JP6316602B2 - 回転子および永久磁石電動機 - Google Patents

回転子および永久磁石電動機 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石が設けられている回転子および永久磁石が設けられている回転子を備える永久磁石電動機に関し、特に、永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる技術に関する。
永久磁石電動機の回転子に設ける永久磁石として、残留磁束密度が高い、ネオジウム磁石等の希土類磁石が用いられている。しかしながら、希土類磁石は、高価である。このため、希土類磁石より安価であるフェライト磁石等の使用が要望されている。
フェライト磁石を用いた回転子を備える永久磁石電動機として、例えば、特許文献1に開示されている永久磁石電動機が知られている。特許文献1に開示されている永久磁石電動機は、図16に示されている回転子コア800を有する回転子を用いている。なお、図16は、回転子コア800を軸方向に直角な方向から見た断面図である。図16に示されている回転子コア800は、回転子コア800の回転中心Oからq軸に沿って直線状に延びている磁石挿入孔811が、周方向に沿って複数形成されている。磁石挿入孔811には、直線状に延びている永久磁石821が挿入されている。永久磁石821としてフェライト磁石が用いられている。磁石挿入孔811および永久磁石821は、断面が四角形状を有している。
特開2010−4722号公報
フェライト磁石は、希土類磁石に比べて残留磁束密度が低い。ここで、永久磁石から発生する磁束量は、永久磁石の残留磁束密度に依存する。また、永久磁石から発生する磁束量が減少すると、固定子巻線に流す電流(固定子電流)を増加させる必要があり、永久磁石電動機の効率が低下する。このため、希土類磁石に代えてフェライト磁石を用いる場合には、残留磁束密度ができるだけ高いフェライト磁石を用いることになる。
一方、残留磁束密度が高いフェライト磁石は、保持力が低いため、減磁し易い。したがって、残留磁束密度が高いフェライト磁石を用いる場合には、保持力を高めるために、フェライト磁石の厚さ(N極表面とS極表面の間の間隔)を厚くする必要がある。
しかしながら、回転子コアの大きさ(直径)を変えないで、フェライト磁石の厚さを厚くすると、磁石表面積(N極およびS極の磁極表面積)が小さくなり、磁束量が減少することになる。
このため、フェライト磁石を用いて、希土類磁石を用いた場合と同程度の効率を達成するのは難しいと思われていた。
本発明者らは、フェライト磁石の角形性(J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比[Hk/Hcj])に着目し、フェライト磁石を用いた永久磁石電動機の効率がフェライト磁石の角形性に影響することを見出した。
したがって、本発明は、永久磁石としてフェライト磁石を用いた永久磁石電動機の効率を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下のように構成することができる。なお、以下では、「平行」という記載は、「略平行」を含むものとして用いている。
一つの発明は、回転子に関する。
本発明の回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している。回転子コアは、典型的には、電磁鋼板を積層することによって形成される。複数の永久磁石によって、d軸(主磁束の方向)とq軸(d軸に対して電気的に直角な方向)が規定される。永久磁石は、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように着磁される。
複数の磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に対して周方向に沿って一方方向側(例えば、時計回り方向側)および他方方向側(例えば、反時計回り方向側)に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔により構成されている。典型的には、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔は、q軸側に突出している円弧状に延びている。
第1の磁石挿入孔は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側壁および第2の側壁と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁と、第1の側壁と内周壁に接続されている第1の斜壁とにより形成されている。第1の斜壁は、典型的には、直線状に延びている。また、第2の磁石挿入孔は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側壁および第2の側壁と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁と、第2の側壁と内周壁に接続されている第2の斜壁とにより形成されている。第2の斜壁は、典型的には、直線状に延びている。第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔との間の周方向に沿った間隔は、内周側よりも外周側の方が大きくなるように構成されている。
複数の永久磁石は、第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により構成されている。
第1の磁石挿入孔の第1の斜壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して周方向に沿って一方方向側に配置される第2の磁石挿入孔の第2の斜壁(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔の第1の斜壁と第2の磁石挿入孔の第2の斜壁)は、当該第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および当該第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により規定されるd軸と平行に延びているとともに、当該第1の斜壁と当該第2の斜壁によって、当該d軸に沿って直線状に延びる内周ブリッジ部が形成されている。また、第1の磁石挿入孔の第2の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して周方向に沿って他方方向側に配置される第2の磁石挿入孔の第1の側壁(q軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔の第2の側壁と第2の磁石挿入孔の第1の側壁)によって、極間ブリッジ部が形成されている。
第1の磁石挿入孔には、第1の永久磁石より内周側に空隙部が設けられており、第2の磁石挿入孔には、第2の永久磁石より内周側に空隙部が設けられている。
回転子コアの外周面は、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分と、q軸と交差する第2の曲線部分が交互に接続されて形成されており、第1の曲線部分は、d軸上に曲率中心を有する円弧形状に形成され、第2の曲線部分は、q軸上に曲率中心を有し、第1の曲線部分の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧形状に形成されている。
本発明では、第1の永久磁石および第2の永久磁石として、J−H減磁曲線(J:磁化、H:磁場)における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いている。
なお、比[Hk/Hcj]は、「角形性」とも呼ばれている。J−H減磁曲線は、J−H曲線における第2象限の曲線である。残留磁束密度Brは、J−H減磁曲線における磁場(外部磁場)Hが0の時の磁化(残留磁化Jr)に等しい。保持力Hcjは、J−H減磁曲線における磁化Jが0の時の磁場に等しい。
本発明では、q軸に沿って、q軸側に突出する曲線状に延びている第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔が設けられている。これにより、磁石表面積を大きくすることができる。また、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔が、q軸に沿って、q軸側に突出する曲線状に延びているため、d軸を挟んで両側に配置される第1の永久磁石と第2の永久磁石の間の開角が、q軸に沿って直線状に延びる第1の永久磁石と第2の永久磁石を用いる場合に比べて小さくなる。これにより、トルクに寄与する有効起電力が増加する。また、d軸を挟んで隣接する第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔の間に、d軸に平行に直線状に延びる内周ブリッジ部が形成されているとともに、q軸を挟んで隣接する第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔の間に極間ブリッジ部が形成されているため、遠心力に対する回転子コアの強度を高めることができる。これにより、d軸を挟んで隣接する第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔の間の間隔を小さくすることができ、d軸を挟んで隣接する第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔の間を介して磁束が短絡するのを防止することができる。また、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔の内周側に形成されている空隙によって、隣接する磁石挿入孔群の間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔の間)の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。また、内周ブリッジ部を形成する第1の磁石挿入孔の第1の斜壁と第2の磁石挿入孔の第2の斜壁がd軸(径方向)に平行に延びているため、遠心力に対する回転子コアの強度を効果的に高めることができる。また、回転子の外周面が、異なる曲率半径を有する円弧形状の第1の曲線部分と第2の曲線部分により形成されているため、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔と回転子コアの外周面(第2の曲線部分)との間の部分の間隔が、周方向に沿って略等しくなる。これにより、遠心力に対する回転子コアの強度の低下を抑制しながら外周ブリッジ部の幅(径方向に沿った長さ)を小さくすることができ、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔と回転子コアの外周面との間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。また、永久磁石として、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いている。これにより、保持力の低下を抑制しながら残留磁束密度を高めることができる。したがって、永久磁石電動機の効率を向上させることができる。
一つの発明の異なる形態では、第1の永久磁石は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側面および第2の側面と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周面および内周面とにより形成され、第2の永久磁石は、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側面および第2の側面と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周面および内周面により形成されている。
一つの発明の他の異なる形態では、第1の永久磁石は、第1の永久磁石および第2の永久磁石は、角部が直線状または円弧状に形成されている。
一つの発明の他の異なる形態では、第1の磁石挿入孔には、第1の永久磁石より外周側に空隙部が設けられ、第2の磁石挿入孔には、第2の永久磁石より外周側に空隙部が設けられている。
本形態では、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔の外周側に形成されている空隙によって、第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔と回転子コアの外周面の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
他の発明は、固定子と、固定子に対して回転可能に支持された回転子を備える永久磁石電動機に関する。固定子は、固定子コアと、固定子巻線を有している。回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している。そして、本発明では、回転子として、前述した回転子のいずれかが用いられている。
本発明は、前述した各回転子と同様の効果を有している。
本発明の回転子および永久磁石電動機を用いることにより、永久磁石としてフェライト磁石を用いながら永久磁石電動機の効率を向上させることができる。
第1の実施の形態の永久磁石電動機の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図2の部分拡大図である。 第2の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図4の部分拡大図である。 第3の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図6の部分拡大図である。 第4の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 図8の部分拡大図である。 第5の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図の部分拡大図である。 第6の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図の部分拡大図である。 第6の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の永久磁石の断面図である。 第7の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。 永久磁石の角形性を説明する図である。 永久磁石の角形性と残留磁束密度および保持力(減磁電流)との関係を示す図である。 従来の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コアの断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、「軸方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、回転子の回転中心Oを通る回転中心線の方向を示している。また、「周方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線の方向)に直角な断面でみて、回転中心Oを中心とする円周方向を示している。また、「径方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心Oを通る方向を示している。
また、「d軸」は、軸方向に直角な断面で見て、磁石挿入孔に挿入されている永久磁石によって形成される主磁極(N極、S極)の主磁束が流れる方向(主磁極の周方向中心)を示し、「q軸」は、「d軸」に対して電気的に直角な(電気角で90度の)方向を示している。
また、「平行」という記載は、「略平行」である態様を含むものとして用いている。
また、「周方向に沿って一方方向」および「周方向に沿って他方方向」という記載は、軸方向に直角な断面で見て、「時計回り方向(右回り方向)」および「反時計回り方向(左回り方向)」を示すものとして用いている。勿論、逆に、「反時計回り方向(左回り方向)」および「時計回り方向側(右回り方向側)」を示すものとして用いることもできる。
本発明の永久磁石電動機の第1の実施の形態が、図1、図2、図3に示されている。なお、図1は、第1の実施の形態の永久磁石電動機10の概略構成を示す図である。また、図2は、第1の実施の永久磁石電動機10で用いられている回転子の回転子コア100を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
第1の実施の形態の永久磁石電動機10は、固定子20と、固定子20に対して回転可能に支持されている回転子50により構成されている。
固定子20は、固定子コア30と固定子巻線40により構成されている。固定子コア30は、電磁鋼板を積層して形成されている。固定子コア30は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているヨークと、ヨークから径方向に沿って回転子50の回転中心方向に延びている複数のティースと、周方向に隣接するティースによって形成されるスロットを有している。固定子巻線40は、スロット内に挿入されている。
回転子50は、永久磁石が挿入される磁石挿入孔が形成されている回転子コア100と、回転軸60により構成されている。
回転子コア100は、電磁鋼板を積層することによって形成されている。
磁石挿入孔に挿入される永久磁石によって主磁極(N極、S極)が形成され、主磁極によって主磁束が発生する。
本実施の形態では、磁石挿入孔に挿入される永久磁石として、希土類磁石より残留磁束密度は低いが安価であるフェライト磁石が用いられている。
本実施の形態では、回転子コア100の外周面101は、軸方向に直角な断面でみて、第1の曲線部分101Aと第2の曲線部分101Bが交互に配置されて構成されている。
第1の曲線部分101Aは、d軸と交差し、回転子コア100の外周方向に突出している第1の曲線形状に形成されている。また、第2の曲線部分101Bは、q軸と交差し、回転子コア100の外周方向に突出している第2の曲線形状に形成されている。第1の曲線形状は、d軸上の回転中心Oを曲率中心とする半径R1の円弧形状である。また、第2の曲線形状は、q軸上の、回転中心Oより第2の曲線部分101Bと反対方向に離れた点Pを曲率中心とする半径R2(>R1)の円弧形状である。
回転子コア100には、軸方向に直角な断面で見て、径方向に沿って延びている磁石挿入孔が、周方向に沿って複数形成されている。
本実施の形態では、磁石挿入孔は、q軸に対して周方向に沿って一方方向側(時計回り方向側)に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている第1の磁石挿入孔111と、q軸に対して周方向に沿って他方方向側(反時計回り方向)に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている第2の磁石挿入孔112を有している。q軸に対して周方向に沿って一方方向側に配置されている第1の磁石挿入孔111と他方方向側に配置されている第2の磁石挿入孔112によって磁石挿入孔群が構成されている。そして、磁石挿入孔群が、周方向に沿って複数配置されている。
第1の磁石挿入孔111は、外周壁111a、第1の側壁111b、第2の側壁111cおよび内周壁111dによって形成されている。外周壁111aおよび内周壁111dは、径方向(q軸)に沿って外周側(外周面101側)および内周側(回転中心O側)に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁111bおよび第2の側壁111cは、周方向に沿って一方方向側(時計回り方向側)および他方方向側(反時計回り方向側)に配置され、q軸に沿って、q軸側(周方向に沿って他方方向側)に突出する円弧状に延びている。
第2の磁石挿入孔112は、外周壁112a、第1の側壁112b、第2の側壁112cおよび内周壁112dによって形成されている。外周壁112aおよび内周壁112dは、径方向(q軸)に沿った外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁112bおよび第2の側壁112cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(周方向に沿って一方方向側)に突出する円弧状に延びている。
第1の磁石挿入孔111に挿入される第1の永久磁石121および第2の磁石挿入孔112に挿入される第2の永久磁石122は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている。
第1の永久磁石121は、外周面121a、第1の側面121b、第2の側面121cおよび内周面121dによって形成されている。外周面121aおよび内周面121dは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側面121bおよび第2の側面121cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(周方向に沿って他方方向側)に突出している円弧状に延びている。第1の永久磁石121の外周面121a、第1の側面121b、第2の側面121cおよび内周面121dは、第1の磁石挿入孔111の外周壁111a、第1の側壁111b、第2の側壁111cおよび内周壁111dに対向する位置に配置される。
第2の永久磁石122は、外周面122a、第1の側面122b、第2の側面122cおよび内周面122dによって形成されている。第2の永久磁石122の第1の側面122bおよび第2の側面122cは、q軸に沿って、q軸側(周方向に沿って一方方向側)に突出する円弧状に延びている。第2の永久磁石122の外周面122a、第1の側面122b、第2の側面122cおよび内周面122dは、第2の磁石挿入孔112の外周壁112a、第1の側壁112b、第2の側壁112cおよび内周壁112dに対向する位置に配置される。
q軸を挟んで両側に配置される第1の永久磁石121と第2の永久磁石122により永久磁石群が構成されている。
第1の永久磁石121および第2の永久磁石122は、隣接する主磁極が異極となるように着磁(磁化)される。
本実施の形態では、第1の永久磁石121および第2の永久磁石122は、周方向に沿って着磁されている。例えば、図3に示されているように、同じ磁石挿入孔群を構成している(q軸を挟んで両側に配置されている)第1の磁石挿入孔111および第2の磁石挿入孔112に挿入される第1の永久磁石121および第2の永久磁石122は、周方向に沿って同じ極性となるように着磁される。例えば、同じ永久磁石群を構成している第1の永久磁石121の第1の側面121bおよび第2の永久磁石122の第1の側面122bがN極となり、第1の永久磁石121の第2の側面121cおよび第2の永久磁石122の第2の側面122cがS極となるように着磁される。すなわち、同じ永久磁石群を構成している(q軸を挟んで両側に配置されている)第1の永久磁石121および第2の永久磁石122の側面のうち、周方向に沿って一方方向側に配置される側面121bおよび122bが一方の極性(S極またはN極)となり、他方方向側に配置される側面121cおよび122cが他方の極性(N極またはS極)となるように着磁される。
また、周方向に隣接する永久磁石群のうち一方方向側に配置され永久磁石群を構成している第2の永久磁石122と他方方向側に配置される永久磁石群を構成している第1の永久磁石121については、周方向に沿って対向する面(d軸に対して一方方向側に配置される第2の永久磁石122の第2の側面122cと他方方向側に配置される第1の永久磁石121の第1の側面121b)が同じ極性となるように着磁される。すなわち、周方向に隣接する永久磁石群のうち一方方向側に配置される永久磁石群の第2の永久磁石122の第2の側面122cと他方方向側に配置される永久磁石群の第1の永久磁石121の第1の側面121bが同じ極性となるように着磁される。
永久磁石を着磁する方法としては、平行に着磁する平行着磁方法あるいは中心点からラジアル方向に着磁するラジアル着磁方法を用いることができる。
本実施の形態では、第1の磁石挿入孔111の外周壁111aと回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)の間に第1の外周ブリッジ部105aが形成され、第2の磁石挿入孔112の外周壁112aと回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)の間に第2の外周ブリッジ部105bが形成されている。
この第1の外周ブリッジ部105aおよび第2の外周ブリッジ部105bによって、第1の磁石挿入孔111および第2の磁石挿入孔112と回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
第1の外周ブリッジ部105aおよび第2の外周ブリッジ部105bは、本発明の「第3のブリッジ部」に対応する。
また、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間に、内周ブリッジ部106が形成されている。すなわち、周方向に隣接する磁石挿入孔群のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第2の磁石挿入孔112の第2の側壁112cと、他方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔111の第1の側壁111bの間(d軸に対して一方方向側に配置される第2の磁石挿入孔112の第2の側壁112cと他方方向側に配置される第1の磁石挿入孔111の第1の側壁111bの間)に、内周ブリッジ部106が形成されている。
この内周ブリッジ部106によって、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間(d軸に対して一方方向側に配置される第2の磁石挿入孔と他方方向側に配置される第1の磁石挿入孔の間)の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
好適には、内周ブリッジ部106の幅(周方向に沿った長さ)Tの最小値は、0.35mm〜0.5mmの範囲内に設定される。
内周ブリッジ部106は、本発明の「第1のブリッジ部」に対応する。
また、同じ磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔111と第2の磁石挿入孔112の間に、極間ブリッジ部107が形成されている。すなわち、同じ磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔111の第2の側壁111cと第2の磁石挿入孔112の第1の側壁112bの間(q軸に対して一方方向側に配置される第1の磁石挿入孔111の第2の側壁111cと他方方向側に配置される第2の磁石挿入孔112の第1の側壁112b)の間)に、極間ブリッジ部107が形成されている。
極間ブリッジ部107によって、同じ磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔111と第2の磁石挿入孔112の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
本実施の形態では、極間ブリッジ部107を形成する第1の磁石挿入孔111の第2の側面111cと第2の磁石挿入孔112の第1の側面112b(q軸を挟んで両側に配置される側面)が、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている。このため、図3に示されているように、極間ブリッジ部107の周方向に沿った幅(間隔)が、径方向に沿った位置によって異なる。例えば、内周面102側の端部位置(第1の磁石挿入孔111の内周壁111dと第2の磁石挿入孔112の内周壁121dを結んだ線の位置)では間隔がEであり、外周面101側に(径方向に沿って外周側に)Gだけ離れた位置では間隔がF(F>E)である。好適には、極間ブリッジ部107は、内周面102側の端部位置から径方向に沿って外周側に1.5mm以上離れている位置まで、周方向に沿った幅(間隔)が0.35mm〜0.5mmの範囲内となるように形成される。
極間ブリッジ部107は、本発明の「第2のブリッジ部」に対応する。
本実施の形態では、永久磁石(第1の永久磁石121と第2の永久磁石122)が、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びているため、永久磁石の磁石表面積を大きくすることができる。これにより、永久磁石から発生する磁束量を増大させることができる。
従来の回転子コア800では、図16に破線矢印で示すように、磁石収容孔811と回転子コア800の内周面802の間の部分を介して磁束が短絡する。この磁束の短絡を抑制する方法としては、周方向に隣接する磁石挿入孔811の間の間隔、特に、内周面802側の間隔Wを小さくすることが考えられる。一方、間隔Wを小さくすると、遠心力に対する回転子コア800の強度が低下する。このため、間隔Wを小さくするには限界があり、磁束の短絡を十分に抑制することができなかった。
本実施の形態では、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間(d軸に対して、周方向に沿って一方方向側に配置される第2の磁石挿入孔112と他方方向側に配置される第1の磁石挿入孔111の間)に、内周ブリッジ部106が形成されている。また、同じ磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔111と第2の磁石挿入孔112の間(q軸に対して、周方向に沿って一方方向側に配置される第1の磁石挿入孔111と他方方向側に配置される第2の磁石挿入孔112の間)に、極間ブリッジ部107が形成されている。この内周ブリッジ部106と極間ブリッジ部107によって、遠心力に対する回転子コア100の強度を高めることができる。この場合、内周ブリッジ部106の間隔を小さくすることができるため、隣接する磁石挿入孔群間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔111と第2の磁石挿入孔112の間)の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。
したがって、永久磁石として、希土類磁石に比べて磁束密度は低いが安価であるフェライト磁石を用いた場合でも、遠心力に対する強度の低下や磁束の短絡を抑制しながら、磁石表面積を大きくすることができ、十分な磁束量を確保することができる。
また、本実施の形態では、q軸に対して一方方向側および他方方向側に配置される第1の永久磁石121および第2の永久磁石122が、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている。これにより、d軸を挟んで両側に配置される第1の永久磁石121と第2の永久磁石122の間の開角が、q軸に沿って直線状に延びる第1の永久磁石と第2の永久磁石を用いた場合に比べて小さくなり、トルクに寄与する有効起電力が増加する。
また、本実施の形態では、回転子コア100の外周面101を形成する第1の曲線部分101Aと第2の曲線部分101Bの接続部(切り替わり部分)101aが固定子のティースと対向する箇所を通過する時に、ティースに流れる磁束量の急激な変化を抑制することができる。これにより、ティースを流れる磁束量の急激な変化によって固定子巻線に誘起される誘起電圧の波形に含まれる高調波成分が増大するのを防止することができ、固定子巻線の誘起電圧に基づいてインバータを正確に制御することができる。
また、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111aと回転子コア100の外周面101の第2の曲線部分101Bとの間の間隔が周方向に沿って略等しくなる。これにより、外周壁111aと第2の曲線部分101Bの間の間隔を小さくすることができ、磁石挿入孔111の第1の部分の外周壁111aと回転子コア100の外周面101(第2の曲線部分101B)の間の部分を介して磁束が短絡するのを抑制することができる。
次に、永久磁石の角形性について説明する。
永久磁石の磁気特性を表す磁化曲線として、図14に示すような、磁場(外部磁場)Hに対する永久磁石の磁化Jの変化を表すJ−H曲線が用いられている。図14において、横軸は、磁場(外部磁場)H(Oe)を示し、縦軸は磁化J(G)を示している。
図14に示すJ−H曲線のうち、第2象限の部分は、J−H減磁曲線と呼ばれ、磁石の性能を表す際に用いられている。J−H減磁曲線において、永久磁石を着磁した状態で磁場Hを徐々に減少させ、磁場Hが0となった時の磁化Jを残留磁化Jrと呼ぶ。この残留磁化Jrは、永久磁石の残留磁束密度Brと等しい。磁場Hをさらに逆(マイナス)の方向に加え、磁化Jが0となった時の磁場Hを保持力Hcjと呼ぶ。保持力Hcjは、磁化Jが0となるように磁場Hを逆方向に加えるための減磁電流で表すこともできる。
ここで、図14に示すJ−H減磁曲線において、残留持続密度Br(=残留磁化Jr)の90%(=0.9Br)に対応する磁場HをHkとする。そして、磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)を永久磁石の角形性と呼ぶ。
フェライト磁石について、角形性(Hk/Hcj)と残留磁束密度Brおよび保持力Hcj(又は減磁電流)との関係について測定した結果を図15に示す。図15において、横軸は角形性(Hk/Hcj)(%)を示し、一方の縦軸は残留磁束密度Br(G)を示し、他方の縦軸は保持力Hcj(Oe)又は減磁電流(A)を示している。また、実線は、残留磁束密度Brを示し、破線は、保持力Hcj又は減磁電流を示す。
図15から、残留磁束密度Brは、角形性が85%以下では高い状態を維持しているが、85%より大きくなると低くなることが分かる。前述したように、残留磁束密度Brが高いと、磁束量が増大する。
また、保持力Hcj又は減磁電流は、角形性が80%以上では高い状態を維持しているが、80%より小さくなると低くなることが分かる。前述したように、保持力Hcj又は減磁電流が低いと、減磁しやすくなるため、フェライト磁石の厚さを厚くする必要がある。この場合、磁束量を増大させるのが難しい。
以上の点から、[0.8≦角形性(Hk/Hcj)≦0.85]を満足する角形性(Hk/Hcj)を有するフェライト磁石を用いることにより、保持力Hcjの低下を抑制しながら残留磁束密度Brを高めることができることが分かる。
したがって、本実施の形態では、第1の永久磁石121および第2の永久磁石122として、[0.8≦角形性(Hk/Hcj)≦0.85]を満足する角形性(Hk/Hcj)を有するフェライト磁石を用いている。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
なお、以下の各実施の形態では、固定子の構成は第1の実施の形態と同じであるため、回転子の構成についてのみ説明する。
また、第1の実施の形態の各構成要素に付されている参照符号と3桁目以外が同じである参照数字が付されている構成要素は、同じものを表している。
また、永久磁石として、第1の実施の形態と同様のフェライト磁石を用いている。
本発明の第2の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア200を、図4および図5を参照して説明する。図4は、回転子コア200を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図5は、図4の部分拡大図である。
回転子コア200の外周面201は、第1の実施の形態と同様に、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分201Aと、q軸と交差する第2の曲線部分201Bが交互に接続されて形成されている。
回転子コア200には、q軸に対して周方向に沿って一方方向側に、q軸に沿って、q軸側(他方方向側)に突出する円弧状に延びている第1の磁石挿入孔211が形成され、q軸に対して他方方向側に、q軸に沿って、q軸側(一方方向側)に突出する円弧状に延びている第2の磁石挿入孔212が形成されている。q軸に対して両側に配置されている第1の磁石挿入孔211と第2の磁石挿入孔212によって磁石挿入孔群が構成されている。
第1の磁石挿入孔211は、外周壁211a、第1の側壁211b、第2の側壁211c、内周壁211dおよび第1の斜壁211gによって形成されている。外周壁211aおよび内周壁211dは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁211bおよび第2の側壁211cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(他方方向側)に突出する円弧状に延びている。第1の斜壁211gは、第1の側壁211bと内周壁211dに接続されているとともに、直線状に延びている。
第2の磁石挿入孔212は、外周壁212a、第1の側壁212b、第2の側壁212c、内周壁212dおよび第2の斜壁212hによって形成されている。外周壁212aおよび内周壁212dは、径方向(q軸)に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側壁212bおよび第2の側壁212cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(一方方向側)に突出する円弧状に延びている。第2の斜壁212hは、第2の側壁212cと内周壁212dに接続されているとともに、直線状に延びている。
周方向に沿って隣接する永久磁石群のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hと他方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211g(d軸に対して一方方向側に配置される第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hと他方方向側に配置される第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211g)は、当該第2の磁石挿入孔212および第1の磁石挿入孔211に挿入される第2の永久磁石222および第1の永久磁石221により規定されるd軸に平行に直線状に延びている。
第1の磁石挿入孔211および第2の磁石挿入孔212に挿入される第1の永久磁石221および第2の永久磁石222は、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている。
第1の永久磁石221は、外周面221a、第1の側面221b、第2の側面221c、内周面221dおよび第1の斜面221gによって形成されている。外周面221aおよび内周面221dは、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側面221bおよび第2の側面221cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(他方方向側)に突出する円弧状に延びている。第1の斜面221gは、第1の側面221bと内周面221dに接続されているとともに、直線状に延びている。第1の永久磁石221の外周面221a、第1の側面221b、第2の側面221c、内周面221dおよび第1の斜面221gは、第1の磁石挿入孔211の外周壁211a、第1の側壁221b、第2の側壁221c、内周壁221dおよび第1の斜壁221gに対向する位置に配置される。
第2の永久磁石222は、外周面222a、第1の側面222b、第2の側面222c、内周面222dおよび第2の斜面222hによって形成されている。外周面222aおよび内周面222dは、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って直線状に延びている。第1の側面222bおよび第2の側面222cは、周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側(一方方向側)に突出する円弧状に延びている。第2の斜面222hは、第2の側面222cと内周面222dに接続されているとともに、直線状に延びている。第2の永久磁石222の外周面222a、第1の側面222b、第2の側面222c、内周面222dおよび第2の斜面222hは、第2の磁石挿入孔212の外周壁212a、第1の側壁212b、第2の側壁212c、内周壁212dおよび第2の斜壁212hに対向する位置に配置される。
第1の永久磁石221および第2の永久磁石222は、第1の実施の形態と同様に、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように、周方向に沿って着磁されている。
本実施の形態では、第1の磁石挿入孔211(外周壁211a)と回転子コア200の外周面201(第2の曲線部分201B)の間に第1の外周ブリッジ部205aが形成され、第2の磁石挿入孔212(外周壁212a)と回転子コア200の外周面201(第2の曲線部分201B)の間に第2の外周ブリッジ部205bが形成されている。
また、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔211と第2の磁石挿入孔212の間)に、内周ブリッジ部206が形成されている。
また、同じ磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔211と第2の磁石挿入孔212の間(q軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔211と第2の磁石挿入孔212の間)に、極間ブリッジ部207が形成されている。
特に、本実施の形態では、内周ブリッジ部206が、周方向に隣接する磁石挿入孔群のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hと、他方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211gの間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211gと第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hの間)に形成されている。
好適には、内周ブリッジ部206は、幅(周方向に沿った長さ)Tが0.35mm〜0,5mmの範囲内に設定され、長さ(径方向に沿った長さ)Lが1.5mm以上に設定される。
本実施の形態では、周方向に隣接する磁石挿入孔群のうち一方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hと、他方方向側に配置される磁石挿入孔群を構成する第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211g(d軸を挟んで両側に配置される第1の斜壁211gと第2の斜壁212h)によって、q軸に沿って延びる内周ブリッジ部206が形成されているため、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間の部分を介して磁束が短絡するのを防止することができる。さらに、内周ブリッジ部206を形成する第1の磁石挿入孔211の第1の斜壁211gと第2の磁石挿入孔212の第2の斜壁212hがd軸に平行に直線状に延びているため、遠心力に対する回転子コア200の強度をより高くすることができる。したがって、内周ブリッジ部206の幅Tをより小さくすることができ、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。
本発明の第3の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア300を、図6および図7を参照して説明する。図6は、回転子コア300を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図7は、図6の部分拡大図である。
回転子コア300の外周面301は、第2の実施の形態と同様に、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分301Aと、q軸と交差する第2の曲線部分301Bが交互に接続されて形成されている。
回転子コア300には、第2の実施の形態と同様の形状の第1の磁石挿入孔311および第2の磁石挿入孔312が形成されている。q軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔311と第2の磁石挿入孔312によって磁石挿入孔群が構成されている。
第1の磁石挿入孔311は、外周壁311a、第1の側壁311b、第2の側壁311c、内周壁311dおよび第1の斜壁311gにより形成されている。第2の磁石挿入孔312は、外周壁312a、第1の側壁312b、第2の側壁312c、内周壁312dおよび第2の斜壁312hにより形成されている。
第1の磁石挿入孔311には、第1の永久磁石321が挿入され、第2の磁石挿入孔312には、第2の永久磁石322が挿入されている。第1の永久磁石321は、外周面321a、第1の側面321b、第2の側面321cおよび内周面321dを有している。また、第2の永久磁石322は、外周面322a、第1の側面322b、第2の側面322cおよび内周面322dを有している。
第1の永久磁石321および第2の永久磁石322は、第2の実施の形態と同様に、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように、周方向に沿って着磁されている。
第1の磁石挿入孔311内には、第1の永久磁石321より内周側に(第1の磁石挿入孔311の内周壁311dと第1の永久磁石321の内周面321dの間に)空隙311mが形成されている。また、第2の磁石挿入孔312内には、第2の永久磁石322より内周側に(第2の磁石挿入孔312の内周壁312dと第2の永久磁石322の内周面322dの間に)空隙312mが形成されている。
これにより、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔311と第2の磁石挿入孔312の間)の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。
本発明の第4の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア400を、図8および図9を参照して説明する。図8は、回転子コア400を軸方向に直角な方向から見た断面図であり、図9は、図8の部分拡大図である。
回転子コア400の外周面401は、第2の実施の形態と同様に、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分401Aと、q軸と交差する第2の曲線部分401Bが交互に接続されて形成されている。
回転子コア400には、第2の実施の形態と同様の形状の第1の磁石挿入孔411および第2の磁石挿入孔412が形成されている。q軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔411と第2の磁石挿入孔412によって磁石挿入孔群が構成されている。
第1の磁石挿入孔411は、外周壁411a、第1の側壁411b、第2の側壁411c、内周壁411dおよび第1の斜壁411gにより形成されている。第2の磁石挿入孔412は、外周壁412a、第1の側壁412b、第2の側壁412c、内周壁412dおよび第2の斜壁412hにより形成されている。
第1の磁石挿入孔411には、第1の永久磁石421が挿入され、第2の磁石挿入孔412には、第2の永久磁石422が挿入されている。第1の永久磁石421は、外周面421a、第1の側面421b、第2の側面421cおよび内周面421dを有している。また、第2の永久磁石422は、外周面422a、第1の側面422b、第2の側面422cおよび内周面422dを有している。
第1の永久磁石421および第2の永久磁石422は、第1の実施の形態と同様に、N極の主磁極とS極の主磁極が周方向に沿って交互に配置されるように、周方向に沿って着磁されている。
本実施の形態では、第1の磁石挿入孔411内には、第1の永久磁石421より内周側に(第1の磁石挿入孔411の内周壁411dと第1の永久磁石421の内周面421dの間に)空隙411mが形成されている。また、第1の磁石挿入孔411内には、第1の永久磁石421より外周側(第1の磁石挿入孔411の外周壁411aと第1の永久磁石421の外周面421aの間に)空隙411nが形成されている。
同様に、第2の磁石挿入孔412内には、第2の永久磁石422より内周側に(第2の磁石挿入孔412の内周壁412dと第2の永久磁石422の内周面422dの間に)空隙412mが形成されている。また、第2の磁石挿入孔412内には、第2の永久磁石422より外周側(第2の磁石挿入孔412の外周壁412aと第2の永久磁石422の外周面422aの間に)空隙412nが形成されている。
これにより、周方向に隣接する磁石挿入孔群の間(d軸を挟んで両側に配置される第1の磁石挿入孔411と第2の磁石挿入孔412の間)の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。また、磁石挿入孔(第1の磁石挿入孔411の外周壁411a、第2の磁石祖入孔412の外周壁412a)と回転子コア400の外周面401(第2の曲線部分401B)の間の部分を介して磁束が短絡するのをより抑制することができる。
本発明の第5の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア500を、図10を参照して説明する。図10は、回転子コア500を軸方向に直角な方向から見た断面図の部分拡大図である。
回転子コア500の外周面501は、第1の実施の形態と同様に、曲率半径が異なる第1の曲線部分501Aと第2の曲線部分501Bにより形成されている。
回転子コア500には、第1の実施の形態と同様に、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている第1の磁石挿入孔511および第2の磁石挿入孔512が形成されている。
第1の磁石挿入孔511および第2の磁石挿入孔512には、q軸に沿って、q軸側に突出する円弧状に延びている第1の永久磁石521および第2の永久磁石522が挿入されている。
本実施の形態では、軸方向に直角な断面で見て、永久磁石の角部がR状(円弧状)に形成されている。すなわち、第1の永久磁石521の角部にR面(円弧状の面)521eが形成され、第2の永久磁石522の角部にR面522eが形成されている。R面を形成する角部は、適宜選択可能である。
本発明の第6の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア600を、図11を参照して説明する。図11は、回転子コア600を軸方向に直角な方向から見た断面図の部分拡大図である。
回転子コア600の外周面601は、第1の実施の形態と同様に、曲率半径が異なる第1の曲線部分601Aと第2の曲線部分601Bにより形成されている。
回転子コア600には、第1の実施の形態と同様に、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に、q軸に沿って、q軸側もに出する円弧状に延びている第1の磁石挿入孔611および第2の磁石挿入孔612が形成されている。
第1の磁石挿入孔611および第2の磁石挿入孔612には、q軸に沿って、q軸側に出する円弧状に延びている第1の永久磁石621および第2の永久磁石622が挿入されている。
本実施の形態では、軸方向に直角な断面で見て、永久磁石の角部がテーパー状(直線状)に形成されている。すなわち、第1の永久磁石621の角部にテーパー面(直線状の面)621fが形成され、第2の永久磁石622の角部にテーパー面622fが形成されている。テーパー面を形成する角部は、適宜選択可能である。
永久磁石の角部にテーパー面を形成した一例を図12に示す。図12は、図11に示されている第1の永久磁石621にテーパー面を形成したものである。
第1の永久磁石621は、外周面621a、第1の側面621b、第2の側面621c、内周面621dおよびテーパー面621f1〜621f4により形成されている。テーパー面621f1は、第2の側面621cと内周面621dとの間の角部に形成され、テーパー面621f2は、内周面621dと第1の側面621bとの間の角部に形成され、テーパー面621f3は、第2の側面621cと外周面621aとの間の角部に形成され、テーパー面621f4は、外周面621aと第1の側面621bとの間の角部に形成されている。図12に示す例では、テーパー面621f2と621f4に沿った線が、テーパー面621f1に沿った線およびテーパー面621f3に沿った線と直交(90度)している。これにより、円弧状に形成された磁石体から本実施の形態で用いる第1の永久磁石621および第2の永久磁石622を効率よく製造することができる。
第1〜第6の実施の形態では、回転子コアの外周面を、曲率半径が異なる第1の曲線部分と第2の曲線部分によって形成したが、円形形状に形成することもできる。
本発明の第7の実施の形態の永久磁石電動機で用いられている回転子の回転子コア700を、図13を参照して説明する。図13は、回転子コア700を軸方向に直角な方向から見た断面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態の回転子コア100の外周面を円弧形状に形成したものである。
回転子コア700の外周面701は、軸方向に直角な断面で見て、円形形状を有している。
回転子コア700には、第1の実施の形態と同様に、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に、q軸に沿って、q軸側に出する円弧状に延びている第1の磁石挿入孔711および第2の磁石挿入孔712が形成されている。
第1の磁石挿入孔711および第2の磁石挿入孔712には、q軸に沿って、q軸側に出する円弧状に延びている第1の永久磁石721および第2の永久磁石722が挿入されている。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択して組み合わせて用いることもできる。
回転子コアは、軸方向に直角な断面で見て、曲率半径が異なる第1の曲線部分と第2の曲線部分により形成された外周面を有するのが好ましいが、円形の外周面を有していてもよい。
磁石挿入孔や永久磁石の形状は、実施の形態で説明した形状に限定されず、種々の形状に設定することができる。
磁石挿入孔内の永久磁石より外周側および内周側の少なくとも一方に空隙を設ける構成は、適宜選択して用いることができる。
角形性(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]を満足するフェライト磁石を用いることによって、保持力の低下を抑制しながら残留磁束密度を高めて磁束量を増大させる構成と、磁石表面積を増大させることによって磁束量を増大させる構成を組み合わせて用いるのが好ましいが、いずれか一方の構成のみを用いることもできる。
例えば、「複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、前記複数の磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔により構成されており、
前記複数の永久磁石は、前記第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および前記第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により構成されており、前記第1の磁石挿入孔および前記第2の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置される第1の側壁および第2の側壁を有しており、前記第1の磁石挿入孔の前記第1の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して前記一方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第2の側壁によって内周ブリッジ部が形成され、前記第1の磁石挿入孔の前記第2の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して前記他方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第1の側壁によって極間ブリッジ部が形成されていることを特徴とする回転子。」として構成することができる。
本発明は、以下のように構成することもできる。
(態様1)
「複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、前記複数の磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔により構成されており、前記複数の永久磁石は、前記第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および前記第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により構成されており、前記第1の磁石挿入孔および前記第2の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置される第1の側壁および第2の側壁を有しており、前記第1の磁石挿入孔の前記第1の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して前記一方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第2の側壁によって内周ブリッジ部が形成され、前記第1の磁石挿入孔の前記第2の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して前記他方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第1の側壁によって極間ブリッジ部が形成されており、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石としてフェライト磁石が用いられており、前記フェライト磁石は、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]であることを特徴とする回転子。」
(態様2)
「態様1の回転子であって、前記第1の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、曲線状に延びている前記第1の側壁および前記第2の側壁、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁、前記第1の側壁と前記内周壁に接続されている第1の斜壁により形成されており、前記第2の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、曲線状に延びている第1の側壁および第2の側壁、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁、前記第2の側壁と前記内周壁に接続されている第2の斜壁により形成されており、前記第1の磁石挿入孔の前記第1の斜壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して周方向に沿って前記一方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第2の斜壁は、当該第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および当該第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により規定されるd軸と平行に延びているとともに、前記内周ブリッジ部を形成していることを特徴とする回転子。」
(態様3)
「態様1または2の回転子であって、前記第1の磁石挿入孔には、前記第1の永久磁石より内周側に空隙部が設けられ、前記第2の磁石挿入孔には、前記第2の永久磁石より内周側に空隙部が設けられていることを特徴とする回転子。」
(態様4)
「態様1〜3のいずれかの回転子であって、前記第1の磁石挿入孔には、前記第1の永久磁石より外周側に空隙部が設けられ、前記第2の磁石挿入孔には、前記第2の永久磁石より外周側に空隙部が設けられていることを特徴とする回転子。」
(態様5)
「態様1〜4のいずれかの回転子であって、前記回転子コアの外周面は、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分と、q軸と交差する第2の曲線部分が交互に接続されて形成されており、前記第1の曲線部分は、d軸上に曲率中心を有する円弧形状に形成され、前記第2の曲線部分は、q軸上に曲率中心を有し、前記第1の曲線部分の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧形状に形成されていることを特徴とする回転子。」
(態様6)
「固定子と、前記固定子に対して回転可能に支持された回転子を備え、前記固定子は、固定子コアと、固定子巻線を有し、前記回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している永久磁石電動機であって、前記回転子として請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転子が用いられていることを特徴とする永久磁石電動機。」
10 永久磁石電動機
20 固定子
30 固定子コア
40 固定子巻線
50 回転子
60 回転軸
100、200、300、400、500、600、700、800 回転子コア
101、201、301、401、501、601、701、801 外周面
101A、201A、301A、401A、501A、601A 第1の曲線部分
101B、201B、301B、401B、501B、601B 第2の曲線部分
101a、201a、301a、401a、501a、601a 接続点
102、202、302、402、502、602、702、802 内周面
105a、105b、205a、205b、305a、305b、405a、405b、505a,505b、605a、605b 外周ブリッジ部
106、206、306、406、506、606、706、806 内周ブリッジ部
107、207、307、407、507、607、707 極間ブリッジ部
111、112、211、212、311、312、411、412、511、512、611、612、711、712、811 磁石挿入孔
111a、112a、211a、212a、311a、312a、411a、412a、511a、512a、611a、612a 外周壁
111b、111c、112b、112c、211b、211c、212b、212c、311b、311c、312b、312c、411b、411c、412b、412c、511b、511c、512b、512c、611b、611c 側壁
111d、112d、211d、212d、311d、411d、411d、412d、511d、512d、611d、612d 内周壁
121、122、221、222、321、322、421、422、521、522、621、622、721、722、821 永久磁石
121a、122a、221a、222a、321a、322a、421a、422a、521a、522a、621a、622a 外周面
121b、121c、122b、122c、221b、221c、222b、222c、321b、321c、322b、322c、421b、421c、422b、422c。521b、521c、522b、522c、621b、621c、622b、622c 側面
121d、122d、221d、222d、321d、322d、421d、422d、521d、522d、621d、622d 内周面
211g、212h、311g、312h、411g、412h 斜壁
221g、222h 斜面
311m、312m、411m、412m、411n、412n 空隙
521e、522e R面
621f、622f、621f1〜621f4 テーパー面

Claims (5)

  1. 複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有し、前記複数の永久磁石によってd軸とq軸が規定される回転子であって、
    前記複数の磁石挿入孔は、軸方向に直角な断面で見て、q軸に対して周方向に沿って一方方向側および他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の磁石挿入孔および第2の磁石挿入孔により構成されており、
    前記複数の永久磁石は、前記第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および前記第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により構成されており、
    前記第1の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側壁および第2の側壁と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁と、前記第1の側壁と前記内周壁に接続されている第1の斜壁とにより形成されており、
    前記第2の磁石挿入孔は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側壁および第2の側壁と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周壁および内周壁と、前記第2の側壁と前記内周壁に接続されている第2の斜壁とにより形成されており、
    前記第1の磁石挿入孔と前記第2の磁石挿入孔との間の周方向に沿った間隔は、内周側よりも外周側の方が大きくなるように構成されており、
    前記第1の磁石挿入孔の前記第1の斜壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して周方向に沿って前記一方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第2の斜壁は、当該第1の磁石挿入孔に挿入される第1の永久磁石および当該第2の磁石挿入孔に挿入される第2の永久磁石により規定されるd軸に平行に延びているとともに、当該第1の斜壁と当該第2の斜壁によって、当該d軸に沿って直線状に延びる内周ブリッジ部が形成されており、
    前記第1の磁石挿入孔の前記第2の側壁と、当該第1の磁石挿入孔に対して周方向に沿って前記他方方向側に配置される前記第2の磁石挿入孔の前記第1の側壁によって極間ブリッジ部が形成されており、
    前記第1の磁石挿入孔には、前記第1の永久磁石より内周側に空隙部が設けられており、
    前記第2の磁石挿入孔には、前記第2の永久磁石より内周側に空隙部が設けられており、
    前記回転子コアの外周面は、軸方向に直角な断面で見て、d軸と交差する第1の曲線部分と、q軸と交差する第2の曲線部分が交互に接続されて形成されており、前記第1の曲線部分は、d軸上に曲率中心を有する円弧形状に形成され、前記第2の曲線部分は、q軸上に曲率中心を有し、前記第1の曲線部分の曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧形状に形成されており、
    前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石としてフェライト磁石が用いられており、
    前記フェライト磁石は、J−H減磁曲線における、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkと保持力Hcjとの比(Hk/Hcj)が[0.8≦(Hk/Hcj)≦0.85]であることを特徴とする回転子。
  2. 請求項1に記載の回転子であって、
    前記第1の永久磁石は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側面および第2の側面と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周面および内周面とにより形成されており、
    前記第2の永久磁石は、周方向に沿って前記一方方向側および前記他方方向側に配置され、q軸に沿って、q軸側に突出している曲線状に延びている第1の側面および第2の側面と、径方向に沿って外周側および内周側に配置され、周方向に沿って延びている外周面および内周面とにより形成されていることを特徴とする回転子。
  3. 請求項2に記載の回転子であって、
    前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石は、角部が直線状または円弧状に形成されていることを特徴とする回転子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転子であって、
    前記第1の磁石挿入孔には、前記第1の永久磁石より外周側に空隙部が設けられ、
    前記第2の磁石挿入孔には、前記第2の永久磁石より外周側に空隙部が設けられていることを特徴とする回転子。
  5. 固定子と、前記固定子に対して回転可能に支持された回転子を備え、前記固定子は、固定子コアと、固定子巻線を有し、前記回転子は、複数の磁石挿入孔が形成された回転子コアと、前記複数の磁石挿入孔に挿入された複数の永久磁石を有している永久磁石電動機であって、前記回転子として請求項1〜のいずれか一項に記載の回転子が用いられていることを特徴とする永久磁石電動機。

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