JP2015137081A - 車両の車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スモールオーバーラップ衝突に対応して衝突エネルギの吸収性能を向上する一方、軽微な衝突の場合には車体の変形被害を抑制する。
【解決手段】サイドフレームガセット100はフロントサイドフレーム40の前端部近傍における車幅方向外側の領域に前端部が後端部に対して車幅方向外側となるように設けられている。クレードルガセット200はクレードルフレーム70の前端コーナー部における車幅方向外側の領域に前方に向かうにつれて車幅方向外側に拡開するように配置され、車幅方向外側に延出される上面部と上面部と接合される下面部と上面部及び下面部の前方開口部を塞ぐ前面部とにより、衝突荷重に対抗する剛性を確保している。これにより、スモールオーバーラップ衝突の際に、フロントサイドフレーム40とクレードルフレーム70とで衝突エネルギを効果的に吸収し、軽微な衝突の場合には車体の変形被害度を最小限にする。
【選択図】図3

Description

本発明は、キャビン前部から車両前方側に突き出した左右一対のフロントサイドフレームとフロントサイドフレームの下部に取り付けられたクレードルフレームとを備える車両の車体前部構造に関する。
近年、自動車等の衝突安全性の向上が様々に図られており、車体構造において、車両が障害物に対して部分的に衝突するオフセット衝突に対する安全性を向上することが要望されている。特に、近年ではオフセット衝突のうち、車両の車幅方向における端部にのみ障害物が衝突するいわゆるスモールオーバーラップの衝突に対する性能向上が求められている。
このようなスモールオーバーラップ衝突に対する技術として、例えば、特開2013−212757号公報には、フロントサイドフレームから車幅方向外側に突出するガセットを設け、ガセットの前端を、車体前後方向においてクラッシュカンとフロントサイドフレームとの連結部に比べて同じ位置か又は後側に配置し、ガセットの車幅方向外側の側面を、平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成し、ガセットとパワーユニットとを車体前後方向にオーバーラップさせる車体前部構造の技術が開示されている。
特開2013−212757号公報
上述の特許文献1に開示されるガセットは、フロントサイドフレーム外側のみ衝突する際のエネルギ吸収部材として活用されるもので、バンパービームから入力された衝突荷重をガセットが受け止め、フロントフレームを介してエンジンブロックを反力部材とし、衝突エネルギを吸収するようになっている。
しかしながら、フロントサイドフレームの外側のみ衝突する形態であっても、フロントサイドフレームのガセットのみでは衝突エネルギを十分に吸収できるとは限らず、エンジンブロックの外側に位置する前輪等がキャビンに衝突・侵入する虞がある。このため、キャビン自体の強化が必要となり、車体重量やコストの大幅な増加を招くばかりでなく、走行性能や燃費性能も損なわれてしまう。一方、衝突エネルギの吸収性能を上げると、たとえ軽微な衝突であっても車体の変形を招く虞があり、修理に要する費用が発生してユーザの負担となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スモールオーバーラップ衝突に対応して衝突エネルギの吸収性能を向上する一方、軽微な衝突の場合には車体の変形被害を抑制することのできる車両の車体前部構造を提供することを目的としている。
本発明による車両の車体前部構造は、キャビン前部から車両前方側に突き出した左右一対のフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの下部に取り付けられたクレードルフレームとを備える車両の車体前部構造において、前記フロントサイドフレームの前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重を前記フロントサイドフレームに伝達するサイドフレームガセットを設けるとともに、前記クレードルフレームの前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重を前記クレードルフレームに伝達するクレードルガセットを設けたものである。
本発明によれば、スモールオーバーラップ衝突に対応して衝突エネルギの吸収性能を向上することができる一方、軽微な衝突の場合には車体の変形被害を抑制することができる。
車体前部構造を車両上方から見た模式的平面図 車体前部構造を車幅方向外側の上後方から見た斜視図 サイドフレームガセット及びクレードルガセットの配置を示す説明図 サイドフレームガセット及びクレードルガセットを下後方から斜視図 クレードルガセットを上前方から見た斜視図 スモールオーバーラップ衝突時のサイドフレームガセットの作用を示す説明図 スモールオーバーラップ衝突時のクレードルガセットの作用を示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1、図2において、符号1は車両の前部を示し、この車両前部1には、エンジン10、トランスミッション20、キャビン30、フロントサイドフレーム40、ラジエータパネル50、バンパービーム60、クレードルフレーム70、フロントホイール80、フロントサスペンション90等が設けられている。
エンジン10は、一例として、縦置き搭載された水平対向4気筒のガソリン又はディーゼルエンジンであり、クランクシャフトを挟んで左右に配置されたシリンダブロックの端部(エンジン10の側端部)に設けられたシリンダヘッドを備えて構成されている。
トランスミッション20は、エンジン10の後部に結合されたトランスミッションケース内に、トルクコンバータ又はクラッチ等の発進デバイス、CVTバリエータ又は変速ギヤ列等の変速装置、前後輪に駆動力を配分するAWDトランスファ、最終減速装置、フロントディファレンシャル等を収容して構成されている。
キャビン30は、車両の中央部に設けられ乗員が搭乗する部分で、フロアパネル31、トーボード32、フロアトンネル33、Aピラー34、サイドシル35等を有して構成されている。
フロアパネル31は、キャビンの床面を構成する実質的に平面状の部分である。トーボード32は、フロアパネル31の前端部から上方へ立ち上げて配置された面部であって、キャビン30の前面部(キャビン30とエンジンルームとの隔壁部)を構成している。
フロアトンネル33は、フロアパネル31の車幅方向における中央部を上方(車室内側)に張り出させて形成され、内部にトランスミッションの後部、プロペラシャフト、排気管等が収容されている。
また、Aピラー34は、フロアパネル31の左右側端部における前端部から上方へ突き出して配置された柱状の構造部材で、サイドシル35は、Aピラー34の下端部から車両後方側へ延び、フロアパネル31の側端部に沿って配置された梁状の構造部材である。
フロントサイドフレーム40は、キャビン30のトーボード32から車両前方側に突き出して配置された構造部材で、このフロントサイドフレーム40は、エンジン10の左右に1対が設けられるとともに、車幅方向内側の面部は、エンジン10の側面部(水平対向エンジンの場合は、シリンダヘッドのタペットカバー)と間隔を隔てて対向して配置されている。また、フロントサイドフレーム40は、車両前後方向から見た断面形状が実質的に矩形の閉断面となっている。
ラジエータパネル50は、エンジン10の冷却水を冷却するラジエータコアCやエアコンディショナのコンデンサ等を支持する枠状の構造体であって、エンジン10の前方に配設されている。また、ラジエータパネル50の側端部は、フロントサイドフレーム40の前端部近傍に固定されている。
バンパービーム60は、車体前端部に設けられる外装部品である図示しないバンパフェイスの内側に設けられ、車幅方向にほぼ沿って伸びた梁状に形成されており、車両の前面衝突時に、荷重を受け車体後方側に伝達するものである。バンパービーム60は、バンパフェイスの造形に合わせて、前方側が凸となる弧状に湾曲して形成されており、その後面から突き出して形成された基部61を有し、この基部61の後端部は、フロントサイドフレーム40の前端部に固定されている。
クレードルフレーム70は、フロントサイドフレーム40の下部に取り付けられるサブフレームであり、各種部品が搭載される構造部材である。このクレードルフレーム70には、エンジン10を支持する図示しないエンジンマウント、フロントサスペンション90のロワアーム92等が取り付けられている。クレードルフレーム70は、例えば、矩形の枠状に形成され、前後に設けられた取付箇所を上下方向に配置されるブラケット150等を介してフロントサイドフレーム40に取り付けることにより車体に固定されている。
フロントホイール80は、例えばアルミニウム系合金製のリムにタイヤを装着して構成される車両の前輪である。フロントホイール80は、図示しないハブベアリングハウジングによって回転可能に支持されるとともに、車軸よりも前方に配置されたタイロッドTを押し引きすることによって、転舵自在となっている。
タイロッドTは、ステアリングシャフトを介してステアリングホイールに接続されたステアリングギヤボックス(何れも図示せず)に連結され、ドライバのステアリング操作に応じて、車幅方向にほぼ沿って駆動される。尚、図1,図2においては、タイヤは図示を省略している。
フロントサスペンション90は、フロントホイール80を支持するハブベアリングハウジングを、車体に対して揺動可能に支持するものであり、このフロントサスペンション90は、例えば、マクファーソンストラット式のものであり、ストラット91、ロワアーム92等を有して構成されている。
ストラット91(図2参照)は、車体のエンジンルーム上部側方に設けられたストラットアッパマウント93と、ハブベアリングハウジングの上部に設けられた図示しないブラケットとの間に設けられている。ストラット91は、ショックアブソーバ(ダンパ)及びスプリングをユニット化したものである。
また、図2乃至図4に示すように、車両前部1のフロントサイドフレーム40、クレードルフレーム70には、それぞれ、スモールオーバーラップ衝突時に障害物からの衝突荷重を伝達する荷重伝達部として、サイドフレームガセット100,クレードルフレーム200が設けられている。尚、図2乃至図4においては、クレードルガセット200の先端部の位置を、サイドフレームガセット100の先端部よりも後方側(キャビン30側)に配置した例を示しているが、後述するように、クレードルガセット200の先端部の位置をバンパービーム60と揃えるようにしても良い。
クレードルガセット200の先端部を、サイドフレームガセット100の先端部よりも後方側に配置する場合には、図3中に破線で示すように、図示しないバンパーフェイス下側のクレードルガセット200の前方の部位を、フォッグランプ300等の車載部品を取り付ける取付部として利用することができ、車載部品の取付強度と取付空間の双方を確保することができる。
サイドフレームガセット100は、フロントサイドフレーム40の前端部近傍における車幅方向外側の領域に配置されている。サイドフレームガセット100は、閉断面を有する梁状に形成されるとともに、前端部101が後端部102に対して車幅方向外側となるように、車両前後方向に対して前開きに傾斜して(前方に向かって車幅方向に拡径して)設けられている。
サイドフレームガセット100の前端部101は、その前端面101aがバンパービーム60の後面60aに対して、間隔部110を有して対向して配設されている。また、サイドフレームガセット100の前端部101は、フロントサイドフレーム40から車幅方向外側へ突き出したステー103によって支持されている。
更に、サイドフレームガセット100の後端部102は、フロントサイドフレーム40の車幅方向外側の側面部に、例えば車幅方向外側から挿入されるボルトによって締結され、固定されている。このサイドフレームガセット100の後端部102の車両前後方向における位置は、エンジン10の前後方向中央よりも車両前方側に配置される。
また、バンパービーム60の後面60aには、サイドフレームガセット100の前端面101aより後方のサイドフレームガセット100の上面に向けて、バンパービーム60の後面60aに対するサイドフレームガセット100の前端面101aの相対的な上方向への移動を規制する、車幅方向に長く幅広の上方ガイド部材120が延設されている。
更に、バンパービーム60の後面60aには、サイドフレームガセット100の前端面101aより後方のサイドフレームガセット100の下面に向けて、バンパービーム60の後面60aに対するサイドフレームガセット100の前端面101aの相対的な下方向への移動を規制する、車幅方向に長く幅広の下方ガイド部材130が延設されている。
また、バンパービーム60の後面60aには、サイドフレームガセット100の前端面101aより後方のサイドフレームガセット100の車幅方向外側の側面に向けて、バンパービーム60の後面60aに対するサイドフレームガセット100の前端面101aの相対的な外側方向への移動を規制する、上下方向に長く幅広の側方ガイド部材140が延設されている。
これらのガイド部材120,130,140とサイドフレームガセット100の前端部101とは接触しないように設けられている。すなわち、スモールオーバーラップ衝突の際に、たとえバンパービーム60に回転が生じたとしても、サイドフレームガセット100の前端面101aは、バンパービーム60の後面60aのガイド部材120,130,140で囲まれた所定の領域内に相対的に維持され、バンパービーム60の後面60aとサイドフレームガセット100の前端面101aとが確実に接触されて十分な役割を果たせるようになっている。
尚、フロントサイドフレーム40におけるサイドフレームガセット100の後端部102の固定箇所近傍には、フロントサイドフレーム40の内部断面を仕切って実質的に閉塞するセパレータ41(図1参照)が設けられている。また、フロントサイドフレーム40の車幅方向外側の側面部において、サイドフレームガセット100の後端部102の固定箇所の後方側に隣接する領域には、スモールオーバーラップ衝突時にフロントサイドフレーム40を屈曲させる起点となるビード42が形成されている。
一方、クレードルガセット200は、クレードルフレーム70の前端コーナー部における車幅方向外側の領域に、前方に向かうにつれて車幅方向外側に拡開するように配置されている。クレードルフレーム70は、左右のフロントサイドフレーム40の下側に設けられる略矩形状の横断面形状を有するサイドメンバ71と、バンパビーム60の下側後方に配置された横梁状のフロントメンバ72と、サイドメンバ71とフロントメンバ72とを連結する湾曲形状の連結部73とを有している。
サイドメンバ71の連結部73への接続部近辺には、車両の積載時等に車体を固定するためのタイダウンフック74が固設されており、このタイダウンフック74の前方の部位が、スモールオーバーラップ衝突時にクレードルフレーム70を屈曲させる起点となる。クレードルガセット200は、クレードルフレーム70の前端コーナー部となる連結部73に配置されており、スモールオーバーラップ衝突時に連結部73に衝突荷重を効率的に伝達する一方、車両正面からのフルラップ衝突時には、フロントサイドフレーム40による衝突エネルギの吸収を阻害しないように構成されている。
図5に示すように、クレードルガセット200は、連結部73の上面から車幅方向外側に延出される上面部201と、連結部73の下面から車幅方向外側に延出されて上面部201と接合される下面部202と、クレードルフレーム70のフロントメンバ72側に配置され、上面部201と下面部202との前方開口部を塞ぐ前面部203とを有している。本実施の形態においては、クレードルガセット200は、上面部201と下面部202と前面部203とをそれぞれ板金加工で形成した3ピース構造で構成されており、クレードルフレーム70の連結部73にボルト等によって結合されている。
尚、クレードルガセット200は、ボルト止めではなく溶接によって連結部73に結合するようにしても良い。また、クレードルガセット200は、上面部201と下面部202と全面部203とを一体的に形成した1部品として形成しても良く、更には、クレードルフレーム70の連結部73に一体的に形成するようにしても良い。
クレードルガセット200の上面部201は、連結部73の車幅方向外側の領域に延出され、前方に向かうにつれて車幅方向外側に拡開する略三角形の路面側への投影面を有する形状に形成されている。この略三角形の投影面を有する部分は、連結部73の上面への取り付け面201aから下面部202と当接される合わせ面201bにかけて、略前後方向に延在する複数の稜線204によって形成される段丘部を備えている。下面部202は、上面部201と略同様の外形形状であるが、上面部201のような段丘部は必ずしも設けなくとも良い(図4参照)。
前面部203は、上面部201と下面部202とを合わせた際の前面側の開口部を覆う蓋状の部材として形成され、上面部201及び下面部202の先端側に溶接等で結合されている。この前面部203は、スモールオーバーラップ衝突時に、より広い面積で障害物に接触し、衝突荷重を受ける主要部となる。このため、前面部203は、上面部201及び下面部202よりも板厚が厚くされ、図5に示すように、補強用のリブ203a,203bが設けられている。
このように、クレードルガセット200は、より広い面積の前面部203で衝突荷重を受けると共に上面部202の略三角形の形状により衝突荷重の応力を分散し、且つ、前後方向の稜線204によって形成される段丘部により衝突荷重に対抗する剛性を確保することで、変形し難いガセット構造を実現している。
次に、車両前部1のスモールオーバーラップ衝突時におけるサイドフレームガセット100とクレードルガセット200の作用について説明する。
図6に示すように、車両に対して前方側から接近して衝突する障害物Bは、その中央部の車幅方向における位置が、フロントサイドフレーム40の前端部よりも外側に配置されている。この障害物Bは、例えば電柱や信号機等のポールを模した円筒状のものであり、障害物がバンパービーム60の側部に衝突すると、バンパービーム60は基部61を介して、フロントサイドフレーム40に対して軸方向の圧縮荷重を伝達する。
また、バンパービーム60は、基部61よりも外側の領域において、側端部が後退する方向に曲げ変形する。これによって、バンパービーム60の後面60aはサイドフレームガセット100の前端部101の前端面101aと当接し、サイドフレームガセット100に対して軸方向の圧縮荷重を伝達する。
サイドフレームガセット100からの荷重は、サイドフレームガセット100の後端部102を経由してフロントサイドフレーム40の側面部に対して、車幅方向内側に押し込むように作用する。この押し込み荷重によって、フロントサイドフレーム40は、ビード42の周辺を折れの起点として、これよりも前方側が車幅方向内側に変位する方向の屈曲変形を開始する。この変形量が所定以上となると、エンジン10におけるフロントサイドフレーム40と対向する箇所であるシリンダヘッド(タペットカバー)と当接する。
そして、車体に対する障害物の相対後退量(障害物に対する車体の相対前進量)がさらに大きくなると、フロントサイドフレーム40の車幅方向内側への変形量もさらに大きくなり、フロントサイドフレーム40は、エンジン10を車幅方向における反対側(障害物Bと衝突していない側)に押圧して変位させる。このとき、フロントサイドフレーム40の前端部における未圧壊領域は、その軸方向力によってエンジン10の車幅方向外側への押し出しを促進する。
このように、車両のなかでも重量物であるエンジン10が車幅方向反対側へ押されることによって、車両は、障害物を回避する方向へ向きを変え、キャビン30のAピラー34、サイドシル35等への伝達荷重が軽減される。また、フロントサイドフレーム40は、上述した屈曲変形によって、それ自体がエネルギを吸収する機能を発揮する。
このとき、クレードルガセット200には、バンパービーム60に対する位置に応じたタイミングで、その前面部201に衝突荷重が入力される。クレードルガセット200は、衝突荷重で容易に変形することがないよう、前後方向に延在する複数の稜線204で形成される段丘部による強固な剛性を有しており、前面部201から入力される荷重をクレードルフレーム70の連結部73に伝達する。
その結果、図7に示すように、クレードルフレーム70がタイダウンフック74の前方の部位を起点として、連結部73を車幅方向内側に押し込むように屈曲する。このクレードルフレーム70の先端側の車幅方向内側への屈曲変形により、フロントサスペンション90やタイロッドTを介してフロントタイヤ(フロントホイール80)をエンジン10側のトーイン方向に回動させることができ、フロントタイヤによる衝突エネルギの吸収を促進すると共に、フロントホイール80のキャビン30への衝突による攻撃を回避することができる。
この場合、クレードルガセット200の前面部201の位置を、バンパービーム60と同じ位置に揃えて配置すると、サイドフレームガセット100とクレードルガセット200とが略同じタイミングで衝突荷重を受けることになる。その結果、フロンサイドフレーム40とクレードルフレーム70とを互いに阻害することなく変形させることができ、衝突エネルギをフロンサイドフレーム40とクレードルフレーム70との双方で効率的に吸収することができる。しかも、サイドフレームガセット100とクレードルガセット200とで衝突荷重を受けるため、軽微な衝突の場合には、車体の変形被害度を最小限にすることができ、修理に要する費用を抑制することができる。
一方、クレードルガセット200の前面部201の位置を、バンパービーム60よりも後退させて配置した場合には、衝突荷重を車体後方側に伝達する際、サイドフレームガセット100からフロンサイドフレーム40に伝達される荷重が落ち込んだときに、クレードルガセット200からクレードルフレーム70に荷重を伝達することができる。すなわち、衝突荷重全体をタイミングをずらして車体後方側に伝達することで、荷重入力を矩形波に近い状態とすることができ、衝突エネルギを効率よく吸収させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態においては、フロントサイドフレーム40の前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重をフロントサイドフレーム40に伝達するサイドフレームガセット100を設けるとともに、フロントサイドフレーム40の下部に取り付けられるクレードルフレーム70の前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重をクレードルフレーム70に伝達するクレードルガセット200を設け、クレードルガセット200を、クレードルフレーム70の上面から車幅方向外側の領域に延出され、前方に向かうにつれて車幅方向外側に拡開される上面部201と、クレードルフレーム70の下面から車幅方向外側に延出されて上面部201と接合される下面部202と、クレードルフレーム70の前面側に配置され、上面部201と下面部202との間の前側開口部を塞いて衝突荷重を入力する前面部203とにより構成される強固な構造としている。
これにより、スモールオーバーラップ衝突の際に、サイドフレームガセット100とクレードルガセット200との双方で衝突荷重を受けて車体後方側に伝達し、フロントサイドフレーム40の屈曲変形によって、重量物であるエンジン10を車幅方向反対側へ押し出すとともに、クレードルフレーム70の屈曲変形によってフロントサイドフレーム40外側のフロントホイール80をトーイン方向に回動させ、衝突エネルギを効果的に吸収してキャビン30の衝突被害を軽減し、保護性能を向上することができる。一方、軽微な衝突の場合には、サイドフレームガセット100とクレードルガセット200とで衝突荷重を受けて車体の変形被害度を最小限にすることができ、修理に要する費用を抑制することができる。
1 車両前部
10 エンジン
20 トランスミッション
30 キャビン
31 フロアパネル
32 トーボード
33 フロアトンネル
34 Aピラー
35 サイドシル
40 フロントサイドフレーム
60 バンパービーム
70 クレードルフレーム
80 フロントホイール
90 フロントサスペンション
91 ストラット
92 ロワアーム
T タイロッド
100 サイドフレームガセット
200 クレードルガセット
201 上面部
202 下面部
203 前面部
204 稜線
300 フォグランプ(車載部品)

Claims (6)

  1. キャビン前部から車両前方側に突き出した左右一対のフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームの下部に取り付けられたクレードルフレームとを備える車両の車体前部構造において、
    前記フロントサイドフレームの前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重を前記フロントサイドフレームに伝達するサイドフレームガセットを設けるとともに、
    前記クレードルフレームの前側側部に車両前方側から入力される衝突荷重を前記クレードルフレームに伝達するクレードルガセットを設けたことを特徴とする車両の車体前部構造。
  2. 前記クレードルガセットを、
    前記クレードルフレームの上面から車幅方向外側の領域に延出され、前方に向かうにつれて車幅方向外側に拡開される上面部と、
    前記クレードルフレームの下面から車幅方向外側に延出されて前記上面部と接合される下面部と、
    前記クレードルフレームの前面側に配置され、前記上面部と前記下面部との間の前側開口部を塞いて前記衝突荷重を入力する前面部とにより構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の車体前部構造。
  3. 前記クレードルガセットに、前後方向に延在する複数の稜線を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の車体前部構造。
  4. 前記クレードルガセットの前面部を、前記サイドフレームガセットから前記フロントサイドフレームへの前記衝突荷重の伝達タイミングと同じタイミングで前記クレードルフレームに前記衝突荷重を伝達可能な位置に配置することを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の車両の車体前部構造。
  5. 前記クレードルガセットの前面部を、前記サイドフレームガセットから前記フロントサイドフレームへの前記衝突荷重の伝達タイミングよりも遅れたタイミングで前記クレードルフレームに前記衝突荷重を伝達可能な位置に配置することを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の車両の車体前部構造。
  6. 前記クレードルガセットの前面部を、前記サイドフレームガセットの前端部よりも後方に配置し、前記クレードルガセットの前方に車載部品を配置したことを特徴とする請求項5記載の車両の車体前部構造。
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