JP2015137570A - エンジンの動弁装置の組付方法 - Google Patents

エンジンの動弁装置の組付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カム要素部の弁開閉用カム部の切り換えを、カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって行うエンジンの動弁装置において、単一のカム要素部について一対のディテント機構を設ける場合に、カム軸に対するカム要素部の組付性を向上させる。【解決手段】カム軸2の上記他側の端からカム要素部をカム軸2に挿入して該カム要素部を上記一側へ移動させることで、第1孔41aにセットされた第1押圧部材43aを第1ディテントカム部45の第2溝52に嵌めるとともに、第2孔41bにセットされた第2押圧部材43bを第1ディテントカム部45の第1溝51の規制部(傾斜部51b)を通過させて第2ディテントカム部46の第3溝53に嵌めるカム要素部組付工程において、第2押圧部材43bが第1溝51の規制部を通過する際に、第1溝51の底部から突出させた押し具71により、第2押圧部材43bを第2孔41b側に押圧する。【選択図】図19

Description

本発明は、カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト(移動)可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける、エンジンの動弁装置の組付方法に関する技術分野に属する。
従来より、エンジンの動弁装置として、1つの弁についてノーズ部の形状が異なる複数のカム部を備え、これら複数のカム部の中から弁を開閉させるカム部を選択することにより、吸気弁及び/又は排気弁の開弁量や開閉時期等をエンジンの運転状態に応じて切り換え可能としたものが知られている。
例えば特許文献1に記載された動弁装置は、カム要素部におけるカム軸方向両側の端面に、カム要素部のシフト用の端面カムを形成し、そのカム要素部のカム軸方向両側に、該各端面カムと係合する切換部材をそれぞれ設け、切換部材を端面カムと係合するように作動させてカム要素部をカム軸方向の一側又は他側へシフトさせることによって、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしている。また、特許文献1では、ディテント機構によってカム要素部を所定位置に保持することが開示されている。
米国特許出願公開第2011/0226205号明細書
ところで、上記のような動弁装置において、カム要素部がカム軸方向の一側にシフトしたときには、該カム要素部を第1所定位置で保持し、上記カム要素部がカム軸方向の他側にシフトしたときには、該カム要素部を、上記第1所定位置よりも上記他側に位置する第2所定位置で保持するためのディテント機構を備えるようにすることが考えられる。このようなディテント機構は、通常、カム要素部の内周面に設けられたディテントカム部と、一部が、カム軸に形成された孔内に位置し、該ディテントカム部に弾性部材により押圧される押圧部材とを有し、上記ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときと、上記第2所定位置に位置するときとにおいて、それぞれ上記押圧部材が嵌まる2つの溝を有する。これら2つの溝のうちカム軸方向の上記他側に位置する溝の上記他側の側壁部は、上記カム要素部の上記一側へのシフトを規制する規制部を構成しており、これにより、カム要素部がカム軸方向の上記一側にシフトしたときには、該カム要素部が上記第1所定位置に正確に保持されることになる。また、上記2つの溝のうちカム軸方向の上記一側に位置する溝の上記一側の側壁部は、上記カム要素部の上記他側へのシフトを規制する規制部を構成しており、これにより、カム要素部がカム軸方向の上記他側にシフトしたときには、該カム要素部が上記第2所定位置に正確に保持されることになる。
ここで、単一のカム要素部について、上記のようなディテント機構が1つしか設けられていない場合において、そのカム要素部をカム軸に組み付ける際には、カム軸の上記孔に弾性部材及び押圧部材をセットした状態で、カム軸の上記他側(又は上記一側)の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部を上記一側(又は上記他側)へ移動させることで、上記押圧部材を上記2つの溝のうちの一方の溝に嵌めるようにする。この場合、例えばカム軸の上記他側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部を上記一側へ移動させる場合、カム要素部の内周面における上記ディテントカム部の上記一側の部分に、カム要素部の上記一側への移動に従って上記押圧部材を上記孔側に押圧する傾斜部を形成しておけば、カム要素部の上記移動によって上記押圧部材を上記2つの溝のうちの一方の溝に嵌めることが容易にできる。
しかし、単一のカム要素部について一対のディテント機構を設ける場合もあり、この場合には、そのカム要素部のカム軸への組付けが問題となる。すなわち、例えばカム軸の上記他側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部を上記一側へ移動させる場合、一対のディテント機構のうちの上記他側の押圧部材は、上記一側のディテントカム部を通過させて上記他側のディテントカム部の位置に達するようにする必要がある。ここで、上記他側の押圧部材が上記一側のディテントカム部を通過する際、上記カム要素部の上記一側へのシフトを規制する上記規制部を通過することになるが、その規制部は、カム要素部の上記一側へのシフトを規制するものであることから、カム要素部を上記一側へ移動させようとしても、上記他側の押圧部材が上記規制部に引っ掛かり、この結果、上記他側の押圧部材がその規制部を通過するのは容易ではない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のような動弁装置において、単一のカム要素部について一対のディテント機構を設ける場合に、カム軸に対するカム要素部の組付性を向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける、エンジンの動弁装置の組付方法を対象として、上記動弁装置は、上記カム要素部がカム軸方向の一側にシフトしたときには、該カム要素部を第1所定位置で保持し、上記カム要素部がカム軸方向の他側にシフトしたときには、該カム要素部を、上記第1所定位置よりも上記他側に位置する第2所定位置で保持するための、単一のカム要素部について一対設けられたディテント機構を更に備え、上記一対のディテント機構のうち一方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第1ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第1孔内に位置し、該第1ディテントカム部に第1弾性部材により押圧される第1押圧部材とを有し、他方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第2ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第2孔内に位置し、該第2ディテントカム部に第2弾性部材により押圧される第2押圧部材とを有していて、上記一方のディテント機構よりもカム軸方向の上記他側に位置し、上記第1ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第1溝と、該第1溝に対してカム軸方向の上記一側に位置し、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第2溝とを有し、上記第2ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第3溝と、該第3溝に対してカム軸方向の上記他側に位置し、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第4溝とを有し、上記第1溝の上記他側の側壁部は、上記カム要素部の上記一側へのシフトを規制する規制部を構成しており、上記第1孔に上記第1弾性部材及び第1押圧部材をセットする第1セット工程と、上記第2孔に上記第2弾性部材及び第2押圧部材をセットする第2セット工程と、上記カム軸の上記他側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部を上記一側へ移動させることで、上記第1セット工程でセットされた第1押圧部材を上記第2溝に嵌めるとともに、上記第2セット工程でセットされた第2押圧部材を上記第1溝の規制部を通過させて上記第3溝に嵌めるカム要素部組付工程とを備え、上記カム要素部組付工程において、上記第2押圧部材が上記第1溝の規制部を通過する際に、該第1溝の底部から突出させた押し具により、該第2押圧部材を上記第2孔側に押圧するようにする。
上記の方法により、カム要素部組付工程において、第2押圧部材が第1溝の規制部を通過する際に、該第1溝の底部から突出させた押し具により、該第2押圧部材を第2孔側に押圧するので、第2押圧部材が第1溝の規制部に引っ掛かることなく、第1溝の規制部を容易に通過する。この結果、カム軸に対するカム要素部の組付性を向上させることができる。また、カム要素部に、該カム要素部の外周面から内周面における第1溝の底部に亘って延びる貫通孔を形成しておけば、この貫通孔を介して押し具を第1溝の底部から突出させるようにすることが可能になる。この貫通孔は、組付後に押し具を取り除けば、カム要素部の内部への潤滑油供給孔となり、この貫通孔を介して、カム軸とカム要素部との嵌合部(カム要素部をカム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト可能にする嵌合部)や、一対のディテント機構に対して、潤滑油が良好に供給されるようになる。
また、本発明の別の組付方法では、カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける、エンジンの動弁装置の組付方法を対象として、上記動弁装置は、上記カム要素部がカム軸方向の一側にシフトしたときには、該カム要素部を第1所定位置で保持し、上記カム要素部がカム軸方向の他側にシフトしたときには、該カム要素部を、上記第1所定位置よりも上記他側に位置する第2所定位置で保持するための、単一のカム要素部について一対設けられたディテント機構を更に備え、上記一対のディテント機構のうち一方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第1ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第1孔内に位置し、該第1ディテントカム部に第1弾性部材により押圧される第1押圧部材とを有し、他方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第2ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第2孔内に位置し、該第2ディテントカム部に第2弾性部材により押圧される第2押圧部材とを有していて、上記一方のディテント機構よりもカム軸方向の上記他側に位置し、上記第1ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第1溝と、該第1溝に対してカム軸方向の上記一側に位置し、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第2溝とを有し、上記第2ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第3溝と、該第3溝に対してカム軸方向の上記他側に位置し、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第4溝とを有し、上記第3溝の上記一側の側壁部は、上記カム要素部の上記他側へのシフトを規制する規制部を構成しており、上記第1孔に上記第1弾性部材及び第1押圧部材をセットする第1セット工程と、上記第2孔に上記第2弾性部材及び第2押圧部材をセットする第2セット工程と、上記カム軸の上記一側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部をカム軸方向の上記他側へ移動させることで、上記第2セット工程でセットされた第2押圧部材を上記第4溝に嵌めるとともに、上記第1セット工程でセットされた第1押圧部材を上記第3溝の規制部を通過させて上記第1溝に嵌めるカム要素部組付工程とを備え、上記カム要素部組付工程において、上記第1押圧部材が上記第3溝の規制部を通過する際に、該第3溝の底部から突出させた押し具により、該第1押圧部材を上記第1孔側に押圧するようにする。
この方法によっても、カム軸に対するカム要素部の組付性を向上させることができるとともに、カム軸とカム要素部との嵌合部や一対のディテント機構に対して、潤滑油を良好に供給することができるようになる。
上記エンジンの動弁装置の組付方法において、上記カム要素部組付工程の前に、該カム要素部に上記押し具を装着する工程と、上記カム要素部組付工程の終了後に、上記カム要素部から上記押し具を取り外す工程とを更に備える、ことが好ましい。
このことにより、作業者は、カム軸に対してカム要素部を挿入して該カム要素部を移動させるだけで、カム要素部のカム軸への組付けが完了し、カム要素部の移動途中で、押し具により第2押圧部材を第2孔側に押圧する必要はない。また、押し具のカム要素部への装着により、押し具の第1溝の底部からの突出量が常に一定になるようにすることができる。したがって、カム要素部のカム軸への組付けを安定かつ容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明のエンジンの動弁装置の組付方法によると、カム要素部組付工程において、第2押圧部材が第1溝の規制部を通過する際に、該第1溝の底部から突出させた押し具により、該第2押圧部材を第2孔側に押圧するか、又は、第1押圧部材が第3溝の規制部を通過する際に、該第3溝の底部から突出させた押し具により、該第1押圧部材を上記第1孔側に押圧するようにしたことにより、単一のカム要素部について一対のディテント機構を設けた場合に、カム軸に対するカム要素部の組付性を向上させることができ、しかも、カム軸とカム要素部との嵌合部や一対のディテント機構に対して、潤滑油を良好に供給することができるようになる。
本発明の実施形態に係る組付方法が適用されるエンジンの排気側動弁装置の概略構成を示す側面図である。 図1のII方向矢示による上記動弁装置の正面図である。 図1のIII−III線に沿って切断した拡大断面図である。 図1の状態から、弁を開閉させるカム部を切り換えた状態を示す図1相当図である。 カム要素部を示す斜視図である。 第1気筒(又は第4気筒)のカム要素部を示す側面図である。 (a)は第1気筒のカム要素部の正面図であり、(b)は第1気筒のカム要素部の背面図である。 第2気筒(又は第3気筒)のカム要素部を示す側面図である。 (a)は第2気筒のカム要素部の正面図であり、(b)は第2気筒のカム要素部の背面図である。 第3及び第4気筒のカム要素部を互いに離間させるときの各端面カムと切換部材との位置関係を示す、端面カムの円周に沿って展開した要部拡大展開図である。 第3及び第4気筒のカム要素部を互いに接近させるときの各端面カムと切換部材との位置関係を示す、端面カムの円周に沿って展開した要部拡大展開図である。 ディテント機構の構成を詳細に示す断面図であって、第1カム要素部が第2所定位置に位置している状態を示す。 第1カム要素部が第2所定位置から第1所定位置にシフトされている途中の状態(第1ディテントボールが第1頂部を丁度乗り越えた状態)を示す図12相当図である。 図13の第2ディテントカム部の周辺を示す拡大図である。 第1カム要素部が第1所定位置に位置している状態を示す図12相当図である。 第1カム要素部が第1所定位置から第2所定位置にシフトされている途中の状態(第2ィテントボールが第2頂部を丁度乗り越えた状態)を示す図12相当図である。 第1カム要素部に押し具を装着しようとしている状態を示す斜視図である。 押し具を装着した第1カム要素部を、カム軸の前側の端から挿入し、該第1カム要素部をカム軸の後側へ移動させている状態(第2ディテントボールが後部傾斜部に当接した状態)を示す要部断面図である。 第1溝の位置に達した第2ディテントボールが、押し具により第2孔側に押圧されている状態を示す要部断面図である。 第1ディテントボールが後部傾斜部に当接した状態を示す要部断面図である。 第1カム要素部をカム軸から取り外す際において、第2ディテントボールが、押し具により第1孔側に押圧されている状態を示す要部断面図である。 第1カム要素部を、カム軸の後側の端から挿入し、該第1カム要素部をカム軸の前側へ移動させることで、第1カム要素部をカム軸に組み付ける場合において、第3溝の位置に達した第1ディテントボールが、押し具により第1孔側に押圧されている状態を示す要部断面図である。 押し具の変形例を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、4気筒、4弁式DOHCエンジンの動弁装置を例にとって説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る組付方法が適用される排気側動弁装置の構成を示す。この動弁装置は、図示しないシリンダヘッドにおいて、第1〜第4気筒1〜1のそれぞれについて2つずつ合計8つの排気弁Aと、これら排気弁Aを閉方向にそれぞれ付勢するリターンスプリングBとを備えている。また、上記動弁装置は、上記シリンダヘッドの上部にて、ロッカアームCを介してリターンスプリングBの付勢力に抗して各排気弁Aを開動させるカム軸2を備えている。尚、上記動弁装置において、気筒列の第1気筒1側(図1の右側)を前側といい、第4気筒1側(図1の左側)を後側という。
上記カム軸2は、シリンダヘッドにおける各気筒1〜1の中心位置にそれぞれ設けられた縦壁部Dと該各縦壁部Dの上部に取り付けられたキャップ部材Eとで構成される軸受部Fに回転自在に支持されていて、図示しないクランクシャフトによりチェーンを介して回転駆動される。
上記カム軸2には、筒状の第1〜第4カム要素部20〜20がスプライン嵌合されている。これにより、第1〜第4カム要素部20〜20は、カム軸2に対して回転方向に結合し(一体回転し)かつカム軸方向にシフト(移動)可能に嵌合されていることになる。各カム要素部20〜20がカム軸2とスプライン嵌合する部分は、該カム要素部20〜20の内周面における後述の第1ディテントカム部45と第2ディテントカム部46との間の部分である。カム要素部20〜20は、各気筒1〜1にそれぞれ対応するように、カム軸2上でカム軸方向に列状に配置されている。
上記動弁装置には、各カム要素部20〜20をカム軸2上でそれぞれ所定ストロークだけシフトさせるための電磁式の第1〜第6切換装置30〜30が設けられている。具体的には、第1気筒1の前側(第1カム要素部20の前側)の位置に第1切換装置30が、第1及び第2気筒1,1間(第1及び第2カム要素部20,20間)の位置に第2切換装置30が、第2及び第3気筒1,1間(第2及び第3カム要素部20,20間)の位置に第3切換装置30が、その直ぐ後側の位置に第4切換装置30が、第3及び第4気筒1,1間(第3及び第4カム要素部20,20間)の位置に第5切換装置30が、第4気筒1の後側(第4カム要素部20の後側)の位置に第6切換装置30が、それぞれ配置されている。
図2に示すように、上記第1〜第6切換装置30〜30は、カム軸2を挟んでロッカアームCにおけるカムフォロアC’の反対側において、該第1〜第6切換装置30〜30における後述の切換部材32がカム軸2の軸心を指向するように配置されている。本実施形態では、第1〜第6切換装置30〜30は、カム軸2とカム要素部20〜20を上方から覆うシリンダヘッドカバーGに取り付けられている。
各切換装置30〜30は、その内部に電磁式アクチュエータが設けられた本体31と、この電磁式アクチュエータへの通電時に該本体31からカム軸2に向かって下方に突出可能な断面略円形のピン状の切換部材32とを有している。上記電磁式アクチュエータに通電しない状態では、切換部材32は、図2に破線で示すように、本体31内に設けられた永久磁石によって上方の不作動位置に保持される。一方、上記電磁式アクチュエータに通電されると、切換部材32は、図2に実線に示すように、上記永久磁石に抗して下方へ突出して作動位置に進出する。切換部材32が、作動位置に進出したとき、当該切換部材32に対応するカム要素部の前端面又は後端面に設けられた後述の端面カム23の対面位置に進出することになり、該カム要素部の前端面の端面カム23と係合することにより、該カム要素部をカム軸方向の後側にシフトさせ、該カム要素部の後端面の端面カム23と係合することにより、該カム要素部をカム軸方向の前側にシフトさせる。
第1切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第1カム要素部20をカム軸方向の後側へシフトさせる。第2切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第1カム要素部20をカム軸方向の前側へシフトさせるとともに、第2カム要素部20をカム軸方向の後側へシフトさせる。第3切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第2カム要素部20をカム軸方向の前側へシフトさせる。第4切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第3カム要素部20をカム軸方向の後側へシフトさせる。第5切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第3カム要素部20をカム軸方向の前側へシフトさせるとともに、第4カム要素部20をカム軸方向の後側へシフトさせる。第6切換装置30の切換部材32は、上記作動位置にあるとき、第4カム要素部20をカム軸方向の前側へシフトさせる。
各切換装置30〜30(電磁アクチュエータ)への通電は、図示しないエンジン回転角度センサからの検出信号に基づいて、所定のエンジン回転角度時期に、図示しないコンピュータによる各切換装置30〜30への通電指示によって行われる。
また、上記動弁装置には、切換装置30〜30による各カム要素部20〜20のカム軸方向のシフト後に各カム要素部20〜20を所定の2箇所(第1所定位置及び第2所定位置)で位置決め保持するために、図3に第1及び第2カム要素部20,20を例として示すように、カム軸2と各カム要素部20〜20とのスプライン嵌合部のカム軸方向両側にディテント機構40がそれぞれ設けられている。ディテント機構40は、単一のカム要素部について一対設けられている。以下、一対のディテント機構40を区別する場合には、一方を第1ディテント機構40aといい、他方を第2ディテント機構40bといい、区別しない場合には、単にディテント機構40という。
第1ディテント機構40aは、各カム要素部20〜20の内周面に設けられた第1ディテントカム部45と、該第1ディテントカム部45に弾性付勢により押圧される第1押圧部材としての第1ディテントボール43aとを有している。第1ディテントボール43aの一部(カム軸2側の部分)は、カム軸2に形成された第1孔41a内に位置し、該第1孔41a内におけるその奥側には、第1スプリング42aが収容されており、第1ディテントボール43aは、その第1スプリング42aによって、第1ディテントカム部45に押圧される。
また、第2ディテント機構40bは、各カム要素部20〜20の内周面に設けられた第2ディテントカム部46と、該第2ディテントカム部46に弾性付勢により押圧される第2押圧部材としての第2ディテントボール43bとを有している。第2ディテントボール43bの一部(カム軸2側の部分)は、カム軸2に形成された第2孔41b内に位置し、該第2孔41b内におけるその奥側には、第2スプリング42bが収容されており、第2ディテントボール43bは、その第2スプリング42bによって、第2ディテントカム部46に押圧される。
上記第1ディテントカム部45は、カム軸方向に隣接して並びかつ第1ディテントボール43aが嵌まって係合する第1溝51及び第2溝52と、該両溝51,52の境界部に位置する第1頂部55とで構成され、上記第2ディテントカム部46は、カム軸方向に隣接して並びかつ第2ディテントボール43bが嵌まって係合する第3溝53及び第4溝54と、該両溝53,54の境界部に位置する第2頂部56とで構成されている。第1溝51、第2溝52、第3溝53及び第4溝54は、各カム要素部20〜20の内周面に全周に亘って設けられている。
第1カム要素部20及び第3カム要素部20においては、第2ディテント機構40bは、第1ディテント機構40aに対してカム軸方向の前側に位置し、第2カム要素部20及び第4カム要素部20においては、第2ディテント機構40bは、第1ディテント機構40aに対してカム軸方向の後側に位置する。また、第1カム要素部20及び第3カム要素部20においては、第2溝52は、第1溝51に対して第1頂部55を介してカム軸方向の後側に位置し、第2カム要素部20及び第4カム要素部20においては、第2溝52は、第1溝51に対して第1頂部55を介してカム軸方向の前側に位置する。さらに、第1カム要素部20及び第3カム要素部20においては、第4溝54は、第3溝53に対して第2頂部56を介してカム軸方向の前側に位置し、第2カム要素部20及び第4カム要素部20においては、第4溝54は、第3溝53に対して第2頂部56を介してカム軸方向の後側に位置する。このように、第1カム要素部20及び第3カム要素部20と、第2カム要素部20及び第4カム要素部20とでは、前後関係が逆になる。
第1ディテントボール43aが第1溝51に嵌まりかつ第2ディテントボール43bが第4溝54に嵌まっているとき、各カム要素部20〜20は、図1及び図3に示す第1所定位置に位置決め保持されることになる。一方、第1ディテントボール43aが第2溝52に嵌まりかつ第2ディテントボール43bが第3溝53に嵌まっているとき、各カム要素部20〜20は、図4に示す第2所定位置に位置決め保持されることになる。
ここで、図1に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第1所定位置に位置するときには、第1カム要素部20は後側に、第2カム要素部20は前側に、第3カム要素部20は後側に、第4カム要素部20は前側にそれぞれ位置する。したがって、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第1所定位置に位置するときには、第1及び第2カム要素部20,20の対向端面は互いに近接し、第2及び第3カム要素部20,20の対向端面は互いに離間し、第3及び第4カム要素部20,20の対向端面は互いに近接した状態となる。
また、図4に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第2所定位置に位置するときには、第1カム要素部20は前側に、第2カム要素部20は後側に、第3カム要素部20は前側に、第4カム要素部20は後側にそれぞれ位置する。したがって、第1〜第4カム要素部20〜20が全て第2所定位置に位置するときには、第1及び第2カム要素部20,20の対向端面は互いに離間し、第2及び第3カム要素部20,20の対向端面は互いに近接し、第3及び第4カム要素部20,20の対向端面は互いに離間した状態となる。
このように第1カム要素部20及び第3カム要素部20は、図1、図3及び図4の左側(後側)にシフトさせられたときに、第1所定位置に位置付けられ、右側(前側)にシフトさせられたときには、第2所定位置に位置付けられる一方、第2カム要素部20及び第4カム要素部20は、右側(前側)にシフトさせられたときに、第1所定位置に位置付けられ、左側(後側)にシフトさせられたときに、第2所定位置に位置付けられることになる。したがって、第1カム要素部20及び第3カム要素部20については、図1、図3及び図4の左側(後側)が、本発明でいうところの、カム軸方向の一側に相当し、右側(前側)が、本発明でいうところの、カム軸方向の他側に相当する。一方、第2カム要素部20及び第4カム要素部20については、図1、図3及び図4の右側(前側)が、本発明でいうところの、カム軸方向の一側に相当し、左側(後側)が、本発明でいうところの、カム軸方向の他側に相当する。
次に、図5〜図9により、カム要素部20〜20の構成について、第1カム要素部20及び第2カム要素部20を例として、詳しく説明する。
筒状のカム要素部20(20〜20)における筒軸方向(カム軸方向と一致)中間部の外周面は、上記軸受部Fに支持されるジャーナル部21とされ、その筒軸方向両側(カム軸方向の前後両側)に、対応する各気筒の2つの排気弁A,A開閉用の作動部22,22が設けられており、該各作動部22に、図5に示すように、例えば低エンジン回転時用のリフト量が大きな第1カム部22と、例えば高エンジン回転時用のリフト量が小さな第2カム部22とが相隣接して設けられている。
尚、ジャーナル部21と各作動部22との間の境界部には、ジャーナル部21よりも径が大きくされた段差部25がそれぞれ形成されている。
これら第1カム部22及び第2カム部22は、図7(b)に示すように、ベースサークルaが共通で、リフト量が異なるノーズ部b,bが該ベースサークルa上にわずかに位相差をもって設けられている。そして、第1カム部22及び第2カム部22が、2箇所の作動部22,22の間で、前後方向に並ぶ順序及びノーズ部b、bの位相が一致するように、該作動部22,22にそれぞれ設けられている。尚、ベースサークルaが共通であるとは、第1カム部22と第2カム部22とのベースサークルaのベース円径が同じであることを意味する。
第1カム要素部20及び第3カム要素部20においては、第1カム部22が前側に、第2カム部22が後側にそれぞれ配置され、第2カム要素部20及び第4カム要素部20においては、第2カム部22が前側に、第1カム部22が後側にそれぞれ配置されている。
そして、カム要素部20〜20が、上記ディテント機構40によりカム軸2上の第1所定位置に位置決め保持されたときには、いずれのカム要素部20〜20においても、2つの第1カム部22,22が、対応する気筒1〜1の2つのロッカアームC,CのカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置し(図1参照)、カム軸2上の第2所定位置に位置決め保持されたときは、第2カム部22、22が、対応する気筒1〜1の2つのロッカアームC,CのカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置する(図4参照)ように設定されている。こうして、カム要素部20〜20のカム軸方向の前側又は後側へのシフトによって、上記第1カム部22及び第2カム部22の中で、弁を開閉させるカム部が切り換えられることになる。
ここで、本実施形態に係るエンジンは、各気筒の爆発(燃焼)順序が、第3気筒1→第4気筒1→第2気筒1→第1気筒1とされており、各カム要素部20〜20の第1カム部22又は第2カム部22のノーズ部b,bが、カム軸2の90°回転毎に、この順序でカムフォロワC’,C’に対応位置するように、第1〜第4カム要素部20〜20が位相差を設けてカム軸2にスプライン嵌合されている。
さらに、各カム要素部20〜20には、前後両端面に端面カム23,23がそれぞれ設けられている。
各カム要素部20〜20の前後両端面の端面カム23,23は、図6及び図8に示すように、基準面23a,23aからカム軸方向の前側及び後側にそれぞれ突出するリフト部23b,23bを有する。尚、図6では、第1カム要素部20としては、図6の左側が前側になりかつ図6の右側が後側になり、第4カム要素部20としては、図6の右側が前側になりかつ図6の左側が後側になる。また、図8では、第2カム要素部20としては、図8の左側が前側になりかつ図8の右側が後側になり、第3カム要素部20としては、図8の右側が前側になりかつ図8の左側が後側になる。
各リフト部23bは、図7及び図9に示すように、リフト開始位置eからリフト終了位置fに至る所定位相範囲α(例えば約120°)の間で、回転方向Xに対して基準面23a(リフト量ゼロ)からカム軸方向のリフト量が次第に増加し、リフト終了位置f又は後述するスロープ終了位置gで基準面23aに戻るようになっている。
各カム要素部20〜20は、図7(a)及び(b)(又は、図9(a)及び(b))を見比べると明らかなように、その前後両端面の端面カム23,23のリフト終了位置fが互いに異なる位相になるようになされている。すなわち、各カム要素部20〜20の両端面の端面カム23,23は、該両端面カム23,23の最大リフト部が異なる回転方向の位相になるように形成されている。
また、各カム要素部20〜20の両端面の端面カム23,23は、同じ位相での該両端面カム23,23のカム面間のカム軸方向に沿った距離の最大値Lmaxが、共に上記作動位置に位置するとしたときの切換部材32,32(当該両端面カム23,23のカム面とそれぞれ係合する切換部材32,32)間のカム軸方向に沿った距離Lpin以下に形成されている。すなわち、上記両端面の端面カム23,23のカム面間のカム軸方向に沿った距離が、上記切換部材32,32間のカム軸方向に沿った距離Lpinよりも大きくなる位相が存在しない。
さらに、本実施形態では、図7(a)及び(b)(又は、図9(a)及び(b))を見比べると明らかなように、各カム要素部20〜20における両端面の端面カム23,23のリフト部23b,23bは、そのリフト開始位置eからリフト終了位置fに至る位相範囲αが少なくとも一部の位相範囲β(図10及び図11に図示)で互いに重複するように形成されている。
また、上述のように、各カム要素部20〜20が、各気筒1〜1の爆発順序に応じてそれぞれ所定の位相差を設けてカム軸2にスプライン嵌合されていることに伴い、各カム要素部20〜20の互いに対向する端面カム23,23もそれぞれ位相差をもって対向する。本実施形態では、図1の符号ア、イに示すように、相隣接する2つの第1及び第2カム要素部20,20、並びに、第3及び第4カム要素部20,20は、互いに対向する端面カム23,23のリフト部23b,23bが互いに異なる位相になるように設けられており、相隣接する2つのカム要素部20,20;20,20の近接時に互いに対向するリフト部23b,23bの少なくとも一部がカム軸方向において重複している。このとき、互いに対向する端面カム23,23の同じ位相でのカム面間のカム軸方向に沿った距離の最小値が、切換部材32の直径以下となるように構成されている。
そして、第2及び第5切換装置30,30の切換部材32,32は、それらが対応する2つのカム要素部20,20;20,20の近接時に互いに対向する端面カム23,23の対向面間の位置(作動位置)に進出し、これら端面カム23,23に係合することにより、カム軸2の回転に従って、近接していた2つのカム要素部20,20;20,20を互いに離間させる方向にシフトさせるようになっている。
このとき、図1に示す状態で互いに近接していた第1及び第2カム要素部20,20、並びに、第3及び第4カム要素部20,20は、互いに離間することにより、いずれも第1所定位置から図4に示す第2所定位置へシフトする。また、図1に示す状態で互いに離間していた第2及び第3カム要素部20,20は、互いに近接することになる。
一方、第1切換装置30の切換部材32は、図4に示すように、第1カム要素部20が前側の第2所定位置にある状態で、該第1カム要素部20の前端面の端面カム23に対面する位置(作動位置)へ進出することによって該端面カム23に係合し、カム軸2の回転に従って、第1カム要素部20を後側の第1所定位置へシフトさせる。同様に、第4切換装置30の切換部材32は、第3カム要素部20が前側の第2所定位置にある状態で、該第3カム要素部20の前端面の端面カム23に対面する位置(作動位置)へ進出することによって該端面カム23に係合し、カム軸2の回転に従って、第3カム要素部20を後側の第1所定位置へシフトさせる。
また、第3切換装置30の切換部材32は、第2カム要素部20が後側の第2所定位置にある状態で、該第2カム要素部20の後端面の端面カム23に対面する位置(作動位置)へ進出することによって該端面カム23に係合し、第2カム要素部20を前側の第1所定位置へシフトさせる。同様に、第6切換装置30の切換部材32は、第4カム要素部20が後側の第2所定位置にある状態で、該第4カム要素部20の後端面の端面カム23に対面する位置(作動位置)へ進出することによって該端面カム23に係合し、第4カム要素部20を前側の第1所定位置へシフトさせる。
ここで、各切換装置30〜30の切換部材32の作動位置への進出は、以下のようなタイミングで行われる。すなわち、第1及び第4切換装置30,30の切換部材32の作動位置への進出は、該切換部材32の指向位置に、第1及び第3カム要素部20,20における前端面の端面カム23の基準面23aが位置するタイミングで行われる。また、第3及び第6切換装置30,30の切換部材32の作動位置への進出は、該切換部材32の指向位置に、第2及び第4カム要素部20,20における後端面の端面カム23の基準面23aが位置するタイミングで行われる。さらに、第2切換装置30の切換部材32の作動位置への進出は、該切換部材32の指向位置に、第1及び第2カム要素部20,20における互いに対向する2つの端面カム23,23の両方の基準面23a,23aが位置するタイミングで行われる。第5切換装置30の切換部材32の作動位置への進出は、該切換部材32の指向位置に、第3及び第4カム要素部20,20における互いに対向する2つの端面カム23,23の両方の基準面23a、23aが位置するタイミングで行われる。
また、上記切換部材32の作動位置への進出による各カム要素部20〜20のシフトは、ロッカアームCのカムフォロアC’が第1カム部22又は第2カム部22のベースサークルaに対応位置しているタイミング、すなわち、当該気筒が排気行程以外の行程にあるときに行われなければならない。
そこで、これらの作動タイミングの条件を満足するために、本実施形態では、図7に示すように、第1及び第2カム部22,22のノーズ部b,bの頂部に対し、回転方向Xの前側(進み側)の所定位相の位置に端面カム23のリフト開始位置eを設定し、該リフト開始位置eから回転方向Xの後側(遅れ側)の所定位相αの位置に端面カム23のリフト終了位置fを設定している。そして、端面カム23のリフト開始位置eから回転方向Xの後側に向かう第1及び第2カム部22,22のノーズ部b,bのリフト終了位置までの角度が180度よりも小さくなるような位置関係で設けられている。この場合、図2に示すロッカアームCのカムフォロアC’と第1〜第6切換装置30〜30の切換部材32との位置関係において、各カム要素部20〜20は、排気行程の終了後間もなくシフトすることになる。
本実施形態では、カム要素部20〜20の端面カム23に、作動位置へ進出した切換部材32を強制的に不作動位置まで退避させるための戻しスロープ部23cが一体的に設けられている。作動位置に進出した切換部材32は、戻しスロープ部23cによって不作動位置に戻されて、上記永久磁石によって不作動位置に保持されることになる。
上記戻しスロープ部23cは、カム要素部20〜20のカム部22,22の切換順序や、切換装置の配置される個数等の条件によって、実際に設けるべき場所が変わる。しかし、これら条件によらず、共通(兼用)の切換装置(本実施形態の場合、第2切換装置30、第5切換装置30)によってシフトされる、相隣接するカム要素部(本実施形態の場合、第1カム要素部20と第2カム要素部20、第3カム要素部20と第4カム要素部20)については、少なくとも、その共通の切換装置によって遅れてシフトされるカム要素部の端面カム23に戻しスロープ部23cを設ける必要がある。本実施形態の場合、燃焼順序と同じ第3気筒1→第4気筒1→第2気筒1→第1気筒1の順に、各気筒1〜1のカム要素部20〜20のカム部22,22を切り換えるため、第1カム要素部20及び第2カム要素部20のうち、第2切換装置30により遅れてシフトされるのは、第1カム要素部20であり、第3カム要素部20及び第4カム要素部20のうち、第5切換装置30により遅れてシフトされるのは、第4カム要素部20である。本実施形態では、第1及び第4カム要素部20,20の前後両端面の端面カム23,23と、第2カム要素部20の後端面の端面カム23と、第3カム要素部20の前端面の端面カム23とに、戻しスロープ部23cがそれぞれ設けられている。
図6〜図9に示すように、戻しスロープ部23cは、リフト部23bよりもカム軸方向に突出し、端面カム23のカム面において端面カム23のリフト終了位置fよりも回転遅れ側(矢印Xと逆方向)に所定位相範囲、すなわちリフト終了位置f(スロープ開始位置となる)からスロープ終了位置gまで設けられており、回転遅れ側に向かって半径方向外側に傾斜して延びるカム面、すなわち、回転遅れ側に向かって半径方向のリフト量が次第に高くなるカム面を有する。このカム面は、スロープ開始位置fにおけるリフト量が、作動位置にある切換部材32の先端部よりもわずかに低いとともに、スロープ終了位置gにおけるリフト量が不作動位置にある切換部材32の先端部よりもわずかに低く設定されている。
上記戻しスロープ部23cによれば、リフト部23bによるカム要素部20〜20のシフトが終了した後に切換部材32の先端部にそのカム面で摺接することにより、切換部材32を作動位置から不作動位置に退避させることができる。尚、上述のように、スロープ終了位置gにおけるリフト量は、不作動位置にある切換部材32の先端部よりも低いが、スロープ開始位置fからスロープ終了位置gに至るまでに切換部材32に与えられた慣性力と上記永久磁石の磁力とによって、切換部材32は不作動位置まで戻されるようになっている。
また、戻しスロープ部23cは、相隣接するカム要素部の離間時に、切換部材32の指向方向に位置するように端面カム23に設けられている。さらに、戻しスロープ部23cは、相隣接するカム要素部の近接時に、互いに対向する端面カム23,23同士が干渉しないように、特に一方の端面カム23の戻しスロープ部23cと、他方の端面カム23のリフト部23bとが干渉しないように設けられている。
本実施形態の場合、戻しスロープ部23cは、リフト部23bと共に、端面カム23に対して一体的に形成されているが、戻しスロープ部23cを、端面カム23が設けられたカム要素部20〜20とは別体の部品として形成し、後に組立によりカム要素部20〜20と一体化してもよい。
次に、上記動弁装置の動作について、図10及び図11を参照しながら説明する。尚、図10及び図11は、第4〜第6切換装置30〜30の切換部材32に対する、第3及び第4カム要素部20,20の回転を、該両カム要素部20,20に対する、端面カム23の円周方向への切換部材32の相対移動(図の左から右へ)として示した図である。そして、近接時(第1所定位置にあるとき)の両カム要素部20,20の端面カム23を実線で示し、離間時(第2所定位置にあるとき)の両カム要素部20,20の端面カム23を一点鎖線で示している。
まず、図1に示すように、例えばエンジンの高回転時であって、第1〜第4カム要素部20〜20が第1所定位置に位置するとき、これらのカム要素部20〜20においては、いずれも、2つの作動部22,22におけるリフト量の大きな第1カム部22,22が、ロッカアームC、CのカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置し、カム軸2の回転により、上述の順序で、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁Aが相対的に大きな開弁量で開弁する。
この状態から、エンジン回転数の低下等に伴い、排気弁Aの開弁量を少なくするように切り換える場合、第2及び第5切換装置30,30の電磁式アクチュエータに通電して切換部材32,32を不作動位置から作動位置へ進出させる。
すなわち、まず、第5切換装置30の切換部材32が、第1所定位置にあって互いに近接した状態にある第3及び第4カム要素部20,20の相対向する端面カム23,23の間の位置(作動位置)に進出し、これらの端面カム23,23に係合する。その場合、図10で符号(ア)で示すように、第5切換装置30の切換部材32は、第3及び第4カム要素部20,20の相対向する端面カム23,23(実線で図示)のリフト量がいずれもゼロの基準面23a、23aを指向する期間に進出する。
そして、第3気筒1の排気行程が終了した後、第5切換装置30の切換部材32の位置に、第3カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第5切換装置30の切換部材32が、図10で符号(イ)から(ウ)までの位置において、カム軸2の回転に従い、第3カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら、第3カム要素部20を前側へ押して(下向き白抜き矢印で図示)、第3カム要素部20を第2所定位置の側へシフトさせる(一点鎖線で図示)。
この第3カム要素部20のシフトにより、第3カム要素部20の前端面の端面カム23が、不作動位置にある第4切換装置30の切換部材32に対して接近する。ここで、第3カム要素部20は、その両端面の端面カム23,23のカム面間の同じ位相でのカム軸方向に沿った距離が最大値Lmaxとなる位相が、前端面の端面カム23のリフト部23bのリフト終了位置fでの位相か、又は、後端面の端面カム23のリフト部23bのリフト終了位置fでの位相となるようになされている。上記最大値Lmaxは、第3カム要素部20両側の切換部材32,32(いずれも作動位置に進出しているとする)の間のカム軸方向に沿った距離Lpin以下(図10では、Lmax<Lpin)となるように設定されている。そのため、図10で符号(ウ)で示すように、第5切換装置30の切換部材32と第3カム要素部20の後端面の端面カム23とのリフト終了位置fでの係合によって第3カム要素部20が最も前側にシフトしたときにおいて、作動不良等により第4切換装置30の切換部材32が作動位置に進出していたとしても、該進出している第4切換装置30の切換部材32が第3カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト部23bとは接触せず、その後にカム軸2の回転により接触するが、そのときには、第5切換装置30の切換部材32は既にリフト終了位置fを通過しており、このため、第5切換装置30の切換部材32が第3カム要素部20の後端面の端面カム23と接触することはない。このように第3カム要素部20における両端面カム23,23のカム面間の同じ位相でのカム軸方向に沿った距離が、第3カム要素部20両側の切換部材32,32間のカム軸方向に沿った距離Lpinよりも小さいので、どの位相においても第3カム要素部20がその両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
また、第5切換装置30の切換部材32の位置に、第3カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カム軸2が90°回転し、第4気筒1の排気行程が終了すると、次に、第5切換装置30の切換部材32の位置に、第4カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第5切換装置30の切換部材32が、図10の符号(エ)から(オ)までの位置において、カム軸2の回転に従い、第4カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第4カム要素部20を後側へ押して(上向き黒色矢印で図示)、第4カム要素部20を第2所定位置の側へシフトさせる(一点鎖線で図示)。
この第4カム要素部20のシフトにより、第4カム要素部20の後端面の端面カム23が、不作動位置にある第6切換装置30の切換部材32に対して接近する。ここで、第3カム要素部20と同様に、第4カム要素部20も、Lmax≦Lpin(図10では、Lmax<Lpin)となるように形成されている。そのため、図10で符号(オ)で示すように、第5切換装置30の切換部材32と第4カム要素部20の後端面の端面カム23とのリフト終了位置fでの係合によって第6切換装置30が最も後側にシフトしたときにおいて、作動不良等により第6切換装置30の切換部材32が作動位置に進出していたとしても、該進出している第6切換装置30の切換部材32が、第4カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト部23bとは接触せず、その後にカム軸2の回転により接触するが、そのときには、第5切換装置30の切換部材32は既にリフト終了位置fを通過しており、このため、第5切換装置30の切換部材32が第4カム要素部20の前端面の端面カム23と接触することはない。このように第4カム要素部20における両端面カム23,23のカム面間の同じ位相でのカム軸方向に沿った距離が、第4カム要素部20両側の切換部材32,32間のカム軸方向に沿った距離Lpinよりも小さいので、どの位相においても第4カム要素部20がその両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
さらに、第5切換装置30の切換部材32が図10で符号(オ)の位置を過ぎると、電磁式アクチュエータへの通電を止める。その後、図10の符号(オ)から(カ)までの位置において、この切換部材32は、その先端面が戻しスロープ部23cのカム面に摺接しながら押し上げられて、強制的に不作動位置へ戻される。
次に、第2切換装置30の切換部材32が、第1所定位置にあって互いに近接した状態にある第1及び第2カム要素部20,20の相対向する端面カム23,23の間の位置(作動位置)に進出し、これらの端面カム23,23に係合する。その場合、第2切換装置30の切換部材32は、第1及び第2カム要素部20,20の相対向する端面カム23,23のリフト量がいずれも0の基準面23a,23aを指向する期間に進出する。
そして、第2気筒1の排気行程が終了した後、第2切換装置30の切換部材32の位置に、第2カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カム軸2の回転に従い、切換部材32が該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第2カム要素部20を後側へ押して、第2カム要素部20を第2所定位置の側へシフトさせる。この第2カム要素部20についても、その両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
また、第2切換装置30の切換部材32の位置に、第2カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カム軸2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、第2切換装置30の切換部材32の位置に、第1カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カム軸2の回転に従い、第2切換装置30の切換部材32が、第1カム要素部20の後端面の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第1カム要素部20を前側へ押して、第1カム要素部20を第2所定置の側へシフトさせる。この第1カム要素部20についても、その両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
さらに、第2切換装置30の電磁式アクチュエータへの通電を止め、その後、切換部材32は、上述の第5切換装置30と同様に、該切換部材32の先端面が戻しスロープ部23cのカム面に摺接しながら押し上げられて、強制的に不作動位置へ戻される。
上述の動作により、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第1所定位置から第2所定位置へシフトし、図4に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20のいずれにおいても、2つの作動部22,22における第2カム部22,22がロッカアームC,CのカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置し、排気行程時に各気筒1〜1の排気弁Aが相対的に小さな開弁量で開弁することになる。
一方、図4に示す各カム要素部20〜20のリフト量が小さな第2カム部22,22がロッカアームC,CのカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置する状態から、例えばエンジン回転数の上昇に伴い、図1に示すリフト量が大きな第1カム部22,22がカムフォロワC’,C’にそれぞれ対応位置する状態に切り換える動作は、第1、第3、第4及び第6切換装置30,30,30,30の電磁式アクチュエータへの通電により、これら切換装置30,30,30,30の切換部材32を不作動位置から作動位置へ進出させることにより行われる。
すなわち、まず、第4切換装置30の切換部材32が、図11で符号(キ)で示すように、第3カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト量がいずれも0の基準面23aを指向する期間に入ると直ぐに該端面カム23の対面位置(作動位置)に進出する。
そして、第3気筒1の排気行程が終了した後、上記進出した第4切換装置30の切換部材32の位置に、第3カム要素部20の前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第4切換装置30の切換部材32が、図11の符号(ク)から(コ)までの位置において、カム軸2の回転に従い、該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第3カム要素部20を後側へ押して(上向き白抜き矢印で図示)、第3カム要素部20を第1所定位置の側へシフトさせる(実線で図示)。
この第3カム要素部20のシフトにより、第3カム要素部20の後端面の端面カム23が、不作動位置にある第5切換装置30の切換部材32に対して接近する。ここで、第3カム要素部20は、上述のように、Lmax≦Lpin(図11では、Lmax<Lpin)となるように形成されている。そのため、第4切換装置30の切換部材32による第3カム要素部20の後側への移動途中で、図11で符号(ク)で示すように、第3カム要素部20の後端面の端面カム23が、そのリフト終了位置fで第5切換装置30の切換部材32に最も接近するが、このとき、作動不良等により第5切換装置30の切換部材32が作動位置に進出していたとしても、該進出している第5切換装置30の切換部材32が第3カム要素部20の後端面の端面カム23とは接触せず、その後に、第4切換装置30の切換部材32によって第3カム要素部20が更に後側にシフトしても、そのときには、第5切換装置30の切換部材32は既にリフト部23bのリフト終了位置fを通過しており、このため、第5切換装置30の切換部材32が第3カム要素部20の後端面の端面カム23と接触することはない。このように第3カム要素部20における両端面カム23,23のカム面間の同じ位相でのカム軸方向に沿った距離が、第3カム要素部20両側の切換部材32,32間のカム軸方向に沿った距離Lpinよりも小さいので、どの位相においても第3カム要素部20がその両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
また、第4切換装置30の切換部材32の位置に、第3カム要素部20における前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第4気筒1の排気行程が終了すると、図11で符号(ケ)で示すように、第6切換装置30の切換部材32が、第2所定位置にある第4カム要素部20における後端面の端面カム23のリフト量がゼロの基準面23aを指向する期間に進出し、この端面カム23に係合する。
そして、第4気筒1の排気行程が終了した後、第6切換装置30の切換部材32の位置に、第4カム要素部20における後端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第6切換装置30の切換部材32が、図11の符号(サ)から(シ)までの位置において、カム軸2の回転に従い、該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら該第4カム要素部20を前側へ押して(下向き黒色矢印で図示)、第4カム要素部20を第1所定位置の側へシフトさせる(実線で図示)。
この第4カム要素部20のシフトにより、第4カム要素部20における前端面の端面カム23が、不作動位置にある第5切換装置30の切換部材32に対して接近する。第6切換装置30の切換部材32による第4カム要素部20の前側への移動途中で、図11で符号(サ)で示すように、第4カム要素部20の前端面の端面カム23が、そのリフト終了位置fで第5切換装置30の切換部材32に最も接近するが、このとき、作動不良等により第5切換装置30の切換部材32が作動位置に進出していたとしても、第3カム要素部20の場合と同様の理由により、該進出している第5切換装置30の切換部材32が第4カム要素部20の前端面の端面カム23とは接触せず、その後に、第6切換装置30の切換部材32によって第4カム要素部20が更に前側にシフトしても、そのときには、第5切換装置30の切換部材32は既にリフト部23bのリフト終了位置fを通過しており、このため、第5切換装置30の切換部材32が第4カム要素部20の前端面の端面カム23と接触することはない。このように第4カム要素部20における両端面カム23,23のカム面間の同じ位相でのカム軸方向に沿った距離が、第4カム要素部20両側の切換部材32,32間のカム軸方向に沿った距離Lpinよりも小さいので、どの位相においても第4カム要素部20がその両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
その後、第5切換装置30は、その切換部材32の下方に第4カム要素部20の端面カム23のスロープ部23cがなくなると、その切換部材32の作動位置への移動が可能となる。
また、このとき、第3切換装置30の切換部材32が、第2カム要素部20における後端面の端面カム23の対面位置に進出し、カム軸2の回転に従い、第3切換装置30の切換部材32は、第2カム要素部20における後端面の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら該第2カム要素部20を前側へ押して、第2カム要素部20を第1所定位置の側へシフトさせる。この第2カム要素部20についても、その両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
また、この第2カム要素部20のシフトとほぼ並行して、第1切換装置30の切換部材32が、第2所定位置にある第1カム要素部20における前端面の端面カム23の基準面23aを指向する期間に、該端面カム23の対面位置に進出する。
さらに、第3切換装置30の切換部材32の位置に、第2カム要素部20の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒1の排気行程が終了すると、第1切換装置30の切換部材32の位置に、第1カム要素部20における前端面の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、カム軸2の回転に従い、第1切換装置30の切換部材32が該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら該第1カム要素部20を後側へ押して、第1カム要素部20を第1所定位置の側へシフトさせる。この第1カム要素部20についても、その両側の切換部材32,32間に挟まって回転不能となることがない。
上述の動作により、第1〜第4カム要素部20〜20は全て第2所定位置から第1所定位置へシフトし、図1に示すように、第1〜第4カム要素部20〜20の作動部22,22における第1カム部22,22がロッカアームC,CのカムフォロワC’,C’に対応位置する状態に戻ることになる。
以上のように、本実施形態によれば、4つの気筒1〜1にそれぞれ備えられた4つのカム要素部20〜20が、6つの切換装置30〜30によるシフトによって、リフト量の小さな第1カム部22,22とリフト量の大きな第2カム部22,22との間で排気弁Aを開閉させるカム部が切り換えられることになる。
次に、各カム要素部20〜20の各々に一対設けられたディテント機構40(40a,40b)について詳細に説明する。ここでは、第1カム要素部20に設けられたディテント機構40を例に、図12〜図16に基づいて説明する。
図12は、第1カム要素部20が第2所定位置に位置している状態を示し、図13は、第1カム要素部20が第2所定位置から第1所定位置にシフトされている途中の状態(第1ディテントボール43aが第1頂部55を丁度乗り越えた状態)を示す。図14は、図13の第2ディテントカム部46の周辺を拡大して示す。図15は、第1カム要素部20が第1所定位置に位置している状態を示し、図16は、第1カム要素部20が第1所定位置から第2所定位置にシフトされている途中の状態(第2ィテントボール43bが第2頂部56を丁度乗り越えた状態)を示す。
一対のディテント機構40のうち後側に設けられた第1ディテント機構40aにおける第1ディテントカム部45の第1溝51及び第2溝52は、第1頂部55から該各溝51,52の底部に向かってカム軸方向に対して傾斜して延びる傾斜部51a,52a(傾斜面)をそれぞれ有している。これら傾斜部51a,52aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は同じであって、20°〜30°の範囲内が好ましい。第1カム要素部20においては、第1溝51(傾斜部51a)は、第1頂部55の前側に位置し、第2溝52(傾斜部52a)は、第1頂部55の後側に位置する。尚、傾斜部51a,52aのカム軸方向に対する傾斜角が互いに異なっていてもよい。
第1溝51は、略V字状をなすように形成された前後両側の側壁部で構成されている。後側の側壁部は、上記傾斜部51aとされ、前側の側壁部は、カム軸方向に対して傾斜する傾斜部51bとされている。この傾斜部51bのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は、傾斜部51aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)よりも大きくされて、第1カム要素部20の第2所定位置から第1所定位置へのシフトの際に、第4溝54における後述の傾斜部54bと協働で、該第1カム要素部20を第1所定位置で停止させるようになされている。すなわち、第1溝51の傾斜部51b(第1溝51の他側の側壁部に相当)、及び、第4溝54の傾斜部54bは、第1カム要素部20の後側(一側)へのシフトを規制する規制部を構成している。
第2溝52も、第1溝51と同様に、略V字状をなすように形成された前後両側の側壁部で構成されている。前側の側壁部は、上記傾斜部52aとされ、後側の側壁部は、カム軸方向に対して傾斜する傾斜部52bとされている。この傾斜部52bのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は、傾斜部52aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)よりも大きくされて、第1カム要素部20の第1所定位置から第2所定位置へのシフトの際に、第3溝53における後述の傾斜部53bと協働で、該第1カム要素部20を第2所定位置で停止させるようになされている。第2溝52の傾斜部52b、及び、第3溝53の傾斜部53bは、第1カム要素部20の前側(他側)へのシフトを規制する規制部を構成している。
また、第1溝51に嵌まった状態の第1ディテントボール43aが該状態から第1頂部55を乗り越えるまでの、該第1ディテントボール43aの第1カム要素部20に対するカム軸方向に沿った相対移動距離が、第2溝52に嵌まった状態の第1ディテントボール43aが該状態から第1頂部55を乗り越えるまでの、該第1ディテントボール43aの第1カム要素部20に対するカム軸方向に沿った相対移動距離よりも長くされている。すなわち、第1溝51に嵌まった状態の第1ディテントボール43aの中心と第1頂部55との間のカム軸方向に沿った距離d1が、第2溝52に嵌まった状態の第1ディテントボール43aの中心と第1頂部55との間のカム軸方向に沿った距離d2よりも長く設定されている。上記距離d1と上記距離d2との和は、上記第1所定位置と上記第2所定位置との間の距離d0であり、上記距離d1は、d0/2よりも長く、上記距離d2は、d0/2よりも短くなる。また、本実施形態では、傾斜部51a,52aのカム軸方向に対する傾斜角が同じであるので、第1頂部55に対する第1溝51の深さが、第1頂部55に対する第2溝52の深さよりも深くなり、その分だけ、第1溝51に嵌まった状態の第1ディテントボール43aの位置が、第2溝52に嵌まった状態の第1ディテントボール43aの位置よりも、カム軸2の径方向外側にある。尚、上記相対移動距離、上記距離d1,d2に関して、第1ディテントボール43aが第1溝51(又は第2溝52)に嵌まった状態とは、第1ディテントボール43aが第1溝51(又は第2溝52)の中で最も底部側に位置する状態(完全に嵌まった状態)である。
一対のディテント機構40のうち前側に設けられた第2ディテント機構40bにおける第2ディテントカム部46の第3溝53及び第4溝54は、第2頂部56から該各溝53,54の底部に向かってカム軸方向に対して傾斜して延びる傾斜部53a,54a(傾斜面)をそれぞれ有している。これら傾斜部53a,54aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は同じであって、20°〜30°の範囲内が好ましい。第1カム要素部20においては、第3溝53(傾斜部53a)は、第2頂部56の後側に位置し、第4溝54(傾斜部54a)は、第2頂部56の前側に位置する。尚、傾斜部53a,54aのカム軸方向に対する傾斜角が互いに異なっていてもよい。
第3溝53は、略V字状をなすように形成された前後両側の側壁部で構成されている。前側の側壁部は、上記傾斜部53aとされ、後側の側壁部は、カム軸方向に対して傾斜する傾斜部53bとされている。この傾斜部53bのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は、傾斜部53aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)よりも大きくされて、上記のように、第1カム要素部20の第1所定位置から第2所定位置へのシフトの際に、第2溝52の傾斜部52bと協働で、該第1カム要素部20を第2所定位置で停止させるようになされている。
第4溝54も、第3溝53と同様に、略V字状をなすように形成された前後両側の側壁部で構成されている。後側の側壁部は、上記傾斜部54aとされ、前側の側壁部は、カム軸方向に対して傾斜する傾斜部54bとされている。この傾斜部54bのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)は、傾斜部54aのカム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)よりも大きくされて、上記のように、第1カム要素部20の第2所定位置から第1所定位置へのシフトの際に、第1溝51の傾斜部51bと協働で、該第1カム要素部20を第1所定位置で停止させるようになされている。
また、第3溝53に嵌まった状態の第2ディテントボール43bが該状態から第2頂部56を乗り越えるまでの、該第2ディテントボール43bの第1カム要素部20に対するカム軸方向に沿った相対移動距離が、第4溝54に嵌まった状態の第2ディテントボール43bが該状態から第2頂部56を乗り越えるまでの、該第1ディテントボール43bの第1カム要素部20に対するカム軸方向に沿った相対移動距離よりも長くされている。すなわち、第3溝53に嵌まった状態の第2ディテントボール43bの中心と第2頂部56との間のカム軸方向に沿った距離d3が、第4溝54に嵌まった状態の第2ディテントボール43bの中心と第2頂部56との間のカム軸方向に沿った距離d4よりも長く設定されている。上記距離d3と上記距離d4との和は、上記第1所定位置と上記第2所定位置との間の距離d0であり、上記距離d3は、d0/2よりも長く、上記距離d4は、d0/2よりも短くなる。また、本実施形態では、傾斜部53a,54aのカム軸方向に対する傾斜角が同じであるので、第2頂部56に対する第3溝53の深さが、第2頂部56に対する第4溝54の深さよりも深くなり、その分だけ、第3溝53に嵌まった状態の第2ディテントボール43bの位置が、第4溝54に嵌まった状態の第2ディテントボール43bの位置よりも、カム軸2の径方向外側にある。尚、上記相対移動距離、上記距離d3,d4に関して、第2ディテントボール43bが第3溝53(又は第4溝54)に嵌まった状態とは、第2ディテントボール43bが第3溝53(又は第4溝54)の中で最も底部側に位置する状態(完全に嵌まった状態)である。
本実施形態では、第1ディテントカム部45(第1溝51、第2溝52及び第1頂部55)と第2ディテントカム部46(第3溝53、第4溝54及び第2頂部56)とは、第1頂部55及び第2頂部56間のカム軸方向の中央を通りかつカム軸方向に垂直な平面に対して、対称形状に形成されている。また、第2ディテントボール43bの径は、第1ディテントボール43aの径と同じである。したがって、上記距離d3は上記距離d1と同じであり、上記距離d4は上記距離d2と同じであり、このことから、上記距離d3は上記距離d2よりも長く、上記距離d1は上記距離d4よりも長くなる。尚、第1ディテントカム部45と第2ディテントカム部46とは、上記平面に対して対称形状である必要は必ずしもなく、例えば第2ディテントボール43bの径が第1ディテントボール43aの径と異なる場合には、通常、対称形状とはならない。
第1及び第2ディテント機構40a,40bは、図12に示すように、第1カム要素部20が上記第2所定位置に位置するときには、第1ディテントボール43aが第2溝52に嵌まりかつ第2ディテントボール43bが第3溝53に嵌まった状態にあり、第1カム要素部20が上記第2所定位置からカム軸方向の上記一側(後側)にシフトする際には、第1ディテントボール43aが第2溝52の傾斜部52aに沿って相対的に第1頂部55側に移動しかつ第2ディテントボール43bが第3溝53の傾斜部53aに沿って相対的に第2頂部56側に移動し、図13に示すように、第1ディテントボール43aが第1頂部55を乗り越えたときに、上記距離d3が上記距離d2よりも長いために、第2ディテントボール43bが第2頂部56を移動中であり、第1ディテントボール43aが上記乗り越え以降に第1溝51の傾斜部51aを押圧することで、第1カム要素部20の上記一側(後側)へのシフトをアシストすることが可能なように構成されている。
ここで、第2ディテントボール43bが第2頂部56を移動中であるときとは、図14に示すように、第2ディテントボール43bの中心Pの移動軌跡(一点鎖線で示す)上において、第2ディテントボール43bの中心Pが、第2頂部56を中心とする円弧上の範囲S内に位置するときである。第2ディテントボール43bの中心Pが該範囲S内に位置するときには、第2ディテントボール43bが第2ディテントカム部46を押圧する方向が定まらない状態にあり、第2ディテントボール43bが第1カム要素部20の後側へのシフトの抵抗になるのか、アシストに寄与するのかは明確には定まらない。仮に抵抗になるとしても、第2ディテントボール43bが第3溝53の傾斜部53aに沿って相対的に第2頂部56側に移動しているときよりも抵抗力はかなり小さい。第2ディテントボール43bの中心Pが、第3溝53又は第4溝54から上記範囲S内に入ってその反対側へ出たときに、第2ディテントボール43bが第2頂部56を乗り越えたことになる。第1ディテントボール43aと第1頂部55との関係も同様である。第1ディテントボール43aが第1頂部55を乗り越えたときに、第2ディテントボール43bが第2頂部56を移動中となるように、上記距離d2,d3が設定される。
第2ディテントボール43bが第2頂部56を移動しているとき、第1ディテントボール43aは既に第1頂部55を乗り越えた状態にあり、第1溝51の傾斜部51aを押圧することで、第1カム要素部20の後側へのシフトをアシストするので、上記乗り越え以降は、第1切換部材30によって第1カム要素部20が後側へ押されなくても、上記アシストによりカム要素部20は第1所定位置に位置付けられる。ここで、第2頂部56を移動している第2ディテントボール43bの抵抗力は、上記のようにかなり小さく、第1ディテントボール43aによるアシスト力の方がその抵抗力よりも大きくなり、そのアシスト力によって第1カム要素部20は後側へシフトし、やがて第2ディテントボール43bも第2頂部56を乗り越え、このようになれば、第2ディテントボール43bも第1カム要素部20の後側へのシフトをアシストすることになり、第1カム要素部20は確実に第1所定位置に位置付けられることになる。
また、第1及び第2ディテント機構40a,40bは、図15に示すように、第1カム要素部20が上記第1所定位置に位置するときには、第1ディテントボール43aが第1溝51に嵌まりかつ第2ディテントボール43bが第4溝54に嵌まった状態にあり、第1カム要素部20が上記第1所定位置からカム軸方向の上記他側(前側)にシフトする際には、第1ディテントボール43aが第1溝51の傾斜部51aに沿って相対的に第1頂部55側に移動しかつ第2ディテントボール43bが第4溝54の傾斜部54aに沿って相対的に第2頂部56側に移動し、図16に示すように、第2ディテントボール43bが第2頂部56を乗り越えたときに、上記距離d1が上記距離d4よりも長いために、第1ディテントボール43aが第1頂部55を移動中であり、第2ディテントボール43bが上記乗り越え以降に第3溝53の傾斜部53aを押圧することで、第1カム要素部20の上記他側(前側)へのシフトをアシストすることが可能なように構成されている。第2ディテントボール43bが第2頂部56を乗り越えたときに、第1ディテントボール43aが第1頂部55を移動中となるように、上記距離d1,d4が設定される(本実施形態では、d1=d3、d4=d2)。
第1ディテントボール43aが第1頂部55を移動しているとき、第2ディテントボール43bは既に第2頂部56を乗り越えた状態にあり、第3溝53の傾斜部53aを押圧することで、第1カム要素部20の前側へのシフトをアシストするので、上記乗り越え以降は、第2切換部材30によって第1カム要素部20が前側へ押されなくても、上記アシストによりカム要素部20は第2所定位置に位置付けられる。
仮に上記距離d1、d2,d3,d4が全て同じであったとすると、上記距離d1、d2,d3,d4は全て、d0/2となる。この場合、第1切換部材30又は第2切換部材30は、第1カム要素部20を少なくともd0/2+α(乗り越え分)だけ押す必要がある。これに対し、本実施形態では、第1カム要素部20が上記第2所定位置から後側にシフトする際には、第1切換部材30が、第2溝52に嵌まった状態の第1ディテントボール43aが第1頂部55を乗り越えるだけの量、つまりd2(<d0/2)+αだけ押せばよく、第1カム要素部20が上記第1所定位置から前側にシフトする際には、第2切換部材30が、第4溝54に嵌まった状態の第2ディテントボール43bが第2頂部56を乗り越るだけの量、つまりd4(<d0/2)+αだけ押せばよい。この結果、第1及び第2切換部材30,30による第1カム要素部20の押し量を少なくすることができ、言い換えれば、第1カム要素部20における両端面の端面カム23,23のリフト部高さを低くすることができる。尚、上記距離d1、d2,d3,d4が全て同じであっても、以下に説明する動弁装置の組付方法を適用することができる。
次に、上記動弁装置の組付方法、つまり各カム要素部20〜20をカム軸2に組み付ける方法を、第1カム要素部20を例にして、図17〜図20に基づいて説明する。
本実施形態では、第1及び第2カム要素部20,20は、カム軸2の前側の端から挿入し、第3及び第4カム要素部20,20は、カム軸2の後側の端から挿入する。このため、カム軸2の前側の端からは、第2カム要素部20を先に挿入し、その後に、第1カム要素部20を挿入する。カム軸2の後側の端からは、第3カム要素部20を先に挿入し、その後に、第4カム要素部20を挿入する。尚、これには限られず、例えば、第1〜第4カム要素部20〜20の全てを、カム軸2の前側又は後側の端から挿入するようにしてもよい。
本実施形態では、カム軸2の前側の端から第1カム要素部20を該カム軸2に挿入して該第1カム要素部20を後側へ移動させることで、第1カム要素部20をカム軸2に組み付ける。その際、第2ディテントボール43bは、第1ディテントカム部45を通過させて第2ディテントカム部46の位置に達するようにする必要がある。第2ディテントボール43bが第1ディテントカム部45を通過する際、第1溝51の傾斜部51bを通過することになるが、この傾斜部51は、上記の如く、第1カム要素部20の後側へのシフトを規制する規制部を構成するために、カム軸方向に対する傾斜角(鋭角側の傾斜角)が大きくなっており、このことから、第1カム要素部20を後側へ移動させようとしても、第2ディテントボール43bが傾斜部51bに引っ掛かり、この結果、第2ディテントボール43bが傾斜部51bを通過するのは容易ではない。特に、本実施形態では、上記のように、第1溝51の深さが深いので、第2ディテントボール43bが第1溝51に嵌まったときに、第2ディテントボール43bが第2孔41bから出る量が多くなり、第2ディテントボール43bが傾斜部51bにより一層引っ掛かり易くなる。
そこで、第2ディテントボール43bが第1溝51の傾斜部51bを通過する際に、該第1溝51の底部から第1溝51内に突出させた押し具71により、該第2ディテントボール43bを第2孔41b側に押圧する。
そのために、本実施形態では、図17に示すように、カム軸2に第1カム要素部20を挿入する前に、予め第1カム要素部20に押し具71を装着しておく。この押し具71は、第1カム要素部20における後側の段差部25の周囲全周を囲むように該段差部25に装着される装着部72を有している。この装着部72は、2つの半割部72a,72bからなる分割構造をなしており、これら2つの半割部72a,72b同士は、着脱可能に結合されるようになっている(例えばネジによる結合や、スナップ結合等)。そして、装着部72の上記段差部25への装置時に半割部72a,72b同士を互いに結合することで、装着部72を該段差部25に装着する。
上記装着部72における2つの半割部72a,72bの一方(本実施形態では、半割部72a)の内側面には、該装着部72を後側の段差部25に装着したときに、第1溝51内に位置する第2ディテントボール43bを第2孔41b側に押圧する棒状部材73が一体的に設けられている。
第1カム要素部20には、該第1カム要素部20に押し具71(装着部72)を装着したときに、上記棒状部材73が挿入される貫通孔26が形成されている。この貫通孔26は、後側の段差部25の外周面の周方向の1箇所(第2ディテントボール43bに対応する箇所)に開口するとともに、第1カム要素部20の内周面における第1溝51の底部に開口する。第1溝51の底部は、後側の段差部25とはカム軸方向にずれているので、貫通孔26は、第1カム要素部20の径方向内側に向かって後側に傾斜して延びている。
上記押し具71の棒状部材73は、第1カム要素部20に押し具71(装着部72)を装着したときに、貫通孔26の第1溝底部側の開口から突出するような長さに形成されている。したがって、押し具71の棒状部材73は、第2ディテントボール43bが第1溝51内に位置するときに、該第2ディテントボール43bを第2孔41b側に押圧することになる。
第1カム要素部20の内周面における第1ディテントカム部45の後側(第2溝52の傾斜部52bの後側)には、第1カム要素部20のカム軸2への組付け時に、第1及び第2ディテントボール43a,43bを第1ディテントカム部45側へスムーズに導くための後部傾斜部27が形成されている。
第1カム要素部20をカム軸2に組み付けるには、先ず、上記押し具71の装着部72を第1カム要素部20における後側の段差部25に装着する。このとき、棒状部材73を貫通孔26に挿入する。
続いて、第2孔41bに、第2スプリング42b及び第2ディテントボール43bをセットする。このとき、第1孔41aに、第1スプリング42a及び第1ディテントボール43aをセットしてもよいが、本実施形態では、そのセットは、第2ディテントボール43bが第1溝51の傾斜部51bを通過した後に行う。
上記第2スプリング42b及び第2ディテントボール43bのセット後、図18に示すように、上記押し具71を装着した第1カム要素部20を、カム軸2の前側(第1カム要素部20についての「他側」)の端から挿入し、該第1カム要素部20をカム軸2の後側(同「一側」)へ移動させる。
その移動後間もなく、第2ディテントボール43bが後部傾斜部27に当接し(図18参照)、この後部傾斜部27によって、第1カム要素部20の後側への移動に連れて、第2ディテントボール43bが第2孔41b側に押圧され、やがて、第2ディテントボール43bが第2溝52に嵌まる。
第1カム要素部20を更に後側へ移動させると、図19に示すように、第2ディテントボール43bが第1頂部55を乗り越えて第1溝51の位置に達する。第1溝51の底部からは棒状部材73が第1溝51内に突出しているので、第2ディテントボール43bは第2孔41b側に押圧された状態となる。この結果、第1カム要素部20を更に後側へ移動させることで、第2ディテントボール43bは第2溝52の傾斜部52bを容易に通過する。
次いで、第1カム要素部20を更に後側へ移動させると、第2ディテントボール43bは、カム軸2とスプライン嵌合する部分に当接しながら第2ディテントカム部46の側へ向かう。
第2ディテントボール43bが傾斜部52bを通過した後であって第1カム要素部20の前端が第1孔41aに達する前に、第1孔41aに、第1スプリング42a及び第1ディテントボール43aをセットする。
その後、第1カム要素部20を更に後側へ移動させると、図20に示すように、第1ディテントボール43aが後部傾斜部27に当接し、この後部傾斜部27によって、第1カム要素部20の後側への移動に連れて、第1ディテントボール43bが第1孔41b側に押圧され、やがて、第1ディテントボール43aが第2溝52に嵌まる。第1ディテントボール43aが第2溝52に嵌まるのと略同時に、第2ディテントボール43bが第3溝53に嵌まる(図12参照)。こうして第1カム要素部20のカム軸2への組付けが終了する。尚、第1カム要素部20を更に後側へ移動させて、第1ディテントボール43aを第1溝51に嵌め、第2ディテントボール43bを第4溝54に嵌めるようにしてもよい。
このように、第2ディテントボール43bが第1溝51の傾斜部51bを通過する際に、該第1溝51の底部から突出させた押し具71(棒状部材73)により、該第2ディテントボール43bを第2孔41b側に押圧するので、第2ディテントボール43bが傾斜部51bに引っ掛かることなく、該傾斜部51bを容易に通過し、この結果、カム軸2に対する第1カム要素部20の組付性が向上する。
第1カム要素部20のカム軸2への組付け後には、第1カム要素部20から押し具71を取り外す。これにより、上記貫通孔26は、開放された状態になるが、これを塞ぐことはしない。すなわち、貫通孔26は、第1カム要素部20の内部への潤滑油供給孔となり、オイルシャワーによって第1カム要素部20の外周面に供給された潤滑油が、貫通孔26を介して、カム軸2と第1カム要素部20とのスプライン嵌合部や、一対のディテント機構40に対して良好に供給されるようになる。
尚、本実施形態では、押し具71を第1カム要素部20に装着するようにしたが、これには限らず、例えば、第2ディテントボール43bが第1溝51内に位置するときに、作業者が押し具71を持って第2ディテントボール43bを第2孔41b側に押圧するようにしてもよい。
ここで、貫通孔26は、第1カム要素部20において後側の段差部25の外周面と第1溝51の底部とに開口するものを1つだけ形成しておけば、上記のように、第1カム要素部20のカム軸2への組付けは容易に行えるが、本実施形態では、カム軸2からの第1カム要素部20の取り外しも容易に行えるように、第1カム要素部20にもう1つ別の貫通孔28も形成する。この貫通孔28は、第1カム要素部20において前側の段差部25の外周面と第3溝53の底部とに開口していて、第1カム要素部20の径方向内側に向かって前側に傾斜して延びている。
第1カム要素部20をカム軸2から取り外す際には、図21に示すように、上記押し具71の装着部72を第1カム要素部20における前側の段差部25に装着する。このとき、棒状部材73を貫通孔28に挿入する。この押し具71の装着時に、第1カム要素部20は、第1所定位置に位置していてもよく、第2所定位置に位置していてもよい。
上記押し具71の装着後に、第1カム要素部20を前側へ移動させる。これにより、押し具71の装着時に第1カム要素部20が第1所定位置に位置しているときには、第1カム要素部20が第2所定位置に位置する。このとき、押し具71の棒状部材73が第3溝53の底部から第3溝53内に突出しているので、第2ディテントボール43bは第3溝53の傾斜部53bに引っ掛かることなく容易に通過する。
一方、第1ディテントボール43aは第2溝52の傾斜部52bに引っ掛かることになるが、本実施形態では、第2溝52の深さは浅いので、比較的強い力で第1カム要素部20を前側へ移動させれば、第1ディテントボール43aは傾斜部52bを通過して後部傾斜部27の側に移動する。
第1カム要素部20を更に前側へ移動させれば、今度は、第2ディテントボール43bが第2溝52の傾斜部52bに引っ掛かるが、このときも、比較的強い力で第1カム要素部20を前側へ移動させれば、第2ディテントボール43bは傾斜部52bを通過して後部傾斜部27の側に移動する。
こうしてカム軸2からの第1カム要素部20の取り外しを行うことができる。すなわち、動弁装置が故障してサービスマンが修理する際、カム要素部が不良である場合に、動弁装置の全体を交換しなくても、不良のカム要素部の交換だけで済むことになる。また、貫通孔28は、貫通孔26と同様に、第1カム要素部20の内部への潤滑油供給孔となり、潤滑油を、貫通孔26、28を介して、カム軸2と第1カム要素部20とのスプライン嵌合部や一対のディテント機構40に対して、より一層良好に供給することができるようになる。
尚、本実施形態では、第1カム要素部20を、カム軸2の前側(第1カム要素部20についての「他側」)の端から挿入し、第1カム要素部20をカム軸2の後側(同「一側」)へ移動させるようにしたが、第1カム要素部20を、カム軸2の後側(第1カム要素部20についての「一側」)の端から挿入し、該第1カム要素部20をカム軸2の前側(同「他側」)へ移動させることで、第1カム要素部20をカム軸2に組み付けることも可能である。
この場合には、カム軸2に第1カム要素部20を挿入する前に、カム軸2からの第1カム要素部20の取り外し時と同様に、押し具71の装着部72を第1カム要素部20における前側の段差部25に装着し、このとき、棒状部材73を貫通孔28に挿入する。
続いて、第1孔41aに、第1スプリング42a及び第1ディテントボール43aをセットし、その後、上記押し具71を装着した第1カム要素部20を、カム軸2の後側の端から挿入し、第1カム要素部20をカム軸2の前側へ移動させる。
その移動後間もなく、第2ディテントボール43bが、第1カム要素部20の内周面における第2ディテントカム部46の前側(第4溝52の傾斜部54bの前側)に形成した前部傾斜部29に当接し、この前部傾斜部29によって、第1カム要素部20の前側への移動に連れて、第1ディテントボール43aが第1孔41a側に押圧され、やがて、第1ディテントボール43aが第4溝54に嵌まる。
第1カム要素部20を更に前側へ移動させると、図22に示すように、第1ディテントボール43aが第2頂部56を乗り越えて第3溝53の位置に達する。第3溝53の底部からは棒状部材73が第3溝53内に突出しているので、第1ディテントボール43aは第1孔41a側に押圧された状態となる。この結果、第1カム要素部20を更に前側へ移動させることで、第1ディテントボール43aは第3溝53の傾斜部53bを容易に通過する。
次いで、第1カム要素部20を更に前側へ移動させると、第1ディテントボール43aは、カム軸2とスプライン嵌合する部分に当接しながら第1ディテントカム部45の側へ向かう。
第1ディテントボール43aが傾斜部53bを通過した後であって第1カム要素部20の後端が第2孔41bに達する前に、第2孔41bに、第2スプリング42b及び第2ディテントボール43bをセットし、その後、第1カム要素部20を更に前側へ移動させると、やがて、第2ディテントボール43aが第4溝54に嵌まるとともに、第1ディテントボール43aが第1溝51に嵌まることになる。こうして第1カム要素部20のカム軸2への組付けが終了する。尚、第1カム要素部20を更に前側へ移動させて、第1ディテントボール43aを第2溝52に嵌め、第2ディテントボール43bを第3溝53に嵌めるようにしてもよい。
このように第1カム要素部20を、カム軸2の後側の端から挿入する場合も、第1ディテントボール43aが第3溝53の傾斜部53bに引っ掛かることなく、該傾斜部53bを容易に通過し、カム軸2の前側の端から挿入する場合と同様に、カム軸2に対する第1カム要素部20の組付性が向上する。
他のカム要素部20〜20のカム軸2への組付けも、第1カム要素部20と同様である。例えば第2カム要素部20の場合、本実施形態では、第2カム要素部20を、カム軸2の前側(第2カム要素部20ついての「一側」)の端から挿入し、第2カム要素部20をカム軸2の後側(同「他側」)へ移動させることで、第2カム要素部20をカム軸2に組み付ける。第2カム要素部20の場合、前側に第1ディテント機構40aがあり、後側に第2ディテント機構40bがある(図3参照)。そして、第2カム要素部20をカム軸2に組み付ける際、第2カム要素部20において後側の段差部25の外周面と第3溝53の底部とに開口する貫通孔28(図3では見えていない)に、押し具71の棒状部材73が挿入されるように、押し具71の装着部72を、第2カム要素部20における後側の段差部25に装着すればよい。そうして、カム軸2の前側の端からその第2カム要素部20を該カム軸2に挿入して該第2カム要素部20をカム軸方向の後側へ移動させることで、第2ディテントボール43bを第4溝54に嵌めるとともに、第1ディテントボール43aを第3溝53の傾斜部53bを通過させて第1溝51に嵌める。第1ディテントボール43aが第3溝53の傾斜部53bを通過する際に、押し具71の棒状部材73により、第1ディテントボール43aが第1孔41a側に押圧されるので、第1ディテントボール43aが傾斜部53bに引っ掛かることなく、該傾斜部53bを容易に通過する。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、貫通孔26が、第1カム要素部20の径方向内側に向かって後側に傾斜して延び、貫通孔28が、第1カム要素部20の径方向内側に向かって前側に傾斜して延びているが、図23に示すように、これら貫通孔26,28が、第1カム要素部20の径方向に真っ直ぐに延びるようにしてもよい。すなわち、上記実施形態のように貫通孔26,28が傾斜して延びている理由は、貫通孔26,28が作動部22(第1カム部22又は第2カム部22)に開口しないようにするためである。しかし、貫通孔26,28が傾斜して延びていると、棒状部材73が装着部72の半割部72aの内側から斜めに延びることになり、押し具71を第1カム要素部20に装着する際に、棒状部材73を貫通孔26又は貫通孔28に挿入し難くなるとともに、第1ディテントボール43a又は第2ディテントボール43bを第1孔41a又は第2孔41bに対して真っ直ぐに押圧できなくなる。そこで、このような不具合を防止するべく、貫通孔26,28を、第1カム要素部20の径方向に真っ直ぐに延びるようにする。この場合、貫通孔26,28が作動部22(第1カム部22又は第2カム部22)に開口することになるが、ノーズ部b,bを避けてベースサークルaに開口するようにすれば、排気弁の開閉には問題ない。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト(移動)可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける場合に有用である。
2 カム軸
20〜20 カム要素部
22,22 弁開閉用のカム部
23 端面カム(第1端面カム、第2端面カム)
32 切換部材(第1の切換部材、第2の切換部材)
40 ディテント機構
43a 第1ディテントボール(第1押圧部材)
43b 第2ディテントボール(第2押圧部材)
45 第1ディテントカム部
46 第2ディテントカム部
51 第1溝
51a 第1溝の傾斜部(規制部)
52 第2溝
52a 第2溝の傾斜部
53 第3溝
53a 第3溝の傾斜部(規制部)
54 第4溝
54a 第4溝の傾斜部
55 第1頂部
56 第2頂部
71 押し具

Claims (3)

  1. カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける、エンジンの動弁装置の組付方法であって、
    上記動弁装置は、上記カム要素部がカム軸方向の一側にシフトしたときには、該カム要素部を第1所定位置で保持し、上記カム要素部がカム軸方向の他側にシフトしたときには、該カム要素部を、上記第1所定位置よりも上記他側に位置する第2所定位置で保持するための、単一のカム要素部について一対設けられたディテント機構を更に備え、
    上記一対のディテント機構のうち一方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第1ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第1孔内に位置し、該第1ディテントカム部に第1弾性部材により押圧される第1押圧部材とを有し、
    他方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第2ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第2孔内に位置し、該第2ディテントカム部に第2弾性部材により押圧される第2押圧部材とを有していて、上記一方のディテント機構よりもカム軸方向の上記他側に位置し、
    上記第1ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第1溝と、該第1溝に対してカム軸方向の上記一側に位置し、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第2溝とを有し、
    上記第2ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第3溝と、該第3溝に対してカム軸方向の上記他側に位置し、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第4溝とを有し、
    上記第1溝の上記他側の側壁部は、上記カム要素部の上記一側へのシフトを規制する規制部を構成しており、
    上記第1孔に上記第1弾性部材及び第1押圧部材をセットする第1セット工程と、
    上記第2孔に上記第2弾性部材及び第2押圧部材をセットする第2セット工程と、
    上記カム軸の上記他側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部を上記一側へ移動させることで、上記第1セット工程でセットされた第1押圧部材を上記第2溝に嵌めるとともに、上記第2セット工程でセットされた第2押圧部材を上記第1溝の規制部を通過させて上記第3溝に嵌めるカム要素部組付工程とを備え、
    上記カム要素部組付工程において、上記第2押圧部材が上記第1溝の規制部を通過する際に、該第1溝の底部から突出させた押し具により、該第2押圧部材を上記第2孔側に押圧することを特徴とするエンジンの動弁装置の組付方法。
  2. カム軸に対して回転方向に結合しかつカム軸方向にシフト可能に嵌合され、2つの弁開閉用のカム部を有する筒状のカム要素部を備え、該カム要素部のカム軸方向の一側又は他側へのシフトによって、上記2つの弁開閉用のカム部の中で、弁を開閉させるカム部を切り換えるようにしたエンジンの動弁装置において、上記カム要素部を上記カム軸に組み付ける、エンジンの動弁装置の組付方法であって、
    上記動弁装置は、上記カム要素部がカム軸方向の一側にシフトしたときには、該カム要素部を第1所定位置で保持し、上記カム要素部がカム軸方向の他側にシフトしたときには、該カム要素部を、上記第1所定位置よりも上記他側に位置する第2所定位置で保持するための、単一のカム要素部について一対設けられたディテント機構を更に備え、
    上記一対のディテント機構のうち一方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第1ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第1孔内に位置し、該第1ディテントカム部に第1弾性部材により押圧される第1押圧部材とを有し、
    他方のディテント機構は、上記カム要素部の内周面に設けられた第2ディテントカム部と、一部が、上記カム軸に形成された第2孔内に位置し、該第2ディテントカム部に第2弾性部材により押圧される第2押圧部材とを有していて、上記一方のディテント機構よりもカム軸方向の上記他側に位置し、
    上記第1ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第1溝と、該第1溝に対してカム軸方向の上記一側に位置し、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第1押圧部材が嵌まる第2溝とを有し、
    上記第2ディテントカム部は、上記カム要素部が上記第2所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第3溝と、該第3溝に対してカム軸方向の上記他側に位置し、上記カム要素部が上記第1所定位置に位置するときに上記第2押圧部材が嵌まる第4溝とを有し、
    上記第3溝の上記一側の側壁部は、上記カム要素部の上記他側へのシフトを規制する規制部を構成しており、
    上記第1孔に上記第1弾性部材及び第1押圧部材をセットする第1セット工程と、
    上記第2孔に上記第2弾性部材及び第2押圧部材をセットする第2セット工程と、
    上記カム軸の上記一側の端から上記カム要素部を該カム軸に挿入して該カム要素部をカム軸方向の上記他側へ移動させることで、上記第2セット工程でセットされた第2押圧部材を上記第4溝に嵌めるとともに、上記第1セット工程でセットされた第1押圧部材を上記第3溝の規制部を通過させて上記第1溝に嵌めるカム要素部組付工程とを備え、
    上記カム要素部組付工程において、上記第1押圧部材が上記第3溝の規制部を通過する際に、該第3溝の底部から突出させた押し具により、該第1押圧部材を上記第1孔側に押圧することを特徴とするエンジンの動弁装置の組付方法。
  3. 請求項1又は2記載のエンジンの動弁装置の組付方法において、
    上記カム要素部組付工程の前に、該カム要素部に上記押し具を装着する工程と、
    上記カム要素部組付工程の終了後に、上記カム要素部から上記押し具を取り外す工程とを更に備えることを特徴とするエンジンの動弁装置の組付方法。
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