JP2015133362A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2015133362A
JP2015133362A JP2014002729A JP2014002729A JP2015133362A JP 2015133362 A JP2015133362 A JP 2015133362A JP 2014002729 A JP2014002729 A JP 2014002729A JP 2014002729 A JP2014002729 A JP 2014002729A JP 2015133362 A JP2015133362 A JP 2015133362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
homo
light emitting
layer
hole transport
organic electroluminescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014002729A
Other languages
English (en)
Inventor
一郎 今田
Ichiro Imada
一郎 今田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung Display Co Ltd
Original Assignee
Samsung Display Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Display Co Ltd filed Critical Samsung Display Co Ltd
Priority to JP2014002729A priority Critical patent/JP2015133362A/ja
Publication of JP2015133362A publication Critical patent/JP2015133362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】本発明の一態様は、有機電界発光素子の長寿命化を図ることを課題とする。【解決手段】本発明の一実施形態による有機電界発光素子は、陽極及び陰極の間に有機材料層を有する有機電界発光素子において、有機材料層が発光材料及び電荷輸送材料を含む発光層と、正孔輸送層と、電子輸送層と、を含み、正孔輸送層を構成する正孔輸送材料のHOMO(HOMOHT)と発光材料のHOMO(HOMOED)との関係が関係式(1)を満たし、有機電界発光素子はデューティー駆動で駆動し、順方向のバイアス及び逆方向のバイアスをかけて駆動する。HOMOED- 0.2eV ≰ HOMOHT≰ HOMOED+ 0.1eV (1)【選択図】図1

Description

本発明は有機電界発光素子に関するものである。特に、長寿命の有機電界発光素子に関する。
近年、画像表示装置として、有機電界発光表示装置(Organic Electroluminescence Display:有機EL表示装置)の開発が盛んになってきている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んだものである。この発光素子に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光を得ることができる。
有機電界発光表示装置は、液晶表示装置等とは異なり、陽極及び陰極から注入された正孔及び電子を発光層において再結合させることにより、発光層における有機化合物を含む発光材料を発光させて表示を実現するいわゆる自発光型の表示装置である。このため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であるといえる。また、このような発光素子は、薄膜軽量に製造できることも、大きな利点である。
有機電界発光素子(有機EL素子)としては、例えば、陽極、陽極上に配置された正孔輸送層、正孔輸送層上に配置された発光層、発光層上に配置された電子輸送層及び電子輸送層上に配置された陰極から構成された有機電界発光素子が知られている。陽極からは正孔が注入され、注入された正孔は正孔輸送層を移動して発光層に注入される。一方、陰極からは電子が注入され、注入された電子は電子輸送層を移動して発光層に注入される。発光層に注入された正孔と電子とが再結合することにより、発光層内で励起子が生成される。有機電界発光素子は、その励起子の輻射失活によって発生する光を利用して発光する。尚、有機電界発光素子は、以上に述べた構成に限定されず、種々の変更が可能である。
また、有機電界発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を形成することにより、面状の発光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明装置等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
有機電界発光素子を表示装置や照明装置に応用するにあたり、有機電界発光素子の高効率化及び長寿命化が求められている。有機電界発光素子の高効率化及び長寿命化を実現するために、素子構造や駆動方法など様々な検討がなされている。例えば、有機電界発光素子を順方向のバイアスで駆動し続けると、発光層のドーパントにキャリアが蓄積し、有機電界発光素子が劣化する問題がある。また、逆方向のバイアスを印加することにより、発光素子中の不具合部分を焼ききることで、信頼性を向上させる方法も報告されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら通常、素子において逆方向にバイアスをかけることは、発光素子中の材料に対して流れない方向に電荷を流すことになるため、有機電界素子に対する負荷が大きくなる可能性がある。
特許5177953 特許3771171
本発明は、有機電界発光素子の長寿命化を図ることを課題とする。また、本発明の一態様は、長寿命な有機電界発光素子を用いた表示装置を提供することを課題とする。
本課題を解決するため、本発明者は、有機電界発光素子の素子構造と駆動方法の最適化に成功し、本発明に至った。本発明の一実施形態による有機電界発光素子は、陽極及び陰極の間に有機材料層を有する有機電界発光素子において、前記有機材料層が、発光材料及び電荷輸送材料を含む発光層と、正孔輸送層と、電子輸送層と、を含み、前記正孔輸送層を構成する正孔輸送材料のHOMO(HOMOHT)と前記発光材料のHOMO(HOMOED)との関係が関係式(1)を満たし、前記有機電界発光素子はデューティー駆動で駆動し、順方向のバイアス及び逆方向のバイアスをかけて駆動する。

HOMOED-0.2eV ≦ HOMOHT ≦ HOMOED+0.1eV (1)
本発明の一実施形態によると、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとの関係を所定の範囲とし、デューティー駆動、且つ、順方向のバイアス及び逆方向のバイアスをかけて駆動させることにより、長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。
前記発光材料は、含窒素化合物であってもよい。
本発明の一実施形態によると、発光材料に含窒素化合物を用いて、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとの関係を所定の範囲とし、長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。
前記正孔輸送層は、下記式(2)で表される芳香族アミン誘導体で形成されてもよい。
Figure 2015133362


式(2)中、Ar1、Ar2、Ar3は、それぞれ独立的に、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基である。
本発明の一実施形態によると、正孔輸送層を芳香族アミン誘導体で形成することにより、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとの関係を所定の範囲とし、長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。特に、発光材料に含窒素化合物を用い、正孔輸送層を芳香族アミン誘導体で形成することにより、長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。
本発明によると、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとの関係を所定の範囲とし、デューティー駆動、且つ、順方向のバイアス及び逆方向のバイアスをかけて駆動させることにより、長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子100を示す模式図である。 本発明の一実施例に係る有機電界発光素子200を示す模式図である。
以下、図面1を参照して本発明に係る有機電界発光素子について説明する。但し、本発明の有機電界発光素子は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
有機電界発光素子の長寿命化のために、用いる材料、素子構造及び駆動方法について、種々検討されてきたが、これまではそれぞれの要素について独立した検討であった。本発明者は、有機電界発光素子に用いる材料、素子構造及び駆動方法について、総合的に検討することにより、有機電界発光素子の長寿命化を図ることを実現した。このようなアプローチについては、これまでに取り組まれてこなかったものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子100を示す模式図である。有機電界発光素子100は、陽極104及び陰極116の間に有機材料層118を有する。有機材料層118は、発光材料及び電荷輸送材料を含む発光層110と、正孔輸送層108と、電子輸送層112と、を含む。有機電界発光素子100は、例えば、基板102上に陽極104を配置し、正孔輸送層108、発光層110、電子輸送層112及び陰極116を順次配置した構造である。また、陽極104と正孔輸送層108との間に正孔注入層106を配置し、電子輸送層112と陰極116との間に電子注入層114を配置してもよい。
(基板)
基板102は、有機電界発光素子の支持体となるものであり、機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましい。例えば、石英、透明ガラス基板や、シリコン、金属板、セラミック板、プラスティック板(ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリレート樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができるができるが、これらに限定されるものではない。。
(陽極)
陽極104は、基板102上に配置され、発光層110側の層へ正孔注入の役割を果たすものである。具体的には、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、酸化インジウムスズ(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを用いて形成することができるが、これらに限定されるものではない。陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、若しくはアルゴンプラズマ処理したり、これらを組み合わせた処理をすることが好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層106は、陽極104上に配置され、正孔輸送性を有する化合物であれば、低分子化合物で形成されてもよく、高分子化合物で形成されてもよい。陽極からの注入性の観点より、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物で形成されるのが好ましい。例えば、芳香族アミン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、スチルベン誘導体、シラザン化合物、フタロシアニン誘導体等を用いて形成される。例えば、4,4′,4′′-Tris[2-naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine(2-TNATA)、N,N,N′,N′-Tetrakis(3-methylphenyl)-3,3′-dimethylbenzidine(HMTPD)等を用いることができる。また、正孔注入層106は、後述するように、発光材料とHOMOの関係が関係式(1)の関係を満たす含窒素化合物を用いて形成されてもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層108は、正孔注入層106上に配置され、下記関係式(1)を満たし、正孔輸送性を有する化合物であれば、低分子化合物で形成されてもよく、高分子化合物で形成されてもよい。陽極からの注入性の観点より、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物で形成されるのが好ましい。正孔輸送層108は、例えば、芳香族アミン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、スチルベン誘導体、シラザン化合物、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。
(発光層)
発光層110は、正孔輸送層108上に配置され、発光層ホスト材料に、本発明に係る発光材料(ドーパント)をドープして形成される。発光層ホスト材料として、例えば、カルバゾール系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、ピリジン系化合物、フェナントロリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物、キナクリドン系化合物、ブダジエン系化合物芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物等を用いることができる。より具体的には、例えば、9,10-Di(2-naphthyl)anthracene(ADN)等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
<発光材料>
発光材料として、下記関係式(1)を満たし、単一の分子量で規定される発光の性質を有する化合物であれば特に制限はなく、公知の材料を適応可能である。発光材料は、例えば、蛍光発光性低分子化合物であっても、燐光発光性低分子化合物であってもよい。蛍光発光性低分子の例を以下に挙げるが、蛍光発光性化合物は以下の例示物に限定されるものではない。蛍光発光性低分子化合物としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、クリセン、p−ビス(2−フェニルエステル)ベンゼン、キナクリドン、クマリン、ルブレン、ペリミドン、M(4-(dicyanomethylene)-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4H-pyran)、ベンゾピラン、ローダミン、ベンゾチオオキサンテン、アルミニウム錯体、及びそれらの誘導体があげられる。
また、燐光発光性化合物としては、周期表の第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が好ましい。特に、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金、金等が好ましい。配位子としては、ヘテロアリールピリジン配位子、ヘテロアリールピラゾール配位子、フェナントロリン、またはこれらを組み合わせたものがある。
本発明の発光材料としては、蛍光発光性低分子化合物が好ましい。これは燐光発光性材料では電子のスピンが変化することにより、異なる項間での電荷の移動が禁制となり、発光材料と発光層と隣接する層との間の電荷の授受が困難となると考えられるためである。また、上記に示す発光材料が窒素で置換されている含窒素化合物であることがより好ましい。また、上記に示す発光材料が芳香族アミン誘導体で置換されていることが特に好ましい。これは、含有されている窒素は結合に関与しない軌道を有するため、電荷の授受を行うことが容易になると考えられるためである。
本発明においては、正孔輸送層108を構成する正孔輸送材料の最高被占軌道(HOMO)(HOMOHT)と発光材料のHOMO(HOMOED)との関係が関係式(1)を満たす。これ以上であっても以下であっても、層間のエネルギー障壁が大きくなるため、逆向きのバイアスを印加した際に電荷の授受が困難になると考えられる。そのため、材料への負荷が順方向バイアスのみの印加時と変化がなくなると考えられる。なお、本発明において、正孔注入層106を形成する材料のHOMOと、発光材料のHOMOとがこの関係を有してもよい。

HOMOED - 0.2eV ≦ HOMOHT ≦ HOMOED + 0.1eV (1)
また、関係式(1)を満たす正孔輸送層108の材料として、下記式(2)で表される芳香族アミン誘導体を用いて形成することが好ましい。芳香族アミン誘導体は、優れた正孔輸送性を有し、下記式(2)で表されるような芳香族アミン化合物中の窒素は結合に関与しない軌道を有するため、電荷の授受を行うことが容易になると考えられるためである。
Figure 2015133362


式(2)中、Ar1〜Ar3はそれぞれ独立的に、置換若しくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、又は置換若しくは無置換の環形成炭素数3以上20以下のヘテロアリール基である。
Ar1〜Ar3の置換若しくは無置換のアリール基のアリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、トリナフチレン環、フルオレン環などの6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基があげられる。
また、Ar1〜Ar3の置換若しくは無置換のヘテロアリール基のヘテロアリール基としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、カルボリン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、アズレン環、フェナントロリン環、フェナジン環、アクリジン環などの、5員環又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の基が挙げられる。
Ar1〜Ar3のアリール基又はヘテロアリール基に置換する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の置換若しくは無置換のヘテロアリール基、及びハロゲン原子から独立的に選択されてもよい。
本発明に係る芳香族アミン誘導体は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
Figure 2015133362

Figure 2015133362

Figure 2015133362

Figure 2015133362

Figure 2015133362

(電子輸送層)
電子輸送層112は、発光層110上に配置され、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、トリス(4-メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]-キノリナト)アルミニウム(BeBq2)、ビス(2-メチル-8キノリノラト)-(4-ヒドロキシ-ビフェニル)-アルミニウム(BAlq)など、キノリン骨格、またはベンゾキノン骨格を有する金属錯体などを用いることが出来る。また、オキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることが出来る。さらに、金属錯体以外にも、1,3ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(OXD-7)、バソフェナントロリン(BPhen)、バソキュプロイン(BCP)などを用いることも出来る。
(電子注入層)
電子注入層114は、電子輸送層112上に配置され、例えば、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al2O3)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)などを用いることが出来る。
(陰極)
陰極116は、電子注入層114上に配置され、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物をなどを用いることが好ましい。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、銀(Ag),及びこれらの合金等(MgAg、AlLi)が挙げられる。また、酸化インジウムスズ(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明材料によって形成してもよい。
なお、上記の各層を構成する薄膜は、真空蒸着、スパッタ、各種塗布など材料に応じた適切な成膜方法を選択することにより、形成することができる。
(駆動方法)
以下に、本発明に係る有機電界発光素子100の駆動方法について説明する。なお、以下に説明する駆動方法は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
(周波数)
有機電界発光素子100の電圧印加時にはパルス波を用い、その周波数を30Hz以上とすることが好ましい。これは、周波数が30Hz未満になると、得られるEL表示にちらつきが発生する可能性があるためである。
(デューティー比)
有機電界発光素子100への電圧印加はパルス波で行い、電圧印加時のパルス波のデューティー比を、Von、Voffそれぞれに対してTon、Toffとすると、Ton>1/2 にすることが好ましい。これはデューティー比Tonが1/2を下回ると、同様の構造をディスプレイに適応し、駆動させた場合に、人間の目にちらつきとして認識されてしまう可能性が出てくるためである。特に、前項の周波数の値が小さい場合にはちらつきが顕著に現れる可能性がある。
なお、順方向のバイアスとは、有機電界発光素子を発光させるための方向に電圧を印加することを示し、逆方向のバイアスとは、発光時に印加する電圧とは逆方向に電圧を印加すること示す。
(有機電界発光素子への逆方向電圧の印加)
上述のVoffの値について、−0.01〜−20Vが好ましい。逆方向電圧が−0.01V以上であれば、発光材料上に滞在している電荷を十分に除去できないと考えられる。また、−25Vを超えると有機電界発光素子100が劣化、破壊される可能性もあるためである。そのため、より好ましくは−0.1〜−15V、さらに好ましくは−0.5〜−10Vである。
<発光材料>
実施例1〜4及び比較例2〜5の発光材料1として、D−1を用いた。また、比較例1の発光材料2として、D−2を用いた。表1に示すように、発光材料2は発光材料1よりもHOMOが浅い材料である。
Figure 2015133362

(実施例1)
実施例1の有機電界発光素子を以下のように作製した。基板202には透明ガラス基板を用い、150nmの膜厚のITO(酸化インジウムスズ)で陽極204を形成したものを使用した。この基板202に対して、UV/O洗浄を行った。洗浄後、透明電極ライン付き、ガラス基板202を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、真空蒸着装置中にて、60nmの膜厚の2-TNATAで正孔注入層206を形成した。30nmの膜厚の化合物2で正孔輸送層208を形成した。その後、ADNに発光材料1を3%ドープした25nmの膜厚の発光層210を形成し、30nmの膜厚のAlq3で電子輸送層212を形成し、1nmの膜厚のLiF(フッ化リチウム)で電子注入層214を形成し、120nmの膜厚のAl(アルミニウム)で陰極216を形成した。
(実施例2)
正孔注入層206を形成した後、化合物6を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
正孔注入層206を形成した後、化合物12を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(実施例4)
正孔注入層206を形成した後、化合物13を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例1)
正孔注入層206を形成した後、化合物2を正孔輸送層208として30nm形成し、ADNに発光材料2を3%ドープした25nmの膜厚の発光層210を形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例2)
正孔注入層206を形成した後、化合物3を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例3)
正孔注入層206を形成した後、化合物10を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例4)
正孔注入層206を形成した後、化合物25を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例5)
正孔注入層206を形成した後、化合物30を正孔輸送層208として30nm形成したこと以外は実施例1と同様に作製した。
作成した実施例1〜4及び比較例1〜5の有機電界発光素子を、周波数60Hz、デューティー比50%において順方向のバイアスとして0.5mAの電流が流れるように電圧を印加し、逆方向のバイアスとして電圧を−5V印加させ、駆動させた(Duty駆動)。また、同じ素子において順方向のバイアスとして0.5mAの電流が流れる電圧のみを印加した時の駆動寿命(DC駆動)を測定し、その寿命比を表1記載した。また、実施例及び比較例に使用した正孔輸送材料、及び発光材料のHOMOも表1に示す。
Figure 2015133362

表1から明らかなように、HOMOED- 0.2eV ≦ HOMOHT ≦ HOMOED + 0.1eVを満たす実施例1〜5においては、比較例2に比して有意に長寿命であった。一方、実施例1と同じ化合物2を正孔輸送材料に用いた比較例1においては、HOMOが浅い発光材料2を用いたため、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとは、上記の関係を満たさず、寿命の改善を実現することはできなかった。また、実施例1〜5と同じ発光材料1を用いた比較例3〜5においては、正孔輸送材料のHOMOと発光材料のHOMOとが、上記の関係を満たさないため、寿命の改善を実現することはできなかった。
100 有機EL素子、102 基板、104 陽極、106 正孔注入層、108 正孔輸送層、110 発光層、112 電子輸送層、114 電子注入層、116 陰極、118 有機材料層、200 有機EL素子、202 基板、204 陽極、206 正孔注入層、208 正孔輸送層、210 発光層、212 電子輸送層、214 電子注入層、216 陰極、218 有機材料層

Claims (3)

  1. 陽極及び陰極の間に有機材料層を有する有機電界発光素子において、
    前記有機材料層が、発光材料及び電荷輸送材料を含む発光層と、正孔輸送層と、電子輸送層と、を含み、
    前記正孔輸送層を構成する正孔輸送材料のHOMO(HOMOHT)と前記発光材料のHOMO(HOMOED)との関係が関係式(1)を満たし、
    前記有機電界発光素子はデューティー駆動で駆動し、順方向のバイアス及び逆方向のバイアスをかけて駆動することを特徴する有機電界発光素子。

    HOMOED-0.2eV ≦ HOMOHT ≦ HOMOED+0.1eV (1)
  2. 前記発光材料が含窒素化合物であることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記正孔輸送層が下記式(2)で表される芳香族アミン誘導体で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2015133362


    [式(2)中、Ar1、Ar2、Ar3は、それぞれ独立的に、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基である。]
JP2014002729A 2014-01-09 2014-01-09 有機電界発光素子 Pending JP2015133362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002729A JP2015133362A (ja) 2014-01-09 2014-01-09 有機電界発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002729A JP2015133362A (ja) 2014-01-09 2014-01-09 有機電界発光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015133362A true JP2015133362A (ja) 2015-07-23

Family

ID=53900379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014002729A Pending JP2015133362A (ja) 2014-01-09 2014-01-09 有機電界発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015133362A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017077904A1 (ja) * 2015-11-04 2017-05-11 住友化学株式会社 発光素子の駆動方法および発光装置
EP3299374A1 (en) * 2016-09-22 2018-03-28 Samsung Display Co., Ltd. Amine compound and organic electroluminescence device including the same
US10777747B2 (en) 2016-12-05 2020-09-15 Samsung Display Co., Ltd. Amine compound and organic electroluminescence device including the same
CN112745231A (zh) * 2019-10-29 2021-05-04 东进世美肯株式会社 新型化合物以及包含上述新型化合物的有机发光元件
KR102666512B1 (ko) * 2016-09-22 2024-05-20 삼성디스플레이 주식회사 아민 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009119591A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 富士電機ホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2010161385A (ja) * 2001-08-09 2010-07-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びその駆動方法
JP2015522707A (ja) * 2012-04-13 2015-08-06 オーティーアイ ルミオニクス インコーポレーテッドOti Lumionics Inc. 基板の官能基化

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010161385A (ja) * 2001-08-09 2010-07-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びその駆動方法
WO2009119591A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 富士電機ホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2015522707A (ja) * 2012-04-13 2015-08-06 オーティーアイ ルミオニクス インコーポレーテッドOti Lumionics Inc. 基板の官能基化

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017077904A1 (ja) * 2015-11-04 2017-05-11 住友化学株式会社 発光素子の駆動方法および発光装置
JPWO2017077904A1 (ja) * 2015-11-04 2017-11-02 住友化学株式会社 発光素子の駆動方法および発光装置
EP3299374A1 (en) * 2016-09-22 2018-03-28 Samsung Display Co., Ltd. Amine compound and organic electroluminescence device including the same
US11165029B2 (en) 2016-09-22 2021-11-02 Samsung Display Co., Ltd. Amine compound and organic electroluminescence device including the same
KR102666512B1 (ko) * 2016-09-22 2024-05-20 삼성디스플레이 주식회사 아민 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
US10777747B2 (en) 2016-12-05 2020-09-15 Samsung Display Co., Ltd. Amine compound and organic electroluminescence device including the same
CN112745231A (zh) * 2019-10-29 2021-05-04 东进世美肯株式会社 新型化合物以及包含上述新型化合物的有机发光元件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5252481B2 (ja) 発光素子
JP5532705B2 (ja) 発光素子
JP6154802B2 (ja) 有機電界発光素子
TWI582074B (zh) 1,2-苯并苊衍生物、含有其的發光元件材料及發光元件
KR101540637B1 (ko) 발광 소자
JP2006032883A (ja) 発光素子
JP2013236055A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2009246354A (ja) 発光素子
JP2010027761A (ja) 発光素子
JP5223163B2 (ja) 発光素子
JP2015133362A (ja) 有機電界発光素子
JP2005093425A (ja) 発光素子
US20120119196A1 (en) Organic electroluminescent element
JP2011003793A (ja) 有機el素子
KR20170131537A (ko) 유기 일렉트로루미네센스 소자용 재료, 유기 일렉트로루미네센스 소자, 표시 장치 및 조명 장치
JP2010056190A (ja) 発光素子
KR101405725B1 (ko) 유기 발광 소자 및 이의 제조방법
KR102491900B1 (ko) 유기 전계 발광 소자용 재료 및 유기 전계 발광 소자
JP2020123477A (ja) 発光素子、表示装置および照明装置
JP2016150920A (ja) 有機電界発光素子用化合物およびこれを用いた有機電界発光素子
JP2009290051A (ja) 発光素子
JP2018514078A (ja) 有機発光素子
JP6369747B2 (ja) 電界発光素子
JP2015142071A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP7173145B2 (ja) 薄膜、電子デバイス、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス用材料、表示装置、及び、照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180619