1の部分より内周側(回転中心O側)に配置され、周方向に沿って、外周側に突出している円弧状に延びている第2の部分を有している。
磁石挿入孔111の第1の部分は、外周壁111a、第1の側壁111bおよび第2の側壁111cにより形成されている。外周壁111aは、径方向に沿って外周側(外周面101側)に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁111bおよび第2の側壁111cは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側(図2、図3では、時計回り方向側)および他方方向側(図2、図3では、反時計回り方向側)に配置され、q軸に平行に延びている。
磁石挿入孔111の第2の部分は、第1の中間壁111d、第2の中間壁111e、第3の側壁111f、第4の側壁111gおよび内周壁111hにより形成されている。第1の中間壁111dは、第1の側壁111bの内周側に接続され、周方向に沿って円弧状に延びている。第2の中間壁111eは、第2の側壁111cの内周側に接続され、周方向に沿って円弧状に延びている。第3の側壁111fは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側に配置されているとともに、当該q軸に対して周方向に沿って一方方向側に隣接するd軸に平行に延びている。第4の側壁111gは、q軸に対して周方向に沿って他方方向側に配置されているとともに、当該q軸に対して周方向に沿って他方方向側に隣接するd軸に平行に延びている。
また、磁石挿入孔111には、第1の永久磁石121と第2の永久磁石122が収容されている。第1の永久磁石121は、磁石挿入孔111の第1の部分に挿入され、q軸に沿って直線状に延びている。第2の永久磁石122は、磁石挿入孔111の第2の部分に挿入され、周方向に沿って、外周側に突出する円弧状に延びている。
第1の永久磁石121が、本発明の「第1の磁石部分」に対応し、第2の永久磁石122が、本発明の「第2の磁石部分」に対応する。
第1の永久磁石121は、軸方向に直角な断面で見て、外周面121a、第1の側面121b、第2の側面121cおよび内周面121dにより形成される四角形状を有している。外周面121aおよび内周面121dは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側面121bおよび第2の側面121cは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に直線状に延びている。第1の永久磁石121の外周面121a、第1の側面121bおよび第2の側面121cは、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111a、第1の側壁111bおよび第2の側壁111cに対向する位置に配置される。
第2の永久磁石122は、軸方向に直角な断面で見て、外周面122a、第1の側面122b、第2の側面122cおよび内周面122dにより形成される四角形状を有している。外周面122aおよび内周面122dは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って、外周側に突出する円弧状に延びている。第1の側面122bおよび第2の側面122dは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、d軸に平行に直線状に延びている。第2の永久磁石122の外周面122a、第1の側面122b、第2の側面121cおよび内周面122dは、磁石挿入孔111の第2の部分の第1の中間壁111d、第2の中間壁111e、第3の側壁111f、第4の側壁111gおよび内周壁111hに対向する位置に配置される。
磁石挿入孔111に挿入される第1の永久磁石121および第2の永久磁石122は、隣接する主磁極が異極となるように着磁(磁化)される。
本実施の形態では、第1の永久磁石121は、周方向に沿って着磁されている。例えば、図3に示されているように、第1の永久磁石121の第1の側面121bと第2の側面121cが異なる極性となるとともに、周方向に隣接する第1の永久磁石121のうち一方方向側に配置される第1の永久磁石121の第2の側面121cと他方方向側に配置される第1の永久磁石121の第1の側面121bが同じ極性となる(周方向に隣接する永久磁石121の互いに対向する側面が同じ極性となる)ように着磁される。
また、第2の永久磁石122も、第1の永久磁石121と同様に、周方向に沿って着磁されている。例えば、第2の永久磁石122の第1の側面122bと第2の側面122cが異なる極性となるとともに、周方向に隣接する第2の永久磁石122のうち一方方向側に配置される第2の永久磁石122の第2の側面122cと他方方向側に配置される第2の永久磁石122の第1の側面122bが同じ極性となるように着磁される。
第1の永久磁石121および第2の永久磁石122を着磁する方法としては、平行に着磁する平行着磁方法あるいは中心点からラジアル方向に着磁するラジアル着磁方法を用いることができる。
本実施の形態では、第1の永久磁石121の着磁方向と第2の永久磁石122の着磁方向が同じであるため、第1の永久磁石121および第2の永久磁石122を磁石挿入孔111に挿入した状態で、固定子巻線あるいは着磁用の専用巻線を用いて着磁する(外部着磁)することができる。
本実施の形態では、磁石挿入孔111と回転子コア100の外周面101との間に外周ブリッジ部105が形成されている。すなわち、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111aと回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)によって外周ブリッジ部105が形成されている。外周ブリッジ部105によって、磁石挿入孔111と回転子コア100の外周面との間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。また、外周ブリッジ部105によって、遠心力に対する回転子コア100の強度を高めることができる。
外周ブリッジ部105は、本発明の「第2のブリッジ部」に対応する。
また、周方向に隣接する2つの磁石挿入孔111の間に内周ブリッジ部106が形成されている。すなわち、周方向に隣接する磁石挿入孔111のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔111の第2の部分の第2の側壁111gと他方方向側に配置される磁石挿入孔111の第2の部分の第1の側壁111fによって内周ブリッジ部106が形成されている。内周ブリッジ部106によって、周方向に隣接する磁石挿入孔111の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。また、内種ブリッジ部106によって、遠心力に対する回転子コア100の強度を高めることができる。
内周ブリッジ部106は、本発明の「第1のブリッジ部」に対応する。
好適には、内周ブリッジ部106の幅(周方向に沿った長さ)Tは、0.35mm〜0.5mmの範囲内に設定され、長さ(径方向に沿った長さ)Lは、1.5mm以上に設定される。
本実施の形態では、永久磁石が径方向(q軸)に沿って延びるように配置されているため、永久磁石の磁石表面積を大きくすることができる。これにより、永久磁石から発生する磁束量を増大させることができる。
特に、永久磁石が、q軸に沿って直線状に延びている第1の永久磁石121(第1の磁石部分)と、第1の永久磁石121より内周側に配置され、周方向に沿って、外周側に突出する円弧状に延びている第2の永久磁石122(第2の磁石部分)を有している。これにより、第1の永久磁石121(第1の磁石部分)のみを用いた場合に比べて磁石表面積を大きくすることができ、磁束量をより増大させることができる。
従来の回転子コア1000では、図17に破線矢印で示すように、磁石収容孔1011と回転子コア1000の内周面1002の間の部分を介して磁束が短絡する。この磁束の短絡を抑制する方法としては、周方向に隣接する磁石挿入孔1011の間の間隔、特に、内周面1002側の間隔Wを小さくすることが考えられる。一方、間隔Wを小さくすると、遠心力に対する回転子コア1000の強度が低下する。このため、間隔Wを小さくするには限界があり、磁束の短絡を十分に抑制することができなかった。
本実施の形態では、周方向に隣接する磁石挿入孔111のうち一方方向側の磁石挿入孔111の第2の部分の第4の側壁111gと他方方向側の磁石挿入孔111の第2の部分の第3の側壁111f(周方向に隣接する磁石挿入孔111のうち一方の磁石挿入孔111の第3の側壁111fと他方の磁石挿入孔111の第4の側壁111g)は、d軸に沿って直線状に延びているとともに、d軸に沿って延びる内周ブリッジ部106を形成している。これにより、遠心力に対する回転子コア100の強度の低下を抑制しながら、周方向に隣接する磁石挿入孔111の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
したがって、永久磁石として、希土類磁石に比べて磁束密度は低いが安価であるフェライト磁石を用いた場合でも、遠心力に対する強度の低下や磁束の短絡を抑制しながら、磁石表面積を大きくすることができ、十分な磁束量を確保することができる。
また、本実施の形態では、回転子コア100の外周面101を形成する第1の曲線部分101Aと第2の曲線部分101Bの接続部(切り替わり部分)101aが固定子のティースと対向する箇所を通過する時に、ティースに流れる磁束量の急激な変化を抑制することができる。これにより、ティースを流れる磁束量の急激な変化によって固定子巻線に誘起される誘起電圧の波形に含まれる高調波成分が増大するのを防止することができ、固定子巻線の誘起電圧に基づいてインバータを正確に制御することができる。
また、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111aと回転子コア100の外周面101の第2の曲線部分101Bとの間の間隔が周方向に沿って略等しくなる。これにより、外周壁111aと第2の曲線部分101Bの間の間隔を小さくすることができ、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111aと回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
次に、永久磁石の角形性について説明する。
永久磁石の磁気特性を表す磁化曲線として、図15に示すような、磁場(外部磁場)Hに対する永久磁石の磁化Jの変化を表すJ−H曲線が用いられている。図15において、横軸は、磁場(外部磁場)H(Oe)を示し、縦軸は磁化J(G)を示している。
図15に示すJ−H曲線のうち、第2象限の部分は、J−H減磁曲線と呼ばれ、磁石の性能を表す際に用いられている。J−H減磁曲線において、永久磁石を着磁した状態で磁場Hを徐々に減少させ、磁場Hが0となった時の磁化Jを残留磁化Jrと呼ぶ。この残留磁化Jrは、永久磁石の残留磁束密度Brと等しい。磁場Hをさらに逆(マイナス)の方向に加え、磁化Jが0となった時の磁場Hを保持力Hcjと呼ぶ。保持力Hcjは、磁化Jが0となるように磁場Hを逆方向に加えるための減磁電流で表すこともできる。
ここで、図15に示すJ−H減磁曲線において、残留持続密度Br(=残留磁化Jr)の90%(=0.9Br)に対応する磁場HをHkとする。そして、磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)を永久磁石の角形性と呼ぶ。
フェライト磁石について、角形性(Hk/Hcj)と残留磁束密度Brおよび保持力Hcj(又は減磁電流)との関係について測定した結果を図16に示す。図16において、横軸は角形性(Hk/Hcj)(%)を示し、一方の縦軸は残留磁束密度Br(G)を示し、他方の縦軸は保持力Hcj(Oe)又は減磁電流(A)を示している。また、実線は、残留磁束密度Brを示し、破線は、保持力Hcj又は減磁電流を示す。
図16から、残留磁束密度Brは、角形性が85%以下では高い状態を維持しているが、85%より大きくなると低くなることが分かる。前述したように、残留磁束密度Brが高いと、磁束量が増大する。
また、保持力Hcj又は減磁電流は、角形性が80%以上では高い状態を維持しているが、80%より小さくなると低くなることが分かる。前述したように、保持力Hcj又は減磁電流が低いと、減磁しやすくなるため、フェライト磁石の厚さを厚くする必要がある。この場合、磁束量を増大させるのが難しい。
以上の点から、[0.8≦角形性(Hk/Hcj)≦0.85]を満足する角形性(Hk/Hcj)を有するフェライト磁石を用いることにより、保持力Hcjの低下を抑制しながら残留磁束密度Brを高めることができることが分かる。
したがって、本実施の形態では、第1の永久磁石121および第2の永久磁石122として、[0.8≦角形性(Hk/Hcj)≦0.85]を満足する角形性(Hk/Hcj)を有するフェライト磁石を用いている。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
なお、以下の各実施の形態では、固定子の構成は第1の実施の形態と同じであるため、回転子の構成についてのみ説明する。
また、第1の実施の形態の各構成要素に付されている参照符号と3桁目以外が同じである参照数字が付されている構成要素は、同じものを表している。
また、永久磁石として、第1の実施の形態と同様のフェライト磁石を用いている。
本発明の第2の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア200を、図4および図5を参照して説明する。図4は、回転子コア200を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図5は、図4の部分拡大図である。
回転子コア200の外周面201は、第1の実施の形態と同様に、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分201Aと、q軸と交差する第2の曲線部分201Bが交互に接続されて形成されている。
回転子コア200には、第1の実施の形態と同様に、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って、外周側に突出する円弧状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔211が形成されている。
磁石挿入孔211に挿入される永久磁石は、第1の実施の形態と同様に、磁石挿入孔211の第1の部分に挿入され、q軸に沿って直線状に延びている第1の永久磁石221と、磁石挿入孔211の第2の部分に挿入され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の永久磁石222を有している。
そして、第1の永久磁石221および第2の永久磁石222は、隣接する主磁極が異極となるように着磁(磁化)される。
本実施の形態では、永久磁石の着磁方向が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、図5に示されているように、磁石挿入孔211の第1の部分に挿入される第1の永久磁石221は、第1の実施の形態と同様に、第1の永久磁石の第1の側面221bと第2の側面221cが異なる極性となるとともに、周方向に隣接する永久磁石の側面のうち互いに対向する側面(例えば、一方方向側に配置される永久磁石221の第2の側面221cと他方方向側に配置される永久磁石221の第1の側面221b)が同じ極性となるように、周方向に沿って着磁される。
一方、磁石挿入孔211の第2の部分に挿入される第2の永久磁石222は、径方向に沿って着磁される。すなわち、第2の永久磁石222の外周面222aが一方の極性(N極またはS極)となり、内周面222dが他方の極性(S極またはN極)となるように着磁される。この時、第2の永久磁石222の外周面222aのうち、第1の永久磁石221の第1の側面221bと対向する部分が当該第1の側面221bと同じ極性となり、第2の側面221cと対向する部分が当該第2の側面221cと同じ極性となるように着磁される。例えば、第2の永久磁石222のうち、周方向に沿って一方方向側(時計回り方向側)の部分と他方方向側(反時計回り方向)の部分を、径方向に沿った極性が異なるように着磁する。本実施の形態では、第2の永久磁石222は、周方向に沿った中心線を境に、周方向に沿った一方方向側の部分では、外周面222aが、第1の永久磁石221の第1の側面221bと同じ極性(N極またはS極)となり、内周面222dが、第1の永久磁石221の第1の側面221bと異なる極性(S極またはN極)となるように着磁される。また、周方向に沿った他方方向側の部分では、外周面222aが、第1の永久磁石221の第2の側面211cと同じ極性(S極またはN極)となり、内周面222dが、第1の永久磁石221の第2の側面211cと異なる極性(N極またはS極)となるように着磁される。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる。
また、周方向に沿って円弧状に延びている第2の永久磁石222を径方向に着磁しているため、周方向に隣接する磁石挿入孔221の間の部分(内周ブリッジ部206の部分)を介して磁束が短絡し難くなる。
また、第1の実施の形態に比べて、磁束量をより増大させることができる。
本発明の第3の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア300を、図6、図7を参照して説明する。図6は、回転子コア300を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図7は、図6の部分拡大図である。
回転子コア300の外周面301は、第1の実施の形態と同様に、d軸と交差する第1の曲線部分301Aと、q軸と交差する第2の曲線部分301Bが交互に接続されて形成されている。
回転子コア300には、第1の実施の形態と同様に、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って、外周側に突出する円弧状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔311が形成されている。
本実施の形態では、永久磁石の形状が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、第1の実施の形態では、磁石挿入孔111に第1の永久磁石121と第2の永久磁石122を挿入しているが、本実施の形態では、磁石挿入孔311に1つの永久磁石321を挿入している。
永久磁石321は、図7に示されているように、軸方向に直角な断面で見て、磁石挿入孔311の第1の部分に挿入され、q軸に沿って直線状に延びている第1の磁石部分と、磁石挿入孔311の第2の部分に挿入され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の磁石部分を有している。
永久磁石321の第1の磁石部分および第2の磁石部分は、本発明の「永久磁石の第1の磁石部分」および「永久磁石の第2の磁石部分」に対応する。
永久磁石321の第1の磁石部分は、外周面321a、第1の側面321bおよび第2の側面321cにより形成されている。外周面321aは、径方向(q軸)に沿って外周側に配置され、直線状に延びている。第1の側面321bおよび第2の側面321cは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に直線状に延びている。
永久磁石321の第2の磁石部分は、第1の中間面321d、第2の中間面321e、第3の側面321f、第4の側面321gおよび内周面321hにより形成されている。第1の中間面321dは、第1の磁石部分の第1の側面321bの内周側に接続され、周方向に沿って円弧状に延びている。第2の中間面321eは、第1の磁石部分の第2の側面321cの内周側に接続され、周方向に沿って円弧状に延びている。第3の側面321fおよび第4の側面321gは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、d軸に平行に直線状に延びている。
永久磁石321の外周面321a、第1の側面321b、第2の側面321c、第1の中間面321d、第2の中間面321e、第3の側面321f、第4の側面321gおよび内周面321hは、磁石挿入孔311の外周壁311a、第1の側壁311b、第2の側壁311c、第1の中間壁311d、第2の中間壁311e、第3の側壁311f、第4の側壁321gおよび内周壁311hに対向する位置に配置される。
本実施の形態では、永久磁石321は、周方向に沿って着磁されている。例えば、永久磁石321の一方方向側の側面(第1の側面321b、第3の側面321f)と他方方向側の側面(第2の側面321c、第4の側面321g)が異なる極性となるとともに、周方向に隣接する永久磁石321のうち一方方向側に配置される永久磁石321の他方方向側の側面(第2の側面321c、第4の側面321g)と他方方向側に配置される永久磁石321の一方方向側の側面(第1の側面321b、第3の側面321f)が同じ極性となるように、周方向に沿って着磁される。
本発明の第4の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア400を、図8を参照して説明する。図8は、回転子コア400を軸方向に直角な方向から見た断面図の部分拡大図である。
本実施の形態は、磁石挿入孔411の第1の部分に挿入される第1の永久磁石421および磁石挿入孔411の第2の部分に挿入される第2の永久磁石422の形状が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、軸方向に直角な断面で見て、第1の永久磁石421の角部にR面(円弧状の面)421eが形成され、第2の永久磁石422の角部にR面422eが形成されている。R面を形成する角部は、適宜選択可能である。
第1の永久磁石421および第2の永久磁石422は、第1の実施の形態と同様に、周方向に着磁されている。
本発明の第5の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア500を、図9を参照して説明する。図9は、回転子コア500を軸方向に直角な方向から見た断面図の部分拡大図である。
本実施の形態は、磁石挿入孔511の第1の部分に挿入される第1の永久磁石521および磁石挿入孔511の第2の部分に挿入される第2の永久磁石522の形状が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、軸方向に直角な断面で見て、第1の永久磁石521の角部にテーパー面(直線状の面)521fが形成され、第2の永久磁石522の角部にテーパー面522fが形成されている。テーパー面を形成する角部は、適宜選択可能である。
第1の永久磁石521および第2の永久磁石522は、第1の実施の形態と同様に、周方向に着磁されている。
第1〜第5の実施の形態では、種々変更、追加、削除が可能である。
永久磁石の第1の磁石部分および第2の磁石部分の着磁方法としては、共に周方向に着磁する着磁方法と、第1の磁石部分を周方向に沿って着磁し、第2の磁石部分を径方向に着磁する着磁方法のいずれを用いてもよい。
永久磁石としては、別体の第1の永久磁石と第2の永久磁石を有する永久磁石を用いる方法と、第1の磁石部分と第2の磁石部分が一体である永久磁石を用いる方法のいずれを用いてもよい。
磁石挿入孔および永久磁石の形状は、実施の形態に記載した構成に限定されない。
本発明の第6の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア600を、図10および図11を参照して説明する。図10は、回転子コア600を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図11は、図10の部分拡大図である。
回転子コア600の外周面601は、第1の実施の形態と同様に、d軸と交差する第1の曲線部分601Aと、q軸と交差する第2の曲線部分601Bが交互に接続されて形成されている。
第1〜第5の実施の形態では、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と周方向に沿って円弧状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔と、磁石挿入孔の第1の部分および第2の部分それぞれに挿入される第1の磁石部分および第2の磁石部分を有する永久磁石を用いたが、本実施の形態では、直線状に延びている磁石挿入孔および永久磁石を用いている。
すなわち、図11に示されているように、回転子コア600には、q軸に沿って直線状に延びている磁石挿入孔611が形成されている。また、磁石挿入孔611には、q軸に沿って直線状に延びている永久磁石621が挿入されている。
磁石挿入孔611は、軸方向に直角な断面で見て、外周壁611a、第1の側壁611b、第2の側壁611c、第1の斜壁611i、第2の斜壁611jおよび内周壁611hにより形成されている。外周壁611aおよび内周壁611hは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁611bおよび第2の側壁611cは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側(時計回り方向側)および他方方向側(反時計回り方向側)に配置され、q軸に平行に延びている。第1の斜壁611iは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側に配置され、第1の側壁611bと内周壁611hに接続されている。第2の側壁611jは、q軸に対して周方向に沿って他方方向側に配置され、第2の側壁611cと内周壁611hに接続されている。
磁石挿入孔611の第1の斜壁611iおよび第2の斜壁611jは、d軸に平行に延びている。すなわち、周方向に沿って隣接する磁石挿入孔611のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔611の第2の斜壁621jと他方方向側に配置される磁石挿入孔611の第1の斜壁611iは、当該周方向に隣接する磁石挿入孔611に挿入される永久磁石621によって規定されるd軸に沿って直線状に延びている。言い換えれば、d軸を挟んで周方向両側に配置される第1の斜壁611iと第2の斜壁611jは、当該d軸に沿って直線状に延びている。
永久磁石621は、軸方向に直角な断面で見て、外周面621a、第1の側面621b、第2の側面621c、第1の斜面621i、第2の斜面621jおよび内周面621hにより形成されている。外周面621aおよび内周面621hは、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側面621bおよび第2の側面621cは、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に直線状に延びている。第1の斜面621iおよび第2の斜面621jは、内周面621hと第1の側面621bおよび第2の側面621cに接続されているととともに、d軸に平行に直線状に延びている。
永久磁石621の外周面621a、第1の側面621b、第2の側面621c、第1の斜面621i、第2の斜面621jおよび内周面621hは、磁石挿入孔611の外周壁611a、第1の側壁611b、第2の側壁611c、第1の斜壁611i、第2の斜壁611jおよび内周壁611hに対向する位置に配置される。
また、永久磁石621は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように、周方向に沿って着磁される。
本実施の形態では、磁石挿入孔611の外周壁611aと回転子コア600の外周面601(第2の曲線部分601B)の間に、周方向に沿って延びる外周ブリッジ部605が形成されている。この外周ブリッジ部605によって、磁石挿入孔611と回転子コア600の外周面601の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
外周ブリッジ部605は、本発明の「第2のブリッジ部」に対応する。
また、周方向に隣接する磁石挿入孔611のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔611の第2の斜壁611jと他方方向側に配置される磁石挿入孔611の第1の斜壁611i(d軸を挟んで両側に配置される第1の斜壁611iと第2の斜壁611j)によって、径方向(d軸)に沿って直線状に延びる内周ブリッジ部606が形成されている。この内周ブリッジ部606によって、周方向に隣接する磁石挿入孔611の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
内周ブリッジ部606は、本発明の「第1のブリッジ部」に対応する。
好適には、内周ブリッジ部606の幅(周方向に沿った長さ)Tは、0.35mm〜0.5mmの範囲内に設定され、長さ(径方向に沿った長さ)Lは、1.5mm以上に設定される。
本実施の形態では、永久磁石が径方向(q軸)に沿って延びるように配置されているため、永久磁石の磁石表面積を大きくすることができる。これにより、永久磁石から発生する磁束量を増大させることができる。
また、周方向に隣接する磁石挿入孔611のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔611の第2の斜壁611jと他方方向側に配置される磁石挿入孔611の第1の斜壁611iは、d軸に沿って直線状に延びているとともに、d軸に沿って直線状に延びる内周ブリッジ部606を形成している。これにより、遠心力に対する回転子コア600の強度の低下を抑制しながら、周方向に隣接する磁石挿入孔611の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
また、永久磁石611として、[0.8≦角形性(Hk/Hcj)≦0.85]を満足する角形性(Hk/Hcj)を有するフェライト磁石を用いている。これにより、保持力Hcjの低下を抑制しながら残留磁束密度Brを高めることができる。
したがって、永久磁石として、希土類磁石に比べて磁束密度は低いが安価であるフェライト磁石を用いた場合でも、遠心力に対する強度の低下や磁束の短絡を抑制しながら、磁石表面積を大きくすることができ、十分な磁束量を確保することができる。
なお、永久磁石621の断面形状は、第1の斜面621iおよび第2の斜面621jを含んでいなくてもよい。例えば、外周面621a、第1の側面621b、第2の側面621cおよび内周面621hにより形成される四角形の断面形状であってもよい。
本発明の第7の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア700を、図12を参照して説明する。図12は、回転子コア700を軸方向に直角な方向から見た断面図である。
回転子コア700の外周面701は、第1の実施の形態と同様に、d軸と交差する第1の曲線部分701Aと、q軸と交差する第2の曲線部分701Bが交互に接続されて形成されている。
本実施の形態では、磁石挿入孔および永久磁石の形状が第1〜第6の実施の形態と異なっている。
すなわち、回転子コア700には、周方向に沿って、内周側に突出する円弧状に延びている磁石挿入孔711が形成されている。また、磁石挿入孔711には、周方向に沿って円弧状に延びている永久磁石721が挿入されている。
磁石挿入孔711は、軸方向に直角な断面で見て、外周壁711a、内周壁711b、第1の端壁711cおよび第2の端壁711dにより形成されている。外周壁711aおよび内周壁711bは、径方向(d軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って、d軸と交差するとともに内周側に突出する円弧状に延びている。第1の端壁711cおよび第2の端壁711dは、d軸に対して、周方向に沿って一方方向側(時計回り方向側)および他方方向側(反時計回り方向側)に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。
永久磁石721は、軸方向に直角な断面で見て、外周面721a、内周面721b、第1の端面721cおよび第2の端面721dにより形成されている。外周面721aおよび内周面721bは、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って内周側に突出する円弧状に延びている。第1の端面721cおよび第2の端周721dは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。永久磁石721の外周面721a、内周面721b、第1の端面721cおよび第2の端面721dは、磁石挿入孔711の外周壁711a、内周壁711b、第1の端壁711cおよび第2の端壁711dに対向する位置に配置される。
また、永久磁石721は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように着磁される。例えば、d軸に平行に平行着磁される。あるいは、d軸上の点を中心とするラジアル着磁される。
第1〜第7の実施の形態では、回転子コアの外周面を、曲率半径が異なる第1の曲線部分と第2の曲線部分によって形成したが、円形形状に形成することもできる。
本発明の第8の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア800を、図13を参照して説明する。図13は、回転子コア800を軸方向に直角な方向から見た断面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態の回転子コア100の外周面を円弧形状に形成したものである。
本実施の形態では、回転子コア800の外周面801は、軸方向に直角な断面で見て、円形形状に形成されている。
回転子コア800には、第1の実施の形態と同様に、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔811が形成されている。
また、磁石挿入孔811に挿入される永久磁石は、第1の実施の形態と同様に、磁石挿入孔811の第1の部分に挿入され、直線状に延びている第1の永久磁石821と、磁石挿入孔811の第2の部分に挿入され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の永久磁石822を有している。
第1の永久磁石821および第2の永久磁石822は、第1の実施の形態と同様に、周方向に沿って着磁されている。
本発明の第9の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア900を、図14を参照して説明する。図14は、回転子コア900を軸方向に直角な方向から見た断面図である。本実施の形態は、第3の実施の形態の回転子コア300の外周面を円弧形状に形成したものである。
本実施の形態では、回転子コア900の外周面901は、軸方向に直角な断面で見て、円形形状に形成されている。
回転子コア900には、第3の実施の形態と同様に、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の部分を有する磁石挿入孔911が形成されている。
また、磁石挿入孔911には、第3の実施の形態と同様に、磁石挿入孔911の第1の部分に挿入され、直線状に延びている第1の磁石部分と、磁石挿入孔911の第2の部分に挿入され、周方向に沿って円弧状に延びている第2の磁石部分を有する永久磁石921が収容されている。
永久磁石921は、第3の実施の形態と同様に、周方向に沿って着磁されている。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択して組み合わせて用いることもできる。
回転子コアは、軸方向に直角な断面で見て、曲率半径が異なる第1の曲線部分と第2の曲線部分により形成された外周面を有するのが好ましいが、円形の外周面を有していてもよい。
磁石挿入孔や永久磁石の形状は、実施の形態で説明した形状に限定されず、種々の形状に設定することができる。
角形性(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いることによって、保持力の低下を抑制しながら残留磁束密度を高めて磁束量を増大させる構成と、磁石表面積を増大させることによって磁束量を増大させる構成を組み合わせて用いるのが好ましいが、いずれか一方の構成のみを用いることもできる。
例えば、「複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、前記磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、前記第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って外周側に突出する曲線状に延びている第2の部分を有し、前記永久磁石は、前記磁石挿入孔の前記第1の部分に挿入され、直線状に延びている第1の磁石部分と、前記磁石挿入孔の前記第2の部分に挿入され、曲線状に延びている第2の磁石部分を有し、前記磁石挿入孔の前記第1の部分は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置される第1の側壁および第2の側壁を有し、前記磁石挿入孔の前記第2の部分は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置される第3の側壁および第4の側壁を有し、周方向に隣接する前記磁石挿入孔のうち前記一方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の部分の前記第4の側壁および前記他方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の部分の前記第3の側壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入される前記永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成していることを特徴とする回転子。」として構成することができる。
あるいは、「複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、前記磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に延びている第1の側壁および第2の側壁、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁、前記第1の側壁と前記内周壁に接続されている第1の斜壁、前記第2の側壁と前記内周壁に接続されている第2の斜壁により形成されており、周方向に隣接する前記磁石挿入孔のうち前記一方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の斜壁と前記他方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第1の斜壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入される前記永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成していることを特徴とする回転子。」として構成することができる。
10 永久磁石電動機
20 固定子
30 固定子コア
40 固定子巻線
50 回転子
60 回転軸
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000 回転子コア
101、201、301、401、501、601、701、801、901、1001 外周面
101A、201A、301A、401A、501A、601A、701A 第1の曲線部分
101B、201B、301B、401B、501B、601B、701B 第2の曲線部分
101a、201a、301a、401a、501a、601a、701a 接続点
102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002 内周面
105、205、305、405、505、605、705、805、905、1005 外周ブリッジ部
106、206、306、406、506、606、706、806、906、1006 内周ブリッジ部
111、211、311、411、511、611、711、811、911、1011 磁石挿入孔
111a、211a、311a、411a、511a、611a、711a、911a 外周壁
111b、111c、111f、111g、211b、211c、211f、211g、311b、311c、311f、311g、411b、411c、411f、411g、511b、511c、511f、511g、611b、611c 側壁
111d、111e、211d、211e、311d、311e、411d、411e、511d、511e 中間壁
111h、211h、311h、411h、511h、611h、711b 内周壁
121、122、221、222、321、421、422、521、522、621、721、821、822、921、1021 永久磁石
121a、122a、221a、222a、321a、421a、422a、521a、522a、621a、721a 外周面
121b、121c、122b、122c、221b、221c、222b、222c、321b、321c、321f、321g、421b、421c、422b、422c、521b、521c、521f、521g、621b、621c 側面
121d、122d、221d、222d、321h、421d、422d、521d、522d、621h 内周面
311d、311e 中間面
421e R面
521f テーパー面
611i、611j 斜壁
621i、821j 斜面
711b、711c 端壁
721b、721c 端面

Claims (10)

  1. 複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、
    前記永久磁石としてフェライト磁石が用いられており、
    前記フェライト磁石は、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]であることを特徴とする回転子。
  2. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に沿って直線状に延びている第1の部分と、前記第1の部分より内周側に配置され、周方向に沿って外周側に突出する曲線状に延びている第2の部分を有し、
    前記永久磁石は、前記磁石挿入孔の前記第1の部分に挿入され、直線状に延びている第1の磁石部分と、前記磁石挿入孔の前記第2の部分に挿入され、曲線状に延びている第2の磁石部分を有し、
    前記磁石挿入孔の前記第1の部分は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置される第1の側壁および第2の側壁を有し、前記磁石挿入孔の前記第2の部分は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置される第3の側壁および第4の側壁を有し、
    周方向に隣接する前記磁石挿入孔のうち前記一方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の部分の前記第4の側壁および前記他方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の部分の前記第3の側壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入される前記永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成していることを特徴とする回転子。
  3. 請求項2に記載の回転子であって、
    前記永久磁石の前記第1の磁石部分および前記第2の磁石部分は別体に形成されていることを特徴とする回転子。
  4. 請求項2または3に記載の回転子であって、
    前記磁石挿入孔の前記第1の部分の前記第1の側壁および前記第2の側壁は、q軸に対して周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置されているとともに、q軸に平行に延びており、
    前記磁石挿入孔の前記第2の部分の前記第3の側壁および前記第4の側壁は、q軸に対して周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置されていることを特徴とする回転子。
  5. 請求項2ないし4のいずれか一項に記載の回転子であって、
    前記永久磁石の前記第1の磁石部分および前記第2の磁石部分は、周方向に沿って磁化されていることを特徴とする回転子。
  6. 請求項2ないし4のいずれか一項に記載の回転子であって、
    前記永久磁石の前記第1の磁石部分は、周方向に沿って磁化されており、前記第2の磁石部分は、径方向に沿って磁化されていることを特徴とする回転子。
  7. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に平行に延びている第1の側壁および第2の側壁、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁、前記第1の側壁と前記内周壁に接続されている第1の斜壁、前記第2の側壁と前記内周壁に接続されている第2の斜壁により形成されており、
    周方向に隣接する前記磁石挿入孔のうち前記一方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第2の斜壁と前記他方方向側に配置される磁石挿入孔の前記第1の斜壁は、当該周方向に隣接する磁石挿入孔に挿入される前記永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、内周ブリッジ部を形成していることを特徴とする回転子。
  8. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、d軸に交差するとともに内周側に突出する曲線状に延びている外周壁および内周壁、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、周方向に沿って延びている第1の端壁および第2の端壁により形成されていることを特徴とする回転子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転子であって、
    前記回転子コアの外周面は、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分と、q軸と交差する第2の曲線部分が交互に接続されて形成されており、前記第1の曲線部分は、d軸上に曲率中心を有する円弧形状に形成され、前記第2の曲線部分は、q軸上に曲率中心を有し、前記第1の曲線部分の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧形状に形成されていることを特徴とする回転子。
  10. 固定子と、前記固定子に対して回転可能に支持された回転子を備え、前記固定子は、固定子コアと、固定子巻線を有し、前記回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している永久磁石電動機であって、前記回転子として請求項1〜9のいずれか一項に記載の回転子が用いられていることを特徴とする永久磁石電動機。
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