JP5856794B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池容器内に、正極と負極、および両極の電気絶縁のためのセパレータと非水溶性電解液を備えたリチウムイオン電池において、電池内部に金属異物が混入し内部短絡した場合の電池の安全性を確保する技術に関する。
リチウムイオン電池は、高容量、高エネルギー密度で、寿命特性や充放電サイクル特性も優れているため、2次電池として広く利用されている。しかし、エネルギー密度が高いため、他の2次電池よりも安全確保に充分な対策を講じる必要がある。
リチウムイオン電池の正極材は、室温条件でも充電電圧が高くなると反応性が高い活性ラジカル(活性酸素)が生成しやすくなり、セパレータの構成材料であるポリオレフィン等の高分子材料が酸化分解する。これにより、セパレータ材の分子量低下が起こり、機械的強度が著しく低下し破膜が起こりやすくなり、電池の内部短絡に繋がる可能性がある。
電池の室温状態における内部短絡を防止するため、特許文献1では、有機系の酸化防止剤をセパレータ表面に設置していた。
一方、電池に混入した金属異物により内部短絡が起こり高温条件となった場合には、電解液と正極材が共に加熱され、電解液からは有機成分の蒸気が、正極材からは酸素が発生し、発火に至る。
電池の内部短絡による発火を防止するため、特許文献2では、正極材表面をFeなどの酸素除去剤で直接または多孔質導電材に酸素除去剤を担持させた状態で被覆していた。
特開2007−188776号公報 特開2005−174655号公報
リチウムイオン電池の内部短絡時には、金属異物により電池の正極と負極が直接接触することにより、電池に蓄えられた電気エネルギーが瞬時に放出されて急激なジュール発熱が起こり、内部短絡部の温度が急上昇する。短絡部の温度上昇により、正極材は加熱されて構造が不安定となり、酸素を放出する。同様に加熱された電解液からは蒸気が発生し、高温となった短絡部で発火が生じる。
このような電池の内部短絡による発火は特許文献1のセパレータ表面に有機系の酸化防止剤を設置する方法では、内部短絡部の温度が有機系酸化防止剤の融点を超えてしまい、その機能を果たすことができなくなる。
一方、特許文献2では、高温条件で発生した酸素を除去するため、Feなどの酸素除去剤で直接または多孔質導電材に酸素除去剤を担持させた状態で正極材の表面を被覆しており、高温条件での酸素除去は可能である。しかし、正極材表面をFeなどの酸素除去剤で表面を被覆すると以下の問題点が発生する。
(1)正極材表面を被覆する複雑な工程が必要となり、電池コストがアップする。
(2)リチウムイオンを吸蔵できないFeなどの金属系酸化防止剤で正極材の表面を覆うので、充放電に使える正極材の表面積が減少し、電池性能(容量特性、サイクル特性)が低下する。
(3)Feを用いた酸素除去剤については、酸素の吸収反応を起こすのに水分が必要となり、電池内部に水分を持ち込むことになる。水分の存在は電池の内部抵抗増加、電解液との反応による有害物の生成を引き起こす。
本発明は上記問題点を解決し、リチウムイオン電池の内部短絡時において正極材から放出された酸素を吸収・除去して発火を防止し、電池の安全性を確保することを目的としている。
(1)上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。正極および負極と、正極および負極の電気絶縁を保つためのセパレータと、非水溶性電解液と、正極、負極、セパレータおよび非水溶性電解液を収納する電池容器と、を備えたリチウムイオン電池であって、セパレータの表面に脱酸素層が設けられ、脱酸素層は、電池容器で発生した酸素を吸収するリチウムイオン電池。
(2)上記において、脱酸素層は、セパレータと一体となって形成されるリチウムイオン電池。
(3)上記において、脱酸素層は、セパレータの正極側表面に形成されるリチウムイオン電池。
(4)上記において、脱酸素層は、セパレータの表面に塗布で形成されるリチウムイオン電池。
(5)上記において、脱酸素層は、セパレータと一体とは別に形成されるリチウムイオン電池。
(6)上記において、脱酸素層の気孔率は、20%以上50%以下であるリチウムイオン電池。
(7)上記において、脱酸素層の厚さは、2μm以上20μm以下であるリチウムイオン電池。
(8)上記において、脱酸素層は、脱酸素剤を含み、脱酸素剤は、Si、Ge、Ca、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、MoまたはWの一種以上であるリチウムイオン電池。
本発明によれば、電池の内部短絡で発生した酸素を吸収・除去でき、発火の防止が可能となる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例を示すリチウムイオン電池の構成図。 本発明の実施例を示すセパレータの構成図。 別の実施例を示すセパレータの構成図。 Ni系正極材の酸素発生特性図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
リチウムイオン電池の内部短絡時における発火を防止するためには、内部短絡によるジュール発熱で加熱され構造が不安定化した正極材から放出される酸素を吸収・除去し、酸素濃度を発火が起こる下限値未満にする必要がある。
そこで、リチウムイオン電池のセパレータの正極側表面または負極側表面に脱酸素剤を塗布することにより、内部短絡時に正極材から発生した酸素を効率良く吸収・除去して、酸素濃度を低下させて、発火を防止する。セパレータの正極側表面に脱酸素剤を塗布することにより脱酸素層を形成したことにより、電池の内部短絡によるジュール発熱で加熱された正極材から発生する酸素を効率良く吸収・除去し、発火を防止できる。
尚、脱酸素剤をセパレータの正極側表面に塗布することにより、電池の捲回、組立作業が複雑化することなく、従来と同様の製造性のまま、電池の安全性を確保できる。
脱酸素層の気孔率を20〜50%とすることが望ましい。これにより、電池の充放電におけるリチウムイオンの移動を阻害することなく、電池内に脱酸素層を設けることができ、電池性能と安全性を両立することが可能となる。
脱酸素層の厚さを2μm以上20μm以下とすることが望ましい。これにより、脱酸素層に必要な酸素吸収量を確保すると共に、脱酸素層設置による全体厚さの増加を抑えられ、電池の捲回性の悪化を防止できる。
脱酸素層の材料に、Si、Ge、Ca、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、Mo、Wの元素、あるいはSi、Ge、Ca、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、Mo、Wの化合物を用いることが望ましい。これにより、電池の内部短絡時における高温状態において正極材から発生する酸素を吸収、除去することが可能となり、電池の発火を防止できる。
本発明によるリチウムイオン電池の用途は、特に限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ、ワープロ、コードレス電話子機、電子ブックプレーヤ、携帯電話、自動車電話、ハンディターミナル、トランシーバ、携帯無線機等の携帯情報通信機器の電源として使用することができる。また、携帯コピー機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ポータブルCDプレーヤ、ビデオムービー、電気シェーバー、電子翻訳機、音声入力機器、メモリーカード等の各種携帯機器の電源として使用できる。その他、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、オーブン電子レンジ、食器洗い機、乾燥器、洗濯機、照明器具、玩具等の家庭用電気機器として使用できる。また、家庭用、業務用を問わずに、電動工具や介護用機器(電動式車いす、電動式ベッド、電動式入浴設備など)の用電池としても利用可能である。さらに、産業用途として、医療機器、建設機械、電力貯蔵システム、エレベータ、無人移動車両などの電源として、さらには電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、ゴルフカート、ターレット車などの移動体用電源として、本発明を適用することができる。さらには、太陽電池や燃料電池から発生させた電力を本発明の電池モジュールに充電し、宇宙ステーション、宇宙船、宇宙基地などの地上以外で利用可能な蓄電システムとして用いることも可能である。
図1と図2に本発明の実施例を示す。図1に本実施例を適用したリチウムイオン電池を示す。図1は円筒型のリチウムイオン電池であるが、本発明は角型のリチウムイオン電池にも適用できる。
リチウムイオン電池は正極5と負極2、および正極5と負極2を電気絶縁するためのセパレータ4を両極間に挟んだ状態で捲回して電池容器3内に収納された後、非水溶性あるいは水溶性の電解液を注液し封入されている。正極5は正極端子1と、負極2は負極端子6と各々電気的に接続されており、正極端子1と負極端子6を介して、電池の充放電を行う。
正極5は正極活物質、導電剤、結着剤、有機溶剤を混錬したペーストを集電体に塗布して作成することができる。
正極活物質には、リチウムイオンを吸着、放出できる物質を用いることができ、Ni系、Co系、Mn系等の活物質が挙げられる。
導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素系材料が用いられる。
結着剤には、例えばポリフッ化ビニリデンを用いることができる。有機溶媒には、N−メチル−2−ピロリドンを用いることができる。
正極5用の集電体には、導電性金属であるアルミニウムの箔を用いることができる。
セパレータ4には、正極5と負極2の間の電気絶縁を保ち、かつ正極5と負極2の間をリチウムイオンが移動できるような微多孔膜が用いられる。セパレータ4の材料には、電解液中に含まれる溶剤への耐性、電池の充放電による酸化や還元に対しての耐性を考慮してポリエチレンやポリプロピレンなどが用いられる。セパレータ4には発熱により電池温度が上昇した場合に、孔が閉じてリチウムイオンの移動を抑えるシャットダウン機能を有する材料を選定するのが好ましい。
負極2は負極活物質、導電剤、結着剤、有機溶媒を混錬したペーストを集電体に塗布して作成することができる。
負極活物質には、リチウムイオンを挿入、離脱できる物質として、例えば黒鉛、炭素繊維等を用いることができる。
負極2用の導電剤、結着剤、有機溶媒には正極と同様の材料を用いることができる。
負極2用の集電体には、導電性材料として例えば銅箔を用いることができる。
電解液には、電解質塩を有機溶剤に溶かした非水溶性電解液として、例えば六フッ化リン酸リチウムを用
いることができる。
リチウムイオン電池の内部短絡時の発火の要因となる、正極5からの酸素の発生量を測定した例を図4に示す。図4はNi系正極活物質を用いた正極5を所定値まで充電した後、正極5を室温から昇温した場合に正極5表面から発生した酸素数を測定したものである。図4の縦軸は試料2mgから1s毎に発生した酸素分子数である。
正極5から発生した酸素分子数は、正極5の温度が100℃付近では1013個/2mg・s程度であった。その後、正極5の温度を上昇させると、正極5から発生する酸素分子数も増加する傾向を示し、正極5の温度が200℃では1014個/2mg・s程度となった。
電池の内部短絡時には、短絡によるジュール発熱によって正極5が加熱され図4に示すように酸素が発生し、その発生分子数(発生量)は正極5の温度が上昇すると桁で増加すると考えられる。この酸素発生量の増加により短絡部の酸素濃度が上昇し、その値が燃焼可能な範囲に達すると、ジュール発熱で加熱された電解液から発生した蒸気と混合して発火に至ると推定される。
このような電池の内部短絡による正極5からの酸素発生に起因した発火を防止するため、図2に示すセパレータ4を図1のリチウムイオン電池に適用した。
セパレータ4の正極5側表面には、脱酸素剤7のシリコン粒子をペースト状に調整後塗布し、脱酸素層17を形成した。シリコン粒子の脱酸素剤7の粒径は1μmとした。脱酸素層17の厚さは10μm、空隙率は20%とした。セパレータへの塗布のしやすさを考慮して、脱酸素剤7の粒径は、2μm以上5μm以下であることが望ましい。脱酸素剤7の粒径が小さいと、本実施例では、脱酸素層17をセパレータ4と一体化させた複合層となっている。本実施例のように、セパレータ4の表面に脱酸素剤17を塗布して形成したことにより、低コストで所定の脱酸素層17をセパレータ4表面に形成することができる。
本実施例では、セパレータ4表面の全面に脱酸素層17を形成したが、セパレータ4表面の一部、正極5の表面積と同一となるように、脱酸素層17を形成してもよい。脱酸素剤17の構成材料として、脱酸素剤7以外にバインダなどが含まれている。塗布形成以外に、低温スプレイ法などで形成してもよい。セパレータ4が不織布で形成されている場合、セパレータ4の内部に脱酸素剤7を形成してもよい。
電池の内部短絡時における本発明の効果を確認するために、図1のリチウムイオン電池の内部短絡(釘刺し)試験を行った。電池の釘刺し試験は、電池の製造時に金属異物が混入し、これが原因で正極5と負極2が電池内部で短絡し、短絡電流によるジュール発熱で、内部短絡部の温度が急上昇する現象を模擬するため、電池容器の外側から釘を刺して、正極5と負極2を強制的に短絡させ、発火の有無を確認するものである。
電池の正極端子1と負極端子6を充放電装置に接続した。その後、電池を所定電圧まで充電した後、電池容器3の外側から釘を刺し、電池の発火の有無を確認した。釘刺しに伴って、電池容器3の釘刺し部からは電解液の蒸気が勢い良く噴出した。電解液の蒸気の噴出と前後して、電池電圧は0Vまで低下した。しかし、電池容器3の釘刺し部から発火することは無かった。
脱酸素層17の厚さを変えた場合には、空隙率20%で、脱酸素層17の厚さが2μm以上では発火が無かったが、1μmでは多少発火に至った。
脱酸素層17の厚さが2μmで、空隙率を20〜50%の間で変えた場合においても、発火は起こらなかった。本実施例の電池の容量特性、レート特性を確認したが、セパレータ4の表面に脱酸素剤7を塗布していない従来の電池と同等であった。
また、電池の製造工程は、セパレータ4表面に脱酸素剤を塗布する工程が増えたものの、電池の捲回、組立は従来と同一であり、電池の捲回、組立作業の工程を変更することなく、電池内への脱酸素層17の設置が可能となり、作業の複雑化および製造コストのアップを最小限に抑えられることを確認した。
セパレータ4の正極5側表面に塗布する脱酸素剤7をシリコンからカルシウムに変えた場合も、同様の酸素の吸収・除去による発火の防止を確認できたが、400℃付近で溶融するため、電池の内部短絡部が400℃以上の高温になると予想される場合には、Ca単体ではなく、融点が高いカルシウムシリコンを脱酸素剤に用いるのが望ましい。
脱酸素剤には上記のSi、Caの他、Ge、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、Mo、Wの一種類以上の元素、および化合物を用いることができる。脱酸素の機能とコストの点からCaおよびその化合物(SiCaなど)が望ましい。
実施例1の結果から、リチウムイオン電池のセパレータ4の正極5側表面に、脱酸素剤を塗布して脱酸素層17を形成することにより、電池の内部短絡時における発火を防止し、安全性を確保できることを確認した。
図3に別の実施例を示す。図3はリチウムイオン電池のセパレータ4と正極との間にセパレータと別の単独層として脱酸素層17を設置したものである。脱酸素層17は繊維8と脱酸素剤7から構成した。繊維8には平均繊維径5μmのガラス繊維を用い、繊維8表面に粒径2μmのシリコン粒子を添加し、厚さ20μmの脱酸素層17を形成した。脱酸素層17の空隙率は20%とした。
上記セパレータ4を用いて組み立てた電池の釘刺し試験を、実施例1と同様の手順で行った。電池を所定電圧に充電した後、電池容器の外側から釘を刺し、発火の有無を確認した。電池容器の釘刺し部からは、電解液の蒸気が発生したが、発火は認められなかった。
脱酸素層17の形成に用いる繊維には、ガラス繊維の他、金属繊維、セラミック繊維を用いることができる。低コストの観点から、ガラス繊維を用いることが望ましい。
脱酸素剤7には、シリコン粒子の他、実施例1と同様にCa、Ge、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、Mo、Wの元素及び化合物を用いることができる。
本実施例では、脱酸素層17として繊維8と脱酸素剤7を合わせて用いたが、繊維8の材質を脱酸素剤7と同一にすれば、繊維8に脱酸素剤7を添加する必要が無くなり、製造工程を簡略化できる。
電池性能を確認したが、容量特性、レート特性共に脱酸素層17を設けない電池と同等であった。
電池の製作に関しては、脱酸素層17を単独層とすることにより、電池の捲回時の枚数が1枚増加したが、脱酸素層17の厚さを20μmと薄くしたため、電池の組立性が大幅に悪くなることはなく、電池の製造工程が複雑化するのを抑えることができた。
実施例2の結果から、セパレータ4と正極5の間にセパレータ4とは別の単独層として脱酸素層17を設けることにより、リチウムイオン電池の内部短絡時における発火を防止し、電池の安全性を確保できることを確認した。また、本実施例によれば、セパレータ4の性状に左右されず脱酸素層27を設けることができる。
本発明は、正極と負極、および正極と負極の電気絶縁を保つためのセパレータと非水溶性電解液を備えたリチウムイオン電池に適用することができる。
1 正極端子
2 負極
3 電池容器
4 セパレータ
5 正極
6 負極端子
7 脱酸素剤
8 繊維

Claims (4)

  1. 正極および負極と、
    前記正極および前記負極の電気絶縁を保つためのセパレータと、
    非水溶性電解液と、
    前記正極、前記負極、前記セパレータおよび前記非水溶性電解液を収納する電池容器と、を備えたリチウムイオン電池であって、
    前記セパレータの表面に脱酸素層が設けられ、
    前記脱酸素層は、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維のいずれかに脱酸素剤が固定されたものであり、前記電池容器で発生した酸素を吸収し、
    前記脱酸素層の気孔率は20%以上50%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 請求項1において、
    前記脱酸素層は、前記セパレータとは別に形成されるリチウムイオン電池。
  3. 請求項1又は2において、
    前記脱酸素層の厚さは、2μm以上20μm以下であるリチウムイオン電池。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記脱酸素剤は、Si、Ge、Ca、Zr、V、Nb、Ta、Ni、Pd、MoまたはWの一種以上であるリチウムイオン電池。
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