JP2015136668A - 炭化水素改質触媒 - Google Patents

炭化水素改質触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2015136668A
JP2015136668A JP2014010310A JP2014010310A JP2015136668A JP 2015136668 A JP2015136668 A JP 2015136668A JP 2014010310 A JP2014010310 A JP 2014010310A JP 2014010310 A JP2014010310 A JP 2014010310A JP 2015136668 A JP2015136668 A JP 2015136668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrocarbon
catalyst
reforming catalyst
hydrocarbon reforming
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014010310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6187282B2 (ja
Inventor
佐藤 秀人
Hideto Sato
秀人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014010310A priority Critical patent/JP6187282B2/ja
Publication of JP2015136668A publication Critical patent/JP2015136668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187282B2 publication Critical patent/JP6187282B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】プロパンなどの炭化水素ガスを、水蒸気を用いて改質する際の、水蒸気改質反応における活性が高く、特に燃料電池など低温域での触媒活性が求められる用途に適した炭化水素改質触媒を提供する。
【解決手段】
炭化水素系ガスを、水蒸気を用いて改質し、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを生成するために使用される炭化水素改質触媒において、BaNiY25を含有する組成とする。さらに、BaZrO3を含有する組成とする。
また Ba、Zr、およびYのモル数が、Ba/(Zr+Y)=1の要件を満たすようにする。
また、ZrとYのモル比が、Zr:Y=0.8:0.2〜0.5:0.5の範囲となるようにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、プロパンなどの炭化水素系の原料ガスを、水蒸気を用いて改質し、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを得るために使用される炭化水素改質触媒に関する。
石油精製や石油化学などの技術分野では種々の炭化水素系ガスが発生するが、必ずしも効率よく種々の物質の原料ガスなどとして利用できておらず、より有効な物質に変換する方法が求められている。
このような状況の下で、炭化水素系ガスを改質することによって水素および一酸化炭素を含む合成ガスを製造する方法として、炭化水素系の原料ガスを、水蒸気の存在下に水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質する水蒸気改質の方法が知られている。
この、炭化水素系ガスの水蒸気改質は、メタンなどの飽和炭化水素と水蒸気とを触媒の存在下に反応させ、比較的水素濃度の高い合成ガスを製造するのに適している。
ところで、これら炭化水素系ガスの改質では、炭化水素が分解する過程で触媒上に炭素が析出することがある。この炭素析出の程度は炭化水素改質条件によって異なり、水蒸気改質の方法の場合、比較的炭素析出量が少ないと言われている。しかしながら、触媒上に析出する炭素は徐々に蓄積して触媒活性を低下させ、多量に析出した場合には反応管を閉塞させるおそれがあり、炭化水素の水蒸気改質においても、一般的には水蒸気と炭化水素の比(以下「水蒸気/炭化水素比」)を高く設定し、水蒸気を過剰に導入することにより炭素析出を抑制している。
そして、炭化水素の改質触媒としては、アルミナなどの基体にニッケルを担持させたニッケル系触媒、ルテニウムを担持させたルテニウム系触媒(特許文献1参照)、さらには、アルミナなどの基体にロジウムを担持させたロジウム系触媒(特許文献2参照)などが知られている。
また、炭素析出の抑制と低温での活性向上を目的に、ペロブスカイト型化合物であるアルミン酸ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムを用いた担体上に、ロジウム、コバルト、およびニッケルを活性成分として担持した触媒が知られている(特許文献3参照)。
ところで、一般的な金属担持触媒の製造方法としては、担体となる酸化物を金属塩などの溶液に侵した後、熱処理を行うことで担体表面に活性金属を分散させる含侵法が用いられている(特許文献1〜3)。
なお、担体成分は高い熱安定性や強度が求められるため、高温で熱処理を行うことで十分に安定化/焼結されるのに対して、担持金属は高い活性を得るために分散性を維持する必要がある。したがって、熱処理工程における凝集を最低限に抑えるために、上記の含侵法のように、担体の合成とは別の製造工程を用い、比較的低温の熱処理条件において担体上に固定されている。
含侵工程を用いない触媒の製造方法としては、担体成分とともにNi化合物を混合、焼成して触媒を製造する混錬法がある。
また、固相合成により担体成分であるSrTiO3中にNiOを固溶させることでNi成分の分散性を向上させる方法(固相法)も提案されている(特許文献4)。
しかしながら、含侵法により製造した触媒は、高い金属分散性を維持できるものの、担体成分の合成工程とは別に、金属成分を担持する含侵工程が必要となる。また、金属成分は比較的低温の熱処理により固着されるため、金属−担体間の結合が弱く、炭素析出による活性低下が問題となる。
一方、固相法では、担体成分の合成と同時に金属成分の酸化物や塩を混合して熱処理することで、担体の合成/焼結と同時に金属成分を固着することができる。そして、固相法の場合、担体の合成/焼結のために高温で熱処理が行われることから、金属−担体間の結合が強くなり、炭素析出耐性が高くなる。しかしながら、金属成分が凝集するため、触媒活性が低くなるという問題がある。
また、特許文献4の改質触媒のように、炭素析出耐性の高いSrTiO3担体にNiOを固溶させることにより金属分散性を向上させるようにした改質触媒の場合も、SrTiO3相に対するNiOの固溶量が少ないことから、固溶限界を超えたNi成分の分散性が低いため、低温域で触媒活性を高くすることは困難であるのが実情である。
特開平8−231204号公報 特開平9−168740号公報 特開2006−346598号公報 特再2011−027727号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、プロパンなどの炭化水素を、水蒸気を用いて改質する際の水蒸気改質反応における活性が高く、特に燃料電池など低温域での触媒活性が求められる用途に適した炭化水素改質触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の炭化水素改質触媒は、
炭化水素系ガスを、水蒸気を用いて改質し、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを得るために使用される触媒であって、BaNiY25を含有することを特徴としている。
また、本発明の炭化水素改質触媒においては、さらにBaZrO3を含有していることが好ましい。
BaZrO3を含有させる、すなわち、触媒中にBaZrO3相を共存させることにより、触媒の焼結を抑制することが可能になる。その結果、大きな比表面積を維持することが可能になり、水蒸気改質反応における活性の高い炭化水素改質触媒を提供することができるようになる。
また、Ba、Zr、およびYのモル数が、Ba/(Zr+Y)=1の要件を満たしていることが好ましい。
上記要件を満たすことにより、さらに確実に、水蒸気改質反応における活性の高い炭化水素改質触媒を提供することが可能になる。
また、ZrとYのモル比が、Zr:Y=0.8:0.2〜0.5:0.5の範囲にあることが好ましい。
上記要件を満たすことにより、水蒸気改質反応における活性の高い炭化水素改質触媒を提供することが可能になり、例えば、プロパンを水蒸気改質する場合に、600℃というような低い温度条件下で、70%以上のプロパン転化率を実現することができる。
また、本発明の請求項5の炭化水素改質触媒は、請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素改質触媒を還元処理することにより得られる、(a)金属Niと、(b)BaとZrとYの複合酸化物とを含むことを特徴としている。
また、上述の(a)金属Niと、(b)BaとZrとYの複合酸化物と、を含む炭化水素改質触媒においては、前記金属Niの粒子径が50nm以下であることが好ましい。
金属Niの粒子径が50nmになるようにした場合、Ni粒子の比表面積が大きく、水蒸気改質反応における活性の高い炭化水素改質触媒を提供することができるようになる。
本発明の炭化水素改質触媒は、BaNiY25を含有するものであることから、例えばプロパンなどの炭化水素系ガスを、水蒸気を用いて改質する場合に、600℃程度の低い温度条件(改質条件)下においても、高い触媒活性を示し、効率よく水蒸気改質を行うことが可能になる。
そのため、本発明の炭化水素改質触媒は、特に燃料電池など低温域での触媒活性が求められる用途に有意義に用いることができる。
なお、本発明の炭化水素改質触媒においては、触媒中にBaNiY25相を含むことから、還元前処理によって生成するNiが高い分散性を有し、低温であっても高い活性を発現する。
また、請求項1〜4のいずれかに記載の本発明の炭化水素改質触媒を還元処理することにより得られる、(a)金属Niと、(b)BaとZrとYの複合酸化物とを含む炭化水素改質触媒(請求項5の炭化水素改質触媒)は、炭化水素ガスの改質に用いられて、請求項1〜4のいずれかの触媒の形態(酸化された形態)と、上述の(a)金属Niと、(b)BaとZrとYの複合酸化物とを含む触媒の形態(還元された形態)との間で形態の変化を繰り返すことにより、継続的に活性の高い炭化水素改質触媒として使用することができる。
本発明にかかる炭化水素改質触媒は、炭化水素と水を原料として、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを製造する際の触媒として機能する。
例えば、炭化水素がプロパンである場合に、本発明にかかる炭化水素改質触媒を用いることにより、下記の式(1)に示すように、プロパン(C38)と、水(H2O)を原料として、効率よく水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを生成させることができる。
38+3H2O → 7H2+3CO ……(1)
本発明の実施形態にかかる触媒を用いた炭化水素の水蒸気改質試験に使用した試験装置の概略構成を示す図である。 焼成後(合成後)の炭化水素改質触媒Cの透過電子顕微鏡像を示す図である。 焼成後(合成後)の炭化水素改質触媒CにおけるNi成分のEDX像を示す図である。 還元処理後の炭化水素改質触媒Cの透過電子顕微鏡像を示す図である。 還元処理後の炭化水素改質触媒CにおけるNi成分のEDX像を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態]
[1]炭化水素改質触媒の作製
(1)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Aの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.95:0.05で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Aを得た。
(2)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Bの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.90:0.10で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Bを得た。
(3)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Cの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.80:0.20で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Cを得た。
(4)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Dの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.70:0.30で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Dを得た。
(5)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Eの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.60:0.40で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Eを得た。
(6)本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Fの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化イットリウム(Y23)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr:Y比が1.00:0.50:0.50で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒Fを得た。
(7)比較用の炭化水素改質触媒Gの作製
素原料として炭酸バリウム(BaCO3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Ba:Zr比が1.00:1.00で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の要件を備えていない比較用の炭化水素改質触媒Gを得た。
(8)比較用の炭化水素改質触媒Hの作製
素原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)と、酸化チタン(TiO2)と、酸化ニッケル(NiO)とを用意した。
そして、これらの各素原料をモル比で、Sr:Ti比が1.00:1.00で、焼成後に得られる触媒中のNiOの含有率が10質量%となるように秤量し、さらに玉石と水とバインダーとを加えて混合した。
それから、得られた混合物を120℃のオーブン中で乾燥し、粉砕・分級することにより、1.5〜2.5mmの粒状とした。
次に、得られた粒状試料を、空気中にて1000℃/1hの条件で焼成することにより、本発明の要件を備えていない比較用の炭化水素改質触媒Hを得た。
[2]各触媒A〜Hの結晶相および比表面積の確認
(1)結晶相
上述のようにして作製した本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜F、本発明の要件を備えていない比較用の炭化水素改質触媒GおよびHについて、粉末XRD測定により結晶相の確認を行った。
(2)比表面積
上述のようにして作製した本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜F、本発明の要件を備えていない比較用の炭化水素改質触媒GおよびHについて、BET1点法により比表面積を調べた。
実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜F、比較用の炭化水素改質触媒GおよびHの結晶相と比表面積を表1に示す。なお、NiO相の回折線はBaZrO3相の回折線と重なるため、BaZrO3相が存在する触媒に関しては、NiO相の有無を回折線からは確認することができないため、括弧付きで記載した。
[3]触媒の還元前処理
上述のようにして作製した炭化水素改質触媒を用いて炭化水素ガスの改質試験を行う前に、実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜F、比較用の炭化水素改質触媒GおよびHのそれぞれについて、還元前処理を実施した。
還元前処理は、各炭化水素改質触媒を、図1に示す装置の反応管1内に充填し、ヒーター2により600℃の温度に加熱して、水素50%を含有する窒素中で1hの熱処理を行うことにより実施した。
[4]プロパンの水蒸気改質試験
上述のようにして還元処理済みの炭化水素改質触媒を用いて、改質温度:600℃の条件で、プロパンの水蒸気改質試験を行い、改質温度:600℃における触媒活性(プロパン転化率)と炭素析出量を確認した。
水蒸気改質試験は、図1に示す試験装置を用いて行った。この試験装置は、金属製の反応管1と、反応管1の外部に配設されたヒーター2とを備えており、内部に炭化水素改質触媒3が充填された反応管1の入口4から炭化水素ガスが投入され、触媒3と接触して改質された、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスが出口5から排出されるように構成されている。
この実施形態では、上述のようにして作製した還元処理済みの各炭化水素改質触媒0.3gを、反応管1内に充填し、ヒーター2により600℃の温度に加熱して、C38/H2O=5.7の原料ガスを100cc/minの条件で流通させた。
なお、改質試験中は出口5から得られた合成ガスを分析装置へと導入してガス濃度を測定し、3hの改質試験を実施した。
また、改質試験終了後は、触媒を取り出し、TG−DTA測定により炭素燃焼による重量の減少量から、炭化水素改質触媒への炭素析出量を算出した。
本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜F、比較用の炭化水素改質触媒GおよびHについてのプロパン転化率と炭素析出量を表1に併せて示す。
表1に示すように、BaNiY25相が含まれる、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜Fは、BaNiY25相が含まれない比較例の炭化水素改質触媒よりも高い活性を示すことが確認された。
また、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜Fの場合、炭素析出がないことが確認された。
また、ZrとYのモル比がZr:Y=0.8:0.2〜0.5:0.5の範囲にある、表1の炭化水素改質触媒C、D、EおよびFにおいて、プロパン転化率が70%以上と、特に高い触媒活性を示すことが確認された。
焼成後(合成後)の炭化水素改質触媒Cの透過電子顕微鏡像を図2Aに示し、Ni成分のEDXマッピング像を図2Bに示す。
また、600℃で還元処理を行った後の、炭化水素改質触媒Cの透過電子顕微鏡像を図3Aに示し、Ni成分のEDXマッピング像を図3Bに示す。
図2A,Bに示すように、焼成後(合成後)の炭化水素改質触媒C中のNi成分は、BaNiY25相の結晶構造中に分散しているため、粒子状のNi成分は確認されない。
一方、図3A,Bに示すように、還元処理済み炭化水素改質触媒C中のNi成分は、50nm以下の粒子状態で触媒上に分散している。
つまり、BaNiY25相を生成する触媒では、通常のNiOであれば凝集してしまう1000℃の焼成温度であっても、BaNiY25相の状態をとることにより、図2A,Bに示すようにNi成分が結晶構造中に一様に分散した状態を維持することができる。したがって、還元処理を行った後でも、図3A,Bに示すように金属Niは50nm以下の微粒子として存在することが可能となり、低温域でも高い触媒活性を得ることができる。
これに対してBaNiY25相を生成しない比較用の炭化水素改質触媒では、混合したNi成分は1000℃の焼成中にNiOとして凝集して分散性が低下してしまうため、還元後の触媒であっても低い触媒活性しか得ることができない。
なお、本発明の実施形態にかかる炭化水素改質触媒A〜Fの場合、Zr成分の含有量が多いほど比表面積が大きくなっている。これは、BaZrO3相が存在することによって触媒の焼結が抑えられることによるものと考えられる。したがって、BaNiY25相に加えてBaZrO3相を含有させることによって耐熱性や触媒活性をさらに向上させることが可能になる。
なお、上記実施形態では、BaNiY25と、BaZrO3の両方を含む炭化水素改質触媒(すなわち、BaNiY25相と、BaZrO3相とを共存させた炭化水素改質触媒)を例にとって説明したが、BaNiY25相を含むがBaZrO3相を含まない組成とした場合にも、上記実施形態の炭化水素改質触媒の場合に準じる効果が得られることが確認されている。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 反応管
2 ヒーター
3 炭化水素改質触媒
4 反応管の入口
5 反応管の出口

Claims (6)

  1. 炭化水素系ガスを、水蒸気を用いて改質し、水素と一酸化炭素とを含む合成ガスを生成するために使用される触媒であって、BaNiY25を含有することを特徴とする炭化水素改質触媒。
  2. さらにBaZrO3を含有することを特徴とする請求項1記載の炭化水素改質触媒。
  3. Ba、Zr、およびYのモル数が、Ba/(Zr+Y)=1の要件を満たすことを特徴とする請求項2記載の炭化水素改質触媒。
  4. ZrとYのモル比が、Zr:Y=0.8:0.2〜0.5:0.5の範囲にあることを特徴とする請求項3記載の炭化水素改質触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素改質触媒を還元処理することにより得られる、(a)金属Niと、(b)BaとZrとYの複合酸化物とを含むことを特徴とする炭化水素改質触媒。
  6. 前記金属Niの粒子径が50nm以下であることを特徴とする請求項5記載の炭化水素改質触媒。
JP2014010310A 2014-01-23 2014-01-23 炭化水素改質触媒 Active JP6187282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014010310A JP6187282B2 (ja) 2014-01-23 2014-01-23 炭化水素改質触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014010310A JP6187282B2 (ja) 2014-01-23 2014-01-23 炭化水素改質触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015136668A true JP2015136668A (ja) 2015-07-30
JP6187282B2 JP6187282B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=53768057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014010310A Active JP6187282B2 (ja) 2014-01-23 2014-01-23 炭化水素改質触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187282B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020012687A1 (ja) 2018-07-09 2020-01-16 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
WO2021019869A1 (ja) 2019-08-01 2021-02-04 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
WO2021111784A1 (ja) 2019-12-06 2021-06-10 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
WO2021140733A1 (ja) 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
WO2021140732A1 (ja) 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒、炭化水素改質装置、および、炭化水素改質触媒の硫黄劣化回復方法
JP2022523304A (ja) * 2019-01-25 2022-04-22 セラミック パウダー テクノロジー エーエス セラミック複合酸化物
WO2023085275A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 株式会社村田製作所 電場触媒およびそれを用いたガスの改質方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05154384A (ja) * 1991-10-09 1993-06-22 Sekiyu Sangyo Kasseika Center 窒素酸化物接触還元用触媒
US5380692A (en) * 1991-09-12 1995-01-10 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Catalyst for catalytic reduction of nitrogen oxide
US6436363B1 (en) * 2000-08-31 2002-08-20 Engelhard Corporation Process for generating hydrogen-rich gas
WO2002078840A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-10 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Catalyseur de reformage d'hydrocarbures et procede de preparation du catalyseur, et procede de reformage d'hydrocarbures mettant en oeuvre ledit catalyseur
JP2008108647A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Tokyo Gas Co Ltd 改質器一体型燃料電池
WO2011027727A1 (ja) * 2009-09-02 2011-03-10 株式会社村田製作所 炭化水素系ガス改質触媒、その製造方法および、合成ガスの製造方法
JP2013255911A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Mitsubishi Chemicals Corp 合成ガス製造用触媒および合成ガスの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5380692A (en) * 1991-09-12 1995-01-10 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Catalyst for catalytic reduction of nitrogen oxide
JPH05154384A (ja) * 1991-10-09 1993-06-22 Sekiyu Sangyo Kasseika Center 窒素酸化物接触還元用触媒
US6436363B1 (en) * 2000-08-31 2002-08-20 Engelhard Corporation Process for generating hydrogen-rich gas
WO2002078840A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-10 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Catalyseur de reformage d'hydrocarbures et procede de preparation du catalyseur, et procede de reformage d'hydrocarbures mettant en oeuvre ledit catalyseur
JP2008108647A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Tokyo Gas Co Ltd 改質器一体型燃料電池
WO2011027727A1 (ja) * 2009-09-02 2011-03-10 株式会社村田製作所 炭化水素系ガス改質触媒、その製造方法および、合成ガスの製造方法
JP2013255911A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Mitsubishi Chemicals Corp 合成ガス製造用触媒および合成ガスの製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020012687A1 (ja) 2018-07-09 2020-01-16 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
JPWO2020012687A1 (ja) * 2018-07-09 2021-03-25 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
US11958746B2 (en) 2018-07-09 2024-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Hydrocarbon reforming catalyst and hydrocarbon reforming apparatus
JP2022523304A (ja) * 2019-01-25 2022-04-22 セラミック パウダー テクノロジー エーエス セラミック複合酸化物
WO2021019869A1 (ja) 2019-08-01 2021-02-04 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
CN114080273A (zh) * 2019-08-01 2022-02-22 株式会社村田制作所 烃重整催化剂和烃重整装置
WO2021111784A1 (ja) 2019-12-06 2021-06-10 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
CN114746178A (zh) * 2019-12-06 2022-07-12 株式会社村田制作所 碳氢化合物改性催化剂以及碳氢化合物改性装置
WO2021140733A1 (ja) 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
WO2021140732A1 (ja) 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒、炭化水素改質装置、および、炭化水素改質触媒の硫黄劣化回復方法
WO2023085275A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 株式会社村田製作所 電場触媒およびそれを用いたガスの改質方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6187282B2 (ja) 2017-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6187282B2 (ja) 炭化水素改質触媒
Al-Swai et al. Syngas production via methane dry reforming over ceria–magnesia mixed oxide-supported nickel catalysts
JP5126560B2 (ja) 炭化水素系ガス改質触媒、その製造方法および、合成ガスの製造方法
Azurdia et al. Liquid-feed flame spray pyrolysis as a method of producing mixed-metal oxide nanopowders of potential interest as catalytic materials. nanopowders along the NiO− Al2O3 tie line including (NiO) 0.22 (Al2O3) 0.78, a new inverse spinel composition
JP5327323B2 (ja) 炭化水素系ガス改質用触媒、その製造方法、および合成ガスの製造方法
Li et al. Design of active and stable bimodal nickel catalysts for methane reforming with CO2
Lázaro et al. TiO2 as textural promoter on high loaded Ni catalysts for methane decomposition
Ai et al. ZrO2-modified Ni/LaAl11O18 catalyst for CO methanation: effects of catalyst structure on catalytic performance
Fang et al. Effect of rare earth element (Ln= La, Pr, Sm, and Y) on physicochemical properties of the Ni/Ln2Ti2O7 catalysts for the steam reforming of methane
Rezlescu et al. Partial substitution of manganese with cerium in SrMnO3 nano-perovskite catalyst. Effect of the modification on the catalytic combustion of dilute acetone
Valente et al. Controlling the redox properties of nickel in NiO/ZrO 2 catalysts synthesized by sol–gel
JP2010110697A (ja) アンモニア分解触媒
Alharthi et al. Mg and Cu incorporated CoFe2O4 catalyst: characterization and methane cracking performance for hydrogen and nano-carbon production
JP6940002B2 (ja) 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
Brussino et al. Alumina-supported nickel onto cordierite monoliths for ethane oxidehydrogenation: coating strategies and their effect on the catalytic behavior
Liu et al. Highly Stable Bimetal Ni–Co on Alumina-Covered Spinel Oxide Derived from High Entropy Oxide for CO2 Methanation
JP5626446B2 (ja) 炭化水素の二酸化炭素改質用触媒および炭化水素の二酸化炭素改質方法
Orlyk et al. Structure and size effects on the catalytic properties of complex metal oxide compositions in the oxidative conversion of methane
JP4639798B2 (ja) 気相成長法炭素繊維製造用触媒および炭素繊維の製造方法
WO2013187436A1 (ja) 改質用触媒、その製造方法、および合成ガスの製造方法
Wang et al. Chemical modification in and on single phase [NiO] 0.5 [Al2O3] 0.5 nanopowders produces “chocolate chip‐like” Nix@[NiO] 0.5‐x [Al2O3] 0.5 nanocomposite nanopowders
JP7318734B2 (ja) 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
Patil et al. Synthesis and characterization of PdO-NiO-SDC nano-powder by glycine-nitrate combustion synthesis for anode of IT-SOFC
JP7347541B2 (ja) 炭化水素改質触媒、炭化水素改質装置、および、炭化水素改質触媒の硫黄劣化回復方法
Leonardi et al. Cobalt oxide-based catalysts supported on zirconia fibers synthesized by atomic layer deposition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6187282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150