JP2015135566A - ファジィ制御の制御方法およびこれを用いた温度制御装置、遺伝子解析装置 - Google Patents

ファジィ制御の制御方法およびこれを用いた温度制御装置、遺伝子解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より安定した応答特性を得ることが可能なファジィ制御の制御方法(例えば、遺伝子解析装置の温度制御方法等を含む制御方法)を提供する。【解決手段】本制御方法は、偏差のファジィ集合について、ZO、PS(正に小さい部分)、PB(正に大きい部分)を有するファジィ制御の制御方法であって、第1の工程S11,S12と第2の工程S13,S14とを備えている。第1の工程S11,S12は、時間軸応答をモニタし、オーバーシュートした値が所定値を超えたか否か、あるいは応答値の応答速度が所定時間以上になるか否かを判断する。第2の工程S13,S14は、第1の工程の判断結果に応じて、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対し、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値に所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大または縮小されたファジィ集合を、新しいファジィ集合として更新する。【選択図】図39

Description

本発明は、ファジィ制御の制御方法およびこれを用いた温度制御装置、遺伝子解析装置に関するものである。
従来のファジィ制御方法では、偏差と偏差速度と出力のそれぞれにファジィ集合を作成し、これらファジィ集合に基づいて、例えば、温度制御等を行っていた。
ファジィ制御だけで補えない応答性、例えば、応答速度の高速化などについては、ファジィ制御と従来のPI制御とを組み合わせて、ファジィ制御の改善が行われていた(これに類似する先行文献としては、例えば、下記特許文献1)。
特開平成10−333754号公報
上記従来例で課題となるのは、周辺環境の温度状態による応答性の不安定さであった。
すなわち、温度制御装置の周辺環境の温度状態によっては、目標温度に対して、オーバーシュートを起こしてしまったり、あるいは目標温度に到達するまでに時間がかかり過ぎたりしてしまい、応答性が不安定になってしまうおそれがあった。
特に最近では、遺伝子解析装置において、速く、かつオーバーシュートなく安定に目標温度に到達することが求められている。
これは、遺伝子解析のために用いられる試薬の反応が、目標温度付近でしか正しく反応しないため、目標温度以下では、速く過渡状態を脱し、目標温度に到達することが求められるためである。さらに、目標温度以上にはならないこと、すなわちオーバーシュートしないことが求められるため、温度制御装置の周辺環境の温度状態に係わらず、安定した応答特性が求められていた。
そこで本発明は、周辺環境の温度状態に関わらず、安定な応答特性を得ることが可能なファジィ制御の制御方法およびこれを用いた温度制御装置、遺伝子解析装置を提供することを目的とするものである。
そして、上記目的を達成するために本発明は、偏差のファジィ集合について、ZO,PS(正に小さい部分),PB(正に大きい部分)を有するファジィ制御の制御方法であって、第1の工程と、第2の工程とを備えている。第1の工程は、時間軸応答をモニタし、オーバーシュートした値が所定値を超えたかどうか、あるいは応答値の応答速度が所定時間以上になるかどうかを判断する。第2の工程は、第1の工程の判断結果に応じて、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大または縮小されたファジィ集合を、新しいファジィ集合として更新する。
本発明によれば、オーバーシュートした値が所定値を超えたかどうか、あるいは応答値の応答速度が所定時間以上になるかどうかを判断し、判断結果に応じて、応答特性を改善する方向に更新することができるため、次回の制御においてより安定した応答特性を得ることができる。
本発明の一実施形態を示す解析装置の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の平面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の平面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の分解斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置に用いられる解析容器の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の一部切り欠き斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の平面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の制御ブロック図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の動作を示す図。 本発明の一実施形態を示す解析容器の要部の平面図。 本発明の一実施形態を示す解析容器の要部の断面図。 (a),(b)は、本発明の一実施形態を示す解析容器の要部の斜視図。 本発明の一実施形態を示す解析容器の要部の平面図。 (a),(b)は、本発明の一実施形態を示す解析容器の要部の平面図、拡大図。 本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の斜視図。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の平面図、側面図、断面図。 (a),(c)は、本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の分解斜視図。(b),(d)は、(a),(c)のB部分、C部分の拡大図。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態を示す解析装置の要部の断面図。 (a)〜(f)は、本発明の一実施形態を示す解析装置の工程図。 本発明の一実施形態を示す解析装置のフローチャート。 本発明の一実施形態を示す解析装置の測定時間と検出量との関係を示すグラフ。 本発明の一実施形態を示す温度制御装置の制御ブロック図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィ集合を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィ集合を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィ集合を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィルールを示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法の温度応答特性を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法の温度応答特性を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィ集合を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法のファジィ集合を示す図。 本発明の一実施形態を示す温度制御方法の流れを示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態に係る遺伝子解析装置について、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1から図6において、本体ケース1の前面には、解析容器搬入トレイ2を出没させる開口部3が設けられている。
すなわち、図1は、解析容器搬入トレイ2が、開口部3から本体ケース1内に挿入された状態を示している。図2は、解析容器搬入トレイ2が、開口部3から本体ケース1外に引き出された状態を示している。解析容器搬入トレイ2は、図2から図5に示すように、その上面に解析容器4(図7等参照)が載せられた状態で本体ケース1内へ収納されることで、解析容器4を本体ケース1内に搬送する。
なお、解析容器4は、例えば、遺伝子の解析を行うための容器であって、開口部5(図7参照)から検体が注入される。
次に、解析容器4は、開口部5に蓋20(図7参照)が被せられ、その状態で解析容器搬入トレイ2上にセットされる。
また、解析容器4は、開口部5から注入された検体を分岐路によって複数個所に分岐し、各部において検体と試薬とを反応させる。これにより、各部における反応状況によって、遺伝子の解析を行うことができる。
なお、解析容器4については、後で詳細に説明する。
本体ケース1の開口部3の奥側には、図8から図15に示す解析室6が設けられている。
解析容器搬入トレイ2は、図10から図13に示すように、解析室6内に挿入、または解析室6から引き出される。具体的には、解析室6は、図15に示すように、送風ファン7を収納した小円部分6aと、図10から図13に示す解析容器回転駆動部8を収納した大円部分6bとを連結した形状を有している。
そして、解析室6の大円部分6bには、解析容器挿入開口部6cが設けられている。解析容器搬入トレイ2は、解析容器挿入開口部6cから解析室6内に出没自在に設けられている。
また、解析室6の大円部分6bには、解析容器回転駆動部8が設けられている。
解析容器回転駆動部8は、解析容器4を回転自在に軸支する軸受け9を有している。
軸受け9は、図10から図13に示すように、解析容器搬入トレイ2が解析容器挿入開口部6cから解析室6内に挿入されると、上方に持ち上げられる。
その結果、解析容器4の回転軸挿入孔5aを軸支することによって、解析容器4が解析室6内の上方に設けられた回転駆動軸10と結合される。
また、回転駆動軸10は、モータ11に連結されている。このため、図13の状態においては、解析容器4は、回転駆動軸10と軸受け9とによって上下に挟まれた状態で軸支され、モータ11によって回転させられる。
一方、解析室6の小円部分6aには、送風ファン7が設けられている。
送風ファン7は、モータ12によって駆動される。また、解析室6内の送風ファン7の部分には、加熱部13が配置されている。つまり、加熱部13によって加熱された空気は、送風ファン7によって、解析室6内の大円部分6b方向へと送風される。
大円部分6bには、上述のように、回転駆動軸10と軸受け9によって上下に挟まれた状態で軸支され、モータ11によって回転させられる解析容器4が配置されている。
ここで、本実施形態では、送風ファン7の回転方向と、モータ11によって回転させられる解析容器4の回転方向とが同一方向となっている。
このため、図15に示すように、送風ファン7によって送風された空気は、解析室6の小円部分6aから大円部分6b部分へと送風され、次に、大円部分6b部分から小円部分6a部分に戻る循環経路を形成する。
また、循環経路において、特に大円部分6bには、図15に示すように回転駆動軸10の外周部分において、90度間隔で4つの温度センサ14が配置されている。これら4つの温度センサ14は、解析室6内の大円部分6bの温度を検出する。
すなわち、温度センサ14は、図16に示すように、制御部15に接続されている。そして、制御部15には、加熱部13が接続されている。
これにより、制御部15によって、加熱部13が制御され、その結果として、解析室6における、特に大円部分6bの温度は設定値に保たれる。よって、解析容器4の反応は、安定的に行われ、その結果、遺伝子の解析精度を向上させることができる。
この点についてさらに詳細に説明すると、本実施形態においては、上述のように、解析室6の小円部分6a部分に送風ファン7と加熱部13とが設けられている。さらに、本実施形態では、解析室6の大円部分6bに解析容器4が配置され、その状態で解析容器4が、モータ11によって回転させられる。
このため、解析室6内における温度は、図17のA線のように、一定となる。よって、解析容器4の反応は安定的に行われ、その結果、遺伝子の解析精度を向上させることができる。
特に、本実施形態においては、送風ファン7の回転方向と、モータ11によって回転させられる解析容器4の回転方向とを同一方向としている。このため、図15に示すように送風ファン7によって送風された空気は、解析室6の小円部分6aから大円部分6b部分へと送風され、次に、大円部分6b部分から小円部分6a部分に戻る循環経路を形成する。この結果、空気のよどみが少なくなるため、解析室6内における温度は、図17のA線のように、ほぼ一定となる。よって、解析容器4の反応は安定的に行われ、その結果、遺伝子の解析精度を向上させることができる。
さらに、送風ファン7の回転方向と、モータ11によって回転させられる解析容器4の回転方向とが同一方向であるため、解析室6の小円部分6aと大円部分6bとの間の部分において送風の衝突が起きることはない。その結果、送風の乱れによる騒音の発生を抑制することができる。
なお、図17におけるY軸は、温度センサ14によって検出した解析容器4における大円部分6bの温度を示している。解析容器4の回転数が低い時(起動初期)には、解析室6の大円部分6bの温度は低いものの、解析容器4の回転数が設定値に到達すると、解析室6の大円部分6bの温度は安定するものと理解される。
また、図16に示す表示部16は、図1に示すように開口部3の上方に配置され、例えば、駆動状態や検出結果などを表示する。
また、測定部17は、上述のように、回転駆動される解析容器4の下方から光学センサ18(図10から図13参照)を用いて遺伝子を読み取る。
なお、測定部17や表示部16は、従来から知られているものであるので、説明の煩雑化を避けるために詳細な説明は省略する。
また、図16に示す電源ボタン19は、図1に示すように、開口部3の下方に設けられている。
以上のように本実施形態は、解析室6と、解析室6内に設けた送風ファン7と、送風ファン7によって送風される空気を加熱する加熱部13と、解析室6内において送風ファン7の送風方向において所定間隔離して配置された解析容器回転駆動部8と、を備えている。そして、送風ファン7と解析容器回転駆動部8の回転方向とが同一方向であるため、解析精度を向上させることができる。
すなわち、本実施形態においては、加熱部13によって加熱された空気は、送風ファン7によって解析容器回転駆動部8、および解析容器回転駆動部8によって回転駆動される解析容器4の方向に送風される。
このとき、解析容器回転駆動部8は、送風ファン7と回転方向が同一方向となっているので、解析容器回転駆動部8および解析容器4の部分においても空気の攪拌が行われる。その結果、解析容器回転駆動部8および解析容器4の部分における温度ムラを極めて小さくすることができるため、従来よりも解析精度を向上させることができる。
また、解析容器回転駆動部8および解析容器4は、送風ファン7と回転方向が同一方向であるため、送風ファン7と解析容器回転駆動部8および解析容器4部分との間において空気の衝突が発生しないため、騒音の発生を抑制することができる。
なお、解析容器4を用いた遺伝子の解析が完了すると、図10から図13に示すように、解析容器搬入トレイ2が開口部3から本体ケース1外に引き出される。
このとき、解析容器搬入トレイ2を引き出す処理に応じて、解析容器回転駆動部8の軸受け9が徐々に下降する。そして、図11の状態では、解析容器搬入トレイ2に解析容器4が載せられた状態となる。これにより、解析容器搬入トレイ2を、解析室6の解析容器挿入開口部6cおよび本体ケース1の開口部3からスムーズに引き出すことができる。
以上、本実施形態の基本的な構成を説明したところで、各構成要素において、さらに具体的な説明を行う。
図18に解析容器4の上面図を示す。
解析容器4は、例えば、検体の遺伝子の解析を行うための容器であって、図18に示すように、本体ケース21と、本体ケース21の中央に設けられた回転軸が挿入される回転軸挿入孔5aと、検体を注入する開口部5と、開口部5を封止するための蓋20と、回転軸挿入孔5a内の回転軸を中心とする円周上に設けられた第1の空気吸い込み口22と、回転軸を中心とする半径方向に沿って設けられた第2の空気吸い込み口23と、を有している。
図18のA線における横断面図を図19に示す。
解析容器4の側面には、空気吐き出し口24が設けられている。
空気吐き出し口24は、解析容器4の本体ケース21内において、第1の空気吸い込み口22と、第2の空気吸い込み口23とに、流路25を介して連通している。
これにより、解析容器4が解析装置に装着されて回転駆動された際には、図20(a)および図20(b)に示すように、第1の空気吸い込み口22および第2の空気吸い込み口23から流入した空気は、流路25を通って、空気吐き出し口24から抜けていく。
また、本体ケース21内には、図19および図21に示すように、流路25に沿って、反応部26が設けられている。
図19に示すように、第1の空気吸い込み口22および第2の空気吸い込み口23は、反応部26の内周側に設けられている。空気吐き出し口24は、反応部26の外周側に設けられている。
以上の構成により、本体ケース21が回転駆動軸10によって回転させられることで、回転駆動軸10の部分に発生する負圧によって加熱空気が吸い込まれる。次に、加熱空気が第1の空気吸い込み口22および第2の空気吸い込み口23から本体ケース21内に吸い込まれる。その後、加熱空気は、反応部26の外周を通過した後、空気吐き出し口24から本体ケース21外に吐き出される。
つまり、本実施形態では、温度制御された加熱空気が反応部26の外周を直接的に通過する。このため、反応部26の温度を設定温度に保つことができ、その結果、解析精度を向上させることができる。
また、空気吐き出し口24の開口面積は、第1の空気吸い込み口22および第2の空気吸い込み口23のそれぞれの開口面積と比べて大きい。これにより、より空気の吸い込み吐き出しの効率が向上するので、反応部26を設定温度に保つことができる。
次に、反応部26の詳細な説明を行う。
図21に、解析容器4の上面透視図を示す。
解析容器4の本体ケース21内には、回転軸を中心とする円周上に、反応部26が設けられている。
反応部26は、検体を定量分収納する定量部27と、複数の測定チャンバ28と、流路29と、封止材29aと、攪拌チャンバ30と、流路31と、を有している。
複数の測定チャンバ28は、定量部27の外周に設けられており、検体と反応する試薬が入れられている。
流路29は、定量部27と複数の測定チャンバ28とをそれぞれ接続する。
封止材29aは、これらの流路29を所定の温度未満で封止し、所定の温度以上になると所定の時間経過後に流路29を開封する。
攪拌チャンバ30は、複数の測定チャンバ28の外周に設けられており、それぞれの測定チャンバ28に入れられた検体と試薬とを攪拌する。
流路31は、測定チャンバ28と攪拌チャンバ30とをそれぞれ接続する。
本体ケース21の上面から見た形状、つまり、横断面形状の外郭線は、図21に示すように、回転軸中心からの距離が相対的に長い第1の領域32a,32bと、回転軸中心からの距離が相対的に短い第2の領域33a,33bと、を有している。そして、横断面形状の外郭線は、回転軸中心に対して点対称となる。
本実施形態では、以上の構成により、本体ケース21が回転駆動軸10によって回転させられることで、解析容器4を送風ファンからの温風を直接回転する解析容器4の本体ケースの表面に吹き付ける。この状態において、本体ケース21が非円盤状となっており、回転軸中心からの距離が相対的に短い第2の領域33a,33bにおいて、解析容器4の上方側と下方側とで空気の循環が発生し、空気の攪拌が行われる。その結果、解析容器4の上面、下面における温度ムラを極めて小さくすることができる。よって、解析容器4の反応部26が目標となる温度になるため、従来よりも解析精度を向上させることができる。
そして、反応部26は、第1の領域32a,32bの円周に沿って設けられている。さらに、反応部26は、回転軸中心から、第2の領域33a,33bの領域までの半径方向における距離よりも離れた位置に設けられている。
このように、反応部26が回転軸中心からの距離が相対的に長い第1の領域32a,32bに設けられていることによって、反応部26の回転軸中心からの距離を相対的に長い位置に設けることができる。よって、反応部26にかかる遠心力をより大きくすることができる。この結果、反応部26における反応を促進させ、解析の効率を向上させることができる。
次に、図21に戻って、流路確認部34について説明する。
流路確認部34は、回転軸孔の外周方向に向けて所定間隔で配置された第1の収納部35、第2の収納部36と、第1・第2の収納部35,36を接続したワックス流路37と、ワックス流路37を封止したワックス38と、第1の収納部35に収納させた開封検出材39とを有している。
ここで、第1の収納部35に収納された開封検出材39が、ワックス38の溶融によって第2の収納部36に移動する時間は、定量部27に収納された検体が封止材29aの溶融により測定チャンバ28に移動する時間よりも遅くなるように構成されている。
より具体的な構成の1つとしては、第1・第2の収納部35,36を接続したワックス流路37におけるワックス38の溶融温度は、封止材29aの溶融温度よりも高い。
2つ目の構成としては、第1・第2の収納部35、36を接続したワックス流路37の断面積は、定量部27と複数の測定チャンバ28をそれぞれ接続する流路の断面積よりも広い。
これにより、ワックス流路37のワックス38の量は、測定チャンバ28と定量部27とをつなぐ流路29内の封止材29aの量よりも多くなる。よって、溶融に時間がかかるため、第1の収納部35に収納された開封検出材39が、ワックス38の溶融によって第2の収納部36に移動する時間は、定量部27に収納された検体が封止材29aの溶融によって測定チャンバ28に移動する時間よりも遅くなる。
この結果、第2の収納部36に開封検出材39が流入したか否かを確認することで、測定チャンバの検体が解析可能か否かを判断することができる。よって、第2の収納部36に開封検出材39を確認することで、余分な測定の待ち時間が生じることがなくなり、解析時間を速くすることができる。
次に、回転軸挿入孔5aについて説明する。
図22(a)に解析容器4の上面図、図22(b)に回転軸挿入孔5a周辺のA部分の拡大図を示す。
回転軸挿入孔5aの横断面形状の外郭線は、所定間隔ごとに配置されている。そして、回転軸挿入孔5a周辺には、回転軸を中心とする円の外周方向に向けて突出した複数の凸部40と、隣接する凸部40同士の間において内周方向に向けて窪んだ凹部41と、凸部40と凹部41とを結ぶ連続的な曲線部42と、が設けられている。
次に、回転駆動軸10の構成を、図23および図24(a)〜図24(c)に示す。
図23は、回転駆動軸10の斜視図である。図24(a)は、回転駆動軸10の上面図、図24(b)は側面図、図24(c)は縦断面図である。
回転駆動軸10は、図23および図24(b)、図24(c)に示すように、上側から、挿入部43、当接部44、底部45の3段重ねの構成を有している。
挿入部43の横断面形状の外郭線は、図24(a)に示すように、所定間隔ごとに配置されている。そして、回転軸挿入孔5a周辺には、回転軸を中心とする円の外周方向に向けて突出した複数の凸部46と、隣接する凸部46同士の間において内周方向に向けて窪んだ凹部47と、凸部46と凹部47とを結ぶ連続的な曲線部48とを有している。
解析容器4が解析装置に装着された状態を、図25(a)および図25(b)に示す。
図25(a)は、回転駆動軸10が回転軸挿入孔5aに対して挿入される前の状態を示している。本実施形態においては、解析容器4が下方より上方に上がることで、回転軸挿入孔5aが回転駆動軸10に挿入される。
回転駆動軸10が回転軸挿入孔5aに挿入された時には、回転駆動軸10は自由に回転するニュートラルな状態となっている。このとき、回転軸挿入孔5aの横断面形状の外郭線の曲線部42と、回転駆動軸10側の横断面形状の曲線部48とが、互いに接触しながら、そして互いの曲線部42,48の曲面に沿って滑りながら、凹部と凸部とが係合する。より具体的には、回転方向にニュートラルな状態である回転駆動軸10が、微小な回転をしながら、解析容器4の回転軸挿入孔5aに挿入される。
これにより、回転軸挿入孔5aの横断面形状の外郭線の曲線部42と、回転駆動軸10側の横断面形状の曲線部48とが、互いに接触しながら、そして互いの曲線部42,48の曲面に沿って滑りながら、凹部と凸部とが係合する。よって、回転駆動軸10を回転軸挿入孔5aに挿入することができるため、解析容器4を装着する際の操作性を向上させることができる。
さらには、本実施形態の解析容器4は、検体を攪拌するために、解析時の回転動作が急回転、急ブレーキを伴う動作となる。このような場合でも、回転駆動軸10と回転軸挿入孔5aとが凸部と凹部とでしっかりと係合しているため、回転駆動軸10が回転方向に滑ることがない。この結果、解析の信頼性を向上させることができる。
次に、解析装置の解析容器4の解析装置への挿入について図26(a)〜図26(d)を用いて説明する。
図26(a)に示すように、解析室6の大円部分6bには、解析容器挿入開口部6cが設けられている。解析容器搬入トレイ2は、解析容器挿入開口部6cから解析室6に対して出没自在となっている。
また、解析室6の大円部分6bには、解析容器回転駆動部8が設けられている。解析容器回転駆動部8は、解析容器4を回転自在に軸支する軸受け9を有している。
軸受け9は、図26(a)〜図26(d)に示すように、解析容器搬入トレイ2が解析容器挿入開口部6cから解析室6内に挿入されると上方に持ち上げられる。その結果、軸受け9が解析容器4の回転軸挿入孔5aを軸支することによって、解析容器4を解析室6内の上方に設けられた回転駆動軸10と結合させることができる。
また、回転駆動軸10は、モータ11に連結されている。このため、図26(d)の状態においては、解析容器4は、回転駆動軸10と軸受け9とによって上下に挟まれた状態で軸支され、モータ11によって回転させられる。
本実施形態の解析装置は、解析室6の下方に設けられており、軸受け9を含む解析室6の底面としての軸受けブロックと、解析容器搬入トレイ2が本体ケース内に収納された状態における上方に設けられており、回転駆動軸10およびモータ11を含む解析室6の上面としての駆動ブロックと、を備えている。
軸受けブロックおよび駆動ブロックは、解析容器搬入トレイ2が本体ケース21内に収納された状態で解析容器搬入トレイ2側に向けて移動する。これにより、解析精度を向上させることができる。
すなわち、本実施形態においては、解析容器搬入トレイ2が置かれる解析装置内の解析室6が、軸受けブロックと駆動ブロックによって挟持され、解析容器搬入トレイ2を囲む閉じた空間となる。よって、解析室6内の空気が解析室6外の空気と遮断された状態となるため、解析室6内の温度を目標温度に保持しやすくなる、この結果、解析精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、軸受けブロックが解析室6の下方側、駆動ブロックが解析室6の上方側に設けられた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、軸受けブロックが解析室6の上方側、駆動ブロックが解析室6の下方側に設けられた構成であってもよい。
次に、本実施形態における解析プロセスについて、図27(a)〜図27(f)を用いて説明を行う。
図27(a)は、解析室6内の各プロセスでの温度状態を示している。図27(b)は、解析容器4の各プロセスでの回転速度を示している。
まず、準備工程では、図27(c)に示すように、解析容器4の開口部5から検体溶液が注入される。そして、解析容器4は、上述したように解析容器搬入トレイ2に設置され、解析装置に挿入される。
次に、定量工程では、図27(d)に示すように、解析装置に挿入された解析容器4は、3500rpmに回転加速されて、10秒間回転させられる。その状態においては、解析容器4の開口部5より入れられた検体溶液は、遠心力によって、定量部27に満遍なく行き渡る。
次に、WAX溶解工程では、まず、図27(a)に示すように、定量工程の後、加熱部13によって、解析室6内は目標温度である60℃に加熱制御される。そして、図27(b)に示すように、解析容器4の回転数は3500rpmから100rpmまで下げられて保持される。
その状態において、図27(d)から図27(e)に示すように、解析容器4内の測定チャンバ28と定量部27とをつなぐ流路29内の封止材29aは、60℃の温度環境において溶融していく。これにより、定量部27に収納された検体が、封止材29aの溶融によって測定チャンバ28に移動する。
定量部27に収納された検体が測定チャンバ28に移動したか否かの確認は、上述したように、図21に示す流路確認部34の開封検出材39が、第1の収納部35から第2の収納部36に移動したことを確認することによって確実に行うことができる。
次に、攪拌工程では、図27(b)に示すように、解析容器4の回転数は3000rpmを5秒間、500rpmを5秒間の周期で繰り返される。これにより、図27(e)に示すように、測定チャンバ28内の検体溶液および試薬は、測定チャンバ28と攪拌チャンバ30とをそれぞれ接続する流路31を通じて行き来しながら攪拌される。
次に、測定工程では、図27(a)に示すように、解析室6内の温度を60℃の温度環境に保った状態で、図27(b)に示すように、解析容器4の回転数は240rpmに保持される。この状態は60分間保持されて、図27(f)に示すように、各測定チャンバの蛍光を観察することで測定が行われる。
図28に測定工程のフローチャートを示す。
基本的なフローとしては、上記のように、解析容器4の回転数が240rpmに保持された状態で60分間経過した後、最終増幅判定処理(S4)として、各測定チャンバの蛍光量の強さの絶対値が所定の値より大きいか否かによって、特定の遺伝子の有無を判定する。そして、最終結果を表示部16に表示出力する。
このような判別方法においては、従来は、所定の時間経過後の蛍光の強さを観察する必要があるため、解析時間が長くなっていた。このような課題を解決する方法を以下に説明する。
まず、検体に対して遺伝子増幅部を用いるとともに、この検体を、特定の配列の遺伝子に特異的な反応をするプライマに蛍光試薬を結合した物質を含む試薬と反応させ、特定の遺伝子の有無を判別する。そして、検体に対して特定の遺伝子増幅開始後に、特定の遺伝子の有無を、特定の遺伝子に特異的に反応する蛍光試薬の蛍光の強さの微分値が、所定の値よりも大きいか否かで判定を行う方法によって、解析時間を短縮することができる。
より具体的な内容について、図28および図29を用いて説明する。
測定工程では、所定時間経過後に、もし、陽性、つまり特定の遺伝子が存在する場合には、その遺伝子が増幅する変化量が、特定の範囲となる。測定工程では、その変化量を逐次観察していく。
具体的には、蛍光の強さの微分値を測定するが、微分値の1階微分と2階微分の値を観察していくことで、遺伝子が増幅する変化量が、特定の範囲にあるかどうかを確認する(図28のS1、S2)。
もし、この変化量が、特定の範囲内にあった場合は、陽性と判断し、表示部16に表示出力する(図28のS3)。
すなわち、本実施形態では、特定の遺伝子に特異的に反応する蛍光試薬の蛍光の強さの変化量を微分値として逐次観察し、この微分値で遺伝子の有無を判定する。
これにより、遺伝子の変化量によってただちに有無を判別することができるため、解析時間を短くすることができる。
さらに、この変化量の判定を、蛍光の強さ、つまりその遺伝子の量が、所定の閾値以上になった場合に、蛍光の強さの微分値が、特定の値よりも大きいことで判定する。これにより、より正確な判定を行うことができる。
次に、本実施形態に係るファジィ制御の一例として、測定工程における温度制御を実施した内容について説明する。
上記のように、測定工程では、図27(a)に示すように、解析室6内を60℃の温度環境に設定する必要がある。一般的には、測定を行う室内の温度は60℃よりも低いため、解析室6内を加熱して60℃に温度を上げていく必要がある。
本実施形態に係る温度制御装置の制御ブロック図を図30に示す。
本温度制御装置は、解析室6と、解析室6内の温度を計測する温度センサ(温度計測部)14と、解析室6内に設けられた加熱ヒータ(加熱部)49と、温度センサ14をモニタして解析室6内の温度が目標温度となるように加熱ヒータ49をフィードバック制御する制御部15と、を備えている。
制御部15は、目標温度設定のための制御にファジィ制御を行っている。具体的には、制御部15は、偏差および偏差速度の出力のそれぞれについてファジィ集合を作成し、これらファジィ集合に基づいて温度制御を行う。
なお、偏差とは、目標温度から現在温度を引いた差分値であって、目標温度60℃と、1秒毎に温度センサ14から読み込まれた現在温度との差分を計算して得られる。つまり、偏差が正の値であれば、目標温度よりも現在温度が低いことを意味しており、偏差が負の値であれば、現在温度が目標温度よりも高くなっていることを意味している。
偏差速度とは、現在の偏差から1秒前の偏差を引いた差分値である。
例えば、偏差速度が負の値で、かつ偏差が正の値であれば、現在温度は目標温度よりも低い状態から目標温度に近づいている状態を意味している。一方、偏差速度が負の値で、かつ偏差が負の値であれば、現在温度は目標温度を上回ってより高い温度に移行している状態を意味している。
また、偏差速度が正の値で、かつ偏差が正の値であれば、現在温度は目標温度よりも低い状態からより低くなって、目標温度から遠ざかっている状態を意味している。一方、偏差速度が正の値で、かつ偏差が負の値であれば、現在温度は目標温度を上回っている状態から温度を下げて目標温度に近づいている状態を意味している。
図31に偏差のファジィ集合を示す。
偏差のファジィ集合は、5つの集合から構成されている。
具体的には、ZO(ゼロ付近、0頂点の8.0〜−2.0を底辺とする三角型)、PS(正の値で小さい、8.0頂点の16.0〜0.0を底辺とする三角型)、PB(正の値で大きい、8.0〜16.0を右上がりの斜辺とし、16.0以上をフラットとする階段型)、NS(負の値で小さい、−2.0頂点の0.0〜−4.0を底辺とする三角型)、NB(負の値で大きい、−2.0〜−4.0を左上がりの斜辺とし、−4.0以下をフラットとする階段型)となっている。
図32に偏差速度のファジィ集合を示す。
偏差速度のファジィ集合は、5つの集合から構成されている。具体的には、ZO(ゼロ付近、0頂点の1/8〜−1/8を底辺とする三角型)、PS(正の値で小さい、1/8頂点の1/2〜0.0を底辺とする三角型)、PB(正の値で大きい、1/8〜1/2を右上がりの斜辺とし、1/2以上をフラットとする階段型)、NS(負の値で小さい、−1/8頂点の0.0〜−1/2を底辺とする三角型)、NB(負の値で大きい、−1/8〜−1/2を左上がりの斜辺とし、−1/2以下をフラットとする階段型)となっている。
図33に出力のファジィ集合を示す。
出力のファジィ集合は、5つの集合から構成されている。計算の容易にするために、ZO(=0)、PS(=2)、PB(=5)、NS(=−2)、NB(=−5)の単純なパルス型で形成している。
上記3つの種類のファジィ集合を用いたファジィルールを図34に示す。
図34のファジィルールを表した表において、横方向の第1行は偏差のファジィ集合を示す。縦方向の左側の第1列は、偏差速度のファジィ集合を示す。そして、偏差のファジィ集合と偏差速度のファジィ集合の交わりで示される表内の要素には、出力のファジィ集合が示される。
このようなファジィルールに従って制御を行うことで、現在温度が目標温度となる制御を行うことができる。
しかし、温度制御装置の周辺環境の温度状態によっては、目標温度に対して、図35に示すように、オーバーシュートをしてしまったり、または、図36に示すように、目標温度に到達するまでに時間がかかり過ぎてしまったりして、応答性が不安定となってしまう場合がある。
特に最近では、遺伝子解析装置において、速く、かつオーバーシュートなく安定に目標温度に到達することが求められている。
ここで、遺伝子解析のために用いられる試薬の反応は、目標温度付近でしか正しく反応しない。このため、目標温度以下では、速く過渡状態を脱し、目標温度に到達することが求められ、かつ目標温度以上にはならない(すなわち、オーバーシュートしない)ことが求められるため、温度制御装置の周辺環境の温度状態に係わらず、安定した応答特性が求められる。
そこで、本実施形態においては、温度の応答特性をモニタし、その応答特性に応じて偏差のファジィ集合を更新している。
より具体的には、現在の温度の時間軸応答特性をモニタし、オーバーシュートした値が所定値である0.5℃を超えたかどうか判断する。
ここで、オーバーシュートした値が所定値0.5℃を超えた場合には、図37に示すように、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、所定の倍率として10%増加するために1.1倍を掛ける。
これにより、X軸の正方向に拡大し、拡大されたファジィ集合を新しいファジィ集合として更新する。
この更新は、遺伝子解析の測定工程ごとに応答特性をモニタし、オーバーシュートした値が所定値である0.5℃を超えた場合には、現在のファジィ集合に対して、上記の更新が行われる。
なお、更新には上限値が設けられており、PSの集合の頂点の値のX値が16.0を上限値としている。
また、現在の温度の時間軸応答特性をモニタし、現在温度が所定時間(ここでは、3分)以上、目標温度(ここでは、60℃)に到達しなかった場合には、図38に示すように、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、1未満の所定の倍率である0.9を掛ける。
これにより、X軸の正方向に縮小し、この縮小されたファジィ集合を新しいファジィ集合として更新する。
この更新は、遺伝子解析の測定工程ごとに応答特性をモニタし、現在温度が所定時間(ここでは、3分)以上、目標温度(ここでは、60℃)に到達しなかった場合には、現在のファジィ集合に対して、上記の更新が行われる。
なお、更新には下限値が設けられており、PSの集合の頂点の値のX値が0.8を下限値としている。
以上の処理のフローチャートを図39に示す。
まず、遺伝子解析の測定工程において、温度制御の応答特性をモニタする工程を行う(S11)。
次に、この応答特性がオーバーシュートした値が所定値(ここでは、0.5℃)を超えたか、あるいは現在温度が所定時間(ここでは、3分)以上、目標温度(ここでは、60℃)に到達しなかったか否かを判断する(S12)。
次に、応答特性がオーバーシュートした値が所定値である0.5℃を超えた場合には、オーバーシュート対策としてのファジィ集合の更新工程(S13)を行う。
一方、現在温度が所定時間である3分以上、目標温度である60℃に到達しなかった場合には、アンダーシュート対策のためのファジィ集合の更新工程(S14)を行う。
つまり、本実施形態の制御方法では、第1の工程(S11,S12)において、温度の時間軸応答をモニタし、オーバーシュートした値が所定値を超えたか否か、あるいは応答値の応答速度が所定時間以上になるか否かを判断する。次に、第2の工程(S13、S14)において、第1の工程(S11,S12)の判断結果に応じて、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大、または縮小されたファジィ集合を新しいファジィ集合として更新する。
以上のような制御方法を採用することで、温度制御の応答特性を向上させることができるため、より高精度な遺伝子の解析を実施することができる。
以上のように本発明は、次回の制御においてより安定した応答特性を得ることができるという効果を奏するものであることから、遺伝子などの解析装置の温度制御方法等への適用が期待される。
1 本体ケース
2 解析容器搬入トレイ
3 開口部
4 解析容器
5 開口部
5a 回転軸挿入孔
6 解析室
6a 小円部分
6b 大円部分
6c 解析容器挿入開口部
7 送風ファン
8 解析容器回転駆動部
9 軸受け
10 回転駆動軸
11 モータ
12 モータ
13 加熱部
14 温度センサ
15 制御部
16 表示部
17 測定部
18 光学センサ
19 電源ボタン
20 蓋
21 本体ケース
22 第1の空気吸い込み口
23 第2の空気吸い込み口
24 空気吐き出し口
25 流路
26 反応部
27 定量部
28 測定チャンバ
29 流路
29a 封止材
30 攪拌チャンバ
31 流路
32a,32b 第1の領域
33a,33b 第2の領域
34 流路確認部
35 第1の収納部
36 第2の収納部
37 ワックス流路
38 ワックス
39 開封検出材
40 凸部
41 凹部
42 曲線部
43 挿入部
44 当接部
45 底部
46 凸部
47 凹部
48 曲線部
49 加熱ヒータ

Claims (7)

  1. 偏差のファジィ集合について、ZO、PS(正に小さい部分)、PB(正に大きい部分)を有するファジィ制御の制御方法であって、
    時間軸応答をモニタし、オーバーシュートした値が所定値を超えたかどうか、あるいは、応答値の応答速度が所定時間以上になるかどうかを判断する第1の工程と、
    前記第1の工程の判断結果に応じて、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大または縮小し、前記ファジィ集合を新しいファジィ集合として更新する第2の工程と、
    を備えたファジィ制御の制御方法。
  2. 前記第1の工程は、時間軸応答をモニタし、オーバーシュートした値が所定値を超えたかどうか判断するとともに、
    前記第2の工程は、オーバーシュートした値が所定値を超えた場合には、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、1以上の所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大されたファジィ集合を、新しいファジィ集合として更新する、
    請求項1に記載のファジィ制御の制御方法。
  3. 前記第1の工程は、時間軸応答をモニタし、応答値の応答速度が所定時間以上になるかどうかを判定するとともに、
    前記第2の工程は、応答値の応答速度が所定時間以上となった場合には、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となるファジィ集合の頂点座標のX値について、1未満の所定の倍率を掛けてX軸の正方向に縮小されたファジィ集合を、新しいファジィ集合として更新する、
    請求項1に記載のファジィ制御の制御方法。
  4. 前記ファジィ集合は、偏差のファジィ集合について、ZO,PS(正に小さい部分)が三角型、PB(正に大きい部分)が階段型であり、偏差のファジィ集合のX軸が正の象限にあるファジィ集合ZO,PS,PBに対して、グレードが0または1となる三角型のファジィ集合の頂点座標のX値、および階段型のファジィ集合の頂点座標のX値について、所定の倍率を掛けてX軸の正方向に拡大または縮小されたファジィ集合を、新しいファジィ集合として更新する、
    請求項1から3のいずれか1つに記載のファジィ制御の制御方法。
  5. 前記制御方法は、現在の温度を目標温度となるように制御する温度制御である、
    請求項1から4のいずれか1つに記載のファジィ制御の制御方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のファジィ制御の制御方法を用いた温度制御装置であって、
    本体と、
    前記本体内に設けられた解析室と、
    前記解析室内の温度を計測する温度計測部と、
    前記解析室内に設けられた加熱部と、
    前記温度計測部をモニタして、前記解析室内の温度が目標温度となるように、前記加熱部を制御する制御部と、
    を備えた温度制御装置。
  7. 請求項6に記載の温度制御装置を備えた遺伝子解析装置。
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