JP2015137688A - 真空断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス繊維を、ショットのできない連続フィラメント法により製造し、かつ、そのガラス繊維から芯材を、湿式よりもガラス繊維を長くすることができる乾式にて作製するようにつつも、芯材の断熱性能を良くする。【解決手段】次に示す手順で、真空断熱材1を製造する。すなわち、まず、連続フィラメント法により製造されたガラス繊維fを切断及び開繊にすることで、ウェブ25を成形する。次に、そのウェブ25を積み重ねる。次に、その積み重ねたウェブ25,25・・にニードルパンチ加工を行う。これにより、乾式にてニードルマット21を作製する。次に、そのニードルマット21を6枚以上積層して芯材20にする。次に、その芯材20を、外包材10,10の内部に入れる。その後、該内部を真空排気して外包材10,10を密封することで、真空断熱材1を完成させる。【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫や自動販売機や保冷車等に使用する真空断熱材に関する。
真空断熱材には、外包材の内部に芯材を入れ、該内部を真空排気して外包材を密封してなるものがある。そして、その芯材には、真空断熱材が大気圧で内側に潰されない様にする構造的な役割と、外包材の内部の空気分子の移動を邪魔して断熱性能を高める機能的な役割とがある。
その機能的な役割について説明すると、芯材を用いない真空断熱材(例えば、魔法瓶等の断熱材)の真空度は、通常、10−4torr(1.33×10−2Pa)程度である。これに対して、芯材を用いる真空断熱材の真空度は、通常、10−2torr(1.33Pa)程度である。よって、通常は、芯材を用いない真空断熱材よりも、芯材を用いる真空断熱材の方が、100倍程度も真空度が低い。しかし、それでも、芯材を用いる真空断熱材は、外包材の内部の空気分子の移動を芯材で邪魔することで高い断熱性能を発揮する。それに対して、芯材を用いない真空断熱材では、例えば、真空度が同じ10−2torrの場合、外包材の内部の空気分子の移動が芯材等に邪魔されないので、熱が高温側から低温側にスムーズに伝えられ、断熱性能が低い。
そして、このように、芯材で空気分子の移動を邪魔するには、外包材の内部に芯材で、できるだけ細い部屋(マイクロセル)を多数作ることが効果的である。具体的には、芯材に繊維を用いる場合には、繊維径が小さい程、マイクロセルの数は多くなり、断熱性能が向上する。また、繊維の集合体を圧縮することでも、マイクロセルの数を増やすことができる。但し、繊維の集合体を圧縮し過ぎると、繊維自体から熱が伝わるようになるため、断熱性能は反って低下してしまう。すなわち、嵩密度には最適値があり、その最適値は、繊維径によって異なる。
そして、芯材には、例えば、次の[1]〜[4]に示すものがある。
[1]ノーバインダー、ノーニードルのガラス繊維からなるグラスウール(繊維径3μm前後)。
[2]ガラス繊維を水で抄いてペーパー化するとともに有機バインダーを添付してなるガラスペーパー。
[3]ガラス繊維のウェブをニードパンチ加工してなるニードルマット。
[4]シリカの超微粒粉末(ヒュムドシリカ)。
[従来例1]
具体的には、上記[1]の芯材(グラスウール)を備えた図6に示す従来例1(特許文献1)の真空断熱材70は、次のようにして乾式にて製造する。すなわち、まず、図6(a)に示すように、溶融したガラス(以下「溶融ガラスM」という。)を高速回転体78の内側に落下させ、その高速回転体78の外周部にある微細な孔79,79・・から、溶融ガラスMを遠心力にて吹き出させて繊維化することで、図6(b)に示すように、ガラス繊維F,F・・(短繊維)を製造する。また、それ以外にも、ノズル等から落下させた溶融ガラスMに、高圧エアを直接当てて繊維化する場合もある。次に、そのガラス繊維F,F・・を、芯材72として、図6(c)に示すように、外包材71,71の内部に入れる。その後、該内部を真空排気して外包材71,71を密封することで、図6(d)に示すように、真空断熱材70を完成させる。
[従来例2]
また、上記[2]の芯材(ガラスペーパー)を備えた図7に示す従来例2(特許文献2)の真空断熱材80は、次のようにして湿式にて製造する。すなわち、まず、連続フィラメント法等により製造したガラス繊維(長繊維)を比較的短く切断してなるガラス繊維f,f・・を、水で抄いて(湿式抄造方法にて)ペーパー化するとともに有機バインダーを添付することで、図7(a)に示すように、ガラスペーパー85(不織布)を作製する。次に、そのガラスペーパー85を、図7(b)に示すように、複数枚積み重ねる。次に、その複数枚積み重ねたガラスペーパー85,85・・を、芯材82として、図7(c)に示すように、外包材81,81の内部に入れる。その後、該内部を真空排気して外包材81,81を密封することで、図7(d)に示すように、真空断熱材80を完成させる。
[従来例3]
また、上記[3]の芯材(ニードルマット)を備えた図8,図9に示す従来例3(特許文献3)の真空断熱材90は、次のようにして乾式にて製造する。すなわち、まず、連続フィラメント法等により製造したガラス繊維(長繊維)を比較的長く切断してなるガラス繊維f,f・・から、図8(a)に示すように、ウェブ95を作製する。次に、その作製したウェブ95を、図8(b)に示すように、複数枚積み重ねる。次に、その複数枚積み重ねたウェブ95,95・・に、図8(c)に示すように、ニードルパンチ加工を行い、厚さを数十分の一に圧縮して保持することで、ニードルマット92を作製する。よって、ニードルマット92内には、ニードルパンチされて縦方向を向いたガラス繊維f(以下、「縦繊維f'」という。)が多数存在する。その縦繊維f',f'・・が、複数枚のウェブ95,95・・をその厚さ方向に貫通してアンカーの様な働きをすることで、複数枚のウェブ95,95・・を固定(マット化及びフェルト化)している。次に、そのニードルマット92を、芯材として、図9(d)に示すように、外包材91,91の内部に入れる。その後、該内部を真空排気して外包材91,91を密封することで、図9(e)に示すように、真空断熱材90を完成させる。
特開2006−2919号公報 特開2010−230082号公報 特開平7−96563号公報
図6に示す従来例1(芯材がグラスウール)の場合、芯材72のガラス繊維F,F・・(短繊維)は、溶融ガラスMを吹き出して繊維化させることで製造するので、図6(b)に示すように、ガラス繊維F,F・・の端部(頭)にショットFsと呼ばれる未繊維化部分の塊ができ易い。そのショットFsが、外包材71,71に傷を付けて穴をあけることがあり、それにより、真空度が低下し、断熱性能が大幅に低下するおそれがある。なお、その場合、長期間では、外包材71,71の内部の圧力が大気圧付近にまで低下する。
また、図7に示す従来例2(芯材がガラスペーパー)の場合、芯材82のガラス繊維f,f・・は、連続フィラメント法等により製造したガラス繊維f(長繊維)を切断して製造するので、従来例1とは違い、ショットはできない。しなしながら、芯材82となるガラスペーパー85は、湿式にて(水で抄いて)作製するため、そのガラス繊維f,f・・はあまり長くすることができない。そのため、ガラス繊維f,f・・は、まとまり難く、よって、有機バインダーを添付しなければならない。その有機バインダーが真空断熱材80の製品化後に外包材81,81の内部で徐々に分解してガス化していくことで、真空度が低下して断熱性能が低下してしまうおそれがある。なお、それに対しては、ゲッター剤と呼ばれるガス等の吸着除去剤を外包材81,81の内部に同封する対策もあるが、その場合でも、手間及びコストとなるため、有機バインダーは無い方が好ましい。
また、図8,図9に示す従来例3(芯材がニードルマット)の場合も、芯材のガラス繊維f,f・・は、連続フィラメント法等により製造したガラス繊維f(長繊維)を切断して製造するので、従来例2と同様、ショットはできない。また、芯材となるニードルマット92は、乾式にて作製するので、湿式にて作製する場合(従来例2)よりも、そのガラス繊維f,f・・を長くすることができる。そのため、ガラス繊維f,f・・は、従来例2とは違い、有機バインダー等を添付しなくても、まとまり易い。しかしながら、ニードルマット92には縦繊維f',f'・・が多数存在するので、その縦繊維f',f'・・が、図9(f)に示すように、高温面から低温面に熱を伝える架け橋(以下、「ヒートブリッジ」という。)になり、それにより、断熱性能が低下してしまう。そのため、ガラス繊維が比較的太い(繊維径が大きい)場合等には、充分な断熱性能が得られない。
そこで、従来例3と同様に、ガラス繊維をショットのできない連続フィラメント法により製造し、かつ、従来例3と同様に、そのガラス繊維から芯材を、湿式よりもガラス繊維を長くすることができる乾式にて作製するようにしつつも、従来例3よりも、芯材の断熱性能を良くすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の真空断熱材は、外包材の内部に芯材を入れ、該内部を真空排気して外包材を密封してなる真空断熱材において、芯材は、連続フィラメント法により製造されたガラス繊維のウェブが積み重ねられてニードルパンチ加工されてなる、乾式にて作製されたニードルマットが、6枚以上積層されたものであることを特徴とする。
また、同目的を達成するため、本発明の真空断熱材の製造方法は、連続フィラメント法により製造されたガラス繊維の切断及び開繊によるウェブの成形と、該ウェブの積み重ねと、積み重ねた該ウェブのニードルパンチ加工とにより、乾式にてニードルマットを作製し、該ニードルマットを6枚以上積層して芯材にし、芯材を外包材の内部に入れ、該内部を真空排気して外包材を密封する。
ここで、ニードルマットが6枚以上なのは、6枚未満になると、図5に示すように、断熱性能が急激に低下(熱伝導率が急激に上昇)するからである。
真空断熱材の断熱性能は、特に限定されないが、熱伝導率は、4.0mW/m・K(ミリワット/メートル・ケルビン)以下であることが好まく、3.5mW/m・K以下であることがより好ましく、3.2mW/m・K以下であることが更に好ましい。
そして、この熱伝導率を達成するため、ニードルマットの枚数は、特に限定されないが、10枚以上であることがより好ましく、20枚以上であることが更に好ましい。
ガラス繊維の長さは、特に限定されないが、前記切断後の平均繊維長が30〜200mmであることが好ましい。30mmに満たないと、短すぎることでまとまり難くなり、ウェブを成形し難くなるおそれがある一方、200mmを越えると、逆に長すぎることでウェブを成形し難くなるおそれがあるからである。よりまとまり易くするため、該平均繊維長は、45〜200mmであることがより好ましく、60〜200mmであることが更に好ましい。
ガラス繊維の太さは、特に限定されないが、平均繊維径が3〜20μmであることが好ましい。3μmに満たないと、ガラス繊維の加工が困難になるおそれがある一方、20μmを超えると、断熱性能が充分に得られないおそれがあるからである。
ニードルパンチの密度は、特に限定されないが、1cm当たり5〜30針であることが好ましい。5針に満たないと、ニードルマットが膨らみ易くなるおそれがある一方、30針を超えると、縦繊維が増えすぎて熱が伝わり易くなるおそれがあるからである。
芯材の嵩密度は、特に限定されないが、真空排気前の嵩密度は、50〜200kg/mであり、真空排気後の嵩密度は、200〜400kg/mであることが好ましい。真空排気後の嵩密度が200kg/mに満たないと、マイクロセルが不足することで充分な断熱性能が得られないおそれがある一方、400kg/mを超えると、繊維自体から熱が伝わるようになることで断熱性能が反って低下するおそれがあるからである。
真空度は、特に限定されないが、外包材の内部の気圧は、1〜2Paであることが好ましい。1Paに満たないと、真空排気に時間がかかり過ぎて手間になるおそれがある一方、2Paを超えると、断熱性能が充分に得られないおそれがあるからである。
また、ガラス繊維の製造過程でガラス繊維に集束材が付着する場合、該集束材を、ニードルパンチ加工後に、300〜750℃に加熱して分解除去することが好ましい。集束材が真空断熱材の製品化後に徐々に分解してガス化していくことで真空度が低下する、といった心配がなくなるからである。
本発明によれば、芯材はニードルマットが6枚以上積層されてなるので、ニードルマット1枚からなる場合(従来例3)に比べて、ニードルマット内の縦繊維を5箇所以上(6以上−1箇所)で切断しているのと同様の効果があり、縦繊維がヒートブリッジになり難い。
すなわち、縦繊維は各ニードルマット内に散在しているので、一層目のニードルマット内の縦繊維と二層目のニードルマット内の縦繊維とが重なって連続する確率は低く、また、たとえ稀に連続することがあっても、それが三層目のニードルマット内の縦繊維と更に重なって連続する確率は更に低い。そのため、ニードルマット内の縦繊維が、一層目から六層目まで連続する確率に至っては極めて低い。そのため、縦繊維がヒートブリッジになり難い。よって、各条件(ガラス繊維の太さ等)が同じなら、従来例3よりも断熱性能が良くなる。
よって、従来例3と同様に、ガラス繊維をショットのできない連続フィラメント法により製造し、かつ、従来例3と同様に、そのガラス繊維から芯材を、湿式よりもガラス繊維を長くすることができる乾式にて作製するようにしつつも、従来例3よりも、芯材の断熱性能を良くすることができる。
(a)は実施例1の真空断熱材を示す側面断面図、(b)はその内部での熱の伝わり方を示す側面断面図である。 実施例1の真空断熱材の製造工程の前半を(a)〜(f)に示す側面断面図である。 実施例1の真空断熱材の製造工程の後半を(g)(h)に示す側面断面図である。 (a)は実施例3の真空断熱材を示す側面断面図、(b)は実施例4の真空断熱材を示す側面断面図である。 ニードルマットの積層枚数と熱伝導率との関係を示すグラフである。 従来例1の真空断熱材の製造工程を(a)〜(d)に示す側面断面図である。 従来例2の真空断熱材の製造工程を(a)〜(d)に示す側面断面図である。 従来例3の真空断熱材の製造工程の前半を(a)〜(c)に示す側面断面図である。 従来例3の真空断熱材の製造工程の後半を(d)(e)に示し、真空断熱材の内部での熱の伝わり方を(f)に示す側面断面図である。
以下、本発明の真空断熱材を図面を参照に説明する。
図1〜図3に示す真空断熱材1は、外包材10,10(ガスバリア)の内部に芯材20(コア材)を入れ、該内部を真空排気して外包材10,10を密封してなる。その芯材20は、連続フィラメント法により製造されたショットのないガラス繊維f,f・・のウェブ25が積み重ねられてニードルパンチ加工されてなる、乾式にて作製されたニードルマット21が、6枚積層されたものである。
外包材10,10は、2枚のシート状の部材であって、各外包材10は、一番外側のナイロンの層と、その内側(真中)のアルミニウム箔の層と、その更に内側(最も内側)のポリエチレンの層とからなる。そして、2枚の外包材10,10の最も内側のポリエチレンの層の縁部どうしが熱融着されることで、袋状に密封されている。
芯材20の各ニードルマット21は、積み重ねられたガラス繊維f,f・・のウェブ25,25・・にニードルパンチを行うことで、厚さを数十分の一に圧縮して保持したマットである。よって、ニードルマット21内には、ニードルパンチされて縦方向を向いたガラス繊維f(縦繊維f')が多数存在する。その縦繊維f',f'・・が、複数枚のウェブ25,25・・をその厚さ方向に貫通してアンカーの様な働きをすることで、複数枚のウェブ25,25・・を固定(マット化及びフェルト化)している。
この真空断熱材1の各寸法は次の通りである。すなわち、真空断熱材1は、300mm×300mm程度の正方形の形状をしている。そして、芯材20(6枚のニードルマット21,21・・)の厚さ(真空排気後)は、10mm程度である。また、各1枚のニードルマット21の目付けは、500g/m程度である。よって、芯材20(6枚重ねのニードルマット21,21・・)は、目付けが3kg/m程度であり、嵩密度(真空排気後)が300kg/m程度である。また、ニードルマット21のガラス繊維fは、平均繊維長が75mm程度であり、平均繊維径が9μm程度である。また、ニードルパンチの密度は、1cm当たり20針程度である。また、真空断熱材1の真空度(外包材10,10の内部の気圧)は、1.33Pa程度である。
次に、その真空断熱材1の製造方法を説明する
まず、連続フィラメント法により、図2(a)に示すように、平均繊維径が9μm程度のガラス繊維f(長繊維)を製造する。なお、その製造過程では、ガラス繊維fに集束材が付着する。次に、そのガラス繊維fを、図2(b)に示すように、平均繊維長が75mm程度になるように切断してから開繊することで、乾式にて、図2(c)に示すように、ウェブ25を成形する。
次に、そのウェブ25を、図2(d)に示すように、積み重ねる。次に、その積み重ねたウェブ25,25・・に、図2(e)に示すように、ニードルパンチ加工を、1cm当たり20針程度の密度で行う。これにより、乾式にて、ニードルマット21を作製する。
次に、そのニードルマット21を、図2(f)に示すように、6枚積層して、芯材20にする。よって、芯材20の作製にあたっては、ガラス繊維fの製造過程でガラス繊維fに集束材が付着するのみで、その後のガラス繊維fからウェブ25、ニードルマット21及び芯材20を作製していく過程では、ガラス繊維fに有機バインダー等を添付しない。そして、そのガラス繊維fの製造過程でガラス繊維fに付着した集束材についても、ニードルマット21の作製後に、ニードルマット21を300〜750℃に加熱することで分解除去する。
次に、その芯材20を、図3(g)に示すように外包材10,10の内部に入れる。なお、このとき(真空排気前)の芯材20の嵩密度は、50〜200kg/m程度である。その後、該内部を真空排気して外包材10,10を密封することで、図3(h)に示すように、本実施例1の真空断熱材1を完成させる。
本実施例1によれば、次の[A]〜[D]の効果を得ることができる。
[A]芯材20のガラス繊維fは、連続フィラメント法により製造したガラス繊維f(長繊維)を切断して製造するので、芯材20のガラス繊維fにショットが存在しない。そのため、ショットが外包材10,10に傷を付けて穴をあける、といった心配はない。
また、連続フィラメント法によりガラス繊維fを製造するので、ガラス繊維f,f・・の繊維径(9μm程度)の分布のバラツキが小さい。そのため、品質が安定する。
[B]ニードルマット21,21・・は、乾式にて作製するので、湿式にて作製する場合に比べて、そのガラス繊維f,f・・を長くすることができる。そのため、ガラス繊維f,f・・は、ニードルパンチ加工だけでもまとまり易い。そのため、ガラス繊維f,f・・をまとめるために有機バインダーを添付する必要はない。そして、更に、ガラス繊維fの製造過程でガラス繊維fに付着した集束材についても、ニードルマット21の成形後に加熱して分解除去するので、芯材20には集束材も残らない。そのため、有機バインダーや集束材が真空断熱材1の製品化後に外包材10,10の内部で徐々に分解してガス化していくことで真空度が低下して断熱性能が低下する、といった心配がない。
また、更に、ウェブ25,25・・を乾式にて作製するので、湿式にて作製する場合に比べて、コストを抑えることができる。
[C]芯材20はニードルマット21を6枚積み重ねてなるので、ニードルマット1枚からなる場合に比べて、ニードルマット21内の縦繊維f'を5箇所(6−1箇所)で切断しているのと同様の効果があり、縦繊維f'がヒートブリッジになり難い。
すなわち、縦繊維f',f'・・は各ニードルマット21内に散在しているので、一層目のニードルマット21内の縦繊維f',f'・・と二層目のニードルマット21内の縦繊維f',f'・・とが重なって連続する確率は低く、また、たとえ稀に連続することがあっても、それが三層目のニードルマット21内の縦繊維f',f'・・と更に重なって連続する確率は更に低い。そのため、ニードルマット21内の縦繊維f'が、一層目から六層目まで連続する確率に至っては極めて低い。そのため、図1(b)に示すように、縦繊維f',f'・・がヒートブリッジになり難い。そのため、本実施例1のように、芯材20のガラス繊維f,f・・が比較的太い(平均繊維径9μm)場合にも、高い断熱性能が発揮される。具体的には、この真空断熱材1の熱伝導率は、実際に試験した結果、3.64mW/m・K(ミリワット/メートル・ケルビン)であった。
[D]この真空断熱材1は、冷蔵庫、自動販売機、保冷車などに使用できる。また、将来的には、家屋など建材用途にも使用できる。
本実施例2の真空断熱材は、実施例1と比較して、芯材20のガラス繊維f,f・・の平均繊維径が5μmである点で相違し、その他の点で同様である。本実施例2でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。具体的には、この真空断熱材の熱伝導率は、実際に試験した結果、2.51mW/m・Kであった。
図4(a)に示す本実施例3の真空断熱材3は、実施例1と比較して、各1枚のニードルマット21の目付けが300g/m程度である点、及び芯材20は、そのニードルマット21が10枚積層されてなる点で相違し、その他の点で同様である。本実施例3でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。具体的には、この真空断熱材3の熱伝導率は、実際に試験した結果、3.38mW/m・Kであった。
図4(b)に示す本実施例4の真空断熱材4は、実施例1と比較して、各1枚のニードルマット21の目付けが150g/m程度である点、及び芯材20は、そのニードルマット21が20枚積層されてなる点で相違し、その他の点で同様である。本実施例4でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。具体的には、この真空断熱材4の熱伝導率は、実際に試験した結果、3.12mW/m・Kであった。
実施例1〜4の結果、及びニードルマットの枚数及び目付け以外の条件は実施例1,3,4と同様にしてニードルマットの枚数を1枚(目付けは3000g/m程度)及び3枚(目付けは1000g/m程度)にした場合の結果を、次の表1、表2及び図5にまとめる。なお、各試験結果は、英弘精機株式会社 熱伝導率計 HC−074による試験の結果である。
Figure 2015137688
Figure 2015137688
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 真空断熱材(実施例1)
3 真空断熱材(実施例3)
4 真空断熱材(実施例4)
10 外包材
20 芯材
21 ニードルマット
25 ウェブ
f ガラス繊維

Claims (6)

  1. 外包材(10)の内部に芯材(20)を入れ、該内部を真空排気して外包材(10)を密封してなる真空断熱材において、
    芯材(20)は、連続フィラメント法により製造されたガラス繊維(f)のウェブ(25)が積み重ねられてニードルパンチ加工されてなる、乾式にて作製されたニードルマット(21)が、6枚以上積層されたものであることを特徴とする真空断熱材。
  2. 連続フィラメント法により製造されたガラス繊維(f)の切断及び開繊によるウェブ(25)の成形と、該ウェブ(25)の積み重ねと、積み重ねた該ウェブ(25)のニードルパンチ加工とにより、乾式にてニードルマット(21)を作製し、
    該ニードルマット(21)を6枚以上積層して芯材(20)にし、
    芯材(20)を外包材(10)の内部に入れ、該内部を真空排気して外包材(10)を密封する真空断熱材の製造方法。
  3. ガラス繊維(f)は、前記切断後の平均繊維長が30〜200mmであり、平均繊維径が3〜20μmである請求項2記載の真空断熱材の製造方法。
  4. ニードルパンチの平均密度は、1cm当たり5〜30針である請求項2又は3記載の真空断熱材の製造方法。
  5. 芯材(20)の真空排気前の嵩密度は、50〜200kg/mであり、芯材(20)の真空排気後の嵩密度は、200〜400kg/mである請求項2〜4のいずれか一項に記載真空断熱材の製造方法。
  6. ガラス繊維(f)の製造過程でガラス繊維(f)に付着した集束材を、ニードルパンチ加工後に、300〜750℃に加熱して分解除去する請求項2〜5のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
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