JP2015138569A - 半導体記憶装置及び半導体記憶装置の制御方法 - Google Patents

半導体記憶装置及び半導体記憶装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リファレンスセルの抵抗値が中間抵抗値からずれている場合でも適切にデータ読み出しができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、メモリセルと、リファレンスセルと、メモリセルに第1の電流を流す第1の電流源と、リファレンスセルに第2の電流を流す、電流量の可変な第2の電流源と、メモリセルの端子間電圧に応じた電圧とリファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較するセンスアンプと、第2の電流源の電流量を定める電流量設定回路とを含み、データ値が0のメモリセルの端子間電圧とデータ値が1のメモリセルの端子間電圧との間にリファレンスセルの端子間電圧が設定されるように、第2の電流源の電流量が電流量設定回路により定められる。
【選択図】図7

Description

本願開示は、半導体記憶装置及び半導体記憶装置の制御方法に関する。
あるタイプの半導体メモリにおいては、メモリセルの抵抗値の変化により情報を記憶する。例えばフラッシュメモリやスピン注入型MRAM(磁気抵抗メモリ:magnetoresistive random access memory)等がそのようなタイプの半導体メモリである。データ読み出し時には、読み出し電流をメモリセルとリファレンスセルとに流し、メモリセルの端子間電圧とリファレンスセルの端子間電圧とを比較することにより、メモリセルのデータが0であるのか1であるのかを判定している。
理想的には、リファレンスセルの抵抗値は、0又は1の一方に相当するメモリセルの高抵抗値と0又は1の他方に相当するメモリセルの低抵抗値との中間の抵抗値となるように設定される。製品ばらつき等により、リファレンスセルの抵抗値が中間の抵抗値からずれ、メモリセルの高抵抗値又は低抵抗値の何れか一方に近い値となると、読み出しマージンが狭くなる。読み出しマージンが狭いと、電圧値の比較判定に時間がかかったり、場合によっては読み出しデータが誤ったりしてしまう。
特開2003−203474号公報 特開2004−20325号公報 特開2004−62922号公報
以上を鑑みると、リファレンスセルの抵抗値が中間抵抗値からずれている場合でも適切にデータ読み出しができる半導体記憶装置が望まれる。
半導体記憶装置は、メモリセルと、リファレンスセルと、前記メモリセルに第1の電流を流す第1の電流源と、前記リファレンスセルに第2の電流を流す、電流量の可変な第2の電流源と、前記メモリセルの端子間電圧に応じた電圧と前記リファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較するセンスアンプと、前記第2の電流源の前記電流量を定める電流量設定回路とを含み、データ値が0の前記メモリセルの端子間電圧とデータ値が1の前記メモリセルの端子間電圧との間に前記リファレンスセルの端子間電圧が設定されるように、前記第2の電流源の前記電流量が前記電流量設定回路により定められる。
半導体記憶装置の制御方法は、メモリセルに第1の電流を流し、リファレンスセルに第2の電流を流し、前記メモリセルの端子間電圧に応じた電圧と前記リファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較し、前記比較の結果に応じて前記第2の電流の量を調整し、前記調整した電流の量を指定するデータを不揮発性のレジスタに格納する各段階を含む。
少なくとも1つの実施例によれば、リファレンスセルの抵抗値が中間抵抗値からずれている場合でも適切にデータ読み出しができる。具体的には、リファレンスセルの読み出し電流を調整することにより、読み出し電圧を適切な値に設定して、読み出しマージンを十分に確保することができる。
半導体記憶装置の構成の一例を示す図である。 メインメモリセルアレイ及びリファレンスセルの回路構成の一例を示す図である。 スピン注入型MRAMに対する書き込み動作及び読み出し動作について説明するための図である。 書き込み動作及び読み出し動作を説明するための図である。 書き込み動作時の各信号波形を示す図である。 読み出し動作時の各信号波形を示す図である。 センスアンプ及びその周辺の回路構成の一例を示す図である。 磁気トンネル接合素子の理想的な抵抗値の分布の一例を示す図である。 磁気トンネル接合素子の抵抗値の分布の一例を示す図である。 読み出し時の電圧値に対するメモリセルの分布を示す図である。 リファレンスセルの電流源及び電流量設定回路の回路構成の一例を示す図である。 論理回路の入出力関係を示す真理値表である。 リファレンスセルの読み出し電流量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。 リファレンスセルの抵抗値が理想的な値である場合のシミュレーション波形である。 リファレンスセルの抵抗値が理想的な値からずれた場合のシミュレーション波形である。 リファレンスセルの抵抗値が理想的な値からずれた条件において電流量調整した場合のシミュレーション波形である。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。異なる図面において、同一又は対応する構成要素は同一又は対応する番号で参照し、その説明は適宜省略する。
図1は、半導体記憶装置の構成の一例を示す図である。図1に示す半導体記憶装置10は、コントローラ11、書き込み&読み出し回路12、不揮発性レジスタ13A、テスト用レジスタ13B、行デコーダ14、列デコーダ15、及びメモリセルアレイ16を含む。図1において、各ボックスで示される各回路又は機能ブロックと他の回路又は機能ブロックとの境界は、基本的には機能的な境界を示すものであり、物理的な位置の分離、電気的な信号の分離、制御論理的な分離等に対応するとは限らない。各回路又は機能ブロックは、他のブロックと物理的にある程度分離された1つのハードウェアモジュールであってもよいし、或いは他のブロックと物理的に一体となったハードウェアモジュール中の1つの機能を示したものであってもよい。
メモリセルアレイ16は、メインメモリセルアレイ17とリファレンスセル18とを含む。メインメモリセルアレイ17には、複数のメモリセルが縦横に配置され、各メモリセルに対して1ビットのデータを読み書きするためのアドレス指定やデータ伝送等のための回路や配線が設けられている。MRAMの場合であれば、磁気トンネル接合素子が各メモリセルのメモリ素子であり、フラッシュメモリの場合であれば、フローティングゲートを有する電界効果トランジスタが各メモリセルのメモリ素子である。
コントローラ11は、外部からクロック信号及びコントロール信号を受け取り種々の内部制御信号を生成することにより、半導体記憶装置10の各部の動作及びそのタイミングを制御する。コントローラ11は、コントロール信号で示されるコマンドを解釈し、クロック信号に基づいたタイミングで上記の内部制御信号を生成する。即ちコントローラ11が、内部制御用のクロック信号やタイミング信号を半導体記憶装置10の各ユニットに供給し、各ユニットが適切なタイミングで動作することによって、半導体記憶装置10のデータ書き込み及びデータ読み出し動作が実現される。
行デコーダ14は、外部から供給されるアドレスのうちのローアドレスをデコードし、ローアドレスに対応するワード線を選択活性化する。列デコーダ15は、外部から供給されるアドレスのうちのコラムアドレスをデコードし、コラムアドレスに対応するコラム線を選択活性化する。これによって対応するコラムトランジスタが導通され、メインメモリセルアレイ17の選択されたビット線と書き込み&読み出し回路12とが接続される。書き込み&読み出し回路12により、活性化ワード線及び活性化コラム線により選択されたメモリセルに対するデータ書き込み動作又はデータ読み出し動作が実行される。
以下においては、MRAMを例としてメモリセルアレイ16の構成及び動作について説明する。但し、本願開示の構成を適用可能な半導体記憶装置は、MRAMに限定されるものではなく、メモリセルの抵抗値の変化により情報を記憶するタイプの半導体記憶装置であればよい。
図2は、メインメモリセルアレイ17及びリファレンスセル18の回路構成の一例を示す図である。図2において、図1と同一又は対応する構成要素は同一又は対応する番号で参照し、その説明は適宜省略する。
メインメモリセルアレイ17においては、セルトランジスタ20及び磁気トンネル接合素子21とを含むメモリセルが縦横に配置されている。各磁気トンネル接合素子21の一端は、ワード線WLによりオン・オフが制御されるセルトランジスタ20を介してソース線SLに接続される。また各磁気トンネル接合素子21の他端はビット線BLに接続されている。このビット線BLが前述のように列デコーダ15を介して書き込み&読み出し回路12に接続される。
リファレンスセル18においては、セルトランジスタ22及び磁気トンネル接合素子23とを含むリファレンスセルが一列に配置されている。各磁気トンネル接合素子23の一端は、ワード線WLによりオン及びオフが制御されるセルトランジスタ20を介してソース線SLに接続される。また各磁気トンネル接合素子23の他端はビット線BLに接続されている。このビット線BLは書き込み&読み出し回路12に接続されている。
書き込み&読み出し回路12は、コラムアドレス及びローアドレスにより選択されたメモリセルと、ローアドレスにより選択されたリファレンスセルとに電流を流す。書き込み&読み出し回路12のセンスアンプが、メモリセルの端子間電圧に応じた電圧とリファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較することにより、メモリセルの記憶データを検出する。
図3は、スピン注入型MRAMに対する書き込み動作及び読み出し動作について説明するための図である。図3において、図2と同一又は対応する構成要素は同一又は対応する番号で参照し、その説明は適宜省略する。
磁気トンネル接合素子21は、自由層21A、バリア層21B、及び固定層21Cを含む。前述のように、磁気トンネル接合素子21の一端は、ワード線WLによりオン・オフが制御されるセルトランジスタ20を介してソース線SLに接続される。また各磁気トンネル接合素子21の他端はビット線BLに接続されている。ビット線BLは図1に示す列デコーダ15を介して書き込み&読み出しバイアス生成回路25及びPMOSトランジスタ26に接続される。列デコーダ15は、図3において図示を省略してある。書き込み&読み出しバイアス生成回路25及びセンスアンプ26は、書き込み&読み出し回路12の一部であってよい。センスアンプ26が、磁気トンネル接合素子21の端子間電圧に応じた電圧とリファレンスセル18の磁気トンネル接合素子23の端子間電圧に応じた電圧とを比較することにより、メモリセルの記憶データを検出する。
書き込み動作時には、書き込み&読み出しバイアス生成回路25が、磁気トンネル接合素子21に電圧を印可することにより、0又は1のデータを書き込む。書き込み&読み出しバイアス生成回路25により電圧を印加する方向を変えることにより、磁気トンネル接合素子21に流れる電流の向きを変え、書き込むデータが0であるか1であるかを制御する。
図4は、書き込み動作及び読み出し動作を説明するための図である。図5は、書き込み動作時の各信号波形を示す図である。図6は、読み出し動作時の各信号波形を示す図である。図3乃至図6を用いて、書き込み動作及び読み出し動作について説明する。
書き込み動作時には、図5に示すようにワード線WL及びコラム活性化信号COLを電源電圧VDDに設定し、磁気トンネル接合素子21を書き込み&読み出しバイアス生成回路25に接続する。書き込み&読み出しバイアス生成回路25は、磁気トンネル接合素子21に電源電圧VDD(例えば1.2V)の書き込み信号WDを印可する。この時、図4(a)に示す矢印の方向に電流が流れるように電圧印加された場合には、自由層21Aと固定層21Cとで電子のスピンの向きが平行となる。これにより、磁気トンネル接合素子21の抵抗値が小となり、データ0が書き込まれたことになる。また図4(b)に示す矢印の方向に電流が流れるように電圧印加された場合には、自由層21Aと固定層21Cとで電子のスピンの向きが反平行となる。これにより、磁気トンネル接合素子21の抵抗値が大となり、データ1が書き込まれたことになる。
読み出し動作時には、図6に示すように、ワード線WL及びコラム活性化信号COLを電源電圧VDDに設定し、磁気トンネル接合素子21を書き込み&読み出しバイアス生成回路25に接続する。書き込み&読み出しバイアス生成回路25は更に、クランプ信号VCLAMPを電圧Vclampに設定するとともに、センスアンプ活性化信号SEを電源電圧VDDに設定してセンスアンプ26(図3)を活性化する。クランプ信号VCLAMP及びセンスアンプ活性化信号SEについては後程説明する。書き込み&読み出しバイアス生成回路25の内部のクランプトランジスタのゲートに印可されるクランプ信号VCLAMPを電圧Vclampに設定することで、磁気トンネル接合素子21に印可される電圧を「電圧Vclamp−閾値電圧」に設定する。これにより磁気トンネル接合素子21に流れる電流量を書き込み時の電流量以下に制限して、スピン反転が発生しないようにしながら、データ読み出しを行うことができる。即ち、センスアンプ26が、磁気トンネル接合素子21の端子間電圧に応じた電圧とリファレンスセル18の磁気トンネル接合素子23の端子間電圧に応じた電圧とを比較することにより、メモリセルの記憶データを検出する。磁気トンネル接合素子21の抵抗値が小のときにはデータ0が読み出され、磁気トンネル接合素子21の抵抗値が大のときにはデータ1が読み出される。
図7は、センスアンプ及びその周辺の回路構成の一例を示す図である。図7において、センスアンプは、PMOSトランジスタ37乃至41及びNMOSトランジスタ42乃至47を含む。信号se1及びse2が前述のセンスアンプ活性化信号SEに相当し、これらの信号がHIGHとなることにより、センスアンプが活性化されてセンス動作を実行する。PMOSトランジスタ31及び32並びにNMOSトランジスタ33及び34は、書き込み&読み出しバイアス生成回路25の一部であってよい。トランスファーゲート35及び36は、列デコーダ15の一部であってよい。
PMOSトランジスタ31は、磁気トンネル接合素子21及びセルトランジスタ20を含むメモリセルに第1の電流を流す第1の電流源である。PMOSトランジスタ32は、磁気トンネル接合素子23及びセルトランジスタ22を含むリファレンスセルに第2の電流を流す、電流量の可変な第2の電流源である。センスアンプは、メモリセルの端子間電圧に応じた電圧(NMOSトランジスタ44のゲートの電圧)とリファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧(NMOSトランジスタ45のゲートの電圧)とを比較する。比較結果は、ReadOut(及びref)として出力される。
コラム信号CSは、コラム活性化信号COLとコラムアドレスとにより生成される信号であり、コラム毎(ビット線毎)に設けられる。コラムアドレスが指定するコラムに対応するコラム信号CSは、コラム活性化信号COLがHIGHになるとHIGHに設定される。書き込み及び読み出し動作時には、トランスファーゲート35及び36が導通して、メモリセルとリファレンスセルとがそれぞれの電流源であるPMOSトランジスタ31及び32に接続される。読み出し時には、前述のように、クランプトランジスタ33及び34のゲートに印可されるクランプ信号VCLAMPを電圧Vclampに設定することで、磁気トンネル接合素子21及び23に印可される電圧を「電圧Vclamp−閾値電圧」に設定する。これにより電流量を制限して、スピン反転が発生しないようにしながら、データ読み出しを行うことができる。
図8は、磁気トンネル接合素子の理想的な抵抗値の分布の一例を示す図である。図8において、横軸は抵抗値、縦軸はメモリセルの数である。多数のメモリセルにデータ0を書き込みをしたとき、各抵抗値を有するメモリセルの数は分布曲線50のように分布する。また多数のメモリセルにデータ1を書き込みをしたとき、各抵抗値を有するメモリセルの数は分布曲線52のように分布する。分布曲線51は、各抵抗値を有するリファレンスセルの数の分布である。理想的には、図8に示すように、リファレンスセルの分布曲線51の分布の中心の抵抗値は、分布曲線50の分布の中心の抵抗値と分布曲線52の分布の中心の抵抗値との中間の値となることが好ましい。
リファレンスセルの磁気トンネル接合素子23は、メモリセルの磁気トンネル接合素子21よりも面積を大きく設計する。リファレンスセルを高抵抗状態(反平行化状態)に書込んだ状態で、リファレンスセルの抵抗値がメモリセルの高抵抗値と低抵抗値との中間の抵抗値となるように、リファレンスセルの磁気トンネル接合素子23の面積を設定する。
図2に示すように、一本のワード線WLにはメモリセルが複数個(例えば256個)接続されており、それら複数個のメモリセルは、同一のワード線WLに接続される1つのリファレンスセルと比較される。磁気トンネル接合素子は微細な素子であり、その面積を正確に製造することは困難である。従って、リファレンスセルの抵抗の値を、メモリセルの高抵抗値と低抵抗値との丁度中間の値に設定するのは、実際には困難である。
図9は、磁気トンネル接合素子の抵抗値の分布の一例を示す図である。図9において、横軸は抵抗値、縦軸はメモリセルの数である。図9の例では、製造誤差等の影響により、各抵抗値を有するリファレンスセルの数の分布を示す分布曲線51Aは、抵抗値が理想的な値よりも低い状態となっている。即ち、リファレンスセルの分布曲線51Aの分布の中心の抵抗値は、分布曲線50の分布の中心の抵抗値と分布曲線52の分布の中心の抵抗値との中間の値よりも低くなっている。このような状態では、読み出しのマージンが狭くなり、データの読み出し判定に時間がかかり、所定時間内にデータを判定できない場合がある。また分布曲線50の右端近くのメモリセルと分布曲線51Aの左端近くのリファレンスセルとでは、メモリセルの抵抗値よりもリファレンスセルの抵抗値のほうが低くなっている。この場合、読み出しデータが本来はデータ0であるのにも関わらず、データ1であると誤判定されることになる。
図7に示すリファレンスセル側の電流源であるPMOSトランジスタ32は、電流量を可変に設定できる構成となっている。この電流量可変の電流源によりリファレンスセルに流す電流を調整することにより、比較対象の電圧に関しては、データ0の電圧とデータ1の電圧との中間にリファレンスセルの電圧が位置するように設定することができる。
図10は、読み出し時の電圧値に対するメモリセルの分布を示す図である。図10において、横軸は読み出し時にセンスアンプによる比較対象となる読み出し電圧値(或いはセルの端子間電圧の値)、縦軸はメモリセルの数である。多数のメモリセルにデータ0を書き込みをしたとき、各読み出し電圧値を有するメモリセルの数は分布曲線55のように分布する。また多数のメモリセルにデータ1を書き込みをしたとき、各読み出し電圧値を有するメモリセルの数は分布曲線57のように分布する。分布曲線56は、各読み出し電圧値を有するリファレンスセルの数の分布である。リファレンスセルの分布曲線56の分布の中心の読み出し電圧値は、分布曲線55の分布の中心の読み出し電圧値と分布曲線57の分布の中心の読み出し電圧値との中間の値となっており、理想的な状態である。図9に示すような特性を有するリファレンスセル群であっても、読み出し動作時にリファレンスセルに流す電流量を増加させることにより読み出し電圧を高くすれば、図10に示すような理想的な状態で読み出し動作を実行することができる。
図11は、リファレンスセルの電流源及び電流量設定回路の回路構成の一例を示す図である。図11の回路は、フリップフロップ60及び61、論理回路62、及びPMOSトランジスタ32−1乃至32−4を含む。これらPMOSトランジスタ32−1乃至32−4が、図7に示すPMOSトランジスタ32に相当する。図7に示すPMOSトランジスタ31のゲート幅が例えば1μmであるとき、PMOSトランジスタ32−1のゲート幅が例えば0.8μmであり、残りのPMOSトランジスタ32−2乃至32−4の各ゲート幅が例えば0.2μmであってよい。読み出し動作時には、PMOSトランジスタ32−1は常に導通状態とし、残りのPMOSトランジスタ32−2乃至32−4を導通又は非導通とすることで、リファレンスセルに供給する電流量を調整する。
このように、リファレンスセルの電流源は、リファレンスセルに直列に接続され、互いに並列に接続された複数のMOSトランジスタ32−1乃至32−4を含む。複数のMOSトランジスタ32−1乃至32−4のうちで導通状態となるMOSトランジスタの数に応じて、電流源の電流量が定まる。なお図7の回路を、PMOSトランジスタ側とNMOSトランジスタ側とを逆に構成した場合、電流源としてNMOSトランジスタを用いることができる。また並列接続のMOSトランジスタは4個である必要はなく、2個以上の任意の数であってよい。またこの例のように1つ以外の全てのMOSトランジスタのゲート幅が同一である必要はなく、それぞれ異なるゲート幅を有していてもよい。
PMOSトランジスタ32−1乃至32−4のいずれを導通状態とするかは、論理回路62の出力TRIM<0>乃至TRIM<3>により制御する。論理回路62は、フリップフロップ60及び61からの入力VLOAD_REG<0>及びVLOAD_REG<1>に応じて、出力TRIM<0>乃至TRIM<3>を生成する。フリップフロップ60及び61の出力VLOAD_REG<0>及びVLOAD_REG<1>は、トリガ信号TREGWEに応答してフリップフロップ60及び61に取り込まれた信号TREGD<0>及びTREGD<1>に等しい。なおフリップフロップ60及び61は、図1のテスト用レジスタ13Bに相当する。
図12は、論理回路62の入出力関係を示す真理値表である。図12に示されるように、出力TRIM<0>は常に1(HIGH)である。また出力TRIM<1>乃至TRIM<3>のうちで1(HIGH)になる信号の数は、VLOAD_REG<0>及びVLOAD_REG<1>により表現される2進数が示す数に等しい。
図13は、リファレンスセルの読み出し電流量を調整する処理の流れを示すフローチャートである。半導体記憶装置10を工場から出荷する前に試験を行い、この出荷前試験において、図13に示す電流量調整を実行する。
試験が開始されると、ステップS1において、等価的なゲート幅Wが1.0μmとなるように、コントローラ11がテスト用レジスタ13Bの値を設定する。即ち、VLOAD_REG<0>及びVLOAD_REG<1>がそれぞれ0及び1となるように、コントローラ11がフリップフロップ60及び61の値を設定する。これにより、ステップS2において、図11に示すPMOSトランジスタ32−1及び32−2が導通状態となり、等価的なゲート幅Wが1.0μmとなる。
ステップS3において、外部のテスタから半導体記憶装置10に対する読み出し試験を行う。具体的には、データ0を書き込み、書き込み後に読み出したデータが0であるか否かを外部テスタにより判定する。またデータ1を書き込み、書き込み後に読み出したデータが1であるか否かを外部テスタにより判定する。即ち、書き込み後、メモリセルに第1の電流を流し、リファレンスセルに第2の電流を流し、メモリセルの端子間電圧に応じた電圧とリファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較して判定したデータを外部に出力し、外部テスタでデータの正誤を判定する。この試験を全てのアドレスに対して実行する。その後、以下に説明するように、上記の比較の結果に応じて、リファレンスセルに流す第2の電流の量を調整する。
ステップS3の試験においてデータ1の読み出しに失敗した場合、ステップS4に進む。ステップS4で、外部のテスタからコマンドを半導体記憶装置10に入力し、このコマンドに応じてコントローラ11が等価的なゲート幅を減少させる。即ち、リファレンスセルに流す第2の電流の量を減少させる。図11の例であれば、0.2μmだけ等価的なゲート幅Wを減少させる。その後、ステップS2に戻り以降の処理を繰り返す。
ステップS3の試験においてデータ0の読み出しに失敗した場合、ステップS5に進む。ステップS5で、外部のテスタからコマンドを半導体記憶装置10に入力し、このコマンドに応じてコントローラ11が等価的なゲート幅を増加させる。即ち、リファレンスセルに流す第2の電流の量を増加させる。図11の例であれば、0.2μmだけ等価的なゲート幅Wを増加させる。その後、ステップS2に戻り以降の処理を繰り返す。
ステップSの試験において、全てのメモリセルに対して試験をパスしたら、処理を終了する。なお処理の終了後或いは終了前に、コントローラ11は、テスト用レジスタ13Bに設定されてるデータと同一のデータを不揮発性レジスタ13Aに書き込む。即ち、調整した電流の量を指定するデータを、不揮発性のレジスタに格納する。ここで不揮発性のレジスタは、フラッシュメモリ等のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフューズ等であってよい。
出荷後に通常のメモリ動作を実行する場合、コントローラ11及び書き込み&読み出し回路12は、不揮発性レジスタ13Aに設定されているデータを論理回路62に入力することにより、出荷前試験により設定された電流量による読み出し動作を実行する。即ち、不揮発性レジスタ13Aに保持するデータにより、複数のMOSトランジスタのうちで導通状態となるMOSトランジスタを指定する。
なお上記の試験では、読み出しデータの正誤に基づいて、全ての読み出しデータが正しくなるように、リファレンスセルに流す読み出し電流の量を調整している。これは調整動作の一例にすぎない。例えば、広い範囲に亘りリファレンスセルに流す電流量を調整可能としておき、データ0の読み出しデータを正しく判定できる確率が50%であるゲート幅W1と、データ1の読み出しデータを正しく判定できる確率が50%であるゲート幅W2とを求めてよい。そして、W1とW2との中間の値にゲート幅を設定するように調整してもよい。
以下に、電流調整の効果を回路シミュレーションにより確認した結果について説明する。このシミュレーションにおいて、読み出し回路は、PMOSトランジスタの電流源からメモリセルとリファレンスセルとに読み出し電流を供給し、それぞれセルの信号電圧をラッチ型センスアンプにより比較して、データ判定している。
抵抗をRとし面積をAとしてRAが7ΩμmのMgO膜を用い、直径が50nmの磁気トンネル接合素子をメモリセルとして用いる。この磁気トンネル接合素子を用いてMR比を100%とした場合、データ0の低抵抗値は3.6kΩとなり、データ1の高抵抗値は7.2kΩとなる。リファレンスセルの磁気トンネル接合素子は、メモリセルと同一の7ΩμmのMgO膜を用い、メモリセルの磁気トンネル接合素子よりも面積を大きくして、高抵抗状態に設定する。
図14は、リファレンスセルの抵抗値が理想的な値である場合のシミュレーション波形である。このシミュレーションでは、直径が58nmの磁気トンネル接合素子をリファレンスセルとして用い、高抵抗状態に書き込むことで、データ0とデータ1の中間の抵抗値である5.4kΩを実現している。この場合、図7に示すワード線WL並びにセンスアンプ活性化信号se1及びse2を活性化することにより、読み出しデータReadOut及びrefが適切な電圧値に直ちに収束している。
図15は、リファレンスセルの抵抗値が理想的な値からずれた場合のシミュレーション波形である。このシミュレーションでは、リファレンスセルの磁気トンネル接合素子の抵抗値が3.7kΩに設定されている。この場合、図7に示すワード線WL並びにセンスアンプ活性化信号se1及びse2を活性化すると、読み出しデータReadOut及びrefが適切な電圧値に収束するまでに時間がかかる。実動作条件では、タイミングの制約があるので、読み出しエラーとなる。
図16は、リファレンスセルの抵抗値が理想的な値からずれた条件において電流量調整した場合のシミュレーション波形である。このシミュレーションでは、リファレンスセルの磁気トンネル接合素子の抵抗値が3.7kΩに設定されている。但し、リファレンスセル側の電流源であるPMOSトランジスタのゲート幅Wを、標準値である1.0μmから1.2μmに変更するよう調整してある。図7に示すワード線WL並びにセンスアンプ活性化信号se1及びse2を活性化することにより、読み出しデータReadOut及びrefが、図14の場合と同様に適切な電圧値に直ちに収束している。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
10 半導体記憶装置
11 コントローラ
12 書き込み&読み出し回路
13A 不揮発性レジスタ
13B テスト用レジスタ
14 行デコーダ
15 列デコーダ
16 メモリセルアレイ

Claims (7)

  1. メモリセルと、
    リファレンスセルと、
    前記メモリセルに第1の電流を流す第1の電流源と、
    前記リファレンスセルに第2の電流を流す、電流量の可変な第2の電流源と、
    前記メモリセルの端子間電圧に応じた電圧と前記リファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較するセンスアンプと、
    前記第2の電流源の前記電流量を定める電流量設定回路と
    を含み、データ値が0の前記メモリセルの端子間電圧とデータ値が1の前記メモリセルの端子間電圧との間に前記リファレンスセルの端子間電圧が設定されるように、前記第2の電流源の前記電流量が前記電流量設定回路により定められる半導体記憶装置。
  2. 前記第2の電流源は、
    前記リファレンスセルに直列に接続され、互いに並列に接続された複数のMOSトランジスタ
    を含み、前記複数のMOSトランジスタのうちで導通状態となるMOSトランジスタの数に応じて前記第2の電流源の前記電流量が定まる請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記電流量設定回路は不揮発性のレジスタであり、前記不揮発性のレジスタに保持するデータにより、前記複数のMOSトランジスタのうちで導通状態となるMOSトランジスタを指定する請求項2記載の半導体記憶装置。
  4. 前記メモリセル及び前記リファレンスセルは、磁気トンネル接合素子を含むスピン注入型のMRAMである請求項1乃至3いずれか一項記載の半導体記憶装置。
  5. 前記リファレンスセルの前記磁気トンネル接合素子は、前記メモリセルの前記磁気トンネル接合素子よりも面積が大きく、高抵抗状態に書き込まれている請求項4記載の半導体記憶装置。
  6. メモリセルに第1の電流を流し、
    リファレンスセルに第2の電流を流し、
    前記メモリセルの端子間電圧に応じた電圧と前記リファレンスセルの端子間電圧に応じた電圧とを比較し、
    前記比較の結果に応じて前記第2の電流の量を調整し、
    前記調整した電流の量を指定するデータを不揮発性のレジスタに格納する
    各段階を含む半導体記憶装置の制御方法。
  7. 前記第2の電流の量を調整する段階は、前記リファレンスセルに直列に接続され、互いに並列に接続された複数のMOSトランジスタのうちで、導通状態となるMOSトランジスタの数を調整する請求項6記載の半導体記憶装置の制御方法。
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