JP2015132721A - 回折構造体、及びそれを用いた偽造防止媒体 - Google Patents

回折構造体、及びそれを用いた偽造防止媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】紙幣、債券、商品券、宝くじ、クレジットカード、ギフトカード等、有価証券類や金券類の偽造を防止するために用いられる偽造防止媒体に使用することができる回折構造体を実現する。
【解決手段】回折構造体の立断面形状は鋸刃形状である。この鋸刃形状を形成する長辺部と短辺部とは交互に一定角度により規則的に配置されている。長辺部は、表面に、微細な凹凸が規則的に配置された微細凹凸構造が形成されている。この回折構造体は、長辺部を光入射面とした回折構造である。この回折構造体は、光学的変化を発現させる回折構造である微細凹凸構造を、ブレーズド回折格子を模した鋸刃形状の長辺部に配列することで、微細凹凸構造に入射する入射光と、微細凹凸構造で発現する反射光や回折光を、水平から傾いている鋸刃形状の角度だけ変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学的な変化を有する回折構造体、及びそれを用いた偽造防止媒体に関する。
従来、偽造を防止する手段としては、簡単に真似することのできない微細構造や色調変化を施したり、又は他の光学機能フィルムを判定子として、それとの組み合わせでのみある光学的現象が観察されるような構成としたり、更には専用の読取装置でのみ一定のパターン等が読み取れるようにする等、様々な態様が技術の進歩とともに実用化されてきた。
その中でも、実際の運用上の簡便さから、最も利用されている偽造防止表示体としては、光学的変化を発現させるOVD(Optical(ly) Variable Device:光学的可変素子)であるホログラムや回折構造体等が挙げられる。ホログラムについては、二光束干渉等の光学的撮影方法により、微細な凹凸パターンや、屈折率分布を設けることで作製される。また、回折構造体については、微小なエリアに回折格子を配置したものを画素として回折格子像が作製される。
上記ホログラムや回折構造体は、双方ともに偽造困難で、カラーコピー機等による複写も困難で、また意匠的にも優れることから、クレジットカードやIDカード、各種有価証券、証明書等に広く用いられている。
しかしながら、実際の運用上では、ホログラムや回折構造体の真偽判定は人の目に委ねられるため、微視的には粗悪な偽造品であっても全ての人が肉眼で一様に正確な真偽判定を行うことは容易でない。
また、上述のようなホログラムや回折構造体が流通、普及していく中で、偽造技術も進歩していくため、より偽造が困難な表示体が求められている。
例えば、表面レリーフ構造のホログラムや回折構造体は密着露光により複製される恐れがある。
偽造を防ぐため、例えば回折効果を持つ細かいパターンの配置に工夫を凝らすことが特許文献1に記載されている。この表示体は、目視では情報が読み取れないようにセキュリティ情報の有無を分かり難くしている。従って、真正品か否かの判断は目視では困難であるから、その判定には読み取り機械を使用することになる。
また、密着露光法で複製されたホログラムや回折構造体は、オリジナルと比較すれば精度の低下を確認できるが、通常複製品は複製品のみで流通するため、専門家ではない一般の人には真正品か否かの判断が困難であるという問題がある。
微細な凹凸を設けた基材は、入射した光の反射を抑えることが知られている。例えば、ある種の反射防止フィルムは、フィルム基材表面に細かい凹凸のエンボス加工を施したり、フィルム形成樹脂そのものにフィラーを混ぜ込んだりすることで、フィルムの屈折率に分布を持たせるとともに、フィルム表面に凹凸を形成する。近年では、この凹凸を更に微細に、凸部の周期を光の波長以下とすることで、光の反射を防ぎ入射光を制御できることが開示されている(例えば特許文献2参照)。この技術は、凸部の周期が光の波長以下、特に50〜250nm程度とすることで(特許文献2の第0014段落)、光の反射を抑制し、光制御シートに適用したというものである(以下、この様な光の波長以下の凸部周期を持つ凹凸構造を、微細凹凸構造と称する)。
また、微細凹凸構造に反射層を備えることで、回折光を制御し、回折光が観察可能な表示体とすることが開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、このような微細凹凸構造に反射層を設けた構成の表示体は、従来の回折構造体より高精度な製造技術が必要なため偽造が困難であることから偽造防止効果は高いが、表示体の水平方向に近い角度から観察しなければ回折光が発生しないため、従来の回折構造の観察方法では、回折光の観察が難しいという問題がある。
特表2002−505774号公報 特開2007−48688号公報 特開2008−275740号公報
本発明の目的は、回折構造が備える高度な視覚効果を変化させることなく、人間の視覚でその特徴を把握し、真贋判定を容易に行える回折構造体、及びこの回折構造体を用いた偽造防止媒体を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る回折構造体は、以下のように構成されている。まず、立断面形状は鋸刃形状である。この鋸刃形状を形成する長辺部と短辺部とは交互に一定角度により規則的に配置されている。長辺部は、表面に、微細な凹凸が規則的に配置された微細凹凸構造が形成されている。この回折構造体は、長辺部を光入射面とした回折構造である。この回折構造体は、光学的変化を発現させる回折構造である微細凹凸構造を、ブレーズド回折格子を模した鋸刃形状の長辺部に配列することで、微細凹凸構造に入射する入射光と、微細凹凸構造で発現する反射光や回折光を、水平から傾いている鋸刃形状の角度だけ変化させる。
本発明によれば、紙幣、債券、商品券、宝くじ、クレジットカード、ギフトカード等、有価証券類や金券類の偽造を防止するために用いられる偽造防止媒体に使用することができる回折構造体を実現することができる。
本発明の第1〜第8実施形態に係る回折構造体の鋸刃形状を示す断面図である。 本発明の第1〜第8実施形態に係る回折構造体の鋸刃形状を示す図1X部の拡大図である。 本発明の第1〜第8実施形態に係る回折構造体の鋸刃形状を示す図2Y部の拡大図(微細凹凸構造の断面拡大図)である。 本発明の第1〜第8実施形態に係る微細凹凸構造の実施例を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る偽造防止粘着ラベルの断面図である。 本発明の第7実施形態に係る偽造防止スレッドの断面図である。 本発明の第8実施形態に係る偽造防止転写箔の断面図である。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る回折構造体の断面図について説明する。図1に示すように、この回折構造体の断面は、短辺部Sと長辺部Lにより鋸刃形状となっている。断面図の底辺を水平線Fとした場合、長辺部Lの傾きは、水平線Fと長辺部Lとが成す角度θ1である。また、短辺部Sの傾きは、水平線Fと短辺部Sとが成す角度θ2である。本実施形態における鋸刃形状を形成する長辺部Lと短辺部Sとは、交互に一定角度により規則的に配置されている。
図2は、図1に示す鋸刃形状のX部を拡大した断面図である。長辺部Lの表面には、角度θ1の傾きで配置される微細凹凸構造が形成されていることを示している。ここでは、鋸刃形状の隣接する頂点部間の距離をA(以下、頂点間距離A)、頂点の高さをB(以下、頂点高さB)とする。
図3は、図2に示す鋸刃形状の長辺部Lに形成されている微細凹凸構造のY部を更に拡大したものである。この微細凹凸構造のY部は、凸部の中心間距離D(以下、凸部中心間距離D)、凸部と凹部との高低差H(以下、凸凹部高低差H)、角度θ1の傾きで、規則正しく形成されていることが分かる。なお、凸部中心間距離は凹部中心間距離と読み替えても良い。凸部が一定間隔で配列される場合、凹部も同じく一定間隔で配列されることになるため、凹部中心間距離は凸部中心間距離と等しいからである。また、凸凹部高低差は凸部高さと読み替えても良い。凹部の底(最下点)を基準とした場合、凸部と凹部との高低差は凸部の高さを示すからである。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態では、図3の凸部中心間距離Dを200nm以上500nm以下、凸凹部高低差Hを100nm以上で形成した。
ここで、凸部中心間距離Dが200nm未満の場合、凸凹部高低差Hが100nm以上であっても、可視光の波長である約400nm以上700nm以下の光が入射しても、可視光領域の回折光は発現しないため、回折光を観察することができない。一方、凸部中心間距離Dが200nm以上500nm以下であっても、凸凹部高低差Hが100nm未満の場合には、光散乱が発生してしまうため、回折光の観察が容易ではなくなってしまう。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態では、図3に示した微細凹凸構造の断面図において、H/Dで示される値(アスペクト比)が0.5以上となるように形成した。ここで、本発明の第2実施形態の数値範囲内である凸部中心間距離Dを最大の500nmとし、凸凹部高低差Hを最小の100nmとするとアスペクト比が0.2となるが、この組み合わせだと凸凹部高低差Hが不足して光の散乱が生じてしまい、回折光の観察が容易ではなくなってしまう。
なお、上記アスペクト比が0.5以上であれば、実際の微細凹凸構造は図4に示した斜視図のように凸部が尖っておらずに丸まっていて凹部の一部に平坦な面があったり、半錘形であったり、テーパー(taper:先細り)形状の円錐や角錐であっても良い。
(第4実施形態)
図1、図2に示す断面図では、回折構造体の断面は、短辺部Sと長辺部Lとが交互に規則的に形成された鋸刃形状であり、短辺部Sと長辺部Lの組み合わせで、角度θ1と角度θ2が決定される。
しかし、本発明の第4実施形態では、回折構造による回折光を発現させる最適条件として、図2における断面図において、隣接する長辺部L同士を結ぶ短辺部Sの長さを0.5μm以上2μm以下に規定し、微細凹凸構造が形成されている長辺部Lの長さを2μm以上20μm以下に規定し、長辺部Lの傾きを5°以上60°以下に規定し、短辺部Sの傾きを45°以上90°以下に規定した。
ここで、角度θ1とθ2が小さい場合を考えると、角度θ1=5°、角度θ2=30°のとき、角度θ1の角度が小さいと、回折光を観察する際の角度シフト効果が少なくなってしまう。また、角度θ2が小さいと、短辺部Sで発現する反射光や回折光が、長辺部Lで発現する反射光や回折光と比較して相対的に大きくなるため、結果、長辺部Lの回折光だけ観察することが困難となる。
一方、角度θ1が60°を越えると、傾斜角度が大きすぎるため、微細凹凸構造を形成することが困難となる。また、角度θ2が90°を越えると、これも構造上角度が逆テーパー形状となるため、作製が困難となる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態では、図1や図2に示した鋸刃形状において、長辺部Lに微細凹凸構造が無い場合には、この鋸刃形状がブレーズド回折格子の条件を満たすことから、長辺部Lの一部に微細凹凸構造を形成し、その他の部分の長辺部Lは平面とすることで、1つの回折構造体の中にブレーズド回折格子と微細凹凸構造の両方を形成する。
なお、ブレーズド回折格子の典型的な例としては、鋸刃形状の頂点間距離Aは0.5以上1μm以下程度、頂点高さBは0.1μm以上1μm以下程度である。
(第6実施形態)
図5は、本発明の第6実施形態の一例を示す回折構造体を有する偽造防止媒体である偽造防止粘着ラベル11の断面図である。ここでは、基材1はラベル基材である。基材1には、透明な樹脂フィルムが用いられる。回折構造形成層2には、光学性能のために透明性が高い樹脂が用いられる。回折構造形成層2に回折構造体3を形成した後、入射光を回折構造体3の端面で反射させるための反射層4を積層して形成する。その後、一般的なラベルで用いられる粘着剤で形成された粘着層5を積層することで、回折構造体を有する偽造防止粘着ラベル11となる。
なお、この構成は本実施形態の偽造防止粘着ラベルの典型例を示したものであり、意匠性を追加するための印刷層や表面耐久性を向上させるための保護層等、必要に応じて、別の層を追加しても良い。
(第7実施形態)
図6は、本発明の第7実施形態の一例を示す回折構造体を有する偽造防止媒体である偽造防止スレッド(Security Thread:偽造防止糸/安全線)12の断面図である。ここでは、基材1はスレッド基材である。基材1には、透明な樹脂フィルムが用いられる。回折構造形成層2には、光学性能のために透明性が高い樹脂が用いられる。回折構造形成層2に回折構造体3を形成した後、入射光を回折構造体3の端面で反射させるための反射層4を積層して形成する。この後、用紙に漉き込む際にスレッドと用紙とを密着させるためのスレッド用接着層6を積層することで、回折構造体を有する偽造防止スレッド12となる。なお、この構成は本実施形態の偽造防止スレッドの典型例を示したものであり、意匠性を付与するために印刷層を追加したり、用紙基材に漉き込んだ際に用紙との密着性を更に向上させるために基材1の表面にも接着層を追加したりする等、必要に応じて別の層を追加しても良い。
(第8実施形態)
図7は、本発明の第8実施形態の一例を示す回折構造体を有する偽造防止媒体である偽造防止転写箔13の断面図である。支持体7には、透明性と耐熱紙を有する樹脂フィルムが用いられる。熱厚による転写によって支持体7から回折構造体を剥離する。剥離後に回折構造体を保護するための剥離保護層8を積層する。その剥離保護層8に、回折構造形成層2を積層する。回折構造形成層2には、光学性能のために透明性が高い樹脂が用いられる。回折構造形成層2に回折構造体3を形成した後、入射光を回折構造体3の端面で反射させるための反射層4を積層して形成する。その後、被転写基材に接着するための転写箔用接着層9を積層する。なお、この構成は本実施形態の偽造防止転写箔の典型例を示したものであり、意匠性を追加するための印刷層や更に別の機能を持たせるための機能層等、必要に応じて、別の層を追加しても良い。
(偽造防止媒体の構成)
以下に、第6実施形態から第8実施形態に係る回折構造体を用いた偽造防止媒体の構成について、更に詳細に説明する。
(基材)
各実施形態の偽造防止媒体に使用される基材1や支持体7には透明な樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱塩化ビニルフィルム等が使用できる。これらの樹脂の中で、耐熱性が高く厚みが安定していることから、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが好ましく使用できる。
(剥離保護層)
本発明の第8実施形態に係る偽造防止転写箔13には、支持体7の片面に剥離保護層8を積層する。剥離保護層8としては、樹脂に滑剤を添加したものが使用できる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂である。また、滑剤としてはポリエチレンパウダーや、カルナバロウ等のワックスを使用することができる。これらはグラビア印刷法やマイクログラビア法等、公知の塗布方法によって形成する。
(回折構造形成層)
回折構造形成層2は、上記の基材1の片面、又は剥離保護層8上に、樹脂を積層して形成される。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線、若しくは電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等が使用できる。また、熱硬化性樹脂としては、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。また、紫外線、若しくは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等が使用できる。これらは、グラビア印刷法やマイクログラビア法等、公知の塗布方法によって形成する。
上記の回折構造形成層2に形成される微細凹凸構造は、電子線硬化型樹脂の表面に電子線を照射して所望のパターンで露光し、その後現像することによって形成することが可能である。そして、形成された微細凹凸構造を有するレリーフ型のマスター版の表面に電気メッキ法で金属膜を形成することによって、レリーフ型マスター版の凹凸パターンを複製し、これをプレス版とする。そして、回折構造形成層2にこのプレス版を熱圧着させるか、未硬化の硬化型樹脂にプレス版を密着させながら硬化させることで、回折構造形成層2の表面に微細凹凸構造を含む回折構造体3が形成される。
なお、各実施形態の回折構造形成層2における樹脂材料や微細凹凸構造の形成方法については上記の方法に限定するものではない。
(反射層)
次に、反射層4としては、微細凹凸構造の凹凸を埋めることなく回折構造形成層2の表層に薄膜を形成するために真空製膜法を利用して金属薄膜を形成することが好ましい。反射層4に使用される金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、真鍮等が挙げられる。そして、真空製膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用できる。実際には、金属薄膜の厚みを5nm以上100nm以下の間で制御できれば良い。ここでは、可視光の透過率の点で10nm以上80nm以下の厚みが好ましい。
反射層4は、平坦部と微細凹凸構造が形成されている部分とで膜厚が変化しても良い。但し、この場合の変化は、予め把握した上で所望の膜厚を得る。
例えば、上記の真空製膜法を利用して反射層4を形成した場合、加工条件を一定にしても製膜対象物の表面形状によって金属薄膜の膜厚は変化してしまう。しかし、各実施形態においては、その表面形状を精密に制御して成型するため、凹凸形状を設計する段階から、色々な形状の凹凸における金属薄膜の膜厚の変化も事前に予測することが可能である。そのため、微細な凹凸内部で凹凸構造が変化しても、この変化を利用した所望の透過率や反射率を得ることができる。
そして、この上記の反射層4は、次の第1から第7の方法のうち少なくとも1つの方法により、部分的に任意のパターンを形成するために除去することができる。
第1の方法は、前述の印刷方式を利用する方法である。
第2の方法は、微細凹凸構造像パターン状の開口部を有するマスクを重ねて真空製膜することにより、画像パターン状に反射層4を製膜する方法である。
第3の方法は、溶剤溶解性の樹脂層をネガパターン状に設け、この溶剤溶解性樹脂層を被覆して全面一様に反射層4を形成した後、溶剤で上記の溶剤溶解性樹脂層を溶解して除去すると同時に、この溶剤溶解性樹脂層上に重ねられた反射層4を除去することによって、残存する反射層4が画像パターン状に形成される方法である。
第4の方法は、微細凹凸構造に剥離しやすい樹脂層をネガパターン状に設け、この樹脂層を被覆して全面一様に反射層4形成した後、粘着ロールや粘着紙等に押し当てることによって粘着ロールや粘着紙等にネガパターン状に転写させて除去し、結果、反射層4が画像パターン状に残存される方法である。
第5の方法は、全面一様に反射層4を形成し、この反射層4に耐薬品性の樹脂層を画像パターン状に設け、アルカリ性又は酸性のエッチング液を適用して露出している反射層4を溶解して除去する方法である。この方法の場合、反射層4を画像パターン状に加工したした後、上記の耐薬品性樹脂層を除去しても良いが、そのまま残存させて、耐薬品性を持たせるための保護層として利用することもできる。
第6の方法は、全面一様に形成された反射層4上に感光性樹脂層を形成し、画像パターン状に露光・現像した後、アルカリ性又は酸性のエッチング液を適用して露出した反射層4を溶解して除去する方法である。この方法の場合も、残存する感光性樹脂層をそのまま残存させて、耐薬品性を持たせる保護層として利用することができる。
第7の方法は、全面一様に形成された反射層4にレーザ光を照射して直接除去することにより、残存する反射層4が画像パターン状となる方法である。
なお、各実施形態において、反射層4をパターン状に形成したり、その厚みを変化させたりする方法については、上記の方法に限定するものではない。また、これらのパターンとしては、明確な意味を持たないランダムなパターンでも良いが、絵柄、図形、模様、文字、数字、記号等のパターンとして、観察者に認知可能な情報を付与させても良い。
(粘着層、接着層)
粘着層5や接接着9は、圧力、又は熱と圧力によって被転写物の表面に接着するものであれば良い。また、スレッド用接着層6は、用紙基材への漉き込みの際に用紙作製造工程における乾燥時に用紙基材と接着するものであれば良い。いずれも公知の粘着材料や感熱性接着材料等を使用することができる。
(その他の層)
図示しないが、その他の層として各層間の密着性をより強固なものとするために密着補助層を設けたり、全面又は一部を着色する着色層を設けたり、文字や絵柄を印刷するために印刷層を追加することができる。これらのインキとしては、周知の密着向上剤や接着剤、染料や顔料を用いた着色剤、又は印刷インキ等をそれぞれ使用することができる。
次に、前述した本発明の第1実施形態から第8実施形態に基づいて作製した実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1として、本発明の第3実施形態に係る回折構造体を有する本発明の第6実施形態に係る偽造防止粘着ラベル11について説明する。
まず、基材1として、厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用した。この基材1の片面に、下記組成物で組成されるインキを約2μm塗布する。この基材1の片面に、回折構造体3が形成されたプレス版を、インキに気泡が入らないように密着させた。ここで、回折構造体3の断面は、短辺部と長辺部により鋸刃形状となっている。回折構造体3の鋸刃形状の長辺部には、凸部中心間距離400nm、凸凹部高低差H400nmのアスペクト比1.0である円錐形の微細凹凸構造が形成されている。従って、プレス版を密着させたインキ塗布部に、微細凹凸構造が転写され形成される。そして、基材1越しに、水銀ランプから300nm以上400nm以下の波長を含む紫外光をインキ塗布部に向けて照射してインキを完全に硬化させた後、硬化したインキからプレス版を剥離し、回折構造形成層2を形成した。
次に、回折構造形成層2の表面において、上記の回折構造体3が形成された全面に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を50nmにて形成して反射層4とした。なお、このアルミニウム蒸着膜の膜厚は、厳密には微細凹凸構造の凹凸の大小や深さ等によって各々変化するため、回折構造体3が形成されていない平面部も同時に作製し、平面部におけるアルミ蒸着膜の膜厚を測定して代表値とした。
この方法で反射層4を成膜した状態で基材1に照明光を入射したところ、所望の回折光が観察できたので、回折構造体3に接した反射層4には十分な反射機能を有していることが確認された。
次に、この反射層4上に、下記組成物で組成されるインキを塗布・乾燥させ、厚さ20μmの粘着層5を形成し、粘着層5に離型紙10を貼り合わせた。最後に所望の形状に抜き加工し、所望の偽造防止粘着ラベル11を作製した。
[回折構造形成層インキ組成物]
紫外線硬化型アクリル樹脂 19.4質量部
開始剤 0.6質量部
メチルエチルケトン 40.0質量部
メチルイソブチルケトン 40.0質量部
[粘着層インキ組成物]
アクリル粘着剤 40.0質量部
酢酸エチル 45.0質量部
トルエン 15.0質量部
こうして作製した偽造防止粘着ラベル11は、鋸刃形状の長辺部の傾きに応じて反射光や回折光が観察できる角度が変化しているおかげで、偽造防止粘着ラベル11を大きく傾けなくても回折光を容易に観察することができる。また、真正品であることを証明し、真偽判定が容易にできることが分かった。
(実施例2)
実施例2として、本発明の第4実施形態に係る回折構造体を有する本発明の第7実施形態に係る偽造防止スレッド12について説明する。
まず、基材1として、厚さ12μmの透明なポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用した。
この基材1の片面に、下記組成物で組成されるインキを約2μm塗布する。この基材1の片面に、回折構造体3が形成されたプレス版を、インキに気泡が入らないように密着させた。ここで、回折構造体3の断面は、短辺部と長辺部により鋸刃形状となっている。回折構造体3の鋸刃形状は、長辺部の長さ5μm、傾き約23.6°、短辺部の長さ2μm、傾き90°である。鋸刃形状の長辺部の表面上には、凸部中心間距離400nm、凸凹部高低差H400nmのアスペクト比1.0である円錐形の微細凹凸構造が形成されている。従って、プレス版を密着させたインキ塗布部に、微細凹凸構造が転写され形成される。そして、基材1越しに、水銀ランプから300nm以上400nm以下の波長を含む紫外光をインキ塗布部に向けて照射してインキを完全に硬化させた後、硬化したインキからプレス版を剥離し、回折構造形成層2を形成した。
次に、上記の回折構造体3が形成された全面に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を50nmにて形成して反射層4とした。なお、このアルミニウム蒸着膜の膜厚は、上記の実施例1と同様に、微細凹凸構造が形成されていない平坦な面におけるアルミ蒸着膜で膜厚を測定してこれを膜厚の代表値とした。
上記の反射層4上に下記組成物で組成されるインキを塗布・乾燥させ、厚さ7μmのスレッド用接着層6を形成し、最後に5mm幅でスリット加工を行い、5mm幅の偽造防止スレッドを作製した。
更に、検証のため簡易的に2枚のコピー用紙を用意し、1枚のコピー用紙には1cm角の穴を開けた窓を2cm間隔で1列に設けた後、コピー用紙の片面に市販の紙用粘着スプレーで粘着剤を適当量塗布しておく。次に、窓のないもう一方のコピー用紙上に作製した偽造防止スレッド12を置き、温度120℃に加熱したロールを有するロール転写装置を使用して接着させる。最後に、1cm角の窓の列から5mm幅の偽造防止スレッドが露出するように窓開きのコピー用紙を配置して接着し、所望の大きさに切ることで、擬似的な偽造防止スレッド用紙を作製した。
[回折構造形成層インキ組成物]
紫外線硬化型アクリル樹脂 19.4質量部
開始剤 0.6質量部
メチルエチルケトン 40.0質量部
メチルイソブチルケトン 40.0質量部
[接着層インキ組成物]
エチレン酢酸ビニル樹脂 15.0質量部
トルエン 70.0質量部
酢酸エチル 15.0質量部
こうして作製した偽造防止スレッド用紙は、鋸刃形状の長辺部の傾きに応じて反射光や回折光が観察できる角度が変化しているおかげで、偽造防止スレッド用紙を大きく傾けなくても回折光を容易に観察することができた。また、本偽造防止スレッド12を用紙基材に漉き込むことで、真正品であることを証明し、真偽判定が容易にできる偽造防止スレッド用紙が作製できることが分かった。
(実施例3)
実施例3として、本発明の第5実施形態に係る回折構造体を有する本発明の第8実施形態に係る偽造防止転写箔13について説明する。
まず、支持体7として、厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用した。この支持体7の片面に、下記組成物で組成されるインキを塗布・乾燥させ、厚さ1μmの剥離保護層8を形成した。
次に、剥離保護層8上に、下記組成物で組成されるインキを約2μm塗布する。また、長辺部の長さ5μm、傾き約23.6°、短辺部の長さ2μm、傾き90°である鋸刃形状の全部ではなく、一部の長辺部の表面上に凸部中心間距離400nm、凸凹部高低差H400nmのアスペクト比1.0である円錐形の微細凹凸構造を形成する。微細凹凸構造が形成されていない長辺部と短辺部はブレーズド回折格子を形成する。これにより、ブレーズド回折格子と微細凹凸構造による回折構造の2種類の回折構造が形成されたプレス版を、インキに気泡が入らないように密着させ、支持体7越しに、水銀ランプから300nm以上400nm以下の波長を含む紫外光をインキ塗布部に向けて照射してインキを完全に硬化させた後、硬化したインキからプレス版を剥離し、回折構造形成層2を形成した。
次に、上記の回折構造体3が形成された全面に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を50nmにて形成して反射層4とした。なお、このアルミニウム蒸着膜の膜厚は、実施例1から2と同様、微細凹凸構造が形成されていない平坦な面におけるアルミ蒸着膜で膜厚を測定してこれを膜厚の代表値とした。
最後に、下記組成物で組成されるインキを塗布・乾燥させて厚さ3μmの転写箔用接着層9を形成し、第8実施形態に係る偽造防止転写箔13を作製した。
[剥離保護層インキ組成物]
ポリアミドイミド樹脂(Tg.250℃) 19.2質量部
ポリエチレンパウダー 0.8質量部
ジメチルアセトアミド 45.0質量部
トルエン 35.0質量部
[回折構造形成層インキ組成物]
紫外線硬化型アクリル樹脂 19.4質量部
開始剤 0.6質量部
メチルエチルケトン 40.0質量部
メチルイソブチルケトン 40.0質量部
[接着層インキ組成物]
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 15.0質量部
アクリル樹脂(Tg.20℃) 10.0質量部
シリカ 1.0質量部
メチルエチルケトン 44.0質量部
トルエン 30.0質量部
こうして作製した偽造防止転写箔13は、偽造防止転写箔13を大きく傾けなくても微細凹凸構造による回折光やブレーズド回折格子による回折光を観察することができた。更に、偽造防止転写箔13は従来の転写機を用いて紙やプラスチック材に容易に転写することができるため、真正品であることを証明し、真偽判定が容易にできる偽造防止媒体が作製できることが分かった。
(各実施形態の効果)
上記の各実施形態は、以下のような効果を奏する。
第1実施形態に係る回折構造体は、光学的変化を発現させる回折構造である微細凹凸構造を、ブレーズド回折格子を模した鋸刃形状の長辺部に配列することで、微細凹凸構造に入射する入射光と、微細凹凸構造で発現する反射光や回折光を、水平から傾いている鋸刃形状の角度だけ変化させる。
この回折構造体によれば、回折構造に入射する入射光と、回折構造で発現する回折光が発現する反射角を任意の一定角度、変化させることが可能となる。
また、第2実施形態に係る回折構造体は、上記の微細凹凸構造の隣接する凸部又は凹部の中心間距離を200nm以上500nm以下とし、更に凸部と凹部との高低差を100nm以上としている。
この回折構造体によれば、回折構造に光が入射した際、反射光を弱めつつ、反射光とは別の角度で発現する回折光を強めることが可能となる。
また、第3実施形態に係る回折構造体は、上記の微細凹凸構造の隣接する凸部又は凹部の中心間距離をD、凸部と凹部との高低差をHとした場合、H/D(縦横比:アスペクト比)が0.5以上となるようにしている。
この回折構造体によれば、より一層、反射光を弱めて回折光を強まるので、回折光の視認性を向上させることが可能となる。
また、第4実施形態に係る回折構造体は、上記の微細凹凸構造において隣接する長辺部同士を結ぶ短辺部の長さを0.5μm以上2μm以下とし、上記の微細凹凸構造が形成されている長辺部の長さを2μm以上20μm以下とし、長辺部の傾きを5°以上60°以下とし、短辺部の傾きを45°以上90°以下としている。
この回折構造体によれば、鋸刃形状の長辺部と短辺部の長さ、及び長辺部と短辺部の傾斜角度が規定することで、微細凹凸構造により発現する回折光の発現角度を任意に設定することが可能となる。その結果、回折光の観察を容易とすることが可能となる。
また、第5実施形態に係る回折構造体は、全ての長辺部ではなく、一部の長辺部にのみ上記の微細凹凸構造が形成されている。微細凹凸構造が形成されていない長辺部と短辺部は、鋸刃形状によりブレーズド回折格子となる。このように、1つの回折構造体の中に微細凹凸構造とブレーズド回折格子の両方の回折構造を有している。
この回折構造体によれば、鋸刃形状がブレーズド回折格子の条件を満たすため、長辺部における微細凹凸構造の有無により、微細凹凸構造による光学変化とブレーズド回折格子による光学変化の2つの光学変化を1つの回折構造体で実現することが可能となる。
また、第6実施形態に係る偽造防止媒体では、上記の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、表面から、基材、回折構造形成層、反射層、粘着層の順に積層して粘着ラベル化している。
この偽造防止媒体によれば、上記の効果を持つ回折構造体を粘着ラベル化することで、偽造防止粘着ラベルとすることが可能となる。
また、第7実施形態に係る偽造防止媒体では、上記の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、表面から、基材、回折構造形成層、反射層、接着層の順に積層してスレッド化している。
この偽造防止媒体によれば、上記の回折構造体をスレッド化した偽造防止スレッドを用紙基材に漉き入れすることで、偽造防止用紙とすることが可能となる。
また、第8実施形態に係る偽造防止媒体では、上記の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、表面から、基材、剥離保護層、回折構造形成層、反射層、接着層の順に積層して転写箔化している。
この偽造防止媒体によれば、上記の回折構造体を回折構造形成層として転写箔化することで、偽造防止転写箔とすることが可能となる。
このように、各実施形態に係る回折構造体は、複雑な構造と光学変化を利用していろいろな種類の偽造防止媒体とすることが可能である。特に、真偽判定に利用する回折光を観察する時に、偽造防止媒体をいろいろな角度に何度も傾けたり深い角度にまで傾けること無く、複数種類の反射光や回折光を容易に観察できる。また、複雑で微細な構造と特殊な光学変化により、偽造をより困難なものとしている。
上記の各実施形態に係る回折構造体は、紙幣、債券、商品券、宝くじ、クレジットカード、ギフトカード等、有価証券類や金券類の偽造を防止するために用いられる偽造防止媒体に使用することができる。なお、上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1… 基材
2… 回折構造形成層
3… 回折構造体
4… 反射層
5… 粘着層
6… スレッド用接着層
7… 支持体
8… 剥離保護層
9… 転写箔用接着層
10… 離型紙
11… 偽造防止粘着ラベル
12… 偽造防止スレッド
13… 偽造防止転写箔
A… 鋸刃形状における頂点間距離
B… 鋸刃形状の頂点の高さ
D… 微細凹凸構造における凸部の中心間距離
H… 微細凹凸構造の凸部と凹部との高低差
S… 鋸刃形状の短辺部
L… 鋸刃形状の長辺部
F… 鋸刃形状の水平線
θ1… 鋸刃形状の長辺部の傾き角度
θ2… 鋸刃形状の短辺部の傾き角度

Claims (8)

  1. 立断面形状は鋸刃形状であり、
    前記鋸刃形状を形成する長辺部と短辺部とは交互に一定角度により規則的に配置され、
    前記長辺部は、表面に、微細な凹凸が規則的に配置された微細凹凸構造が形成されていることを特徴とする回折構造体。
  2. 前記微細凹凸構造の隣接する凸部又は凹部の中心間距離は200nm以上500nm以下であり、
    前記微細凹凸構造の凸部と凹部との高低差は100nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の回折構造体。
  3. 前記微細凹凸構造の隣接する凸部又は凹部の中心間距離をD、凸部と凹部との高低差をHとした場合、H/D(縦横比:アスペクト比)は0.5以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折構造体。
  4. 隣接する前記長辺部同士を結ぶ前記短辺部の長さは0.5μm以上2μm以下であり、
    前記微細凹凸構造が形成されている前記長辺部の長さは2μm以上20μm以下であり、
    前記長辺部の傾きは5°以上60°以下であり、
    前記短辺部の傾きは45°以上90°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回折構造体。
  5. 前記微細凹凸構造は、一部の前記長辺部に形成され、
    前記微細凹凸構造が形成されていない平坦な前記長辺部と前記短辺部とは、前記鋸刃形状によりブレーズド回折格子を形成し、
    1つの回折構造体の中に前記微細凹凸構造と前記ブレーズド回折格子との両方の回折構造が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回折構造体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、
    表面から、基材、前記回折構造形成層、反射層、粘着層の順に積層されて粘着ラベル化されていることを特徴とする偽造防止媒体。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、
    表面から、基材、前記回折構造形成層、反射層、裏面接着層の順に積層されてスレッド化されていることを特徴とする偽造防止媒体。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回折構造体が回折構造形成層に形成されており、
    表面から、支持体、剥離保護層、前記回折構造形成層、反射層、接着層の順に積層されて転写箔化されていることを特徴とする偽造防止媒体。
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