JP2015136360A - 防草緑化工法 - Google Patents

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勝治 丹野
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Abstract

【課題】破損や腐食がしにくく、雑草の防草効果に優れ、導入植物が長期間生育可能で、防草シートを兼ね備え地域景観の保全形成と交通視界の妨げにならない緑化が可能な防草緑化工法の提供。
【解決手段】透水性と保水性を有し、植根を通すが光を遮断し、雑草の生育を困難とする黒色長繊維不織布を下面とし、この上に透水性を有し乾燥すると黒変するアスフルト乳剤でコーティングし、発根を促進する良質土を数ミリ厚さで散布し、透水性を有する高分子樹脂にて固着して下地防草シートとする第一工程の下地防草シートに 上から順に撥水性を有する短繊維不織布、防根性を有するポリシート、透水性と保水性を有する長繊維不織布を重ね一体化させ、一定間隔で生育が可能な数ミリから数十ミリの貫通孔を多数形成し、長繊維不織布の下面に導入植物の種子シートを一体化させた第二工程を重ね合わせ雑草生育を抑え、導入植物を長期間生育させる防草緑化工法。
【選択図】図4

Description

本発明は、道路の法面や分離帯等の緑化施工面において飛来種子や埋土種子等による雑草の繁茂を防止し、目的とする導入種子による緑化を可能とする防草緑化工法に関する。
道路の法面、分離帯、公園等の緑地帯では埋土種子や飛来種子等の侵入により、多くの箇所で雑草の繁茂が見受けられ、周囲の景観を損ねている。特に道路沿や中央分離帯では、草丈の高い雑草により車運転者の視界を妨げる等交通の安全に支障をきたすため、毎年膨大な経費を掛けて除草作業が行われてきた。そこで近年は、当発明者が開発した防草と緑化が可能である種子付防草シートによる緑化工法が開示されている。
種子付防草シートによる緑化工法の特許文献1は、植物の芽を通さず保水性を有する黒色不織布、根や水を通さぬ黒色ポリシート、撥水性と防根性を有する黒色不織布を下から順に重ねて熱接着した1枚の防草シートに、一定の間隔で貫通孔を多数形成して、該防草シート下面に2ミリ目合の黒色ラッセルネットシート、その下に種子と肥料が付着した水溶性種子シートを配置し、各シートが一体化するように熱接着して一枚のシートに形成した種子付防草シートを用いての防草と緑化を兼ね備えた当発明者が開発した緑化工法である。
しかし、特許文献1の発明において、埋土種子による雑草の生育を防除する機能として貫通孔付防草シートに2ミリ目合のネットを形成しているが、防草シートに形成された貫通孔から光が2ミリ目合のネットを通して埋土種子にも届くため、雑草も発芽生育し、その全ての雑草を2ミリ目合のネットで抑えることは難しく、やがて雑草に覆われる可能性の問題がある。
また、3層の防草シートにラセルネットと種子シートを重ね一体化された種子付防草シートは、傾斜面や凹凸面に対しても敷設が容易であるが、複数重ねたシートは地表の凹凸面との密着性が低く、シートと敷設面との間に空隙が生じ導入種子の発芽や生育に阻害を及ぼす可能性があった。
特開2013−006666号公報
本発明は、上記背景技術で記載した問題を解決すべく、破損や腐食がしにくく防草効果に優れかつ導入植物が長期間生育可能で施工が容易に行なえる防草シートを兼ね備えた防草緑化工法の提供を目的とする。
本発明は上記目的を達成するための防草緑化工法であり、始めに敷設面からの雑草生育を防止するため、黒色長繊維不織布の表面をアスファルト乳剤でコーティングし、その上に数ミリの厚さで良質土を散布し、高分子樹脂にて接着した下地防草シートを敷設する第一工程と、上から短繊維不織布・ポリシート・長繊維不織布の順に重ね一枚のシートに形成したうえで、数ミリから数十ミリの貫通孔を一定間隔で多数形成し、この下面となる長繊維不織布に種子シートを付着させて第二工程の種子付防草シートとし、当該種子付防草シートの種子面を下にして第一工程の下地防草シート面に重ね、一体化させ固定する手順の構成で施工する防草と緑化を兼ね備えた防草緑化工法。
上記構成は、透水性と保水性を有し、植根を通すがランダムに結合された黒色繊維の絡み合わせが光を遮断し、埋土種子の発芽生育を困難とする黒色長繊維不織布を下面とし、当該黒色長繊維不織布の上面を透水性と粘着性を有し、乾燥すると黒変するアスフルト乳剤でコーティング、この上に保水と発根を促進する良質土を数ミリ厚さで散布し、透水性を有する高分子樹脂にて当該黒色長繊維不織布に固着し、地表からの雑草を防止する下地防草シートとする第一工程。次に上から順に撥水性を有し発芽を困難とする短繊維不織布、撥水性と防根性を有するポリシート、透水性と保水性を有する長繊維不織布を重ね一体化させ、破損しにくい1枚の防草シートとし、一定間隔で植物が生育可能な数ミリから数十ミリの貫通孔を多数形成し、長繊維不織布の下面に導入植物の種子シートを一体化させ飛来種子による雑草防止を図り、導入植物による緑化を可能とする第二工程の種子付防草シートとし、第一工程の下地防草シートの上に重ね合わせ雑草生育を抑え、導入植物を長期間生育させることが可能とする防草緑化工法の提供。
始めに地表面に第一工程の黒色長繊維不織布を直接敷設することにより地表への太陽光を遮断し、埋土種子の発芽生育を抑える作用をもたらす。さらに黒色長繊維不織布の繊維がランダムに絡み結合されているため埋土種子が発芽してもその芽が突き抜けることが困難なため雑草の生育が抑制される。また、当該黒色長繊維不織布の表面をアスファルト乳剤・良質土で形成したことにより、強度が増すとともに良質土とアスファルト本来の黒色により光を一層遮断して防草効果が発揮される。なお、良質土を構成したことにより当該黒色長繊維不織布と接地面に空隙が生じても、導入種子は発根伸長が阻害されることなく良質土を通して設置面土壌に生育することが可能となった。
上記構成の第一工程の下地防草シート上に撥水性を有する短繊維不織布と植根や水を遮断するポリシートと透水性と保水性を有する長繊維不織布の3枚のシートを合わせ1枚の防草シートとし、これに一定間隔で貫通孔を多数形成し、下面となる長繊維不織布の面に導入種子シートを一体化させた第二工程の種子付防草シートを重ねる手順での工法により飛来種子や埋土種子等による雑草の生育を阻害し導入植物による緑化が図られる。
また、防草緑化シートの下面に形成された透水性と保水性を有する黒色長繊維不織布は、繊維の毛管現象による地表面からの給水を行い、それに加え当該防草緑化シートに形成した貫通孔を通し、表面から導入種子への給水が可能となり、発芽生育に十分な水分確保が可能になった。さらに、透水性及び保水性を有する黒色長繊維不織布の上に良質土・種子シートを形成した上にもう一枚の長繊維不織布を構成したことにより、二重の保水層ができたことにより保水期間が長期に渡り確保され、導入植物の長期生育が可能となり、毎年行なわれてきた除草経費の削減と道路交通視野の改善がされる効果がある。
また、第一工程と第二工程で敷設された4枚のシートは腐食しにくい材質であり、これを重ね合わせ一体化しているので、破損に強く耐久性に優れ、長期間の防草効果を維持することが可能である。
さらに、除草だけを目的とする工事にも、第二工程の手順で形成される防草シートを用いれば、長期に渡り地表の浸食防止と防草効果が発揮される防草工事としても可能である。また、防草と樹木植栽を目的とする植栽工事にも、始めに防草目的に敷設された防草シート上に植樹する位置に切込みを入れて植栽することにより、雑草を抑制しての樹木緑化が図れることも可能でもある。
本発明は、上記の特性を有している防草緑化工法であり、良質土をアスファルト乳剤と高分子樹脂で固着したことにより、雨水等で流されることもなく植物の生育に良好な基盤層が形成され、発芽を望まないいわゆる雑草の飛来種子や埋土種子の生育を阻害すると共に導入種子の生育のみを可能とすることのできる防草緑化工法である。
第一工程の下地防草シートを示す説明図である。 第二工程で使用する防草シートの説明図である。 種子付防草シートの説明図である。 本工法の防草緑化シートを示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1は、防草緑化工法の第一工程で施工する下地防草シートの構成を示す説明図である。始めに、透水性と保水性を有し、植根の伸長を阻害することなく、ランダムに結合された黒色繊維の絡み合わせが光を遮断し、埋土種子の発芽生育を困難とする黒色長繊維不織布1を下面とし、この表面に光を遮断すると共に浸透性と粘着性が発揮できるアスファルト乳剤2をコーティングし、その上に導入種子の発根がスムーズに伸長可能な良質土3を数ミリ厚で散布し、アスファルト乳剤の粘着と透水性の高分子樹脂の粘着剤にて当該黒色長繊維不織布に良質土3を固着させ、第一工程の下地防草シート4とする。
上記構成の下地防草シートは、黒色長繊維不織布、アスファルト乳剤、良質土により雑草生育の要因となる光が遮断されるため、雑草の発芽と生育力が弱まるとともに雑草の芽は黒色長繊維不織布を突き抜けることはないため、地表面からの雑草生育を阻止する。また、黒色長繊維不織布の表面に数ミリ厚で用土を施した上に第二工程で敷設される種子付防草シートが用土層に密着することにより、従来の不織布の上に種子を配置するよりも、導入種子の発根と生育力が高くなり早期緑化が可能となる。なお、良質土は雑草種を含まない土に肥料を混合した用土を使用する。
図2は、日光や風雨などに長期間さらされても破損や腐食することがなく、飛来種子の発芽、生育を阻害する3枚のシートからなる第二工程の防草シートを形成する説明図である。上記防草シートは、下から順に透水性と保水性を有する黒色長繊維不織布1、植根や水も通さないポリシート5、その上にポリエステル製で撥水性と防根性を有する短繊維不織布6の順に重ね合わせ、1枚の防草シート7を形成する。なお、当該防草シートはいずれも腐食しにくい材質の3枚のシートを合わせ1枚のシートに形成されたことにより耐久性が増し、敷設面の長期保全が図られる。
図3は、上記で形成した防草シート7の表面に導入種子が伸長生育可能となる直径数ミリから数十ミリの貫通孔8を一定の間隔で形成した孔開き防草シート9とし、下部面となる長繊維不織布面に水溶性不織布に導入種子を貼付けた種子シート10を一体化させて種子付防草シート11とする。
上記構成の種子付防草シートは、水や植根を通さないポリシートを保護するため撥水性と保水性を有した腐食しにくい材質の二枚の不織布で上下から挟み込み一体化されたシートで、その下に構成された種子シートの種子の発芽生育に欠かせない水分と光が差込む貫通孔が形成されたシートである。該種子付防草シートに占める貫通孔は、一例として地下茎で生育する芝草の場合、貫通孔の大きさは直径10ミリ、孔と孔の間隔も10ミリとした場合、防草シートに占める孔の割合は全面積の約20%で防草シート全面の緑化が図られた。また、ほふく茎で生育する芝草の場合には、貫通孔の大きさは直径15ミリ、孔と孔の間隔は50ミリとした場合、防草シートに占める孔の割合は全体の約4%で導入種子による全面緑化が図られた。但し、貫通孔の大きさや間隔はこれに限ることではない。
図4は、本防草緑化工法の手順を示す断面図で、下から順に黒色長繊維不織布1、アスファルト乳剤2、良質土3、種子シート10、穴開き防草シート9(短繊維不織布・ポリシート・長繊維不織布を一体化)の構成で形成したことを特徴とする防草緑化工法であり、特に導入種子の発芽生育に適した良質土層と伸長に必要な光と水分補給孔が種子シートまで届く貫通孔が多数形成されたことにより、導入植物の早期緑化及び長期緑化が図られる防草緑化工法である。
本発明の防草緑化工法は、雑草の生育を抑制し、導入植物を繁茂させる防草と 緑化を兼ね備えた防草緑化工法であり、施工が容易な上、破損や腐食がしにくく、長期に渡り構造体の保持が可能であり、除草管理が必要な道路や法面等の防草緑化として、また景観形成等における自然環境の復元緑化として、これから大いに利用される可能性の高い防草緑化工法である。
1 黒色長繊維不織布
2 アスファルト乳剤
3 良質土
4 下地防草シート
5 ポリシート
6 短繊維不織布
7 防草シート
8 貫通孔
9 孔開き防草シート
10 種子シート
11 種子付防草シート

Claims (1)

  1. 施工面にアスファルト乳剤と数ミリ厚の良質土を黒色長繊維不織布の表面に固着させた下地防草シートを敷設し、この上に一定間隔で孔が形成された防草シートに種子シートを付着させた種子付防草シートを重ね併せ、防草と緑化を図ることを特長とする防草緑化工法。
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