JP2015137010A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御線の損傷を抑制する。
【解決手段】電動車両は、電動機を収容するトランスアクスルケース20と、制御ユニットを収容するユニットケース30と、これらを固定するブラケット50と、電動機と制御ユニットとを接続する制御線40と、ユニットケースがトランスアクスルケースに対して相対移動した際に、相対移動に伴って回動するブラケット50の回動量を規制する規制部とを備える。規制部は、ブラケット50がトランスアクスルケースに取り付けられた部分を中心としてブラケット50がトランスアクスルケースに近づく側に回動する際に、制御線40が延びきるよりも前の時点でブラケット50の回動が止まるようにブラケット50の回動量を規制する。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行用の動力源として電動機を搭載した電動車両に関する。
特開2012−166653号公報(特許文献1)に開示されているように、トランスアクスルケースにユニットケースを固定する技術が知られている。トランスアクスルケースは、電動車両が走行するための動力源である電動機などを収容しており、ユニットケースは、電動機を制御する制御ユニットなどを収容している。電動機および制御ユニットは、制御線を介して互いに電気的に接続されている。
特開2012−166653号公報
車両衝突時など、車両が外部から荷重を受けた際に、ユニットケースとトランスアクスルケースとが相対的に移動することがある。相対移動量が大きい場合、ユニットケース内の制御ユニットとトランスアクスルケース内の電動機とを接続している制御線に損傷が生じる恐れがある。制御線が損傷した場合には、たとえば電動機を用いた走行制御や、電動機を用いた充放電制御を行なうことが困難になる。
電動車両においては、ユニットケース内の制御ユニットとトランスアクスルケース内の電動機とを接続している制御線に損傷が生じることを抑制することが求められている。
電動車両は、電動機を収容するトランスアクスルケースと、制御ユニットを収容するユニットケースと、上記電動機と上記制御ユニットとを電気的に接続する制御線と、上記ユニットケースおよび上記トランスアクスルケースの双方に取り付けられ、上記ユニットケースを上記トランスアクスルケースに固定するブラケットと、上記ユニットケースが上記トランスアクスルケースに対して相対的に移動した際に、相対移動に伴って回動する上記ブラケットの回動量を規制する規制部と、を備え、上記規制部は、上記ブラケットが上記トランスアクスルケースに取り付けられた部分を中心として上記ブラケットが上記トランスアクスルケースに近づく側に回動する際に、上記制御線が延びきるよりも前の時点で上記ブラケットの回動が止まるように上記回動量を規制する。
好ましくは、上記規制部は、上記ブラケットに形成され上記トランスアクスルケース側に突出する突起部を含み、上記ブラケットが上記トランスアクスルケースに近づく側に回動した際、上記突起部が上記トランスアクスルケースに当接することにより上記ブラケットの回動が止まる。
上記構成によれば、規制部によって、制御線が伸びきるよりも前の時点でブラケットの回動が止まるようにブラケットの回動量が規制されるため、制御線に過度な引張力が作用することは抑制され、ひいては制御線に損傷が生じることを抑制できる。
実施の形態における電動車両の駆動部収容室内の構成を示す平面図である。 実施の形態における電動車両の駆動部収容室内の構成を示す側面図である。 実施の形態における電動車両に備えられるトランスアクスルケース、ユニットケース、制御線およびブラケットなどを拡大して示す側面図である。 図3に対応する斜視図である。 図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。 実施の形態における電動車両が前面衝突したときなどの様子を示す側面図である。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。同一の部品および相当部品には、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
図1は、電動車両10の駆動部収容室15内の構成を示す平面図である。図2は、電動車両10の駆動部収容室15内の構成を示す側面図である。図1および図2において、矢印Lは車両左方向を示し、矢印Rは車両右方向を示し、矢印Fは車両前進方向を示し、矢印Bは車両後退方向を示し、矢印Dは鉛直方向下方を示し、矢印Uは鉛直方向上方を示す。
図1および図2に示すように、電動車両10は、サイドメンバ11L,11R、ラジエータ12、隔壁13、フードパネル14(図2)、駆動部収容室15、エンジンユニット16(図1)、車輪17(図2)、トランスアクスルケース20、ユニットケース30、制御線40、およびブラケット50,60を備える。
サイドメンバ11L,11Rは、車両の左右両側において車両前後方向に延在する。ラジエータ12は、サイドメンバ11L,11Rによって上下方向に沿う姿勢で支持される。駆動部収容室15(エンジンコンパートメントともいう)は、車両の前部に位置する。駆動部収容室15の上方は、フードパネル14によって覆われ、駆動部収容室15の後方は、隔壁13によって車室内と仕切られる。
エンジンユニット16およびトランスアクスルケース20は、駆動部収容室15内に配置される。エンジンユニット16は、内燃機関として機能する。トランスアクスルケース20は、たとえばアルミダイカスト製であり、エンジンユニット16に隣接するように配置される。トランスアクスルケース20は、電動機21,22(図2)およびこれらの出力軸に連結される駆動力伝達装置(デファレンシャルギアなど)などを収容している。
電動車両10は、ハイブリッド自動車として機能する。すなわち、エンジンユニット16および/または電動機21,22(モータジェネレータともいう)で生成された動力は、図示しない車軸等を介して車輪17に伝達され、電動車両10の走行に供される。電動車両10の減速時には、車輪17から電動機21,22の少なくとも一方に動力が入力され、回生発電が行われる。
トランスアクスルケース20の上部には、制御ユニット33(図5参照)を収容するユニットケース30が固定される。ユニットケース30は、たとえばアルミ合金製であり、ブラケット50,60によってトランスアクスルケース20に固定される(詳細は後述する)。図2に示すように、ユニットケース30は、その上面31が前方に向かって下がるように傾斜した姿勢でトランスアクスルケース20に固定される。ユニットケース30の前端縁、すなわち、ユニットケース30のうちの前方側に位置する上側角部32は、トランスアクスルケース20の前方縁部よりも車両後方側となるように配置されている。
上述のとおり、ユニットケース30には制御ユニット33(図5)が収容される。制御ユニット33には、たとえば直流電圧と交流電圧との間で双方向に変換可能なインバータが含まれる。制御ユニット33には、電動車両10における電力制御全般を司るパワーコントロールユニット(PCU)が含まれていてもよい。制御ユニット33には、車載バッテリ(図示せず)から供給される直流電圧を昇圧してインバータに供給する一方、回生時にインバータから供給される直流電圧を降圧して車載バッテリに充電するための昇降圧コンバータが含まれていてもよい。
ユニットケース30とトランスアクスルケース20との間には、制御線40が延びている。制御線40は、ユニットケース30内の制御ユニット33(図5)とトランスアクスルケース20内の電動機21,22とを電気的に接続する。本実施の形態では、計6本の制御線40が用いられており、電動機21,22は三相交流回転電機である。すなわち、3本の制御線40は制御ユニット33(インバータ)と電動機21とを接続し、他の3本の制御線40は制御ユニット33(インバータ)と電動機22とを接続している。
図3は、トランスアクスルケース20、ユニットケース30、制御線40およびブラケット50,60などを拡大して示す側面図である。図4は、図3に対応する斜視図である。図3および図4に示すように、トランスアクスルケース20の前部には、前方に向かって突出する台座23が設けられ、トランスアクスルケース20の後部には、後方に向かって突出する台座26が設けられる。
ブラケット50は、ユニットケース30およびトランスアクスルケース20の双方に取り付けられる。ブラケット60も、ユニットケース30およびトランスアクスルケース20の双方に取り付けられる。具体的には、ブラケット50の上部は、ユニットケース30の前面下部に取り付けられ、ブラケット50の下部は、トランスアクスルケース20の台座23に取り付けられる。ブラケット60の上部は、ユニットケース30の後面下部に取り付けられ、ブラケット60の下部は、トランスアクスルケース20の台座26に取り付けられる。ブラケット50,60により、ユニットケース30はトランスアクスルケース20に固定される。
ブラケット50は、トランスアクスルケース20の前方上部面24に対向するベース部53(図4)と、ベース部53の下方に連設された下固定部51と、ベース部53の上方に連設された上固定部52と、ベース部53からトランスアクスルケース20(前方上部面24)側に突出するようにベース部53に形成された一対の突起部54,54とを含んでいる。一対の突起部54,54は、車両の幅方向(左右方向)に沿って並んでおり、トランスアクスルケース20の前方上部面24に間隔を空けて対向している。
トランスアクスルケース20の台座23には、ボルト55,55(図4)に対応するネジ穴が形成されており、ブラケット50の下固定部51は、これらのネジ穴に螺合するボルト55,55を用いて台座23に固定される。ブラケット50の上固定部52も、図示しないボルトなどを用いてユニットケース30の前面下部に固定される。ブラケット60も、ブラケット50と略同様に構成され、ボルトなどを用いてユニットケース30をトランスアクスルケース20の台座26に固定している。ユニットケース30は、ブラケット50,60によって前後方向の両端が支持された状態を形成している。
図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。図5を参照して、上述のとおり、ユニットケース30とトランスアクスルケース20との間には、制御線40が延びている。制御線40は、柔軟性を有するケーブル部41と、ケーブル部41の両端にそれぞれ設けられたコネクタ部42,43とを含んでいる。コネクタ部42は、ユニットケース30内の制御ユニット33の近傍に設けられたコネクタに接続され、コネクタ部43は、トランスアクスルケース20内の電動機21,22の近傍に設けられた他のコネクタに接続されている。
本実施の形態では、ユニットケース30がトランスアクスルケース20(電動機21,22)の直上に搭載されていることで、制御線40の余裕長を短くすることができ、コスト低減が図られている。ここでいう余裕長とは、たとえば、ケーブル部41の長さから、コネクタ部42とコネクタ部43とを直線で結んだときの距離(図5中で点線で示す部位の長さ寸法)を差し引いた値である。
図6は、電動車両10が前面衝突したときなど、ユニットケース30が前方側から荷重を受けてユニットケース30がトランスアクスルケース20に対して後方に向かって相対的に移動する様子を示す側面図である。ユニットケース30の前方側からの荷重は、ユニットケース30に直接的に作用するか、または、後退移動したフードパネル14(図1)やラジエータ12(図1)を介してユニットケース30に間接的に作用する。
上述のとおり、ユニットケース30は、ブラケット50,60によって前後方向の両端が支持された状態を形成している。ユニットケース30に荷重が加わることによって、ユニットケース30はトランスアクスルケース20に対して後方に向かって相対的に移動すする。この相対移動に伴って、ブラケット50,60は、トランスアクスルケース20に締結された部分を中心として後方側に回動する。
より具体的に、ブラケット50は、ボルト55により台座23に取り付けられた下固定部51を中心として、その上固定部52の側が後方側に移動する。ブラケット50は、図6中の白色矢印に示すようにトランスアクスルケース20(前方上部面24)に近づくように回動する。ブラケット50は、実線で示す当初の搭載位置から、車両後方側で且つ斜め下方に向かって略円弧状の軌道で回動することになる。ブラケット50の回動後の状態や、ユニットケース30の後退移動後の状態は、図6中において一点鎖線で示される。
本実施の形態では、ブラケット50がトランスアクスルケース20(前方上部面24)に近づくように回動する際に、制御線40が伸びきるよりも前の時点でブラケット50の突起部54がトランスアクスルケース20の前方上部面24に当接するように構成されている。制御線40が伸びきるとは、たとえば制御線40が伸張して制御線40に損傷が生じることを意味する。
突起部54が前方上部面24に当接することによって、ブラケット50の回動が阻止される。すなわち、突起部54は「規制部」として機能することができ、制御線40が伸びきるよりも前の時点でブラケット50の回動が止まるようにブラケット50の回動量を規制する。突起部54と前方上部面24との当接によって制御線40に過度な引張力が作用することが抑制されるため、ひいては制御線40に損傷が生じることは抑制され、車両の高圧安全性を向上させることが可能となる。
制御線40の余裕長を長くとっておくことも、制御線40の損傷を回避する1つの方法であるが、そうすると制御線40の製造に要するコストが高くなる。したがって、トランスアクスルケース20とユニットケース30との間の間隔、突起部54の突出量、突起部54と前方上部面24との間の間隔、突起部54の形成位置、ならびに制御線40の長さ(余裕長)などを勘案し、制御線40の損傷を十分に抑制可能な範囲で、より製造コストが安くなるようにこれらを総合的に設計するとよい。
制御線40の損傷を抑制可能とする構成としては、次のような例示も可能である。すなわち、ブラケット50がボルト55を中心として前方上部面24に当接するまで回動させたときに形成される軌跡の長さが、制御線40の余裕長よりも短くなるように設定された構成を例示できる。当該構成によれば、制御線40の余裕長が用い尽くされるよりも前に、ブラケット50の突起部54が前方上部面24に当接するため、制御線40の損傷が抑制される。突起部54に対応する部位を、前方上部面24に設けた場合であっても同様の効果が得られる。突起部54に対応する部位を、ブラケット50および前方上部面24の双方に設けた場合であっても同様の効果が得られる。「規制部」に相当する部位は、ブラケット60の側に設けてもよい。
ユニットケース30に荷重が加わった際には、ブラケット50の下固定部51をトランスアクスルケース20の台座23に固定するために用いられる締結ボスも損傷する場合がある。締結ボスの損傷を抑制するためには、締結ボスに損傷が発生するユニットケース30の相対移動距離よりも、ブラケット50の突起部54が移動してトランスアクスルケース20の前方上部面24に当接するまでの距離の方が短くなるように構成するとよい。当該構成によれば、締結ボスに損傷が発生する分だけトランスアクスルケース20が相対移動するよりも前に、ブラケット50が前方上部面24に当接する。当該当接により締結ボスに作用する負荷が低減され、ひいては締結ボスの損傷が抑制可能となる。
トランスアクスルケース20とユニットケース30との間の間隔や、突起部54と前方上部面24との間の間隔は、電動車両10の通常の走行時にこれらが互いに接触して騒音の原因とならないように所定値以上であることが好ましい。この所定値は、たとえば、ユニットケース30をトランスアクスルケース20に固定するために用いられる防振ブッシュの剛性や、ブラケット50,60の剛性に応じて決定される。すなわち、トランスアクスルケース20とユニットケース30との間の間隔や、突起部54と前方上部面24との間の間隔は、電動車両10の通常の走行時に発生する防振ブッシュの弾性変形量よりも大きくすることが好ましい。あるいは、トランスアクスルケース20とユニットケース30との間の間隔や、突起部54と前方上部面24との間の間隔は、電動車両10の通常の走行時に発生するブラケット50,60の弾性変形量よりも大きくすることが好ましい。
以上の電動車両10については、走行用動力源にエンジンおよびモータジェネレータを搭載したハイブリッド自動車を例に説明したが、上記の思想はモータジェネレータのみを走行用動力源として搭載する電気自動車に適用されてもよいし、二次電池からなるバッテリに加えて燃料電池を搭載した燃料電池車に適用されてもよい。
以上、本発明に基づいた実施の形態について説明したが、今回開示された事項はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 電動車両、11L,11R サイドメンバ、12 ラジエータ、13 隔壁、14 フードパネル、15 駆動部収容室、16 エンジンユニット、17 車輪、20 トランスアクスルケース、21,22 電動機、23,26 台座、24 前方上部面、30 ユニットケース、31 上面、32 上側角部、33 制御ユニット、40 制御線、41 ケーブル部、42,43 コネクタ部、50,60 ブラケット、51,52 固定部、53 ベース部、54 突起部(規制部)、55 ボルト。

Claims (1)

  1. 電動機を収容するトランスアクスルケースと、
    制御ユニットを収容するユニットケースと、
    前記電動機と前記制御ユニットとを電気的に接続する制御線と、
    前記ユニットケースおよび前記トランスアクスルケースの双方に取り付けられ、前記ユニットケースを前記トランスアクスルケースに固定するブラケットと、
    前記ユニットケースが前記トランスアクスルケースに対して相対的に移動した際に、相対移動に伴って回動する前記ブラケットの回動量を規制する規制部と、を備え、
    前記規制部は、前記ブラケットが前記トランスアクスルケースに取り付けられた部分を中心として前記ブラケットが前記トランスアクスルケースに近づく側に回動する際に、前記制御線が延びきるよりも前の時点で前記ブラケットの回動が止まるように前記回動量を規制する、
    電動車両。
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