JP2015138348A - 透明電極静電容量センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、銀や金といった材料は価格が高いので、これらを用いると材料コストが上昇するという問題もある。
本発明の透明電極静電容量センサの他の製造方法は、工程Fの後に、引出配線の上記一部を覆うようにカーボン層を形成する工程F1を備えるのが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る透明電極静電容量センサについて説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る透明電極静電容量センサの上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A矢視断面図である。
透明樹脂基材11の厚さは10μm以上〜200μm以下であることが好ましい。透明樹脂基材11の厚さが10μm以上であれば、透明樹脂基材11が破断しにくく、透明樹脂基材11の厚さが200μm以下であれば、透明電極静電容量センサ1を薄くできる。
なお、透明電極自体の形状は、矩形状に限定される必要はなく、円形や楕円形といった形状であっても良いので、この場合は、印刷や塗布などにより透明樹脂基材11上に円形や楕円形に形成される。
また、上記のような金属を積層したような積層構造、例えば、下地をCuとして、その上にNiの中間層を設け、その上にコート層としてAuを設けるようにしてもよい。
引出配線13の厚さは0.1〜3μmであり、好ましくは、0.1〜1μmであり、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。
厚さが0.1μm以上であれば透明電極12aの抵抗値を減衰せずに安定した導電性を確保することができ、3μm以下であれば透明電極12aとの段差も充分小さく、1μm以下更には0.5μm以下であれば段差はより小さい。
また、さらに、補助電極を薄くするために、薄い超ハイメッシュなどで紗厚を薄くすることができなくはないが、この場合、非常に取り扱いがデリケートになりハンドリング性が悪くなる。これらのことから、量産性を考慮すれば、透明電極と補助電極との間の段差を十分に小さくすることが難しい。
ここで、透明電極材料は、一般に、薄く印刷や塗布を行うことができる材料であることから、疑似補助電極12bの部分が透明電極12aより厚みがあるものとされるといっても、従来の銀ペーストなどにより形成される補助電極と比較すれば、十分に薄く構成することが可能であり、このため透明電極12aと疑似補助電極12bとの段差も十分に小さくすることができる。
図3(b)に示したように、補助電極43aは透明電極42より段差tcの分だけ厚く設けられている。補助電極43aにAgペーストを、透明電極42にPEDOT/PSSを用いた場合、上記の通り、量産性を考えると、段差tcを7μm以下に形成することは、技術的に難しい。
さらに、従来技術では、抵抗値や意匠性等といった全体の状態を考慮して銀のような高価な材料が補助電極に用いされることが多く、この場合、材料コストも高くなるという問題があった。
加えて、銀のような高価な材料を使用するのに比べて材料コストを低減することが可能である。
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明ポリマーの透明樹脂基材11の片面全面に真空蒸着法等の蒸着法によりCu、Al、Ag又はAu等の金属蒸着膜を厚さ0.1〜3μm堆積させた金属蒸着薄膜付き透明樹脂基材フィルムにドライエッチング又はウエットエッチングでエッチングを施して金属蒸着薄膜を部分的に除去して引出配線13を形成する。
透明樹脂基材11のステップ1(S1)で形成した引出配線13の側の表面に、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により、PEDOT/PSS等の透明導電材料の透明電極12aを、引出配線13の端部(一部)を覆うように形成する。
引出配線13及び透明電極12aを片面に備えた透明樹脂基材11に低温乾燥処理を施して、PEDOT/PSS等からなる透明電極12aにコーヒーリング(フレーミング)現象を起させ、図1(b)の段差tpを生じるように、透明電極12aよりも厚さが厚い疑似補助電極12bを外周に形成する。ここで、図2によりコーヒーリング(フレーミング)現象について説明する。
図1(a)、(b)に示したように、透明樹脂基材11、透明電極12a、疑似補助電極12b及び引出配線13を覆うようにして、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明ポリマーを被覆して粘着層14を形成する。
本発明の第2実施形態に係る透明電極静電容量センサの構成及び材料は、図1(a)、(b)を参照しながら説明した第1実施形態に係る透明電極静電容量センサの構成及び材料と同様であり、同様の部分については説明を省略する。第2実施形態に係る透明電極静電容量センサと第1実施形態に係る透明電極静電容量センサとは製造方法の点で主に異なるので、以下では製造方法について主に説明する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明ポリマーの透明樹脂基材11の片面前面に真空蒸着法等の蒸着法によりCu、Al、Ag又はAu等の金属蒸着膜を厚さ0.1〜3μm堆積させた金属蒸着薄膜付き透明樹脂基材フィルムにドライエッチング又はウエットエッチングでエッチングを施して金属蒸着薄膜を部分的に除去して引出配線13を形成する。
透明樹脂基材11のステップ1(S1)で形成した引出配線13の側の表面に、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により、PEDOT/PSS等の透明導電材料の透明電極12aを、引出配線13の端部(一部)を覆うように形成する。
透明電極12aの外周の少なくとも一部に、インクジェット印刷又はスクリーン印刷で透明電極12aと同じPEDOT/PSS等の透明導電材料を1回以上塗布(重ね塗り)し、図1(b)の段差tpを生じるように、透明電極12aよりも厚さが厚い疑似補助電極12bを形成する。
図1(a)、(b)に示したように、透明樹脂基材11、透明電極12a、疑似補助電極12b及び引出配線13を覆うようにして、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明ポリマーを被覆して粘着層14を形成する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明ポリマーの透明樹脂基材11の片面前面に真空蒸着法等の蒸着法によりCu、Al、Ag又はAu等の金属蒸着膜を厚さ0.1〜3μm堆積させた金属蒸着薄膜付き透明樹脂基材フィルムにドライエッチング又はウエットエッチングでエッチングを施して金属蒸着薄膜を部分的に除去して引出配線13を形成する。
PET等からなる透明樹脂基材11の片面の疑似補助電極12bを形成する部分に、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により、PEDOT/PSS等を1回以上塗布する。
疑似補助電極12bの部分及び透明電極12aの部分の両方にインクジェット印刷又はスクリーン印刷により、PEDOT/PSS等を1回以上塗布する。疑似補助電極12bの部分はPEDOT/PSS等の重ね塗り状態となり、図1(b)の段差tpが形成される。
図1(a)、(b)に示したように、透明樹脂基材11、透明電極12a、疑似補助電極12b及び引出配線13を覆うようにして、PET等の透明ポリマーを被覆して粘着層14を形成する。
また、本発明の第2実施形態に係る透明電極静電容量センサの製造方法においても、引出配線13の疑似補助電極12bが設けられる部分に、カーボン層を設けるようにすることで、引出配線13が酸化することを避けることができ、接続部の信頼性の高い透明電極静電容量センサを製造することができる。
図1(a)、(b)の構成で、ポリエチレンテレフタレート(PET)の透明樹脂基材11の上に、Cuの金属蒸着薄膜の引出配線13を形成した後、PEDOT/PSSを用いて透明電極12a及び疑似補助電極12bを形成した。
図4(a)、(b)の構成で、PETの透明樹脂基材21の上に、Cuの金属蒸着薄膜の引出配線23bを形成し、さらに引出配線23bの端部を覆うようにカーボン層23aを形成した後、PEDOT/PSSを用いて透明電極22a及び疑似補助電極22bを形成した。
図5(a)、(b)の構成で、PETの透明樹脂基材31の上に、Cuの金属蒸着薄膜の引出配線33a、33bを形成し、Agナノワイヤ分散PEDOT/PSSを用いて透明電極32a、32c及び疑似補助電極32b、32dを形成した。
(イ)実施例1、3においては、PETフィルム上にあらかじめ設けたCu蒸着薄膜を引出配線として用いることで、引出配線と疑似補助電極との接続部も含め疑似補助電極に極めて段差の少ない引出配線を高精細に施すことが可能になり、ビューエリア割合が大きく、屈曲性が非常に良い透明電極静電容量センサを製造できた。
一方、Agナノワイヤ分散PEDOT/PSSの場合には、さらに、抵抗値を低くすることができ、Agナノワイヤ分散PEDOT/PSSを透明電極に使用すると、透明電極の表面抵抗を、例えば、約80Ω/□とすることができ、疑似補助電極に使用すると、疑似補助電極の表面抵抗を、例えば、約40〜50Ω/□とすることができる。
また、疑似補助電極は、透明電極よりも0.1μm以上、0.2μm以上、さらには、0.5μm以上厚い厚みを有するように形成されることが好適であり、このようにすることで、透明電極部分と疑似補助電極部分とが同じ材料でありながら、疑似補助電極部分の電気抵抗を低くできる。
このため、従来の補助電極に比べ、透明性があり目立たないので意匠性に優れる。
また、補助電極に銀などの高価な材料を使用しているものと比較すると、疑似補助電極は透明電極と同じ材料であるため材料コストを抑えることができる。
さらに、透明電極と同じ材料を用いて構成していることで透明電極よりも厚みが厚くされるといっても、従来の補助電極に用いられている材料と比較すれば、疑似補助電極は、かなり薄く形成できるので透明電極と疑似補助電極との段差は、極めて小さく、このため段差に起因する粘着層形成時の気泡の発生が抑制され、寄生容量の低減が可能である。
加えて、スクリーン印刷やインクジェット印刷で形成する場合には、疑似補助電極を形成する範囲に対する自由度も高いので疑似補助電極の面積を減らし、ビューエリアの拡大も好適に行うことができる。
この場合、各印刷(塗布)毎に用いられる材料は、基本的に同じ材料(同じ透明電極用材料)を用いるが、例えば、塗布し、乾燥工程が終わるまでの間に材料が塗布していないところに流れ出たりすることを防止するために粘度を調節する必要がある場合などがあり、このときには適切な粘度となるように希釈剤などの分量を調整しても良い。
希釈剤などは、基本的に、乾燥工程などで気化し、ほとんど残らないが微量に成分が残ることもあり得る。
しかしながら、この程度の差は、同じ材料と解されるものである。
さらに、上記では、導電性ポリマーを形成するPEDOT/PSS溶液にAgナノワイヤを分散させた場合を示したが、Agナノワイヤ自体が導電性を発揮するので、導電性でないポリマーを形成するような溶液でもよい。
11、21、31、41 透明樹脂基材
12a、22a 透明電極
12b、22b、32b、32d 疑似補助電極
13、23b、33b、43b 引出配線
14、24、34、44 粘着層
15 治具板
23a カーボン層
32a 送信側透明電極
32c 受信側透明電極
43a 補助電極
Claims (15)
- 透明樹脂基材と、
前記透明樹脂基材上に設けられた少なくとも1以上の透明電極と、
前記透明電極の外周の少なくとも一部に設けられ、前記透明電極と同じ材料からなる前記透明電極よりも厚さが厚く形成された疑似補助電極と、
前記透明樹脂基材上に設けられ、前記疑似補助電極と接続される引出配線と、を備え、
前記引出配線が、金属蒸着薄膜からなることを特徴とする透明電極静電容量センサ。 - 前記引出配線が0.1μm以上3μm以下の厚みに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明電極静電容量センサ。
- 前記引出配線には、前記疑似補助電極と接続される部分にカーボン層が設けられ、前記引出配線と前記疑似補助電極との前記接続がカーボン層を介して行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極静電容量センサ。
- 前記疑似補助電極は、前記透明電極の厚さに6μmを加えた厚さを超えない範囲で、前記透明電極の厚さよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサ。
- 前記疑似補助電極は、前記透明電極の厚さに4μmを加えた厚さを超えない範囲で、前記透明電極の厚さよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサ。
- 前記疑似補助電極は前記透明電極の外周の1/7以上の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサ。
- 透明電極静電容量センサの製造方法であって、
透明樹脂基材上に金属蒸着薄膜からなる引出配線を形成する工程Aと、
前記透明樹脂基材上にコーヒーリング現象を起こす粘度を有する透明導電材料を一部が前記引出配線の一部と重なるように設ける工程Bと、
前記透明導電材料をコーヒーリング現象が起きる乾燥条件で乾燥硬化させ、透明電極と前記透明電極の外周に前記透明電極よりも厚さが厚い疑似補助電極とを形成する工程Cと、
を備えることを特徴とする透明電極静電容量センサの製造方法。 - 前記工程Aにおいて、引出配線が0.1μm以上3μm以下の厚みに形成されていることを特徴とする請求項7に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。
- 前記工程Aの後に、前記引出配線の前記一部を覆うようにカーボン層を形成する工程A1を備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。
- 前記工程Cの後に、前記疑似補助電極上の少なくとも一部の厚みを厚くする工程C2を備え、
前記工程C2は、同じ前記透明導電材料からなる層を、前記疑似補助電極上の少なくとも一部に印刷法で形成する工程であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。 - 透明電極静電容量センサの製造方法であって、
透明樹脂基材上に金属蒸着薄膜からなる引出配線を形成する工程Fと、
前記透明樹脂基材上に、印刷法を用いて同じ透明導電材料を2回以上塗布することで、透明電極と前記透明電極の外周の少なくとも一部に前記透明電極よりも厚みが厚い前記透明電極と同じ材料からなる疑似補助電極を、前記引出配線の一部を覆うように形成する工程Gと、
を備えることを特徴とする透明電極静電容量センサの製造方法。 - 前記工程Fにおいて、引出配線が0.1μm以上3μm以下の厚みに形成されていることを特徴とする請求項11に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。
- 前記工程Fの後に、前記引出配線の前記一部を覆うようにカーボン層を形成する工程F1を備えることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。
- 前記工程Gは、前記透明樹脂基材上の前記透明電極及び前記疑似補助電極を形成する位置に、前記透明導電材料を1回以上塗布して第1層を形成する第1工程と、
前記第1層上の前記疑似補助電極を形成する位置に、前記透明導電材料を1回以上塗布する第2工程とからなることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。 - 前記工程Gは、前記透明樹脂基材上の前記疑似補助電極を形成する位置に、前記透明導電材料を1回以上塗布して第1層を形成する第1工程と、
前記第1層及び前記透明樹脂基材上の前記透明電極を形成する位置に、前記透明導電材料を1回以上塗布する第2工程とからなることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の透明電極静電容量センサの製造方法。
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