JP2015138633A - 負極用導電助剤、合材電極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

負極用導電助剤、合材電極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】より導電性が向上する負極用導電助剤、合材電極及びリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】負極用導電助剤は、表面に金属リチウムを含む被覆層が形成されたカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の負極用導電助剤、合材電極及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の負極活物質として、例えば特許文献1〜3に記載のように、良好な導電性を維持できるように繊維状のカーボンナノチューブ(カーボンナノファイバーともいう)を添加する開発が行われてきた。
特許文献1には、チタン酸リチウム(LiTi12)を含む負極活物質とカーボンナノチューブとの組み合わせが記載されている。特許文献2には、リチウムイオン二次電池用電極の負極用導電助剤としてカーボンナノチューブを用いることが記載されている。特許文献3には、カーボンナノチューブを複合化して用いることが記載されている。
また、負極活物質としてシリコン(Si)又は酸化シリコン(SiO)を用いると電極体積当たりの電池容量が増加することが知られている。その理由は、シリコン及び酸化シリコンの場合、1g当たりのリチウム(Li)吸蔵量が、それぞれ4000mAh程度及び2000mAh程度であり、天然黒鉛1g当たりのリチウム吸蔵量370mAhと比較して、非常に大きいからである。
しかしながら、シリコン系材料は、リチウムの挿入・脱離に伴って体積膨張を起こす。そうすると、電極層が体積膨張を繰り返すことにより、電極が崩壊してしまう。このため、シリコン系材料は、充放電のサイクルを繰り返している間に負極活物質と集電体との導電パスが切れ、電池として機能しなくなるので、サイクル寿命が短いという問題がある。これに対し、サイクル寿命を延ばすために、結着性の高いバインダーの開発がなされている。
また、繊維状のカーボンナノチューブを負極用導電助剤に用いて、シリコン系活物質粒子を被覆する技術が知られている。この場合、シリコン系活物質粒子の表面にカーボンナノチューブを被覆して、良好な電気伝導性を確保して、シリコン系活物質粒子がリチウムを吸蔵することにより、電池のサイクル寿命を延ばしていた。特に、電気伝導性の低い活物質に対して、有効な手段であった。
特開2013−77391号公報(第4頁[0017]及び[0017]参照) 特開2013−54978号公報(第8頁[0040]参照) 特開2013−127872号公報(第5頁[0025]参照)
しかしながら、結着性の高いバインダーを用いた場合、サイクル寿命は多少延びるが、シリコン系材料は、リチウム挿入・脱離を繰り返すと体積膨張を起こすので、電池の充放電に伴って電極の崩壊が起きてしまう不具合があった。
また、カーボンナノチューブを導電助剤に用いて、シリコン系活物質粒子を被覆した場合、体積抵抗率が10−2Ωcm程度であるカーボンナノチューブを用いながら良好な導電パスを作るには、電極へより多くシリコン系活物質粒子を添加する必要があった。
そこで本発明は、より導電性を向上することができる負極用導電助剤、合材電極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、リチウムイオン二次電池の負極用導電助剤が、表面に金属リチウムを含む被覆層が形成されたカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記被覆層の厚さが、1nm以上50nm未満であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、前記被覆層の厚さが、1nm以上30nm以下であることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、リチウムイオン二次電池の合材電極が、第1〜第3のいずれか1つの観点に基づくリチウムイオン二次電池の負極用導電助剤と、負極活物質と、バインダーとを含むことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく発明であって、前記負極活物質が、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、スズ(Sn)、スズ−コバルト化合物(Sn−Co)、酸化第二スズ(SnO)、天然黒鉛、人造黒鉛及びチタン酸リチウム(LiTi12)のうちいずれか1種であることを特徴とする。
本発明第6の観点は、第4又は第5の観点に基づく発明であって、前記バインダーが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)のうちいずれか1種であることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、リチウムイオン二次電池の負極が、第4〜第6のいずれか1つの観点に基づくリチウムイオン二次電池の合材電極を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明の第8の観点は、リチウムイオン二次電池が、第4〜第6のいずれか1つの観点に基づくリチウムイオン二次電池の合材電極を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明の第1の観点の負極用導電助剤では、カーボンナノチューブの表面に被覆層が形成されていることにより、カーボンナノチューブが形成する導電パスの電気抵抗を小さくすることができるので、より導電性を向上することができる。
本発明の第2の観点の負極用導電助剤では、より確実に導電性を向上することができる。
本発明の第3の観点の負極用導電助剤では、被覆層の厚さが1nm以上30nm以下の範囲においては、厚さが厚くなるにしたがって導電性が向上するので、より効率的に導電性を向上することができる。
本発明の第4〜第6の観点の合材電極では、カーボンナノチューブが負極活物質と線接触して導電パスを形成すると共に、カーボンナノチューブの表面に被覆層が形成されている。これにより、合材電極は、導電パスの電気抵抗を小さくすることができるので、より導電性を向上することができる。
本発明の第7の観点の負極では、より効果的に導電性を向上させることができる。
本発明の第8の観点のリチウムイオン二次電池では、電流を多く流した場合であっても、電極内部の抵抗が低いために電圧降下が起こらず、電荷を多く放電することができる。
表面に金属リチウムが付着したカーボンナノチューブを示す走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真である。 表面に金属リチウムが付着していないカーボンナノチューブを示すSEM写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.実施形態
(全体構成)
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極と負極と電解質とを備える。正極及び電解質は、公知の正極及び電解質を使用することができるので、説明を省略する。負極は、集電体と、当該集電体上に形成された合材電極とを有する。合材電極は、負極用導電助剤と負極活物質とバインダーとを含む。合材電極中の負極用導電助剤の含有割合は、通常0.1〜7.0質量%程度、好ましくは0.2〜4.0質量%、より好ましくは0.5〜2.0量%である。
負極用導電助剤は、表面に金属リチウムを含む被覆層が形成されたカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、自在に曲げることが可能であり、負極活物質と線接触し、合材電極内において導電パスを形成する。
カーボンナノチューブは、化学気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などの方法で合成することができる。本実施形態においては、直径が1〜900nmのカーボンナノチューブを用いる。カーボンナノチューブの直径は、可撓性の観点から、2〜200nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
負極活物質上に付着するバインダー、増粘剤、カーボンナノチューブを含む被覆層の厚さは、1nm以上50nm未満が好ましい。被覆層の厚さが1nm以上50nm未満である場合、被覆層を有しない場合に比べ、より導電性を向上することができる。なお、厚さを50nm以上にしても、導電性の向上効果はすでに限界に達しており、それ以上の効果を得ることは難しい。これは、被覆層の厚さが50nm以上の場合には、カーボンナノチューブ表面の上記被覆層により、活物質表面も多くの金属リチウムで被覆されてしまい、充放電に伴う金属リチウムの出し入れができなくなるためであると考えられる。
また被覆層の厚さは、1nm以上30nm以下がより好ましい。被覆層の厚さが1nm以上30nm以下である場合、この範囲内では被覆層の厚さが厚くなるにしたがって導電性が向上する。
負極活物質としては、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、スズ(Sn)、スズ−コバルト化合物(Sn−Co)、酸化第二スズ(SnO)、天然黒鉛、人造黒鉛及びチタン酸リチウム(LiTi12)から選ばれる負極活物質が好ましい。スズ−コバルト化合物としては、Sn0.9Co0.1などが挙げられる。通常、黒鉛が負極活物質として最も使用されており、場合によっては、それに、Si系や、Sn系が添加されている。あるいは、Si系や、Sn系の単独の活物質を用いても充放電が可能である。合材電極中の負極活物質の含有割合は、黒鉛や、Si系、Sn系、チタン酸リチウムの単独の活物質のみの場合は、通常90〜99質量%程度、好ましくは93〜98質量%、より好ましくは95〜97質量%である。黒鉛にブレンドしてSi系や、Sn系が添加される場合には、通常0.5質量%〜20質量%が黒鉛の代わりに添加される。その添加量は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.5〜5質量%である。
バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)から選ばれるバインダーが好ましい。カルボキシメチルセルロースは増粘剤であるが、バインダーとしても機能する。
(製造方法)
次に、上記のように構成されたリチウムイオン二次電池の製造方法を説明する。本実施形態の場合、正極及び電解質は公知の構成を用いることができるので、説明を省略する。以下、本実施形態に係る負極の製造方法について詳しく説明する。合材電極を形成するには、負極スラリーを調整する。負極スラリーは、カーボンナノチューブ、負極活物質及びバインダーを所定の質量比で混合して作製する。
カーボンナノチューブは、合成後、硝酸を用いて表面を酸化処理するのが好ましい。この酸化処理は、例えば特開2013-77479号公報などに記載の方法により行うことができる。カーボンナノチューブに、表面酸化処理を施すには、先ず、硝酸と硫酸の混酸を調製する。このうち濃硝酸と濃硫酸の混酸が好ましい。カーボンナノチューブ1gに対して、濃硫酸(95%濃度)20mLを投入し、100℃まで加熱し、撹拌する。その後、0.1〜20mLの濃硝酸(60%濃度)をこの液に投入し、酸化処理を行う。この時、投入する混酸量が少なすぎると、酸化処理が不十分となり、電極ペーストを作製した場合にカーボンナノチューブの分散性の効果が十分に得られない場合があり、一方、硝酸量が多すぎると、酸化処理が過度となり、カーボンナノチューブ自体が溶解してしまう不具合が生じる傾向がみられる。
次に、この液を80〜100℃の温度を保持したまま、好ましくは30〜120分間攪拌を続け、酸化処理を行う。このとき、酸化処理の処理時間が下限値未満では、酸化処理が不十分となり、所望の比表面積を有するカーボンナノチューブが得られない場合がある。一方、上限値を越えると、所望の比表面積を有するカーボンナノチューブが得られない、或いはカーボンナノチューブが溶解する不具合が生じる場合があるため好ましくない。
酸化処理後、液温を30℃以下まで低下させ、例えばろ過等により固液分離して固形分を回収する。回収した固形分は、イオン交換水を用いて、好ましくは3〜5回洗浄を行う。洗浄後、固形分を乾燥機内へ移し、好ましくは100〜150℃の温度で真空乾燥する。
次に、上記酸化処理されたカーボンナノチューブを溶媒に添加して分散液を調製する。上記乾燥後の表面酸化処理されたカーボンナノチューブに、溶媒を固形重量の10〜30倍相当を加え、室温でスターラにより3時間撹拌することにより、溶媒中に表面酸化処理されたカーボンナノチューブが均一に分散している導電助剤分散液が得られる。溶媒としては、有機系ではN−メチルピロリドン(NMP)、水系ではイオン交換水が挙げられる。
このように構成された本発明の導電助剤分散液では、表面酸化処理したカーボンナノチューブが均一に分散しているので、高い分散性を有し、電極ペーストを調製する際に、カーボンナノチューブが凝集したり、「だま」を形成することなく、均一に分散することが可能である。
よって、上記の操作により、カーボンナノチューブは、表面の酸化処理により、カーボンナノチューブ表面にカルボキシル基等の官能基が生成される。これにより、酸化処理されたカーボンナノチューブを二次電池の電極として組み込んだ場合、初回充電時に金属リチウムが析出しやすくなると考えられる。
負極活物質として黒鉛、バインダーとしてCMC及びSBRを用いて負極スラリーを作製する場合について以下説明する。この場合、黒鉛、CMC、SBR、カーボンナノチューブの質量比を、97:1:1:1とする。
まず、1当量のCMCを十分に水に溶解させ、2質量%の水溶液とする。そこに、黒鉛を97当量投入し、自転公転ハイブリッドミキサー((株)シンキー製、モデル:ARE−310)にて、回転数2000rpmで、5分間混合する。その後、カーボンナノチューブを1当量投入し、再度、同じミキサーで、5分間混合する。その後、SBR固形分が全電極固形比の1当量になるように、SBRのエマルジョンを投入し、再度、同じミキサーで、5分間混合する。黒鉛、CMC、SBR、カーボンナノチューブを混合した後の負極スラリーの固形分比率は44質量%となる。すなわち56質量%の水を含む負極スラリーが作製される。
この負極スラリーを、集電体としての銅箔上にコンマロールコータを用いて塗工し、遠赤外線ヒータにて150℃で乾燥する。このようにして集電体上に合材電極が形成された負極を作製することができる。
上記のように作製された負極は、セパレータを挟んで正極に対向するように配置され、ケーシング内に収容される。さらにケーシング内にリチウムイオンを含む電解質を充填することにより、リチウムイオン二次電池が形成される。このリチウムイオン二次電池において、負極に0.005V(vs.Li/Li)程度の電圧を印加し、初期充電を行う。そうすると、合材電極中のカーボンナノチューブの表面に金属リチウムを含んだ被覆層が形成される。以上のようにして本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を作製することができる。
(作用及び効果)
合材電極は、カーボンナノチューブが負極活物質と線接触して導電パスを形成すると共に、カーボンナノチューブの表面に被覆層が形成されている。これにより、合材電極は、カーボンナノチューブが形成する導電パスの電気抵抗を小さくすることができるので、より導電性を向上することができる。
すなわち、カーボンナノチューブの体積抵抗率が4.0×10−2Ωcmであるのに対し、金属リチウムの体積抵抗率は9.26×10−6Ωcmである。したがって、金属リチウムを含有する被覆層によってカーボンナノチューブが形成する導電パスの電気抵抗値を小さくすることができるので、合材電極は、電気抵抗をより小さくすることができる。
上記のように合材電極は、負極の導電性を向上することができるので、電流を多く流した場合であっても、電極内部の抵抗が低いために電圧降下が起こらず、電荷を多く放電することができるリチウムイオン二次電池を形成することができる。
また負極活物質としてシリコン系材料を用いた場合、当該負極活物質がリチウムの挿入・脱離に伴って体積膨張を起こしても、合材電極に含まれるカーボンナノチューブが合材電極の形状を保持する。したがって合材電極は、負極活物質としてシリコン系材料を用いた場合に、充放電のサイクル中に電極が崩壊することを防ぐことができるので、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命を延ばすことができる。
2.実施例
以下、実施例について説明する。本実施例においては、負極活物質と放電容量の関係、及び合材電極の厚さと放電容量の関係について確認した。
(2−1)負極活物質との関係
上記「製造方法」に示した手順で、実施例1に係る負極を作製した。合材電極は、単位面積あたりの容量が3.5mAh/cmとなるように、厚さを8nmとした。また直径15〜17nmのカーボンナノチューブを用いた。
負極活物質をSiOとし、SiO、CMC、SBR、カーボンナノチューブの質量比を、91:1:3:5とし、合材電極の厚さを10nmとした以外は実施例1と同様にして実施例2に係る負極を作製した。
負極活物質をSn0.9Co0.1とし、Sn0.9Co0.1、CMC、SBR、カーボンナノチューブの質量比を、86:1:3:10とし、合材電極の厚さを15nmとした以外は実施例1と同様にして実施例3に係る負極を作製した。
負極活物質をLiTi12とし、合材電極の厚さを5nmとした以外は実施例1と同様にして実施例4に係る負極を作製した。
酸化処理がされていないカーボンナノチューブを用いた以外は、上記実施例1〜4とそれぞれ同様にして比較例1〜4に係る負極を作製した。
作製した負極は3.5cm×2.5cmの大きさに切断し、各試料を得た。各試料に、Ni製のリード端子をスポット溶接した。対極として、厚さ0.25mm、4.0cm×3.0cmの大きさの金属リチウム箔を用いた。試料は、厚さ20μmのポリプロピレン製のセパレータを挟んで、対極に対向するように配置した。さらに参照極として、厚さ0.25mm、2.0cm×5mmの大きさの金属リチウム箔を試料の合材電極が設けられていない面に上記セパレータと同じ構成のセパレータを挟んで配置した。
このようにして形成された3極式セルをアルミニウムラミネートパック内に載置し、1M−LiPFを含むEC(エチレンカーボネート):DEC(ジエチルカーボネート)=1:1の電解質を充填し、真空パックして、ラミネートセルを作製した。
ラミネートセルに、0.2C、終止電圧0.005V(vs.Li/Li)の設定で、初期充電を行った。初期充電後の合材電極表面の走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真を図1及び図2に示す。カーボンナノチューブの直径は、実施例1に係る図1においては25nm〜33nmであるのに対し、比較例1に係る図2においては15nm〜17nmであるのが確認できた。用いたカーボンナノチューブの直径が15〜17nmであることから、比較例1では、初期充電後のカーボンナノチューブに変化がないことが分かる。一方、実施例1では、カーボンナノチューブの表面に5〜8nmの層が形成されているといえる。
この層において、オージェ電子分光分析(装置:アルバックファイ、型番:PHI-700Xi)により、カーボンナノチューブ1g当たり、金属リチウムが0.11g、LiOが0.24g検出された。このことから、この層が、金属リチウムを含む被覆層であることが確認できた。
(放電容量)
放電容量は、充放電試験装置(アスカ電子(株)製、モデル:ACD−R1APS)を用い、温度25±1℃において、CC−CV充電を0.2C、0.005V(V/Li)設定の条件で上記ラミネートセルに十分に充電させた後、CC放電をnC−1.0V(V/Li)カットオフ設定(n=2、1又は0.2)の条件で測定した。表1に放電容量を測定した結果を示す。
Figure 2015138633
表1から明らかなように、実施例1〜4は、比較例に比べ、放電容量が大きいことが確認できた。実施例1〜4は、導電助剤において金属リチウムが炭素に対して、1/10程度生成されている。金属リチウムの体積抵抗率は、炭素(カーボンナノチューブ)に較べて、1/10000程度であるために、実施例1〜4の負極の抵抗が低下し、電池特性が向上したと考えられる。このことから、カーボンナノチューブの表面に形成されている被覆層が、カーボンナノチューブによって形成される導電パスの電気抵抗を小さくできることが確認できた。
負極活物質に黒鉛を用いた実施例1と比較例1を比較する。実施例1では、2C放電容量が352mAh/gと高く、黒鉛の理論容量である372mAh/gに近い結果が得られているが、比較例1では、2C放電容量が266mAh/gと低い結果となっている。
負極活物質にSiOを用いた実施例2と比較例2を比較する。実施例2では、0.2C放電容量が1320mAh/gと高く、SiOの理論容量である2000mAh/gには届かないが、比較例2では、0.2C放電容量が720mAh/gとより低い結果となっている。なお、活物質がSiOである場合、金属リチウムの出し入れの速度が比較的遅いため、0.2Cのゆっくりした放電を実施して、その容量差を比較した。
負極活物質にSnCoを用いた実施例3と比較例3を比較する。実施例3では、1C放電容量が720mAh/gと高く、Snの理論容量である994mAh/gには届かないが、比較例3では、1C放電容量が470mAh/gとより低い結果となっている。
負極活物質にLiTi12を用いた実施例4と比較例4を比較する。実施例4では、2C放電容量が146mAh/gと高く、LiTi12の理論容量である175mAh/gには届かないが、比較例4では、2C放電容量が92mAh/gとより低い結果となっている。
以上より、被覆層が形成されたカーボンナノチューブを含む合材電極を用いることにより、活物質の理論容量により近い放電容量が得られ、電極特性を向上できることが確認できた。
(2−2)合材電極の厚さとの関係
被覆層の厚さを、1nm(実施例5)、4nm(実施例6)、30nm(実施例7)、50nm(実施例8)とした以外は実施例1と同様にしてラミネートセルを作製し、実施例1と同様の放電試験を行った。表2に放電容量を測定した結果を示す。
Figure 2015138633
ここで、使用した濃硝酸は、濃度60.0%、密度1.36g/cm、モル濃度12.95mol/Lである。カーボンナノチューブ1gに対する濃硫酸量は20mLであり、一定とした。
実施例5は、カーボンナノチューブ1gを濃硝酸0.1mLと濃硫酸20mLとの混酸で酸化処理したカーボンナノチューブを用い、黒鉛を活物質として電極を作製し初回の充放電を実施後にカーボンナノチューブ表面にLiの析出物があるか否かを確認した例である。実施例1、5〜8では、カーボンナノチューブ1gに対して、0.1〜20mLの濃硝酸を用いてカーボンナノチューブの酸化処理を行った。これらの場合、カーボンナノチューブ表面にLiを含む析出物が存在していることがオージェ電子分光分析装置により確認された。しかし、比較例1に示すように、濃硝酸の添加量が0.01mLでは、カーボンナノチューブ表面にLiを含む析出物が存在していることを確認することができなかった。従って、濃硝酸による酸化処理の程度が高い程、カーボンナノチューブ表面へのLiを含む析出物が多くなると考えられる。
被覆層の厚さが1nmから30nmの範囲では、被覆層の厚さが厚くなるにしたがって、放電容量が増加することが確認できた。一方、被覆層の厚さが50nmの場合には、厚さ30nmの場合に比べ放電容量が低下する傾向が見られた。
3.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、初期充電によってカーボンナノチューブ表面に金属リチウムを析出させ、被覆層を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、スパッタ法などにより、カーボンナノチューブ表面に被覆層を形成することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 表面に金属リチウムを含む被覆層が形成されたカーボンナノチューブを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の負極用導電助剤。
  2. 前記被覆層の厚さが、1nm以上50nm未満であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の負極用導電助剤。
  3. 前記被覆層の厚さが、1nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の負極用導電助剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の負極用導電助剤と、
    負極活物質と、バインダーとを含む
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池の合材電極。
  5. 前記負極活物質が、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、スズ(Sn)、スズ−コバルト化合物(Sn−Co)、酸化第二スズ(SnO)、天然黒鉛、人造黒鉛及びチタン酸リチウム(LiTi12)のうちいずれか1種である
    ことを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池の合材電極。
  6. 前記バインダーが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)のうちいずれか1種であることを特徴とする請求項4又は5に記載のリチウムイオン二次電池の合材電極。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の合材電極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池の負極。
  8. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の合材電極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池。
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