JP2015135749A - リチウムイオン電池、及びこれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リチウムイオン電池の異常時などに発生する可燃性ガスの発火、発煙等を防止し、リチウムイオン電池の安全性を向上するこの可能なリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムを提供する。【解決手段】 リチウムイオン電池を収容する気密容器1には、導入配管2を介して微粉除去機構としての円筒形のサイクロン式微粉除去機構3が接続している。このサイクロン式微粉除去機構3の上部には、可燃性の噴出ガス吸収材(図示せず)を収容するガス収容部としての筒状のガス吸収材収容容器4が連通していて、ガス吸収部の前段に微粉除去機構を配置した構成となっている。そして、サイクロン式微粉除去機構3の上面中央には、縮径した排出管が接続していて、この排出管に連続してガス吸収材収容容器4が配置されている。ガス吸収材としては、LSX型、X型又はA型のゼオライトが好ましく、特に水分を含浸させるのが好ましい。【選択図】 図2
Description
本発明は、リチウムイオン電池の安全性を向上するためのシステムに関し、特にリチウムイオン電池の異常時などに発生する可燃性の噴出ガスによる発煙や発火を防止するためのリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムに関する。
近年、大容量、高出力タイプのリチウムイオン電池が実用化されている。このリチウムイオン電池は、大容量、高出力であるがゆえに従来の二次電池よりも高い安全性、安定性が求められる。
このリチウムイオン電池は、一般に正極体及び負極体が電解液とともに電池容器内に封入され、電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担うものであり、電極シートとセパレータとの積層体を、角型の場合にはサンドイッチ状に、円筒型の場合にはロール状にそれぞれ形成し、集電体としての正極体及び負極体のリード部を各々の端子に接続する。そして、上述したような各種形態の積層体をそれぞれの対応する形状の電池容器に収容した後、電池容器の開口部から電解液を注入して積層体に電解液を含浸し、正極体及び負極体の先端を外部に露出した状態で電池容器を封入した構造を有する。
上記リチウムイオン電池に用いられる電解液としては、炭酸エチレンなどを含有する非水系電解液が用いられるが、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させるためには使用可能電圧を高めることが有効であることから、特に高い電圧で充放電可能な炭酸エステル系電解液が広く用いられている。
このような非水系電解液を使用したリチウムイオン電池では、非水系電解液中に含まれる炭酸エステルが長期間の使用における充放電の繰り返し、過充電、あるいは短絡等の異常時の電池内部の温度上昇に起因して、劣化や電気分解をおこす。これにより電池内部でCOやCO2などだけでなく可燃性のガスが発生し、この発生したガスによって内圧が上昇して破損等が発生する危険性を有する。そのため、リチウムイオン電池は、万一、内部が所定の圧力を超えた場合には、電解液蒸気やその他の分解ガス等を外部へ噴出させるような仕組みとなっている。しかしながら、これらのガス成分は高温であり、可燃性の成分を大量に含むため、蓄電デバイス外部に放出された際に、発火、発煙等を引き起こす危険性がある。
このようなガス噴出時の発火、発煙等を防止する技術として、例えば、リチウムイオン電池の内部で発生したガスをガス吸収材によって吸収する方法が提案されている(特許文献1,2)。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているような従来のガス吸収材は、その機能を効果的に発揮するために、噴出ガスを効率よくガス吸収材に流通させ接触させる必要があるが、電気的異常時や熱暴走時に瞬間的には、大量の可燃性ガスの発生に伴い多量のススなどの微粉が発生する。このため、このススなどの微粉がガス吸収材への流路を閉塞させてしまい、ガス吸収材と噴出ガスとを効率よく接触させるのが困難になり、十分な性能を発揮できない虞がある。この結果、場合によっては噴出ガスの発火、発煙を招く可能性が残る、という問題点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン電池の異常時などに発生する可燃性ガスの発火、発煙等を防止し、リチウムイオン電池の安全性を向上するこの可能なリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極及び負極が非水系電解液とともに電池容器内に封入され、前記非水系電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担うリチウムイオン電池から発生する噴出ガスに起因する発煙あるいは発火を防止するシステムであって、前記噴出ガスの吸収材を充填したガス吸収部と、該ガス吸収部の前段に設けられた微粉除去機構とを備えることを特徴とするリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムを提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、リチウムイオン電池の異常時などに可燃性成分を含むガスが噴出すると、これに伴いススなどの微粉が大量に放出されるが、この微粉を微粉除去機構で除去することにより、可燃性ガスをスムーズにガス吸収材に接触させて効率よく吸収し、この結果、可燃性ガスの発火、発煙等を防止することができる。これにより、リチウムイオン電池の安全性を向上させることができる。
上記発明(発明1)においては、前記微粉除去機構が、集塵筒内に吸引した微粉を旋回流にのせて分離除去するサイクロン式微粉除去機構であるのが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、コンパクトな構成でススなどの微粉を、動力を用いることなく可燃性ガスから分離除去することができる。
上記発明(発明2)においては、前記サイクロン式微粉除去機構が、微粉収容部を有するのが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、これによりススなどの微粉を確実に分離することができ、ススなどの微粉がガス吸収材側に流入するのをより確実に防止することができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記吸収材に水分を吸収させておくのが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、リチウムイオン電池の異常時などに噴出する可燃性成分を含むガスは非常に高温であるが、この可燃性ガスがガス吸収材を通過する際に、吸収材に含まれていた水分が周囲の温度を奪いながら気化するため、可燃性ガスの温度を下げることができ、これにより可燃性ガスの発火・発煙などをさらに確実に防止することができる。
本発明によれば、リチウムイオン電池から発生する噴出ガスの吸収材を充填したガス吸収部と、このガス吸収部の前段に設けられた微粉除去機構とを備えるリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムであり、リチウムイオン電池の異常時などに噴出する可燃性成分を含むガスに含まれるススなどの微粉を微粉除去機構で除去することにより、ガス吸収材により効率よく可燃性ガスを吸収し、可燃性ガスの発火、発煙等を防止することができる。これにより、リチウムイオン電池の安全性を向上させることができる。この微粉除去機構としては、集塵筒内に吸引した微粉を旋回流にのせて分離除去するサイクロン式微粉除去機構が、コンパクトな構成でススなどの微粉を動力を用いることなく分離除去することができ好適である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
図1及び図2は、それぞれ本実施形態のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムを示す側面図及び斜視図である。同図において、1はリチウムイオン電池(図示せず)を収容する矩形の箱体の気密容器であり、この気密容器1には、導入配管2を介して微粉除去機構としての円筒形のサイクロン式微粉除去機構3が接続している。このサイクロン式微粉除去機構3の上部には、可燃性の噴出ガス吸収材(図示せず)を収容するガス収容部としての筒状のガス吸収材収容容器4が連通していて、ガス吸収部の前段に微粉除去機構を配置した構成となっている。
上述したようなシステムにおいて、サイクロン式微粉除去機構3に対して、導入配管2が該サイクロン式微粉除去機構3の円筒形状の外周の一部に接線方向に接続していて、この導入配管2の基端部には、安全弁として機能する図示しないPRD(Pressure Release Disk)が設けられている。さらにサイクロン式微粉除去機構3の下端一側には、微粉収容部3Aが突出して形成されている。この微粉収容部3Aの容積は、リチウムイオン電池1Ah当り6mL以上とするのが好ましい。微粉収容部3Aの容積が、これより少ないと可燃性ガスとともに吐出されるススの最大量を捕集するに十分でない。
また、サイクロン式微粉除去機構3の上面中央には、縮径した排出管3Bが接続していて、さらにこの排出管3Bに連続してガス吸収材収容容器4が配置されている。このガス吸収材収容容器4に充填されるガス吸収材の量は、使用するガス吸収材の性能に応じて適宜設定すればよいが、例えば後述するゼオライト系のガス吸収材の場合には、リチウムイオン電池1Ah当り4g以上とするのが好ましい。ガス吸収材の量が、これより少ないと発生する可燃性ガスの最大量を吸収するに十分でない。
これら気密容器1、導入配管2、微粉除去機構3、微粉収容部3A、排出管3B及びガス吸収材収容容器4は、耐熱性及び鋼性を考慮すると、ステンレスなどの金属製、あるいは耐熱性エンジニアリングプラスチックス製のものを用いることができる。
また、上記ガス吸収材収容容器4に収納するガス吸収材としては、特に制限はないが、無機多孔質材料としてのゼオライトが特に有効である。
ここで、ゼオライトとしては、A型、X型あるいはLSX型のゼオライトを用いることが好ましい。特に、ゼオライトのカチオン部分がLiでイオン交換されたLSX型のゼオライトが好ましい。
上述したようなガス吸収材は、100〜3000m2/gの比表面積を有することが好ましい。比表面積が100m2/g未満では、リチウムイオン電池からの噴出ガスとの接触面積が小さく、十分な吸着性能を発揮することができない。一方、比表面積が3000m2/gを超えてもガスの吸着性能の向上効果が得られないばかりか、ガス吸収材の機械的強度が低下するため好ましくない。
また、ガス吸収材は、3Å以上10Å以下の細孔径を有することが好ましい。細孔容積が3Å未満の場合、細孔内への噴出ガス成分の侵入が困難となる。一方、細孔容積が10Åを超えると、噴出ガス成分の吸着力が弱くなってしまい、細孔内で最密に吸着できず、結果として吸着量が低下してしまうため好ましくない。
さらに、ガス吸収材がゼオライトの場合、Si/Al比が1〜5の範囲の元素構成比を有するものを使用することが好ましい。Si/Al比が1未満のゼオライトは構造上不安定である一方、Si/Al比が5を超えるゼオライトはカチオン含有率が低く、噴出ガスの吸着量が低下するため好ましくない。
上述したような本実施形態のガス吸収材の形状については特に制約はなく、粉末状、顆粒状、ブロック状、錠剤状などあらゆる形態を適用することができる。ただし、取り扱い性を考慮し、ガス吸着性能に影響のない範囲で成形したものを用いることが好ましい。
ここで本実施形態においては、ガス吸収材に水系溶媒を含浸させておくのが好ましい。ここで、ガス吸収材に含浸させておく水系溶媒としては、水、イオン性水溶液などを好適に用いることができる。この水系溶媒は、ガス吸収材100重量%に対して、5〜30重量%、特に15〜25重量%程度含浸させればよい。
次に、上述したような構成を有する本実施形態のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムの動作について説明する。
リチウムイオン電池に異常が発生すると、大量のススなどの微粉とともに可燃性のガスが噴出される。このリチウムイオン電池は、気密容器1内に収納されているが、可燃性ガスの噴出に伴い気密容器1の内圧が所定の圧力を超えたらPRDが開成して、導入配管2から該可燃性のガスがサイクロン式微粉除去機構3に勢いよく流入する。このとき、導入配管2はサイクロン式微粉除去機構3の円筒形状の外周に対して接線方向に接続しているとともに、上面側は縮径した排出管3Bが接続されているので、流入した可燃性ガスは、サイクロン式微粉除去機構3の円筒の内周壁に沿って旋回流として下降し、ススなどの微粉は遠心力により外壁面側に偏在しながら旋回することになる。この結果、ススなどの微粉は粉収容部3Aに捕集される。
このようにススなどの微粉が除去された可燃性ガスは、その後、ガス吸収材収容容器4の中心部から上昇して、サイクロン式微粉除去機構3から排出管3Bを通って筒状のガス吸収材収容容器4に供給され、ガス吸収材と接触することで吸収される。これにより、可燃性ガスの発火・発煙を防止することができる。このとき、排出管3Bが微粉で閉塞することがないので、可燃性ガスはスムーズに流通するため、ガス吸収効率が良好なものとなっている。
ただし、可燃性ガスはこの時点ではまだ高温なので、発火・発煙の可能性は多少残る。そこで、本実施形態においては、ゼオライト系の吸収材に水分を含有させているので、高温の可燃性ガスにより吸収材に含まれていた水分が周囲の温度を奪いながら気化するため、可燃性ガスの温度を発火点以下に下げることができ、これにより可燃性ガスの発火・発煙などをさらに確実に防止することができる。
以上、本発明について、添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、サイクロン式微粉除去機構3の内部は下方に向かって縮径した円錐あるいは円錐台形状としてもよい。また、ガス吸収材としては、ゼオライト系のものに限らず、その他の有機系、無機系、あるいは有機・無機複合素材を用いることができ、特に、無機多孔質材料、炭素系材料、有機ホスト化合物、多孔質有機金属複合材料などを用いることができる。
以下の実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<微粉除去性確認試験装置>
図3に示すように、微粉除去性試験装置11として、市販の円柱型ステンレス製ネジ式容器(内径約50mm、高さ約30mm)12に、内壁の周面に対して接線をなす角度で、導入配管2としての第一のパイプ13を溶接するとともに、天面中央に排出管3Bとしての第二のパイプ14を溶接し、第二のパイプ14の先端にガス吸収材を充填したガス吸収材収容容器(図示せず)を接続したものを用いた。なお、第二のパイプ14内には圧力センサ(図示せず)を設けた。
<微粉除去性確認試験装置>
図3に示すように、微粉除去性試験装置11として、市販の円柱型ステンレス製ネジ式容器(内径約50mm、高さ約30mm)12に、内壁の周面に対して接線をなす角度で、導入配管2としての第一のパイプ13を溶接するとともに、天面中央に排出管3Bとしての第二のパイプ14を溶接し、第二のパイプ14の先端にガス吸収材を充填したガス吸収材収容容器(図示せず)を接続したものを用いた。なお、第二のパイプ14内には圧力センサ(図示せず)を設けた。
<微粉除去性確認試験>
市販のリチウムイオン電池(1100mA)を過充電させ、リチウムイオン電池を異常状態として、可燃性のガスを噴出させた。この可燃性ガスを直接第一のパイプ13に導入したところ、第二のパイプ14から排出され、ガス吸収材収容部材に供給された。この第二のパイプ14からの可燃性ガスの排出圧力は0.12MPaであった。また、試験後、ネジ式容器12を開成したところ、ネジ式容器12内にはススが残留していた。これは第一のパイプ13から流入した可燃性ガスが螺旋状に流れることで、遠心力によりススなどの微粉が残留したためと考えられる。さらに、第二のパイプ14内壁及びガス吸収材収容容器の内部を観察しても、ススなどの微粉の付着は認められなかった。
市販のリチウムイオン電池(1100mA)を過充電させ、リチウムイオン電池を異常状態として、可燃性のガスを噴出させた。この可燃性ガスを直接第一のパイプ13に導入したところ、第二のパイプ14から排出され、ガス吸収材収容部材に供給された。この第二のパイプ14からの可燃性ガスの排出圧力は0.12MPaであった。また、試験後、ネジ式容器12を開成したところ、ネジ式容器12内にはススが残留していた。これは第一のパイプ13から流入した可燃性ガスが螺旋状に流れることで、遠心力によりススなどの微粉が残留したためと考えられる。さらに、第二のパイプ14内壁及びガス吸収材収容容器の内部を観察しても、ススなどの微粉の付着は認められなかった。
(比較例1)
実施例1において、リチウムイオン電池から噴出した可燃性ガスを、第二のパイプと同じ供給パイプを通して直接ガス吸収材収容部材に供給した。この可燃性ガスの供給圧力は0.54MPaであり、実施例1よりも上昇していた。また、試験後、供給パイプ及びガス吸収材収容容器の内部を観察したところ、供給パイプ14の内壁面にススが多量に付着しているとともに、ガス吸収材収容容器内のガス吸収材にもススが付着しているのが認められた。
実施例1において、リチウムイオン電池から噴出した可燃性ガスを、第二のパイプと同じ供給パイプを通して直接ガス吸収材収容部材に供給した。この可燃性ガスの供給圧力は0.54MPaであり、実施例1よりも上昇していた。また、試験後、供給パイプ及びガス吸収材収容容器の内部を観察したところ、供給パイプ14の内壁面にススが多量に付着しているとともに、ガス吸収材収容容器内のガス吸収材にもススが付着しているのが認められた。
(実施例2〜4)
<水分含有ガス吸収材による温度低下効果確認試験装置>
図4に示すように、温度低下効果確認試験装置21として、市販のリチウムイオン電池(1100mA)22をアルミダイキャスト製の気密性容器23内に設置するとともに、このリチウムイオン電池22を充電用の直流電源装置24に接続したものを用いた。この気密性容器23に連通してガス吸収材収容部材25を配置し、ここにゼオライト系ガス吸収材として、市販の吸収材(栗田工業(株)製「イプシガードKC501」)5gに対してそれぞれ5重量%、10重量%及び15重量%の水分をそれぞれ含浸させたものをガス吸収材26として充填した。そして、気密性容器23には圧力センサ27を接続するとともに、ガス吸収材収容部材25の排出流路には温度センサ28を接続することで、気密性容器23内の圧力と、ガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度を計測することが可能となるように構成した。
<水分含有ガス吸収材による温度低下効果確認試験装置>
図4に示すように、温度低下効果確認試験装置21として、市販のリチウムイオン電池(1100mA)22をアルミダイキャスト製の気密性容器23内に設置するとともに、このリチウムイオン電池22を充電用の直流電源装置24に接続したものを用いた。この気密性容器23に連通してガス吸収材収容部材25を配置し、ここにゼオライト系ガス吸収材として、市販の吸収材(栗田工業(株)製「イプシガードKC501」)5gに対してそれぞれ5重量%、10重量%及び15重量%の水分をそれぞれ含浸させたものをガス吸収材26として充填した。そして、気密性容器23には圧力センサ27を接続するとともに、ガス吸収材収容部材25の排出流路には温度センサ28を接続することで、気密性容器23内の圧力と、ガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度を計測することが可能となるように構成した。
<水分含有ガス吸収材による温度低下効果確認試験>
直流電源装置24により、リチウムイオン電池22を過充電させ、リチウムイオン電池を異常状態として、可燃性のガスを噴出させ、この可燃性ガスをガス吸収材収容部材25に流入させた。このときの気密性容器23内の圧力とガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度をそれぞれ測定した。気密性容器23内の最高圧力とガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度をガス吸収材の水分量とともに表1に示す。
直流電源装置24により、リチウムイオン電池22を過充電させ、リチウムイオン電池を異常状態として、可燃性のガスを噴出させ、この可燃性ガスをガス吸収材収容部材25に流入させた。このときの気密性容器23内の圧力とガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度をそれぞれ測定した。気密性容器23内の最高圧力とガス吸収材収容部材25を通過するガスの温度をガス吸収材の水分量とともに表1に示す。
表1より明らかなとおり、ガス吸収材に水分を含有させることにより、可燃性の噴出ガスの温度を下げることができ、安全性を向上できることが確認され、水分量が多くなるほど、温度を下げる効果が期待できることがわかった。
上述したような本発明のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システムは、リチウムイオン電池の異常時などに噴出する可燃性ガスに含まれるススなどの微粉を微粉除去機構で除去することにより、ススなどの微粉の取り除かれた可燃性のガスをガス吸収材に接触させることで、効率よく可燃性ガスを吸収し、可燃性ガスの発火、発煙等を防止することができる。これにより、リチウムイオン電池の安全性を向上させることができ、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
1…気密容器
2…導入配管
3…サイクロン式微粉除去機構
3A…微粉収容部
3B…排出管
4…ガス吸収材収容容器
2…導入配管
3…サイクロン式微粉除去機構
3A…微粉収容部
3B…排出管
4…ガス吸収材収容容器
Claims (4)
- 正極及び負極が非水系電解液とともに電池容器内に封入され、前記非水系電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担うリチウムイオン電池から発生する噴出ガスに起因する発煙あるいは発火を防止するシステムであって、
前記噴出ガスの吸収材を充填したガス吸収部と、該ガス吸収部の前段に設けられた微粉除去機構とを備えることを特徴とするリチウムイオン電池の発煙・発火防止システム。 - 前記微粉除去機構が、集塵筒内に吸引した微粉を旋回流にのせて分離除去するサイクロン式微粉除去機構であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システム。
- 前記サイクロン式微粉除去機構が、微粉収容部を有することを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システム。
- 前記吸収材に水分を吸収させておくことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池の発煙・発火防止システム。
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WO2021005812A1 (ja) * | 2019-07-05 | 2021-01-14 | 栗田工業株式会社 | 蓄電デバイス構造体 |
US11705603B2 (en) | 2018-03-12 | 2023-07-18 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Battery pack exhaust duct and battery pack |
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2014
- 2014-01-17 JP JP2014006644A patent/JP2015135749A/ja active Pending
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